JP2009268482A - 皮膚貼着用伸縮テープ基材 - Google Patents

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Abstract


【課題】皮膚表面の動きに追随する柔軟性と締付感が強すぎないソフトな伸縮性を兼ね備えるとともに、廃棄の面でも環境負荷が小さく、性能の経年劣化を受け難い、皮膚貼着用伸縮テープ基材を提供する。
【解決手段】経方向の伸長率が60%以上である織物からなり、織物は、綿を95質量%以上含み、かつ弾性繊維を含まず、下記(1)式に示す織物のカバーファクター(CF)が20以上35以下であり、織物を構成する経糸は、双糸撚(上撚)あるいは3子撚により構成されてなる綿紡績糸であり、綿紡績糸の上撚がS撚とZ撚の1:1交互、あるいは2:2交互に配されてなる皮膚貼着用伸縮テープ基材。
カバーファクター(CF)=T1/√S1+T2/√S2 ・・・(1)
〔上記式で、T1、T2はそれぞれ経糸、緯糸の織密度(本/2.54cm)を、S1、S2はそれぞれ経糸、緯糸の繊度(英式綿番手)を意味する。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、医療分野やスポーツ分野において用いられる皮膚貼着用伸縮テープ基材に関し、詳しくは木綿(コットン)を95質量%以上含み、経糸に綿紡績糸を用いて経方向に伸縮性を付与してなる織物からなる皮膚貼着用伸縮テープ基材に関する。
従来から、医療分野やスポーツ分野において、皮膚に貼付して使用する部材として、医療用救急絆創膏やプラスター、テーピング用テープなどが多数提案・上市されている。例えば、ハード・エラスチィックテープ、ソフト・エラスティックテープ、マッスルテープ(キネシオロジーテープ)、バンテージ等が挙げられる。
これらは、弾性繊維(ゴム状弾性を有する繊維)を少なくとも構成の一部に使用しているものが大多数である。弾性繊維としては、単量体相互の結合部分又は基本となる重合体相互の結合部分が主にウレタン結合による長鎖状合成高分子からなるポリウレタン繊維やポリエステルをハードセグメント、ポリエーテルをソフトセグメントとするポリエステル・エーテルブロック共重合体よりなるポリエーテル・エステル系繊維や熱可塑性エラストマー繊維等が広く知られている。このような弾性繊維は、良好なキックバック特性を有するストレッチ織編物に広く使用されており、各種テーピング用途にも広く応用されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開2004−49541号公報 特開2005−46333号公報
これらの弾性繊維を用いたテープを使用した後、汚染されたテープは廃棄処理される。特に、医療現場などにおいては、感染防止など保健衛生上の観点から、通常、専門業者等にて焼却処分される。しかしながら、弾性繊維の材料によっては、焼却処分の際に、シアン化水素などの有害ガスを発生させるもの、あるいは、埋め立て廃棄する場合に、長期間、分解されずに環境に残存するものが多い。そのため、使用後の廃棄や焼却処理を考慮し、有害ガスの発生がなく、自然に分解される天然物由来の製品が、市場から要望されている。
一方、ポリウレタン繊維、ポリエーテル・エステル系繊維、熱可塑性エラストマー繊維などの弾性繊維を使用する場合、締付力が強すぎて血行を阻害するという問題、あるいは、紫外線や熱などの影響による経年劣化による伸縮性などの機能の経時変化などの問題が指摘されている。そのため、適度な柔軟性と伸縮性、ソフトな締付力を兼ね備え、しかも経年劣化を受け難い、皮膚貼着用伸縮テープ基材も市場から要望されている。
本発明の目的は、上記の従来の問題点を解決することにあり、皮膚表面の動き(伸縮動作)に追随する柔軟性と締付感が強すぎないソフトな伸縮性を兼ね備えるとともに、廃棄の面でも環境負荷が小さく、性能の経年劣化を受け難い、皮膚貼着用伸縮テープ基材を提供することにある。
上記の課題を解決することができる本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材は、下記の構成からなる。
すなわち、本発明は、定荷重法(JIS L−1096B法)による伸長率が、経方向で60%以上である織物からなる皮膚貼着用伸縮テープ基材であって、
織物は、綿を95質量%以上含み、かつ弾性繊維を含まず、下記(1)式に示す織物のカバーファクター(CF)が20以上35以下であり、
織物を構成する経糸は、双糸撚(上撚)あるいは3子撚により構成されてなる綿紡績糸であり、綿紡績糸の上撚がS撚とZ撚の1:1交互、あるいは2:2交互に配されてなることを特徴とする皮膚貼着用伸縮テープ基材である。
カバーファクター(CF)=T1/√S1+T2/√S2 ・・・(1)
〔上記式(1)において、T1、T2はそれぞれ経糸、緯糸の織密度(本/2.54cm)を、S1、S2はそれぞれ経糸、緯糸の繊度(英式綿番手)を意味する。〕
本発明によると、使用中の皮膚表面の動き(伸縮動作)に追随する柔軟性や締付感が強過ぎないソフトな伸縮性を有するとともに、使用後の焼却廃棄時に有害ガスを発生させることのない、地球環境に優しい皮膚貼着用伸縮テープの提供が可能となる。また、紫外線や熱による経年劣化(性能劣化)を受けやすい弾性繊維を用いていないので、長期間の保管にも耐え得る皮膚貼着用伸縮テープの提供が可能となる。
