本開示の一態様に係る座席温度調節装置は、座席に設けられるシートヒータと、前記座席に着座するユーザの覚醒度を取得する制御部とを備え、前記制御部は、取得した前記ユーザの覚醒度に基づいて、前記シートヒータの一部分を加熱する加熱部分と、前記シートヒータの一部分を加熱しない非加熱部分とを設定して、前記シートヒータの加熱を制御する。
例えば、ユーザが座席に着座後、時間が経過すればユーザの覚醒度が低下しがちになる。このため、本開示では、覚醒度が低下すると、シートヒータの一部分を加熱する加熱部分と、他の部分を加熱しない非加熱部分とを設定することで、シートヒータの部分ごとに温度差を生じさせることができる。このシートヒータをユーザの身体と接触する座席の例えば座面部及び背もたれ部に設けることで、座面部にシートヒータが設けられれば、ユーザの大腿部及び臀部に温度差による刺激を与えたり、背もたれ部にシートヒータが設けられれば、ユーザの背部及び腰部に温度差による刺激を与えたりすることができる。シートヒータの加熱部分に対応する身体の一部分が温められ、シートヒータの非加熱部分に対応する部分が加熱されないことで、ユーザは、不均一な感覚を覚える。
したがって、座席温度調節装置では、座席に着座するユーザを覚醒させることができる。
特にシートヒータを座席の座面部に適用する場合、ユーザが座席に着座する際に、ユーザが座面部と必ず接触する部分であるため、座席に着座するユーザを覚醒させ易い。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置は、前記座席に設けられ、前記シートヒータに対して空気を吸気又は吐出するブロアファンを備え、前記制御部は、前記ユーザの覚醒度に基づいて、前記ブロアファンを駆動制御する。
これによれば、ブロアファンが座面部から空気を吸気することで、非加熱部分に対応するユーザの身体では涼しく感じたり、ブロアファンが座面部に空気を吐出することで、加熱部分に対応するユーザの身体では温かく感じたりする。このため、ユーザには、身体における複数の個所で温かく感じたり涼しく感じたりすることで、温度差による刺激が与えられる。ユーザは不均一な感覚を覚えるため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、前記制御部は、所定条件に基づいて、前記加熱部分と前記非加熱部分とを切替える。
例えば、単に温風と冷風との吐出を交互に切替えるだけの装置では、ユーザは、温風と冷風との切替えに慣れてしまうことがある。
しかし、本開示によれば、シートヒータにおける加熱部分を非加熱部分に切替え、かつ、非加熱部分を加熱部分に切替えることで、ユーザは、温かく感じていた身体の一部分が涼しく感じるようになり、かつ、涼しく感じていた身体の一部分が温かく感じるようになる。このように、ユーザが温度差による刺激を覚えるため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、前記制御部は、前記所定条件に基づいて、前記ブロアファンによる空気の吸気と吐出とを切替える。
これによれば、例えば、シートヒータにおける加熱部分と非加熱部分との切替えに同期させて、ブロアファンによる空気の吸気と吐出との切替えも行うことができる。このため、座席温度調節装置は、ユーザに対して温度差による刺激を与えることができるため、ユーザをより覚醒させることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、前記所定条件は、所定期間を含む。
これによれば、覚醒度だけでなく、所定期間に応じても、ブロアファンによる空気の吸気と吐出とを切替えたり、加熱部分と非加熱部分とを切替えたりすることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、前記制御部は、前記加熱部分と前記非加熱部分とを前記設定してから所定期間が経過した場合、前記ユーザの覚醒度が規定値未満であれば、前記加熱部分に対する空気の吐出、及び前記非加熱部分に対する空気の吸気の少なくとも一方を実行するように前記ブロアファンを駆動制御する。
これによれば、ユーザの覚醒度が規定値未満となれば、ユーザが眠気を覚えている状態と考えられるため、シートヒータ及びブロアファンを駆動制御することで、加熱部分に対応個所から温風を感じさせたり、非加熱部分に対応する個所から涼しい風を感じさせたりすることができる。このため、加熱部分に対応するユーザの身体の一部分と、非加熱部分に対応するユーザの身体の一部分との温度差による刺激を、ユーザに与えることができる。座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、前記シートヒータは、一対の加熱部分と、一対の非加熱部分とが形成され、前記ブロアファンは、前記一対の加熱部分と一対一で対応し、かつ、前記一対の非加熱部分と一対一で対応するように、前記座席に複数設けられる。
これによれば、ユーザの身体の各部分に対して局所的に温めたり涼ませたりすることができるため、ユーザの身体の各部分に細やかな温度差による刺激を与えることができる。このため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、前記シートヒータは、平面視で矩形状であり、前記一対の加熱部分と、前記一対の非加熱部分とで格子状に4つの領域に分割され、前記制御部は、対角状に前記一対の加熱部分を設定し、対角状に前記一対の非加熱部分を設定する。
例えば、シートヒータを座席の座面部に配置した場合では、ユーザは、臀部の一方側が暖かく感じ、臀部の他方側が涼しく感じ、大腿部の一方側が涼しく感じ、大腿部の他方側が暖かく感じる。このように、ユーザの身体の同一部位で温度差による刺激が与えられるため、ユーザが温度差による不均一な感覚を覚え易くなる。このため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置は、ユーザの覚醒度を検知する検知部を備え、前記制御部は、検知された前記覚醒度が規定値未満であれば、前記ブロアファンを駆動制御する。
これによれば、ユーザの覚醒度を精度よく検知することができるため、制御部は、ユーザの覚醒度に応じて、シートヒータ及びブロアファンを適切に駆動制御することができる。このため、ユーザに対して温度差による刺激が与えられるため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、電力経路の接続を切替える第1切替スイッチと、ヒータ線に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第2切替スイッチと、電力経路の接続を切替える第3切替スイッチとを備え、前記シートヒータは、平面視で矩形状であり、格子状に4つの領域に分割され、前記第1切替スイッチと前記第2切替スイッチとを電気的に接続する第1ヒータ線と、前記第2切替スイッチと前記第3切替スイッチとを電気的に接続する第2ヒータ線と、前記第2ヒータ線と並列に接続され、かつ、前記第2切替スイッチと前記第3切替スイッチとを電気的に接続する第3ヒータ線と、前記第1ヒータ線と並列に接続され、かつ、前記第1切替スイッチと前記第2切替スイッチとを電気的に接続する第4ヒータ線とを有し、前記第1ヒータ線は、前記4つの領域のうちの第1領域に配置され、前記第2ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第1領域と隣接する第2領域に配置され、前記第3ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第2領域と対角に位置し前記第1領域と隣接する第3領域に配置され、前記第4ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第1領域と対角に位置し前記第2領域及び前記第3領域と隣接する第4領域に配置される。
これによれば、第1ヒータ線、第2ヒータ線、第3ヒータ線及び第4ヒータ線のそれぞれに個別に切替スイッチを接続しなくてもよくなるため、切替スイッチの個数の増大を抑制することができる。このため、この座席温度調節装置では、製造コストが高騰化し難い。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、ヒータ線に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第1切替スイッチと、ヒータ線に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第2切替スイッチと、電力経路の接続を切替える第3切替スイッチと、ヒータ線に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第4切替スイッチとを備え、前記シートヒータは、平面視で矩形状であり、格子状に4つの領域に分割され、前記第1切替スイッチと前記第2切替スイッチとを電気的に接続する第1ヒータ線と、前記第4切替スイッチと前記第3切替スイッチとを電気的に接続する第2ヒータ線と、前記第2切替スイッチと前記第3切替スイッチとを電気的に接続する第3ヒータ線と、前記第1切替スイッチと前記第4切替スイッチとを電気的に接続する第4ヒータ線とを有し、前記第1ヒータ線は、前記4つの領域のうちの第1領域に配置され、前記第2ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第1領域と隣接する第2領域に配置され、前記第3ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第2領域と対角に位置し前記第1領域と隣接する第3領域に配置され、前記第4ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第1領域と対角に位置し前記第2領域及び前記第3領域と隣接する第4領域に配置される。
