JP2009268933A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数種類の特別遊技を利用する弾球遊技機を提供する。
【解決手段】本発明のぱちんこ遊技機10において、最大継続時間の長い第1特別遊技と、最大継続時間の短い第2特別遊技の少なくとも2種類が設定されている。テーブル保持手段126は、複数の乱数値のそれぞれを第1特別遊技に対応付けた第1テーブルと、複数の乱数値のそれぞれを第1特別遊技または第2特別遊技のいずれかに対応付けた第2テーブルの2つのテーブルを保持する。特別遊技決定手段128は、乱数取得手段122において生成した乱数とテーブルから、特別遊技の種類を決定する。特別遊技決定手段128は、確率変動遊技の実行中は第1テーブルを参照し、確率変動遊技を実行していないときは第2テーブルを参照する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関する。
第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれる弾球遊技機では、遊技盤上の始動入賞口に打球が入賞したことを契機に乱数を取得し、取得した乱数を予め決定されている判定値と比較することで、図柄が大当たりであるか否かを決定する。大当たりの場合には、大入賞口と呼ばれる入賞口が開放される特別遊技に移行する。近年では、特別遊技への移行図柄が、例えば「777」などの特定の態様である場合に、当該特別遊技の終了後、通常の判定値よりも大当たり割合の高い判定値を用いて図柄の大当たりを判定する所謂確率変動遊技を備えた弾球遊技機が広く親しまれるようになっている。
特開2004−16292号公報
一般に、確率変動付き大当たりの特別遊技と、通常大当たりの特別遊技は、遊技終了後の抽選確率に変動はあるものの、遊技自体は同じものとして構成される。そこで、ラウンド数などを変えるなどして、特別遊技に変化を与えることで、弾球遊技機の遊技性を高めることが可能と考えられる。
しかしながら、特別遊技のラウンド数に変化をもたせる場合には、ラウンド数の多少により遊技者に与える特典に差が生じることになる。そのため、複数種類の特別遊技を用いる場合、それらの特別遊技の発生過程を工夫することが好ましい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数種類の特別遊技を効果的に使用して、遊技興趣に富んだ弾球遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、遊技領域に設けられ、遊技球の入球が賞球払い出しの契機となる大入賞口と、始動口への遊技球の入球を契機に抽選を実行し、その抽選の結果に応じて遊技者に有利な特別遊技を発生させるか否か、さらに特別遊技を発生させる場合にはその特別遊技の終了後に次の特別遊技の発生確率を高める確率変動遊技へ移行させるか否かを判定する抽選手段と、抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、抽選の結果に応じて図柄の変動パターンを決定する図柄決定手段と、決定された変動パターンにしたがって図柄を変動表示する表示制御手段と、抽選手段により特別遊技を発生させることが判定された場合に、大入賞口を少なくとも1回開放させる特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、抽選手段により確率変動遊技へ移行させると判定された場合に、特別遊技の終了後に確率変動遊技を実行する特定遊技制御手段と、を備える。そして、特別遊技として、最大継続時間の長い第1特別遊技と、最大継続時間の短い第2特別遊技の少なくとも2種類が設定されており、第1特別遊技および第2特別遊技は、いずれも大入賞口を少なくとも1回開閉させるラウンドを各特別遊技の継続単位として複数有し、かつそのラウンド数の上限値が互いに等しくなるように設定され、第2特別遊技は、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間が第1特別遊技よりも相対的に短く設定され、それにより、第2特別遊技の最大継続時間が第1特別遊技の最大継続時間よりも短くされている。
第2特別遊技は、さらに、前のラウンドで大入賞口の開放が終了してから続くラウンドで大入賞口が開放するまでの時間が第1特別遊技よりも相対的に短く設定され、それにより、第2特別遊技の最大継続時間が第1特別遊技の最大継続時間よりも短くされていてもよい。
第1特別遊技は、1ラウンドにつき大入賞口を複数回開放させるように設定されていてもよい。
