JP2009267242A - 太陽光発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンス作業が容易な太陽光発電装置を実現する。
【解決手段】太陽光発電装置100は、支柱に交差する軸線CL1の周りを回転する一対のパネル102を支柱116の両側に有する。太陽光発電装置100はまた、減速ギアユニット108と補助ユニット118を備えている。減速ギアユニット108は、支柱116の一方側から支柱116に取り付けられており、出力部材にパネル102aが取り付けられている。補助ユニット118は、支柱116の他方側から支柱116に取り付けられており、回転部材にパネル102bが取り付けられている。補助ユニット118では、ケースが回転部材を支持している。減速ギアユニット108の出力部材と補助ユニット118回転部材は、支柱116に交差する軸線CL1に沿って同軸に配置されているとともに連結されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、支柱に交差する軸線の周りを回転する一対のパネルを支柱の両側に備える太陽光発電装置に関する。
特許文献1に、支柱に交差する軸線の周りを回転する一対のパネルを支柱の両側に備える太陽光発電装置が開示されている。一対のパネルは、支柱の両側に延びている1本のシャフトに固定されている。そのシャフトは、一対の軸受により支柱に支持されている。シャフトには、平歯車が固定されている。その平歯車は、減速装置の出力軸に固定されている平歯車と噛み合っている。減速装置の出力軸が回転するとシャフトが回転し、そのシャフトの回転に伴って、一対のパネルが支柱に交差する軸線の周りを回転する。一対のパネルを、1つの減速装置で同時に回転させることができる。
米国特許第4,574,659号明細書
特許文献1の太陽光発電装置では、支柱の両側に延びている1本のシャフトに一対のパネルが固定されている。太陽光発電装置では、太陽の動きを追尾してパネルを回転させるので、一対のパネルを同時に回転させる。すなわち、一対のパネルを1本のシャフトに固定することは、理にかなっている。ところで、太陽光発電装置は、定期的なメンテナンスが必要である。特に、シャフトや、シャフトと支柱の間に介在している一対の軸受は、過大な力がかかり易いので、メンテナンスの回数が多い。特許文献1の太陽光発電装置では、メンテナンスの度に、双方のパネルをシャフトから外す必要がある。メンテナンス作業が非常に煩わしい。
本発明は、上記の問題に対策するものであり、メンテナンス作業が容易な太陽光発電装置を実現する。
本発明の太陽光発電装置は、一方のパネルが取り付けられる減速ギアユニットと、他方のパネルが取り付けられる補助ユニットとを、支柱の両側から別々に取り付けることを特徴とする。そのため、太陽光発電装置をメンテナンスするときに、双方のパネルを外す必要がない。例えば、減速ギアユニットをメンテナンスするときに、補助ユニットと他方のパネルを外す必要がない。一方のパネルを支柱に取り付けたまま、他方のパネルを支持している部材、あるいはその部材を支持している軸受をメンテナンスすることができるので、メンテナンス作業が容易になる。なお、補助ユニットは、支柱に取り付けられるケースと、ケースに支持されている回転部材を備えている。そして、その回転部材が減速ギアユニットの出力部材と同軸に配置されているとともに連結されているので、減速ギアユニットの出力部材が回転すると、一対のパネルが同時に回転する。一対のパネルを、1つの減速ギアユニットで回転させることができる。
なお、本明細書でいう「パネル」とは、表面に複数の太陽電池を備えているものの他、表面に反射鏡を備えているものも含む。また、「太陽の動きを追尾する」とは、パネルが太陽に直交する姿勢を保つように回転することの他、パネルで反射された光が一箇所に集光されるようにパネルが回転することも含む。すなわち、本明細書でいう「太陽光発電装置」とは、パネルに取り付けられた太陽電池で発電する形態の他に、パネル(反射鏡)で反射された光を利用して発電する形態も含む。
本発明の太陽光発電装置は、支柱に交差する軸線の周りを回転する一対のパネルを支柱の両側に備える。一方のパネルは減速ギアユニットの出力部材に取り付けられている。その減速ギアユニットが、支柱の一方側から支柱に取り付けられている。減速ギアユニットの出力部材は、一対の軸受によって減速ギアユニットのケースに支持されている。他方のパネルは補助ユニットの回転部材に取り付けられている。その補助ユニットが、支柱の他方側から支柱に取り付けられている。補助ユニットの回転部材は、一対の軸受によって補助ユニットのケースに支持されている。なお、「他方側」とは、支柱を挟んで、支柱の「一方側」の反対側のことを意味する。