さらに、本発明において、経糸に用いる綿紡績糸として、下撚の綿式撚係数(K1)を3.0以上8.0以下で、かつ上撚の綿式撚係数(K2)を12.0以上22.0以下とすることにより、適度な伸縮性を維持しながら糸条の取扱性や工程通過性を向上させることができる。
また、経糸に用いる綿紡績糸の下撚と上撚の方向を実質的に逆にすることにより、市場の取扱性はさらに向上する。
また、経糸に用いる綿紡績糸として、総繊度を英式綿番手として5.5〜15.0の範囲にすることにより、柔軟性や曲げ変形追随性と、目付けと厚み(軽量性と薄さ)とをバランスさせることができる。
具体的には、織物は、温度20℃、相対湿度65%環境における単位面積当りの質量(目付)が120g/m以上250g/m以下、厚みが0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
本発明を、具体的に説明する。
本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材は、弾性繊維を含まず、自然界で得られる天然物である綿を95質量%以上含む織物から構成されている。そのため、弾性繊維を用いた場合に問題となる、環境中への長期間残存、紫外線や熱による性能低下(経年劣化)、燃焼時の有害ガスの発生が少なく、環境負荷が小さい。
また、本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材は、織物の経方向に伸長率60%以上、好ましくは80%以上の伸長特性を有する。なお、伸長率は、JIS L−1096B法(定荷重法)記載の方法に準拠して、測定・評価される。織物の経方向の伸長率を60%以上とすることにより、テーピング用途に好適な締付感が得られる。織物の経方向の伸長率の上限値は特に限定はされないが、弾性繊維を含まず、木綿(コットン)を95質量%以上含む織物であるため、100%がほぼ上限値になる。
本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材は、木綿(コットン)を95質量%以上含む織物である。綿以外の残りの5質量%以下の成分は、織物を製造する際あるいは加工する際に使用される、染料、各種助剤、撥水剤、離型剤などの添加剤である。なお、本発明において、伸縮テープ基材を皮膚に貼付するために用いる接着剤や粘着剤は、織物を構成する綿以外の残りの5質量%以下の成分には含めない。
染料は、反応染料、直接染料、バット染料、スレン染料など一般にセルロース系繊維の染色に用いられる公知の何れもが使用することができる。
皮膚貼着用伸縮テープ基材は、皮膚に接する面にアクリル系等の接着剤を塗布されて皮膚貼着用伸縮テープ(最終商品)となる。また、皮膚貼着用伸縮テープは、ほとんど長尺のロール状(巻物)の形態で販売されるため、一旦巻き取られた長尺の皮膚貼着用伸縮テープを使用時に巻き出す際に、皮膚貼着用伸縮テープ基材の片面に塗布した粘着剤が、他面の粘着剤を塗布していない表面に粘着し、剥離しにくくなる場合がある。
このような問題を防ぐために、伸縮テープ基材の表面、即ち皮膚に接する面と反対面を、シリコーン系や非シリコーン系の長鎖アルキルポリマー系、ポリオレフィン系、シェラック、弗素系、その他公知の撥水剤、離型剤で処理(塗布)しておくことが好ましい。
すなわち、本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材の粘着剤を塗布しない面に、撥水剤や離型剤で処理(塗布)することにより、伸縮テープの巻き出し時に、皮膚貼着面に塗布される粘着剤と適度に粘着され、適度に剥離することができる。
また、本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材を構成する織物は、カバーファクター(CF)が20以上35以下であり、好ましくは20以上30以下である。なお、カバーファクターは下記式(1)で示される特性値である。
カバーファクター(CF)=T1/√S1+T2/√S2 ・・・(1)
〔上記式(1)において、T1、T2はそれぞれ経糸、緯糸の織密度(本/2.54cm)を、S1、S2はそれぞれ経糸、緯糸の繊度(英式綿番手)を意味する。〕
織物のカバーファクター(CF)が20よりも小さい場合、織物の目開きが大きく、皮膚面の蒸れ感が軽減されるが、表面に処理(塗布)する撥水剤や離型剤が裏面(皮膚側面)まで浸透しやすくなる。そのため、皮膚貼着用伸縮テープ基材の皮膚側の面となる片面に接着剤あるいは粘着剤を塗布する際に、接着剤と基材との剥離強力が低下する。さらに、伸縮性が弱くなり、メヨレも生じやすくなる。
一方、カバーファクター(CF)が35を超える場合、織組織が密となり、皮膚表面の動き(伸縮動作)に追随する適度な柔軟性を保持することが困難になり、地厚で粗硬な風合いの織物となる。さらに、通気性も低くなるため、皮膚表面からの発汗や不感蒸泄による蒸れが感じられ、皮膚貼着用伸縮テープ基材としては好ましくない。
本発明の織物からなる皮膚貼着用伸縮テープ基材は、経糸に用いる綿紡績糸が、双糸撚、あるいは3子撚によって構成される。双糸撚、3子撚の場合、下撚と上撚の撚方向は、同方向、逆方向のいずれでもよい。しかしながら、得られた糸条の取扱性を考慮すると、下撚と上撚は逆方向の組合せ、即ち、下撚がZ撚なら上撚はS撚の構成とすることが好ましい。また、必要に応じて、任意の工程で高温キアーセットや施糊等による撚糸トルクの仮留め、糸条の収束性を向上させる方法を採用することが可能である。
