JP2009264375A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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展平 関口
Naoto Tomioka
直人 富岡
Masanori Yanagisawa
雅典 柳沢
Yorihide Higuchi
順英 樋口
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Abstract

【課題】簡易な構成により、圧縮効率の低下を抑えつつ、摺動部の焼付きや磨耗を防止できるロータリ圧縮機を提供する。
【解決手段】ロータリ圧縮機1は、ケーシング2と、シリンダ本体3と、二つのヘッド部材4と、潤滑油を濾過して当該潤滑油中の異物を除去するためのフィルタ5とを備える。ケーシング2内部において一つのシリンダ本体3及び二つのヘッド部材4の下方には、潤滑油が溜められる油溜まり部23が形成されている。ケーシング2内部において一つのシリンダ本体3及び二つのヘッド部材4の上方には、圧縮ガス及び潤滑油が放出される放出空間24が形成されている。ケーシング2内部においてシリンダ室30の径方向外側に対応した領域には、油溜まり部23と放出空間24とを連絡する複数のオイル戻し通路6が形成されている。フィルタ5は、複数のオイル戻し通路6にわたるように配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機外からの異物を捕捉するためのフィルタを備えるロータリ圧縮機に関する。
ロータリ式の圧縮機においては、圧縮機外からの異物が圧縮機内の摺動部へ入り込むと、摺動部において焼付きや磨耗が発生するため、異物が摺動部に到達しないようにするための対策が必要になる。
ロータリ式圧縮機の異物対策に関する技術の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1のロータリコンプレッサは、駆動要素と、第1・第2の回転圧縮要素からなる回転圧縮機構部と、回転軸を軸支する上部支部材と、下部支持部材とを密閉容器内に備えている。そして、上部支持部材と下部支持部材においては、吸込ポートにて上下シリンダの内部とそれぞれ連通する吸込通路と凹陥した吐出消音室とが設けられ、吸込通路の開口端部を囲繞するように凹陥形成されたフィルタ設置部に、フィルタが挿入設置されている。
このような構成によると、フィルタ設置部にはフィルタが設置されているので、冷媒導入管を介して導入されてシリンダの低圧室側に吸入される低圧の冷媒ガスは、フィルタによりろ過され、異物が除去される。そのため、第1・第2の回転圧縮要素の摺動部分における焼付きや磨耗などの発生が防止される。
特開2006−125377号公報
特許文献1に開示されているロータリコンプレッサにおいては、冷媒の導入経路にフィルタを設置することで、圧縮機の入口部分で異物の侵入を防止している。しかし、特許文献1の技術を用いる場合には、フィルタ設置部を上部支持部材及び下部支持部材に凹陥形成してそこにフィルタを設定していることから分かるように、圧縮機内部の構成部材の形状が複雑になる。一方、ロータリ圧縮機の構成は簡易なものであることが望ましい。
また、上記の技術において、フィルタに目詰まりが生じると、フィルタの前後で圧力差が生じて圧縮効率が低下してしまう。一方、濾過面積を広げることで、異物によるフィルタの目詰まりを抑制できると考えられる。しかし、冷媒導入経路にフィルタを設置する場合には、フィルタにおける有効な濾過面積は、主に冷媒導入経路の径によって決定されるので、濾過面積を広げることには限界がある。
そこで、この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成により、圧縮効率の低下を抑えつつ、摺動部の焼付きや磨耗を防止できるロータリ圧縮機を提供することを目的とする。
