JP2009271407A - レンズバリア装置 - Google Patents

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泰史 堀江
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Abstract

【課題】レンズバリア装置において、開口部から入り込んだ塵、埃等を容易に除去できるようにする。
【解決手段】撮影レンズを含むカメラユニットを収容する本体10、撮影レンズの前方に配置されるバリア羽根50、撮影用の開口部41を画定すると共に本体に対してバリア羽根を覆うように連結されるカバー40、開口部を開閉するようにバリア羽根を駆動する駆動機構30を備え、駆動機構30は本体10に設けられ、カバー40は本体10に対して着脱自在に形成され、バリア羽根50はカバー40の内側に設けられている。これによれば、カバーがバリア羽根と一緒に、駆動機構を収容した本体に対して着脱自在であるため、カバーの開口部からバリア羽根が移動する内部空間に塵、埃等が入り込んでも、カバーを取り外すことで入り込んだ塵や埃を容易に取り除くことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラの未使用時にレンズの前方を覆うレンズバリア装置に関し、特に、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラを搭載した携帯電話機等に適用されるレンズバリア装置に関する。
従来のカメラにおいては、撮影レンズの表面に塵、埃等の異物が付着しあるいは物体の衝突により傷等を生じると、撮影レンズの光学性能が劣化するため、その前方にレンズバリアを設け、カメラの不使用時にレンズバリアを閉じて開口部を塞ぎ、撮影レンズを保護している。
ところで、従来のレンズバリア装置としては、種々の部品を収容する空間を画定するカメラ本体、カメラ本体に収容された撮影レンズを含む移動レンズ枠及び移動レンズ枠を光軸方向に移動させる円筒カム、カメラ本体の前面に揺動自在に設けられ円筒カムに連動して撮影レンズの前方を開閉するように駆動されるバリア羽根(レンズバリア)、撮影用の開口部を画定すると共にバリア羽根を覆うようにカメラ本体に結合される前カバー等を備え、移動レンズ枠を駆動する円筒カムの動作に連動して、バリア羽根が撮影用の開口部を開閉するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、他のレンズバリア装置としては、撮影レンズを含むカメラユニットを内蔵するカメラ本体と、カメラ本体の前面に配置されたレールに沿って転動し撮影レンズの前方を開閉するように駆動されるバリア羽根(レンズバリア)と、撮影用の開口部を画定すると共にバリア羽根を覆うようにカメラ本体に結合される前カバー等を備え、カメラ本体の内部に設けられた駆動モータ及び連動レバー機構により、バリア羽根が撮影用の開口部を開閉するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、これらのレンズバリア装置においては、バリア羽根の駆動機構及びバリア羽根は、カメラ本体に一体的に結合された前カバーにより覆われて、前カバーの開口部を通してバリア羽根が露出する構成となっているため、前カバーの開口部からバリア羽根の収容空間に塵、埃等が入り込むと、バリア羽根とその周辺部品との間に挟まって、バリア羽根が作動不良になる虞がある。また、バリア羽根が閉じているときに、外部から無理にこじ開けようとすると、バリア羽根を破損する虞がある。特に、小型のデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話機等の場合、ポケットや鞄の中等のごとく、外部から塵や埃が侵入し易く又外部から力を受け易い場所に収容されることも多く、このような不具合が発生し易い状況にある。
特開2006−349846号公報 特開2006−178409号公報
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、薄型化、小型化等を図りつつ、機能上の信頼性を確保して、仮に塵や埃等が開口部を通して入り込んでも容易に掃除することができ、又、バリア羽根を無理にこじ開けるような力が作用してもバリア羽根の破損等を防止できるレンズバリア装置を提供することにあり、特に、小型のデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話機等に搭載されるのに適したレンズバリア装置を提供することにある。
本発明のレンズバリア装置は、撮影レンズを含むカメラユニットを収容する本体と、撮影レンズの前方に配置されるバリア羽根と、撮影用の開口部を画定すると共に本体に対してバリア羽根を覆うように連結されるカバーと、開口部を開閉するようにバリア羽根を駆動する駆動機構とを備えたレンズバリア装置であって、上記駆動機構は、本体に設けられ、上記カバーは、本体に対して着脱自在に形成され、上記バリア羽根は、カバーの内側に設けられている、ことを特徴としている。
