JP2009267231A - 窒化物半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】電子ブロック層の影響で発生した応力を緩和し、しきい電流を低下させ、かつ信頼性の低下を抑制できる窒化物半導体レーザを提供する。
【解決手段】n型クラッド層14と、n型クラッド層14上に配置されたn型GaN系ガイド層16と、n型GaN系ガイド層16上に配置された活性層18と、活性層18上に配置されたp型GaN系ガイド層22と、p型GaN系ガイド層22上に配置された電子ブロック層25と、電子ブロック層25上に配置された応力緩和層27と、応力緩和層27上に配置されたp型クラッド層26とを備える窒化物半導体レーザ20。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体レーザに関し、特に、電子ブロック層の影響で発生した応力を緩和し、かつ光分布に影響を与えない窒化物半導体素子に関する。
従来の窒化物半導体レーザにおいては、活性層への良好なキャリアの注入を行うために、電子ブロック層を、p型GaN系系ガイド層とp型クラッド層の界面に設ける構造や、活性層上のp型GaN系ガイド層中に設ける構造が開示されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
電子ブロック層を、p型GaN系ガイド層とp型クラッド層の界面に設ける構造を有する窒化物半導体レーザ60は、図10に示すように、GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10上に配置されたn型GaN系バッファ層12と、n型GaN系バッファ層12上に配置されたn型クラッド層14と、n型クラッド層14上に配置されたn型GaN系ガイド層16と、n型GaN系ガイド層16上に配置され、多重量子井戸((MQW:Multi-Quantum Well)構造を有する活性層18と、活性層18上に配置されたp型GaN系ガイド層22と、p型GaN系ガイド層22上に配置された電子ブロック層25と、電子ブロック層25上に配置されたp型クラッド層26と、p型クラッド層26上に配置されたp型GaN系コンタクト層28とを備える。
図10に示す従来の窒化物半導体レーザにおいては、アルミニウム(Al)組成の高い電子ブロック層25の影響で、図11に示すように、幅L4を有する電子ブロック層25のバンドギャップが大きくなり、幅L1を有するp型GaN系ガイド層22および活性層18に大きな圧縮応力が加わり、信頼性が低下する。
このp型AlGaN層からなる電子ブロック層25とp型GaN系ガイド層22の界面T1および電子ブロック層25とp型クラッド層26の界面T2には、格子不整合による応力が発生している。この応力がきっかけとなって、窒化物半導体レーザの駆動中に欠陥が発生し、窒化物半導体レーザの信頼性を低下させるという課題があった。
特開2002−223042号公報 特開2000−349397号公報
本発明者らは、n型クラッド層14、n型GaN系ガイド層16、活性層18、p型GaN系ガイド層22、電子ブロック層25と、電子ブロック層25上に配置されたp型クラッド層26からなる構造において、電子ブロック層25とp型クラッド層26の順に積層しているときに、電子ブロック層25とp型ガイド層22の界面T1、電子ブロック層25とp型クラッド層26の界面T2の内、界面T1がGaN/AlGaNなっているために、界面T1に応力が集中することが信頼性を低下させる原因と突き止めた。
このとき電子ブロック層25とp型クラッド層26の界面T2に応力緩和層27としてInxGa1-xN層(0≦x≦1)を挿入することにより電子ブロック層25に起因した応力を分散させることが効果的である。
本発明の目的は、電子ブロック層の影響で発生した応力を緩和し、しきい電流を低下させ、かつ信頼性の低下を抑制できる窒化物半導体レーザを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、n型クラッド層と、前記n型クラッド層上に配置されたn型GaN系ガイド層と、前記n型GaN系ガイド層上に配置された活性層と、前記活性層上に配置されたp型GaN系ガイド層と、前記p型GaN系ガイド層上に配置された電子ブロック層と、前記電子ブロック層上に配置された応力緩和層と、前記応力緩和層上に配置されたp型クラッド層とを備えることを特徴とする窒化物半導体が提供される。