これによれば、第1ヒータ線、第2ヒータ線、第3ヒータ線及び第4ヒータ線のそれぞれを個別に加熱部分にすることができる。このため、ユーザの身体の各部分に温度差による刺激を与えることができる。このため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、ヒータ線に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第1切替スイッチと、ヒータ線に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第2切替スイッチと、電力経路の接続を切替える第3切替スイッチと、ヒータ線に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第4切替スイッチと、ヒータ線に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第5切替スイッチとを備え、前記シートヒータは、平面視で矩形状であり、格子状に4つの領域に分割され、前記第1切替スイッチと前記第2切替スイッチとを電気的に接続する第1ヒータ線と、前記第4切替スイッチと前記第5切替スイッチとを電気的に接続する第2ヒータ線と、前記第2切替スイッチと前記第3切替スイッチとを電気的に接続する第3ヒータ線と、前記第1切替スイッチと前記第4切替スイッチとを電気的に接続する第4ヒータ線とを有し、前記第1ヒータ線は、前記4つの領域のうちの第1領域に配置され、前記第2ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第1領域と隣接する第2領域に配置され、前記第3ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第2領域と対角に位置し前記第1領域と隣接する第3領域に配置され、前記第4ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第1領域と対角に位置し前記第2領域及び前記第3領域と隣接する第4領域に配置される。
これによれば、第1ヒータ線、第2ヒータ線、第3ヒータ線及び第4ヒータ線のそれぞれを個別に加熱部分にすることができる。また、身体部の部位ごとに細やかな温度差による刺激を与えることができる。このため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、電力経路の接続を切替える第1切替スイッチと、電力経路の接続を切替える第2切替スイッチとを備え、前記シートヒータは、平面視で矩形状であり、格子状に4つの領域に分割され、前記第1切替スイッチと、ヒータ線に電力を供給する電源部とを電気的に接続する第1ヒータ線と、前記電源部と前記第2切替スイッチとを電気的に接続する第2ヒータ線と、前記第2ヒータ線と並列に接続され、かつ、前記電源部と前記第2切替スイッチとを電気的に接続する第3ヒータ線と、前記第1ヒータ線と並列に接続され、かつ、前記第1切替スイッチと前記電源部とを電気的に接続する第4ヒータ線とを有し、前記第1ヒータ線は、前記4つの領域のうちの第1領域に配置され、前記第2ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第1領域と隣接する第2領域に配置され、前記第3ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第2領域と対角に位置し前記第1領域と隣接する第3領域に配置され、前記第4ヒータ線は、前記4つの領域のうちの前記第1領域と対角に位置し前記第2領域及び前記第3領域と隣接する第4領域に配置される。
これによれば、第1ヒータ線、第2ヒータ線、第3ヒータ線及び第4ヒータ線のそれぞれに個別に切替スイッチを接続しなくてもよくなり、かつ、切替スイッチの個数を4つのヒータ線に対し2個まで抑制することができる。このため、この座席温度調節装置では、製造コストが高騰化し難い。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略矩形等の表現を用いている。例えば、略矩形は、完全に矩形状であることを意味するだけでなく、実質的に矩形状である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略矩形状は、本開示による効果を奏し得る範囲において矩形状という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
以下の説明において、座席の前後方向をX軸方向と称し、座席の上下方向をZ軸方向と称す。さらに、座席の左右方向、すなわちX軸方向及びZ軸方向のそれぞれに垂直な方向をY軸方向と称す。また、X軸方向における、座席の前側をプラス方向側と称し、座席の後側をマイナス方向側と称す。また、Y軸方向における、座席の左側(図1では右手前側)をプラス方向側と称し、その反対側をマイナス方向側と称す。また、右とは、車両の進行方向に対してユーザの右側であり、Y軸マイナス方向である。また、左とは、車両の進行方向に対してユーザの左側であり、Y軸プラス方向である。また、Z軸方向における、座席の上側をプラス方向側と称し、座席の下側をマイナス方向側と称す。図2以降においても、同様に適用する。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
<構成:座席1>
図1は、実施の形態1におけるシートヒータ20が備えられた座席1の外観を示す斜視図である。図2は、図1のII-II線におけるシートヒータ20を内蔵した座席1の断面図である。
図1に示すように、例えば車両等に装備されている座席1は、座席1に着座する人の下肢を温めることが可能である。このような座席1は、シートクッション10と、シートバック13と、ヘッドレスト15と、シートヒータ20と、複数のブロアファン40と、検知部50と、制御装置60と、電源部70とを備える。シートヒータ20、複数のブロアファン40、検知部50及び制御装置60が座席温度調節装置を構成する。なお、座席温度調節装置は、シートヒータ20及び制御装置60で構成されていてもよい。複数のブロアファン40及び検知部50は、座席温度調節装置の必須の構成要件ではない。
[シートクッション10]
シートクッション10は、座席1に着座する人の臀部及び大腿部等の下肢を支える座席1の座部である。図1及び図2に示すように、シートクッション10は、クッション材に相当する第1シートパッド11aと、その第1シートパッド11aを覆う第1シートカバー11bとを有しる。
第1シートパッド11aは、例えばウレタンフォーム等からなり、座席本体の一部を構成する。第1シートパッド11aは、厚みのある略矩形の板状であり、X-Y平面と略平行な姿勢で配置される。第1シートパッド11aは、着座する人の下肢を支持する。
第1シートカバー11bは、第1シートパッド11a及びシートヒータ20を覆うカバーである。第1シートカバー11bは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
[シートバック13]
シートバック13は、座席1に着座する人の背部を支える背もたれ部である。シートバック13は、シートクッション10に対して立上るように配置される。シートバック13は、クッション材に相当する第2シートパッド14aと、その第2シートパッド14aを覆う第2シートカバー14bとを有する。
第2シートパッド14aは、例えばウレタンフォーム等からなり、Y-Z平面に対して傾斜する姿勢で配置される。第2シートパッド14aは、着座する人の肩及び背部を支持する。
第2シートカバー14bは、第2シートパッド14aを覆うカバーである。第2シートカバー14bは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
[ヘッドレスト15]
ヘッドレスト15は、座席1に着座する人の頭部を支える頭あて部である。ヘッドレスト15は、シートバック13のZ軸プラス方向側の端部に固定されている。
[シートヒータ20]
シートヒータ20は、車両等の座席1に内蔵され、人が座席1に着座した際に発熱して座面部10aを温めることで、人の下肢の一部である臀部及び大腿部を温める。なお、シートヒータ20と同様の構成を、座席1のシートバック13に内蔵することで、シートバック13の図1の背面部も温めてもよい。
図2に示すように、シートヒータ20は、第1シートパッド11aと第1シートカバー11bとの間に配置される。本実施の形態では、シートヒータ20は、人の臀部及び大腿部に対応する位置に配置される。シートヒータ20は、座席1の座面部10aに設けられ、制御装置60及び電源部70によって供給された電力によって、第1シートカバー11bを介して、人の臀部及び大腿部を温める。
なお、シートヒータ20に対する弾性部材として、シートヒータ20と第1シートカバー11bとの間に、シートヒータ20を覆うシートパッドが設けられていてもよい。
図3は、実施の形態1におけるシートヒータ20を示すブロック図である。
図2及び図3に示すように、シートヒータ20は、基材30と、ヒータ線31とを有する。
基材30は、平面視で矩形状に形成される。基材30は、弾性、柔軟性及び延性を有する材質によってシート状に形成された不織布、布状のウレタン等の発泡性樹脂等である。
基材30は、人の臀部及び大腿部に対応する部分であり、かつ、第1シートパッド11aの表面(Z軸プラス方向側の面)と第1シートカバー11bとの間に配置される。基材30は、座席1の座面部10aに応じた大きさである。基材30の表面30a(Z軸プラス方向側の面)には、ヒータ線31が配置される。
ヒータ線31は、ヒータ線31に供給する電力を制御するための制御装置60と電気的に接続され、制御装置60で制御された電源部70からの電力によって、発熱する導電線である。ヒータ線31では、制御装置60によって制御されることで、一部分が加熱(発熱)された加熱部分(発熱部分ともいう)と、一部分が加熱されていない非加熱部分(非発熱部分ともいう)とが設定される。本実施の形態では、シートヒータ20には、格子状に4つの領域に分割された、一対の加熱部分と一対の非加熱部分とが形成される。一対の加熱部分が対角状に位置し、一対の非加熱部分も対角状に位置する。加熱部分及び非加熱部分の制御については、後述する。
ヒータ線31は、制御装置60から基材30の各部分を通ってその制御装置60に戻るように基材30の一面である表面30aに、縫製糸によって縫製されて固定される。ヒータ線31は、銅合金等の金属線である。ヒータ線31は、ジグザグ状のパターンが形成されるように、縫製糸により基材30の表面30aに縫製される。なお、ヒータ線31は、縫製糸以外の手段として、接着等の手段で基材30に配置されて固定されていてもよい。
図4は、実施の形態2におけるシートヒータ20の基材30及びヒータ線31を示す平面図である。
図4に示すように、ヒータ線31は、第1右ヒータ線31aと、第2右ヒータ線31bと、第1左ヒータ線32aと、第2左ヒータ線32bとを有する。
シートヒータ20の基材30の表面30aを平面視して、格子状に4つの領域に分割した場合に、第1右ヒータ線31aは、4つの領域のうちの第1領域R1に配置される。第1領域R1は、基材30の表面30aを平面視した場合に、基材30の表面30aのX軸マイナス方向側及びY軸マイナス方向側に位置する領域である。言い換えれば、第1領域R1は、右臀部に対応する領域である。
第1右ヒータ線31aは、車両の進行方向における座面部10aの右側に配置され、人の右臀部に対応する。第1右ヒータ線31aは、第1切替スイッチ62aと第2切替スイッチ62bとを電気的に接続する。具体的には、第1右ヒータ線31aは、一端が第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と電気的に接続され、他端が第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と電気的に接続される。