第1の発明にかかるロータリ圧縮機は、筒状のケーシング(2)と、前記ケーシング内部に収められ且つシリンダ室(30)が形成された一つのシリンダ本体(3)と、前記一つのシリンダ本体を挟むように配置された二つのヘッド部材(4)と、潤滑油を濾過して当該潤滑油中の異物を除去するためのフィルタ(5)とを備え、前記ケーシング内部において前記一つのシリンダ本体及び前記二つのヘッド部材の下方には、前記潤滑油が溜められる油溜まり部(23)が形成されており、前記ケーシング内部において前記一つのシリンダ本体及び前記二つのヘッド部材の上方には、前記シリンダ室において圧縮された圧縮ガス及び前記潤滑油が放出される放出空間(24)が形成されており、前記ケーシング内部において前記シリンダ室の径方向外側に対応した領域には、前記油溜まり部と前記放出空間とを連絡する一つ又は複数のオイル戻し通路(6)が形成されており、前記フィルタは、前記一つ又は複数のオイル戻し通路にわたるように配置されていることを特徴とする。
本発明の発明者は、異物の侵入経路に関して次のことを知得している。まず、異物が入り込んだときに最も影響が大きいのは、ピストンのローラとクランクピンとの摺動部分(これをローラ内部摺動部分とする)であり、ピストンのローラとシリンダ室の内周面との摺動部分(これをローラ外部摺動部分とする)における異物の影響は比較的小さい。
そして、導入された冷媒ガスに異物が混入している場合、異物は圧縮室(ローラ外部)に入り込むが、ローラ内部へ直接侵入することは少ない。これは、ピストンのローラ内部が、高圧の潤滑油及び潤滑油に溶け込んだ冷媒で満たされることにより高圧状態に保たれているため、シリンダ室の内部においてローラ内部の方がローラ外部よりも高圧状態になっており、ローラ内部からローラ外部へと潤滑油及び潤滑油に溶け込んだ冷媒の流れが生じているからである。
その結果、ローラ内部摺動部分へ異物が侵入する主な経路は、高圧の潤滑油の流路となる油溜まり部からのオイル供給路となる。通常、オイル供給路として複数の経路が存在するが、最終的には、異物は、ガス及び潤滑油と一体となって、ケーシング内部上方の放出空間へと放出される。そして、放出された潤滑油は、異物と共に、オイル戻し通路を通って下部の油溜まり部へ移動する。すなわち、ローラ内部摺動部分への侵入が問題になるのは、油溜まり部の潤滑油に混入する異物ということになる。従って、異物が、油溜まり部を経由してローラ内部に侵入しないようにすればよいことになり、異物を含む冷媒がシリンダ室に入り込むこと自体はある程度許容できる。そのため、冷媒の導入経路にフィルタを設置する必要はなく、油溜まり部に異物が到達する前に異物を濾過できればよい。
そして、シリンダ室内から放出空間へ放出された潤滑油及び異物は、オイル戻し通路を通って油溜まり部に移動することになるため、オイル戻し通路にわたるようにフィルタを設置すれば、効率的に異物を捕捉できる。そして、本発明の構成によると、流路径が比較的小さい導入経路の代わりに、流路断面積が大きいオイル戻し通路にわたるようにフィルタを配置するので、フィルタの目詰まりが抑制され、圧縮効率の低下が少ない。また、本発明にかかるフィルタは、一つ又は複数のオイル戻し通路にわたるように配置すればよいものであり、フィルタを設置するために構成部材の形状を複雑なものにする必要がない。そのため、例えば、従来の圧縮機の構成部材をそのまま利用することができ、ロータリ圧縮機の構成を簡易なものとすることができる。以上のことから、本構成にかかるロータリ圧縮機では、簡易な構成により、圧縮効率の低下を抑えつつ摺動部の焼付きや磨耗を防止できる。
また、本構成によると、例えば、フィルタの形状をリング状にすることにより、一部材としてフィルタを構成でき、この観点においても、ロータリ圧縮機の構成を簡易なものとすることができる。
なお、フィルタがわたるように配置される一つ又は複数のオイル戻し通路とは、流路断面積が大きく、異物通過リスクの高い通路のことである。ケーシング内部に、流路断面積が小さく、異物通過リスクが低い通路が形成されている場合には、このような異物通過リスクの低いオイル戻し通路に対して、フィルタが配置されていてもよいし、配置されていなくてもよい。