本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材において、伸縮性を与える方向の糸、即ち経糸に綿強撚糸を用いると、撚糸トルク(解撚トルク)による生地カーリングや楊柳シボ、皺が生じ易い。そのため、織物の整経時には、逆トルク(例えばS撚にはZ撚、Z撚にはS撚)の糸を1:1あるいは2:2に配して、生じる撚糸トルク(解撚トルク)を互いに打消し合って、バランスさせることが好ましい。
本発明の場合、部分整経機を用いて、上撚S撚:上撚Z撚が1:1又は2:2の交互に配して経糸ビームを作成し、経糸ビームに適度の張力負荷を掛け、ビリ込みを抑制しつつ製織することが重要である。強撚糸を経糸に用いる場合は、取扱性を向上させるために、当該撚糸条に施糊しておくことも好ましい。また、高温キアーセットを施して、撚糸トルク(解撚トルク)の発現を仮セットしておくことも好ましい。
本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材は、公知の織機を用いて製織することができる。織機としては、例えば、エアージェットルーム、レピアルーム、プロジェクタイルルーム(グリッパールーム)、フライシャトルルームなどが挙げられる。特に、レピアルームやプロジェクタイルルーム(グリッパールーム)の機種が好ましい。レピアルームやプロジェクタイルルーム(グリッパールーム)は、開口・緯入時に緯糸をしっかりと把持して緯入操作を行うことができるため、織物巾方向の緯糸の撚り逃げ(インサート側に対してレシーヴ側の撚りが甘くなること)が少なくなり、性能や品位面でも好ましい。また、製織時の緯糸緩みが少ないので、手切れ性(鋏やカッターなどの治具を用いることなく、手で簡単に引裂けること)の向上も期待できる。
得られた織物は、精練・リラックス処理を施した後、染色加工を行うことができる。特に、精練・リラックス工程については、拡布型リラクサー(例えば、ニッセン社製のU字型ソフサーなど)を用い、生機を湿熱によって除々に(急激な湿熱処理を施すことなく)熱収縮させる方法を用いると、加工皺や目ヨレ、スナールなどを抑制することができる。また、精練・リラックス工程の前後で、毛焼き処理、過酸化水素あるいは次亜塩素酸ナトリウムなどによる綿漂白を行うことができる。
さらに、精練・リラックス処理後、染色工程前の任意の工程で、液体アンモニア処理あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物の水溶液によるマーセル化(マーセリゼーション)処理を、拡布、張力負荷状態で施すと、織物の伸縮性、外観品位、取扱性などの諸性能を向上させることができる。液体アンモニア処理あるいはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物水溶液によるマーセル化(マーセリゼーション)処理はパッドドライ法、パッドスチーム法など公知の方法で実施することができる。付与する張力は、目的とする伸縮性や取扱性を考慮し適宜選定すればよい。
染色工程についても、液流染色機、ウインス染色機、ジッカー染色機、気流染色機などを使用したバッチ染色の他、パッドスチーマーなどを用いた連続染色、又はコールドバッチによる染色法など公知の方法を用いることができる。精練・リラックス、染色加工の諸条件は、生地規格等に応じて、適宜、機種の選定、条件を選定すればよい。勿論、染料を使用しないで仕上げる生成(キナリ)仕上げも可能である。
また、乾熱ヒートセット、毛焼き処理も、染色工程の任意の工程で行うことができる。乾熱ヒートセットは、多段処理としてもよいし、任意の工程で複数回処理することも可能である。毛焼き処理は、公知のガス毛焼機を用いることができる。
経糸に用いる綿紡績糸の下撚の綿式撚係数(K1)は、3.0以上8.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは3.5以上7.0以下である。経糸に用いる綿紡績糸の下撚の綿式撚係数(K1)を3.0以上とすることにより、適度な伸縮性を保持することができる。一方、経糸に用いる綿紡績糸の下撚の綿式撚係数(K1)を8.0以下とすることにより、双糸撚りや3子撚りを行う際の取扱性や工程通過性が良好になる。
経糸に用いる綿紡績糸の下撚の綿式撚係数(K1)が3.0よりも小さすぎると、撚糸トルクが小さく取扱性が良いが、適度な伸縮性を保持することが困難になる。一方、綿紡績糸の下撚の綿式撚係数(K1)が8.0を著しく超える領域では、撚糸トルクが大きいため、双糸撚りや3子撚りの際に、スナールや捩れ、糸長差を生じさせ易くなり、取扱性や工程通過性が著しく悪化する。
また、経糸に用いる綿紡績糸の上撚の綿式撚係数(K2)は、12.0以上22.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは15.0以上20.0以下である。経糸に用いる綿紡績糸の上撚の綿式撚係数(K2)を12.0以上とすることにより、適度な伸縮性を与えることができる。一方、綿紡績糸の上撚の綿式撚係数(K2)を22.0以下とすることにより、得られた糸条の取扱性や工程通過性が良好になる。