この構成によれば、カバーが本体に装着された状態で、バリア羽根は、駆動機構の駆動力により開口部を開閉して、撮影レンズを露出させる開放位置と撮影レンズを覆う閉鎖位置の間を移動するようになっている。
ここで、バリア羽根とその駆動機構とが分離可能に形成されており、駆動機構が本体に設けられ、バリア羽根がカバーの内側に設けられ、カバーが本体に対して着脱自在となっているため、カバーの開口部を通して、バリア羽根が移動する内部空間に塵、埃等が入り込んでも、カバーを取り外すことで、入り込んだ塵や埃を容易に取り除くことができる。
上記構成において、バリア羽根は、開閉駆動力を受ける被動部を含み、駆動機構は、被動部に係合して駆動力を及ぼす駆動部を含み、カバー及び本体の一方は、カバーが本体に装着された状態において、被動部と駆動部とをお互いに押し付ける付勢力を及ぼす付勢手段を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、カバーを本体に装着することにより、カバーに設けられたバリア羽根の被動部が、本体に設けられた駆動機構の駆動部に係合して駆動力を受け、又、カバーが装着される際に若干のガタ付きや組付け誤差等があっても、付勢手段が被動部と駆動部とをお互いに押し付けるため、駆動部から被動部に確実に駆動力が伝達され、バリア羽根を確実に開閉駆動することができる。
上記構成において、カバーは、バリア羽根を揺動自在に支持する円柱状の支軸を含み、バリア羽根は、支軸が挿入される長孔を含み、付勢手段は、カバーに設けられて支軸に対して長孔を偏倚させるようにバリア羽根を付勢する付勢バネである、構成を採用することができる。
この構成によれば、カバーが本体に装着された状態で、バリア羽根は、駆動機構の駆動力により支軸回りに揺動して開口部を開閉し、撮影レンズを露出させる開放位置と撮影レンズを覆う閉鎖位置の間を移動するようになっている。
ここで、カバーを本体に装着する際に、付勢バネの付勢力に抗しつつ、バリア羽根の被動部を本体側に設けられた駆動機構の駆動部に当接させることで、バリア羽根(の長孔)が支軸に対して相対的に移動し、バランスの取れた位置においてバリア羽根が揺動自在に保持される。したがって、被動部は付勢バネの付勢力により駆動部に押し付けられて、確実に駆動力が伝達される。
上記構成において、カバーは、バリア羽根を揺動自在に支持する円柱状の支軸を含み、バリア羽根は、支軸が挿入される円孔を含み、付勢手段は、円孔と被動部の間において弾性変形可能にバリア羽根に一体的に形成された弾性変形部である、構成を採用することができる。
この構成によれば、カバーが本体に装着された状態で、バリア羽根は、駆動機構の駆動力により支軸回りに揺動して開口部を開閉し、撮影レンズを露出させる開放位置と撮影レンズを覆う閉鎖位置の間を移動するようになっている。
ここで、カバーを本体に装着する際に、弾性変形部を弾性変形させつつ、バリア羽根の被動部を本体側に設けられた駆動機構の駆動部に当接させることで、被動部は弾性変形部の付勢力により駆動部に押し付けられて、駆動力が確実に伝達される。ここでは、付勢手段としてバリア羽根に一体的に形成された弾性変形部を採用するため、部品点数を削減でき、構造を簡素化することができる。
上記構成において、カバーは、バリア羽根を揺動自在に支持する円柱状の支軸を含み、バリア羽根は、支軸が挿入される円孔を含み、付勢手段は、駆動部を画定するべく,被動部の押し付け力により弾性変形可能に形成された弾性駆動体である、構成を採用することができる。
この構成によれば、カバーが本体に装着された状態で、バリア羽根は、駆動機構の駆動力により支軸回りに揺動して開口部を開閉し、撮影レンズを露出させる開放位置と撮影レンズを覆う閉鎖位置の間を移動するようになっている。
ここで、カバーを本体に装着する際に、バリア羽根の被動部を本体側に設けられた駆動機構の駆動部としての弾性駆動体に当接させることで、弾性駆動体が弾性変形して被動部に密着するため、駆動力が確実に伝達される。ここでは、付勢手段として弾性駆動体からなる駆動部そのものを採用したことにより、部品点数を削減でき、構造を簡素化することができる。
上記構成において、カバーは、バリア羽根を直線的に往復動自在に支持してガイドするガイド部を含み、バリア羽根は、ガイド部にガイドされる被ガイド部を含み、付勢手段は、被ガイド部と被動部の間において弾性変形可能にバリア羽根に一体的に形成された弾性変形部である、構成を採用することができる。
この構成によれば、カバーが本体に装着された状態で、バリア羽根は、駆動機構の駆動力によりガイド部に沿って直線的に往復動して開口部を開閉し、撮影レンズを露出させる開放位置と撮影レンズを覆う閉鎖位置の間を移動するようになっている。