本発明の他の態様によれば、n型クラッド層と、前記n型クラッド層上に配置されたn型GaN系ガイド層と、前記n型GaN系ガイド層上に配置された活性層と、前記活性層上に配置されたp型GaN系ガイド層と、前記p型GaN系ガイド層上に配置され、AlyGa1-yN層(0<y≦1)からなる電子ブロック層と、前記電子ブロック層上に配置されたp型クラッド層とを備え、前記電子ブロック層のAl組成比yは、前記p型GaN系ガイド層に接する界面から前記p型クラッド層に接する界面に移行するにしたがって、連続的に変化することを特徴とする窒化物半導体レーザが提供される。
本発明によれば、電子ブロック層の影響で発生した応力を緩和し、しきい電流を低下させ、かつ信頼性の低下を抑制できる窒化物半導体レーザを提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20は、図1の鳥瞰図に模式的に示すように、GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10上に配置されたn型GaN系バッファ層12と、n型GaN系バッファ層12上に配置されたn型クラッド層14と、n型クラッド層14上に配置されたn型GaN系ガイド層16と、n型GaN系ガイド層16上に配置された活性層18と、活性層18上に配置されたp型GaN系ガイド層22とを備える。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20は、p型GaN系ガイド層22上に
配置された電子ブロック層25と、電子ブロック層25上に配置された応力緩和層27と、応力緩和層27上に配置されたp型クラッド層26とを備える。
p型クラッド層26はパターニングされてエッチングにより除去され、図1に示すように、パターニングされたp型クラッド層26の一部は、レーザストライプ80に沿って、ストライプ状に配置される。さらにp型クラッド層26上には、レーザストライプ80に沿って、p型GaN系コンタクト層28が配置される。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20は、p型GaN系ガイド層22の平坦部および側壁部上およびp型GaN系コンタクト層28の側壁部上に配置された絶縁膜24を備える。絶縁膜24は、ストライプ状に配置されたp型GaN系コンタクト層28の上面において窓開けされている。この窓開けされた開口部において、p型GaN系コンタクト層28は、p側オーミック電極30と接触している。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20において、p側オーミック電極30は、ストライプ状に配置されたp型クラッド層26およびp型GaN系コンタクト層28の側壁部を絶縁膜24を介して被覆しており、レーザストライプ80に沿って、ストライプ状に配置されている。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20において、絶縁膜24上およびレーザストライプ80に沿って、ストライプ状に配置されるp側オーミック電極30上にはp側電極32が配置され、p側電極32が配置される面と対向する裏面側のGaN系半導体基板10上には、n側電極40が配置される。
n型GaN系半導体基板10と、n型GaN系半導体基板10上に配置されたn型GaN系バッファ層12と、n型GaN系バッファ層12上に配置されたn型クラッド層14と、n型クラッド層14上に配置されたn型GaN系ガイド層16と、n型GaN系ガイド層16上に配置された活性層18と、活性層18上に配置されたp型GaN系ガイド層22と、p型GaN系ガイド層22上に配置された電子ブロック層25と、電子ブロック層25上に配置された応力緩和層27と、応力緩和層27上に配置されたp型クラッド層26とを備える窒化物半導体レーザ20の構造に対応するエネルギーバンド構造は、図2に示すように表される。
(n型GaN系バッファ層)
n型GaN系バッファ層12は、例えばn型不純物としてシリコン(Si)がドープされたGaN層で形成され、厚さは、例えば、約2000nm程度以下である。
(n型クラッド層)
n型クラッド層14は、例えばn型不純物としてSiがドープされたAlwGa1-wN層(0≦w≦1)で形成される。Alの組成比wは、約0.05程度であり、厚さは、例えば、約1300nm程度である。なお、n型クラッド層14は超格子構造を備えていてもよい。
(n型GaN系ガイド層)
