JP2007025169A - フィルタ切替ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】切り替え後の可動フィルタ部をその場に留めておく際に外部からの振動に強くなり、さらに、小型化にも効果的なフィルタ切替ユニットを提供する。
【解決手段】第1の窓16aとフィルタ12を有する第2の窓16bとが並設された可動フィルタ部10を有し、撮像素子に結像させる光を切り替えるために、第1の窓16aと第2の窓16bとを選択的に切り替えるフィルタ切替ユニット10において、DCモータ24に設けられたウォーム22と、ウォーム22に歯合するはすば歯車20とを備え、可動フィルタ部10には、はすば歯車20に歯合するようにはすばラック16eが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の窓16aとフィルタ12を有する第2の窓16bとが並設された可動フィルタ部10を有し、撮像素子に結像させる光を切り替えるために、第1の窓16aと第2の窓16bとを選択的に切り替えるフィルタ切替ユニット10において、DCモータ24に設けられたウォーム22と、ウォーム22に歯合するはすば歯車20とを備え、可動フィルタ部10には、はすば歯車20に歯合するようにはすばラック16eが設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、撮像素子を有するカメラ(例えば、監視カメラ)に取り付けられ、撮像素子に結像させる光の波長を切り替えるために用いられるフィルタ切替ユニットに関する。
監視カメラは、昼間は可視光帯域の光を撮像素子に結像させてカラー撮影を行い、夜間は可視光帯域の光に加えて近赤外線帯域の光を撮像素子に結像させて白黒撮影を行っている。この種のカメラは、例えば、撮像素子に結像させる光の波長帯域を調整するための二種類のフィルタを有する。二種類のフィルタは、フィルタ切替装置によって光軸に直交する方向に移動可能である。そして、昼間または夜間に対応したいずれか一方のフィルタを光軸上に進出させることで、撮像素子に結像させる光の波長の切り替えが行われる。また、電子スチルカメラ等では、被写体の偽色の発生を防止するための光学ローパスフィルタを備える場合があり、フィルタ切替え装置によって光学ローパスフィルタを光軸上に進出させ、または光軸上から退避させる(特許文献1参照)。
ところで、従来のフィルタ切替装置(以下、「従来装置」という。)では、IRフィルタや光学ローパスフィルタが可動フィルタ部に装着されている。また、従来装置は、平歯車の組み合わせからなる動力伝達機構を備え、動力伝達機構を介してモータの駆動力が可動フィルタ部に伝達されて可動フィルタ部が移動する。可動フィルタ部の移動によって光が透過するフィルタが切り替わり、撮像素子に結像される光の波長が切り替わる。
このような従来装置では、フィルタを確実に切り替えることはもちろん、例えば、昼間または夜間の撮影時に可動フィルタ部を所定位置に確実に留めておくことが重要となる。そのため、従来装置では可動フィルタ部の移動を規制するロック機構や、ソレノイド等が必要であるので、装置の複雑化や部品点数の増加を招来し、小型化が難しくなり、従来装置が装着される監視カメラなどの小型化にも影響を及ぼしていた。また、従来装置の動力伝達機構は、平歯車の組み合わせからなるために減速比が小さく、減速比を大きくしようとすると部品点数が多くなり、小型化しにくかった。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、切り替え後の可動フィルタ部をその場に留めておく際に外部からの振動に強くなり、さらに、小型化にも効果的なフィルタ切替ユニットを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明は、第1の窓とフィルタを有する第2の窓とが並設された可動フィルタ部を有し、撮像素子に結像させる光の波長を切り替えるために、モータにより、可動フィルタ部を光軸に直交する方向に移動させて第1の窓と第2の窓とを選択的に切り替えるフィルタ切替ユニットにおいて、モータの出力軸に設けられたウォームと、ウォームに歯合するはすば歯車とを備え、可動フィルタ部には、はすば歯車に歯合するように、光軸に直交する方向に沿って延在するはすばラックが設けられていることを特徴とする。