本発明によれば、複数種類の特別遊技を効果的に使用して、遊技興趣に富んだ弾球遊技機を提供することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機10における遊技を制御する構成を中心とした基本的な機能ブロック図である。 テーブル保持手段により保持される2種類のテーブルを示す図である。 抽選手段による抽選結果が大当たりであるときに停止図柄を決定するためのテーブルを示す図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な処理過程を示すフローチャートである。 図6のS12に示した特別遊技移行抽選の処理過程を示すフローチャートである。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出図柄表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66および一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置74と、始動口を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。
大入賞口66は、遊技球の受け入れ状態が遊技者に有利な状態に変化可能な可変入球装置である。大入賞口66は、特別図柄202が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口として構成され、アウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の内側は、特定領域(いわゆるVゾーン)と一般領域に区画されている。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の特定領域の通過を検出するセンサと、一般領域の通過を検出するセンサを備えて構成される。なお、特定領域は存在していなくてもよく、この場合には大入賞口66への入賞を検出するセンサが1つ設けられていればよい。
遊技盤50の略中央に設けられた特別図柄表示装置61および演出図柄表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄202と、特別図柄202に連動する装飾図柄200を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄202は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に応じた図柄であり、大当たりを発生させるか否かを示す役割をもつ。特別図柄表示装置61は、例えばLEDで構成される表示手段である。
演出図柄表示装置60は、特別図柄202の変動表示と連動する形で装飾図柄200を変動させながら表示する。装飾図柄200は、特別図柄202で示される特別図柄抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。なお本実施例で、装飾図柄200は、遊技者に所定の遊技内容を説明するための演出を表現することもある。演出図柄表示装置60は、装飾図柄200として、例えばスロットマシーンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出図柄表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄202は演出的な役割をもつ必要がないため、本実施例では演出図柄表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示される。
演出図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の所定位置には、保留ランプ20が設けられている。保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって保留球数を表示する。保留球数は、図柄変動中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄204と呼ばれる図柄が変動表示される。普通図柄204は演出図柄表示装置60の右下隅にて変動表示される。所定時間の経過後に普通図柄204の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含む。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出図柄表示装置60において特別図柄202および装飾図柄200が変動表示される。特別図柄202および装飾図柄200の変動表示は、原則として表示に先だって決定された変動パターンに基づいて停止される。停止時の特別図柄202および装飾図柄200が大当たりを示す図柄である場合、大入賞口66の開閉動作が開始され、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行する。特別遊技は、大入賞口66を遊技者に有利な状態に少なくとも1回変化させる遊技である。具体的に、特別遊技では、大入賞口66が少なくとも1回開放されて、遊技球の落入を受け付ける状態となる。