n型GaN系ガイド層16は、例えばn型不純物としてSiがドープされたGaN層で形成され、厚さL0は、例えば、約60nm程度である。
(活性層)
活性層18は、バリア層として、InzGa1-zN層(0≦z<1)、ウェル層としてInuGa1-uN層(0≦z<u≦1)を有するMQW構造からなる。バリア層を形成するInzGa1-zN層(0≦z<1)のInの組成比zは、例えば約0.01程度であり、厚さは、例えば約約7〜18nm程度、望ましくは、約16.5nm程度である。、一方ウェル層を形成するInuGa1-uN層(0≦z<u≦1)のInの組成比uは、例えば約0.07程度であり、厚さは、例えば約約2〜3nm程度、望ましくは、約2.8nm程度である。p型活性層18を構成するMQW構造のペア数は3以下であることがキャリアの閉じ込め効果を高める上では有効である。p型不純物としては、例えば、マグネシウム(Mg)がドープされている。
(p型GaN系ガイド層)
p型GaN系ガイド層22は、例えばp型不純物としてマグネシウム(Mg)がドープされたGaN層で形成され、厚さL1は、例えば、約30nm〜90nm程度である。なお、p型GaN系ガイド層22は、光ガイド層としての効果を備えていれば良く、p型GaN層の代わりに、例えば、アンドープのInβGa1-βN層(0≦β<1)として形成しても良い。この場合、Inの組成比βは、例えば約0.02程度であり、同様に、厚さL1は、例えば、約30nm〜90nm程度である。なお、通常、p型GaN系ガイド層22の厚さL1とn型GaN系ガイド層16の厚さL0は、等しい。このように設定することによって、出力端面から出力されるレーザ光のファーフィールドパターン(FFP:Far-field Pattern)を良好にすることができる。
(電子ブロック層)
電子ブロック層25は、例えばp型不純物としてMgがドープされたAlvGa1-vN層(0<v≦1)により形成することができる。厚さL3は、例えば、約3nm〜20nm程度であり、望ましくは、約7nm〜10nm程度である。Alの組成比vは、一定値、例えば約0.2程度である。
(応力緩和層)
応力緩和層27は、例えば、p型不純物としてMgがドープされたInvGa1-vN層(0≦v≦1)により形成することができる。厚さL2は、例えば、約30nm〜50nm程度である。望ましいInの組成比vは、例えば約0.02程度である。なお、応力緩和層27は、v=0の場合に相当するp型GaN層であってもよい。
なお、後述するように、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20は、応力緩和層27の厚さL2を変化させても、n型GaN系ガイド層16の厚さL0とp型GaN系ガイド層22の厚さL1が等しく、90nmと充分に厚いときには、出力端面から出力されるレーザ光のFFPの垂直広がり角θvの半値幅に変化は生じていない。このことから、応力緩和層27は、p型GaN系ガイド層22の一部ではないことが確認されている。
本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20においては、電子ブロック層25とp型GaN系ガイド層22との間の界面T1に発生するGaAlN/GaNの格子定数不整合に伴う応力を、応力緩和層27を形成することによって、p型GaN系ガイド層22と応力緩和層27の両側に分散することができる。しかも、電子ブロック層25と応力緩和層27の存在によって、FFPが影響を受けることもないため、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20は、しきい電流を低下させ、かつ信頼性の低下を抑制できる。
(p型クラッド層)
p型クラッド層26は、例えば、p型不純物としてMgがドープされ、バリア層としてAlwGa1-wN層(0≦w≦1)、ウェル層としてGaN層を有するMQW構造からなる。バリア層を形成するAlwGa1-wN層(0≦w≦1)のAlの組成比wは、例えば約0.1程度である。p型クラッド層26を構成するMQW構造のペア数は例えば、約90程度であることが結晶性の向上の点で望ましい。
(p型GaN系コンタクト層)
p型GaN系コンタクト層28は、例えば、p型不純物としてMgがドープされたGaN層で形成され、厚さは、例えば、約60nm程度である。
絶縁膜24は、例えば、ZrO2で形成され、厚さは、例えば約200nm程度である。