第2の発明にかかるロータリ圧縮機においては、第1の発明にかかるロータリ圧縮機において、前記フィルタは、前記シリンダ室において圧縮された圧縮ガス及び前記潤滑油が前記ケーシング内部に放出される放出部と、前記油溜まり部において前記潤滑油が吸い込まれる吸込部との間に配置されることを特徴とする。これによると、異物が除去された潤滑油を油溜まり部に戻し、その潤滑油を圧縮機内の摺動部へ供給することができる。
第3の発明にかかるロータリ圧縮機においては、第1または第2の発明にかかるロータリ圧縮機において、前記フィルタは、前記シリンダ本体及び前記二つのヘッド部材のいずれかの端面に配置されていることを特徴とする。これによると、簡素な配置構成にすることができる。
第4の発明にかかるロータリ圧縮機においては、筒状のケーシング(2)と、前記ケーシング内部に収められ且つシリンダ室が形成された複数のシリンダ本体(103a、103b)と、前記複数のシリンダ本体のそれぞれの間に配置された1又は複数の板状部材(104c)と、前記シリンダ本体及び前記板状部材を挟むように配置された二つのヘッド部材(104)と、潤滑油を濾過して当該潤滑油中の異物を除去するためのフィルタ(5)とを備え、前記ケーシング内部において前記シリンダ本体、前記板状部材及び前記ヘッド部材の下方には、前記潤滑油が溜められる油溜まり部(123)が形成されており、前記ケーシング内部において前記シリンダ本体、前記板状部材及び前記ヘッド部材の上方には、前記シリンダ室において圧縮された圧縮ガス及び前記潤滑油が放出される放出空間(124)が形成されており、前記ケーシング内部において前記シリンダ室の径方向外側に対応した領域には、前記油溜まり部と前記放出空間とを連絡する一つ又は複数のオイル戻し通路(106)が形成されており、前記フィルタは、前記一つ又は複数のオイル戻し通路にわたるように配置されていることを特徴とする。
本構成によると、複数のシリンダ本体を備えた圧縮機においても、上記の一つのシリンダ本体を備えた圧縮機と同様に、簡易な構成により、圧縮効率の低下を抑えつつ、摺動部の焼付きや磨耗を防止できる。
第5の発明にかかるロータリ圧縮機においては、第4の発明にかかるロータリ圧縮機において、前記フィルタは、前記シリンダ室において圧縮された圧縮ガス及び前記潤滑油が前記ケーシング内部に放出される放出部と、前記油溜まり部において前記潤滑油が吸い込まれる吸込部との間に配置されることを特徴とする。これによると、異物が除去された潤滑油を油溜まり部に戻し、その潤滑油を圧縮機内の摺動部へ供給することができる。
第6の発明にかかるロータリ圧縮機においては、第4または第5の発明にかかるロータリ圧縮機において、前記フィルタは、前記シリンダ本体及び前記ヘッド部材のいずれかの端面に配置されていることを特徴とする。これによると、簡素な配置構成にすることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、簡易な構成により、圧縮効率の低下を抑えつつ摺動部の焼付きや磨耗を防止できる。
第2の発明では、異物が除去された潤滑油を油溜まり部に戻し、その潤滑油を圧縮機内の摺動部へ供給することができる。
第3の発明では、簡素な配置構成にすることができる。
第4の発明では、簡易な構成により、圧縮効率の低下を抑えつつ、摺動部の焼付きや磨耗を防止できる。
第5の発明では、異物が除去された潤滑油を油溜まり部に戻し、その潤滑油を圧縮機内の摺動部へ供給することができる。
第6の発明では、簡素な配置構成にすることができる。
