JP2009266806A - フラットケーブルと端子との溶接方法 - Google Patents

フラットケーブルと端子との溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導体と端子とを短絡させることなく電気的に確実に溶接でき、品質の安定を図ることができるフラットケーブルと接続端子との溶接方法の提供を目的とする。
【解決手段】通電装置8の第1電極6を、フラットケーブル1Aの一方の面を被覆する絶縁被覆3Aの導体露出部3aにおいて、導体露出部3aに露出された平角導体2に押し付ける。第2電極7を、他方の面を被覆する絶縁被覆3Bの導体露出部3bと対向して配置された成形体4Aの接続端子4に押し付ける。第1電極6で押し下げられる平角導体2を、第2電極7で水平に支持された接続端子4に押し付けて通電可能な状態に接触させる。第1電極6と第2電極7との間に図示しない電源から供給される電流を通電して、平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aを溶接する。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば並列に配置された複数本の平角導体を絶縁被覆で被覆してなるフラットケーブル(フレキシブルフラットケーブル、FFC:Flexible Flat Cable)と、並列に配置された複数本の接続端子とを溶接するフラットケーブルと端子との溶接方法に関する。
従来、前記フラットケーブルの平角導体と接続端子を溶接する方法としては、一方のフラットケーブルの片面に露出されたフラット導体と、他方のフラットケーブルの片面に露出されたフラット導体とを接触させて溶接するフラット導体の溶接方法が提案されている(特許文献1参照)。
このフラット導体の溶接方法は、一方のフラットケーブルの絶縁被覆層を除去して露出したフラット導体と、他方のフラットケーブルの絶縁被覆層を部分的に除去して露出したフラット導体とを対向させて接触させる。そして、超音波溶接機のホーンとアンビルにより挟持して、ホーンの超音波振動により各フラット導体の接触部分を超音波溶接するものである。
しかし、フラットケーブルの狭ピッチ化により、平角導体と接続端子の溶接間隔が狭くなる。したがって、並列に配置された複数本の平角導体と、該平角導体と同一本数の接続端子とを重ね合わせ、平角導体の長手方向に対して直角方向に1列状で溶接すると、隣接する平角導体同士或いは接続端子同士が短絡するおそれが高まる。
また、図6に示すように、平角導体2の並列方向に対して交差する方向で、成形体4A上に配置した接続端子4とフラットケーブル1Aの平角導体2とを配置し、例えば超音波溶接装置、抵抗溶接装置等の溶接装置15の溶接部16,17を絶縁被覆3A,3Bの上から押し付けて、接続端子4と平角導体2とが交差する溶接箇所Aを溶接することも考えられる。
しかし、平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aに発生する熱により、溶接箇所Aの周囲に被覆された合成樹脂製の絶縁被覆3A,3Bが溶解してしまい、溶接箇所Aより広い範囲の平角導体2が大きく露出するおそれがある(図7参照)。このように溶接箇所Aより広い範囲の平角導体2が大きく露出することによって、隣接する平角導体2同士が短絡しやすくなり、品質が安定しないといった問題があった。
また、絶縁被覆3Aの上から溶接部16を押し付けて溶接する場合、溶解した絶縁被覆が溶接部16に付着して残り、連続して安定した溶接を行うことができないという問題もあった。
特開平5−121139号公報
この発明は、導体と端子とを短絡させることなく電気的に確実に溶接でき、品質の安定を図ることができるフラットケーブルと端子との溶接方法を提供することを目的とする。