絶縁膜24としては、他には、Al23、SiO2、TiO2、Ta25、Nb25、AlN、SiN、AlON、SiON、AlNα(0<α<1)若しくはこれらの積層膜などを適用することができる。
(電極構造)
また、p側オーミック電極30は、例えば、Pd/Auで形成される。Pd/Auの厚さは、例えば約10nm/50nm程度である。
また、p側電極32は、例えば、Ti/Auで形成される。Ti/Auの厚さは、例えば約50nm/500nm程度である。
また、n側電極40は、例えば、Al/Pt/Au若しくはAl/Ti/Auなどで形成される。Al/Pt(Ti)/Auの厚さは、例えば、約100nm/10nm/200nm程度である。
本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20は、電子ブロック層25とp型GaN系ガイド層22との間の界面T1に発生するGaAlN/GaNの格子定数不整合に伴う応力を応力緩和層27を形成することによって、p型GaN系ガイド層22と応力緩和層27の両側に分散することができる。しかも、電子ブロック層25と応力緩和層27の存在によって、FFPが影響を受けることも少ないため、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20は、しきい電流を低下させ、かつ信頼性の低下を抑制できる。
(第1の実施の形態の変形例1)
本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る窒化物半導体レーザのエネルギーバンド構造は、図3に示すように、電子ブロック層25aが、三角形状のエネルギーポテンシャル構造を有する。その他の構造は第1の実施の形態と同様であるため、重複部分の構造に関係する説明は省略する。
(電子ブロック層)
図3において、電子ブロック層25aは、例えばp型不純物としてMgがドープされたAlyGa1-yN層(0<y≦1)により形成することができる。厚さL3は、例えば、約3nm〜20nm程度であり、望ましくは、約7nm〜10nm程度である。Al組成比yは、p型GaN系ガイド層22に接する界面T1から応力緩和層27に接する界面T2に移行するにしたがって、連続的に変化させている。Al組成の組成傾斜は、例えば、約1.64(%/nm)程度である。電子ブロック層25の厚さを、例えば約14nmとすると、Al組成の変化は、0%から約23%まで、略直線的に上昇する。Al組成を形成するトリメチルアルミニウム(TMA)などの原料供給ガスをキャリアガスに対して線形に変化させることによって、このようなAl組成の組成傾斜を形成することができる。
本実施の形態の変形例1に係る窒化物半導体レーザ20は、電子ブロック層25aとp型GaN系ガイド層22との間の界面T1に発生するGaAlN/GaNの格子定数不整合に伴う応力を、電子ブロック層25aのAl組成比yを連続的に変化させ、しかも応力緩和層27を形成することによって、電子ブロック層25aの内部およびp型GaN系ガイド層22と応力緩和層27の両側に分散することができる。しかも、電子ブロック層25と応力緩和層27の存在によって、FFPが影響を受けることも少ないため、本実施の形態の変形例1に係る窒化物半導体レーザ20は、しきい電流を低下させ、かつ信頼性の低下を抑制できる。
(第1の実施の形態の変形例2)
本発明の第1の実施の形態の変形例2係る窒化物半導体レーザのエネルギーバンド構造は、図4示すように、電子ブロック層25aが、三角形状のエネルギーポテンシャル構造を備え、かつ図3に示した変形例1においてL2=0、すなわち応力緩和層27を省略した構造を有する。その他の構造は第1の実施の形態と同様であるため、重複部分の構造に関係する説明は省略する。
(電子ブロック層)
図4おいて、電子ブロック層25aは、例えばp型不純物としてMgがドープされたAlyGa1-yN層(0<y≦1)により形成することができる。厚さL3は、例えば、約3nm〜20nm程度であり、望ましくは、約7nm〜10nm程度である。Al組成比yは、p型GaN系ガイド層22に接する界面T1からp型クラッド層26に接する界面T2に移行するにしたがって、連続的に変化させている。Al組成の組成傾斜は、例えば、約1.64(%/nm)程度である。電子ブロック層25の厚さを、例えば約14nmとすると、Al組成の変化は、0%から約23%まで、略直線的に上昇する。
このように、Al組成比yを、p型GaN系ガイド層22に接する界面T1からp型クラッド層26に接する界面T2に移行するにしたがって、連続的に変化させることによっても、電子ブロック層25a内のAl組成比yの連続的な変化によって、応力緩和効果を生ずることができる。