本発明の第1実施形態に係るロータリ圧縮機を示す断面概略図である。 図1のロータリ圧縮機のシリンダ本体部分を拡大して示す断面概略図である。 図1のロータリ圧縮機のシリンダ本体の上部付近を拡大して示す断面概略図である。 本発明の第2実施形態にかかるロータリ圧縮機を示す拡大断面概略図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、発明の第1実施形態に係るロータリ圧縮機を示す断面概略図である。図2は、図1のロータリ圧縮機のシリンダ本体部分を拡大して示す断面概略図である。図3は、図1のロータリ圧縮機のシリンダ本体の上部付近を拡大して示す断面概略図である。なお、図2は、図1のA−A’矢視断面図であり、図3は、図1のB−B’矢視断面図である。また、図1は、図2及び図3のG−G’矢視断面の概略図に相当する。
(全体構成)
まず、本実施形態に係るロータリ圧縮機1の全体構成について説明する。ロータリ圧縮機1は、筒状のケーシング2と、シリンダ本体3と、二つのヘッド部材4と、フィルタ5と、を含んで構成されている(図1、図2参照)。また、シリンダ本体3に形成されたシリンダ室30には、ブレード82及びローラ81からなるピストン8が収容されている(図2参照)。そして、ロータリ圧縮機1は、吸入管22から吸入されるCO冷媒ガス(以下、冷媒ガスと略記する)を、圧縮室であるシリンダ室30で圧縮して、その後、圧縮後の冷媒ガスをマフラー部材36の二つの吐出孔36bからケーシング2の放出空間24に吐出し、さらに吐出管21からケーシング2の外部へと送り出すように構成されている。なお、ロータリ圧縮機1は、図1に示すように、駆動軸7の軸方向(図1の矢印D方向参照)が上下方向に沿うように配置されているものとする。
ケーシング2の内部には、モータ9、シリンダ本体3等が配置されている。本実施形態において、ロータリ圧縮機1は単段型であり、シリンダ本体の数は一つとなっている。また、ケーシング2の内部において、シリンダ本体3及び二つのヘッド部材4の下方(すなわちケーシング2の底部)には、潤滑油が溜められる油溜まり部23が形成されている。なお、図1のドットで示した部分は、油溜まり部23に貯留されている油を示している。
モータ9は、ステータと、ステータの内部に配置されたロータとからなる。そして、モータ9の下方には、シリンダ室30が形成されたシリンダ本体3、二つのヘッド部材4等が配置されており、モータ9に取り付けられた駆動軸7の回転に伴い、ピストン8のローラ81がシリンダ室30内で回転するようになっている。
また、ケーシング2内部において、シリンダ本体3及び二つのヘッド部材4の上方には、シリンダ室30において圧縮された圧縮ガス及び潤滑油が放出される空間である放出空間24が形成されている(図1参照)。従って、シリンダ室30において圧縮された圧縮ガス及び潤滑油は、マフラー部材36の二つの吐出孔36b(吐出部)からケーシング2の放出空間24に吐出される。なお、シリンダ室30において圧縮された圧縮ガス及び潤滑油が吐き出される吐出部は、一次空間である放出空間24、この放出空間24に対してモータ9の反対側にある二次空間、シリンダ本体3の側部の空間、シリンダ本体3の下方の空間、ヘッド部材4aの下方の空間等のいずれに配置されてもよい。
また、ケーシング2内部において、シリンダ室30の径方向(図1の矢印C方向参照)外側に対応した領域には、油溜まり部23と放出空間24とを連絡する複数のオイル戻し通路6が形成されている。また、フィルタ5は、複数のオイル戻し通路6の全てにわたるように配置されている。フィルタ5の詳細については後述する。
(シリンダ本体、シリンダ室)
次に、シリンダ本体3及びシリンダ室30について説明する。シリンダ本体3は、ケーシング2内部に収められている(図1、図2参照)。シリンダ本体3は円筒状に形成されており、シリンダ本体3の内側には、シリンダ室30が形成されている。そして、シリンダ本体3は、シリンダ室30を区画する内周面の径方向に関する断面形状が円形となるように形成されている(図2参照)。
シリンダ本体3には、シリンダ室30へと連通する吸入孔34が形成されている(図1、2参照)。吸入孔34は、吸入される吸入ガス(冷媒ガス)の流路となるものであり、シリンダ本体3の径方向(図1のC方向参照)に関してシリンダ本体3を貫通するように形成されている。また、シリンダ本体3には、吸入用開口部が形成され、吸入孔34は、吸入用開口部においてシリンダ室30に開口している。そして、吸入孔34には、ケーシング2の外部に配置されたアキュムレータ(図示せず)から伸びる吸入管22が接続されている(図1、図2参照)。以上のようにして、シリンダ室30とアキュムレータとが接続されている。