第2右ヒータ線31bは、4つの領域のうちの、第1領域R1と隣接する第2領域R2に配置される。第2領域R2は、基材30の表面30aを平面視した場合に、Y軸マイナス方向側であり、かつ第1領域R1よりも基材30の表面30aのX軸プラス方向側に位置する領域である。言い換えれば、第2領域R2は、右大腿部に対応する領域である。
また、第2右ヒータ線31bは、車両の進行方向における座面部10aの右側に配置され、人の右大腿部に対応する。第2右ヒータ線31bは、第2切替スイッチ62bと第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する。具体的には、第2右ヒータ線31bは、一端が第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と電気的に接続され、他端が第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と電気的に接続される。
第1左ヒータ線32aは、4つの領域のうちの、第2領域R2と対角に位置し第1領域R1と隣接する第3領域R3に配置される。第3領域R3は、基材30の表面30aを平面視した場合に、基材30の表面30aのX軸マイナス方向側及びY軸プラス方向側に位置する領域である。言い換えれば、第3領域R3は、左臀部に対応する領域である。
また、第1左ヒータ線32aは、車両の進行方向における座面部10aの左側に配置され、人の左臀部に対応する。第1左ヒータ線32aは、第2右ヒータ線31bと並列に接続され、かつ、第2切替スイッチ62bと第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する。具体的には、第1左ヒータ線32aは、一端が第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と電気的に接続され、他端が第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と電気的に接続される。
第2左ヒータ線32bは、4つの領域のうちの、第1領域R1と対角に位置し第2領域R2及び第3領域R3と隣接する第4領域R4に配置される。第4領域R4は、基材30の表面30aを平面視した場合に、Y軸プラス方向側であり、かつ第3領域R3よりも基材30の表面30aのX軸プラス方向側に位置する領域である。言い換えれば、第4領域R4は、左大腿部に対応する領域である。
また、第2左ヒータ線32bは、車両の進行方向における座面部10aの左側に配置され、人の左大腿部に対応する。第2左ヒータ線32bは、第1右ヒータ線31aと並列に接続され、かつ、第2切替スイッチ62bと第1切替スイッチ62aとを電気的に接続する。具体的には、第2左ヒータ線32bは、一端が第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と電気的に接続され、他端が第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と電気的に接続される。
[ブロアファン40]
複数のブロアファン40のそれぞれは、制御部61と電気的に接続され、制御部61に駆動制御されることで、シートヒータ20に対して空気を吸気又は吐出する。複数のブロアファン40のそれぞれは、シートヒータ20に向けて座面部10aから空気を吐出したり、シートヒータ20から座面部10aの空気が流入したりする姿勢で座席1に設けられる。なお、複数のブロアファン40のそれぞれは、制御部61により個別に駆動制御されてもよい。
また、複数のブロアファン40は、シートヒータ20のヒータ線31において、一対の加熱部分と一対一で対応し、かつ、一対の非加熱部分と一対一で対応するように、座席1に複数設けられる。本実施の形態では、複数のブロアファン40は、第1右ヒータ線31a、第2右ヒータ線31b、第1左ヒータ線32a及び第2左ヒータ線32bと一対一で対応するように、4つ配置される。なお、複数のブロアファン40は、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
[検知部50]
検知部50は、制御部61と通信可能に接続され、ユーザの覚醒度を検知するセンサである。検知部50は、例えば、撮像装置、脈波計等である。
検知部50が撮像装置である場合、検知部50は、ユーザの顔を撮像することで視線、瞬きの回数及び速度等を示す情報を取得し、取得した情報に示される視線、瞬きの回数及び速度等に基づいて、ユーザの覚醒度を検知する。
また、検知部50が脈波計である場合、検知部50は、ユーザの心拍数を測定することで得られた心拍数の変化及び心拍の周波数等を示す情報を取得し、取得した情報に示される心拍数の変化及び心拍の周波数等に基づいて、ユーザの覚醒度を検知してもよい。なお、上述のユーザの覚醒度を検知する手段は一例であり、ユーザの覚醒度を検知できるのであれば、上記に限定されず他の公知の手段を用いて実現してもよい。
検知部50は、検知した覚醒度を示す情報を制御部61に出力する。
[制御装置60]
図3及び図4に示すように、制御装置60は、ヒータ線31と電気的に接続され、図示しない基板と、制御部61と、複数の切替スイッチとを有する。
基板は、制御部61が実装され、導電パターンを有する。基板は、例えば、セラミックス基板、樹脂基板等のリジッド基板である。
制御部61は、回路部品として、基板に実装される。制御部61は、ヒータ線31に流す電流のオンオフを制御するマイクロコンピュータである。また、制御部61は、第1切替スイッチ62a、第2切替スイッチ62b、第3切替スイッチ62c及び電源部70を用いて、ヒータ線31に流す電流値も制御する。
また、制御部61は、座席1に着座するユーザの覚醒度を示す情報を取得する。制御部61は、取得した当該情報が示すユーザの覚醒度に基づいて、シートヒータ20の一部分だけを加熱するように、第1切替スイッチ62a、第2切替スイッチ62b及び第3切替スイッチ62cを制御したり、ヒータ線31に供給する電流値を制御したり、複数のブロアファン40を駆動制御したりする。制御部61は、取得したユーザの覚醒度が規定値以上であれば通常モードを実行し、取得したユーザの覚醒度が規定値未満であれば覚醒モードを実行する。ここで、規定値とは、ユーザが眠気を覚え始める状態を示す閾値である。このため、覚醒度が低ければ(眠気を覚えれば)規定値未満となり、覚醒度が高ければ(目が覚めていれば)規定値以上となる。
具体的には、制御部61は、通常モードと、覚醒モードとを有する。
通常モードは、ヒータ線31の全体に電流を流すことで、ヒータ線31全体を発熱させてユーザの臀部及び大腿部を温めるモードである。具体的には、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1切替スイッチ62aの接地端子62a2とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と第2切替スイッチ62bの第1端子62b4又は第2端子62b5とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と第3切替スイッチ62cの接地端子62c2とを電気的に接続することで通常モードを実行する。なお、図4では、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1が第2端子62b5と電気的に接続している様子を例示している。
覚醒モードは、シートヒータ20のヒータ線31の一部分を加熱する加熱部分と、加熱部分と異なる部分であるヒータ線31の一部分を加熱しない非加熱部分とを設定し、ヒータ線31の加熱を制御することで、ユーザの臀部の一部分及び大腿部の一部分を温めるモードである。この場合、制御部61は、基材30の表面30aを4つに分割した4つの領域において、一対の加熱部分を対角状に設定し、一対の非加熱部分を対角状に設定する。
また、制御部61は、所定条件に基づいて、加熱部分と非加熱部分とを切替える。ここで、所定条件は、所定期間、及び、覚醒度の少なくとも一方である。なお、所定条件には、ユーザの疲労度が含まれていてもよい。本実施の形態では、制御部61は、所定条件に基づいて、シートヒータ20における一対の加熱部分を一対の非加熱部分に切替えるとともに、一対の非加熱部分を一対の加熱部分に切替える。
また、制御部61は、ユーザの覚醒度に基づいて、複数のブロアファン40を駆動制御する。例えば、制御部61は、取得した覚醒度が規定値未満であったり、覚醒度が規定値未満の期間が所定期間以上続いたりすれば複数のブロアファン40を駆動制御させる。また、制御部61は、取得した覚醒度が規定値以上であれば複数のブロアファン40を駆動させなくてもよい。
制御部61は、ヒータ線31の一対の加熱部分に対応する一対のブロアファン40を、一対の加熱部分に対して空気を吐出するように駆動制御する。また、制御部61は、ヒータ線31の一対の非加熱部分に対応する一対のブロアファン40を、一対の非加熱部分に対して空気を吸気するように駆動制御する。
また、制御部61は、所定条件に基づいて、ブロアファン40による空気の吸気と吐出とを切替える。制御部61は、所定条件に基づいて、ヒータ線31における加熱部分と非加熱部分との切替えに同期させて、ブロアファン40による空気の吸気と吐出とを切替える。なお、制御部61は、覚醒モードの場合、複数のブロアファン40を駆動制御してもよく、駆動させなくてもよい。
具体的には、制御部61は、例えば、一対の加熱部分である第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aに対して、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aに一対一で対応する2つのブロアファン40から空気を吐出させる。また、制御部61は、例えば、一対の非加熱部分である第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bに対して、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bに一対一で対応する2つのブロアファン40から空気を吸気させる。
また、制御部61は、一対の非加熱部分である第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bを一対の加熱部分に切替えて、この一対の加熱部分に対して、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bに一対一で対応する2つのブロアファン40から空気を吐出させる。また、制御部61は、一対の加熱部分である第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aを一対の非加熱部分に切替えて、この一対の非加熱部分に対して、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aに一対一で対応する2つのブロアファン40から空気を吸気させる。