このフィルタ切替ユニットでは、モータの駆動力が、ウォームを介してはすば歯車に伝達され、はすば歯車の回転が、はすばラックに伝達されて可動フィルタ部の直線運動に変換される。そして、ウォームの回転方向を切り替えることで、可動フィルタ部の移動方向が選択的に切り替わり、第1の窓と第2の窓とを切り替えることができ、撮像素子の結像される光の波長が切り替わる。
さらに、モータの駆動を停止させた状態では、ウォームとはすば歯車との協働によるセルフロック機構によって、可動フィルタ部にロックがかかり、外部からの振動に強くなる。そのため、第1の窓と第2の窓とが並設された可動フィルタ部を所定位置に留めておくための特別な装置等が不要であり、小型化に効果的であるとともに、消費電力が少なくて済む。さらに、ウォームを利用することで、減速比を大きくすることができる。
また、上記フィルタ切替ユニットは、可動フィルタ部を収容する筺体を更に備え、筺体は、光軸に直交する方向に延在して、可動フィルタ部を選択方向に案内するガイド部と、筺体内における可動フィルタ部の移動経路の両端に設けられたエンドストッパ部とを有し、エンドストッパ部は、可動フィルタ部の選択方向における端部に当接する弾性緩衝部であるようにしてもよい。
このようなフィルタ切替ユニットによれば、可動フィルタ部をエンドストッパ部に当接させることによって第1の窓と第2の窓とを所定位置に停止させることができ、所定位置に停止させるためのセンサなどが不要になる。さらに、エンドストッパ部は弾性緩衝部であるため、可動フィルタ部がエンドストッパ部に当接する際の衝撃を緩和し、ウォームやはすば歯車に衝撃を与えにくく、ウォームやはすば歯車の破損を防止できる。
さらに、可動フィルタ部をエンドストッパ部に当接させた後にモータの駆動を停止させると、弾性緩衝部の作用によって可動フィルタ部が僅かに押し戻され、はすばラックを介してはすば歯車が僅かに逆回転する。すると、はすば歯車とウォームとの接触圧が低減され、その結果として、静摩擦係数が低減される。そして、静摩擦係数の低減により、第1の窓と第2の窓との切り替えに必要な始動時のモータトルクを小さくでき、モータの小型化ひいてはフィルタ切替ユニットの小型化が可能になる。
本発明に係るフィルタ切替ユニットによれば、第1の窓と第2の窓とを切り替えた後の可動フィルタ部をその場に留めておく際に外部からの振動に強くなり、さらに、小型化にも効果的である。
以下、図面を参照して本発明に係るフィルタ切替ユニットの実施の形態について説明をする。
図1及び図2に示すように、フィルタ切替ユニット1は、監視カメラのカメラユニット2に取り付けられている。カメラユニット2は、フィルタ切替ユニット1がねじ止めされるケース2aを有し、ケース2aの内部には、光軸LS上に集光レンズ2bと撮像素子であるCCD2cとが設けられている。CCD2cには、昼間は近赤外光が遮断された可視光が結像され、夜間は可視光及び近赤外光が結像される。監視カメラでは、CCD2cによって昼間はカラー撮影が行われ、夜間は白黒撮影が行われる。CCD2cに結像される光の波長の切り替えは、フィルタ切替ユニット1によって行われる。
図1〜図5に示すように、フィルタ切替ユニット1は、前面が開放された筺体6を有し、その前面を塞ぐように筺体6に蓋部8が取り付けられている。蓋部8には、四つの係止片8aが突設され、各係止片8aの係止穴内に、筺体6の各係止爪6aが入り込んで、蓋部8が、筺体6に装着される。蓋部8の中央には、矩形の撮像開口8bが形成されており、撮像開口8bの中心を通過するように光軸LSが延在する。また、光軸LS上には、筺体6の背面壁に形成された矩形の開口部分6b、カメラユニット2の集光レンズ2b及びCCD2cが配置されている。
筺体6内には、可動フィルタ10が配置され、可動フィルタ部10は、ガラス体12が装着された第1の窓16aと近赤外光カットフィルタ(以下、「IRフィルタ」という)14が装着された第2の窓16bとが並設された略矩形状の本体部16を有する。本体部16に設けられた第1の窓16aと第2の窓16bとは、共に同一の矩形状であり、ガラス体12及びIRフィルタ14は、フィルタ押え板18によって本体部16からの抜けが防止され、第1の窓16a及び第2の窓16b内に保持されている。フィルタ押え板18には、左右の両端に係止片18aが設けられており、係止片18aの係止穴が、本体部16の係止爪16cに入り込んで、フィルタ押え板18は、本体部16の前面に装着されている。また、フィルタ押え板18には、第1及び第2の窓16a,16bよりも若干小さな矩形の開口部18b,18cが形成されており、フィルタ押え板18の縁でガラス体12及びIRフィルタ14の縁を押さえ込む。