経糸に用いる綿紡績糸の上撚の綿式撚係数(K2)が12.0よりも小さすぎると、適度な伸縮性を与えることが困難になる。一方、綿紡績糸の上撚の綿式撚係数(K2)が22.0を著しく超える範囲では、撚糸トルクが大きくなり過ぎ、スナールや捩れ、撚溜りによる断糸を誘発し易く、歩留まりが悪化するだけでなく、得られた糸条の取扱性や工程通過性も悪化する。
経糸に用いる綿紡績糸の総繊度は、柔軟性や曲げ変形追随性と、目付けと厚み(軽量性と薄さ)とをバランスさせる点から、英式綿番手で5.5〜15.0の範囲が好ましく、さらに好ましくは7.0〜15.0の範囲である。
経糸に用いる綿紡績糸の総繊度が英式綿番手で5.5未満の太繊度の場合、綿紡績糸が双糸撚あるいは3子撚であると、見掛け繊度(直径比)が同番手の紡績糸単糸に対して大きくなり、結果として織物自体の目付や厚みが大きくなる。そのため、柔軟性や曲げ変形追随性が低下しやすくなる。また、経糸に用いる綿紡績糸の総繊度が15.0より著しく大きい場合、織物の目付や厚みが小さくなり、柔軟性や曲げ変形追随性は良好なものとなるが、伸縮性が低下する。
また、緯糸の総繊度は、特に限定はないが、皮膚貼着用伸縮テープ基材としては英式綿番手で、5.0〜10.0の綿紡績糸を採用することができる。緯糸の紡績方法は特に限定されるものではなく、通常のリング精紡糸に用いる方法だけでなく、ローター精紡糸(オープンエンド精紡糸)、又はMJS(Murata Jet Spinner)やMVS(Murata Vortex Spinner)のような革新精紡糸に用いる方法を用いることも可能である。
本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材となる織物は、伸縮性と、柔軟性や曲げ変形追随性をバランスさせる点から、単位面積当りの質量(目付)が、温度20℃、相対湿度65%の環境下で120g/m以上250g/m以下が好ましく、さらに好ましくは150g/m以上230g/m以下である。目付が250g/mよりも大きすぎる場合、柔軟性や曲げ変形追随性が低下する。一方、目付が120g/mよりも小さすぎる場合、柔軟性や曲げ変形追随性は良好であるが、伸縮性が低下する。
また、皮膚貼着用伸縮テープ基材となる織物の厚みは、伸縮性や力学的強度と、柔軟性や曲げ変形追随性をバランスさせる点から、0.5mm以上2.0mm以下が好ましく、さらに好ましくは0.7mm以上1.5mm以下である。織物の厚みが0.5mmよりも薄過ぎる場合、柔軟性や曲げ変形追随性は良好であるが、伸縮性が低下する。さらに、生地自体が薄過ぎるため、力学的強度が不足し、皮膚貼着時に損傷(破れ)が生じ易くなる。一方、織物の厚みが2.0mmよりも厚すぎる場合、柔軟性や曲げ変形追随性が低下する。さらに、生地自体も厚いため、皮膚表面から剥離し易くなる。
本発明の皮膚貼着用伸縮テープ基材となる織物は、平織、綾織、斜文織に代表される三原組織、あるいはそれらを組み合わせてなる複合組織など、公知の織組織を採用することが可能である。例えば、平織を基本とする組織としては、平織、石目織、斜子織、あるいはその組合せ、変形組織が挙げられる。綾織では、2/1綾、3/1綾、2/2綾などの基本的な組織だけでなく、その他変化組織を用いることもできる。また、斜文織では、五枚朱子(4/1(3飛)、4/1(2飛))などが例示される。これらの織組織のなかでも、平織、石目織や斜子織など平織を基本組織とする変化組織が本発明では好ましい。
皮膚貼着用伸縮テープ基材は、上述の如く、製織、染色・整理加工を施した後、例えば、アクリル系粘着剤、ラテックス系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを各種コーティング法、グラビア法によって皮膚に接する面に塗布した後、適当な形状に切断されて皮膚貼着用伸縮テープとされる。必要に応じて粘着付与剤、架橋剤を添加し粘着特性を調整してもよい。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
明細書中に記載の特性値は、下記の条件、方法に基づき評価した。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。また、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
(伸長率)
1999年度版JIS L1096 8.14.1(B法:定荷重法)に記載の方法に準拠し、14.7N荷重時の伸長率を評価した。
(紡績糸の繊度)
1999年度版JIS L1095 9.4に記載の方法に準拠して、英式綿番手を評価した。
(紡績糸の撚数)
1999年度版JIS L1095 9.15.1(A法)に記載の方法に準拠して、上撚数(回/2.54cm)及び下撚数(回/2.54cm)を評価した。
(生地の厚み)
1999年度版JIS L1096 8.5.1に記載の方法に準拠して、ダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作所社製、商品名;ピーコック G型)を厚さ測定器として用い、生地の厚みを計測した。
(生地の目付)
1999年度版JIS L1096 8.4.2に記載の方法に準拠して、生地の目付(g/m)を評価した。