この発明は、絶縁被覆で被覆された導体と、該導体と交差して配置された端子との溶接箇所を一対の端子溶接手段で通電可能に溶接するフラットケーブルと端子との溶接方法であって、前記フラットケーブルの一方の面を被覆する絶縁被覆に、前記溶接箇所の導体と前記一方の端子溶接手段とが接する部分の絶縁被覆を除去して、該導体に対して一方の端子溶接手段が押し付けられる導体露出部を形成し、前記フラットケーブルの他方の面を被覆する絶縁被覆に、前記溶接箇所の導体と前記端子とが交差する部分の絶縁被覆を除去して、該導体に対して端子が押し付けられる導体露出部を形成し、前記一方の端子溶接手段を、前記一方の絶縁被覆に形成された導体露出部を介して、該導体露出部に露出された導体に押し付け、前記他方の端子溶接手段を、前記他方の絶縁被覆に形成された導体露出部と対向して配置された端子に押し付け、前記一方の端子溶接手段が押し付けられた導体と、前記他方の端子溶接手段が押し付けられた端子とを通電可能な状態に接触させた際に、該一対の端子溶接手段で接触された導体と端子との溶接箇所を通電可能に溶接するとともに、前記絶縁被覆の除去範囲を、前記端子溶接手段の導体及び端子に押し付けられる部分より広く、隣接する導体、もしくは、隣接する端子に接しない範囲としたフラットケーブルと端子との溶接方法であることを特徴とする。
この発明の態様として、前記フラットケーブルを、等間隔で並列配置した複数の導体を前記絶縁被覆で一体的に被覆する構成とし、前記導体露出部を形成する前記絶縁被覆の並列方向の除去範囲を、前記端子溶接手段の導体及び端子に押し付けられる部分から第1の所定間隔を有し、且つ前記導体の前記並列方向端部から第2の所定間隔を有する範囲とすることができる。
前記フラットケーブルは、例えば絶縁被覆で1本の導体を被覆したもの、或いは、一対の絶縁被覆で並列に配置された複数本の導体を被覆して、導体が挟み込まれていない部分の絶縁被覆同士を一体的に接着したもの等で構成することができる。
また、導体は、例えば平角導体、丸形導体等の導電性を有する金属製の導体で構成することができる。また、絶縁被覆は、例えば可撓性及び絶縁性を有する肉厚の薄い合成樹脂製のフィルムで構成することができる。
また、端子は、例えばバスバー等の導電性を有する金属製の接続端子で構成することができる。また、端子溶接手段は、例えば抵抗溶接装置の電極、超音波溶接装置の振動子、熱圧着装置の圧着子等で構成することができる。
また、絶縁被覆を除去して形成する導体露出部は、導体を被覆した状態の絶縁被覆を例えばレーザー等の除去手段で部分的に除去して形成する導体露出部、カッター、ナイフ等の切除手段で部分的に除去して形成する導体露出部、或いは、導体を露出するための孔部、窓部、開口部等が予め形成されたフィルム状の絶縁被覆を貼り合わせ構成したフラットケーブルにおける導体露出部で構成することができる。
この発明によれば、フラットケーブルの一方の面に被覆された溶接箇所の絶縁被覆を、該溶接箇所の導体に対して端子溶接手段が直接押し付けられる範囲及びその周囲を部分的に除去しておくので、導体及び端子のピッチ間隔が狭くても、隣接する導体同士或いは端子同士が短絡するようなことがなく、導体と端子とを電気的に確実に溶接できる。また、溶接箇所の絶縁被覆を端子溶接手段との接触が回避される大きさに除去しておくので、溶接時において、導体と端子との溶接箇所に発生する熱が、溶接箇所周囲の露出された導体の露出部分より放散される。これにより、溶接箇所の周囲を被覆する絶縁被覆が不用意に溶解することによって生じる短絡を防止することができる。
フラットケーブルと接続端子との溶接方法を示す縦断側面図。 平角導体と接続端子との溶接状態を示す縦断側面図。 導体露出部が形成されたフラットケーブルを示す平面図。 平角導体と接続端子との交差状態を示す平面図。 導体露出部についての詳細説明図。 従来例の溶接方法を示す縦断側面図。 図6の平角導体と接続端子の溶接状態を示す縦断側面図。