筺体6には、可動フィルタ部10を収容するために、壁部によって凸字状の内部空間が形成されると共に、カメラユニット2にねじ止めされるフランジ部が設けられている。そして壁部に囲まれた筺体6の内部には、背面側に形成された開口部分6bを挟むようにして、平行に延在する一対のガイド部6c,6cが設けられ、各ガイド部6cは、光軸LSに直交する方向に延在する。一対のガイド部6c,6cによって可動フィルタ部10が光軸LSに直交する選択方向SD(図4参照)に案内される。可動フィルタ部10が選択方向SDに移動し、ガラス体12を有する第1の窓16aが光軸LS上に進出すると、可視光帯域及び近赤外光帯域の光がCCD2cに結像され、IRフィルタ14を有する第2の窓16bが光軸LS上に進出すると、近赤外光帯域の光がCCD2cに結像される。
可動フィルタ部10の本体部16には、筺体6の一対のガイド部6c間に入り込む突部16d(図6参照)が設けられ、可動フィルタ部10は、ガイド部6cの長手方向、つまり光軸LSに直交する方向に摺動する。また、本体部16の側面には、ガイド部6cの長手方向に沿ってはすばラック16eが形成されている。はすばラック16eは、はすば歯車20と噛み合い、はすば歯車20は、ウォーム22と噛み合っている。ウォーム22は、DCモータ24の出力軸24aに設けられており、DCモータ24の駆動力が、ウォーム22、はすば歯車20、はすばラック16eを介して可動フィルタ部10に伝達される。以下、この動力伝達機構について詳しく説明する。
DCモータ24は、モータケース24bの前端面が筺体6の突き出し部分6fの壁面に当接し、図示しないネジによって筺体6に固定されている。DCモータ24の出力軸24aは、筺体6の突き出し部分6fの壁を貫通して突出空間内に達している。そして、この突出空間内に位置する出力軸24aにウォーム22が設けられている。ウォーム22は、支持軸6dによって軸支されているはすば歯車20と突出空間内で噛み合う。支持軸6dは、ウォーム22と可動フィルタ部10のはすばラック16eとの略中間位置に設けられており、はすば歯車20は、可動フィルタ部10のはすばラック16eと噛み合う。
可動フィルタ16のはすばラック16e、ウォーム22及びはすば歯車20には、摩擦を軽減するために潤滑材が塗布されている。この潤滑材は、ガラス体12やIRフィルタ14への飛散を防ぐために、半固形の潤滑材(例えば乾燥被膜潤滑材、商品名:ハナールHANARL/関東化成工業株式会社)であることが望ましい。
DCモータ24の駆動による出力軸24aの回転は、ウォーム22、はすば歯車20及びはすばラック16eによって可動フィルタ部10の直線運動に変換される。そして、可動フィルタ部10が選択方向SD(図4参照)に移動すると、可動フィルタ部10に設けられた第1の窓16a及び第2の窓16bが移動し、光軸LS上に進出する窓が切り替わる。そして、光軸LS上に第1の窓16aが進出した場合、ガラス体12を通った光がCCD2cに結像し、光軸LS上に第2の窓16bが進出した場合、IRフィルタ14を通った光がCCD2cに結像する。
図6に示すように、可動フィルタ部10が選択方向SDである一方の方向に移動するとき、その選択方向SDにおける可動フィルタ部10の端部、つまり、本体部16の長手方向における左右の両端部16fが、エンドストッパ部26に当接する。エンドストッパ部(弾性緩衝部)26は、筺体6の内壁面6eに設けられると共に、ウレタンゴムやスポンジ素材等からなり、弾性を有する板状の緩衝材である。エンドストッパ部26は、可動フィルタ部10における本体部16の端部16fに当接して可動フィルタ部10の移動を規制すると共に、可動フィルタ部10の当接による衝撃を吸収する。なお、弾性緩衝部は、らせんバネ、板バネであってもよい。
次に、可動フィルタ10を備えたフィルタ切替ユニット1の動作について説明する。