減速ギアユニットの出力部材と補助ユニットの回転部材は、支柱に交差する軸線に沿って同軸に配置されているとともに連結されている。そのため、減速ギアユニットと補助ユニットが別々に支柱に取り付けられているにも係わらず、一対のパネルを同時に回転させることができる。
この太陽光発電装置では、一方のパネルを取り付けている出力部材と他方のパネルを取り付けている回転部材の夫々が、軸受を介して支柱に支持されている。したがって、出力部材と回転部材の一方を支柱に残したまま、他方を外すことができるので、メンテナンス作業が容易である。
上記したように、本発明の太陽光発電装置では、減速ギアユニットの出力部材と補助ユニットの回転部材が連結されている。そのため、1つの減速ギアユニットで、一対のパネルを同時に回転させることができる。しかしながら、1つの減速ギアユニットだけでは、一対のパネルを回転させるだけのトルクが得られなくなる場合がある。例えば、当初のパネルのサイズよりも大型のパネルに取り替えることがある。その場合、減速ギアユニットと補助ユニットの双方を交換すると、コストが増大する。補助ユニットを新たな減速ギアユニットに改造すれば、コストの増大を抑えながら、大きなトルクを得ることができる。2つの減速ギアユニットの夫々で2つのパネルを回転させるので、結果として大きなトルクで一対のパネルを回転させることができる。そこで本発明の太陽光発電装置では、補助ユニットが新たな減速ギアユニットに容易に交換できることが好ましい。すなわち、本発明の太陽光発電装置は、出力部材と回転部材が連結部材を介して連結されているとともに、減速ギアユニットのケースと補助ユニットのケースが同一形状であり、さらに、減速装置の出力部材と補助ユニットの回転部材が同一形状であることが好ましい。そのように構成することで、太陽光発電装置の部品の種類を少なくすることができる。また、補助ユニットを、既に取り付けられている減速ギアユニットと同一の減速ギアユニットに置き換えることができる。
太陽の軌道は季節変動する。そのため、一対のパネルを支柱に交差する軸線の周りを回転させるだけでは、一対のパネルが充分に太陽を追尾することができない。そのため、減速ギアユニットと補助ユニットを支柱に沿って延びる軸線の周りに回転させる別の減速ギアユニットをさらに備えていることが好ましい。
本発明によると、メンテナンス作業が容易な太陽光発電装置を提供することができる。
以下に説明する実施例の特徴を列挙する。
(第1特徴)減速ギアユニットの出力部材に第1連結部材が固定されており、補助ユニットの回転部材に第2連結部材が固定されている。第1連結部材と第2連結部材は、径方向にわずかな隙間を空けてスプライン結合しており、両者は軸線方向に移動することができるとともに、径方向にわずかにずれることが許容されている。
(第2特徴)第2減速ギアユニットに、自身の軸線に沿って貫通孔が形成されている。
(第1実施例)
図1は、太陽光発電装置100の側面図を示す。図2は、太陽光発電装置100の背面図を示す。図3は、図1のIII−III線に沿った断面図を示す。
図1、図2に示すように、太陽光発電装置100は、支柱116と一対のパネル102(パネル102aとパネル102b)を備えている。図2では、パネル102の中間部分の図示を省略している。一対のパネル102は、支柱116の両側に配置されており、軸線CL1の周りを回転する。軸線CL1は、支柱116に交差している。より正確にいうと、軸線CL1は、支柱116に直交している。一方のパネル102aは、固定部材106によってシャフト110aに固定されている。シャフト110aは、第1減速ギアユニット108の出力部材に取り付けられている。他方のパネル102bは、固定部材106によってシャフト110bに固定されている。シャフト110bは、補助ユニット118の回転部材に取り付けられている。第1減速ギアユニット108と補助ユニット118の詳細については後述する。