大当たりを示す図柄は、例えば特別図柄202では0から9までの図柄であり、スロットマシーンのゲームを模した装飾図柄200では、一致する3つの図柄である。特別図柄が奇数図柄であるとき、特別遊技の終了後に、通常遊技よりも有利な特定遊技が発生される。この特定遊技は、例えば特別遊技の発生確率を高める確率変動遊技であり、遊技者は、確率変動付きの特別遊技を獲得すると、特別遊技の終了後に、非常に高い確率で特別遊技を獲得するチャンスを得ることになる。
本実施例のぱちんこ遊技機10では、少なくとも2種類の特別遊技が設定される。具体的には、最大継続時間の長い第1特別遊技と、最大継続時間の短い第2特別遊技とが設定される。なお、最大継続時間の長短は、第1特別遊技と第2特別遊技との間での相対的なものである。例えば、最大継続時間の短い第2特別遊技に対して、最大継続時間の相対的に長い特別遊技が複数存在する場合に、それらをまとめて第1特別遊技と呼んでもよい。本実施例のぱちんこ遊技機10では、第1特別遊技と第2特別遊技以外の第3の特別遊技が存在していてもよい。
第1特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口66の開放中に遊技球が特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。第1特別遊技の1ラウンドにつき大入賞口66が1回開放する場合を想定しているが、1ラウンドにつき複数回の開放があってもよい。なお、既述したように、大入賞口66が特定領域を有していない場合には、次のラウンドへの継続判定は行わず、大入賞口66の開閉が常に15回繰り返されることになる。
第2特別遊技において、大入賞口66は、約0.1秒間開放された後、閉鎖される。第2特別遊技において、特定領域への遊技球の落入は、次のラウンドを行うための継続条件には設定されていない。ラウンド数は2ラウンドに設定され、したがって大入賞口66の開閉は2回繰り返される。第2特別遊技において、大入賞口66の開閉回数は1回以上であればよく、例えば第1特別遊技と同じ15回であってもよい。また、特定領域への遊技球の落入を次のラウンドへの継続条件としてもよい。ただし、継続条件を設定する場合には、開放時間が0.1秒と短いため、次のラウンドに進むことは困難な遊技性となる。
第1特別遊技と比較すると、第2特別遊技は、大入賞口66の開放時間が相対的に短く設定されており、また前のラウンドで大入賞口66の開放が終了してから、続くラウンドで大入賞口66が開放するまでの時間も短く設定される。これにより、特別遊技の開始から終了までの最大のトータル時間を比較すると、第2特別遊技は、第1特別遊技よりも非常に短時間で終了することになる。上記したように、第1特別遊技のラウンド数を15ラウンド、第2特別遊技のラウンド数を2ラウンドと設定した場合には、その差は一層顕著となる。大入賞口66の開閉回数を同一にした場合であっても、第2特別遊技における大入賞口66の開放時間と、前のラウンドで大入賞口66が閉鎖してから続くラウンドで大入賞口66が開放するまでの時間の方が短いため、第2特別遊技は第1特別遊技よりも短い時間で終了する。本実施例のぱちんこ遊技機10では、第1特別遊技と第2特別遊技とを効果的に利用することで、遊技興趣の向上を可能とする。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板41は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板49は、液晶ユニット42を備え、演出図柄表示装置60における表示内容やスピーカ18からの音声出力を制御し、特にメイン基板41による抽選結果に応じた演出処理を制御する。本実施例において、メイン基板41およびサブ基板49は、搭載されるROMの内容をチェックするための検査装置を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機10における遊技を制御する構成を中心とした基本的な機能ブロック図である。始動口62、大入賞口66、特別図柄表示装置61、演出図柄表示装置60、スピーカ18、各種遊技効果ランプ90と、遊技制御装置100との間は電気的に接続されている。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROM、演算処理や制御処理に用いるCPUやRAM等の素子で実現でき、ソフトウエア的には画像処理機能、制御機能、乱数発生機能等のプログラムによって実現されるが、本図ではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できる。
