JP2009269480A - 座席用ヒータ - Google Patents

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Kazuaki Hioki
一昭 日置
Naohito Asami
直仁 朝見
Norio Abe
憲生 阿部
Koji Yoshimoto
弘次 吉本
Masanori Nishikawa
雅徳 西川
Hiroyuki Ogino
弘之 荻野
Tomoyuki Kawase
知之 河瀬
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Abstract

【課題】省エネと快適性を両立する座席用ヒータを提供する。
【解決手段】人体の接触部位の中には暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高い部位が存在するが、一方では暖感覚は遅く、鈍感ではあるが、暖めると快適性を向上することが可能となる部位も存在する。本発明の座席用ヒータは、例えば、上記の2つの部位を順に発熱させて暖房を行うので、快適性を低下させることなく発熱エネルギーを削減して省エネを実現することができるといった効果がある。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等のシートに装着し、採暖を行なうことの出来る座席用ヒータに関するものである。
従来の暖房機能つき車両座席用ヒータは、基材に電気ヒータ線を所定のピッチで基材全面に亘って蛇行配設した座席用ヒータが自動車の座席の座面側と背面側の表皮とメインパッド間に配設されたもので、前記電気ヒータ線に通電して前記座席用ヒータが発熱することにより寒い季節にでも着座乗員が暖かく快適に着座することができるようになっていた(例えば特許文献1参照)。
また、座席内に配設された複数に分割された発熱体が、着座乗員の改善すべき症状に応じて選択的に作動して発熱され、改善すべき症状に応じた部位を局部的に暖め、その症状を改善するようになっているものもあった(例えば特許文献2参照)。
特許第2621437号公報 特開2007−283932号公報
近年、自動車の車室内にて用いられる電気機器の多様化により、車室内での使用消費電力が増加しているが、一方で自動車の燃費向上のために車室内機器の消費電力削減が求められている。これは、車室内機器の消費電力が小さくなれば、その分の燃料消費が少なくなることに加え、消費電力の低減に応じて発電機や蓄電池の容量を小さくすることができ、これに伴う重量の軽減による燃料消費の低減にも起因する。
しかしながら、特許文献1の座席用ヒータでは、電気ヒータ線が所定のピッチで基材全面に亘って蛇行配設されていて、着座した人体が座席に接触していない部位に対しても電気ヒータ線が配設されているので、通電して使用する際に、着座した人体が座席に接触していない部位から不要な放熱が発生し、省エネに寄与しないといった課題があった。また、特許文献2の発熱体は、選択された発熱体のみが通電されるので、選択を誤ると暖房の面積が不足し、快適性を低下させてしまう場合があるという課題があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、省エネと快適性を両立する座席用ヒータを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の座席用ヒータは、座席に着座した人体の各接触部位別に相対して配設された複数の発熱体と、前記発熱体の発熱動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は前記発熱体の発熱動作を所定の順に制御する。
人体の接触部位の中には暖感覚が早く、熱供給に対し暖房効果が高い部位が存在するが、一方では暖感覚は遅く、鈍感ではあるが、暖めると快適性を向上することが可能となる部位も存在する。本発明の座席用ヒータは、例えば、上記の2つの部位を順に発熱させて暖房を行うので、快適性を低下させることなく発熱エネルギーを削減して省エネを実現する。
本発明の座席用ヒータによると、快適性を低下させることなく発熱エネルギーを削減して省エネを実現することができる。
第1の発明は、座席に着座した人体の各接触部位別に相対して配設された複数の発熱体と、前記発熱体の発熱動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は前記発熱体の発熱動作を所定の順に制御するものである。人体の接触部位の中には暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高い部位が存在するが、一方では暖感覚は遅く、鈍感ではあるが、暖めると快適性を向上することが可能となる部位も存在する。本発明の座席用ヒータは、例えば、上記の2つの部位を順に発熱させて暖房を行うので、快適性を低下させることなく発熱エネルギーを削減して省エネを実現することができるといった効果がある。
第2の発明は、特に第1の発明における制御部が、発熱体の発熱動作順を任意に設定可能な設定部を備えたもので、使用者が自分の暖房感の好みに合わせて発熱体の発熱動作順を設定できるので、使い勝手が向上する。