(実施例1)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て、綿式撚係数K1が4.5、英式綿番手が25.0番手の単糸をそれぞれS撚糸とZ撚糸の2種類作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚糸を2本、Z撚糸を2本それぞれ組み合わせて、合撚方向がZ撚、S撚になるように(それぞれ、上撚の逆方向の撚り方向となるように)合撚機で合撚した。次いで、ダブルツイスターでさらに撚糸を加えて、上撚の綿式撚係数K2が19.5となるように撚糸した。その後、105℃条件で60分のキアーセットを実施し、下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の双糸撚から構成された紡績糸の糸条を得た。得られた双糸撚から構成された紡績糸の糸条の繊度は、英式綿番手で8.5番手相当であった。
得られた下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の紡績糸の双糸撚糸条を、それぞれ2:2交互の構成になるように、部分整経機を用いて整経し、ウィーバースビームを得た。その後、レピアルームに仕掛け、緯糸として米綿を使用原綿とするローター精紡糸(英式綿番手8.0番手)を用い、平織組織にて生機密度が経42本/2.54cm×緯24本/2.54cmとなるように設定し織物生機を得た。得られた生機のカバーファクター(CF)は22.9である。
得られた生機を、ガス毛焼機を用いて、生機表裏両面を毛焼処理した。次いで、ニッセン社製ソフサーを用い、前浴浴温60℃、処理浴(本浴)浴温90℃の条件、拡布状態で水流ビーティングさせながら精練処理した。さらに、次亜塩素酸ナトリウム水溶液による漂白処理、水酸化ナトリウム水溶液によるマーセル化処理を、連続して拡布状態で実施した。次いで、湯洗及び水洗後、表面温度120℃のシリンダーロール及びチャンバー内の雰囲気温度が180℃であるショートループドライヤーによって乾燥処理を施した。次いで、チャンバー内の雰囲気温度が190℃に設定されたヒートセッターを用いて、布目矯正及び幅出しを実施(中間セット)した。
次いで、連続拡布型染色機であるパッドスチーム染色機を用いて、反応染料による染色を実施し、余分な染料を充分に洗浄除去し表面温度が120℃のシリンダーロールで乾燥させた。その後、織物の表面に当たる面(片面)を、キスロールコーター用いてシリコーン系撥水剤処理した。さらに、チャンバー内の雰囲気温度が170℃に設定されたヒートセッターを用いて布目矯正及び熱セットを実施(最終セット)しロール状にバッチアップした。次いで、サンフォライズ機でさらに経方向に押し込み、皮膚貼着用伸縮テープ基材を得た。得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材の特性値を表1にまとめた。
得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材は、適度な伸縮性、柔軟性を有し、取扱性も何ら問題なく、プラスターやテーピング用テープとして好ましい性能を有するものに仕上がった。
(実施例2)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て、綿式撚係数K1が5.5、英式綿番手が36.0番手の単糸をそれぞれS撚糸とZ撚糸の2種類作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚糸を3本、Z撚糸を3本それぞれ組み合わせて3本合撚方向がZ撚、S撚になるように(それぞれ、上撚の逆方向の撚り方向となるように)合撚機で3本合撚した。次いで、ダブルツイスターでさらに撚糸を加えて、上撚の綿式撚係数K2が15.0となるように撚糸した。その後、105℃条件で60分のキアーセットを実施し、下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の3子撚から構成された紡績糸の糸条を得た。得られた3子撚から構成された紡績糸の糸条の繊度は、英式綿番手で10.0番手相当であった。
得られた下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の紡績糸からなる3子撚糸条を、それぞれ1:1交互の構成になるように、部分整経機を用いて整経し、ウィーバースビームを得た。その後、レピアルームに仕掛け、緯糸として米綿を使用原綿とするローター精紡糸(英式綿番手8.0番手)を用い、平織組織にて生機密度が経44本/2.54cm×緯24本/2.54cmとなるように設定し、織物生機を得た。得られた生機のカバーファクター(CF)は22.4である。
以降の工程は実施例1同様の方法で実施し、皮膚貼着用伸縮テープ基材を得た。得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材の特性値を表1にまとめた。
得られた伸縮テープ基材は、適度な伸縮性、柔軟性を有し、取扱性も何ら問題なく、プラスターやテーピング用テープとして好ましい性能を有するものに仕上がった。
