JP2009272034A - 情報記録ディスク用成膜装置、及び、情報記録ディスクの製造方法 - Google Patents

情報記録ディスク用成膜装置、及び、情報記録ディスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カーボン保護膜作製チャンバーでの処理時間を短縮するとともにそのチャンバー内でのパーティクルの発生を防止し、生産性の向上を図る。
【解決手段】 一列に且つ無終端となるよう連結された複数のチャンバーを備えた磁気記録ディスク用成膜装置に、少なくとも3つのカーボン保護膜作製チャンバー61,62,63を設ける。キャリア90の数を全チャンバーの数より1だけ少なくし、3つのカーボン保護膜作製チャンバーのうちのいずれか一つが常に空き状態となるように、キャリアの移動を制御する。内部にキャリアが位置する2つのカーボン保護膜作製チャンバーでは、それぞれカーボン保護膜を作製する。同時に空き状態のカーボン保護膜作製チャンバーでは、アッシングによる内部クリーニングを行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報記録ディスク用成膜装置に関し、特に、記録層としての磁性膜の上にカーボン保護膜を有する情報記録ディスクを製造するための情報記録ディスク用成膜装置に関する。
ハードディスクの様な磁気記録ディスクは、アルミニウムやガラスといった基板上の表面(表裏両面)に、Cr等からなる金属下地膜、CoCrTa等からなる磁性記録膜、及び磁性記録膜を磁気ヘッドとの接触や大気との接触による腐蝕から保護するためのカーボン等からなる保護膜を、順次積層して構成されている。
この種の磁気記録ディスクにおける面記録密度は、現在、著しい上昇を続けており、50Gbit/平方インチの達成は目前で、将来的にはさらに向上すると考えられている。また、磁気記録ディスクにおける記録密度の上昇に伴い、それに対応する磁気ヘッド(磁気ディスク用ヘッド)の開発も行なわれており、MR(Magnet Resistance)ヘッドからGMR(Giant Magnet Resistance)ヘッドへの移行が急速に進み、将来的には100Gbit/平方インチ以上の面記録密度に対応できるものと期待されている。
ここで、磁気記録ディスクの記録密度が上昇すればするほど、その磁気記録層への/からの情報の記録/読出しを行なうためには、磁気ヘッドを磁気記録層へ近付けなければならない。即ち、磁気記録層と磁気ヘッドとの間隔を小さくしなければならない。これは、磁気記録層の上に形成されている保護膜の膜厚を薄くしなければならないことを意味する。
カーボン保護膜を形成する場合、以前は、スパッタリング成膜法が利用されていたが、上述のように、保護膜の膜厚を薄くする必要が生じたため、薄くても高硬度のカーボン保護膜(ダイヤモンドライクカーボン膜:DLC)を形成できるプラズマCVDが用いられるようになってきている。
一般的なプラズマCVD装置は、内部を真空にできるチャンバーと、このチャンバー内で平行に配置された平板型電極対とを有している。そして、接地された陽極上に基板を位置させた状態で、チャンバー内に炭素を含むCH4やC6H5CH3等の反応ガスを導入し、電極間に電圧を印加してプラズマを発生させることにより、基板表面上にカーボン膜を堆積させることができる。
ところが、プラズマCVDによるカーボン膜は、基板表面のみならず、その周囲、つまり、チャンバー内部の露出面にも堆積する。チャンバー内部に堆積したカーボン膜は、カーボン膜の形成の度に取り除かなければ、基板へのカーボン膜の形成を繰り返すことによって、次第に厚みを増す。そして、このチャンバー内部に堆積したカーボン膜は、やがて内部応力等によって剥離し、その際カーボンのパーティクルを発生させる。
磁気記録ディスクの製造においては、その生産性を向上させるため、プラズマCVDのチャンバー内に堆積したカーボン膜を除去するという、製造に直接関係がない工程は省略したいという要望がある。特に、薄膜作製や加工を行なうための複数のチャンバーを一列にかつ無終端となるよう連結した、いわゆるインライン式の情報ディスク用作製装置では、その要望が強い。なぜなら、このような磁気情報ディスク用作製装置では、全チャンバーに対応するキャリアを一斉に隣のチャンバーへと移動させ、各チャンバーでそれぞれキャリアに保持された基板に対して処理を行なうように構成されているため、その生産効率は、各チャンバーで行なわれる処理のうち、最も時間を要するものによって決まる。そして、磁気記録ディスクの作製では、通常、プラズマCVDによるカーボン保護膜の形成がもっとも時間を要するからである。従って、ただでさえ、時間を要するプラズマCVDによるカーボン保護膜の作製に加え、そのチャンバー内のカーボン膜を除去する工程を行なうことは極力避けたいという要望がある。
しかしながら、カーボン膜の除去を行なわなければ、そのカーボン膜の剥離によって発生するパーティクルが基板表面に付着し、基板上に形成したカーボン膜の表面に突起を形成する(局所的な膜厚異常を発生する)。この突起は、のちの潤滑層の形成工程において不具合を引き起こすとともに、製品不良の原因となる。