第3の発明は、特に第1または2の発明における制御部が、発熱動作順として、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体の発熱動作を行い、一定時間経過後に人体が接触する残りの部位に相対して配設された発熱体の発熱制御を行なうものである。そして、例えば、暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高い部位として大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位をまず加熱し、次に、一定時間経過後に、暖感覚は遅く、鈍感ではあるが、暖めると快適性を向上することが可能となる部位として大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩以外の残りの部位を加熱するので、快適性を低下させることなく発熱エネルギーを削減して省エネを実現することができるといった効果がある。
第4の発明は、特に第1の発明における制御部が、発熱動作順として、人体の各接触部位に相対して配設された全ての発熱体の発熱動作を行い、一定時間経過後に大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体の発熱動作を行なうものである。そして、まず、人体の各接触部位に相対して配設された全ての発熱体の発熱動作を行うことにより着座する人体が早く暖房感を得られるので、快適性がより向上するとともに、一定時間経過後に大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体の発熱動作を行なうことにより、暖房の立ち上がり後は暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高い部位のみを効率的に暖房することにより発熱エネルギーを削減して省エネを実現する。
第5の発明は、特に第1の発明における制御部が、ヒータ温度を検出する温度検出部を備え、発熱動作順として、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体の発熱動作を行い、前記温度検出部が検出したヒータ温度が予め設定された設定温度に達すると、人体が接触する残りの部位に相対して配設された発熱体の発熱制御を行なうものである。これにより、周囲温度の変化やヒータ仕様直後などの影響を受けることなく、前記第3の発明で記載したのと同等な効果を実現し、快適性を低下させることなく消費電力を削減することができる。
第6の発明は、制御部は、ヒータ温度を検出する温度検出部を備え、発熱動作順として、人体の各接触部位に相対して配設された全ての発熱体の発熱動作を行い、前記温度検出部が検出したヒータ温度が予め設定された設定温度に達すると、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体の発熱動作を行なうものである。これにより、周囲温度の変化やヒータ仕様直後などの影響を受けることなく、前記第4の発明記載の効果を実現し、快適性を低下させることなく消費電力を
削減することができる。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1は本実施の形態における座席用ヒータの平面図、図2は本発明の座席用ヒータを車両用座席に組み付けた斜視図である。図中、座席用ヒータは、自動車の座席に配設されるもので、クッション部面状発熱体1、バック部面状発熱体2、および、クッション部面状発熱体1とバック部面状発熱体2の発熱動作を制御する制御部3を備えている。クッション部面状発熱体1は、さらに、大腿部11、尻中央部12、その他のクッション部20の各面状発熱体で構成されている。バック部面状発熱体2は、さらに、腰中央部13、背中中央部14、肩部15、その他バック部21の各面状発熱体で構成されている。ここで、各面状発熱体は、不織布などの基材に電気ヒータ線を所定のピッチで蛇行配設したものを使用した面状の電気ヒータである。制御部3は各面状発熱体へ所定の順に通電を行う制御を行なう。なお図においては、判り易くするために便宜上、大腿部や尻中央部、腰中央部等を暖める各面状発熱体を斜線で示し、その他の部位を暖める各面状発熱体を斜線無しで示している。
上記構成による作用を図3に基づき説明する。図3は制御部3による面状発熱体11〜15、20、21への通電制御パターンを示した動作図である。図中、グラフの縦軸は通電のオン・オフを示し、横軸は経過時間である。上段グラフが面状発熱体11〜15、下段グラフが面状発熱体20、21への通電制御パターンを示している。同図より、時刻t0で先ず、面状発熱体11〜15への通電が開始される。大腿部、尻中央部、腰中央部、背中中央部、肩部は暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高いという特徴があるため、先ず、これらの部位に相対して配設された面状発熱体11〜15に通電を行って暖房効果をより早く促進させている。
次に、一定時間経過後の時刻t1に面状発熱体11〜15への通電をオフし、面状発熱体20、21への通電を時刻t2までオンする。ここで、面状発熱体20、21により暖められる部位(大腿部、尻中央部、腰中央部、背中中央部、肩部以外の部位)は、暖感覚が遅く鈍感ではあるが、暖めると快適性を向上することが可能となる特徴があるため、面状発熱体11〜15への通電により、大腿部、尻中央部、腰中央部、背中中央部、肩部での暖房効果が得られた後の暖感覚の不足分を補う効果を発揮する。
時刻t2〜t3では、面状発熱体20、21への通電をオフし、面状発熱体11〜15への通電をオンすることにより、大腿部、尻中央部、腰中央部、背中中央部、肩部での暖房感を維持するようにしている。