(実施例3)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て、綿式撚係数K1が4.5、英式綿番手が25.0番手の単糸をそれぞれS撚糸とZ撚糸の2種類作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚糸を2本、Z撚糸を2本それぞれ組み合わせて、合撚方向がZ撚、S撚になるように(それぞれ、上撚の逆方向の撚り方向となるように)、合撚機で合撚した。次いで、ダブルツイスターでさらに撚糸を加えて、上撚の綿式撚係数K2が19.5となるように撚糸した。その後、105℃条件で60分のキアーセットを実施し、下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の双糸撚から構成された紡績糸の糸条を得た。得られた紡績糸双糸撚糸条の繊度は英式綿番手で8.5番手相当であった。
得られた下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の双糸撚から構成された紡績糸の糸条を、それぞれ2:2交互の構成になるよう部分整経機を用いて整経し、ウィーバースビームを得た。その後、レピアルームに仕掛け、緯糸として米綿を使用原綿とするローター精紡糸(英式綿番手8.0番手)を用い、平織組織にて生機密度が経48本/2.54cm×緯28本/2.54cmとなるように設定し、織物生機を得た。得られた生機のカバーファクター(CF)は26.4である。
以降の工程は、実施例1同様の方法で実施し、皮膚貼着用伸縮テープ基材を得た。得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材の特性値を表1にまとめた。
得られた伸縮テープ基材は、充分な伸縮性、柔軟性を有し、取扱性も何ら問題なく、プラスターやテーピング用テープとして好ましい性能を有するものに仕上がった。
(実施例4)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て綿式撚係数K1が4.5、英式綿番手が25.0番手の単糸を、それぞれS撚糸とZ撚糸の2種類作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚糸を2本、Z撚糸を2本それぞれ組み合わせて、合撚方向がZ撚、S撚になるように(それぞれ、上撚の逆方向の撚り方向となるように)合撚機で合撚した。次いで、ダブルツイスターでさらに撚糸を加えて、上撚の綿式撚係数K2が19.5となるように撚糸した。その後、105℃条件で60分のキアーセットを実施し、下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の双糸撚から構成された紡績糸の糸条を得た。得られた双糸撚から構成された紡績糸の糸条の繊度は、英式綿番手で8.5番手相当であった。
得られた下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の紡績糸双糸撚糸条をそれぞれ2:2交互の構成になるよう部分整経機を用いて整経しウィーバースビームを得た後、レピアルームに仕掛け、緯糸として米綿を使用原綿とするローター精紡糸(英式綿番手8.0番手)を用い、平織組織にて生機密度が経40本/2.54cm×緯20本/2.54cmとなるように設定し織物生機を得た。得られた生機のカバーファクター(CF)は20.8である。
以降の工程は実施例1同様の方法で実施し、皮膚貼着用伸縮テープ基材を得た。得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材の特性値を表1にまとめた。
得られた伸縮テープ基材は、ソフトな伸縮性、柔軟性を有し、取扱性も何ら問題なく、プラスターやテーピング用テープとして好ましい性能を有するものに仕上がった。
(実施例5)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て、綿式撚係数K1が7.0、英式綿番手が24.0番手の単糸を、それぞれS撚糸とZ撚糸の2種類作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚糸を2本、Z撚糸を2本それぞれ組み合わせて、合撚方向がZ撚、S撚になるように(それぞれ、上撚の逆方向の撚り方向となるように)合撚機で合撚した。次いで、ダブルツイスターでさらに撚糸を加えて、上撚の綿式撚係数K2が20.0となるように撚糸した。その後、105℃条件で60分のキアーセットを実施し、下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の双糸撚から構成された紡績糸の糸条を得た。得られた双糸撚から構成された紡績糸の糸条の繊度は、英式綿番手で8.0番手相当であった。
得られた下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の双糸撚から構成された紡績糸の糸条を、それぞれ2:2交互の構成になるように、部分整経機を用いて整経し、ウィーバースビームを得た。その後、レピアルームに仕掛け、緯糸として米綿を使用原綿とするローター精紡糸(英式綿番手8.0番手)を用い、平織組織にて生機密度が経42本/2.54cm×緯24本/2.54cmとなるように設定し、織物生機を得た。得られた生機のカバーファクター(CF)は23.3である。
以降の工程は実施例1同様の方法で実施し、皮膚貼着用伸縮テープ基材を得た。得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材の特性値を表1にまとめた。
