JP5427572B2 - マグネトロンスパッタ装置、インライン式成膜装置、磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

マグネトロンスパッタ装置、インライン式成膜装置、磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、減圧雰囲気下で被処理基板に対して成膜等の処理を行うマグネトロンスパッタ装置、そのようなマグネトロンスパッタ装置を備えたインライン式成膜装置、そのようなインライン式成膜装置を用いた磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、磁気ディスク装置、可撓性ディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。特に、HDD(ハードディスクドライブ)では、MRヘッドやPRML技術などの導入以来、面記録密度の上昇は更に激しさを増し、さらに、近年ではGMRヘッドやTuMRヘッドなども導入され、1年に約1.5倍ものペースで面記録密度が増加を続けている。
一方、HDDの磁気記録方式として、いわゆる垂直磁気記録方式が従来の面内磁気記録方式(磁化方向が基板面に平行な記録方式)に代わる技術として、近年急速に利用が広まっている。この垂直磁気記録方式では、情報を記録する記録層の結晶粒子が基板に対して垂直方向に磁化容易軸を持っている。磁化容易軸とは、磁化の向き易い方向を意味し、一般的に用いられているCo合金の場合、Coのhcp構造の(0001)面の法線に平行な軸(c軸)である。垂直磁気記録方式は、このような磁性結晶粒子の磁化容易軸が垂直方向にあることにより、高記録密度が進んだ際にも、記録ビット間の反磁界の影響が小さく、静磁気的にも安定しているという特徴がある。
垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に下地層、中間層(配向制御層)、記録磁性層、保護層の順に成膜されるのが一般的である。また、保護層まで成膜した上で、表面に潤滑膜を塗布形成する場合が多い。また、多くの場合、軟磁性裏打ち層と呼ばれる磁性膜が下地層の下に設けられている。下地層や中間層は、記録磁性層の特性をより高める目的で形成される。具体的には、記録磁性層の結晶配向を整えると同時に、磁性結晶の形状を制御する働きがある。
上述した磁気記録媒体は、主にスパッタリング法を用いて形成された複数の薄膜を積層して構成されている。このため、磁気記録媒体は、このような磁気記録媒体を構成する各薄膜を成膜する複数のチャンバ(処理装置)を、ゲートバルブを介して一列に接続したインライン式成膜装置を用いて製造されるのが一般的である。そして、このインライン式成膜装置では、処理対象となる基板が、各チャンバ内に順次搬送され、各チャンバ内で所定の薄膜が成膜される。したがって、インライン式成膜装置では、基板を一巡させることにより、基板上にチャンバの数に応じた数の薄膜を成膜することができる。
また、インライン式成膜装置では、上述したスパッタリングのための処理装置として、マグネトロンスパッタ装置が好適に用いられている。具体的に、このマグネトロンスパッタ装置は、反応容器内に配置された基板に対向させてターゲットを配置し、このターゲット表面付近に磁場を発生させるため、ターゲットの背面に磁気回路を配置し、不活性ガス雰囲気中でこれら基板とターゲット間に高周波(RF)等の高電圧を印加し、この高電圧で電離した電子と不活性ガスとを衝突させてプラズマを形成し、プラズマ中の陽イオンによりスパッタリングされたターゲット粒子を基板表面に堆積させて成膜処理を行うものである。また、ターゲットの背面に配置される磁気回路は、一般的にはターゲットの表面に対して垂直な方向に磁化方向を持つマグネットを内側に置き、このマグネットとは逆向きの磁化方向をもつマグネットを外側におくことにより構成されている。
ところで、マグネトロンスパッタ装置では、ターゲットの表面に生じるエロージョン(浸食)が、ターゲット表面側に生じる磁場に依存した不均一な形状で進行することがある。すなわち、エロージョンは、磁場のターゲットに対する水平方向成分が存在するターゲット表面上の領域に発生し、磁場の同成分が大きい所ほど深い形状となる。
ターゲットの寿命は、エロージョンの進行が強い部分で決定されることとなる。このため、エロージョンを均一化して、ターゲットの利用効率を向上させることが試みられている。例えば、エロージョンを均一化する方法の一つとして、ターゲットの裏面に配置する磁気回路を適切な状態とすることが提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
また、このようなマグネトロンスパッタ装置を使用する場合は、通常は2週間程度の連続稼働となるため、ターゲットを冷却しないと、ターゲットの温度が徐々に上がり、ターゲットやターゲットを取り付けるバッキングプレートが溶解するといった問題が生じることになる。
そこで、このような問題を解消するために、水冷機構を有するバッキングプレートを備えたスパッタリング装置が従来より提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。
特開平7−157875号公報 特開2001−279439号公報 特開2008−106330号公報 特開2000−169962号公報
現在市販されている磁気記録媒体のサイズとしては、デスクトップパソコン、サーバー等に使用される外径3.5インチタイプや、ノートブックパソコン等に使用される外径2.5インチタイプ、パームトップパソコンや携帯端末に使用される外径2インチ以下タイプ(例えば、1.89インチや0.85インチタイプ)などが知られている。
この中でも、小径の磁気記録媒体をマグネトロンスパッタ装置を用いて製造する場合は、大きな径のターゲットを用いて複数枚の基板を密に並べて同時成膜する方法と、小さな径のターゲットを用いて基板毎に成膜を行う方法とを用いることができる。しかしながら、前者の方法を用いた場合は、量産性に優れるものの、析出する膜厚に分布が生じ易くなる。一方、後者の方法を用いた場合は、量産性は低いものの、基板上に析出する膜厚を均質化することができる。
また、小径のターゲットを用いたマグネトロンスパッタ装置では、ターゲットの背面に配置される磁気回路(マグネット)も小型化する必要があるため、十分な磁場を得るのに必要なマグネットの体積を確保することが困難となる。
一般に、インライン式成膜装置に用いられるマグネトロンスパッタ装置では、上述した長時間の稼働によるターゲットの温度上昇を防ぐため、ターゲットの背面とマグネットの間に、ターゲットを冷却するための冷却路を設けることが行われている。しかしながら、このような冷却路を設けた場合には、冷却路を流れる冷却液(水)によって磁場が乱れ易くなるため、上述したターゲットの表面に生じるエロージョン(浸食)が不均一な形状で進行するといった問題が発生してしまう。