時刻t3以降は、時刻t1〜t2、t2〜t3での面状発熱体11〜15と面状発熱体20、21の通電のオン・オフパターンを繰り返して継続し、暖房感の維持を図っている。
尚、上記の通電パターンの消費電力は、面状発熱体11〜15、20、21全てに通電する場合に比して約半分となる。
また、通電切り替えの時刻t1のタイミングの設定は、例えば、外気温が−5℃〜0℃程度であれば、10分前後に設定すればよい。また、車室内の室温と連動してt1を設定してもよく、予め制御部3で室温とt1との関係を数値テーブルとして記憶しておき、エアコンの室温センサからの信号を用いて前記数値テーブルに基づきt1を演算する構成とする。これにより、例えば、室温が高い場合はt1を早めに、室温が低い場合はt1を遅
く設定する。
上記作用により、人体の接触部位の中には暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高い部位が存在するが、一方では暖感覚は遅く、鈍感ではあるが、暖めると快適性を向上することが可能となる部位も存在する。本実施の形態の座席用ヒータは、上記の2つの部位を順に発熱させて暖房を行うので、快適性を低下させることなく発熱エネルギーを削減して省エネを実現することができるといった効果がある。
また、より具体的な加熱部位として、暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高い部位としては大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩をまず加熱し、次に、一定時間経過後に、暖感覚は遅く、鈍感ではあるが、暖めると快適性を向上することが可能となる部位として大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩以外の残りの部位を加熱するので、快適性を低下させることなく発熱エネルギーを削減して省エネを実現することができるといった効果がある。
尚、本実施の形態では、先ず大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩を加熱するため面状発熱体11〜15に通電し、一定時間後にその他の部位を加熱するため面状発熱体20、21に通電する構成としたが、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の全てではなく、それらの部位の少なくとも1つを加熱する構成としてもよく、暖房立ち上がり時に通電する面状発熱体の部位が低減するので、さらなる省エネを実現することができる。
また、本実施の形態では、発熱体の発熱動作順を面状発熱体11〜15から面状発熱体20、21の順に行ったが、例えば、制御部3に発熱体の発熱動作順を任意に設定可能な設定部を備えて、使用者自身が発熱体の発熱動作順を設定できる構成としてもよく、使用者が自分の暖房感の好みに合わせて発熱体の発熱動作順を設定できるので、使い勝手が向上する。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態を図4に示す。
本発明の第1の実施の形態では、面状発熱体の組み合わせを図1のように構成したが、図4に示すような組み合わせで図3の制御を行なってもよい。
図4において、座席用ヒータは、自動車の座席に配設されるもので、クッション部面状発熱体1、バック部面状発熱体2、および、クッション部面状発熱体1とバック部面状発熱体2の発熱動作を制御する制御部3を備えている。クッション部面状発熱体1は、さらに、大腿部11、尻サイド部16、その他のクッション部20の各面状発熱体で構成されている。バック部面状発熱体2は、さらに、腰中央部13、背中中央部14、肩部15、その他バック部21の各面状発熱体で構成されている。尻部は暖感覚を早く得られるので、このように構成することで、尻サイド部を暖め、熱がサイド部から逃げにくくなり、保温効果を得られる。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態として、暖房立ち上がりの快適性をより重視する場合は、発熱動作順として、図5に示すように、時刻t0で人体の各接触部位に相対して配設された全ての面状発熱体11〜15、20、21の発熱動作を行い、一定時間経過後の時刻t1以降は、面状発熱体20、21の通電をオフし、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の部位に相対して配設された面状発熱体11〜15の内、少なくとも1つの発熱動作を継続して行なう構成としてもよい。この構成により、先ず、人体の各接触部位に相
対して配設された全ての面状発熱体11〜15、20、21の発熱動作を行うことにより、着座する人体が早く暖房感を得られるので、快適性がより向上するとともに、一定時間経過後に大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の部位に相対して配設された面状発熱体11〜15の内、少なくとも1つの発熱動作を行なうことにより、暖房の立ち上がり後は暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高い部位のみを効率的に暖房することにより、発熱エネルギーを削減して省エネを実現することができる。
また、加熱部位の分け方は図1以外の分け方も可能である。面状発熱体の通電順序、タイミングの設定は図3以外の設定も可能である。