また、シリンダ本体3には、吸入孔34の他に、シリンダ室30に開口する孔状部38が形成されている(図2参照)。孔状部38は、ブッシュ用潤滑油流路37及び二つの受け入れ用凹部33を含むように形成されている。二つの受け入れ用凹部33は、後述する二つのブッシュ35を受け入れるための凹部であり、二つのブッシュ35に沿った形状を有している。ブッシュ用潤滑油流路37は、駆動軸7の軸方向に沿って形成された潤滑油のための流路であり、油溜まり部23に接続されている。本実施形態においては、油溜まり部23の潤滑油が、サイフォン方式により、ブッシュ用潤滑油流路37へと汲み上げられる。なお、ブッシュ用潤滑油流路に対して、油溜まり部23の潤滑油がポンプ機構によって汲み上げられてもよい。また、本実施形態のロータリ圧縮機1は単段型のものであり、シリンダ本体3の数は一つであるが、シリンダ本体の数は複数であってもよい(後述する第2実施形態参照)。
(吸入室及び吐出室について)
シリンダ室30は、ピストン8により吸入室30kと吐出室30sとに区画される(図2参照)。そして、吸入孔34及び吐出孔41は、それぞれ、吸入室30k及び吐出室30sに連続している(図2参照)。また、ピストン8のブレード82は、吸入用開口部と吐出孔41とに挟まれる位置に配置されている(図2参照)。
吐出室30sは、吐出孔41に通じる高圧室であり、吸入室30kは、吸入用開口部に通じる低圧室である。具体的に図を参照して説明すると、図2において、ブレード82及びローラ81の右下側が吸入室30kとなり、ブレード82及びローラ81の左上側が吐出室30sとなる。すなわち、吸入室30k及び吐出室30sは、ピストン8の回転に伴い、その体積が変化する(例として、図2に示す状態においては、一時的に、吸入室30kの体積と吐出室30sの体積とが一致している)。
(ヘッド部材、マフラー部材)
次に、ヘッド部材4及びマフラー部材36について説明する。二つのヘッド部材4は、シリンダ本体3に対し、軸方向Dに関してシリンダ本体3を挟むように取り付けられている(図1参照)。二つのヘッド部材4は、具体的には、上方の第1ヘッド部材4a及び下方の第2ヘッド部材4bからなる。上記のようにシリンダ本体3は円筒状に形成されているため、二つのヘッド部材4は、シリンダ本体3に取り付けられた状態においてシリンダ室30に面し、シリンダ室30の両開放部を遮断する(図1参照)。また、二つのヘッド部材4のそれぞれにおける中央部には、軸受け孔4h,4jが貫通形成されており、この軸受け孔4h,4jによって、駆動軸7が軸受け支持されている(図1参照)。
また、二つのヘッド部材4のうち、一方の第1ヘッド部材4aには、マフラー部材36がボルト36vによって取り付けられている。また、第1ヘッド部材4aには、シリンダ室30へと連通する吐出孔41が形成されている(図1、図2参照)。そして、吐出孔41は、マフラー部材36の内部とシリンダ室30とを連絡する。
吐出孔41には、シリンダ室30内の圧力が所定値以上(本実施形態においては、マフラー部材36の内部空間の圧力値よりも少し高い値)になったときに開く吐出弁40vと、弁押さえ部材40tとが設けられている(図1参照)。弁押さえ部材40tは、吐出弁40vの最大開き角度を制限するための部材である。
(ピストン)
次に、ピストン8について説明する。ピストン8は、ローラ81及びブレード82を有して構成される。ローラ81は、シリンダ室30の内部に配置されるものであり、シリンダ室30内で回転移動することにより吸入された冷媒ガスを圧縮する。また、ローラ81は、シリンダ室30に入るような大きさで円筒状に形成されている。ブレード82は、ローラ81に設けられているものであり、ローラ81の外周面から半径方向に突出する板状部材である。ブレード82とローラ81とは一体形成されている。なお、ブレードとローラとは別部材であってもよく、両者が溶接により連結して構成されていてもよい。また、ブレードとローラとは、凹凸嵌合構造や、接着剤により連結されていてもよい。