この発明の一実施形態である並列に配置された3本の平角導体と、該各平角導体と直交して配置された3本の接続端子とを通電可能に溶接する際に用いられるフラットケーブルと接続端子との溶接方法を示している。
図1、図2に示すように、このフラットケーブル1Aと接続端子4との溶接方法は、フラットケーブル1Aの2枚の絶縁被覆3A,3Bで被覆された導電性を有する金属製の3本の平角導体2と、該平角導体2と直交して成形体4A上に配置された導電性を有する金属製の3本の接続端子4とを後述する端子溶接装置5で通電可能に溶接する溶接方法である。
すなわち、フラットケーブル1Aの一方の面(図1に示す上面側)を被覆する絶縁被覆3Aを、後述する第1電極6の接点6aが溶接箇所Aの平角導体2に対して直接押し付けられる範囲及びその周囲を部分的に除去する。これにより、絶縁被覆3Aにおける平角導体2と接続端子4とが交差する溶接箇所Aに、第1電極6の接点6aが平角導体2に対して直接押し付けられる導体露出部3aを形成する。
上記と同様に、絶縁被覆3Aにおける他の平角導体2と接続端子4とが交差する溶接箇所Aにも、第1電極6の接点6aが平角導体2に対して直接押し付けられる導体露出部3aをそれぞれ形成する。
他方の面(図1に示す下面側)に被覆された絶縁被覆3Bを、第2電極7の接点7aが接続端子4を介して溶接箇所Aの平角導体2に対して押し付けられる範囲及びその周囲を部分的に除去する。これにより、絶縁被覆3Bにおける平角導体2と接続端子4とが交差する溶接箇所Aに、第2電極7の接点7aによって接続端子4が平角導体2に対して直接押し付けられる導体露出部3bを形成する。
上記と同様に、絶縁被覆3Bにおける他の平角導体2,2と接続端子4とが交差する溶接箇所Aにも、第2電極7の接点7aによって接続端子4が平角導体2に対して直接押し付けられる導体露出部3bをそれぞれ形成する。
フラットケーブル1Aの平角導体2と、成形体4Aの接続端子4とを直交して互いに重ね合わせた後(図4参照)、端子溶接装置5の第1電極6と第2電極7との間に挿入する。第1電極6の接点6aを、絶縁被覆3Aの導体露出部3aを介して、該導体露出部3aに露出された平角導体2に対して上方から垂直に押し付ける。
第2電極7の接点7aを、絶縁被覆3Bの導体露出部3b及び平角導体2と対向して配置された接続端子4に対して下方から垂直に押し付ける。
第1電極6の接点6aにより押し下げられる平角導体2を、第2電極7の接点7aで水平に支持された接続端子4に押し付けて、平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aを通電可能な状態に接触させる。
この後、平角導体2及び接続端子4で接続された第1電極6と第2電極7との間に、後述する通電装置8に備えられた図示しない電源から供給される電流を通電して、平角導体2と接続端子4とが互いに接触された溶接箇所Aを通電可能となるように抵抗溶接するものである(図2参照)。
なお、導体露出部3a,3bを形成する絶縁被覆3A,3Bの並列方向Wの除去範囲を、溶接箇所Aから第1並列方向間隔Dw1に設定し、且つ平角導体2の導体端部2bから第2並列方向間隔Dw2に設定している。
上述の方法及び構成について詳述すると、フラットケーブル1Aは、同一幅に形成された3本の平角導体2と、並列に配置した平角導体2の上下両面を被覆する絶縁被覆3A,3Bとで構成している(図3参照)。
3本の平角導体2は、所定のピッチ間隔に隔てて平行に並列配置している。
平角導体2を並列に配置してなる導体群の上下両面を被覆する2枚の絶縁被覆3A,3Bは、可撓性及び絶縁性を有する合成樹脂製のフィルムからなり、平角導体2が挟み込まれていない部分の絶縁被覆3A,3B同士を一体的に接着して構成している。