第1減速ギアユニット108と補助ユニット118は、支柱先端部材112(支柱116の一部)に取り付けられている。第1減速ギアユニット108は支柱先端部材112の一方側から支柱先端部材112に取り付けられており、補助ユニット118は支柱先端部材112の他方側(支柱116を挟んで第1減速ギアユニット108の反対側)から支柱先端部材112に取り付けられている。詳細は後述するが、第1減速ギアユニット108の出力部材と補助ユニット118の回転部材は連結されている。そのため、第1減速ギアユニット108の出力部材が回転すると、パネル102aとパネル102bが軸線CL1の周りを回転する。
支柱先端部材112は、第2減速ギアユニット114の出力部材に取り付けられている。そして、第2減速ギアユニット114のケース44が、支柱中間部材115を介して支柱116に取り付けられている(図3も参照)。第2減速ギアユニット114の詳細についても後述する。第2減速ギアユニット114は、支柱先端部材112を支柱116に沿って延びている軸線CL2の周りに回転させる。すなわち、第2減速ギアユニット114が、第1減速ギアユニット108と補助ユニット118を、支柱116の軸線CL2の周りに回転させる。その結果、一対のパネル102は、支柱116に対して、軸線CL1と軸線CL2の2軸の周りに回転する。一対のパネル102は、太陽の軌道が季節変動しても、太陽の動きをよく追尾することができる。一対のパネル102の表面104には、複数の太陽電池(図示省略)が配置されている。その太陽電池を、常に太陽に直交させることができる。
図3を参照し、第1減速ギアユニット108と補助ユニット118について説明する。なお、図3では、シャフト110a、110bの図示を省略している。まず、第1減速ギアユニット108について説明する。
本実施例の第1減速ギアユニット108は、偏心揺動型の減速装置である。すなわち、第1減速ギアユニット108は、後述する外歯歯車12と内歯歯車の歯数差を利用して、モータ5のトルクを増大させる。なお、太陽光発電装置100では、第1減速ギアユニット108とモータ5の間に前段第1減速ギアユニット108aが配置されており、モータ5のトルクを増大して第1減速ギアユニット108に伝達する。モータ5のトルクが前段第1減速ギアユニット108aと第1減速ギアユニット108によって増大されるので、小さなモータ5で大きなパネル102(図2を参照)を回転させることができる。なお、第1減速ギアユニット108と前段第1減速ギアユニット108aの構造がほぼ同じであるため、第1減速ギアユニット108の構造のみを説明し、前段第1減速ギアユニット108aの構造については説明を省略する。
第1減速ギアユニット108は、内歯歯車が形成されているケース32とキャリア(出力部材)24を備えている。内歯歯車は、複数の内歯ピン28がケース32の内周に一巡して配置されることによって形成されている。キャリア24は、一対のアンギュラ玉軸受30によってケース32に支持されており、内歯歯車の軸線CL1と同軸に配置されている。また、キャリア24は、クランクシャフト18と外歯歯車12を備えている。
クランクシャフト18は、一対の円筒ころ軸受16によってキャリア24に支持されており、内歯歯車の軸線CL1に沿って配置されている。なお、クランクシャフト18は、軸線CL1からオフセットした位置に配置されている。クランクシャフト18の中間部に偏心体20が固定されており、端部に入力歯車14が固定されている。前段第1減速ギアユニット108aの出力歯車6と第1減速ギアユニット108の入力歯車14の間に、リング歯車10が配置されている。リング歯車10は、一対の深溝玉軸受8によって支柱先端部材112に支持されている。リング歯車10には2つの内歯歯車10a、10bが形成されている。出力歯車6が内歯歯車10aに噛み合っており、入力歯車14が内歯歯車10bに噛み合っている。そのため、前段第1減速ギアユニット108aで増大されたモータ5のトルクが、リング歯車10を介して入力歯車14に伝達される。
なお、図示は省略するが、第1減速ギアユニット108は複数のクランクシャフト18を備えている。複数のクランクシャフト18に固定されている入力歯車14の夫々が、リング歯車10の内歯歯車10bに噛み合っている。クランクシャフト18が回転すると、偏心体20がクランクシャフト18の軸線の周りを偏心回転する。
