JP2009271160A - ネガ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)特定の繰り返し単位を有するポリヒドロキシアミド:100質量部、(B)特定のエステル化合物:1〜40質量部、(C)光酸発生剤:1〜15質量部、を含むことを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
ネガ型の感光性ポリベンゾオキサゾールの代表例としては、ポリベンゾオキサゾール前駆体と光酸発生剤および酸で架橋可能なポリヒドロキシ化合物の混合物(特許文献1参照)や、ポリベンゾオキサゾール前駆体に二重結合を導入したポリマーと、光ラジカル発生剤および架橋可能な複数の二重結合を有する化合物の混合物(特許文献2)が提案されている。
このため、アルカリ現像可能で、解像性に優れるネガ型感光性樹脂組成物が求められていた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.(A)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリヒドロキシアミド:100質量部、(B)下記一般式(II)で表されるエステル化合物:1〜40質量部、(C)光酸発生剤:1〜15質量部、を含むことを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
(式中、X1は2個以上の炭素原子を有する4価の有機基であり、X2、Y1、およびY2はそれぞれ独立に2個以上の炭素原子を有する2価の有機基であり、mは2〜200の整数であり、nは0〜200の整数であって、m/(m+n)>0.5である。なお、X1およびY1を含むm個のジヒドロキシジアミド単位、並びにX2およびY2を含むn個のジアミド単位の配列順序は問わない。)
(式中、Xは1〜4価の炭素数1〜8の脂肪族基、Zは水素または電子吸引基、pは1〜5の整数、qは1〜4の整数である。)
3.(B)上記一般式(II)で表されるエステル化合物におけるqが、2〜4であることを特徴とする上記1又は2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
4.(C)光酸発生剤が、アントラセン環を含む化合物、下記一般式(III)で表される化合物、及び下記一般式(IV)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする上記1〜3のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
(式中、R1は、炭素数1〜10の1価の脂肪族基または炭素数6〜12の1価の芳香族基である。)
(式中、R2は、炭素数1〜10の1価の脂肪族基または炭素数6〜12の1価の芳香族基である。)
(式中、R3はメチル基、メトキシ基、又はエトキシ基である。)
(式中、R4はメチル基、メトキシ基、又はエトキシ基である。)
7.上記6に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有する半導体装置。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下具体的に説明する。
(A)ポリヒドロキシアミド
ネガ型感光性樹脂組成物のベースポリマーであるポリヒドロキシアミドは、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する。
(式中、X1は2個以上の炭素原子を有する4価の有機基であり、X2、Y1、およびY2はそれぞれ独立に2個以上の炭素原子を有する2価の有機基であり、mは2〜200の整数であり、nは0〜200の整数であって、m/(m+n)>0.5である。なお、X1およびY1を含むm個のジヒドロキシジアミド単位、並びにX2およびY2を含むn個のジアミド単位の配列順序は問わない。)
X1は、2個以上30個以下の炭素原子を有する4価の有機基であることが好ましい。X2、Y1、およびY2はそれぞれ独立に2個以上30個以下の炭素原子を有する2価の有機基であることが好ましい。
mは2〜200の範囲が好ましく、2〜100の範囲がより好ましく、3〜50の範囲が最も好ましい。
ポリヒドロキシアミド構造中における上記のジヒドロキシジアミド単位の割合が高いほど現像液として使用するアルカリ性水溶液への溶解性が向上するので、m/(m+n)の値は0.5以上である事が好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上である事が最も好ましい。
(式中、X3は2個以上15個以下の炭素原子を有する4価の有機基であり、前述したX1で示される有機基として好ましいものからなる群から選択される少なくとも1つの有機基であることが好ましい。)
(式中、Y3は2個以上15個以下の炭素原子を有する2価の有機基であり、後述するY1で示される有機基として好ましいものからなる群から選択される少なくとも1つの有機基であることが好ましい。)
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2−ペンテン、1,4−ビス(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)ベンゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、5(または6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジ−(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、及び4,4’−ジアミノベンズアニリド等、ならびにこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、及びフェニル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の基または原子によって置換された化合物が挙げられる。