遊技制御装置100は、入球口への入球を判定する入球判定手段110、大入賞口66を遊技者に有利な状態に少なくとも1回変化させる特別遊技を発生させるか否かを判定する抽選手段120、図柄を決定する図柄決定手段130、図柄の変動パターンを記憶するパターン記憶手段140、特別遊技を制御する特別遊技制御手段150、特別遊技終了後の特定遊技を制御する特定遊技制御手段160、表示装置の表示処理を行う表示制御手段170、および大入賞口66の開放制御を行う大入賞口開放制御手段180を備える。
入賞検出装置74は始動口62に設けられたセンサであり、始動口62への遊技球の落入を検出し、落入を示す始動入賞情報を生成する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したことを判定する。入球判定手段110が始動入賞情報を受け取ったタイミングで、抽選手段120における乱数取得手段122が、始動入賞に対する乱数を取得する。乱数取得手段122は、数学的に乱数を生成して取得してもよく、図示しないカウンタにより生成されるカウント値を乱数として取得してもよい。当たり判定手段124は、乱数値を、予め定められている判定値と比較することで、特別遊技を発生させるか否かを判定する。
特別遊技を発生させることが判定された場合、抽選手段120において、その特別遊技が確率変動付きであるか否かが判定される。なお、確率変動付きとは、特別遊技の終了後の遊技に確率変動を伴うことを意味する。本実施例では、乱数取得手段122が、0から9までの10個の数字から1つを乱数として取得する。例えば、乱数値が奇数であれば、確率変動付きの特別遊技となり、偶数であれば通常の特別遊技となる。
特別遊技決定手段128は、乱数取得手段122において生成した乱数と、テーブル保持手段126に保持された抽選用のテーブルから、特別遊技の種類を決定する。テーブル保持手段126は、複数の乱数値のそれぞれを第1特別遊技に対応付けた第1テーブルと、複数の乱数値のそれぞれを第1特別遊技または第2特別遊技のいずれかに対応付けた第2テーブルの少なくとも2つのテーブルを保持する。本実施例では、テーブル保持手段126が保持するテーブルの個数を2つとしているが、例えば乱数値と特別遊技との組合わせを変えて、3つ以上のテーブルを保持してもよい。また、特別遊技の種類が多数ある場合に、3つ以上のテーブルを保持してもよい。
図4は、テーブル保持手段により保持される2種類のテーブルを示す。テーブルには、確率変動遊技の有無と、大当たりにより発生する特別遊技の種類とが対応付けられている。
図4(a)は、複数の乱数値のそれぞれを第1特別遊技に対応付けた第1テーブルを示す。乱数値0から9のうち、奇数の乱数値には確率変動遊技が割り当てられる。また、全ての乱数値に対して、特別遊技の種類として第1特別遊技が対応付けられている。したがって、第1特別遊技は、その遊技終了後に、確率変動遊技が実行されるものと、実行されないものとが存在する。既述したように、第1特別遊技では、継続条件が満たされることを条件として、大入賞口66が最大で15回開放され、1回あたりの大入賞口66の開放時間が最大で30秒に設定されている。なお、大入賞口66が特定領域を有しないタイプの場合、第1特別遊技は、常に大入賞口66を15回開放する遊技となる。
図4(b)は、複数の乱数値のそれぞれを第1特別遊技または第2特別遊技のいずれかに対応付けた第2テーブルを示す。乱数値0から9のうち、奇数の乱数値には確率変動遊技が割り当てられる。第2テーブルにおいて、0から8の乱数値に対して第1特別遊技が対応付けられるが、第1テーブルと異なり、9の乱数値に対しては第2特別遊技が対応付けられる。乱数値9は奇数であるため、第2特別遊技の終了後は、常に確率変動遊技が実行される。図4(b)に示す第2テーブルでは、乱数値9のみに第2特別遊技を対応付けているが、複数の乱数値に第2特別遊技が対応付けられてもよい。乱数値の対応付け方法として、第2特別遊技を発生させる乱数値に、確率変動遊技が割り当てられていることを条件とする。これにより、第2特別遊技を複数の乱数値に対応付けた場合であっても、第2特別遊技の終了後に、常に確率変動遊技が実行されることになる。既述したように、第2特別遊技では、大入賞口66が2回開放され、1回あたりの大入賞口66の開放時間が0.1秒に設定されている。
本実施例のぱちんこ遊技機10は、第2特別遊技を効果的に利用することで、遊技興趣を高める。第2特別遊技は非常に短時間で終了して確率変動遊技を発生させる。そのため、遊技者に対して、通常遊技から特別遊技をとばして、いきなり確率変動遊技に突入したような感覚を与えることになる。本実施例では、短時間で終了する第2特別遊技を利用することで、特別遊技自体による演出的な効果を実現する。