第1切替スイッチ62aは、電力経路の接続を切替える。第1切替スイッチ62aは、第1右ヒータ線31aの一端等と接続される共通端子62a1と、切替えにより共通端子62a1と電気的に接続されて電力の供給を遮断する開放端子62a3と、切替えにより共通端子62a1と電気的に接続されて接地する接地端子62a2とを有する。
第2切替スイッチ62bは、電力経路の接続を切替える。第2切替スイッチ62bは、第1右ヒータ線31aの他端等と接続される共通端子62b1と、切替えにより共通端子62b1と電気的に接続される第1端子62b4と、電気的に切替えられて接続され、第1端子62b4よりも小さい電圧を供給可能な第2端子62b5とを有する。ここで、例えば、第1端子62b4は24Vの電圧を供給し、第2端子62b5は12Vの電圧を供給する。
ここで、第2切替スイッチ62bが2種類の電圧を選択できる構成にしている理由を説明する。通常モードの場合、第1切替スイッチ62a、第2切替スイッチ62b、及び第3切替スイッチ62cが、図4に示すように切り替えられる。そのため、第1右ヒータ線31a、第2右ヒータ線31b、第1左ヒータ線32a及び第2左ヒータ線32bが全て並列接続されることになる。一方、覚醒モードでは、後述する図6に示すように、一対の加熱部分である第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32a(図6のa)、もしくは、一対の加熱部分である第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32b(図6のb)が並列に接続されることになる。したがって、通常モードから覚醒モードに切り替わると、両モードで同じ電圧を印加し続けた場合、ヒータ線31の全体に流れる電流が変化するものの、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32a(図6のa)、もしくは、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32b(図6のb)に流れる電流値は通常モードと同じであるので、電流が流れ続ける部分の座面部10aの発熱量は変化せず、ヒータ線31に電流が流れない部分は自然放冷されることで温度差を得る構成になる。したがって、温度差を運転者が自覚するまでに時間がかかってしまう。そこで、本実施の形態では、覚醒モードでは、電流を増やし、発熱量を上げるために、高電圧(24V)を供給するように第2切替スイッチ62bが切り替えられる。
なお、高電圧は24Vに限定されるものではない。例えば、覚醒モードで素早く温度差を得るために、48V等の、さらなる高電圧を印加してもよいし、覚醒モードにおけるヒータ線31の温度が高すぎる場合は、12Vより高く、かつ、24Vより低い電圧を高電圧として適用してもよい。さらに、覚醒モードにおいて、最初は48Vの高電圧を印加して素早く昇温し、ヒータ線31の昇温特性等に基づいて決定される所定期間が経過後に、24Vに下げて過熱を抑制するようにしてもよい。
第3切替スイッチ62cは、電力経路の接続を切替える。第3切替スイッチ62cは、第1左ヒータ線32aの他端等と接続される共通端子62c1と、切替えにより共通端子62c1と電気的に接続され、電力の供給を遮断する開放端子62c3と、切替えにより共通端子62c1と電気的に接続されて接地する接地端子62c2とを有する。
[電源部70]
電源部70は、制御装置60等を介して、ヒータ線31に電力を供給する電源回路である。ここでは、電源部70は図示しないバッテリから供給される直流電源である。電源部70は、制御装置60によって制御されることで、ヒータ線31に供給する電流を調節する。
<処理>
図5は、実施の形態1におけるシートヒータ20の動作を示すフローチャートである。
まず、図3及び図5に示すように、検知部50は、ユーザの状態を計測することで、ユーザの覚醒度を検知する(S11)。検知した覚醒度が規定値未満の場合は例えばユーザが眠気に襲われている状態であり、検知した覚醒度が規定値以上の場合はユーザの目が覚めている状態である。検知部50は、検知したユーザの覚醒度を示す情報を制御部61に出力する。
次に、制御部61は、ユーザの覚醒度を示す情報を取得すると、当該情報が示す覚醒度が規定値未満であるか否かを判定する(S12)。
次に、制御部61は、覚醒度が規定値以上である場合(S12でNO)、処理を終了する。
一方、制御部61は、覚醒度が規定値未満である場合(S12でYES)、シートヒータ20のヒータ線31の一部分を加熱する加熱部分と、ヒータ線31の一部分を加熱しない非加熱部分とを設定し、ヒータ線31の加熱を制御する(S13)。
図6は、実施の形態1におけるシートヒータ20の加熱部分のヒータ線31を示す平面図である。図6のaは、第2右ヒータ線31bと第1左ヒータ線32aに電流が流れる様子を実線で示し、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bに電流が流れていない様子を破線で示す。
図3及び図6のaでは、具体的には、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1切替スイッチ62aの開放端子62a3とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と第2切替スイッチ62bの第1端子62b4又は第2端子62b5とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と第3切替スイッチ62cの接地端子62c2とを電気的に接続することで覚醒モードを実行する。図6のaでは、共通端子62b1と第1端子62b4とを電気的に接続する様子を例示している。これにより、制御部61は、電源部70からの電流を、第2右ヒータ線31bと第1左ヒータ線32aとに流す。第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aが加熱部分となり、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bが非加熱部分となる。このように、制御部61は、シートヒータ20の第2領域R2と第3領域R3とを温めることで、一対の加熱部分を対角状に設定し、シートヒータ20の第1領域R1と第4領域R4とを温めないことで、一対の非加熱部分を対角状に設定する。
次に、制御部61は、ステップS13でヒータ線31の加熱を制御してから所定期間が経過したか否かを判定する(S14)。なお、所定期間は、ユーザの覚醒度に応じて変更されてもよく、一定値でなくてもよい。また、以下の、所定期間においても同様である。
制御部61は、所定期間が経過していなければ(S14でNO)、処理をステップS14に戻す。
次に、制御部61は、所定期間が経過していれば(S14でYES)、検知部50がユーザの覚醒度を検知し、検知したユーザの覚醒度を検知部50から取得する(S15)。
次に、制御部61は、ステップS15で検知部50から新たに取得したユーザの覚醒度が規定値未満であるか否かを判定する(S16)。
次に、制御部61は、覚醒度が規定値以上である場合(S16でNO)、処理を終了する。
一方、制御部61は、覚醒度が規定値未満である場合(S16でYES)、シートヒータ20のヒータ線31の加熱部分と非加熱部分とを切替えて設定し、ヒータ線31の加熱を制御する(S17)。具体的には、図6のbでは、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1を開放端子62a3から接地端子62a2に切替て共通端子62a1と接地端子62a2とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と第2切替スイッチ62bの第1端子62b4又は第2端子62b5とを電気的に接続した状態を保ち、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1を接地端子62c2から開放端子62c3に切替えて開放端子62c3と共通端子62c1とを電気的に接続することで覚醒モードを維持する。図6のbでは、共通端子62b1と第1端子62b4とを電気的に接続する様子を例示している。これにより、制御部61は、電源部70からの電流を、第1右ヒータ線31aと第2左ヒータ線32bとに流す。第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bが加熱部分に切替わり、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aが非加熱部分に切替わる。つまり、図6のaから図6のbに切替わる。このように、制御部61は、シートヒータ20の第1領域R1と第4領域R4とを温めることで、一対の加熱部分を対角状に設定し、シートヒータ20の第2領域R2と第3領域R3とを温めないことで、一対の非加熱部分を対角状に設定する。
次に、制御部61は、ステップS17の加熱部分と非加熱部分とを切替えてから所定期間が経過したか否かを判定する(S18)。
制御部61は、所定期間が経過していなければ(S18でNO)、処理をステップS18に戻す。
次に、制御部61は、所定期間が経過していれば(S18でYES)、検知部50がユーザの覚醒度を検知し、検知したユーザの覚醒度を検知部50から取得する(S19)。
次に、制御部61は、ステップS19で検知部50から新たに取得したユーザの覚醒度が規定値未満であるか否かを判定する(S20)。
次に、制御部61は、覚醒度が規定値以上である場合(S20でNO)、処理を終了する。