(式中、Aは、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF3)2−、及び単結合からなる群から選択される2価の基を示し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、不飽和基、及びハロゲン原子からなる群から選択される基を示し、kは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。)
(式中、Bは、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、及び−C(CF3)2−からなる群から選択される2価の基を意味する。)
または別法としてテトラカルボン酸二無水物とビスアミノフェノールもしくはジアミンを反応させて、生成するカルボン酸残基を、モノアルコールまたはモノアミンにより、エステル化またはアミド化することもできる。
(式中、X4はX1(OH)2(NH−)2で表される2価の有機基を表し、X1 は上記一般式(I)におけるX1 と同じ有機基を表す。)
エステル化合物としては、下記一般式(II)表されるエステル化合物が用いられる。
(式中、Xは1〜4価の炭素数1〜8の脂肪族基、Zは水素または電子吸引基、pは1〜5の整数、qは1〜4の整数である。)
中でも、Zが電子吸引基であるものが好ましい。電子吸引基としては、具体的にはフッ素、塩素、臭素、CF3、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。中でも、ニトロ基、シアノ基、フッ素であるものが好ましい。また上記一般式(II)で表されるエステル化合物のqが2以上4以下であるものが好ましい。
(ここでrは1〜12の整数である)
(B)エステル化合物の添加量は、(A)ポリヒドロキシアミド100質量部に対して、1〜40質量部、好ましくは2〜25質量部、さらに好ましくは3〜15質量部である。
ここで(B)エステル化合物の添加量が1質量部以上では解像性が良好で、40質量部以下では熱硬化後の物性が良好である。
光酸発生剤としては、活性光線照射により酸を発生する化合物を用いることができる。例えば特開2003−207892号のp5〜16に記載されている化合物がある。
中でも、光酸発生剤としては、アントラセン環を含む化合物、下記一般式(III)で表される化合物、及び下記一般式(IV)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが、ポリヒドロキシアミドに吸収される光より長波長で感度を有するという観点から好ましい。
(式中、R1は、炭素数1〜10の1価の脂肪族基または炭素数6〜12の1価の芳香族基である。)
(式中、R2は、炭素数1〜10の1価の脂肪族基または炭素数6〜12の1価の芳香族基である。)
(式中、R3はメチル基、メトキシ基、又はエトキシ基である。)
(式中、R4はメチル基、メトキシ基、又はエトキシ基である。)
また、上記一般式(IV)で示される光酸発生剤としては、R2 がn−C3H7、p−CH3C6H4から選ばれるものが好ましく、同じくCGI263,268として入手できる。
(C)光酸発生剤の添加量は、(A)ポリヒドロキシアミド100質量部に対して、1〜15質量部、好ましくは2〜12質量部、さらに好ましくは3〜8質量部である。
ここで(C)光酸発生剤の添加量が1質量部以上では感度、熱硬化性が良好で、15質量部以下では熱硬化後の物性が良好である。
ネガ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、種々の化合物を添加する事ができる。
界面活性剤としては、ポリプロピレングリコール、もしくはポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリグリコール類、またはその誘導体からなる非イオン系界面活性剤があげられる。また、フロラード(登録商標)(住友3M社製)、メガファック(登録商標)(大日本インキ化学工業社製)、またはルミフロン(登録商標)((旭硝子社製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。さらに、KP341(信越化学工業社製:商品名)、DBE(チッソ社製:商品名)、またはグラノール(共栄社化学社製:商品名)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。該界面活性剤の添加により、塗布時のウエハーエッジでの塗膜の不均一塗布現象をより発生しにくくすることができる。
界面活性剤を加える場合の添加量は、(A)ポリヒドロキシアミド100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。添加量が10質量部以内であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
接着助剤としては、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシポリマー、およびシランカップリング剤が挙げられる。
また、より低温で熱硬化させポリベンゾオキサゾール骨格に変換させるために熱酸発生剤を加える事もできる。熱酸発生剤としては、イソプロピルメタンスルホネート、イソプロピルp−トルエンスルホネート等が推奨される。
ネガ型感光性樹脂組成物に、溶媒を添加してワニス状にし、ネガ型感光性樹脂組成物の溶液として使用することが好ましい。このような溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネートが挙げられる。これらを単独または混合して溶媒として使用することができる。これらの溶媒のうち、非アミド系溶媒がフォトレジストなどへの影響が少ない点から好ましい。具体的なより好ましい例としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、を挙げることができる。
溶媒の添加量は、(A)ポリヒドロキシアミド100質量部に対し、100〜1000質量部が好ましい。溶媒の添加量は、上記の範囲内で塗布装置、及び塗布厚みに適した粘度に設定することが、硬化レリーフパターンの製造を容易にすることができるので好ましい。
次に、硬化レリーフパターンの製造方法について、以下具体的に説明する。
(1)ネガ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を基板上に形成する工程(第一の工程)。