このように、第2特別遊技を利用することで演出的な効果が期待でき、遊技者を楽しませることはできるが、第1特別遊技と比較すると、第2特別遊技では、大入賞口66の開放時間が短いために、出球の特典を遊技者に与えることは困難である。そのため、第2特別遊技が連続して発生することは、遊技者にとって時間の無駄となり、また次の特別遊技を獲得するまでに球数を浪費することになる。
そこで、抽選手段120が、確率変動遊技の実行中は、特別遊技として第1特別遊技のみを発生させるか否かを判定し、特別遊技の選択肢から第2特別遊技を除外する。また抽選手段120は、確率変動遊技を実行していないとき、特別遊技の選択肢に第2特別遊技を加え、第1特別遊技または第2特別遊技のいずれかを発生させるか否かを抽選する。このとき、第2特別遊技を発生させることを判定すると、次に発生させる特別遊技を第1特別遊技のみとする。これにより、第2特別遊技が連続して発生する事態を回避できる。第2特別遊技が連続して発生すると、時間および球数を浪費するため、場合によっては遊技者に不快感を与えることにもなりかねないが、第2特別遊技の連続発生を禁止することで、遊技者は、第2特別遊技の終了後に実行される確率変動遊技を期待感をもって楽しむことができ、ぱちんこ遊技機10の遊技興趣を高めることができる。
抽選手段120における具体的な処理を説明する。特別遊技決定手段128は、確率変動遊技の実行中は第1テーブルを参照して、乱数取得手段122において取得された乱数から特別遊技の種類を決定する。第1テーブルの乱数値は全て第1特別遊技に対応付けられているため、したがって確率変動遊技の実行中は、第1特別遊技のみが発生されることになる。一方、確率変動遊技を実行していないとき、特別遊技決定手段128は、第2テーブルを参照して、取得された乱数から特別遊技の種類を決定する。乱数値1〜8のいずれかが取得されたときには第1特別遊技が選択され、乱数値9が取得されたときには、第2特別遊技が選択されることになる。第2特別遊技の終了後、確率変動遊技に移行するが、このとき特別遊技決定手段128は、第1テーブルを参照して特別遊技の種類を決定するため、第2特別遊技が連続して発生する可能性を回避できる。
図3に戻って、特別遊技制御手段150が、特別遊技決定手段128において決定された第1特別遊技または第2特別遊技の実行を制御する。第1特別遊技の実行中、特別遊技制御手段150は、大入賞口開放制御手段180に対して、所定のタイミングで30秒間の大入賞口開放を実行するように指示する。大入賞口66の開放は最大で15回行われ、特別遊技制御手段150は、大入賞口66への入賞数や継続条件の成否などに基づいて、第1特別遊技を実行制御する。また、第2特別遊技の実行中、特別遊技制御手段150は、大入賞口開放制御手段180に対して、所定のタイミングで0.1秒間の大入賞口開放を実行するように指示する。大入賞口66の開放は2回行われる。大入賞口開放制御手段180は、特別遊技制御手段150からの指示をもとに、大入賞口ソレノイド80を駆動して大入賞口66の開閉を行う。なお、特別図柄が奇数図柄で停止した場合、特定遊技制御手段160は、特別遊技の終了後、当選確率を通常よりも高確率に設定する確率変動遊技を実行する。
パターン記憶手段140は、図柄の複数の変動パターンを記憶する。パターン記憶手段140は、特別図柄の変動パターンと、装飾図柄の変動パターンとを保持している。図柄決定手段130は、抽選手段120による抽選結果に応じた特別図柄の変動開始から変動終了までの変動パターンおよび停止図柄を決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示するべき図柄である。
本実施例のぱちんこ遊技機10では、抽選手段120による抽選結果を装飾図柄を用いて演出表示しており、特別図柄は演出的な役割を果たさない。したがって、本実施例のぱちんこ遊技機10において、特別図柄の変動パターンは、演出的な観点からみると、主として装飾図柄の変動表示時間を決定する役割をもち、装飾図柄の演出パターンを決定する際に利用される。
図5は、抽選手段による抽選結果が大当たりであるときに停止図柄を決定するためのテーブルを示す。この停止図柄決定用テーブルは、パターン記憶手段140に保持されていてもよい。停止図柄決定用テーブルでは、乱数値と停止図柄の数字とが対応付けられている。
図5(a)は、確率変動中に大当たりしたときの停止図柄決定用テーブルを示す。乱数値が0から8の範囲にあるとき、停止図柄の数字は乱数値に等しく設定される。一方で、乱数値が9のとき、停止図柄の数字は9ではなく、7に設定されている。なお、乱数値9に対応付けられる数字は7に限らず、確率変動付き遊技を示す9以外の奇数、すなわち1、3、5のいずれであってもよい。
図5(b)は、通常遊技中に大当たりしたときの停止図柄決定用テーブルを示す。停止図柄の数字は乱数値に等しく設定される。