ここで、カバーを本体に装着する際に、弾性変形部を弾性変形させつつ、バリア羽根の被動部を本体側に設けられた駆動機構の駆動部に当接させることで、被動部は弾性変形部の付勢力により駆動部に押し付けられて、駆動力が確実に伝達される。ここでは、付勢手段としてバリア羽根に一体的に形成された弾性変形部を採用するため、部品点数を削減でき、構造を簡素化することができる。
上記構成において、駆動部は、ローラ又は歯車であり、被動部は、ローラに当接する円筒面又は歯車に噛合する円弧状の歯列部を画定するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、駆動部がローラでかつ被動部が円筒面である場合、バリア羽根を無理に移動させるような外力が加わると、被動部が駆動部上を滑ってバリア羽根は移動することができ、バリア羽根の破損等を防止することができる。一方、駆動部が歯車でかつ被動部が円弧状の歯列部である場合、若干の寸法誤差があっても被動部を駆動部に確実に係合させることができ、又、付勢手段の付勢力も加わるためバックラッシュ等を除去することができる。
上記構成において、駆動部は、面又は歯列を画定する無端状ベルトであり、被動部は、無端状ベルトの面に当接する円筒面又は無端状ベルトの歯列に噛合する円弧状の歯列部を画定するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、駆動部が面を画定する無端状ベルトでかつ被動部が無端状ベルトの面に当接する円筒面である場合、バリア羽根を無理に移動させるような外力が加わると、被動部が駆動部上を滑ってバリア羽根は移動することができ、バリア羽根の破損等を防止することができる。一方、駆動部が歯列を画定する無端状ベルトでかつ被動部が無端状ベルトの歯列に噛合する円弧状の歯列部である場合、若干の寸法誤差があっても被動部を駆動部に確実に係合させることができ、又、駆動部の自らの弾性変形力(付勢力)により確実な噛合関係を得ることができる。
上記構成において、駆動部は、ローラ又は歯車であり、被動部は、ローラに当接すると共にバリア羽根の往復動方向に平行に伸長する平面又は歯車に噛合すると共にバリア羽根の往復動方向に平行に伸長する歯列部を画定するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、駆動部がローラでかつ被動部が往復動方向に平行な平面である場合、バリア羽根を無理に移動させるような外力が加わると、被動部が駆動部上を滑ってバリア羽根は移動することができ、バリア羽根の破損等を防止することができる。一方、駆動部が歯車でかつ被動部が往復動方向に平行な歯列部である場合、若干の寸法誤差があっても被動部を駆動部に確実に係合させることができ、又、弾性変形部の付勢力によりバックラッシュ等を除去することができる。
上記構成をなすレンズバリア装置によれば、構造の簡素化、薄型化、小型化等を達成しつつ、機能上の信頼性を確保して、塵や埃等が開口部を通してカバーの内側に入り込んでも容易に除去することができ、又、バリア羽根を無理にこじ開けるような力が作用してもバリア羽根の破損等を防止できるレンズバリア装置を得ることができ、特に、小型のデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話機等に搭載されるのに適したレンズバリア装置を得ることができる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図7は、本発明に係るレンズバリア装置を備えたデジタルカメラの一実施形態を示すものであり、図1はカバーを外した状態を示す斜視図、図2は部分斜視断面図、図3は一部を切断した斜視断面図、図4はカバーの内側を示す斜視図、図5はカバー、バリア羽根、付勢バネ、駆動機構等の分解斜視図、図6は本体に装着されたカバーの一部を切断した部分斜視図、図7(a),(b)はバリア羽根の開閉状態を示すカバーの裏面図である。
このデジタルカメラは、図1及び図4に示すように、外輪郭を画定する本体10、本体10に収容されたカメラユニット20、本体10に収容された駆動機構30、本体10に対して着脱自在に形成されたカバー40、カバー40に設けられたバリア羽根50、カバー40に設けられた付勢手段としての付勢バネ60等を備えている。
そして、レンズバリア装置は、デジタルカメラの外輪郭を画定する本体10、本体10に設けられた駆動機構30、カバー40、バリア羽根50、付勢バネ60等により構成されている。
本体10は、図1ないし図3に示すように、扁平な直方体に形成されており、カバー20を装着するカバー装着部11、カバー装着部11に形成された円形の開口部12、駆動機構30の一部をなすローラ31を露出させる段差部13、カバー40の掛止片42を掛止させる掛止凹部14等を備えている。