また、従来のマグネトロンスパッタ装置では、ターゲットの背面とマグネットの間に冷却路を設けることによって、マグネットをターゲットに近づけて配置することが装置設計上困難となる。この場合、ターゲットの表面で発生する磁場が弱くなるため、上述したターゲットの小径化に対応することが困難となってしまう。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、ターゲットの表面上に発生する磁場の強度を高めつつ、ターゲットを適切に冷却することができ、なお且つ、ターゲットの小径化に対応可能なマグネトロンスパッタ装置、そのような処理装置を備えたインライン式成膜装置、そのようなインライン式成膜装置を用いた磁気記録媒体の製造方法、並びに、そのような方法により製造された磁気記録媒体を備える磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の手段を提供する。
(1) 被処理基板が配置される反応容器と、
前記反応容器内を減圧排気する減圧排気手段と、
前記被処理基板を処理する処理手段とを備え、
前記処理手段は、前記被処理基板に対向してターゲットを保持する保持手段と、前記ターゲットの表面上に磁場を発生させる磁気発生手段と、前記ターゲットを冷却する冷却手段とを有し、
前記磁気発生手段は、前記バッキングプレートの前記ターゲットとは反対側に位置して当該ターゲットの表面と平行な面内で回転駆動されるマグネットを有し、
前記冷却手段は、冷却液が流れる冷却路を有し、この冷却路が前記バッキングプレートと前記押え具との少なくとも一方における前記マグネットと対向する位置よりも外側に位置して設けられ、
更に、前記冷却手段は、前記マグネットと一体に回転駆動される空冷ファンを有することを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。
(2) 前記冷却手段は、前記空冷ファンを前記マグネットと一体に回転駆動することにより、前記マグネットの内側から外気を導入し、この導入した外気を前記バッキングプレートと前記マグネットとの間を通して前記マグネットの外側から排出することを特徴とする前項(1)に記載のマグネトロンスパッタ装置。
(3) 前記バッキングプレートは、前記ターゲットが取り付けられた面とは反対側の面に、前記マグネットを内側に位置させる凹部を有することを特徴とする前項(1)又は(2)に記載のマグネトロンスパッタ装置。
(4) 直径90mm以下の円盤状のターゲットを用いることを特徴とする前項(1)〜(3)の何れか一項に記載のマグネトロンスパッタ装置。
(5) 複数のチャンバと、
前記複数のチャンバ内で被処理基板を保持するキャリアと、
前記キャリアを前記複数のチャンバの間で順次搬送させる搬送機構とを備え、
前記複数のチャンバのうち少なくとも1つは、前項(1)〜(4)の何れか一項に記載のマグネトロンスパッタ装置によって構成されていることを特徴とするインライン式成膜装置。
(6) 前項(5)に記載のインライン式成膜装置を用いて、非磁性基板の上に少なくとも磁性層を形成する工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(7) 前項(6)に記載の方法により製造された磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体を記録方向に駆動する媒体駆動部と、
前記磁気記録媒体に対する記録動作と再生動作とを行う磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対移動させるヘッド移動手段と、
前記磁気ヘッドへの信号入力と前記磁気ヘッドから出力信号の再生とを行うための記録再生信号処理手段とを備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
以上のように、本発明によれば、ターゲットの表面上に発生する磁場の強度を高めることができ、プラズマ密度も高まり、放電が安定するため、スパッタ効率及び安定性を高めることが可能である。また、ターゲットの表面上に発生する磁場の強度を高めつつ、ターゲットを適切に冷却することができるため、厚いターゲットを使用することが可能となり、装置の稼働時間を従来よりも長くすることが可能となる。さらに、ターゲットの小径化に対応することも可能である。
本発明を適用したマグネトロンスパッタ装置の一例を示す一部切欠き断面図である。 図1に示すマグネトロンスパッタ装置の正面図である。 図1に示すマグネトロンスパッタ装置が備えるガス流入管の平面図である。 図1に示すマグネトロンスパッタ装置が備えるキャリア及び搬送機構を搬送方向と直交する方向から見た側面図である。 図1に示すマグネトロンスパッタ装置が備えるキャリア及び搬送機構を搬送方向側から見た側面図である。 図1に示すマグネトロンスパッタ装置が備える処理ユニットの一構成例を示す断面図である。 図6に示す処理ユニットの要部を示す斜視図である。 図7に示す処理ユニットの要部を切り欠いて示す斜視図である。 図8に示す処理ユニットの要部を拡大して示す斜視図である。 処理ユニットの別の構成例を示す断面図である。 処理ユニットの別の構成例を示す断面図である。 本発明を適用したインライン式成膜装置の一例を示す構成図である。 図12に示すインライン式成膜装置において2つの処理基板に対して交互に処理する場合を示す側面図である。 本発明を適用して製造される磁気記録媒体の一例を示す断面図である。 本発明を適用して製造されるディスクリート型の磁気記録媒体の一例を示す断面図である。 磁気記録再生装置の一構成例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態では、本発明を適用したマグネトロンスパッタ装置を備えるインライン式成膜装置を用いて、ハードディスク装置(磁気記録再生装置)に搭載される磁気記録媒体を製造する場合を例に挙げて説明する。
(マグネトロンスパッタ装置)
先ず、図1に示す本発明を適用したマグネトロンスパッタ装置1の一例について説明する。
本発明を適用したマグネトロンスパッタ装置1は、後述する複数のチャンバの間で成膜対象となる基板(被処理基板)Wを順次搬送させながら成膜処理等を行うインライン式成膜装置において、1つの処理チャンバを構成するものである。
具体的に、このマグネトロンスパッタ装置1は、図1に示すように、被処理基板Wが配置される反応容器2を備え、この反応容器2内には、被処理基板Wを保持するホルダ3が取り付けられたキャリア4と、このキャリア4を搬送する搬送機構5とが配置されている。
なお、このマグネトロンスパッタ装置1では、2枚の被処理基板Wの両面に対して同時に成膜処理等を行うことが可能である。また、図1において図示されていないものの、キャリア4には2つのホルダ3が搬送方向に直線上に並んで取り付けられている。また、2つのホルダ3は、被処理基板Wを縦置き(被処理基板Wの主面が重力方向と平行となる状態)に保持している。
反応容器2は、図1及び図2に示すように、その内部を高真空状態とするため、耐圧性を有する隔壁によって気密に構成された真空容器(チャンバ)であり、互いに対向する正面側隔壁6aと背面側隔壁6bとの間には、扁平状の内部空間7が形成されている。そして、被処理基板Wを保持するキャリア4は、この内部空間7の中央部に、搬送機構5は、このキャリア4の下方に、それぞれ配置されている。
また、反応容器2の搬送方向の前後には、隣接する反応容器(チャンバ)との間でキャリア4を通過させる基板搬出入口(図示せず)と、これらの基板搬出入口を開閉する一対のゲートバルブ2Aとが設けられている。すなわち、反応容器2は、隣接するチャンバとはゲートバルブ2Aを介して接続されている。