そこで、従来の情報記録ディスク用成膜装置では、カーボン保護膜を形成するためのカーボン保護膜作製チャンバー(CVDチャンバー)を2室用意し、一方のカーボン保護膜作製チャンバーでカーボン保護膜の作製を行ない、その間、他方のカーボン保護膜作製チャンバーでは、その内部露出面に堆積したカーボン膜を酸素プラズマを用いたアッシングで取り除くという工程を、交互に繰り返すことにより、生産性を低下させることなく、パーティクルの発生を防止できるようにしている。なお、このような情報記録ディスク用成膜装置は、例えば、特開平11−229150号公報に記載されている。
特開平11−229150号公報
従来のカーボン保護膜作製チャンバーを2室備えた情報記録ディスク用成膜装置は、実質上、チャンバー内部に堆積したカーボン膜を除去する時間を必要としない点で、効率的である。しかしながら、カーボン保護膜作製工程は、他の成膜工程よりも、依然として処理に要する時間が長い。従って、さらなるランニングコストの低減や生産効率の向上の要求に応えるためには、カーボン保護膜作製に要する時間を短縮する必要がある。
また、カーボン保護膜作製チャンバーに導入されるカーボン保護膜形成に使用される処理ガスとアッシング用の処理ガスとの置換に要する時間も短縮する必要がある。なお、カーボン保護膜形成に使用される処理ガスとアッシング用の処理ガスとを別々の配管で導入することは、配管が複雑になるとともに、その配管に必要なスペースが大きくなることから採用できない。
本発明の目的は、設備の大型化やそれに伴う製造コストの増加を招くこと無く、カーボン保護膜作製時間の短縮化およびカーボン保護膜作製チャンバー内部でのパーティクル発生を効果的に防止し、かつ生産性を飛躍的に向上させることができる構成を有する情報記録ディスク用成膜装置を提供することにある。
なお、情報記録ディスク用成膜装置の生産性を向上させるには、キャリアの搬送速度を高速にするという方法も可能である。しかしながら、キャリアは、その下部に配設された磁石と、搬送路に配設された磁石との反発力及び引っ張り力を利用するものであるため、搬送速度を上げると磁石の減磁の問題が生じ、また、電源設備の問題も生じるので、この方法で生産性を向上させるのは非常に困難である。
本願発明の一形態にかかるインライン式の情報記録ディスク用成膜装置は、前記カーボン保護膜作製チャンバーは、前記キャリヤによる基板の搬入位置における基板の両面側に設けられた一対の電極と、前記搬入位置における基板の側方から前記基板の両面側にガスを噴出するガス導入パイプと、前記ガス導入パイプに選択的にガスを供給可能なガス導入系と、前記基板を挟んで前記ガス導入パイプと反対側からチャンバ内部を排気可能な排気系と、を備え、導入するガスの選択により、基板に対するカーボン膜の作製と、空き状態におけるカーボン膜のアッシングと、を選択的に実行するものであることを特徴とする情報記録ディスク用成膜装置を備えることを特徴とする。
また、本願発明の情報記録ディスク用成膜装置の一形態として、一列に連結された複数のチャンバーと、当該複数のチャンバー各々の内部で基板を保持し、各チャンバーからその隣のチャンバーへと前記基板を順次搬送するために所定方向へ移動可能な複数のキャリアとを備え、前記複数のチャンバー内でそれぞれ所定の処理を行なうことにより、前記基板上にカーボン保護膜を含む複数の膜を形成して情報記録ディスクを作製する情報記録ディスク用成膜装置において、前記複数のチャンバーに含まれる前記カーボン保護膜を形成するためのカーボン保護膜作製チャンバーとして少なくとも3つのチャンバーを設け、常に、これらカーボン保護膜作製チャンバーのうちのいずれか1つが、前記キャリアの存在しない空き状態となるように、前記キャリアの移動を制御する制御装置を備えたことを特徴とする情報記録ディスク用成膜装置が得られる。
また、本願発明の情報記録ディスク用成膜装置の一形態として、前記制御装置は、前記複数のキャリアを前記所定方向へ移動させる際、空き状態にあるカーボン膜作製チャンバーの隣であって、前記所定方向側に位置するチャンバーが他のカーボン保護膜作製チャンバーである場合には、当該他のカーボン保護膜作製チャンバーが空き状態となるように、そうでない場合は、最も前記所定方向後方に位置する前記カーボン保護膜作製チャンバーが空き状態となるように、前記複数のキャリアの移動を制御する。
また、本願発明の情報記録ディスク用成膜装置の一形態として、前記複数のチャンバーが無終端となるよう連結されている。
また、本願発明の情報記録ディスク用成膜装置の一形態として、前記カーボン保護膜作製チャンバーは、それぞれ、内部を排気するための排気系と、内部にガスを導入するためのガス導入系と、内部に導入された前記ガスをプラズマ化するプラズマ形成手段とを有するプラズマCVD装置であって、空き状態にあるとき、内部に酸素ガスを導入してプラズマ化し、前記カーボン保護膜の作製時にその内部の露出面に形成されたカーボン膜をアッシングして除去できるようにしてある。