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態を図6を参照して説明する。
本実施の形態が第1または第2の実施の形態と相違する点は、制御部3が、ヒータ温度を検出する温度検出部を備え、発熱動作順として、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体としての面状発熱体11〜15の発熱動作を行い、前記温度検出部が検出したヒータ温度が予め設定された第1の設定温度に達すると、人体が接触する残りの部位に相対して配設された発熱体としての面状発熱体20、21の発熱制御を行なう点にある。他の構成は第1の実施の形態と同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。尚、ヒータ温度とは、面状発熱体11〜15のいずれか1つの電気ヒータ線温度か、又は、面状発熱体11〜15の内、通電されたものの電気ヒータ線温度の平均値とする。
上記構成による作用を図6に基づき説明する。図6は、制御部3による面状発熱体11〜15、20、21の通電制御パターンを示す動作図である。図中、上段グラフは温度検出部により検出されたヒータ温度Tsの経時変化を示し、中段グラフは面状発熱体11〜15への通電制御パターン、下段グラフが面状発熱体20、21への通電制御パターンを示している。同図より、時刻t0で先ず、面状発熱体11〜15への通電が開始される。大腿部、尻中央部、腰中央部、背中中央部、肩部は暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高いという特徴があるため、先ず、これらの部位に相対して配設された面状発熱体11〜15に通電を行って暖房効果をより早く促進させている。
次に、時刻t4でヒータ温度Tsが第1の設定温度Th1に等しくなった時、面状発熱体11〜15への通電をオフし、面状発熱体20、21への通電を時刻t5までオンする。ここで、面状発熱体20、21により暖められる部位(大腿部、尻中央部、腰中央部、背中中央部、肩部以外の部位)は、暖感覚が遅く鈍感ではあるが、暖めると快適性を向上することが可能となる特徴があるため、面状発熱体11〜15への通電により、大腿部、尻中央部、腰中央部、背中中央部、肩部での暖房効果が得られた後の暖感覚の不足分を補う効果を発揮する。
時刻t5〜t6では、面状発熱体20、21への通電をオフし、面状発熱体11〜15への通電をオンすることにより、大腿部、尻中央部、腰中央部、背中中央部、肩部での暖房感を維持するようにしている。
時刻t6以降は、時刻t4〜t5、t5〜t6での面状発熱体11〜15と面状発熱体20、21の通電のオン・オフパターンを繰り返して継続し、暖房感の維持を図っている。
尚、上記の通電パターンの消費電力は、面状発熱体11〜15、20、21全てに通電する場合に比して約半分となる。
上記作用により、ヒータ温度を検出することにより、例えば、周囲温度が高い場合は時刻t4での面状発熱体11〜15から面状発熱体20、21への通電を早めに切り替えることができ、暖房が過度になって熱すぎることがない。またヒータ使用後すぐに再使用を行った場合も早めに上記の切り替えが可能となる。
尚、加熱部位の分け方は図1以外の分け方も可能である。面状発熱体の通電順序、タイミングの設定は図6以外の設定も可能である。
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態を図7を参照して説明する。本実施の形態が第1〜第3の実施の形態と相違する点は、制御部3が、ヒータ温度を検出する温度検出部を備え、発熱動作順として、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体としての面状発熱体11〜15の発熱動作を行い、前記温度検出部が検出したヒータ温度が予め設定された第1の設定温度に達すると面状発熱体11〜15の発熱量を減少させるとともに、人体が接触する残りの部位に相対して配設された発熱体としての面状発熱体20、21の発熱制御を開始し、ヒータ温度が予め設定された第2の設定温度に達すると面状発熱体11〜15の発熱量をさらに減少させるとともに、面状発熱体20、21の発熱量を減少させる点にある。他の構成は第1の実施の形態と同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。
上記構成による作用を図7に基づき説明する。図7は、制御部3による面状発熱体11〜15、20、21の通電制御パターンを示す動作図である。図中、上段グラフは温度検出部により検出されたヒータ温度Tsの経時変化を示し、中段グラフは面状発熱体11〜15への通電制御パターン、下段グラフが面状発熱体20、21への通電制御パターンを示している。中段グラフと下段グラフの縦軸は、面状発熱体11〜15と面状発熱体20、21それぞれの供給電力Wである。
同図より、時刻t0で先ず、面状発熱体11〜15への通電が開始される。大腿部、尻中央部、腰中央部、背中中央部、肩部は暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高いという特徴があるため、先ず、これらの部位に相対して配設された面状発熱体11〜15に通電を行って暖房効果をより早く促進させている。
次に、時刻t4でヒータ温度Tsが第1の設定温度Th1に等しくなった時、面状発熱体11〜15への供給電力Wを減少させるとともに、面状発熱体20、21の発熱制御を開始する。そして、時刻t7でヒータ温度が予め設定された第2の設定温度に達すると面状発熱体11〜15への通電電力Wをさらに減少させるとともに、面状発熱体20、21の発熱量も減少させる。