本実施の形態の変形例2に係る窒化物半導体レーザ20は、電子ブロック層25aとp型GaN系ガイド層22との間の界面T1に発生するGaAlN/GaNの格子定数不整合に伴う応力を、電子ブロック層25aのAl組成比yを連続的に変化させることによって、電子ブロック層25aの内部に吸収することができる。しかも、電子ブロック層25の存在によって、FFPが影響を受けることも少ないため、本実施の形態の変形例2に係る窒化物半導体レーザ20は、しきい電流を低下させ、かつ信頼性の低下を抑制できる。
(電子ブロック層25aのエネルギーポテンシャル分布)
本実施の形態の変形例1若しくは2に係る窒化物半導体レーザ20に適用可能な電子ブロック層25aのエネルギーポテンシャル分布は、図5に示すように、幅L3を有する電子ブロック層25aとp型GaN系ガイド層22との間の界面T1のエネルギーレベルE1から電子ブロック層25aと応力緩和層27あるいはp型クラッド層26に接する界面T2のエネルギーレベルE2まで、ラインTに示すように、略直線的に上昇する例、ラインUに示すように、指数関数的に上昇する例、或いは、ラインPに示すように、放物線的に上昇する例などがある。なお、これに限定されるものではない。
(エージング時間)
本発明の第1の実施の形態およびその変形例1に係る窒化物半導体レーザの動作電流とエージング時間との関係は、図6に示すように表される。図6において、一点鎖線で示される従来例は、図10乃至図11に示した従来構造に相当し、実線で示される応力緩和層とは、図1乃至図2に示した本実施の形態の構造に相当する。応力緩和層27の膜厚は、約10nmの例であり、その他の構造は従来構造と同一である。
破線で示される応力緩和層+Al組成傾斜とは、図3に示した本実施の形態の変形例1の構造に相当する。Al組成の組成傾斜は、約1.64(%/nm)程度である。電子ブロック層25の厚さを、約14nmとし、Al組成の変化は、0%から約23%まで、略直線的に上昇している。図6から明らかなように、破線で示される応力緩和層+Al組成傾斜を有する本実施の形態の変形例1の構造に相当する場合が最もエージング効果が優れている。
(FFP)
本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20のFFPの垂直広がり角θvの半値幅と応力緩和層27の厚さL2の関係は、図7に示すように表され、水平広がり角θhの半値幅と応力緩和層27の厚さL2の関係は、図8に示すように表される。
図7および図8において、n型GaN系ガイド層16の厚さL0とp型GaN系ガイド層22の厚さL1は等しく、それぞれ30nm、60nm、および90nmと変化させた例について示されている。
図7に示すように、L0=L1=90nmと充分に厚いときには、電子ブロック層25とp型クラッド層26間に挿入する応力緩和層27の厚さL2を60nmまで厚くしても、FFPの垂直広がり角θvの半値幅は、25.6〜25.7度程度であり、殆ど変化していない。
一方、L0=L1=30nmと薄いときには、応力緩和層27の厚さL2が60nmまで厚くなると、FFPの垂直広がり角θvの半値幅は、13.5〜17.0度まで広くなる。またn型GaN系ガイド層16の厚さL0とp型GaN系ガイド層22の厚さL1が薄くなると、n型クラッド層14およびp型クラッド層26への光の染み出しが大きくなるため、ニアフィールドパターン(NFP:Near-field Pattern)が大きく、FFPが小さくなる。
以上より、応力緩和層27が光ガイド層として機能しているならば、応力緩和層27の厚さL2の増加に伴い、FFPの垂直広がり角θvの半値幅は大きくなるはずであるが、図7の結果より明らかなように、殆ど変化していないことから、L0=L1=90nmと充分厚いときには、応力緩和層27は、実質的にp型GaN系ガイド層22として機能していない。
(しきい値電流)
本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ20のしきい値電流Ithと応力緩和層27の厚さL2の関係は、図9に示すように表される。
L0=L1=90nmの場合には、応力緩和層27の厚さL2の変化に対して、しきい電流Ithが、略一定であることから、垂直方向の光閉じ込め効果が略一定であることがわかる。一方、L0=L1=30nmの場合には、応力緩和層27の厚さL2の増加につれて、しきい電流Ithが、低下していることから、応力緩和層27の厚さL2の増加につれて垂直方向のコア層(活性層18+実質的なガイド層)への光閉じ込め係数が高くなることがわかる。