ローラ81の内側には、クランクピン72が、ローラ81の内部で回転可能となるように嵌め込まれている。そして、駆動軸7及びクランクピン72の回転中心となる潤滑油流路71は、クランクピン72の円中心に対して偏心した位置に形成されており、駆動軸7は、クランクピン72と一体に形成されており(図1、図2参照)、クランクピン72と駆動軸7とは一体として回転するようになっている。
一方、クランクピン72とローラ81とは互いに固定されていない。このため、駆動軸7の回転に伴ってクランクピン72は回転(一体として自転)するが、ローラ81は、駆動軸7の回転に伴い、クランクピン72と一体として自転するわけではなく、その外周面の一部においてシリンダ本体3の内周面に接触(又は近接)しつつ、シリンダ本体3の内周面に沿って駆動軸7の周囲を公転する。シリンダ室30においては、この公転毎に、吸入孔34から吸入した冷媒ガスが圧縮されて吐出孔41から吐出される。なお、本実施形態において、駆動軸7とクランクピン72とは一体に形成されているが、駆動軸は、クランクピンとは別体であって且つクランクピンに形成された軸孔に対して挿入されていてもよく、この場合において、クランクピン72は、駆動軸7に対して、これらが一体として回転するように接着等によって取り付けられていてもよい。
また、駆動軸7の中央部には、油溜まり部23に連通している潤滑油流路71が形成されている(図1参照)。この潤滑油流路71の入口側にはポンプ部73が設けられており、潤滑油は、ポンプ部73によって潤滑油流路71内部へ汲み上げられる。また、潤滑油流路71からは、第1油路71a、第2油路71b、第3油路71c及び第4油路71dが分岐して形成されている。第1油路71aは、ローラ81の上部と第1ヘッド部材4aの底面との摺動部への油路となる。第2油路71bは、クランクピン72とローラ81との接触面(これをローラ内部摺動部分とする)に開口している。すなわち、第2油路71bは、軸受け部(ピストン内部)への油路となる。第3油路71cは、ローラ81の下部と、第2ヘッド部材4bの上面との摺動部への油路となる。また、第4油路71dは、ガス抜き穴であり、潤滑油流路71内に溜まったガス及び余剰油の排出路となる。
(ブッシュ)
次に、ブッシュについて説明する。シリンダ本体3に形成された二つの受け入れ用凹部33には、二つのブッシュ35が配置される(図2参照)。二つのブッシュ35は、それぞれが半円柱形状となっている。ピストン8におけるブレード82は、孔状部38内に挿入されており、二つのブッシュ35は、ブレード82の両側面を両側から挟むように配置される。また、二つのブッシュ35は、シリンダ本体3の周方向(図2の矢印方向F参照)に関してブレード82を挟みつつ、二つの受け入れ用凹部33に配置される。また、二つのブッシュ35は、ローラ81の動作(クランクピン72の周囲における公転動作)に応じて、二つの受け入れ用凹部33の壁面に沿って回転移動する。この二つのブッシュ35の回転移動は、一方向に回転し続けるものではなく、右回り、左回りの回転移動を交互に行なうもの(揺動)である。
(オイル戻し通路)
次に、オイル戻し通路6について説明する。複数のオイル戻し通路6は、ケーシング2内部において、シリンダ室30の径方向外側に対応した領域に形成されており、油溜まり部23と放出空間24とを連絡するものである(図1の矢印E参照)。複数のオイル戻し通路6は、具体的には、四つのオイル戻し通路6a〜6dからなる。本実施形態では、複数のオイル戻し通路6は、シリンダ本体3において、軸方向Dに沿って形成された貫通孔からなる(図1、2参照)。また、複数のオイル戻し通路6の最小径は、二つのヘッド部材4の外径にほぼ等しく、軸方向Dに関して、複数のオイル戻し通路6は、二つのヘッド部材4によって遮断されない。なお、複数のオイル戻し通路6は、流路断面積が大きく、異物通過リスクの高い通路であるが、このようなオイル戻し通路の他にも、流路断面積が小さく、異物通過リスクが低いオイル戻し通路が形成されていてもよい。