接続端子4は、フラットケーブル1Aの平角導体2と同一本数備えられ、絶縁性を有する合成樹脂製の成形体4A上に、図示しないコネクタの端子ピッチと対応する間隔に隔てて平行に並列配置している(図4参照)。
なお、平角導体2及び接続端子4の配列ピッチは、整合させる必要はなく、使用される箇所の諸条件に応じてそれぞれ適宜設定される。
フラットケーブル1Aの平角導体2と、成形体4Aの接続端子4とを溶接する際には、成形体4A上に配置された3本の接続端子4の上に、フラットケーブル1Aに内蔵された平角導体2を直交して、フラットケーブル1Aと成形体4Aとを互いに重ね合わせる。
実施例では、フラットケーブル1Aの並列に配置された3本の平角導体2と、成形体4Aの並列に配置された3本の接続端子4とを直交して溶接する例を示したが、直交以外にも、使用される箇所の条件等によっては、所望する角度で斜めに交差するように配置してもよい。
フラットケーブル1Aの一方の面を被覆する絶縁被覆3Aには、平角導体2と接続端子4とが交差する複数箇所の溶接箇所Aに、第1電極6の接点6aを平角導体2に対して直接押し付ける導体露出部3aをそれぞれ形成している。
導体露出部3aは、該溶接箇所Aの平角導体2に対して第1電極6の接点6aが押し付けられる範囲及びその周囲の絶縁被覆3Aを図示しない除去手段(例えばレーザー等)で部分的に除去して形成している。
他方の面を被覆する絶縁被覆3Bには、平角導体2と接続端子4とが交差する複数箇所の溶接箇所Aに、第2電極7の接点7aで支持された接続端子4が平角導体2に対して直接押し付けられる導体露出部3bをそれぞれ形成している。
導体露出部3bは、該溶接箇所Aの平角導体2に対して第2電極7の接点7aで支持された接続端子4が押し付けられる範囲及びその周囲の絶縁被覆3Bを図示しない除去手段(例えばレーザー等)で部分的に除去して形成している。
溶接箇所Aの絶縁被覆3A,3Bを除去する範囲、すなわち導体露出部3a,3bの大きさは、第1電極6の接点6a及び第2電極7の接点7aより広く、隣接する平角導体2、もしくは、隣接する接続端子4に接しない、且つ、隣接する除去箇所と接触しない大きさとする。
より具体的には、例えば、0.035mm程度の非常に薄い平角導体2を用いたフラットケーブル1Aの場合、溶接箇所Aの長手方向端部Aaから絶縁被覆3A,3Bの長手方向Lの端面3Aa′,3Ba′までの長手方向間隔DLを0.35mm以上あけて形成している。なお、長手方向間隔DLを0.5mm以上確保できればより好ましい。
また、溶接箇所Aの並列方向端部Abから絶縁被覆3A,3Bの並列方向Wの端面3Ab′,3Bb′までの第1並列方向間隔Dw1を0.1mm以上、且つ平角導体2の導体端部2bから端面3Ab′,3Bb′までの第2並列方向間隔Dw2を0.05mm以上あけて形成している。つまり、導体露出部3a,3bの並列方向Wの幅を、平角導体2の並列方向Wの幅より広く形成している。
なお、上記サイズは一例であり、これによりに限定されるものではなく、上述したように、隣接する除去箇所と接触せず、隣接する平角導体2や接続端子4によって短絡が生じない大きさとすることができる。また、上記長手方向間隔DL、第1並列方向間隔Dw1及び第2並列方向間隔Dw2は、平角導体2と接続端子4の肉厚等のサイズ、材質、溶接温度及び時間、さらには絶縁被覆3A,3Bの融点に応じて設定すればよい。
溶接箇所Aの絶縁被覆3Aを除去する範囲、すなわち導体露出部3aを上記大きさで形成したため、導体露出部3aに露出された平角導体2に対して第1電極6の接点6aを押し付けた際、絶縁被覆3Aの端面3A′と、該導体露出部3Aを介して平角導体2に押し付けられる接点6aの側面6a′との間には、該平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aに発生する熱を放散するための隙間Sが形成される。