マグネトロンスパッタ装置1は、反応容器2の正面側隔壁6a及び背面側隔壁6bに、それぞれキャリア4に保持された被処理基板Wの両面に対して成膜処理等を行う処理ユニット(処理手段)1Aを備えている。
処理ユニット1Aは、上記ホルダ3に保持された2つの被処理基板Wの両面にそれぞれ対向して配置されている。具体的に、反応容器2内には、キャリア4に保持された2つの被処理基板Wの両面にそれぞれ対向するように、ターゲットTを保持する計4つの保持機構(保持手段)8が配置されている。そして、これら4つの保持機構8は、図示を省略する高周波電源(又はマイクロ波電源)と接続されており、この高周波電源からターゲットTに高周波電圧を印加することが可能となっている。
処理ユニット1Aは、図1及び図3に示すように、反応容器2内にガスを導入するガス導入管(ガス導入手段)9を備えている。このガス導入管9は、円盤状の被処理基板Wに対応してリング状に形成された環状部9aを有し、この環状部9aに接続された連結部9bを介してガス供給源10と接続されている。また、ガス導入管9の環状部9aは、被処理基板WとターゲットTとの間に形成される反応空間Rの周囲を囲むように配置されている。さらに、この環状部9aの内周部には、複数のガス放出口9cが周方向に並んで設けられており、ガス導入管9は、これら複数のガス放出口9cからその内側にある被処理基板Wに向かって、ガス供給源10から供給されたガスGを放出することが可能となっている。
なお、ガス放出口9cの口径については、各ガス放出口9cから放出されるガスGの量を一定とするため、各ガス放出口9cの口径を変化させた構成とすることが好ましい。具体的には、各ガス放出口9cから放出されるガスGの量が一定となるように、連結部9bからの距離に応じて、ガス放出口9cの口径を大きくすることが好ましい。
また、ガス導入管9とガス供給源10との間の配管には、図示を省略する調整バルブが設けられている。マグネトロンスパッタ装置1では、この調整バルブの開閉を制御すると共に、この調整バルブを介してガス導入管9に供給されるガスGの流量を調整することが可能となっている。
処理ユニット1Aは、各保持機構8のターゲットTとは反対側に位置して、それぞれ磁場を発生させる磁気回路(磁気発生手段)11を備えている。また、各磁気回路11は、駆動モータ12の回転軸に取り付けられて、この駆動モータ12によりターゲットTの表面と平行な面内で回転駆動される。
反応容器2の正面側隔壁6a及び背面側隔壁6bには、この反応容器2の内側に臨む開口部13が設けられている。この開口部13は、上記ホルダ3に保持された2つの被処理基板Wの両面にそれぞれ対向する位置に、上述したターゲットTが取り付けられた保持機構8、ガス導入管9、並びに磁気回路11が取り付けられた駆動モータ12を含む処理ユニット1Aを配置するのに十分な大きさで長円状(レーストラック状)に形成されている。
また、正面側隔壁6a及び背面側隔壁6bには、この開口部13の周囲を気密に封止する筒状のハウジング14が取り付けられており、上記処理ユニット1Aは、このハウジング14の内側に保持されると共に、被処理基板WとターゲットTとの対向間隔を調整するため、ハウジング14内で移動可能に支持されている。これにより、成膜条件の最適化のため、被処理基板WとターゲットTとの対向間隔を容易に調整することが可能となっている。なお、正面側隔壁6a及び背面側隔壁6bは、メンテナンス等の際に反応容器2を開放するため、反応容器2に対して開閉自在に取り付けられている。
マグネトロンスパッタ装置1は、図1に示すように、反応容器2内を減圧排気する減圧排気手段として、反応容器2の上方に配置された第1の真空ポンプ15と、反応容器2の下方に配置された第2の真空ポンプ16とを備えている。
第1の真空ポンプ15は、反応容器2の上方に配置された上部ポンプ室17Aを介して取り付けられたターボ分子ポンプである。このターボ分子ポンプは、潤滑油を使用しない構成のため、清浄度(クリーン度)が高く、また、排気速度が大きいため、高い真空度が得られる。さらに、反応性の高いガスを排気するのに適している。
上部ポンプ室17Aは、耐圧性を有する隔壁によって気密に構成されており、反応容器2の上部に取り付けられて、この反応容器2の内部空間7と連続した内部空間7Aを形成している。そして、第1の真空ポンプ15は、この上部ポンプ室17Aの両側面にそれぞれ対向した状態で取り付けられている。
一方、第2の真空ポンプ16は、反応容器2の下方に配置された下部ポンプ室17Bを介して取り付けられたクライオポンプである。クライオポンプは、極低温を作り出し、内部の気体を凝縮又は低温吸着することで高い真空度が得られ、特に、排気速度やクリーン度の点においてターボ分子ポンプよりも優れている。
下部ポンプ室17Bは、耐圧性を有する隔壁によって気密に構成されており、反応容器2の内部空間7とは反応容器2の底壁6cに形成された孔部6dを介して連通されている。そして、第2の真空ポンプ16は、この下部ポンプ室17Bの側面に接続されている。
マグネトロンスパッタ装置1では、これら第1の真空ポンプ15及び第2の真空ポンプ16の駆動を制御しながら、反応容器2内を減圧したり、反応容器2内に導入されたガスを排気したりすることが可能となっている。
なお、本実施形態では、反応容器2の両側面に2つの第1の真空ポンプ15と、反応容器2の下方に1つの第2の真空ポンプ16とが配置された構成となっているが、これら真空ポンプ15,16の配置や数については適宜変更して実施することが可能である。例えば、反応容器2内を減圧排気するのに要する時間は、真空ポンプ15,16の数が多くなるほど短縮されるものの、第1及び第2の真空ポンプ15,16の数が余り多くなると、マグネトロンスパッタ装置1の大型化や消費電力の増大を招くため、このような観点から第1及び第2の真空ポンプ15,16の数を決定することが望ましい。
また、上記第2の真空ポンプ16に使用されるクライオポンプは、外部に排出する構造のターボ分子ポンプとは異なり、内部に溜め込む構造のため、一定期間ごとにメンテナンスする必要がある。また、反応容器2内に導入されるガスが反応性の高いガスである場合には、上述したターボ分子ポンプからなる第1の真空ポンプ15を用いて、反応容器2の外部へと排気することが望ましい。これにより、反応後のガスが反応空間7の下方に流れて、上記搬送機構5を構成するベアリング28,30等の金属部品が腐食してしまうことを防ぎつつ、反応容器2内をクリーンな状態に保つことが可能である。なお、上記第2の真空ポンプ16には、クライオポンプの代わりに、ターボ分子ポンプを用いることも可能である。
キャリア4は、図1及び図4に示すように、板状を為す支持台18の上部に2つのホルダ3が支持台18と平行に取り付けられた構造を有している。ホルダ3は、被処理基板Wの厚さの1〜数倍程度の厚さを有する板材3aに、被処理基板Wの外径よりも僅かに大径となされた円形状の孔部3bが形成されて、この孔部3bの内側に被処理基板Wを保持する構成となっている。