カメラユニット20は、開口部12の背後に配置されており、開口部12において露出する撮影レンズ21、その他のレンズ(不図示)、レンズ駆動機構(不図示)、CCD等の撮像素子(不図示)を備えている。
駆動機構30は、図1、図3、図5に示すように、本体10の段差部13において露出するように配置された駆動部としてのローラ31、ローラ31と一体的に回転するウォームホイール32、ウォームホイール32に噛合するウォーム33、ウォーム33を回転させる駆動モータ34等により構成されている。
そして、駆動機構30は、駆動モータ34の一方及び他方への回転により、ウォーム33→ウォームホイール32→ローラ31を介して、バリア羽根50の被動部51に駆動力を及ぼし、バリア羽根50を開き駆動及び閉じ駆動するようになっている。
カバー40は、図1、図2、図4、図5に示すように、本体10のカバー装着部11に適合するように略矩形形状に形成され、円形をなす撮影用の開口部41、本体10の掛止凹部14に掛止される掛止片42、内側の面から突出する円柱状の支軸43、付勢バネ60の両端部61,62を掛止する掛止ピン44、バリア羽根50を閉鎖位置に停止させるストッパ45、バリア羽根50を開放位置に停止させるストッパ46、バリア羽根50を揺動自在にガイドするガイド片47等を備えている。
バリア羽根50は、図4ないし図6に示すように、駆動力を受ける被動部51、被動部51の内側に形成された長孔52、付勢バネ60の円弧部63を受けるバネ受け部53、円弧状の被ガイド部54等を備えている。
被動部51は、駆動機構30のローラ31が当接(係合)する円筒面を画定するように形成されている。
長孔52は、カバー40の支軸43が挿入されて接触しつつ相対的に移動し得る幅寸法でかつバリア羽根50の長手方向に所定の長さに亘って長尺に形成されている。
バネ受け部53は、付勢バネ60の円弧部63に当接して付勢力を受けるように円弧状に形成されている。
被ガイド部54は、バリア羽根50がカバー40から脱落しないようにガイド片47の内側に挿入されてガイド片47により往復動方向にガイドされるように形成されている。
そして、バリア羽根50は、その長孔52に支軸43が挿入され、その被ガイド部54がガイド片47に摺動自在に係合された状態で、カバー40の内側に組み付けられて(設けられて)、軸線S回りに揺動自在に支持されている。
すなわち、バリア羽根50は、本体10に対して、カバー40と一緒に着脱できるようになっている。
付勢バネ60は、図4ないし図6に示すように、バネ鋼材を略コ字状に折り曲げると共に、カバー40の掛止ピン44に掛止される両側の端部61,62、略中央においてバリア羽根50のバネ受け部53に当接される円弧部63を画定するように形成されている。
そして、付勢バネ60は、その両端部61,62がそれぞれ掛止ピン44に掛止され、かつ、その円弧部63がバリア羽根50のバネ受け部53に当接されて、カバー40の内側に組み付けられて(設けられて)いる。
すなわち、付勢バネ60は、本体10に対して、カバー40と一緒に着脱できるようになっている。
そして、付勢バネ60は、図4に示すように、支軸43に対して長孔52をカバー40の外縁部側に向けて偏倚させるように、すなわち、本体10に設けられたローラ31に被動部51を近づける向きに、バリア羽根50(のバネ受け部53)を付勢するようになっている。
このように、カバー40に対してバリア羽根50及び付勢バネ60が組み付けられた状態において、バリア羽根50は、図7(a)に示すように、ストッパ45に当接して位置決めされ開口部41を閉鎖する閉鎖位置と、図7(b)に示すように、ストッパ46に当接して位置決めされ開口部41を開放する開放位置との間を揺動自在に、カバー40の内側に支持されている。
そして、カバー40が本体10に装着される際には、付勢バネ60の付勢力に抗しつつ、バリア羽根50の被動部51を本体10側に設けられた駆動機構30のローラ31に当接させることで、図7(a),(b)に示すように、バリア羽根50(の長孔52)が支軸43に対して相対的に移動してバランスの取れた位置においてバリア羽根50が揺動自在に保持され、被動部51は付勢バネ60の付勢力によりローラ31に押し付けられて、確実に駆動力が伝達される状態となる。
この装着状態において、バリア羽根50は、駆動機構30(のローラ31)の駆動力により、支軸43回りに揺動して、開口部41,12を開閉し、撮影レンズ21を露出させる開放位置と撮影レンズ21を覆う閉鎖位置の間を移動するようになっている。
上記のように、カバー40を本体10に装着することにより、カバー40に設けられたバリア羽根50の被動部51が、本体10に設けられた駆動機構30のローラ31に係合して駆動力を受け、又、カバー40が装着される際に若干のガタ付きや組付け誤差等があっても、付勢バネ60が被動部51をローラ31に押し付けるため、ローラ31から被動部51に確実に駆動力が伝達され、バリア羽根50を確実に開閉駆動することができる。
次に、上記レンズバリア装置の動作について説明する。