外歯歯車12は、内歯歯車(内歯ピン28)に噛み合っており、偏心体20に係合している。そのため、クランクシャフト18が回転すると、外歯歯車12が、内歯歯車の軸線CL1の周りを偏心回転する。外歯歯車12の歯数は内歯歯車の歯数(内歯ピン28の数)よりも少ないので、外歯歯車12が内歯歯車の軸線CL1の周りを偏心回転すると、外歯歯車12が、内歯歯車(ケース32)に対して相対的に回転する。なお、外歯歯車12には貫通孔26が形成されており、その貫通孔26にキャリア24の柱状部22が遊嵌している。そのため、キャリア24と外歯歯車12は相対的に回転しない。すなわち、クランクシャフト18が回転すると、キャリア24がケース32に対して相対的に回転する。ケース32は、支柱先端部材112に固定されている。そのため、クランクシャフト18が回転すると、キャリア24が支柱先端部材112に対して、軸線CL1の周りを回転する。キャリア24は、第1減速ギアユニット108の出力部材ということができる。
補助ユニット118について説明する。補助ユニット118は、ケース48とキャリア52を備えている。ケース48は、支柱先端部材112に固定されている。キャリア52は、一対のアンギュラ玉軸受50によってケース48に支持されている。第1減速ギアユニット108のケース32と、補助ユニット118のケース48は同一形状である。また、第1減速ギアユニット108のキャリア(出力部材)24と、補助ユニット118のキャリア(回転部材)52は同一形状である。なお、図3では、キャリア52の符号52aを付した部分が、キャリア24と異なる形状に描かれている。これは、キャリア52がケース48に支持されていることを図示するために、符号52aを付した部分では、キャリア52の異なる断面を示しているからである。実際には、キャリア52の符号52aを付した部分は、クランクシャフトを収容するための空間が形成されている。
第1減速ギアユニット108のキャリア24に、第1連結部材4が固定されている。また、補助ユニット118のキャリア52に、第2連結部材2が固定されている。第1連結部材4と第2連結部材2はスプライン結合している。そのため、キャリア24とキャリア52は、軸線CL1の周りに一体に回転する。その結果、パネル102aとパネル102bが同時に回転する。第2連結部材2にはシールキャップ56が取り付けられている。シールキャップ56は、補助ユニット118内のオイルが補助ユニット118外に漏れることを防止している。
上記したように、第1減速ギアユニット108では、キャリア(出力部材)24が、一対のアンギュラ玉軸受30によってケース32に支持されている。また、補助ユニット118でも、キャリア(回転部材)52が、一対のアンギュラ玉軸受50によってケース48に支持されている。そのため、パネル102aを含む第1減速ギアユニット108を支柱116(支柱先端部材112)に組み付けたまま、補助ユニット118を外すことができる。同様に、パネル102bを含む補助ユニット118を支柱116に組み付けたまま、第1減速ギアユニット108を外すことができる。両方のパネル102a、102bを外すことなく、第1減速ギアユニット108又は補助ユニット118のメンテナンスをすることができる。太陽光発電装置100は、メンテナンスが容易である。
なお、補助ユニット118を外す場合は、モータ5をサーボロックさせることにより、パネル102aが回転することを規制する。また、第1減速ギアユニット108を外す場合は、支柱先端部材112と第2連結部材2を図示しない部材で固定することにより、パネル102bが回転することを規制する。あるいは、地面に設置したストッパー等でパネル102bを固定することにより、パネル102bが回転することを規制することもできる。メンテナンスの際にパネル102a、102bの回転を規制することにより、メンテナンス作業を安全に行うことができる。
第1連結部材4と第2連結部材2は、径方向にわずかな隙間を空けてスプライン結合している。すなわち、第1連結部材4と第2連結部材2は、径方向にわずかにずれることが許容されている。このため、一対のアンギュラ玉軸受30によって支持されているキャリア24の軸線と、一対のアンギュラ玉軸受50によって支持されているキャリア52の軸線がわずかにずれても、連結された両者の円滑な回転が保証される。
第2減速ギアユニット114について説明する。第2減速ギアユニット114の基本的な構造は、第1減速ギアユニット108と同一である。ここでは、第1減速ギアユニット108と異なる構成についてのみ説明する。