具体的に、ホルダ3の孔部3bの周囲には、被処理基板Wを支持する複数の支持アーム19が弾性変形可能に取り付けられている。これら複数の支持アーム19は、孔部3bの内側に配置された被処理基板Wの外周部を、その外周上の最下位に位置する下部側支点と、この下部側支点を通る重力方向に沿った中心線に対して対称となる外周上の上部側に位置する一対の上部側支点との3点で支持するように、板材3aの孔部3bの周囲に所定の間隔で3つ並んで設けられている。
各支持部材19は、L字状に折り曲げられた板バネからなり、その基端側がホルダ3に固定支持されると共に、その先端側が孔部3bの内側に向かって突出された状態で、それぞれホルダ3の孔部3bの周囲に形成されたスリット3c内に配置されている。また、各支持部材19の先端部には、図示を省略するものの、それぞれ被処理基板Wの外周部が係合される溝部が設けられている。
そして、ホルダ3は、これら3つの支持アーム19に被処理基板Wの外周部を当接させながら、各支持アーム19の内側に嵌め込まれた被処理基板Wを着脱自在に保持することが可能となっている。なお、ホルダ3に対する被処理基板Wの着脱は、下部側支点の支持アーム19を下方に押し下げることにより行うことができる。
搬送機構5は、図1、図4及び図5に示すように、キャリア4を非接触状態で駆動する駆動機構20と、搬送されるキャリア4をガイドするガイド機構21とを有している。
駆動機構20は、キャリア4の下部にN極とS極とが交互に並ぶように配置された複数の磁石22と、その下方にキャリア4の搬送方向に沿って配置された回転磁石23とを備え、この回転磁石23の外周面には、N極とS極とが二重螺旋状に交互に並んで形成されている。
駆動機構20には、回転磁石22の周囲を囲む真空隔壁24が設けられており、この真空隔壁24によって反応容器2の内部空間7とは隔離された空間(大気側)に回転磁石22を配置している。また、真空隔壁24は、複数の磁石22と回転磁石23とが磁気的に結合されるように透磁率の高い材料で形成されている。
回転磁石22は、回転モータ25により回転駆動される回転軸26と互いに噛合されるギア機構27を介して連結されている。これにより、回転モータ25からの駆動力を回転軸26及びギア機構27を介して回転磁石23に伝達しながら、この回転磁石23を軸回りに回転することが可能となっている。
そして、この駆動機構20は、複数の磁石22と回転磁石23とを非接触で磁気的に結合させながら、回転磁石23を軸回りに回転させることにより、キャリア4を回転磁石23の軸方向に沿って直線駆動する。
ガイド機構21は、水平軸回りに回転自在に支持された複数の主ベアリング28を有し、これら複数の主ベアリング28は、キャリア4の搬送方向に直線上に並んで設けられている。一方、キャリア4は、支持台18の下部側に複数の主ベアリング28が係合される溝部が形成されたガイドレール29を有している。
また、ガイド機構21は、垂直軸回りに回転自在に支持された一対の副ベアリング30を有し、これら一対の副ベアリング30は、その間にキャリア4を挟み込むように対向して配置されている。さらに、これら一対の副ベアリング30は、複数の主ベアリング28と同様に、キャリア4の搬送方向に直線上に複数並んで設けられている。
そして、このガイド機構21は、ガイドレール29の溝部に複数の主ベアリング28を係合させた状態で、これら複数の主ベアリング28の上を移動するキャリア4を案内すると共に、一対の副ベアリング30の間でキャリア4を挟み込むことによって、移動中にキャリア4が傾くことを防止している。
なお、主ベアリング28及び副ベアリング30は、機械部品の摩擦を減らし、スムーズな機械の回転運動を確保するため、転がり軸受によって構成されている。そして、この転がり軸受は、図示を省略するものの、反応容器2内に設けられたフレームに固定された支軸に回転自在に取り付けられている。
以上のような構造を有するマグネトロンスパッタ装置1では、磁気回路11がターゲットTの表面に磁場を発生させながら、保持機構8に保持されたターゲットTに高周波電圧を印加し、ガス導入管9から導入されたガスをイオン化して、ターゲットTの周囲(反応空間R)にプラズマを発生させながら、このプラズマ中のイオンをターゲットTの表面に衝突させることにより、ターゲットTから叩き出されたターゲット粒子を被処理基板W上に堆積して薄膜を形成することが可能である。
なお、このマグネトロンスパッタ装置1では、上記ターゲットTを配置する代わりに、カソード電極を配置した場合、被処理基板Wにバイアス電圧を印加し、ガス導入管9から導入されたガスをイオン化して、被処理基板Wの周囲(反応空間R)にプラズマを発生させながら、このプラズマに被処理基板Wの表面を曝すことにより、曝露領域の改質を行うことも可能である。
(冷却機構)
ところで、本発明を適用したマグネトロンスパッタ装置1が備える処理ユニット1Aは、図6〜図9に示すように、ターゲットTの被処理基板Wと対向する面とは反対側に、磁気回路11が配置されると共に、この磁気回路11の外側に、上記保持機構8に保持されたターゲットTを冷却する冷却機構(冷却手段)40を備えた構成となっている。なお、図6〜図9においては、被処理基板Wの一方の面側に配置された処理ユニット1Aのみを図示すると共に、図6において被処理基板W及び処理ユニット1Aを上下に並べて図示するものする。
具体的に、この処理ユニット1Aは、上記保持機構8として、ターゲットTの被処理基板Wと対向する面とは反対側の面に取り付けられたバッキングプレート41と、ターゲットTの外周部を保持するようにバッキングプレート41に取り付けられた押え具42とを有している。
バッキングプレート41は、ターゲットTよりも大径とされた略円盤状の基板からなる。このようなバッキングプレート41には、ターゲットTに高周波電圧を印加するため、例えば、ステンレス合金、アルミニウム合金、銅合金などからなる導電性基板を用いることができる。そして、このバッキングプレート41の一面(表面)には、互いの中心軸を一致させた状態でターゲットTが取り付けられている。一方、このターゲットTが取り付けられる面とは反対側の面(裏面)には、後述する磁気回路11を構成する第1及び第2のマグネット43,44を内側に位置させるための凹部41aが設けられている。
押え具42は、バッキングプレート41と略一致した径を有する略円環状の基板からなる。この押え具42は、バッキングプレートと互いの中心軸を一致させた状態で、その内側からバッキングプレート41に取り付けられたターゲットTを外方に臨ませると共に、その内周部に設けられた係止爪42aをターゲットTの外周部に設けられた段差部に係合させた状態で、バッキングプレート41と密着される。そして、この押え具42は、ネジ止めによりバッキングプレート41に固定することが可能となっている。
処理ユニット1Aは、上記磁気回路11として、磁化方向が軸線と平行となる略円筒状の第1のマグネット(外側磁石)43と、第1のマグネット43の内側に同心円状に配置されて、この第1のマグネット43とは磁化方向が反平行となる略円筒状の第2のマグネット(内側磁石)44と、第1及び第2のマグネット43,44と共に磁路を形成するヨーク45とを有している。
そして、このヨーク45が第1及び第2のマグネット43,44のバッキングプレート41と対向する面(正面)とは反対側の面(背面)に突き合わされた状態で取り付けられることによって、上記磁気回路11が構成されると共に、第1及び第2のマグネット43,44の正面側からは、これら第1のマグネット43と第2のマグネット44との間で弧状の漏洩磁界(磁場)Mが全周に亘って発生することになる。