DCモータ24を駆動制御し、ウオーム22を一方向に回転させる。すると、はすば歯車20が一方向に回転し、その回転がはすばラック16eによって可動フィルタ部10の直線運動に変換され、可動フィルタ部10が図6(A)の矢印方向に移動する。可動フィルタ部10は、本体部16の端部16fがエンドストッパ部26に当接するまで移動を続け、可動フィルタ部10が停止した後も、DCモータ24は、僅かな時間だけ駆動し続ける。DCモータ24の駆動は、予め設定した所定時間(例えば1秒)だけ行われ、所定時間の経過によって停止する。また、ウォーム22を利用してDCモータ24の駆動を伝達することで、減速比を大きくでき、部品点数の減少にもつながって小型化にも効果的である。
可動フィルタ部10の端部16fがエンドストッパ部26に当接すると、図6(B)に示すように、弾性緩衝部であるエンドストッパ部26が縮み、可動フィルタ部10の当接による衝撃を吸収して、はすばラック16e、はすば歯車20、ウォーム22の破損を防止する。また、このようにエンドストッパ部26で衝撃を吸収されながら可動フィルタ部10を停止させると、可動フィルタ部10を停止させる位置制御に高い精度が要求されなくなり、DCモータ24の駆動制御が単純になると共に、可動フィルタ部10の停止位置を検出するためのセンサ等が不要になる。その結果、構造の簡素化、部品点数の減少を可能にしてフィルタ切替ユニット1の小型化に効果的である。
可動フィルタ部10の移動が停止すると、可動フィルタ部10の第1及び第2の窓16a,16bのいずれか一方は、光軸LS上に位置するようになる。そして、ガラス体16またはIRフィルタ14を透過した光が、CCD2cに結像され、その結像に基づいて監視カメラでの監視が行われる。なお、ウォーム22及びはすば歯車20の協働によるセルフロック機能によって可動フィルタ10はその場に留められ、外部からの振動にも強いために、監視カメラでの安定した監視を可能にする。さらに、可動フィルタ部10を所定位置に保持するための特別な機構や装置が不要となり、構造の簡素化、部品点数の減少を可能にし、フィルタ切替ユニット1の小型化に効果的であり、消費電力も少なくなる。
また、DCモータ24の駆動を停止してウォーム22の回転が停止すると、縮んだ状態にあるエンドストッパ部26の反発力により、可動フィルタ部10が僅かに押し戻され、はすばラック16eを介してはすば歯車20が僅かに逆回転する。すると、はすば歯車20とウォーム22との接触圧が低減され、その結果として、静摩擦係数が低減される。そして、第1の窓16aと第2の窓16bとの切り替えのために、DCモータ24の駆動制御を行ってウォーム22を逆方向に回転させた場合、静摩擦係数が低減されているために、切り替えに必要な始動時のモータトルクが小さくて済む。そのため、DCモータ24の小型化が可能になる。
本発明は、以上の実施の形態のみに限定されず、例えば、フィルタ切替ユニット1は、監視カメラ以外であってもよく、各種のカメラへの適用が可能である。
また、第1の窓は、例えば、ガラス体ではなくて可視光のみを透過させるフィルタを有していてもよい。
また、第1の窓は、例えば、ガラス体ではなくて可視光のみを透過させるフィルタを有していてもよい。
1…フィルタ切替ユニット、2c…CCD(撮像素子)、6…筺体、6c…ガイド部、10…可動フィルタ、14…IRフィルタ、16a…第1の窓、16b…第2の窓、16c…係止爪、16e…はすばラック、20…はすば歯車、22…ウォーム、24…DCモータ、LS…光軸、24a…出力軸、26…エンドストッパ部。
Claims (2)
- 第1の窓とフィルタを有する第2の窓とが並設された可動フィルタ部を有し、撮像素子に結像させる光の波長を切り替えるために、モータにより、前記可動フィルタ部を光軸に直交する方向に移動させて前記第1の窓と前記第2の窓とを選択的に切り替えるフィルタ切替ユニットにおいて、
前記モータの出力軸に設けられたウォームと、
前記ウォームに歯合するはすば歯車とを備え、
前記可動フィルタ部には、前記はすば歯車に歯合するように、前記光軸に直交する方向に沿って延在するはすばラックが設けられていることを特徴とするフィルタ切替ユニット。 - 前記可動フィルタ部を収容する筺体を更に備え、
前記筺体は、前記光軸に直交する方向に延在して、前記可動フィルタ部を選択方向に案内するガイド部と、前記筺体内における前記可動フィルタ部の移動経路の両端に設けられたエンドストッパ部とを有し、
前記エンドストッパ部は、前記可動フィルタ部の前記選択方向における端部に当接する弾性緩衝部であることを特徴とする請求項1記載のフィルタ切替ユニット。
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