一方、制御部61は、覚醒度が規定値未満である場合(S20でYES)、シートヒータ20のヒータ線31の加熱部分と非加熱部分とを切替えて設定し、かつ、切替え後のヒータ線31の加熱部分に対応するブロアファン40を駆動制御する(S21)。具体的には、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1を接地端子62a2から開放端子62a3に切替て共通端子62a1と開放端子62a3とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と第2切替スイッチ62bの第1端子62b4又は第2端子62b5とを電気的に接続した状態を保ち、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1を開放端子62c3から接地端子62c2に切替て共通端子62c1と接地端子62c2とを電気的に接続することで覚醒モードを維持する。これにより、制御部61は、電源部70からの電流を、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aに流す。そして、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aが加熱部分に切替わり、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bが非加熱部分に切替わる。つまり、図6のbから図6のaに切替わる。制御部61は、第1切替スイッチ62a及び第3切替スイッチ62cの切替に同期させて、加熱部分に対応するブロアファン40を駆動制御する。つまり、制御部61は、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aに対応するそれぞれのブロアファン40を駆動制御する。制御部61は、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aに対応するそれぞれのブロアファン40から、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aに対して空気を吐出(ドット間隔の小さいハッチングで示す)させる。また、制御部61は、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bに対応するそれぞれのブロアファン40から、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bに対して空気を吸気(ドット間隔の大きいハッチングで示す)させる。
次に、制御部61は、ステップS21でヒータ線31の加熱を制御してから所定期間が経過したか否かを判定する(S22)。
制御部61は、所定期間が経過していなければ(S22でNO)、処理をステップS22に戻す。
次に、制御部61は、所定期間が経過していれば(S22でYES)、検知部50がユーザの覚醒度を検知し、検知したユーザの覚醒度を検知部50から取得する(S23)。
次に、制御部61は、ステップS23で検知部50から新たに取得したユーザの覚醒度が規定値未満であるか否かを判定する(S24)。
次に、制御部61は、覚醒度が規定値以上である場合(S24でNO)、処理を終了する。
一方、制御部61は、覚醒度が規定値未満である場合(S24でYES)、シートヒータ20のヒータ線31の加熱部分と非加熱部分とを切替えて設定し、かつ、切替え後のヒータ線31の加熱部分に対応するブロアファン40の吸気と吐出とを切替えて駆動制御する(S25)。上述と同様に、制御部61は、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bを非加熱部分から加熱部分に切替え、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aを加熱部分から非加熱部分に切替える。また、制御部61は、ヒータ線31の切替えに同期させて、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bに対応するそれぞれのブロアファン40を吸気から、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bに対する空気の吐出に切替える。また、制御部61は、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aに対応するそれぞれのブロアファン40を吐出から、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aに対する空気の吸気に切替える。そして制御部61は、処理を終了する。
なお、図5の処理は一例であり、図5に限定されない。例えば、ステップS14以降が省略されてもよく、ステップS17~S20が省略されてもよく、ステップS22以降が省略されてもよい。また、ステップS25の処理を経た後、ユーザの覚醒度が規定値以上になるまで処理をS18に戻してもよい。
このように、制御部61は、加熱部分と非加熱部分とを交互に切替えることで、ユーザに温度差による刺激を与えることができる。また、制御部61は、温度差が生じる場所を時間の経過とともに可変させることで、ユーザに温度差による刺激を慣れさせないようにすることができる。また、ユーザが覚醒し難ければ、制御部61は、さらにブロアファン40を駆動させることで、ユーザに対して温度差を大きくした刺激を与えることができる。このため、ユーザは、不均一な感覚を覚え易くなるため、ユーザの覚醒が促される。
<作用効果>
次に、本実施の形態における座席温度調節装置の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態の座席温度調節装置は、座席1に設けられるシートヒータ20と、座席1に着座するユーザの覚醒度を取得する制御部61とを備え、制御部61は、取得したユーザの覚醒度に基づいて、シートヒータ20の一部分を加熱する加熱部分と、シートヒータ20の一部分を加熱しない非加熱部分とを設定して、シートヒータ20の加熱を制御する。
例えば、ユーザが座席1に着座後、時間が経過すればユーザの覚醒度が低下しがちになる。このため、本開示では、覚醒度が低下すると、シートヒータ20の一部分を加熱する加熱部分と、他の部分を加熱しない非加熱部分とを設定することで、シートヒータ20の部分ごとに温度差を生じさせることで、不均一に温めることができる。このシートヒータ20をユーザの身体と接触する座席1の例えば座面部10a及び背もたれ部に設けることで、座面部10aにシートヒータ20が設けられれば、ユーザの大腿部及び臀部に温度差による刺激を与えたり、背もたれ部にシートヒータ20が設けられれば、ユーザの背部及び腰部に温度差による刺激を与えたりすることができる。シートヒータ20の加熱部分に対応する身体の一部分が温められ、シートヒータ20の非加熱部分に対応する部分が加熱されないことで、ユーザは、不均一な感覚を覚える。
したがって、座席温度調節装置では、座席1に着座するユーザを覚醒させることができる。
特にシートヒータ20を座席1の座面部10aに適用する場合、ユーザが座席1に着座する際に、ユーザが座面部10aと必ず接触する部分であるため、座席1に着座するユーザを覚醒させ易い。
また、本実施の形態の座席温度調節装置は、座席1に設けられ、シートヒータ20に対して空気を吸気又は吐出するブロアファン40を備える。そして、制御部61は、ユーザの覚醒度に基づいて、ブロアファン40を駆動制御する。
これによれば、ブロアファン40が座面部10aから空気を吸気することで、非加熱部分に対応するユーザの身体では涼しく感じたり、ブロアファン40が座面部10aに空気を吐出することで、加熱部分に対応するユーザの身体では温かく感じたりする。このため、ユーザには、身体における複数の個所で温かく感じたり涼しく感じたりすることで、温度差による刺激が与えられる。ユーザは不均一な感覚を覚えるため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
また、本実施の形態の座席温度調節装置において、制御部61は、所定条件に基づいて、加熱部分と非加熱部分とを切替える。
例えば、単に温風と冷風との吐出を交互に切替えるだけの装置では、ユーザは、温風と冷風との切替えに慣れてしまうことがある。
しかし、本開示によれば、シートヒータ20における加熱部分を非加熱部分に切替え、かつ、非加熱部分を加熱部分に切替えることで、ユーザは、温かく感じていた身体の一部分が涼しく感じるようになり、かつ、涼しく感じていた身体の一部分が温かく感じるようになる。このように、ユーザが温度差による刺激を覚えるため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
また、本実施の形態の座席温度調節装置において、制御部61は、所定条件に基づいて、ブロアファン40による空気の吸気と吐出とを切替える。
これによれば、例えば、シートヒータ20における加熱部分と非加熱部分との切替えに同期させて、ブロアファン40による空気の吸気と吐出との切替えも行うことができる。このため、座席温度調節装置は、ユーザに対して温度差による刺激を与えることができるため、ユーザをより覚醒させることができる。
また、本実施の形態の座席温度調節装置において、所定条件は、所定期間を含む。
これによれば、覚醒度だけでなく、所定期間に応じても、ブロアファン40による空気の吸気と吐出とを切替えたり、加熱部分と非加熱部分とを切替えたりすることができる。
また、本実施の形態の座席温度調節装置において、制御部61は、加熱部分と非加熱部分とを設定してから所定期間が経過した場合、ユーザの覚醒度が規定値未満であれば、加熱部分に対する空気の吐出、及び非加熱部分に対する空気の吸気の少なくとも一方を実行するようにブロアファン40を駆動制御する。
これによれば、ユーザの覚醒度が規定値未満となれば、ユーザが眠気を覚えている状態と考えられるため、シートヒータ20及びブロアファン40を駆動制御することで、加熱部分に対応個所から温風を感じさせたり、非加熱部分に対応する個所から涼しい風を感じさせたりすることができる。このため、加熱部分に対応するユーザの身体の一部分と、非加熱部分に対応するユーザの身体の一部分との温度差による刺激を、ユーザに与えることができる。座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
また、本実施の形態の座席温度調節装置において、シートヒータ20は、一対の加熱部分と、一対の非加熱部分とが形成される。そして、ブロアファン40は、一対の加熱部分と一対一で対応し、かつ、一対の非加熱部分と一対一で対応するように、座席1に複数設けられる。
これによれば、ユーザの身体の各部分に対して局所的に温めたり涼ませたりすることができるため、ユーザの身体の各部分に細やかな温度差による刺激を与えることができる。このため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
また、本実施の形態の座席温度調節装置において、シートヒータ20は、平面視で矩形状であり、一対の加熱部分と、一対の非加熱部分とで格子状に4つの領域に分割される。そして、制御部61は、対角状に一対の加熱部分を設定し、対角状に一対の非加熱部分を設定する。
例えば、シートヒータ20を座席1の座面部10aに配置した場合では、ユーザは、臀部の一方側が暖かく感じ、臀部の他方側が涼しく感じ、大腿部の一方側が涼しく感じ、大腿部の他方側が暖かく感じる。このように、ユーザの身体の同一部位で温度差による刺激が与えられるため、ユーザが温度差による不均一な感覚を覚え易くなる。このため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
また、本実施の形態の座席温度調節装置は、ユーザの覚醒度を検知する検知部50を備える。そして、制御部61は、検知された覚醒度が規定値未満であれば、ブロアファン40を駆動制御する。