先ず、デジタルカメラが未使用の状態では、図7(a)に示すように、バリア羽根50は開口部41,12を閉鎖し、撮影レンズ21を覆う閉鎖位置にある。
ここで、操作者が、撮影するために所定の操作ボタン(不図示)を操作すると、駆動モータ34が起動して、ウォーム33及びウォームホイール32を介して、ローラ31が一方向に回転し、バリア羽根50は、ローラ31から被動部51に伝達される回転駆動力により支軸43回りに回転して、開口部41,12を開放する開放位置に至り、ストッパ46に当接して停止する。これにより、撮影が可能となる。
一方、撮影が終了した後、操作者が所定の操作ボタン(不図示)を操作すると、駆動モータ34が起動して、ウォーム33及びウォームホイール32を介して、ローラ31が他方向に回転し、バリア羽根50は、ローラ31から被動部51に伝達される回転駆動力により支軸43回りに回転して、開口部41,12を閉鎖する閉鎖位置に至り、ストッパ45に当接して停止する。これにより、撮影レンズ21は覆われて保護され、撮影が不可能となる。
この閉鎖状態において、操作者の手が触れてあるいは他の物体が当って、バリア羽根50を無理にこじ開けるような外力が加わった場合、被動部51がローラ31上を滑って、バリア羽根50はその外力に従って移動するため、バリア羽根50の破損、駆動機構30の破損等を防止することができる。
また、バリア羽根50とその駆動機構30とが分離可能に形成されており、駆動機構30が本体10に設けられ、バリア羽根50がカバー40の内側に設けられ、カバー40が本体10に対して着脱自在となっているため、デジタルカメラの使用時又は不使用時において、カバー40の開口部41を通して、カバー40の内側に埃や塵等が入り込んだ場合は、カバー40を本体10から取り外すことで、入り込んだ塵や埃を容易に取り除くことができる。
一方、メンテナンス後に、カバー40を本体10に再び装着する場合には、付勢バネ60が被動部51をローラ31に向けて押し付ける付勢力を及ぼすため、若干のガタ付きや組付け誤差等があっても、被動部51をローラ31に密着させることができ、駆動機構30の駆動力をバリア羽根50に確実に伝達させることができる。
以上述べたように、このレンズバリア装置によれば、構造の簡素化、薄型化、小型化等を達成しつつ、機能上の信頼性を確保して、塵や埃等が開口部41を通してカバー40の内側に入り込んでも容易に除去することができ、又、バリア羽根50を無理にこじ開けるような力が作用してもバリア羽根50の破損等を防止でき、特に、小型のデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話機等に搭載されるのに適したものとすることができる。
図8及び図9は、前述の図1ないし図7に示す実施形態における被動部及び駆動部を他の形態に変更したものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、この実施形態において、駆動機構30´は、駆動部としての歯車31´、ウォームホイール32、ウォーム33、駆動モータ34等により構成されている。
また、バリア羽根50´は、被動部51´、長孔52、バネ受け部53、被ガイド部54等を備えている。
被動部51´は、図8及び図9に示すように、歯車31´に噛合する円弧状の歯列部を画定するように形成されている。
すなわち、歯車31´が被動部51´に噛合することで、駆動機構30´の回転駆動力がバリア羽根50´に伝達されるようになっている。
この実施形態においては、カバー40を本体10に装着した際に、若干の寸法誤差があっても被動部51´を歯車31´に確実に噛合(係合)させることができ、又、付勢バネ60の付勢力も加わるためバックラッシュ等を除去することができる。
この実施形態に係るレンズバリア装置によれば、構造の簡素化、薄型化、小型化等を達成しつつ、機能上の信頼性を確保して、塵や埃等が開口部41を通してカバー40の内側に入り込んでも容易に除去することができ、特に、小型のデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話機等に搭載されるのに適したものとすることができる。
図10ないし図13は、図1ないし図7に示す実施形態に対して、バリア羽根、カバー、及び付勢手段を変更したものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、この実施形態においては、本体10に対して着脱自在に形成されたカバー140、カバー140の内側に設けられたバリア羽根150等を備えている。
カバー140は、図11ないし図13に示すように、開口部41、掛止片42、ストッパ45,46、ガイド片47、バリア羽根150を直線的に往復動自在に支持してガイドするガイド部としてのガイド溝141、バリア羽根150が脱落しないように保持する保持プレート142等を備えている。