ネガ型感光性樹脂組成物溶液を、例えばシリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピンコーターを用いた回転塗布、又はダイコーター、もしくはロールコーター等のコータ−により塗布する。もしくは、インクジェットノズルやディスペンサーを用いて、所定の場所に塗布することも可能である。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で乾燥して溶媒を除去する。
続いて、感光性樹脂層をマスクを介して活性光線により露光する。具体的には、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか、光線、電子線またはイオン線を直接照射する。活性光線としては、g線、h線、i線、KrFレーザーを用いることもできる。
第三の加熱する工程は、加熱手段として、例えばホットプレート、赤外線、電磁誘導等を利用できるが、加わる温度と時間の制御の精度からポットプレート上で80〜180℃の温度で5〜180秒加熱を行う事が推奨される。
この第三の工程はPEB(Post Exposure Bake)と呼ばれ、条件を選ぶことにより最終的に良好なパターンを形成させることができる。良好なパターンを得るためには露光部と未露光部の現像液であるアルカリ性水溶液への溶解速度に差をつけることが必須である。
それを実現するための条件を見出す方法について述べる。上記の第一の工程に従ってウェハー上に感光性組成物膜を形成させた後、ウェハー表面にまで達する傷をつける。次にその傷の一部が隠れるようにウェハーの半分を遮光シートで覆う。次にこのシートをマスクとみなして第二の工程に従い露光を行う。次にある温度である時間PEBを行う。
次に露光部の膜厚を測定し露光部の膜厚が減る速度を求める。ここで露光部に対する未露光部の現像速度の差を求め その値が大きくなる条件を見つけることが出来る。
このウェハーを細かく活断し、露光量、PEBの時間や温度を変えたサンプルを作成し上記の現像速度の差が大きくなる条件を見出す手法が推奨される。
第四の工程として、未露光部をアルカリ性水溶液で溶出または除去する。引き続き、好ましくはリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、または超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、または脱イオン水等が使用できる。
ネガ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を現像するために用いられる現像液は、アルカリ可溶性ポリマーを溶解除去するものであり、アルカリ化合物を溶解したアルカリ性水溶液であることが必要である。アルカリ性水溶液中に溶解されるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物、または有機アルカリ化合物のいずれであってもよい。
該無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、及びアンモニア、が挙げられる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、またはエチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、及び樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
最後に、得られたレリーフパターンを加熱処理して、ポリベンゾオキサゾール構造を有する樹脂からなる耐熱性硬化レリーフパターンを形成する。加熱装置としては、オーブン炉、ホットプレート、縦型炉、ベルトコンベアー炉、圧力オーブン等を使用する事ができ、加熱方法としては、熱風、赤外線、電磁誘導による加熱等が推奨される。温度は200〜450℃が好ましく、250〜400℃がさらに好ましい。
加熱時間は15分〜8時間が好ましく、1時間〜4時間がさらに好ましい。
雰囲気は窒素、アルゴン等不活性ガス中が好ましい。
半導体装置は、硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、あるいはバンプ構造を有する装置の保護膜として、公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで製造することができる。
また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、または液晶配向膜等の用途にも有用である。
<ポリヒドロキシアミドの合成>
〔参考例1〕
100mlのフラスコに4,4’−オキシビス安息香酸8.75g(33.9mmol)と、塩化チオニル20ml(274mmol)、塩化メチレン20ml、ジメチルホルムアミド数滴を加えてオイルバス温度90℃で3時間還流した。その後、減圧にして塩化チオニル及び塩化メチレンを取り除き、粗生成物を得た。粗生成物をヘキサンで再結晶して、減圧乾燥することで白色の結晶4,4’−オキシジベンゾイルクロリドを得た。
次に0℃で30分かけ上記4,4’−オキシジベンゾイルクロリド3.30g(11.2mmol)を加え、24時間常温で攪拌した。そのポリマー溶液を水1600ml、メタノール200mlの混合溶液に撹拌しながら滴下し、吸引ろ過後、減圧下40℃で乾燥し、6.38gの白色の固体を得た。この結晶の赤外吸収スペクトル(KBr法)では3425cm−1、1651cm−1にそれぞれOHとC=Oの特性吸収を確認した。プロトンNMRケミカルシフト(300MHz、CDCl3溶液;ppm)は10.2(s、2H)、9.51(s、2H)、8.02、8.04(d、4H)、7.93(s、1H)、7.18、7.20(d、4H)、7.00(s、4H)であり、ポリヒドロキシアミドと同定された。収率は97%であった。
THFを展開液としてGPCで測定した数平均分子量は9,700、重量平均分子量は20,800であった。用いたGPC装置はJasco co−2065 Plus systemであり、カラムはTOSOH TSgel GMRHR−Mを用い展開液の流速は1.0ml/分とした。
〔参考例2〕
200mlの三口フラスコに80mlのTHFを入れ、4.35g(31.3mmol)のp−ニトロフェノールと3.0g(14.2mmol)のコルク酸クロリドを投入し磁気撹拌し均一溶液とした。