また、本願発明の情報記録ディスク用成膜装置の一形態として、前記ガス導入系は、長さ方向に並ぶ多数の噴出口を備えたガス導入パイプを有し、当該ガス導入パイプから前記プラズマ形成手段が備える一対の電極間に前記ガスを噴出するようにしてある。
また、本願発明の情報記録ディスク用成膜装置の一形態として、磁性膜作製チャンバーと、互いに連続して配設された少なくとも3つのカーボン保護膜作製チャンバーとを含む複数のチャンバーを備え、前記磁性膜作製チャンバー内で基板の表面に記録用の磁性膜を作製した後、前記カーボン保護膜作製チャンバー内で前記磁性膜の上にカーボンよりなる保護膜を作製して情報記録ディスクを製作する情報記録ディスク用成膜装置であって、前記カーボン保護膜作製チャンバーは、それぞれ、内部を排気する排気系と、内部に酸素ガス及び炭素を含むガスのいずれか一方を選択的に導入するガス導入系と,内部に導入されたガスをプラズマ化するプラズマ形成手段とを有しており、前記カーボン保護膜作製チャンバーのうち2以上のチャンバー内にてカーボン膜作製処理を行なうとともに、残りの1以上のカーボン膜作製チャンバーにおいてその内部露出面に堆積したカーボン膜をアッシングして除去することを可能にしたことを特徴とする情報記録ディスク用成膜装置が得られる。
また、本願発明の情報記録ディスク用成膜装置の一形態として、前記複数のチャンバーを気密に、一列に、かつ無終端となるように接続するとともに、前記基板を保持した状態でこれら複数のチャンバー内を順に通過する、全チャンバー数よりも少ない数の複数のキャリアを備えた搬送系を設け、前記カーボン保護膜作製チャンバーのうちアッシングを行なおうとするチャンバー内には、前記キャリアを停止させないように制御する。
また、本願発明の情報記録ディスク用成膜装置の一形態として、前記カーボン保護膜作製チャンバーを3つ有し、これら3つのカーボン保護膜作製チャンバーのアッシングを1つずつ順番に行なうように、選択的に2つのカーボン保護膜作製チャンバー内に前記キャリアを停止させてカーボン保護膜作製処理を行ない、残りの1つのカーボン保護膜作製チャンバー内においてアッシング処理を行なうように制御する。
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、大型の設備投資を必要とせず、簡単な構成でかつ安価に情報記録ディスク製造することができるとともに、カーボン保護膜作製時間の短縮化を図ることができ、さらに、カーボン保護膜作製チャンバーにおいて発生していたパーティクル発生を効果的に防止し、かつ生産性を飛躍的に向上させた構成を有する情報記録ディスク用成膜装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る磁気記録ディスク用成膜装置の概略構成を示す平面図である。 図1の磁気記録ディスク用成膜装置に使用される磁性膜作製チャンバーの概略構成を示す横断面図である。 図1の磁気記録ディスク用成膜装置に使用されるカーボン保護膜作製チャンバーの概略構成を示す(a)横断面図及び(b)縦断面図である。 図3のカーボン保護膜作製チャンバーに使用されるガス導入パイプの(a)縦断面図及び(b)底面図である。 図1の磁気記録ディスク用成膜装置に使用される搬送機構の概略を示す(a)縦断面図及び(b)正面図である。 図1の磁気記録ディスク用成膜装置において、磁気記録ディスクの製造を阻害することなくアッシング工程を行なう方法について説明するための工程図である。 図6の工程に続く工程を説明するための工程図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係る情報記録ディスク用成膜装置を示す。図1の情報記録ディスク用成膜装置は、インライン式と呼ばれる装置であって、複数のチャンバー(後に詳述する)が、ゲートバルブ10を介して気密に、一列に、かつ無終端となるよう方形に配置され、連結されている。これら複数のチャンバーの内部には、チャンバーの数より少ない数のキャリア90と、これらキャリア90を基本的には隣のチャンバーへと順々に移動させていくための搬送機構(後述する)が設けられている。なお、キャリア90の数は、理論上、チャンバーの数より1だけ少なければよく、以下ではその場合について説明するが、実際には、さらに少なくした方がよい。例えば、図1のように、チャンバーの配置が方形の場合は、さらに2つ少なくするとよい。これは、互いに対角に位置する2つの方向転換チャンバー(コーナーチャンバー)をキャリア90が存在しない空き状態とし、2組の互いに対向する2辺のキャリア90を交互に移動させるようにすれば、方向転換チャンバー(コーナーチャンバー)3の構成、動作を簡略化できるからである。
複数のチャンバーには、その内部を排気するために排気管(図示せず)が接続されており、これら排気管は、それぞれ独立したあるいは共通の排気ポンプ(真空ポンプ:図示せず)に接続されている。また、各チャンバーには、そこでの処理に必要なガスを供給するためのガスボンベ(図示せず)に接続されたガス導入管(図示せず)がそれぞれ接続されている。なお、方形の四隅に位置する方向転換チャンバー(コーナーチャンバー)3は、キャリア90の向きを変えるためだけのものであるため、そこにはガス導入管は接続されていない。