バリア羽根150は、図12及び図13に示すように、ローラ31に当接(係合)して開閉駆動力を受ける被動部151、カバー140のガイド溝141に挿入されてガイドされる被ガイド部としての挿入ピン152、挿入ピン152と被動部151との間において弾性変形可能に一体的に形成された弾性変形部153、カバー140のガイド片47に摺動自在にガイドされる被ガイド部154等を備えている。
被動部151は、ローラ31に当接すると共にバリア羽根150の往復動方向Lに平行に伸長する平面を画定するように形成されている。
この実施形態においては、カバー140が本体10に装着された状態で、バリア羽根150は、駆動機構30の駆動力によりガイド溝141に沿って直線的に往復動して開口部41,12を開閉し、撮影レンズ21を露出させる開放位置と撮影レンズ21を覆う閉鎖位置の間を移動するようになっている。
ここで、カバー140を本体10に装着する際に、バリア羽根150の弾性変形部153を弾性変形させつつ、バリア羽根150の被動部151を本体10側に設けられた駆動機構30のローラ31に当接させることで、被動部151は弾性変形部153の付勢力によりローラ31に押し付けられて、駆動力が確実に伝達される。
ここでは、付勢手段としてバリア羽根150に一体的に形成された弾性変形部153を採用するため、部品点数を削減でき、構造を簡素化することができる。
この実施形態に係るレンズバリア装置においても、前述同様に、構造の簡素化、薄型化、小型化等を達成しつつ、機能上の信頼性を確保して、塵や埃等が開口部41を通してカバー140の内側に入り込んでも容易に除去することができ、又、バリア羽根150を無理にこじ開けるような力が作用してもバリア羽根150の破損等を防止でき、特に、小型のデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話機等に搭載されるのに適したものとすることができる。
図14ないし図16は、前述の図10ないし図13に示す実施形態における被動部及び駆動部を他の形態に変更したものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、この実施形態において、駆動機構30´は、駆動部としての歯車31´、ウォームホイール32、ウォーム33、駆動モータ34等により構成されている。
また、バリア羽根150´は、被動部151´、被ガイド部としての挿入ピン152、弾性変形部153、被ガイド部154等を備えている。
被動部151´は、図16に示すように、歯車31´に噛合すると共にバリア羽根150´の往復動方向Lに平行に伸長する歯列部を画定するように形成されている。
すなわち、歯車31´が被動部151´に噛合することで、駆動機構30´の回転駆動力がバリア羽根150´に伝達されるようになっている。
この実施形態においては、カバー140を本体10に装着した際に、若干の寸法誤差があっても被動部151´を歯車31´に確実に噛合(係合)させることができ、又、弾性変形部153の付勢力も加わるためバックラッシュ等を除去することができる。
この実施形態に係るレンズバリア装置によれば、構造の簡素化、薄型化、小型化等を達成しつつ、機能上の信頼性を確保して、塵や埃等が開口部41を通してカバー140の内側に入り込んでも容易に除去することができ、特に、小型のデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話機等に搭載されるのに適したものとすることができる。
図17ないし図20は、図1ないし図7に示す実施形態における駆動機構(駆動部)、バリア羽根、カバー、付勢手段を変更したものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、この実施形態において、駆動機構130は、図19及び図20に示すように、駆動部及び弾性駆動体としての無端状ベルト131、無端状ベルト131を巻回する駆動プーリ132及び被動プーリ133、駆動プーリ132と一体的に回転するウォームホイール134、ウォームホイール134に噛合するウォーム135、ウォーム135を回転駆動する駆動モータ136等により構成されている。
無端状ベルト131は、円筒面をなす被動部51に当接する(断面が略円形の)平滑な面を画定するように形成されて駆動部を画定すると共に、被動部51の押し付け力により弾性変形可能に形成された付勢手段すなわち弾性駆動部として機能するものである。
また、カバー40´は、図19及び図20に示すように、開口部41、掛止片42、円柱状の支軸43、ストッパ45,46、ガイド片47等を備えている。
バリア羽根50´´は、図19及び図20に示すように、円筒面を画定する被動部51、カバー40´の支軸43が挿入される円孔52´´、被ガイド部54等を備えている。