この溶液を窒素雰囲気のもと0℃に保ちながら、20mlのTHFに4.31g(42.6mmol)のトリエチルアミンを溶解した溶液を滴下した。
その後、室温で20時間攪拌を続け、析出した固体をロ別した。
その後、得られた溶液のTHFを室温でエバポレータにて留去した。
得られた液を500mlの水にあけ、白色の粉末を得た。
その結晶の赤外吸収スペクトルは1751、1535、1342、864cm−1に吸収を示した。
プロトンNMRケミカルシフト(300MHz、CDCl3溶液;ppm)は8.22−8.27(d、4H)、7.29−7.24(d、4H)、2.59−2.64(t、4H)、1.78−1.83(m、4H)、1.48−1.53(m、4H)融点は114.5℃で、得られたエステルはコルク酸ビス(p−ニトロフェニル)と確認された。
収率は98%であった。
〔実施例1〕
上記参考例1にて得られたポリヒドロキシアミド7g、酢酸p−ニトロフェニル(東京化成社製)2.5g、(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン−2−(メチルフェニル)アセトニトリル)(以下PTMAとも言う)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 CGI1397)0.5gを42.3gのシクロペンタノンに溶解し、ネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
この感光性樹脂組成物をスピンコーター(MIKASA 1H−D7)にて 6インチシリコンウエハーに1500rpmで10秒間スピン塗布し、ホットプレートにて80℃、30秒間プリベークを行い、膜厚1.6μmの塗膜を形成した。膜厚はフィルム膜厚測定装置(Veeco Instruments Inc.社製Dektak3system)にて測定した。
次に、純水にてリンスを行い、硬化レリーフパターンを形成した。8μmのライン/スペースパターンが解像された。現像後の膜厚は1.5μmとなった。
〔実施例2〕
10ml容のガラス瓶に参考例1で調製したポリヒドロキシアミド0.92g、参考例2で調製したコルク酸ビス(p−ニトロフェニル)0.05g、PTMA0.05g、シクロペンタノン5.0gを入れミックスローター(アズワン株式会社製 MR−5)を用いて均一になるまで回転し組成物を調整した。
この溶液をシリコンウエハーに2000rpmの回転数で10秒間スピンコートし、ホットプレート上で80℃で30秒間プリベークを行った。
この塗膜に傷をつけ測定した膜厚は3μmであった。
次にこのウェハーの半分を黒い遮光フィルムで覆い、i線で300mJ/cm2で全体を露光した。その後120℃で10秒間PEBを実施し、該フィルムを剥離して、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で現像した。該フィルムで覆った未露光部が完全に溶けるまでに76秒を要した。
その時の露光部分の膜厚測定から露光部の溶解速度は未露光部の1/400である事が判った。
Claims (7)
- (A)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリヒドロキシアミド:100質量部、(B)下記一般式(II)で表されるエステル化合物:1〜40質量部、(C)光酸発生剤:1〜15質量部、を含むことを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
(式中、X1は2個以上の炭素原子を有する4価の有機基であり、X2、Y1、およびY2はそれぞれ独立に2個以上の炭素原子を有する2価の有機基であり、mは2〜200の整数であり、nは0〜200の整数であって、m/(m+n)>0.5である。なお、X1およびY1を含むm個のジヒドロキシジアミド単位、並びにX2およびY2を含むn個のジアミド単位の配列順序は問わない。)
(式中、Xは1〜4価の炭素数1〜8の脂肪族基、Zは水素または電子吸引基、pは1〜5の整数、qは1〜4の整数である。) - (B)上記一般式(II)で表されるエステル化合物における置換基Zが、電子吸引基であることを特徴とする請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- (B)上記一般式(II)で表されるエステル化合物におけるqが、2〜4であることを特徴とする請求項1又は2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- (C)光酸発生剤が、アントラセン環を含む化合物、下記一般式(III)で表される化合物、及び下記一般式(IV)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
(式中、R1は、炭素数1〜10の1価の脂肪族基または炭素数6〜12の1価の芳香族基である。)
(式中、R2は、炭素数1〜10の1価の脂肪族基または炭素数6〜12の1価の芳香族基である。) - 上記アントラセン環を含む化合物が、下記一般式(V)で表される化合物、及び下記一般式(VI)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする、請求項4に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
(式中、R3はメチル基、メトキシ基、又はエトキシ基である。)
(式中、R4はメチル基、メトキシ基、又はエトキシ基である。) - (1)請求項1〜5のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を基板上に形成し、(2)マスクを介して活性光線で露光し、(3)80〜180℃で加熱し、(4)未露光部をアルカリ性水溶液で溶出または除去し、(5)得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする、硬化レリーフパターンの製造方法。
- 請求項6に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有する半導体装置。
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