複数のチャンバーのうち、図の下方中央左側に位置するものがロードロックチャンバー1である。また、その右側に位置するものがアンロードロックチャンバー2である。磁気記録ディスク用の基板は、ロードロックチャンバ1においてこの装置内に取り込まれ、装置内を時計方向にほぼ一周して、その表面上に各種膜が形成され、アンロードロックチャンバ2より取り出される。
ロードロックチャンバー1には、上述した一列に連結される複数のチャンバーとは別の基板搭載補助チャンバー110が2つ、ゲートバルブ10を介して連結されている。また、ロードロックチャンバー1の内部には搭載ロボット11が設けられている。また、搭載ロボット11は、基板搭載補助チャンバー110内に収められた情報記録ディスクの製造に使用される基板9を、この基板搭載補助チャンバー110から取り出して、キャリア90に保持させるためのアーム111を有している。
アンロードロックチャンバー2は、ロードロックチャンバー1と同じ構成である。即ち、アンロードロックチャンバー2には、2つの基板回収補助チャンバー210がゲートバルブ10を介して連結されており、また、その内部には、回収ロボット21が設けられている。回収ロボット21は、キャリア90保持された基板9を基板から取り外し、基板回収補助チャンバー210内に置くためのアーム211を有している。
方向転換チャンバー3は、他のチャンバーとは異なり、この方向転換チャンバー3内へ移動してくるキャリア90の移動方向と、この方向転換チャンバー3から次のチャンバーへと移動するキャリア90の移動方向とが異なる。このため、方向転換チャンバー3では、単純に一方向にキャリア90を移動させればよい他のチャンバーとは異なる搬送機構が必要になる。具体的には、方向転換チャンバー3は、前段のチャンバーから移動してくるキャリアを受け入れるとともに、既にこのチャンバー内に位置するキャリアを別の方向へ送り出すことができる搬送機構が必要になる。このような、搬送機構としては、従来のもの(例えば、特開平8−274142号公報に記載されているもの)が使用できるので、その説明は省略する。
ロードロックチャンバー1の隣に位置する方向転換チャンバー3に連結されているのは、プリヒートチャンバー4である。プリヒートチャンバー4では、脱ガス等の目的で基板を加熱するための赤外線ランプ等の加熱手段を備えている。なお、図1では、プリヒートチャンバー4を2つ設ける場合について示したが、1つでもよい。また、プリヒートチャンバー4は、第一下地膜作製チャンバー51の前だけはなく、必要に応じて他のチャンバーの前段に設けてもよい。
第一下地作製チャンバー51、第一磁性膜作製チャンバー52、第二下地膜作製チャンバー53、及び第二磁性膜作製チャンバー54は、それぞれ、スパッタリング装置を構成するため、ターゲット、スパッタ電源、磁石機構等を有する。そして、各チャンバーを真空排気した状態で、ガス導入系によりAr等のプロセスガスをチャンバー内に導入し、スパッタ電源からターゲットに高電圧を印加することにより放電を起こさせてターゲットをスパッタすることにより、基板上に所定の膜を作製することが出来る。
第1及び第2の磁性膜作製チャンバー52,54の詳細を図2に示す。図2に示すように、これら第1及び第2の磁性膜作製チャンバーは、排気系55、ガス導入系56、4基のターゲット57、ターゲットにスパッタ電圧を供給するスパッタ電源58、ターゲットの背後に配設された磁石機構59を有している。
図1に戻ると、第1、第2、及び第3のカーボン保護膜作製チャンバー61,62,63が連続的に配置されている。各カーボン保護膜作製チャンバー61,62,63は、図3(a)及び(b)に示すように、プラズマCVD装置を構成する。即ち、各カーボン保護膜作製チャンバー61,62,63には、排気系610と、ガス導入系635が接続され、ガス導入パイプ636が設けられている。ガス導入パイプ636の断面図及び底面図をそれぞれ図4(a)及び(b)に示す。
また、これらチャンバー61,62,63には、図3(a)及び(b)に示すように、一対の高周波電極631が設けられ、これら電極631には、高周波電圧を印加するための高周波電源633が整合器632を介して接続されている。なお、この高周波電極631は、2枚の基板を覆う大きさで、キャリア90に搭載された2枚の基板に同時にカーボン保護膜を作製することができる。また、これらチャンバー61,62,63には、移動可能でキャリア90に接触する接点645と、接点645に接続された導入部644、が設けられ、導入部644にはスイッチ643を介して、キャリア90(即ち、基板9)にバイアス電圧を印加するための直流電源641及び高周波電源642が接続されている。
再び図1に戻ると、第3のカーボン保護膜作製チャンバー63の隣りには、ゲートバルブ10を介して予備チャンバー7が連結されている。予備チャンバー7は、その名の通り、予備のチャンバーであって、基板上に形成される膜の数が増えた場合などに使用される。但し、この予備チャンバーは、他のチャンバーと同様、その内部は真空排気されている。