また、磁気回路11は、第1及び第2のマグネット43,44の軸線とターゲットTの軸線とが互いに平行となる状態で、上記駆動モータ12の回転軸に取り付けられることによって、ターゲットTの表面と平行な面内で回転自在に支持されている。なお、上記処理ユニット1Aは、ターゲットTの表面付近に水平成分の磁場Mを発生させるため、ターゲットTと磁気回路11との対向間隔を調整することが可能となっている。
特に、この処理ユニット1Aでは、バッキングプレート41の背面側に設けられた凹部41aの内側に、磁気回路11を構成する第1及び第2のマグネット43,44を位置させることができるため、ターゲットTと磁気回路11との間の距離を非常に短くすることが可能である。
また、第1のマグネット43と第2のマグネット44とは、略同一の体積を有することが好ましい。これら第1のマグネット43と第2のマグネット44との体積を等しくすることで、上述した第1のマグネット43と第2のマグネット44との間で発生する漏洩磁界以外の漏洩磁界を低減し、ターゲットTの表面に生ずるエロージョンを均一化すると共に、エロージョンの形状を高いレベルで制御することが可能である。
また、ヨーク45は、磁気回路11の回転中心を中心として、第1のマグネット43よりも外側に張り出した円形状とすることで、磁気回路11の回転をより安定したものとすることができる。
処理ユニット1は、冷却機構40として、冷却液(水)Lが流れる冷却路46を有している。この冷却路46は、バッキングプレート41の凹部41aが形成された部分よりも外側に位置して、このバッキングプレート41の全周に亘って溝部46aを形成することによって構成されている。また、この溝部46aの周囲には、冷却液Lの漏れを防止するパッキン47が配置されている。さらに、磁気回路11の外側には、冷却路46と連通される冷却液Lの流入路48及び流出路49が設けられている。
本発明では、このような冷却機構40をバッキングプレート41の第1及び第2のマグネット43,44と対向する位置よりも外側に設けることで、ターゲットTの冷却をターゲットTの外周部から行う構造となっている。
また、冷却機構40は、磁気回路11と一体に回転駆動される空冷ファン40Aを有している。この空冷ファン40Aは、冷却液LによるターゲットTの冷却を補助するものであり、磁気回路11の外周部に複数のブレード40aが間隔をおいて取り付けられた構造を有している。また、磁気回路11の中心部には、この磁気回路11を軸線方向に貫通する中空孔40bが設けられている。
そして、本発明では、このような空冷ファン40Aを磁気回路11と一体に回転駆動することで、中空孔40bを通して外気Aを導入(吸引)し、この導入した外気Aをバッキングプレート41と第1及び第2のマグネット43,44との間を通過させながら、磁気回路11の外側から排出(排気)する。これにより、バッキングプレート41の背面側からターゲットTを冷却することが可能となっている。
以上のような構造を有する処理ユニット1Aでは、ターゲットTと磁気回路11との間の距離を短くしながら、ターゲットTの表面上に発生する磁場Mの強度を高めることが可能である。これにより、本発明を適用したマグネトロンスパッタ装置1では、プラズマ密度も高まり、放電が安定するため、スパッタ効率及び安定性を高めることが可能である。
特に、この処理ユニット1Aでは、バッキングプレート41の第1及び第2のマグネット43,44と対向する位置よりも外側に冷却路46を設けることで、この冷却路46を流れる冷却液Lによって磁場が乱れたりすることを防止することが可能である。これにより、本発明を適用したマグネトロンスパッタ装置1では、ターゲットTの表面に生ずるエロージョンを均一化し、ターゲットTの利用効率を向上させると共に、被処理基板Wの表面にスパッタリングにより薄膜を形成する際の面内分布の均一性を高めることが可能である。
また、本発明を適用したマグネトロンスパッタ装置1では、ターゲットTの表面上に発生する磁場Mの強度を高めつつ、ターゲットTを適切に冷却することができるため、厚いターゲットTを使用することが可能となり、装置の稼働時間を従来よりも長くすることが可能である。
さらに、本発明を適用したマグネトロンスパッタ装置1では、ターゲットTの小径化に対応することが可能であり、ターゲットTの背面に配置される磁気回路11(第1及び第2のマグネット43,44)を小型化した場合でも、十分な磁場Mを得ることが可能である。特に、直径90mm以下の円盤状のターゲットを用いる装置において、その設計自由度を著しく高めることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば図10に示すように、上記冷却機構40として、押え具42の第1及び第2のマグネット43,44と対向する位置よりも外側に冷却路46Aを設けて、ターゲットTの冷却をターゲットTの外周部から行う構造とすること可能である。
具体的に、この冷却路46Aは、押え具42の全周に亘って溝部46bを形成することによって構成されている。また、この溝部46bの周囲には、冷却液Lの漏れを防止するパッキン47aが配置されている。そして、この冷却路46Aは、バッキングプレート41に形成された流路48a,49aを介して流入路48及び流出路49と連通されている。
この場合も、ターゲットTの表面上に発生する磁場Mの強度を高めることができ、プラズマ密度も高まり、放電が安定するため、スパッタ効率及び安定性を高めることが可能である。また、ターゲットTの表面上に発生する磁場Mの強度を高めつつ、ターゲットTを適切に冷却することができるため、厚いターゲットTを使用することが可能となり、装置の稼働時間を従来よりも長くすることが可能となる。さらに、ターゲットTの小径化に対応することも可能である。
また、図11に示すように、上記冷却機構40として、バッキングプレート41及び押え具42の第1及び第2のマグネット43,44と対向する位置よりも外側に冷却路46Bを設けて、ターゲットTの冷却をターゲットTの外周部から行う構造とすること可能である。
具体的に、この冷却路46Bは、バンキングプレート41及び押え具42の全周に亘って溝部46c,46dを形成することによって構成されている。また、これら溝部46c,46dの周囲には、冷却液Lの漏れを防止するパッキン47bが配置されている。そして、この冷却路46Bは、バッキングプレート41に形成された流路48b,49bを介して流入路48及び流出路49と連通されている。
この場合も、ターゲットTの表面上に発生する磁場Mの強度を高めることができ、プラズマ密度も高まり、放電が安定するため、スパッタ効率及び安定性を高めることが可能である。また、ターゲットTの表面上に発生する磁場Mの強度を高めつつ、ターゲットTを適切に冷却することができるため、厚いターゲットTを使用することが可能となり、装置の稼働時間を従来よりも長くすることが可能となる。さらに、ターゲットTの小径化に対応することも可能である。
(インライン式成膜装置)
次に、図12に示す上記マグネトロンスパッタ装置1を備えたインライン式成膜装置50の構成について説明する。