この実施形態においては、カバー40´が本体10に装着された状態で、バリア羽根50´´は、駆動機構130の駆動力により支軸43回りに揺動して開口部41,12を開閉し、撮影レンズ21を露出させる開放位置と撮影レンズ21を覆う閉鎖位置の間を移動するようになっている。
ここで、カバー40´を本体10に装着する際に、バリア羽根50´´の被動部51を本体10側に設けられた駆動機構130の駆動部(及び弾性駆動体)としての無端状ベルト131に当接させることで、無端状ベルト131が弾性変形して被動部51に密着するため、駆動力が確実に伝達される。ここでは、付勢手段として無端状ベルト131からなる駆動部そのものを採用したことにより、部品点数を削減でき、構造を簡素化することができる。
この実施形態に係るレンズバリア装置においても、前述同様に、構造の簡素化、薄型化、小型化等を達成しつつ、機能上の信頼性を確保して、塵や埃等が開口部41を通してカバー40´の内側に入り込んでも容易に除去することができ、又、バリア羽根50´´を無理にこじ開けるような力が作用してもバリア羽根50´´の破損等を防止でき、特に、小型のデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話機等に搭載されるのに適したものとすることができる。
上記実施形態においては、揺動自在なバリア羽根50に長孔52を設け、付勢バネ60でバネ受け部53を付勢する構成を示したが、これに限定されるものではなく、揺動自在なバリア羽根として、被動部、円柱状の支軸が挿入される円孔、円孔と被動部の間において弾性変形可能に一体的に形成された弾性変形部を備えるバリア羽根を採用し、この弾性変形部を付勢手段として適用する構成を採用してもよい。
上記実施形態においては、バリア羽根50´が円筒面を画定する被動部51を有し、弾性駆動体としての無端状ベルト131が被動体51に当接する面を画定する構成を示したが、これに限定されるものではなく、無端状ベルトが歯列を画定し、被動部が無端状ベルトの歯列に噛合する円弧状の歯列部を画定する構成を採用してもよい。
以上述べたように、本発明のレンズバリア装置は、構造の簡素化、薄型化、小型化等を達成しつつ、機能上の信頼性を確保して、塵や埃等が開口部を通してカバーの内側に入り込んでも容易に除去することができ、又、バリア羽根を無理にこじ開けるような力が作用してもバリア羽根の破損等を防止できるため、デジタルカメラそのものに適用できるのは勿論のこと、カメラ付き携帯電話機等にも有用である。
本発明に係るレンズバリア装置の一実施形態を示すものであり、カバーを外した状態における外観斜視図である。 図1に示すレンズバリア装置における本体及びカバーの部分斜視断面図である。 図1に示すレンズバリア装置における本体の内部を示すべく一部を切断した斜視断面図である。 図1に示すレンズバリア装置におけるカバーの内側を示す斜視図である。 図1に示すレンズバリア装置におけるカバー、バリア羽根、付勢バネ、駆動機構を示す分解斜視図である。 図1に示すレンズバリア装置における本体に装着されたカバーの一部を切断した部分斜視図である。 図1に示すレンズバリア装置におけるバリア羽根の動作を示すものであり、(a)はバリア羽根が開口部を閉鎖した閉鎖位置にある状態を示すカバー裏面図、(b)はバリア羽根が開口部を開放した開放位置にある状態を示すカバー裏面図である。 本発明に係るレンズバリア装置の他の実施形態を示すものであり、本体に装着されたカバーの一部を切断した部分斜視図である。 図8に示すレンズバリア装置に含まれるカバー、バリア羽根、付勢バネ、駆動機構を示す分解斜視図である。 本発明に係るレンズバリア装置のさらに他の実施形態を示すものであり、本体に装着されたカバーの一部を切断した部分斜視図である。 図10に示すレンズバリア装置におけるカバーの内側を示す斜視図である。 図10に示すレンズバリア装置におけるカバー、バリア羽根、駆動機構を示す分解斜視図である。 図10に示すレンズバリア装置におけるカバー、バリア羽根、駆動機構を示す分解斜視図である。 本発明に係るレンズバリア装置のさらに他の実施形態を示すものであり、本体に装着されたカバーの一部を切断した部分斜視図である。 図14に示すレンズバリア装置に含まれるカバー、バリア羽根、駆動機構を示す分解斜視図である。 図14に示すレンズバリア装置に含まれるカバー、バリア羽根、駆動機構を示す分解斜視図である。 本発明に係るレンズバリア装置のさらに他の実施形態の一部を示す外観斜視図である。 図17に示すレンズバリア装置において、本体に装着されたカバーの一部を切断した部分斜視図である。 図17に示すレンズバリア装置に含まれるカバー、バリア羽根、駆動機構を示す分解斜視図である。 図17に示すレンズバリア装置に含まれるカバー、バリア羽根、駆動機構を示す分解斜視図である。
符号の説明
10 本体
11 カバー装着部
12 開口部
13 段差部
14 掛止凹部
20 カメラユニット
21 撮影レンズ
30,30´ 駆動機構
31 ローラ(駆動部)