L0=L1=90nmと厚い場合、光はコア層にある程度集まってきているため、応力緩和層27のように本来ガイド層として機能する層の膜厚変化に対しても、しきい電流Ithが、略一定である。また、応力緩和層27は電子ブロック層25という非常に屈折率の小さい(=Al組成比の高い)層の外側に位置するため、電子ブロック層25ですでに光がある程度閉じ込められ、応力緩和層27内の光強度がそもそも低いことからも、しきい電流Ithが略一定となる。
本実施の形態に係る窒化物半導体レーザによれば、電子ブロック層の影響で発生した応力を緩和し、電子ブロック層により光分布に影響を与えず、しきい電流を低下させ、かつ信頼性の低下を抑制することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は第1の実施の形態およびその変形例1および2によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体レーザの模式的鳥瞰図。 図1に示す窒化物半導体レーザに対応するエネルギーバンド構造図。 本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る窒化物半導体レーザのエネルギーバンド構造図。 本発明の第1の実施の形態の変形例2に係る窒化物半導体レーザのエネルギーバンド構造図。 本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体レーザに適用可能な電子ブロック層のエネルギーポテンシャル分布の例。 本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体レーザの動作電流とエージング時間との関係。 本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体レーザのFFPの水平広がり角θの半値幅と応力緩和層の厚さL2の関係。 本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体レーザのFFPの垂直広がり角θの半値幅と応力緩和層の厚さL2の関係。 本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体レーザのしきい値電流Ithと応力緩和層の厚さL2の関係。 従来例に係る窒化物半導体レーザの模式的鳥瞰図。 図10に示す窒化物半導体レーザに対応するエネルギーバンド構造図。
符号の説明
10…GaN系半導体基板
12…n型GaN系バッファ層
14…n型クラッド層
16…n型GaN系ガイド層
18…活性層
20…窒化物半導体レーザ
22…p型GaN系ガイド層
24…絶縁膜
25,25a…電子ブロック層
26…p型クラッド層
27…応力緩和層
28…p型GaN系コンタクト層
30…p側オーミック電極
32…p側電極
40…n側電極
80…レーザストライプ

Claims (4)

  1. n型クラッド層と、
    前記n型クラッド層上に配置されたn型GaN系ガイド層と、
    前記n型GaN系ガイド層上に配置された活性層と、
    前記活性層上に配置されたp型GaN系ガイド層と、
    前記p型GaN系ガイド層上に配置された電子ブロック層と、
    前記電子ブロック層上に配置された応力緩和層と、
    前記応力緩和層上に配置されたp型クラッド層と
    を備えることを特徴とする窒化物半導体レーザ。
  2. 前記応力緩和層は、InxGa1-xN層(0≦x≦1)からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ。
  3. 前記電子ブロック層は、AlyGa1-yN層(0<y≦1)からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ。
  4. 前記電子ブロック層のAl組成比yは、前記p型GaN系ガイド層に接する界面から前記応力緩和層に接する界面に移行するにしたがって、連続的に変化することを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体レーザ。
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