これによれば、ユーザの覚醒度を精度よく検知することができるため、制御部61は、ユーザの覚醒度に応じて、シートヒータ20及びブロアファン40を適切に駆動制御することができる。このため、ユーザに対して温度差による刺激が与えられるため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
また、本実施の形態の座席温度調節装置において、電力経路の接続を切替える第1切替スイッチ62aと、ヒータ線に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第2切替スイッチ62bと、電力経路の接続を切替える第3切替スイッチ62cとを備える。シートヒータ20は、平面視で矩形状であり、格子状に4つの領域に分割され、第1切替スイッチ62aと第2切替スイッチ62bとを電気的に接続する第1右ヒータ線31aと、第2切替スイッチ62bと第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する第2右ヒータ線31bと、第2右ヒータ線31bと並列に接続され、かつ、第2切替スイッチ62bと第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する第1左ヒータ線32aと、第1右ヒータ線31aと並列に接続され、かつ、第1切替スイッチ62aと第2切替スイッチ62bとを電気的に接続する第2左ヒータ線32bとを有する。また、第1右ヒータ線31aは、4つの領域のうちの第1領域R1に配置される。また、第2右ヒータ線31bは、4つの領域のうちの第1領域R1と隣接する第2領域R2R2に配置される。また、第1左ヒータ線32aは、4つの領域のうちの第2領域R2R2と対角に位置し第1領域R1と隣接する第3領域R3に配置される。そして、第2左ヒータ線32bは、4つの領域のうちの第1領域R1と対角に位置し第2領域R2R2及び第3領域R3と隣接する第4領域R4に配置される。
これによれば、第1右ヒータ線31a、第2右ヒータ線31b、第1左ヒータ線32a及び第2左ヒータ線32bのそれぞれに個別に切替スイッチを接続しなくてもよくなるため、切替スイッチの個数の増大を抑制することができる。このため、この座席温度調節装置では、製造コストが高騰化し難い。
(実施の形態1の変形例1)
図7は、実施の形態1の変形例1におけるシートヒータ20cの基材30及びヒータ線31を示す平面図である。
実施の形態1では、第2切替スイッチ62bを用いて、ヒータ線31に印加される電圧を12Vと24Vの2種類に切り替えられる構成を示したが、この構成に限定されるものではなく、本変形例では、図7に示すように、第2切替スイッチ62bを用いずに、ヒータ線31に例えば12Vの電圧が直接印加されるように、ヒータ線31に電力を供給する12Vの電源部70を接続するようにしてもよい。実施の形態1の第2切替スイッチを用いず、本変形例の電源部70に第1右ヒータ線31a及び第1左ヒータ線32aと直接的に電気的に接続されている点で、実施の形態1の座席温度調節装置と相違する。本変形例おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
電源部70は、例えば図3の制御装置60によってヒータ線31に供給する電流値が制御される。
本変形例によると、覚醒モードでの温度差が得られるまでに時間がかかるが、この特性を利用して、ユーザの覚醒度が低くなり始めた初期段階で、緩やかにユーザを覚醒させることができる。加えて、切替スイッチの個数を2個まで抑制することができるので、この座席温度調節装置では、製造コストがさらに高騰化し難い。
したがって、上記の座席温度調節装置においては、電力経路の接続を切替える第1切替スイッチ62aと、電力経路の接続を切替える第3切替スイッチ62cとを備える。第3切替スイッチ62cは、第2切替スイッチの一例である。
このような、本変形例の座席温度調節装置において、シートヒータ20cは、平面視で矩形状であり、格子状に4つの領域に分割され、第1切替スイッチ62aとヒータ線31に電力を供給する電源部70とを電気的に接続する第1右ヒータ線31aと、電源部70と第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する第2右ヒータ線31bと、第2右ヒータ線31bと並列に接続され、かつ、電源部70と第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する第1左ヒータ線32aと、第1右ヒータ線31aと並列に接続され、かつ、第1切替スイッチ62aと電源部70とを電気的に接続する第2左ヒータ線32bとを有する。また、第1右ヒータ線31aは、4つの領域のうちの第1領域R1に配置される。また、第2右ヒータ線31bは、4つの領域のうちの第1領域R1と隣接する第2領域R2R2に配置される。また、第1左ヒータ線32aは、4つの領域のうちの第2領域R2R2と対角に位置し第1領域R1と隣接する第3領域R3に配置される。そして、第2左ヒータ線32bは、4つの領域のうちの第1領域R1と対角に位置し第2領域R2R2及び第3領域R3と隣接する第4領域R4に配置される。
これによれば、第1右ヒータ線31a、第2右ヒータ線31b、第1左ヒータ線32a及び第2左ヒータ線32bのそれぞれに個別に切替スイッチを接続しなくてもよくなり、かつ、切替スイッチの個数を第1右ヒータ線31a、第2右ヒータ線31b、第1左ヒータ線32a及び第2左ヒータ線32bに対し2個まで抑制することができる。このため、この座席温度調節装置では、製造コストが高騰化し難い。
(実施の形態1の変形例2)
図8は、実施の形態1の変形例2におけるシートヒータ20aの基材30及びヒータ線31を示す平面図である。
本変形例では、図8に示すように、1つのブロアファン40aを用いている点で、実施の形態1の座席温度調節装置と相違する。本変形例おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
ブロアファン40aは、シートヒータ20aのヒータ線31において、一対の加熱部分及び一対の非加熱部分に対して空気を吐出又は吸気するように、座席1に設けられる。本変形例では、ブロアファン40aがヒータ線31に対して空気を吐出すると、一対の加熱部分から温かい空気が吐出されるとともに、一対の非加熱部分から涼しい空気が吐出される。また、ブロアファン40aがヒータ線31に対して空気を吸気すると、一対の加熱部分ではヒータ線31によってユーザを温め、一対の非加熱部分では空気の流入によりユーザが涼しく感じる。
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2におけるシートヒータ20の基材30及びヒータ線31を示す平面図である。
本実施の形態では、図9に示すように、第4切替スイッチ62dをさらに用いている点、第1切替スイッチ62aが接地端子の代わりに第1端子62a4を有する点、第2切替スイッチ62bが実施の形態1の第2端子の代わりに、接地端子62b2と開放端子62b3とを有する点で、実施の形態1の座席温度調節装置と相違する。本実施の形態おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
第1右ヒータ線31aは、第1切替スイッチ62aと第2切替スイッチ62bとを電気的に接続する。具体的には、第1右ヒータ線31aは、一端が第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と電気的に接続され、他端が第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と電気的に接続される。第1右ヒータ線31aは、第1ヒータ線の一例である。
第2右ヒータ線31bは、第3切替スイッチ62cと第4切替スイッチ62dとを電気的に接続する。具体的には、第2右ヒータ線31bは、一端が第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と電気的に接続され、他端が第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と電気的に接続される。第2右ヒータ線31bは、第2ヒータ線の一例である。
第1左ヒータ線32aは、第2切替スイッチ62bと第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する。具体的には、第1左ヒータ線32aは、一端が第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と電気的に接続され、他端が第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と電気的に接続される。第1左ヒータ線32aは、第3ヒータ線の一例である。
第2左ヒータ線32bは、第1切替スイッチ62aと第4切替スイッチ62dとを電気的に接続する。具体的には、第2左ヒータ線32bは、一端が第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と電気的に接続され、他端が第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と電気的に接続される。第2左ヒータ線32bは、第4ヒータ線の一例である。
第1切替スイッチ62aは、第1右ヒータ線31aの一端等と接続される共通端子62a1と、切替えにより共通端子62a1と電気的に接続されて電力の供給を遮断する開放端子62a3と、切替えにより共通端子62a1と電気的に接続されて電力を供給する第1端子62a4とを有する。本実施の形態では、第1端子62a4は、12Vの電圧を供給する。
第2切替スイッチ62bは、第1右ヒータ線31aの他端等と接続される共通端子62b1と、切替えにより共通端子62b1と電気的に接続されて電力を供給する第1端子62b4と、切替えにより共通端子62b1と電気的に接続されて接地する接地端子62b2と、切替えにより共通端子62b1と電気的に接続されて電力の供給を遮断する開放端子62b3とを有する。本実施の形態では、第1端子62b4は、12Vの電圧を供給する。
第4切替スイッチ62dは、電力経路の接続を切替える。第4切替スイッチ62dは、第2左ヒータ線32bの他端と接続される共通端子62d1と、切替えにより共通端子62d1と電気的に接続されて電力を供給する第1端子62d4と、切替えにより共通端子62d1と電気的に接続され、電力の供給を遮断する開放端子62d3と、切替えにより共通端子62d1と電気的に接続されて接地する接地端子62d2とを有する。本実施の形態では、第1端子62d4は、12Vの電圧を供給する。
<動作>