次に、図5(a)及び(b)を参照して、キャリアを移動させるための搬送機構について説明する。各チャンバーの内部には、ガイドローラー501やガイドベアリング502が多数並べて取り付けられたガイドレール503が設けられている。そして、各チャンバーの外部には、ガイドレール503と平行になるように配置された駆動磁石504が回転可能に設けられている。さらに、各チャンバーには、例えば、光センサー等の非接触型の位置検出装置(図示せず)が、キャリア90の位置検出を行なうために取り付けられている。
駆動磁石504は、略円柱状で、その外周面には2重螺旋状にN極及びS極が形成(着磁)されている。また、この駆動磁石504は、キャリア90の移動方向前方に位置する固定部504aと、キャリア90の移動方向後方に位置する可動部504bとを有し、これら固定部504aと可動部504bとの間には、傘歯車505が設けられている。そして、傘歯車505は、駆動軸506の先端に固定された傘歯車507と噛み合っている。
駆動軸には、パルスモータ等の回転駆動装置(図示せず)が連結されている。各チャンバーに対応して設けられた回転駆動装置は、図示しない1台の制御装置によって制御される。この制御装置には、また、各チャンバーに設けられた位置検出装置が接続されている。
キャリア90には、その下縁に沿って多数のキャリア側磁石508がN極とS極とが交互に並ぶように取りつけられている。これらキャリア側磁石508は、駆動磁石504の上方に位置したとき、この駆動磁石504と磁気結合する。また、キャリア90には、ガイドローラー501を位置させるための溝が形成されており、ここにガイドローラー501が位置するようにキャリア90をガイドローラー501に掛け、下端側を2つのガイドベアリング502の間に位置させることにより、キャリア90は、ガイドレール503に沿って容易に移動できるようになっている。
以上の構成で、回転駆動装置を駆動すると、駆動マグネット504がその軸を中心に回転する。すると駆動マグネット504と磁気結合状態にあるキャリア側マグネット508は、駆動マグネット504の回転に伴って、ガイドレール503に沿って移動する。
隣接する2つのチャンバー間にはゲートバルブが存在するため、ガイドレール503や、駆動磁石504は、チャンバー単位で設けざるを得ない。従って、ガイドレール間でのキャリアの移動をスムースに行えるようにすることがキャリアの高速移動(移動時間短縮)には、欠かせない。本実施の形態では、磁気記憶ディスク用成膜装置を起動したときに、位置検出装置で各キャリア90の位置検出を行い、全てのチャンバーにおける駆動磁石に対するキャリアの位置(位置位相)を一致させてから、全てのキャリアを同時に移動させるなどの方法を用いることにより、隣接チャンバー間でスムースにキャリア90が移動できるようにすることによって、キャリアの移動時間の短縮を実現している。また、可動部504bは、図示しないバネにより、キャリア90の移動方向とは逆方向に付勢され、所定の範囲で軸方向に移動可能となっている。これにより、キャリア90が移動してくると、可動部504bは、キャリア側磁石508と磁気結合し、キャリア90の移動に伴なって移動し、その後バネの反発力で元の位置に戻る。こうして、キャリアのスムースな移動を援助するようにしてある。
なお、上述した搬送機構は、出願人より、発明の名称「磁気搬送装置および磁気搬送方法」として特許出願(特願2000−18307号)されている。
本実施の形態にかかる磁気記録ディスク用成膜装置は、以上のように構成されており、全キャリアを一斉に移動させる工程と、全チャンバー内でのそれぞれ処理を行なう工程とが交互に繰り返されることによって、連続的に大量の磁気ディスクの作製が行なうことができる。
次に、本実施の形態に係る磁気記録ディスク用成膜装置の動作について説明する。ここでは、まず、情報記録ディスク作製のプロセスを簡単に説明する。なお、この磁気記録ディスク用成膜装置では、基本的には全てのキャリア90が一斉に隣りのチャンバーへと移動するものであるが、ここでは1つのキャリアについてのみ説明する。そして、その後、カーボン保護膜形成チャンバー61,62,63及びその前後段チャンバーにおけるキャリアの移動について詳細に説明する。
以下、情報記録ディスク作製のプロセスについて図1乃至3を参照して説明する。
まず、ロードロックチャンバー1において、ロボット11がそのアーム111を用いて、基板搭載補助チャンバー110に収められた基板9を2枚取り出し、このロードロックチャンバー1内にあるキャリア90に搭載する。ここでのロボット11による、キャリア90への基板9の搭載は、1枚づつ行っても良いし、2枚同時に行っても良い。2枚の基板を同時にキャリア90に搭載する方法としては、基板を1つの基板搭載補助チャンバー110内に、並列に2列に並べておき、2つのアームを持つロボットで各列から1枚ずつの基板を同時に取り出して、そのまま2枚同時に、キャリア90に搭載するという方法がある。なお、このような方法は、出願人により、発明の名称「基板処理装置の基板移載装置」として特許出願(特願2000−20279号)されている。