31´ 歯車(駆動部)
32 ウォームホイール
33 ウォーム
34 駆動モータ
40,40´ カバー
41 撮影用の開口部
42 掛止片
43 円柱状の支軸
44 掛止ピン
45,46 ストッパ
47 ガイド片
50,50´,50´´ バリア羽根
51,51´ 被動部
52 長孔
52´´ 円孔
53 バネ受け部
54 被ガイド部
60 付勢バネ(付勢手段)
61,62 端部
63 円弧部
130 駆動機構
131 無端状ベルト(駆動部、弾性駆動体、付勢手段)
132 駆動プーリ
133 被動プーリ
134 ウォームホイール
135 ウォーム
136 駆動モータ
140 カバー
141 ガイド溝(ガイド部)
142 保持プレート
150,150´ バリア羽根
151,151´ 被動部
152 挿入ピン(被ガイド部)
153 弾性変形部(付勢手段)
154 被ガイド部
S 軸線

Claims (9)

  1. 撮影レンズを含むカメラユニットを収容する本体と、前記撮影レンズの前方に配置されるバリア羽根と、撮影用の開口部を画定すると共に前記本体に対してバリア羽根を覆うように連結されるカバーと、前記開口部を開閉するように前記バリア羽根を駆動する駆動機構と、を備えたレンズバリア装置であって、
    前記駆動機構は、前記本体に設けられ、
    前記カバーは、前記本体に対して着脱自在に形成され、
    前記バリア羽根は、前記カバーの内側に設けられている、
    ことを特徴とするレンズバリア装置。
  2. 前記バリア羽根は、開閉駆動力を受ける被動部を含み、
    前記駆動機構は、前記被動部に係合して駆動力を及ぼす駆動部を含み、
    前記カバー及び本体の一方は、前記カバーが前記本体に装着された状態において、前記被動部と前記駆動部とをお互いに押し付ける付勢力を及ぼす付勢手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズバリア装置。
  3. 前記カバーは、前記バリア羽根を揺動自在に支持する円柱状の支軸を含み、
    前記バリア羽根は、前記支軸が挿入される長孔を含み、
    前記付勢手段は、前記カバーに設けられて前記支軸に対して前記長孔を偏倚させるように前記バリア羽根を付勢する付勢バネである、
    ことを特徴とする請求項2に記載のレンズバリア装置。
  4. 前記カバーは、前記バリア羽根を揺動自在に支持する円柱状の支軸を含み、
    前記バリア羽根は、前記支軸が挿入される円孔を含み、
    前記付勢手段は、前記円孔と前記被動部の間において弾性変形可能に前記バリア羽根に一体的に形成された弾性変形部である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のレンズバリア装置。
  5. 前記カバーは、前記バリア羽根を揺動自在に支持する円柱状の支軸を含み、
    前記バリア羽根は、前記支軸が挿入される円孔を含み、
    前記付勢手段は、前記駆動部を画定するべく,前記被動部の押し付け力により弾性変形可能に形成された弾性駆動体である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のレンズバリア装置。
  6. 前記カバーは、前記バリア羽根を直線的に往復動自在に支持してガイドするガイド部を含み、
    前記バリア羽根は、前記ガイド部にガイドされる被ガイド部を含み、
    前記付勢手段は、前記被ガイド部と前記被動部の間において弾性変形可能に前記バリア羽根に一体的に形成された弾性変形部である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のレンズバリア装置。
  7. 前記駆動部は、ローラ又は歯車であり、
    前記被動部は、前記ローラに当接する円筒面又は前記歯車に噛合する円弧状の歯列部を画定するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のレンズバリア装置。
  8. 前記駆動部は、面又は歯列を画定する無端状ベルトであり、
    前記被動部は、前記無端状ベルトの面に当接する円筒面又は前記無端状ベルトの歯列に噛合する円弧状の歯列部を画定するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載のレンズバリア装置。
  9. 前記駆動部は、ローラ又は歯車であり、
    前記被動部は、前記ローラに当接すると共に前記バリア羽根の往復動方向に平行に伸長する平面又は前記歯車に噛合すると共に前記バリア羽根の往復動方向に平行に伸長する歯列部を画定するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載のレンズバリア装置。
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