制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と接地端子62b2とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62c及び第4切替スイッチ62dのそれぞれの共通端子62c1、62d1を開放端子62c3、62d3と電気的に接続する。この場合、第1領域R1に対応する第1右ヒータ線31aだけを主に温めることができる。
また、制御部61は、第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と第1端子62d4とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と接地端子62c2とを電気的に接続し、第1切替スイッチ62a及び第2切替スイッチ62bのそれぞれの共通端子62a1、62b1を開放端子62a3、62b3と電気的に接続する。この場合、第2領域R2に対応する第2右ヒータ線31bだけを主に温めることができる。
また、制御部61は、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と第1端子62b4とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と接地端子62c2とを電気的に接続し、第1切替スイッチ62a及び第4切替スイッチ62dのそれぞれの共通端子62a1、62d1を開放端子62a3、62d3と電気的に接続する。この場合、第3領域R3に対応する第1左ヒータ線32aだけを主に温めることができる。
また、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と接地端子62d2とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62b及び第3切替スイッチ62cのそれぞれの共通端子62b1、62c1を開放端子62b3、62c3と電気的に接続する。この場合、第4領域R4に対応する第2左ヒータ線32bだけを主に温めることができる。
また、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と接地端子62b2とを電気的に接続し、第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と接地端子62d2とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1を開放端子62c3と電気的に接続する。この場合、第1領域R1及び第4領域R4に対応する第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bを温めることができる。
また、制御部61は、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と第1端子62b4とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と接地端子62c2とを電気的に接続し、第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と第1端子62d4とを電気的に接続し、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1を開放端子62a3と電気的に接続する。この場合、第2領域R2及び第3領域R3に対応する第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aを温めることができる。
また、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と接地端子62c2とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62b及び第4切替スイッチ62dの共通端子62b1、62d1を開放端子62b3、62d3と電気的に接続する。この場合、ヒータ線31全体を温めることができる。図9に破線で示した各切替スイッチの状態は、ここで説明したヒータ線31全体を温める状態の例である。
なお、本実施の形態でも、実施の形態1のように、制御部61は、ブロアファン40による空気の吸気と吐出とを切替える等の駆動制御を行う。
<作用効果>
次に、本実施の形態における座席温度調節装置の作用効果について説明する。
上述したように、本開示の他の態様に係る座席温度調節装置は、ヒータ線31に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第1切替スイッチ62aと、ヒータ線31に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第2切替スイッチ62bと、電力経路の接続を切替える第3切替スイッチ62cと、ヒータ線31に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第4切替スイッチ62dとを備える。また、シートヒータ20は、平面視で矩形状であり、格子状に4つの領域に分割され、第1切替スイッチ62aと第2切替スイッチ62bとを電気的に接続する第1右ヒータ線31aと、第4切替スイッチ62dと第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する第2右ヒータ線31bと、第2切替スイッチ62bと第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する第1左ヒータ線32aと、第1切替スイッチ62aと第4切替スイッチ62dとを電気的に接続する第2ヒータ線32bとを有する。また、第1右ヒータ線31aは、4つの領域のうちの第1領域R1に配置される。また、第2右ヒータ線31bは、4つの領域のうちの第1領域R1と隣接する第2領域R2に配置される。また、第1左ヒータ線32aは、4つの領域のうちの第2領域R2と対角に位置し第1領域R1と隣接する第3領域R3に配置される。そして、第2左ヒータ線32bは、4つの領域のうちの第1領域R1と対角に位置し第2領域R2及び第3領域R3と隣接する第4領域R4に配置される。
これによれば、第1右ヒータ線31a、第2右ヒータ線31b、第1左ヒータ線32a及び第2左ヒータ線32bのそれぞれを個別に加熱部分にすることができる。このため、ユーザの身体の各部分に温度差による刺激を与えることができる。このため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本実施の形態においても上述と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3におけるシートヒータ20の基材30及びヒータ線31を示す平面図である。
本実施の形態では、図10に示すように、第5切替スイッチ62eをさらに用いている点で、実施の形態2の座席温度調節装置と相違する。本実施の形態おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態2と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
第1右ヒータ線31aは、第1切替スイッチ62aと第2切替スイッチ62bとを電気的に接続する。具体的には、第1右ヒータ線31aは、一端が第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と電気的に接続され、他端が第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と電気的に接続される。
第2右ヒータ線31bは、第4切替スイッチ62dと第5切替スイッチ62eとを電気的に接続する。具体的には、第2右ヒータ線31bは、一端が第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と電気的に接続され、他端が第5切替スイッチ62eの共通端子62e1と電気的に接続される。
第1左ヒータ線32aは、第2切替スイッチ62bと第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する。具体的には、第1左ヒータ線32aは、一端が第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と電気的に接続され、他端が第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と電気的に接続される。
第2左ヒータ線32bは、第1切替スイッチ62aと第4切替スイッチ62dとを電気的に接続する。具体的には、第2左ヒータ線32bは、一端が第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と電気的に接続され、他端が第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と電気的に接続される。
第5切替スイッチ62eは、電力経路の接続を切替える。第5切替スイッチ62eは、第2右ヒータ線31bの他端と接続される共通端子62e1と、切替えにより共通端子62e1と電気的に接続されて電力を供給する第1端子62e4と、切替えにより共通端子62e1と電気的に接続され、電力の供給を遮断する開放端子62e3と、切替えにより共通端子62e1と電気的に接続されて接地する接地端子62e2とを有する。本実施の形態では、第1端子62e4は、12Vの電圧を供給する。
<動作>
制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と接地端子62b2とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62c、第4切替スイッチ62d及び第5切替スイッチ62eのそれぞれの共通端子62c1、62d1、62e1を開放端子62c3、62d3、62e3と電気的に接続する。このため、制御部61は、第1右ヒータ線31aだけに電流を流すことができる。この場合、第1領域R1に対応する第1右ヒータ線31aだけを温めることができる。本実施の形態では、第1端子62a4は、12Vの電圧を供給する。
また、制御部61は、第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と第1端子62d4とを電気的に接続し、第5切替スイッチ62eの共通端子62e1と接地端子62e2とを電気的に接続する。又は、制御部61は、第5切替スイッチ62eの共通端子62e1と第1端子62e4とを電気的に接続し、第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と接地端子62d2とを電気的に接続する。そして、制御部61は、第1切替スイッチ62a、第2切替スイッチ62b及び第3切替スイッチ62cのそれぞれの共通端子62a1、62b1、62c1を、開放端子62a3、62b3、62c3と電気的に接続する。このため、制御部61は、第2右ヒータ線31bだけに電流を流すことができる。この場合、第2領域R2に対応する第2右ヒータ線31bだけを温めることができる。本実施の形態では、第1端子62d4は、12Vの電圧を供給する。