得られた伸縮テープ基材は、ソフトな伸縮性、柔軟性を有し、取扱性も問題なく、プラスターやテーピング用テープとして好ましい性能を有するものに仕上がった。
(比較例1)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て、綿式撚係数K1が4.5、英式綿番手が25.0番手の単糸を、それぞれS撚糸とZ撚糸の2種類作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚糸を2本、Z撚糸を2本それぞれ組み合わせて、合撚方向がZ撚、S撚になるように(それぞれ、上撚の逆方向の撚り方向となるように)合撚機で合撚した。次いで、ダブルツイスターでさらに撚糸を加えて、上撚の綿式撚係数K2が19.5となるように撚糸した。その後、105℃条件で60分のキアーセットを実施し、下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の紡績糸双糸撚糸条を得た。得られた双糸撚から構成された紡績糸の糸条の繊度は、英式綿番手で8.5番手相当であった。
得られた下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の双糸撚から構成された紡績糸の糸条を、それぞれ2:2交互の構成になるように、部分整経機を用いて整経し、ウィーバースビームを得た。その後、レピアルームに仕掛け、緯糸として米綿を使用原綿とするローター精紡糸(英式綿番手8.0番手)を用い、平織組織にて生機密度が経60本/2.54cm×緯40本/2.54cmとなるように設定し織物生機を得た。得られた生機のカバーファクター(CF)は34.7である。
以降の工程は実施例1同様の方法で実施し、皮膚貼着用伸縮テープ基材を得た。得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材の特性値を表1にまとめた。
得られた伸縮テープ基材は、伸縮性に乏しく、地厚で目付が重く、柔軟性に欠け、プラスターやテーピング用テープとして好ましくなかった。
(比較例2)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て、綿式撚係数K1が4.5、英式綿番手が25.0番手の単糸を、それぞれS撚糸とZ撚糸の2種類作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚糸を2本、Z撚糸を2本それぞれ組み合わせて、合撚方向がZ撚、S撚になるように(それぞれ、上撚の逆方向の撚り方向となるように)合撚機で合撚した。次いで、ダブルツイスターでさらに撚糸を加えて、上撚の綿式撚係数K2が19.5となるように撚糸した。その後、105℃条件で60分のキアーセットを実施し、下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の双糸撚から構成された紡績糸の糸条を得た。得られた双糸撚から構成された紡績糸の糸条の繊度は、英式綿番手で8.5番手相当であった。
得られた下撚S×上撚Z、下撚Z×上撚Sの2種類の双糸撚から構成された紡績糸の糸条を、それぞれ2:2交互の構成になるように、部分整経機を用いて整経し、ウィーバースビームを得た。その後、レピアルームに仕掛け、緯糸として米綿を使用原綿とするローター精紡糸(英式綿番手8.0番手)を用い、平織組織にて生機密度が経28本/2.54cm×緯18本/2.54cmとなるように設定し織物生機を得た。得られた生機のカバーファクター(CF)は16.0である。
以降の工程は実施例1同様の方法で実施し、皮膚貼着用伸縮テープ基材を得た。得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材の特性値を表1にまとめた。得られた伸縮テープ基材は伸縮性に乏しく、メヨレが生じ易いものに仕上がった他、織物表面に捩れやビリが突出し、外観品位が損なわれてしまい、プラスターやテーピング用テープとして好ましくなかった。
(比較例3)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て、綿式撚係数K1が4.5、英式綿番手が25.0番手の単糸(S撚糸)を作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚糸を2本組み合わせて、合撚方向がZ撚(上撚の逆方向の撚り方向となるように)合撚機で合撚した。次いで、ダブルツイスターでさらに撚糸を加えて、上撚の綿式撚係数K2が19.5となるように撚糸した。その後、105℃条件で60分のキアーセットを実施し、下撚S×上撚Zの双糸撚から構成された紡績糸の糸条を得た。得られた双糸撚から構成された紡績糸の糸条の繊度は、英式綿番手で8.5番手相当であった。
得られた下撚S×上撚Zの双糸撚から構成された紡績糸の糸条を、部分整経機を用いて整経し、ウィーバースビームを得た。その後、レピアルームに仕掛け、緯糸として米綿を使用原綿とするローター精紡糸(英式綿番手8.0番手)を用い、平織組織にて生機密度が経42本/2.54cm×緯24本/2.54cmとなるように設定し、織物生機を得た。得られた生機のカバーファクター(CF)は22.9である。