本実施例では、停止図柄が9のときに、第2特別遊技を発生させる遊技性を実現する。確率変動中は第2特別遊技を発生させないため、図5(a)に示す停止図柄決定用テーブルでは、乱数値9に対応する停止図柄を9以外の奇数7に設定している。したがって、確率変動遊技中、停止図柄が9になることはない。なお、1つの停止図柄に複数の特別遊技を対応付けてもよい場合には、図5(a)の停止図柄決定用テーブルを、図5(b)と同様に構成することができる。
通常遊技中に大当たりが発生し、特別遊技の種類を決定するための乱数値が9であるとき、特別遊技決定手段128は、第2特別遊技を発生させることを判定する。このとき、図柄決定手段130は、図5(b)に示す停止図柄決定用テーブルを参照して停止図柄を9に決定するとともに、パターン記憶手段140に記憶された変動パターンのうち、長い変動時間をもつ所定の変動パターンを決定する。なお、所定の変動パターンの変動時間は、パターン記憶手段140に記憶された複数の変動パターンの平均継続時間よりも長いものとする。決定される変動パターンは、最長の変動パターンであってもよい。
図柄決定手段130は、特別図柄の変動パターンおよび停止図柄に応じて、装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。第2特別遊技の大当たりの場合、長い変動時間をもつ特別図柄の変動パターンが選択されており、図柄決定手段130は、その時間に応じた装飾図柄を決定する。この装飾図柄は、例えば、その表示が終了すると確率変動遊技が開始されることを遊技者に説明し、または報知する表示内容を構成してもよい。表示制御手段170が、その内容を演出図柄表示装置60に表示すると、それを見た遊技者は、表示終了後に実行される確率変動遊技への期待感を高めることができる。
通常は特別遊技の終了後に確率変動遊技が開始されるところ、本実施例では、第2特別遊技が非常に短時間で終了するため、遊技者は、通常遊技から確率変動遊技に直接移行したような感覚をもつ。そのため、遊技者に確率変動遊技が始まることを予告的に知らせておくことで、遊技者の関心を遊技に惹き付けることが可能となる。
第2特別遊技の大当たりが発生した場合、表示制御手段170が、時間の長い説明画面を演出図柄表示装置60に表示するため、仮にこの演出が続けて行われると、遊技者に飽きを感じさせることがある。特に、第2特別遊技の終了後は確率変動遊技が開始されるため、特別遊技が短時間で発生する確率が高く、長時間の演出が短時間の間に複数回行われるのは、遊技者の興味を無くさせる要因にもなりかねない。
本実施例のぱちんこ遊技機10では、第2特別遊技を連続して発生させないように、特別遊技決定手段128が特別遊技の種類を決定している。したがって、確率変動遊技中は、この長い変動パターンが選択されることはなく、したがって説明画面が短時間の間に連続して演出図柄表示装置60に表示される事態は発生しない。これにより、遊技者の興味を損なわない演出を実現できるとともに、興趣に富んだ遊技性を実現できる。
図6は、ぱちんこ遊技機における基本的な処理過程を示すフローチャートである。入球判定手段110が遊技球の始動口62への入球を判定する(S10)。抽選手段120は、始動口62への入球に基づき、大入賞口66を少なくとも1回開放する特別遊技を発生させるか否かを判定する(S12)。抽選により特別遊技を発生させることが判定された場合、特別遊技制御手段150が特別遊技を実行する(S14)。また、特別遊技が確率変動付きである場合、特定遊技制御手段160が、特別遊技の終了後に、確率変動遊技を実行する(S16)。
図7は、図6のS12に示した特別遊技移行抽選の処理過程を示すフローチャートである。まず乱数取得手段122が、大当たり抽選用の乱数を取得し、当たり判定手段124が、その乱数値により特別遊技を発生させるか否かを判定する(S20)。乱数値が特別遊技を発生させるものでない場合(S20のN)、特別遊技移行抽選処理は終了する。一方、特別遊技を発生させることが判定された場合(S20のY)、特別遊技決定手段128は、遊技状態が確率変動遊技中であるか否かを判定する(S22)。また、乱数取得手段122が、特別遊技を決定するために利用される乱数を再度取得する。この乱数は、0から9のいずれかの整数になる。
確率変動遊技中であるとき(S22のY)、特別遊技決定手段128は、図4(a)に示す第1テーブルを参照して、乱数取得手段122において取得された乱数値を用いて特別遊技を決定する(S24)。このとき、特別遊技として常に第1特別遊技が決定され、乱数値が奇数または偶数により、確率変動付きの特別遊技であるか否かが決定される。
一方、確率変動遊技中でないとき(S22のN)、特別遊技決定手段128は、図4(b)に示す第2テーブルを参照して、乱数取得手段122において取得された乱数値を用いて特別遊技を決定する(S26)。このとき、特別遊技として、第1特別遊技または第2特別遊技のいずれかが決定される。なお、乱数値が奇数であれば確率変動付きの特別遊技が選択され、偶数であれば通常の特別遊技が選択される。