次に、ロードロックチャンバー1内でキャリア90に搭載された基板9は、キャリア90の移動により、方向転換チャンバー3へと搬送される。ここでは、キャリア90の方向転換が行われる。
次に、基板9は、プリヒートチャンバー4へと搬送される。そして、プリヒートチャンバー4において、基板9は、所定の温度にまで加熱される。本実施の形態では、プリヒートチャンバー4が2つ連続して配置されているので、段階的に加熱が行われる。後述する磁性膜作製チャンバー52,54では、基板温度が200℃程度であるとき、最も作製した磁性膜の磁気特性が良好となることから、プリヒートチャンバー4では、磁性膜作製時に最適温度になるように、基板を100〜300℃程度まで加熱する。
次に、加熱された基板9を搭載したキャリア90は、次の下地膜作製チャンバー51に移動し、ここで、基板9の表面(表裏両面)には、Cr膜等の第一下地膜が作製される。その後、基板9を搭載したキャリア90は、次の磁性膜作製チャンバー52に移動する。
磁性膜作製チャンバー52では、下地作製チャンバー51で形成された第一下地膜上にCoCrTa等の第一磁性膜が作製される。ここで、磁性膜作製チャンバー52は、上述したように(図2に示す様に)4基のターゲットを用いて、2枚の基板に対してその両面に同時に磁性膜を作製することが出来る。従って、従来の装置のように、2基のターゲットを用いて1枚ずつ基板の両面に磁性膜を形成する場合に比べ、膜付け時間をほぼ半分にすることが出来る。この後、基板9を搭載したキャリア90は、次の下地膜作製チャンバー53に移動する。
下地膜作製チャンバー53では、上述した下地膜作製チャンバーと同様、Cr膜が、第一磁性膜の上に第二下地膜として形成される。次に、基板9を搭載したキャリア90は、磁性膜作製チャンバー54に移動し、ここで、第二下地層の上に第2磁性膜が形成される。第2の磁性膜も、2枚の基板に対して同時に行われる。
なお、本実施の形態では、下地膜と磁性膜を交互に2層ずつ作製するようにしたが、下地膜を2層続けて作製した後、磁性膜を2層続けて作製するようにしても良い。その場合、下地膜作製チャンバー51の隣りには下地膜作製チャンバー53が配置され、その隣りに磁性膜作製チャンバー52、さらにその隣りに磁性膜作製チャンバーチャンバー54が配置される。
次に基板9は、連続して接続された3つのカーボン保護膜作製チャンバー61,62,63へと搬送される。ただし、実際にカーボン保護膜の作製が行われるのは、後述するようにこれらのうち2つのチャンバーである。残りの一つでは、アッシング処理が行なわれる。本実施の形態では、カーボン保護膜の作製を2度に分けて行なうことにより、各チャンバーでの処理時間を短縮することができる。
カーボン保護膜の作製を行うチャンバー61(62,63)では、キャリア90が移動してくると、プラズマCVDによって、第2磁性膜の上にカーボン保護膜を作製する。以下詳述する。
カーボン保護膜作製チャンバー61(62,63)内は、排気系610によって10−6Pa程度に排気されている。チャンバー61(62,63)の内部上方には、ガス導入系635に接続された複数個のガス噴出し孔が開口したガス導入パイプ636が配設されており、ここから、例えば炭化水素(例えば、C6H5CH3)と水素(H2)とを所定の割合で混合した混合ガスをプロセスガスとして導入する。
なお、従来の装置では、一対の高周波電極の表面にそれぞれ微細な穴を多数開口し、これら高周波電極内を通してガス導入を行なっていたが、本実施の形態では、ガス導入パイプ636を用いてガス導入を行うようにしたことで、電極構造を簡素化することができ、また、各高周波電極へガスをそれぞれ供給して配管を一本にすることが出来るので、ガス導入系を設置するのに必要となる床面積および設備費用を削減できる。
次に、平行平板型高周波電極631に、高周波電源633から、例えば13.56MHz,450W程度の電力を供給する。プロセスガスの存在により基板9と各高周波電極631との間に放電が生じ、プラズマが形成される。そして、プラズマ中でプロセスガスが分解してカーボンが発生し、基板9の上に析出する。このカーボン膜作製速度は、基板9に負のバイアス電圧を印加することによって、高速化することができる。また、基板9にバイアス電圧を印加することによって緻密で硬いダイヤモンド構造のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を形成することできる。
具体的なカーボン膜作製条件として、下記のような条件が挙げられる。
C6H5CH3:30cc/分(3×10−5m3/分)
H2:100cc/分(1×10−4m3/分)
保護膜作製チャンバー6内の圧力:4Pa
高周波電力:13.56MHz:700W
バイアス電圧:−300V
成膜速度:1.2×10−9m/秒
成膜時間:4秒
以上のようにして、2つのカーボン保護膜作製チャンバー61(62,63)で2層のカーボン保護膜がそれぞれ形成された基板9は、次のキャリア90の移動により予備チャンバー7へと搬送され、その次のキャリア90の移動により方向転換チャンバー3へと搬送され、さらにその次のキャリア90の移動によりアンロードロックチャンバー2へと搬送される。そして、アンロードロックチャンバー2へと搬送された基板9は、回収用ロボット21によりそのアーム211を用いてキャリア90より取り外され、基板回収補助チャンバー210内に回収される。