このインライン式成膜装置50は、図12に示すように、基板移送用ロボット室51と、基板移送用ロボット室51上に設置された基板移送用ロボット52と、基板移送用ロボット室51に隣接する基板取付用ロボット室53と、基板取付用ロボット室53内に配置された基板取付用ロボット54と、基板取付用ロボット室53に隣接する基板交換室55と、基板交換室55に隣接する基板取外用ロボット室56と、基板取外用ロボット室56内に配置された基板取外用ロボット57と、基板交換室55の入側と出側との間に並んで配置された複数の処理チャンバ58〜70及び予備チャンバ71と、複数のコーナー室72〜75と、基板交換室55の入側から出側に至る各チャンバ58〜71及びコーナー室72〜75の間で順次搬送される複数の上記キャリア4とを備えて概略構成されている。
また、基板交換室55の入側から出側に至る各室の間には、開閉自在なゲートバルブ76〜93が設けられている。各チャンバ58〜71は、これらゲートバルブ76〜93を閉状態とすることで、それぞれ独立した密閉空間を形成することが可能となっている。
基板移送用ロボット52は、成膜前の非処理基板Wが収納されたカセット(図示せず。)から、基板取付用ロボット室54に被処理基板Wを供給すると共に、基板取外用ロボット室56から成膜後の被処理基板Wを回収するためのものである。また、基板移送用ロボット室51と基板取付用及び基板取外用ロボット室53,56の間には、それぞれ開閉自在なゲート部94,95が設けられている。さらに、基板交換室55と基板取付用及び基板取外用ロボット室53,56との間にも、それぞれ開閉自在なゲート部96,97が設けられている。
基板取付用ロボット54は、基板交換室55内にあるキャリア4に成膜前の被処理基板Wを取り付ける一方、基板取外用ロボット57は、基板交換室55内にあるキャリア4から成膜後の被処理基板Wを取り外す。
複数の処理チャンバ58〜70及び予備チャンバ71は、基本的に上記マグネトロンスパッタ装置1の反応容器2と同様の構成を有しており、各処理チャンバ58〜70の両側面には、上記キャリア4に保持された被処理基板Wに対する処理内容に応じた処理ユニット1Aが配置されている。また、各チャンバ58〜71には、図示を省略するものの、上述した真空ポンプが接続されており、これら真空ポンプの動作によって各チャンバ58〜71を個別に減圧排気することが可能となっている。また、各コーナー室72〜75には、キャリア4の移動方向を変更するための回転機構(図示せず。)が設けられている。
そして、このインライン式成膜装置50では、基板交換室55の入側から出側に至る各チャンバ58〜71及びコーナー室72〜75の間で複数のキャリア4を順次搬送させながら、各キャリア4に保持された被処理基板W(図12において図示せず。)に対して成膜処理等を行うことが可能となっている。
なお、本実施形態では、上記キャリア4のホルダ3に保持された2つの被処理基板Wを同時に処理することが可能であるが、一方のホルダ3に保持された被処理基板Wのみに処理を行う構成である場合には、例えば図13中の実線で示すように、キャリア4の一方のホルダ3Aに保持された被処理基板W1に対して処理を行った後、図13中の破線で示すように、反応容器2内でキャリア4の位置をずらし、キャリア4の他方のホルダ3B(図12中に破線で示す。)に保持された被処理基板W2に対して処理を行う。これにより、キャリア4のホルダ3に保持された2つの被処理基板W1,W2に対して交互に処理を行うことが可能である。
(磁気記録媒体の製造方法)
次に、本発明を適用した磁気記録媒体の製造方法について説明する。
本発明を適用した磁気記録媒体の製造方法は、上記インライン式成膜装置50を用いて、キャリア4に保持された被処理基板Wとなる非磁性基板を複数の処理チャンバ58〜70の間で順次搬送させながら、この非磁性基板の両面に、軟磁性層、中間層、記録磁性層により構成される磁性層と、保護層とを順次積層する。さらに、上記インライン式成膜装置50を用いた後は、図示を省略する塗布装置を用いて、成膜後の被処理基板Wの最表面に潤滑膜を成膜することによって、磁気記録媒体を製造する。
本発明を適用した磁気記録媒体の製造方法では、上記インライン式成膜装置50を用いることによって、磁気記録媒体の生産能力を高めると共に、高品質の磁気記録媒体を製造することが可能である。
(磁気記録媒体)
具体的に、上記インライン式成膜装置50を用いて製造される磁気記録媒体は、例えば図14に示すように、上記被処理基板Wとなる非磁性基板100の両面に、軟磁性層101、中間層102、記録磁性層103及び保護層104が順次積層された構造を有し、更に最表面に潤滑膜105が形成された構造を有している。また、軟磁性層81、中間層82及び記録磁性層83によって磁性層106が構成されている。
非磁性基板100としては、例えば、Al−Mg合金などのAlを主成分としたAl合金基板、ソーダガラスやアルミノシリケート系ガラス、結晶化ガラスなどのガラス基板、シリコン基板、チタン基板、セラミックス基板、樹脂基板等の各種基板を挙げることができるが、その中でも、Al合金基板や、ガラス基板、シリコン基板を用いることが好ましい。また、非磁性基板100の平均表面粗さ(Ra)は、1nm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5nm以下であり、さらに好ましくは0.1nm以下である。
磁性層106としては、面内磁気記録媒体用の水平磁性層と、垂直磁気記録媒体用の垂直磁性層とに大別することができるが、より高い記録密度を実現するためには垂直磁性層を用いることが好ましい。また、磁性層106には、Coを主成分とするCo合金を用いることが好ましい。具体的に、垂直磁性層の場合には、例えば、軟磁性のFeCo合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrB、FeCoZrBCuなど)、FeTa合金(FeTaN、FeTaCなど)、Co合金(CoTaZr、CoZrNB、CoBなど)等からなる軟磁性層101と、Ru等からなる中間層102と、60Co−15Cr−15Pt合金や70Co−5Cr−15Pt−10SiO合金からなる記録磁性層103とを積層したものなどを用いることができる。また、軟磁性層81と中間層82との間に、Pt、Pd、NiCr、NiFeCrなどからなる配向制御膜を介在させてもよい。一方、水平磁性層の場合には、例えば、非磁性のCrMo下地層と強磁性のCoCrPtTa磁性層とを積層したものなどを用いることができる。
また、磁性層106は、使用する磁性合金の種類と積層構造に合わせて、十分な磁気ヘッドの出入力特性が得られるような厚みで形成する必要がある。一方、磁性層106は、再生時に一定以上の出力を得るため、ある程度の厚みが必要となるものの、記録再生特性を表す諸パラメータは出力の上昇と共に劣化するのが通例であるため、これらを考慮して最適な厚みを設定する必要がある。具体的に、磁性層106の全体の厚みは、3nm以上20nm以下とすることが好ましく、より好ましくは5nm以上15nm以下である。