上記作用により、ヒータ温度が第1の設定温度Th1に等しくなった時、供給電力を減少させ、ヒータ温度が第2の設定温度Th2に等しくなった時、供給電力をさらに減少させる。これにより、人体が温まった後、快適性を損なうことなく電力を削減させている。
一方、その他の部位20および21は暖感覚が遅く鈍感ではあるが、暖めると快適性を向上することが可能となる特徴があるため、ヒータ温度が第1の設定温度Th1に等しくなった時、通電を始め、暖房効果が得られた後の暖感覚の不足分を補う効果を発揮している。ヒータ温度が第2の設定温度Th2に等しくなった時、供給電力を減少させる。これにより、人体が温まった後、快適性を損なうことなく電力を削減させている。
また、ヒータ温度を検出することにより、周囲温度が高い場合は通電を早めに切り替え
ることができる。また、ヒータ使用後すぐに再使用を行った場合も早めに切り替えることができる。
尚、加熱部位の分け方は図1以外の分け方も可能である。面状発熱体の通電順序、タイミングの設定は図7以外の設定も可能である。
また、暖房立ち上がりの快適性をより重視する場合は、発熱動作順として、時刻t0で人体の各接触部位に相対して配設された全ての面状発熱体11〜15、20、21の発熱動作を行い、時刻t4でヒータ温度Tsが第1の設定温度Th1に等しくなると、それ以降は、面状発熱体20、21の通電をオフし、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の部位に相対して配設された面状発熱体11〜15の内、少なくとも1つの発熱動作を継続して行なう構成としてもよい。この構成により、先ず、人体の各接触部位に相対して配設された全ての面状発熱体11〜15、20、21の発熱動作を行うことにより、着座する人体が早く暖房感を得られるので、快適性がより向上するとともに、ヒータ温度Tsが第1の設定温度Th1に等しくなると、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の部位に相対して配設された面状発熱体11〜15の内、少なくとも1つの発熱動作を行なうことにより、暖房の立ち上がり後は暖感覚が早く熱供給に対し暖房効果が高い部位のみを効率的に暖房することにより、発熱エネルギーを削減して省エネを実現することができる。
以上のように、本発明によれば、自動車の座席の暖房として、省エネと快適性を両立する座席用ヒータを提供することができるので、自動車以外の乗り物の座席の暖房や、住宅用のパーソナル暖房、あるいは劇場等の公共で大量の座席へも応用が可能であり、その省エネ効果は大きい。
本発明の第1の実施の形態における座席用ヒータの平面図 同実施の形態における座席用ヒータを車両用座席に組み付けた斜視図 同実施の形態における各面状発熱体の通電制御タイミングを示す動作図 本発明の第2の実施の形態における座席用ヒータの平面図 本発明の第3の実施の形態における座席用ヒータの各面状発熱体の通電制御タイミングを示す動作図 本発明の第4の実施の形態における座席用ヒータの各面状発熱体の通電制御タイミングを示す動作図 本発明の第5の実施の形態における座席用ヒータの各面状発熱体の通電制御タイミングを示す動作図本発明の第3の実施の形態における各部位の電流供給タイミング図
符号の説明
1 クッション部面状発熱体
2 バック部面状発熱体
3 制御部
11〜16、20、21 面状発熱体(発熱体)

Claims (6)

  1. 座席に着座した人体の各接触部位別に相対して配設された複数の発熱体と、前記発熱体の発熱動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は前記発熱体の発熱動作を所定の順に制御する座席用ヒータ。
  2. 制御部は、発熱体の発熱動作順を任意に設定可能な設定部を備えた請求項1記載の座席用ヒータ。
  3. 制御部は、発熱動作順として、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体の発熱動作を行い、一定時間経過後に人体が接触する残りの部位に相対して配設された発熱体の発熱制御を行なう請求項1または2記載の座席用ヒータ。
  4. 制御部は、発熱動作順として、人体の各接触部位に相対して配設された全ての発熱体の発熱動作を行い、一定時間経過後に大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体の発熱動作を行なう請求項1記載の座席用ヒータ。
  5. 制御部は、ヒータ温度を検出する温度検出部を備え、発熱動作順として、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体の発熱動作を行い、前記温度検出部が検出したヒータ温度が予め設定された設定温度に達すると、人体が接触する残りの部位に相対して配設された発熱体の発熱制御を行なう請求項1記載の座席用ヒータ。
  6. 制御部は、ヒータ温度を検出する温度検出部を備え、発熱動作順として、人体の各接触部位に相対して配設された全ての発熱体の発熱動作を行い、前記温度検出部が検出したヒータ温度が予め設定された設定温度に達すると、大腿部と臀部中央部と背中中央部と腰中央部と肩の少なくとも1つの部位に相対して配設された発熱体の発熱動作を行なう請求項1記載の座席用ヒータ。
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