この後、キャリア90は、再びロードロックチャンバー1へ移動して、上記動作が繰り返される。
以上のようにして、本実施の形態に係る磁気記録ディスク成膜装置では、各キャリア90を、順番に各チャンバー内に位置させて、そこで所定の処理を行なうことで、連続的に磁気記録ディスクを作製することができる。
さて、カーボン保護膜作製チャンバー61,62,63においてカーボン保護膜の作製行なうと、基板9の磁性膜上以外の場所にもカーボン膜が堆積する。即ち、保護膜作製チャンバー61,62,63の内部露出面にもカーボン膜が堆積する。このカーボン膜は、チャンバー61,62,63内にガス導入系635を利用して酸素ガスを導入し、アッシングを行なうことにより除去することができる。すなわち、炭化水素と水素との混合ガスであるプロセスガスの代わりに酸素ガスをチャンバー内に導入し、放電を発生させることにより、内部露出面に堆積したカーボン膜を分解し、CO2,CO,H2Oガスとして排気することができる。
具体的なカーボン膜のアッシング条件として、下記の条件が挙げられる。
O2:400cc/分(4×10−4m3/分)
保護膜作製チャンバー6内の圧力:10Pa
高周波電力:13.56MHz:700W
アッシング速度:〜13Å/秒(〜1.3×10−9m/秒)
成膜時間:4秒
なお、従来の装置では、ガス導入系を一対の高周波電極にそれぞれ接続していた関係で、配管が長くなっており、ガス切り替え(ガス置換)に要する時間が長くなっていた、本実施の形態に係る装置の構造では、配管長を短くすることができ、ガス置換時間を短縮することができる。
上述のように、本実施の形態では、3つカーボン保護膜作製チャンバー61,62,63のうち、2つのチャンバーでカーボン膜の作製が行なわれる。そして、残りの1つでアッシング処理が行なわれる。以下では、磁気記録ディスク作製時のキャリア90の移動を妨げることなく、3つのカーボン保護膜作製チャンバー61,62,63において、1つずつ順番にアッシング処理を行なう方法について、図6及び図7を参照して説明する。なお、図6及び図7では、基板と装置構成を模式的に表現し、片面成膜を行なうように描かれているが、実際には、図3で示すように、基板は垂直姿勢で搬送され、その両面に対して成膜が行なわれる。
図6(a)は、装置が起動され、一番最初に基板が搭載されることとなったキャリア90が、カーボン保護膜作製チャンバー61の前段の方向転換チャンバー3にまで移動してきた状態を示す。これは、図6(a)に示される他のキャリア90には、未だ基板が搭載されていないことを意味する。また、カーボン保護膜作製チャンバー61,62,63は、常に、どれか一つがキャリア90の存在しない空き状態となる。図6(a)では、カーボン保護膜作製チャンバー61が、空き状態となっている。
図6(a)の状態で、図示されていないロードロックチャンバー1等のチャンバーでは、それぞれ、所定の処理が行なわれる。そして、これらの処理が終了すると、全てのキャリア90は、隣(図の左側)のチャンバーへと移動する。即ち、図6(a)の状態から図6(b)の状態へと変化する。
図6(b)の状態で、カーボン保護膜作製チャンバー61では、カーボン保護膜の作製が行なわれる。その結果を図6(c)に示す。全てのチャンバーで、それぞれ所定の処理が終了すると、キャリア90は、さらに隣りのチャンバーへと移動する。即ち、図6(c)の状態から図6(d)の状態へと変化する。
図6(d)の状態で、カーボン保護膜作製チャンバー61、62では、カーボン保護膜の作製がそれぞれ行なわれる。その結果を図6(e)に示す。このあと、全チャンバーでそれぞれ所定の処理が終了したなら、本来なら、キャリア90がさらに隣りのチャンバーへと移動するわけだが、全てのキャリア90を1つとなりのチャンバーへ移動させると、予備チャンバー7が空き状態となってしまう。そこで、本実施の形態では、再びカーボン保護膜作製チャンバー61が空き状態となるように、カーボン保護膜作製チャンバー61,62内にそれぞれ位置するキャリア90と方向転換チャンバー3内に位置するキャリア90の合計3つのキャリア90については、2チャンバー分移動させる。他のキャリア90については、通常通りすぐ隣のチャンバーへ移動させる。その結果、キャリア90の位置は、図6(e)の状態から図6(f)の状態へと変化する。
なお、2チャンネル分の距離を移動する3つのキャリアの移動に要する時間を、他の1チャンネル分移動するキャリア90の移動に要する時間と一致させるため、上記3つのキャリアについては、その移動速度を他より速くしなければならない。このような制御は、パルスモータを制御する制御装置により自動で行なわれる。このように、本実施の形態では、全キャリアの移動速度を高速化するのではなく、必要な部分のみ高速化するので、磁石の減磁の問題や高性能の電源側設備を必要とせずコストを最小限に抑えることができる。