これにより、溶接時において、絶縁被覆3Aの端面3A′と接点6aの側面6a′との間に形成された隙間Sから、該平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aに発生する熱が放散される。なお、絶縁被覆3Aの端面3A′は、導体露出部3aの周縁部に沿って形成され、絶縁被覆3Bの端面3B′は、導体露出部3bの周縁部に沿って形成されている。
また、導体露出部3a,3bの並列方向Wの幅を、平角導体2の並列方向Wの幅より広く形成しているため、該平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aに発生する熱が絶縁被覆3A,Bの端面3A′,3B′に伝達されにくくなる。
また、隣接する溶接箇所Aは、平角導体2に対して平行方向に隣接せず、或いは、平角導体2に対して直交方向に隣接しないように配置しているので、溶接箇所Aを隣り合わせに配置するよりも、溶接箇所A間の間隔が広くなる。
溶接箇所Aの間が離れていると、溶接時に発生する熱が隣の溶接箇所Aに伝わりにくくなる。これにより、溶接箇所Aの間に被覆された絶縁被覆3A,3Bが溶解しにくく、不用意に溶解することに起因する短絡が生じることを防止できる。
前記レーザー以外の除去手段として、例えばカッター、ナイフ等の切除手段で除去するか、或いは、平角導体2を露出するための孔部、窓部、開口部等が形成されたフィルム状の絶縁被覆3A,3Bを貼り合わせる等してもよい。
このようなフラットケーブル1Aの平角導体2と接続端子4とを溶接する端子溶接装置5は、導体露出部3aにおいて露出された平角導体2に対して押し付ける第1電極6と、接続端子4に対して押し付ける第2電極7と、通電装置8と、通電検知回路9とで構成している(図1参照)。
第1電極6はフラットケーブル1Aの絶縁被覆3Aに形成された導体露出部3aを介して、導体露出部3aにおいて露出された平角導体2に対して押し付ける構成であり、第2電極7は絶縁被覆3Bに形成された導体露出部3b及び平角導体2と対向して配置された接続端子4に対して押し付ける構成である。
通電装置8は第1電極6と第2電極7との間に対して平角導体2及び接続端子4の溶接箇所Aを抵抗溶接するのに必要な電流を通電する構成であり、通電検知回路9は平角導体2及び接続端子4が通電可能な状態に接触されたことを検知する構成である。
第1電極6及び第2電極7は、図示しない昇降手段によりフラットケーブル1Aの平角導体2と成形体4Aの接続端子4との溶接箇所Aが挟持される挟持位置と、フラットケーブル1Aと成形体4Aとを重ね合せてなる部分の挿入及び抜取りが許容される離間位置とに上下方向に対して相対移動される。
第1電極6は、成形体4Aの接続端子4と直交して重ね合わされたフラットケーブル1Aの平角導体2と対向して上方に配置され、該平角導体2と対応するピッチ間隔に隔てて3個配列している。また、第1電極6の下端側には、平角導体2と接続端子4とが交差する溶接箇所Aに形成された絶縁被覆3Aの導体露出部3aと対向して、該導体露出部3aに露出された平角導体2に対して押し付けられる接点6aを設けている。
第2電極7は、フラットケーブル1Aの平角導体2と直交して重ね合わされた成形体4Aの接続端子4と対向して下方に配置され、該接続端子4と対応するピッチ間隔に隔てて3個配列している。また、第2電極7の上端側には、平角導体2と接続端子4とが交差する溶接箇所Aに形成された絶縁被覆3Bの導体露出部3b及び平角導体2と対向して配置された接続端子4に対して押し付けられる接点7aを設けている。
第1電極6の接点6a及び第2電極7の接点7aは、平角導体2及び接続端子4の横幅より幅狭に形成され、平角導体2と接続端子4とが交差する溶接箇所Aと略同一の大きさ及び形状に形成している。或いは、溶接箇所Aの輪郭線より内側に押し付けられる大きさ及び形状に形成している。