保護層104には、磁気記録媒体において通常使用される材料を用いればよく、そのような材料として、例えば、炭素(C)、水素化炭素(HXC)、窒素化炭素(CN)、アルモファスカーボン、炭化珪素(SiC)等の炭素質材料や、SiO、Zr、TiNなどを挙げることができる。また、保護層104は、2層以上積層したものであってもよい。保護層104の厚みは、10nmを越えると、磁気ヘッドと磁性層106との距離が大きくなり、十分な入出力特性が得られなくなるため、10nm未満とすることが好ましい。
潤滑膜105は、例えば、フッ素系潤滑剤や、炭化水素系潤滑剤、これらの混合物等からなる潤滑剤を保護層104上に塗布することにより形成することができる。また、潤滑膜105の膜厚は、通常は1〜4nm程度である。
また、磁気記録媒体に対しては、上記インライン式成膜装置50を用いて、記録磁性層103に反応性プラズマ処理やイオン照射処理を施し、記録磁性層103の磁気特性の改質を行うことができる。例えば図15に示す磁気記録媒体は、記録磁性層103に形成された磁気記録パターン103aが非磁性領域103bによって分離されてなる、いわゆるディスクリート型の磁気記録媒体である。
このディスクリート型の磁気記録媒体については、例えば、磁気記録パターン103aが1ビットごとに一定の規則性をもって配置されたパターンドメディアや、磁気記録パターン103aがトラック状に配置されたメディア、磁気記録パターン103aがサーボ信号パターン等を含んだメディアなどを挙げることができる。
また、ディスクリート型の磁気記録媒体は、その記録密度を高めるために、記録磁性層103のうち、磁気記録パターン103aとなる部分の幅L1を200nm以下、非磁性化領域103bとなる部分の幅L2を100nm以下とすることが好ましい。また、この磁気記録媒体のトラックピッチP(=L1+L2)は、300nm以下とすることが好ましく、記録密度を高めるためにはできるだけ狭くすることが好ましい。
このようなディスクリート型の磁気記録媒体は、記録磁性層103の表面にマスク層を設け、このマスク層に覆われていない箇所を反応性プラズマ処理やイオン照射処理等に曝す。これにより、記録磁性層103の一部の磁気特性を改質し、好ましくは磁性体から非磁性体に改質した非磁性領域103bを形成することによって得ることができる。
ここで、記録磁性層103の磁気特性の改質とは、記録磁性層103をパターン化するために、記録磁性層103の保磁力、残留磁化等を部分的に変化させることを言い、その変化とは、保磁力を下げ、残留磁化を下げることを言う。
具体的に、記録磁性層103の磁気特性を改質する際は、反応性プラズマや反応性イオンに曝した箇所の記録磁性層103の磁化量を、当初(未処理)の75%以下、より好ましくは50%以下、保磁力を当初の50%以下、より好ましくは20%以下とすることが好ましい。これにより、磁気記録を行う際の書きにじみを無くし、高い面記録密度を得ることができる。
また、磁気特性の改質は、すでに成膜された記録磁性層103を反応性プラズマや反応性イオン等に曝し、磁気記録トラックやサーボ信号パターンを分離する箇所(非磁性領域103b)を非晶質化することによっても実現することができる。
ここで、記録磁性層103を非晶質化するとは、記録磁性層103の結晶構造を改変することを言い、記録磁性層103の原子配列を、長距離秩序を持たない不規則な原子配列の状態とすることを言う。具体的に、記録磁性層103を非晶質化する際は、記録磁性層103の原子配列を粒径2nm未満の微結晶粒がランダムに配列した状態とすることが好ましい。なお、このような記録磁性層103の原子配列状態は、X線回折や電子線回折などの分析手法によって、結晶面を表すピークが認められず、ハローのみが認められる状態として確認することが可能である。
(磁気記録再生装置)
上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置としては、例えば図16に示すようなハードディスクドライブ装置(HDD)を挙げることができる。この磁気記録再生装置は、上記磁気記録媒体である磁気ディスク200と、磁気ディスク200を回転駆動させる媒体駆動部201と、磁気ディスク201に対する記録動作と再生動作とを行う磁気ヘッド202と、磁気ヘッド202を磁気ディスク200の径方向に移動させるヘッド駆動部203と、磁気ヘッド202への信号入力と磁気ヘッド202から出力信号の再生とを行うための信号処理系204とを備えている。
この磁気記録再生装置では、上記ディスクリートトラック型の磁気記録媒体を磁気ディスク200として用いた場合に、この磁気ディスク200に磁気記録を行う際の書きにじみを無くし、高い面記録密度を得ることが可能である。すなわち、上記ディスクリートトラック型の磁気記録媒体を用いることで、記録密度の高い磁気記録再生装置を得ることが可能となる。
また、この磁気記録再生装置では、記録トラックを磁気的に不連続に加工することにより、従来はトラックエッジの磁化遷移領域の影響を排除するために再生ヘッド幅を記録ヘッド幅よりも狭くして対応していたものを、両者をほぼ同じ幅にして動作させることができ、これによって十分な再生出力と高いSNRを得ることが可能となる。
また、この磁気記録再生装置では、磁気ヘッド202の再生部をGMRヘッド又はTMRヘッドで構成することによって、高記録密度においても十分な信号強度を得ることが可能となる。さらに、磁気ヘッド202を従来より低く浮上させる、具体的には、この磁気ヘッド202の浮上量を0.005μm〜0.020μmの範囲とすることで、出力の向上により高いSNRを得ることができ、大容量で信頼性の高い磁気記録再生装置とすることが可能となる。
さらに、最尤復号法による信号処理回路を組み合わせると、更なる記録密度の向上を図ることが可能となる。例えば、トラック密度100kトラック/インチ以上、線記録密度1000kビット/インチ以上、1平方インチ当たり100Gビット以上の記録密度で記録・再生する場合にも、十分なSNRを得ることが可能となる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
実施例1では、本発明のマグネトロンスパッタ装置を備えるインライン式成膜装置を用いて実際に磁気記録媒体を製造した。
具体的には、図6〜図9に示すマグネトロンスパッタ装置1と同様の装置を用いて、この装置の処理ユニットに、有効直径90mm(ターゲットの押え具で保持する部分を含まない。)、厚さ8mmのターゲットを取り付けた。また、ターゲットを冷却する冷却機構は、冷却路に毎分10Lの冷却水(液温20℃)を流すようにし、空冷ファンによって毎分0.1mの空気(温度25℃)をターゲットに向かって送風するようにした。
そして、このマグネトロンスパッタ装置を備えるインライン式成膜装置を用いて磁気記録媒体を製造する際は、先ず、洗浄済みのガラス基板(コニカミノルタ社製、基板の外径:65mm、基板の厚み:1.27mm、中心孔の口径:20mm)を、ホルダが取り付けられたキャリアに保持し、インライン式成膜装置(アネルバ社製C−3040)のチャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまでチャンバ内を減圧排気した後、このガラス基板の上に、Crターゲットを用いて層厚10nmの密着層を成膜した。また、この密着層の上に、Co−20Fe−5Zr−5Ta{Fe含有量20at%、Zr含有量5at%、Ta含有量5at%、残部Co}のターゲットを用いて、層厚25nmの軟磁性層を成膜し、この上にRu層を層厚0.7nmで成膜した後、さらにCo−20Fe−5Zr−5Taの軟磁性層を層厚25nmで成膜して、これを軟磁性下地層とした。