図6(f)の状態となった後、各チャンバーでは所定の処理が行なわれる。即ち、図7(a)に示すように、カーボン保護膜作製チャンバー62,63では、カーボン保護膜の作製が行なわれる。同時に、カーボン保護膜作製チャンバー61では、酸素ガスを利用したアッシングにより、チャンバー内部のクリーニングが行なわれる。
クリーニング終了後、図7(b)に示すように、カーボン保護膜作製チャンバー61では、酸素ガスの排気が行なわれる。なお、アッシング終了後の排気は、他のカーボン保護膜作製チャンバー62,63でのカーボン保護膜の作製が終了するまでに、終えるようにすることが好ましい。
この後、各キャリア90は、再び、すぐ隣のチャンバーへ移動する。つまり、図7(b)の状態から図7(c)の状態となる。そして、図7(d)及び(e)に示すように、カーボン保護膜作製チャンバー61,63ではカーボン保護膜の作製が行なわれ、カーボン保護膜作製チャンバー62では、アッシング処理及び酸素ガスの排気が行なわれる。
次に、各キャリア90が、隣のチャンバーへと移動すると図7(f)に示す状態となる。そして、図7(g)及び(h)に示すように、カーボン保護膜作製チャンバー61,62ではカーボン保護膜の作製が、カーボン保護膜作製チャンバー63ではアッシング処理及び排気が行なわれる。
この後、再びカーボン保護膜作製チャンバー61を空きチャンバーとするために、カーボン保護膜作製チャンバー61,62及び方向転換チャンバー3内にそれぞれ位置する3つのキャリア90を2チャンバー分移動させ、それ以外のキャリア90を1チャンバー分移動させて、図7(i)の状態とする。
図7(i)の状態は、図6(f)の状態と同じである。そして、これ以後は、図7(a)から図7(i)を繰り返すことにより、各基板に対して2度にわたるカーボン保護膜作製を行ないながら、3つのカーボン膜作製チャンバーを1つずつ順番にクリーニングすることができる。
こうして、本実施の形態による磁気記憶ディスク作製用成膜装置では、磁気記憶ディスクの作製のタクトを乱すこと無く、周期的にカーボン保護膜作製チャンバー内のカーボン膜の除去を行なうことができる。これにより、カーボン保護膜作製時のパーティクルの発生を防止することができる。
なお、上記実施の形態では、カーボン保護膜作製チャンバーの数が3の場合について説明したが、それ以上でもよい。その場合、キャリアの数を全チャンバーの数より2以上少なくして、2以上のチャンバーで同時にアッシング処理を行なうようにすることもできる。
また、上記実施の形態では、複数のチャンバーを方形に配置する場合について説明したが、これに限らず、多角形でもよい。
さらに、上記実施の形態では、キャリアが時計周りに移動するように構成した場合について説明したが、反時計周りに移動するように構成することも可能である。
さらにまた、上記実施の形態では、搬送機構の駆動磁石が固定部と可動部を有する場合について説明したが、可動部を持たず、2つの固定部を有するものであってもよい。
1 ロードロックチャンバー
2 アンロードロックチャンバー
3 方向転換チャンバー
4 プリヒートチャンバー
7 予備チャンバー
9 基板
90 キャリア
10 ゲートバルブ
11 ロボット
110 基板搭載補助チャンバー
111 アーム
21 回収ロボット
210 基板回収補助チャンバー
211 アーム
51,53 下地膜作製チャンバー
52,54 磁性膜作製チャンバー
55 排気系
56 ガス導入系
57 ターゲット
58 スパッタ電源
59 磁石機構
61、62、63 カーボン保護膜作製チャンバー(CVDチャンバー)
610 排気系
631 高周波電極
632 整合器
633 高周波(RF)電源
635 ガス導入系
636 ガス導入パイプ
641 直流電源
642 高周波(RF)電源
643 スイッチ
644 導入部
645 接点
501 ガイドローラー
502 ガイドベアリング
503 ガイドレール
504 駆動磁石
504a 固定部
504b 可動部
505 傘歯車
506 駆動軸
507 傘歯車
508 キャリア側磁石

Claims (2)

  1. インライン式の情報記録ディスク用成膜装置であって、
    前記カーボン保護膜作製チャンバーは、
    前記キャリヤによる基板の搬入位置における基板の両面側に設けられた一対の電極と、
    前記搬入位置における基板の側方から前記基板の両面側にガスを噴出するガス導入パイプと、
    前記ガス導入パイプに選択的にガスを供給可能なガス導入系と、
    前記基板を挟んで前記ガス導入パイプと反対側からチャンバ内部を排気可能な排気系と、
    を備え、導入するガスの選択により、基板に対するカーボン膜の作製と、空き状態におけるカーボン膜のアッシングと、を選択的に実行するものであることを特徴とする情報記録ディスク用成膜装置。
  2. 請求項1に記載の情報記録ディスク用成膜装置を用いて情報記録ディスクを製造することを特徴とする情報記録ディスクの製造方法。
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