第2特別遊技が選択された場合(S28のY)、図柄決定手段130は、パターン記憶手段140から最長の変動パターンを決定する(S32)。この最長の変動パターンを用いて、表示制御手段170は、演出図柄表示装置60上に、確率変動遊技を開始する旨の説明を演出として表示する。一方、第1特別遊技が選択された場合(S28のN)、図柄決定手段130は、大当たり遊技発生の変動パターンを決定する(S30)。装飾図柄に関していうと、図柄決定手段130は、リーチパターンを経て3つの図柄が揃う演出パターンを選択する。なお、第1テーブルを参照して特別遊技を決定した場合(S24)についても、S30のステップが実行される。
なお、S32において最長の変動パターンを決定しているが、選択する変動パターンは、必ずしも最長のものでなくてもよい。ここでは、変動パターンの平均時間よりも長い変動時間をもつ変動パターンが選択されればよく、選択される変動パターンが同一のものでなくてもよい。長めの変動パターンを選択することで、演出効果を高めることが可能となる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例では、大当たり抽選を行い、続いて特別遊技の種類を決定するための抽選を行っているが、これらの2段階の抽選は1回にまとめて行われてもよい。すなわち、大当たり抽選を行うための乱数値を再利用して特別遊技の種類を判定してもよい。また、大当たり抽選を行うための乱数値から、直接特別遊技の種類を判定してもよい。これにより、乱数取得の回数を減らすことができ、抽選処理を簡略化することが可能である。
10・・・ぱちんこ遊技機、50・・・遊技盤、52・・・遊技領域、62・・・始動口、120・・・抽選手段、122・・・乱数取得手段、124・・・当たり判定手段、126・・・テーブル保持手段、128・・・特別遊技決定手段、130・・・図柄決定手段、150・・・特別遊技制御手段、160・・・特定遊技制御手段。

Claims (3)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
    前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が賞球払い出しの契機となる大入賞口と、
    前記始動口への遊技球の入球を契機に抽選を実行し、その抽選の結果に応じて遊技者に有利な特別遊技を発生させるか否か、さらに前記特別遊技を発生させる場合にはその特別遊技の終了後に次の特別遊技の発生確率を高める確率変動遊技へ移行させるか否かを判定する抽選手段と、
    前記抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
    前記抽選の結果に応じて前記図柄の変動パターンを決定する図柄決定手段と、
    決定された変動パターンにしたがって前記図柄を変動表示する表示制御手段と、
    前記抽選手段により前記特別遊技を発生させることが判定された場合に、前記大入賞口を少なくとも1回開放させる前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    前記抽選手段により前記確率変動遊技へ移行させると判定された場合に、前記特別遊技の終了後に前記確率変動遊技を実行する特定遊技制御手段と、
    を備え、
    前記特別遊技として、最大継続時間の長い第1特別遊技と、最大継続時間の短い第2特別遊技の少なくとも2種類が設定されており、
    前記第1特別遊技および前記第2特別遊技は、いずれも前記大入賞口を少なくとも1回開閉させるラウンドを各特別遊技の継続単位として複数有し、かつそのラウンド数の上限値が互いに等しくなるように設定され、
    前記第2特別遊技は、各ラウンドにおける前記大入賞口の開放時間が前記第1特別遊技よりも相対的に短く設定され、それにより、前記第2特別遊技の最大継続時間が前記第1特別遊技の最大継続時間よりも短くされていることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記第2特別遊技は、さらに、前のラウンドで前記大入賞口の開放が終了してから続くラウンドで前記大入賞口が開放するまでの時間が前記第1特別遊技よりも相対的に短く設定され、それにより、前記第2特別遊技の最大継続時間が前記第1特別遊技の最大継続時間よりも短くされていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記第1特別遊技は、1ラウンドにつき前記大入賞口を複数回開放させるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の弾球遊技機。
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