ケース44が、支柱116に固定されている支柱中間部材115を介して、支柱116に固定されている。支柱中間部材115は、支柱116の一部とみなすことができる。そして、キャリア42が、支柱先端部材112に固定されている。また、上記したように、第1減速ギアユニット108のケース32と補助ユニット118のケース48も支柱先端部材112に固定されている。そのため、キャリア42がケース44に対して回転すると、第1減速ギアユニット108と補助ユニット118が、支柱116の軸線CL2の周りに回転する。換言すると、第2減速ギアユニット114が、一対のパネル102を軸線CL2の周りに回転させる。
第2減速ギアユニット114でも、モータ54のトルクが、前段第2減速ギアユニット114aで増大されて入力歯車36に伝達される。後述するが、第2減速ギアユニット114も複数のクランクシャフト38を備えており、複数のクランクシャフト38に固定されている入力歯車36の夫々に、モータ54のトルクが伝達される。但し、第2減速ギアユニットでは中継歯車34を介して、入力歯車36にモータ54のトルクが伝達される。
第2減速ギアユニット114には、軸線CL2方向に沿って貫通孔114hが形成されている。また、支柱先端部材112にも、軸線CL2に沿って貫通孔112hが形成されている。貫通孔114h、112hの内側に、筒状部材40が配置されている。筒状部材40と支柱116(支柱中間部材115)は固定されているので、キャリア42がケース44(支柱116)に対して回転しても、筒状部材40は支柱116に対して回転しない。モータ5、54の配線を、筒状部材40を通過させて支柱116内に収容することができる。なお、筒状部材40と貫通孔112hの隙間にオイルシール33が配置されており、第2減速ギアユニット114内のオイルが第2減速ギアユニット114外に漏れることを防止している。
モータ54と前段第2減速ギアユニット114aは、軸線CL2からオフセットした位置に配置されている。すなわち、図3は、モータ54と前段第2減速ギアユニット114aの外観を示している。
図4に、図3のIV−IV線に沿った断面図を示している。また、図5に、図4のV−V線に沿った断面図を示している。
図4に示すように、前段第2減速ギアユニット114aとモータ54は、軸線CL2からオフセットした位置に配置されている。そして、図5に示すように、軸線CL2からオフセットした位置で、前段第2減速ギアユニット114aの出力歯車58が入力歯車36の1つに噛み合っている。第2減速ギアユニット114は3つの入力歯車36を備えており、全ての入力歯車36が中継歯車34に噛み合っている。前段第2減速ギアユニット114aで増大されたモータ54のトルクは、1つの入力歯車36に直接伝達され、他の入力歯車36には中継歯車34を介して伝達される。モータ54のトルクを3つの入力歯車36にバランスよく伝達するためには、出力歯車58を中継歯車34に噛み合わせ、全ての入力歯車36を中継歯車34に噛み合わせた方がよい。しかしながら、本実施例の太陽光発電装置100では、敢えて出力歯車58を中継歯車34に噛み合わせる構造を採用していない。以下にその理由を説明する。
上記したように、第2減速ギアユニット114に貫通孔114hが形成されており、支柱先端部材112に貫通孔112hが形成されている。そして、貫通孔114h、112hの内側に、筒状部材40が配置されている。筒状部材40内に多くの配線等を通過させるためには、筒状部材40の内径が大きいことが好ましい。すなわち、貫通孔114h、112hの径が大きいことが好ましい。換言すると、軸線CL2と、モータ54と前段第2減速ギアユニット114aのオフセット距離が大きいことが好ましい。出力歯車58を入力歯車36の1つに噛み合わせれば、出力歯車58を中継歯車34に噛み合わせるよりも上記オフセット距離を大きくすることができる。太陽光発電装置100では、貫通孔114h、112hの径を大きく確保するために、出力歯車58を入力歯車36の1つに噛み合わせている。
太陽光発電装置100の他の特徴について説明する。
上記したように、第1減速ギアユニット108のケース32と補助ユニット118のケース48が同一形状である。また、第1減速ギアユニット108のキャリア24と補助ユニット118のキャリア52が同一形状である。そのため、太陽光発電装置100を製造するための部品の種類を少なくすることができる。