また、制御部61は、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と第1端子62b4とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と接地端子62c2とを電気的に接続し、第1切替スイッチ62a、第4切替スイッチ62d及び第5切替スイッチ62eのそれぞれの共通端子62a1、62d1、62e1を開放端子62a3、62d3、62e3と電気的に接続する。このため、制御部61は、第1左ヒータ線32aだけに電流を流すことができる。この場合、第3領域R3に対応する第1左ヒータ線32aだけを温めることができる。本実施の形態では、第1端子62b4は、12Vの電圧を供給する。
また、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と接地端子62d2とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62b、第3切替スイッチ62c及び第5切替スイッチ62eのそれぞれの共通端子62b1、62c1、62e1を開放端子62b3、62c3、62e3と電気的に接続する。このため、制御部61は、第2左ヒータ線32bだけに電流を流すことができる。この場合、第4領域R4に対応する第2左ヒータ線32bだけを温めることができる。
また、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と接地端子62b2とを電気的に接続し、第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と接地端子62d2とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1を開放端子62c3と電気的に接続し、第5切替スイッチ62eの共通端子62e1を開放端子62e3と電気的に接続する。このため、制御部61は、第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bだけに電流を流すことができる。この場合、第1領域R1及び第4領域R4に対応する第1右ヒータ線31a及び第2左ヒータ線32bを温めることができる。
また、制御部61は、第2切替スイッチ62bの共通端子62b1と第1端子62b4とを電気的に接続し、第5切替スイッチ62eの共通端子62e1と接地端子62e2とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と接地端子62c2とを電気的に接続し、第4切替スイッチ62dの共通端子62d1と第1端子62d4とを電気的に接続し、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1を開放端子62a3と電気的に接続する。このため、制御部61は、第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aだけに電流を流すことができる。この場合、第2領域R2及び第3領域R3に対応する第2右ヒータ線31b及び第1左ヒータ線32aを温めることができる。
また、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と接地端子62c2とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62b、第4切替スイッチ62d及び第5切替スイッチ62eの共通端子62b1、62d1、62e1を開放端子62b3、62d3、62e3と電気的に接続する。このため、制御部61は、第1右ヒータ線31a及び第1左ヒータ線32aだけに電流を流すことができる。この場合、第1領域R1及び第3領域R3に対応する第1右ヒータ線31a及び第1左ヒータ線32aを温めることができる。
また、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第5切替スイッチ62eの共通端子62e1と接地端子62e2とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62b、第3切替スイッチ62c及び第4切替スイッチ62dの共通端子62b1、62c1、62d1を開放端子62b3、62c3、62d3と電気的に接続する。このため、制御部61は、第2右ヒータ線31b及び第2左ヒータ線32bだけに電流を流すことができる。この場合、第2領域R2及び第4領域R4に対応する第2右ヒータ線31b及び第2左ヒータ線32bを温めることができる。
また、制御部61は、第1切替スイッチ62aの共通端子62a1と第1端子62a4とを電気的に接続し、第3切替スイッチ62cの共通端子62c1と接地端子62c2とを電気的に接続し、第5切替スイッチ62eの共通端子62e1と接地端子62e2とを電気的に接続し、第2切替スイッチ62b、及び第4切替スイッチ62dの共通端子62b1、62d1を開放端子62b3、62d3と電気的に接続する。この場合、ヒータ線31全体を温めることができる。図10に破線で示した各切替スイッチの状態は、ここで説明したヒータ線31全体を温める状態の例である。
なお、本実施の形態でも、実施の形態1のように、制御部61は、ブロアファン40による空気の吸気と吐出とを切替える等の駆動制御を行う。
<作用効果>
次に、本実施の形態における座席温度調節装置の作用効果について説明する。
上述したように、本開示の他の態様に係る座席温度調節装置において、ヒータ線31に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第1切替スイッチ62aと、ヒータ線31に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第2切替スイッチ62bと、電力経路の接続を切替える第3切替スイッチ62cと、ヒータ線31に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第4切替スイッチ62dと、ヒータ線31に電力を供給可能であり、電力経路の接続を切替える第5切替スイッチ62eとを備える。また、シートヒータ20は、平面視で矩形状であり、格子状に4つの領域に分割され、第1切替スイッチ62aと第2切替スイッチ62bとを電気的に接続する第1右ヒータ線31aと、第4切替スイッチ62dと第5切替スイッチ62eとを電気的に接続する第2右ヒータ線31bと、第2切替スイッチ62bと第3切替スイッチ62cとを電気的に接続する第1左ヒータ線32aと、第1切替スイッチ62aと第4切替スイッチ62dとを電気的に接続する第2左ヒータ線32bとを有する。また、第1右ヒータ線31aは、4つの領域のうちの第1領域R1に配置される。また、第2右ヒータ線31bは、4つの領域のうちの第1領域R1と隣接する第2領域R2に配置される。また、第1左ヒータ線32aは、4つの領域のうちの第2領域R2と対角に位置し第1領域R1と隣接する第3領域R3に配置される。そして、第2左ヒータ線32bは、4つの領域のうちの第1領域R1と対角に位置し第2領域R2及び第3領域R3と隣接する第4領域R4に配置される。
これによれば、第1右ヒータ線31a、第2右ヒータ線31b、第1左ヒータ線32a及び第2左ヒータ線32bのそれぞれを個別に加熱部分にすることができる。また、身体部の部位ごとに細やかな温度差による刺激を与えることができる。このため、座席温度調節装置は、ユーザをより覚醒させることができる。
本実施の形態においても上述と同様の作用効果を奏する。
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態1~3及び実施の形態1の変形例1、2に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態1~3及び実施の形態1の変形例1、2等に限定されるものではない。
例えば、上記各実施の形態1~3及び実施の形態1の変形例1、2に係る座席温度調節装置において、制御部は、ヒータ線を段階的に温めることができてもよく、第1右ヒータ線、第2右ヒータ線、第1左ヒータ線及び第2左ヒータ線の温度を個別に調節することができてもよい。また、制御部は、ブロアファンにおける吸入と吐出とを個別に調節することができてもよく、風量についても個別に調節することができてもよい。
また、上記各実施の形態1~3及び実施の形態1の変形例1、2に係る座席温度調節装置において、第1切替スイッチ、第2切替スイッチ及び第3切替スイッチの少なくとも1つに可変抵抗が設けられていてもよい。この場合、制御部は、可変抵抗を制御することで、第1右ヒータ線、第2右ヒータ線、第1左ヒータ線及び第2左ヒータ線の温度(電流値)を個別に調節してもよい。
また、上記各実施の形態1に係る座席温度調節装置において、第1切替スイッチは、第1右ヒータ線に電流を流すための第1端子をさらに有していてもよい。この場合、例えば、第2切替スイッチの共通端子を第2端子に接続し、第3切替スイッチの共通端子を開放端子に接続すれば、第1右ヒータ線と第2左ヒータ線とが並列であっても、第1右ヒータ線及び第2左ヒータ線を十分に温かくすることができる。このため、ユーザは、加熱部分と非加熱部分との温度差による不均一な感覚を覚えやすい。
また、上記各実施の形態1に係る座席温度調節装置において、制御部は、ブロアファンの吐出量及び吸気量を制御することができてもよい。例えば、制御部は、ヒータ線の発熱量(ヒータ線に流す電流値)に応じてブロアファンの吐出量及び吸気量を大きくしてもよい。
また、上記各実施の形態1~3及び実施の形態1の変形例1、2に係る座席温度調節装置に含まれる各処理部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
なお、上記各実施の形態1~3及び実施の形態1の変形例1、2において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態1~3及び実施の形態1の変形例1、2は例示された数字に制限されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
その他、実施の形態1~3及び実施の形態1の変形例1、2に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1~3及び実施の形態1の変形例1、2における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。