通電装置8は、2本の電線8a,8aを介して、第1電極6と第2電極7とに接続され、後述する通電検知回路9からトリガー信号が出力された際に、第1電極6及び第2電極7への通電回路を開成して、図示しない電源から供給される抵抗溶接するのに必要な電流を、平角導体2及び接続端子4に押し付けた第1電極6と第2電極7との間に対して所定時間だけ通電する。
これにより、平角導体2と接続端子4との接触部分を互いに溶解する温度に発熱させる。また、通電検知回路9からトリガー信号が出力されるまでは、第1電極6及び第2電極7間への通電回路を閉成している。
なお、上述したように、0.035mmという非常に薄い平角導体2を用いた本実施例の場合、平角導体2と接続端子4とを抵抗溶接するためには、十数msecの数百℃の温度が必要であり、およそ8msecの間に800℃に達するよう通電している。
通電検知回路9は、2本の電線9Aを介して、第1電極6と第2電極7とに接続され、図示しない電源から供給される微弱な電流を第1電極6と第2電極7とに常時通電しており、平角導体2と接続端子4とが通電可能な状態に接触された際に生じる抵抗・電流・電圧等の電気的変化を検知する。
つまり、絶縁被覆3Aの導体露出部3aにおいて、第1電極6の接点6aにより押し下げられる平角導体2を、絶縁被覆3Bの導体露出部3bにおいて、第2電極7の接点7aで支持された接続端子4に押し付けて、平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aを通電可能な状態に接触させる。
このとき、第1電極6と第2電極7との通電時に生じる電気的変化を通電検知回路9で検知することにより、平角導体2と接続端子4とが通電可能な状態に接触されたことを検知することができる。また、通電検知回路9は、平角導体2と接続端子4とが通電可能な状態に接触されたことを検知した際に、通電装置8へトリガー信号を出力する。
一方、通電装置8は、通電検知回路9からトリガー信号が出力された際に、第1電極6と第2電極7との間に抵抗溶接するのに必要な電流を通電して、第1電極6及び第2電極7により挟持された平角導体2と接続端子4との接触部分を溶接する。
また、通電検知回路9によって平角導体2と接続端子4とが通電可能な状態に接触されたことが検知できなければ、通電検知回路9によって平角導体2と接続端子4とが通電可能な状態に接触されたことを検知するまで、第1電極6及び第2電極7とを相対移動させる。
図示実施例は前記の如く構成するものにして、以下、フラットケーブル1Aに内蔵された平角導体2と、成形体4A上に配置された接続端子4との溶接方法について詳述する。
先ず、フラットケーブル1Aに内蔵された平角導体2と、成形体4A上に配置された接続端子4とを直交して互いに重ね合わせた後(図4参照)、フラットケーブル1A及び成形体4Aを重ね合わせたまま端子溶接装置5の第1電極6と第2電極7との間に挿入する(図1参照)。
第1電極6の接点6aを、フラットケーブル1Aの一方の面を被覆する絶縁被覆3Aの導体露出部3aにおいて、導体露出部3aに露出された溶接箇所Aの平角導体2と対向させる。
第2電極7の接点7aを、他方の面を被覆する絶縁被覆3Bの導体露出部3b及び平角導体2と対向して配置された成形体4Aの接続端子4に対して下方から垂直に押し付け、平角導体2が押し付けられる接続端子4の溶接箇所Aを水平に支持する。
第1電極6及び第2電極7を、平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aが挟持される方向へ相対移動させ、第1電極6の接点6aを、絶縁被覆3Aの導体露出部3aにおいて、導体露出部3aに露出された平角導体2に対して上方から垂直に押し付ける。
第1電極6の接点6aによって押し下げられる平角導体2を、絶縁被覆3Bの導体露出部3bにおいて、第2電極7の接点7aで水平に支持された接続端子4に押し付け、平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aを通電可能な状態に接触させる。