以降の工程は実施例1同様の方法で実施し、皮膚貼着用伸縮テープ基材を得た。得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材の特性値を表1にまとめた。
得られた伸縮テープ基材は、染色工程で既にロール状にカールしてしまい、取扱性が極端に悪いものであり、プラスターやテーピング用テープとして好ましくなかった。
(比較例4)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て、綿式撚係数K1が7.5、英式綿番手が10.0番手の単糸をそれぞれS撚糸とZ撚糸の2種類作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚、Z撚の紡績糸撚糸条を、それぞれ2:2交互の構成になるように、部分整経機を用いて整経し、ウィーバースビームを得た。その後、レピアルームに仕掛け、緯糸として米綿を使用原綿とするローター精紡糸(英式綿番手8.0番手)を用い、平織組織にて生機密度が経45本/2.54cm×緯24本/2.54cmとなるように設定し、織物生機を得た。得られた生機のカバーファクター(CF)は22.7である。
以降の工程は実施例1同様の方法で実施し、皮膚貼着用伸縮テープ基材を得た。得られた皮膚貼着用伸縮テープ基材の特性値を表1にまとめた。
得られた伸縮テープ基材は、柔軟性は良好であるものの、伸縮性が不足し、生地表面には捩れやスナール、ビリが生じるなど外観品位が悪く、プラスターやテーピング用テープとして好ましくなかった。
(参考例1)
エジプト綿を使用原綿として用い、公知の混打綿、梳綿、練篠、粗紡、精紡(リング精紡)工程を経て、綿式撚係数K1が4.5、英式綿番手が25.0番手の単糸をそれぞれS撚糸とZ撚糸の2種類作成し、95℃条件で40分のキアーセットを実施した。その後、得られたS撚糸を2本、Z撚糸を2本それぞれ組み合わせて、合撚方向がS撚、Z撚になるように(それぞれ、上撚の同方向の撚り方向となるように)合撚機で合撚した。次いで、ダブルツイスターでさらに撚糸を加えて、上撚の綿式撚係数K2が15.0となるように撚糸条件を設定した。得られた双糸撚から構成された紡績糸の糸条の繊度は、英式綿番手で8.0番手相当であった。しかしながら、撚糸トルクが大きくなり過ぎ、撚糸時の糸切れが多発し、さらにビリやスナール、捩れといった不具合が多発した。そこで、105℃の条件で60分のキアーセットを実施したが、撚糸トルクが大きく、取扱性に支障があった。そのため、次工程である織物整経への投入には至らなかった。
Figure 2009268482
本発明に係る皮膚貼着用伸縮テープ基材は、皮膚にしっかりと貼着され、使用中に緩むことのない固定性能と皮膚表面の動き(伸縮動作)に追随する柔軟性と締め付け過ぎない適度な伸縮性を兼ね備え、さらに環境負荷の大きい弾性繊維を用いていないため、医療分野やスポーツ分野において用いられる皮膚貼着用伸縮テープとして、環境負荷の小さい基材として有用である。

Claims (5)

  1. 定荷重法(JIS L−1096B法)による伸長率が、経方向で60%以上である織物からなる皮膚貼着用伸縮テープ基材であって、
    織物は、綿を95質量%以上含み、かつ弾性繊維を含まず、下記(1)式に示す織物のカバーファクター(CF)が20以上35以下であり、
    織物を構成する経糸は、双糸撚(上撚)あるいは3子撚により構成されてなる綿紡績糸であり、綿紡績糸の上撚がS撚とZ撚の1:1交互、あるいは2:2交互に配されてなることを特徴とする皮膚貼着用伸縮テープ基材。
    カバーファクター(CF)=T1/√S1+T2/√S2 ・・・(1)
    〔上記式(1)において、T1、T2はそれぞれ経糸、緯糸の織密度(本/2.54cm)を、S1、S2はそれぞれ経糸、緯糸の繊度(英式綿番手)を意味する。〕
  2. 経糸に用いる綿紡績糸は、下撚(単糸撚)の綿式撚係数(K1)が3.0以上8.0以下で、かつ上撚の綿式撚係数(K2)が12.0以上22.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚貼着用伸縮テープ基材。
    綿式撚係数(K)=Tw/√S3 ・・・(2)
    〔但し、Twは撚数(回/2.54cm)、S3は紡績糸繊度(英式綿番手)をそれぞれ示すものである。〕
  3. 経糸に用いる綿紡績糸は、下撚と上撚の方向が実質的に逆であることを特徴とする請求項1または2に記載の皮膚貼着用伸縮テープ基材。
  4. 経糸に用いる綿紡績糸は、総繊度が、英式綿番手として5.5〜15.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚貼着用伸縮テープ基材。
  5. 織物は、温度20℃、相対湿度65%の環境下における単位面積当りの質量(目付)が120g/m以上250g/m以下、厚みが0.5mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚貼着用伸縮テープ基材。
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JP2012249755A (ja) * 2011-06-01 2012-12-20 Nichiban Co Ltd 静脈からの採血後の止血用自着包帯
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