次に、軟磁性下地層の上に、Ni−6W{W含有量6at%、残部Ni}ターゲット、Ruターゲットを用いて、それぞれ5nm、20nmの層厚で順に成膜し、これを配向制御層とした。Ru層は、スパッタ圧力を0.8Paとして層厚10nmで成膜後、スパッタ圧力を1.5Paとして層厚10nmで成膜した。
次に、配向制御層の上に、(Co15Cr16Pt)91−(SiO)6−(TiO)3{Cr含有量15at%、Pt含有量18at%、残部Coの合金を91mol%、SiOからなる酸化物を6mol%、TiOからなる酸化物を3mol%}からなる磁性層をスパッタ圧力を2Paとして層厚9nmで成膜した。
次に、磁性層の上に、(Co30Cr)88−(TiO)12{Cr含有量30at%、残部Coの合金を88mol%、TiOからなる酸化物を12mol%}からなる非磁性層を層厚0.3nmで成膜した。
次に、非磁性層の上に、(Co11Cr18Pt)92−(SiO)5−(TiO)3{Cr含有量18at%、Pt含有量18at%、残部Coの合金を91mol%、SiOからなる酸化物を5mol%、TiOからなる酸化物を3mol%}からなる磁性層をスパッタ圧力を2Paとして層厚6nmで成膜した。
次に、磁性層の上に、Ruからなる非磁性層を層厚0.3nmで成膜した。
次に、非磁性層の上に、Co20Cr14Pt3B{Cr含有量20at%、Pt含有量14at%、B含有量3at%、残部Co}からなるターゲットを用いて、スパッタ圧力を0.6Paとして磁性層を層厚7nmで成膜した。
そして、上述した成膜プロセスを1時間連続で行い、ターゲットの温度上昇を測定した。なお、各チャンバが備えるマグネトロンスパッタ装置による基板1枚当たりの成膜時間は約8秒であり、各チャンバ間における基板の搬送時間は約3秒であった。その結果、バッキングプレートのヨーク側面中央部での表面温度は約78℃となった。
(比較例1)
比較例1では、実施例1で用いたマグネトロンスパッタ装置において、冷却空気の導入口及び排出口を閉じてターゲットに送られる空気を止めた以外は、実施例1と同様に成膜プロセスを1時間連続で行った。その結果、バッキングプレートのヨーク側面中央部の表面温度は約93℃に達した。この場合、ターゲットに対する冷却能力の低下により、冷却水の水温を下げ、また冷却水の水量を増やす必要が生じた。
1…マグネトロンスパッタ装置 1A…処理ユニット 2…反応容器 2A…ゲートバルブ 3…ホルダ3 4…キャリア 5…搬送機構 6a…正面側隔壁 6b…背面側隔壁 6c…底壁 6d…孔部 7…内部空間 8…保持機構(保持手段) 9…ガス導入管(ガス導入手段)10…ガス供給源 11…磁気回路(磁界発生手段) 12…駆動モータ 13…開口部 14…ハウジング 15…第1の真空ポンプ(減圧排気手段) 16…第2の真空ポンプ(別の減圧排気手段) 17…ポンプ室 18…支持台 19…支持アーム 20…駆動機構 21…ガイド機構 22…磁石 23…回転磁石 24…真空隔壁 25…回転モータ 26…回転軸 27…ギア機構 28…主ベアリング 29…ガイドレール 30…副ベアリング W…被処理基板 T…ターゲット R…反応空間 G…ガス H…吸引口
40…冷却機構 40A…空冷ファン 40a…ブレード 40b…中空孔 41…バッキングプレート 41a…凹部 42…押え具 43…第1のマグネット 44…第2のマグネット 45…ヨーク 46,46A,46B…冷却路 46a,46b…溝部 47…パッキン 48…流入路 49…流出路 M…磁場 L…冷却液(水)
50…インライン式成膜装置 51…基板移送用ロボット室 52…基板移送用ロボット 53…基板取付用ロボット室 54…基板取付用ロボット 55…基板交換室 56…基板取外用ロボット室 57…基板取外用ロボット 58〜70…処理チャンバ 71…予備チャンバ 72〜75…コーナー室 76〜93…ゲートバルブ 94〜97…ゲート部
100…非磁性基板 101…軟磁性層 102…中間層 103…記録磁性層 103a…磁気記録パターン 103b…非磁性化領域 104…保護層 105…潤滑膜 106…磁性層 107…マスク層 108…レジスト層 109…スタンプ
200…磁気ディスク 201…媒体駆動部 202…磁気ヘッド 203…ヘッド駆動部 204…信号処理系

Claims (6)

  1. 被処理基板が配置される反応容器と、
    前記反応容器内を減圧排気する減圧排気手段と、
    前記被処理基板を処理する処理手段とを備え、
    前記処理手段は、前記被処理基板に対向してターゲットを保持する保持手段と、前記ターゲットの表面上に磁場を発生させる磁気発生手段と、前記ターゲットを冷却する冷却手段とを有し、
    前記保持手段は、前記ターゲットの前記被処理基板と対向する面とは反対側の面に取り付けられたバッキングプレートと、前記ターゲットの外周部を保持するように前記バッキングプレートに取り付けられた押え具とを有し、
    前記磁気発生手段は、前記バッキングプレートの前記ターゲットとは反対側に位置して当該ターゲットの表面と平行な面内で回転駆動されるマグネットを有し、
    前記冷却手段は、冷却液が流れる冷却路を有し、この冷却路が前記バッキングプレートと前記押え具との少なくとも一方における前記マグネットと対向する位置よりも外側に位置して設けられ、
    更に、前記冷却手段は、前記マグネットと一体に回転駆動される空冷ファンを有することを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。
  2. 前記冷却手段は、前記空冷ファンを前記マグネットと一体に回転駆動することにより、前記マグネットの内側から外気を導入し、この導入した外気を前記バッキングプレートと前記マグネットとの間を通して前記マグネットの外側から排出することを特徴とする請求項1に記載のマグネトロンスパッタ装置。
  3. 前記バッキングプレートは、前記ターゲットが取り付けられた面とは反対側の面に、前記マグネットを内側に位置させる凹部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネトロンスパッタ装置。
  4. 直径90mm以下の円盤状のターゲットを用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のマグネトロンスパッタ装置。
  5. 複数の処理チャンバと、
    前記複数の処理チャンバ内で被処理基板を保持するキャリアと、
    前記キャリアを前記複数の処理チャンバの間で順次搬送させる搬送機構とを備え、
    前記複数の処理チャンバのうち少なくとも1つは、請求項1〜4の何れか一項に記載のマグネトロンスパッタ装置によって構成されていることを特徴とするインライン式成膜装置。
  6. 請求項5に記載のインライン式成膜装置を用いて、非磁性基板の上に少なくとも磁性層を形成する工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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