また、パネル102aとパネル102bを別々の減速ギアユニットで回転させるときに、ケース48とキャリア52を利用して、補助ユニット118を、第1減速ギアユニット108と同じ形状の新たな減速ギアユニットに変更することができる。例えばパネル102a、102bのサイズを変更したことにより、第1減速ギアユニット108だけでは2つのパネル102a、102bを同時に回転させることができなくなることがある。その場合に、第1減速ギアユニット108を残したまま、別々の減速ギアユニットで2つのパネル102a、102bを回転させることができる。なお、図3の断面には表れていないが、支柱先端部材112には、新たな減速ギアユニット(変更された補助ユニット118)と新たなモータの間に前段減速ギアユニットを収容するための孔が形成されている。その孔は、前段第1減速ギアユニット108aを収容している孔と同じサイズであり、補助ユニット118を新たな減速ギアユニットに変更する前は、シールキャップ等で塞がれている。
パネル102aとパネル102bを別々の減速ギアユニット(第1減速ギアユニットと新たな減速ギアユニット)で回転させる場合、キャリア24とキャリア52を連結しない。太陽光発電装置100では、連結部材2、4を介してキャリア24とキャリア52が接続されているので、必要に応じてキャリア24とキャリア52を分離することができる。例えば、第2連結部材2をキャリア52から外せば、キャリア24とキャリア52を分離することができる。この場合、第2連結部材2を外すことにより支柱先端部材112に残された孔は、シールキャップ等で塞げばよい。
なお、2つの減速ギアユニットの形状が同一であれば、双方のパネル102a、102bを機械的に連結しなくても、ほぼ同じ速度(トルク)で回転させることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
上記実施例の太陽光発電装置は、クランクシャフトを複数有する偏心揺動型の減速ギアユニットを採用した。クランクシャフトは、内歯歯車の軸線からオフセットしている。しかしながら、本発明の太陽光発電装置は、様々な形態の減速ギアユニットを採用することができる。例えば、本発明の太陽光発電装置は、クランクシャフトが内歯歯車の軸線と同軸に1つだけ配置されている偏心揺動型の減速ギアユニットを採用することができる。
また、本発明の太陽光発電装置は、楕円形の回転部材と、その回転部材の周りで回転部材の形状に合わせて変形する可撓性の外歯歯車と、その外歯歯車の歯数と異なる歯数を有しているとともに外歯歯車と噛み合っている内歯歯車とを備えており、外歯歯車と内歯歯車の歯数差を利用して減速するタイプの減速ギアユニットを採用することもできる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
太陽光発電装置の側面図を示す。 太陽光発電装置の背面図を示す。 図1のIII−III線に沿った断面図を示す。 図3のIV−IV線に沿った断面図を示す。 図4のV−V線に沿った断面図を示す。
符号の説明
2:第1連結部材
4:第2連結部材
24:キャリア(減速ギアユニットの出力部材)
32:減速ギアユニットのケース
48:補助ユニットのケース
52:キャリア(補助ユニットの回転部材)
100:太陽光発電装置
102:パネル
108:第1減速ギアユニット
112:支柱先端部材
114:第2減速ギアユニット
116:支柱
118:補助ユニット

Claims (3)

  1. 支柱に交差する軸線の周りを回転する一対のパネルを支柱の両側に有する太陽光発電装置であり、
    支柱の一方側から支柱に取り付けられており、出力部材に一方のパネルが取り付けられている減速ギアユニットと、
    支柱の他方側から支柱に取り付けられており、ケースが回転部材を支持しており、その回転部材に他方のパネルが取り付けられている補助ユニットと、を備えており、
    出力部材と回転部材が、支柱に交差する軸線に沿って同軸に配置されているとともに連結されていることを特徴とする太陽光発電装置。
  2. 出力部材と回転部材が連結部材を介して連結されており、
    減速ギアユニットのケースと補助ユニットのケースが同一形状であり、
    出力部材と回転部材が同一形状であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電装置。
  3. 減速ギアユニットと補助ユニットを支柱に沿って延びる軸線の周りに回転させる別の減速ギアユニットをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽光発電装置。
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