平角導体2と接続端子4とが通電可能な状態に接触されると、第1電極6と第2電極7との間に生じる電気的変化を通電検知回路9が検知し、平角導体2と接続端子4とが通電可能な状態に接触されたことを認識する。また、通電検知回路9は、平角導体2と接続端子4とが通電可能な状態に接触されたことを検知した際に、通電装置8へトリガー信号を出力する。
通電検知回路9からトリガー信号が受信した通電装置8は、第1電極6と第2電極7との間に図示しない電源から供給される電流を通電して、平角導体2と接続端子4との接触部分を溶接する(図2参照)。これにより、フラットケーブル1Aに内蔵された平角導体2と、成形体4A上に配置された接続端子4とを確実且つ良好な状態に溶接することができる。
平角導体2と接続端子4との溶接が完了すれば、端子溶接装置5による溶接作業を停止し、第1電極6と第2電極7とを離間方向へ相対移動して、フラットケーブル1A及び成形体4Aを第1電極6と第2電極7との間から抜き取れば、溶接作業が完了する。
これにより、平角導体2及び接続端子4のピッチ間隔が狭くても、隣接する平角導体2同士或いは接続端子4同士が短絡するようなことがなく、平角導体2と接続端子4とを電気的に確実に溶接することができる。
以上のように、フラットケーブル1Aの一方の面を被覆する絶縁被覆3Aにおける、溶接箇所Aの平角導体2に対して第1電極6の接点6aが直接押し付けられる範囲及びその周囲を部分的に除去しておくので、平角導体2及び接続端子4のピッチ間隔が狭くても、隣接する平角導体2同士或いは接続端子4同士が短絡するようなことがなく、平角導体2と接続端子4とを電気的に溶接することができる。
また、溶接箇所Aの絶縁被覆3Aを、第1電極6の接点6aとの接触が回避される大きさ及び形状に除去しておくので、溶接時において、平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aに発生する熱が、溶接箇所Aに露出された平角導体2の露出部分より放散される。これにより、溶接箇所Aの周囲に被覆された絶縁被覆3A,3Bが溶解せず、短絡が起きるのを防止することができる。
具体的には、0.035mmの非常に薄い平角導体2と接続端子4とを抵抗溶接するために、8msecの間に800℃に達するよう通電するが、長手方向間隔DLを0.35mm以上あけ、第1並列方向間隔Dw1を0.1mm以上、且つ第2並列方向間隔Dw2を0.05mm以上あけて形成していため、上記通電によって溶接箇所Aに発生する熱を放散するための十分な隙間Sを確保できる。
したがって、周囲を被覆する絶縁被覆3A,3Bが不用意に溶解して短絡が起きるのを防止することができる。
また、並列方向端部Abから並列方向Wの端面3Ab′,3Bb′までの第1並列方向間隔Dw1だけでなく、溶接温度が伝導する平角導体2の導体端部2bから端面3Ab′,3Bb′までの第2並列方向間隔Dw2も所定間隔を確保して導体露出部3a,3bを形成しているため、隣接する導体露出部3a,3bの離間が短くなる並列方向W方向であっても、隣接する導体露出部3a,3bの間の絶縁被覆3A,3Bが不用意に溶解して短絡が起きるのを防止することができる。
また、導体露出部3a,3bの並列方向Wの幅を、平角導体2の並列方向Wの幅より広く形成しているため、該平角導体2と接続端子4との溶接箇所Aに発生する熱が導体露出部3a,3bの端面3A′,3B′に伝達されにくくなり、絶縁被覆3A,3Bが不用意に溶解して短絡が起きるのを防止することができる。
さらにまた、上記長手方向間隔DL、第1並列方向間隔Dw1及び第2並列方向間隔Dw2は、平角導体2と接続端子4の肉厚等のサイズ、材質、溶接温度及び時間、さらには絶縁被覆3A,3Bの融点に応じて設定することができるため、利便性が向上する。
さらにまた、溶接箇所Aの絶縁被覆3Aを、第1電極6の接点6aとの接触が回避される大きさ及び形状に除去しておくので、溶接によって第1電極6の接点6aに溶解した絶縁被覆3Aが付着すること防止できる。したがって、連続して安定した溶接を行うことができる。
この発明の構成と、前記実施例との対応において、
この発明の導体は、実施例の平角導体2に対応し、
以下同様に、
端子は、接続端子4に対応し、
端子溶接手段は、第1電極6及び第2電極7に対応し、
第1の所定間隔は、第1並列方向間隔Dw1に対応し、
並列方向端部は、導体端部2bに対応し、
第2の所定間隔は、第2並列方向間隔Dw2に対応するするも、
本発明は、前記実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
フラットケーブル1は、絶縁被覆3A,3Bである不導電性樹脂フィルムで平角導体2を被覆したフラットケーブル1であればよく、特に、本実施形態のものに限定されるものではないが、不導電性樹脂フィルムの材質として、具体的にはPET樹脂が好ましい。
また、平角導体2についても、放熱性に優れる帯状の導電体だけでなく、丸形断面の導電体であってもよく、平角導体2の材質としては導電性を有するものであれば良いが、好ましくは金属製、より好ましくは導電性に優れる銅、銅合金が良い。
また、接続端子4とは、金属板を曲げ加工等したものである。材質は、導電性を有するものであれば良いが、好ましくは、金属製、より好ましくは導電性に優れる銅、銅合金が良い。板厚は、0.1mm〜5mm程度である。
A…溶接箇所
1A…フラットケーブル
2…平角導体
2b…導体端部
3A,3B…絶縁被覆
3a,3b…導体露出部
4…接続端子
4A…成形体
5…端子溶接装置
6…第1電極
7…第2電極
8…通電装置
9…通電検知回路
15…溶接装置
Dw1…第1並列方向間隔
Dw2…第2並列方向間隔

Claims (2)

  1. 絶縁被覆で被覆された導体と、該導体と交差して配置された端子との溶接箇所を一対の端子溶接手段で通電可能に溶接するフラットケーブルと端子との溶接方法であって、
    前記フラットケーブルの一方の面を被覆する絶縁被覆に、前記溶接箇所の導体と前記一方の端子溶接手段とが接する部分の絶縁被覆を除去して、該導体に対して一方の端子溶接手段が押し付けられる導体露出部を形成し、
    前記フラットケーブルの他方の面を被覆する絶縁被覆に、前記溶接箇所の導体と前記端子とが交差する部分の絶縁被覆を除去して、該導体に対して端子が押し付けられる導体露出部を形成し、
    前記一方の端子溶接手段を、前記一方の絶縁被覆に形成された導体露出部を介して、該導体露出部に露出された導体に押し付け、
    前記他方の端子溶接手段を、前記他方の絶縁被覆に形成された導体露出部と対向して配置された端子に押し付け、
    前記一方の端子溶接手段が押し付けられた導体と、前記他方の端子溶接手段が押し付けられた端子とを通電可能な状態に接触させた際に、該一対の端子溶接手段で接触された導体と端子との溶接箇所を通電可能に溶接するとともに、
    前記絶縁被覆の除去範囲を、前記端子溶接手段の導体及び端子に押し付けられる部分より広く、隣接する導体、もしくは、隣接する端子に接しない範囲とした
    フラットケーブルと端子との溶接方法。
  2. 前記フラットケーブルを、等間隔で並列配置した複数の導体を前記絶縁被覆で一体的に被覆する構成とし、
    前記導体露出部を形成する前記絶縁被覆の並列方向の除去範囲を、
    前記端子溶接手段の導体及び端子に押し付けられる部分から第1の所定間隔を有し、且つ前記導体の前記並列方向端部から第2の所定間隔を有する範囲とした
    請求項1に記載のフラットケーブルと端子との溶接方法。
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