(フィルタ)
次に、フィルタ5について説明する。図3において、フィルタ5として示す網掛け部分は、フィルタ5の断面ではなく、上方から見たフィルタ5を表わしている。フィルタ5は、潤滑油を濾過して当該潤滑油中の異物を除去するためのものであり、板状で且つリング状に形成されており、複数のオイル戻し通路6にわたるように配置されている(図3参照)。フィルタ5の材料としては、例えば鉄系材料、銅系材料等を用いる。なお、“複数のオイル戻し通路6にわたるように配置”とは、複数のオイル戻し通路6のいずれかを通る潤滑油が、フィルタ5を必ず通るように、フィルタ5が配置されていることを意味する。
フィルタ5は、シリンダ本体3の上側の端面に配置されている。フィルタは、側面視において、シリンダ室30において圧縮された圧縮ガス及び潤滑油がケーシング2の内部に放出される放出部であるマフラー部材36の吐出孔36bと、油溜まり部23から潤滑油が吸い込まれる吸込部である駆動軸7に形成した潤滑油流路71の入口(より具体的には、駆動軸7の下端に設けたデバイダーチューブの開口端部)との間に対応した設置範囲Sに配置されている。なお、圧縮機1の側面視において、「放出部」は、図1中の符号UL(Upper Limit)で示す位置であり、「吸込部」は、図1中の符号LL(lower Limit)で示す位置である。なお、フィルタ5の配置は変更可能であって、フィルタは、例えばシリンダ本体3の下側の端面に配置されていてもよい。また、ヘッド部材にオイル戻し通路として貫通孔が形成されており、フィルタが、二つのヘッド部材のいずれかの端面に配置されていてもよい。また、フィルタの形状はリング状には限られず、例えばC字状等であってもよい。また、部品点数減少の観点から、本実施形態のようにフィルタが一部材から構成されていることが望ましいが、フィルタは一部材でなく複数の部材から構成されていてもよい。また、フィルタの形状は、板状のものには限られない。
また、フィルタ5は、シリンダ本体3に対して、接着により固定されている。なお、フィルタ5の固定方法としては、接着には限られず、ボルト止め、リベット止め、溶接などであってもよい。また、フィルタ5は、シリンダ本体3ではなく、マフラー部材36や、ヘッド部材に対して固定されていてもよい。また、フィルタは、シリンダ本体とマフラー部材の外周端部との間に挟まれることで固定されてもよい。
また、ロータリ圧縮機1において、冷媒ガスの導入経路である吸入管22及び吸入孔34には、フィルタは配置されていない。
(冷媒ガス及び潤滑油の流通経路について)
次に、ロータリ圧縮機1における冷媒ガス及び潤滑油の流通経路について説明する。まず、冷媒ガスが、アキュムレータから、吸入管22から、吸入孔34を通って、シリンダ室30へと吸入される。ここでは、吸入される冷媒ガスに異物が含まれているものとして説明する。
また、ポンプ部73の作用により、油溜まり部23より汲み上げられた潤滑油は、潤滑油流路71の内部に高圧状態で充填される。そして、潤滑油流路71内の潤滑油は、第1油路71a、第2油路71b、第3油路71cを通って、ローラ81の上下の摺動部分及びローラ内部摺動部分へと供給される。また、潤滑油流路71中の余剰油は、第4油路71dを通って放出空間24へと排出される。ここで、潤滑油流路71からの潤滑油は、ローラ81と二つのヘッド部材4との間の隙間を通ってローラ81の外部へと送られる。この潤滑油は、ローラ81とシリンダ室30の内周面との摺動部分(これをローラ外部摺動部分とする)に供給される。ローラ81の内部は、潤滑油及び潤滑油に溶け込んだ冷媒の圧力によって高圧状態に保たれており、シリンダ室30においては、ローラ81の内部から外部に向かう方向に流体の漏れ流れが生じている。そのため、ローラ81の外部から内部へと異物が侵入することは少ない。
また、サイフォン方式により油溜まり部23より汲み上げられた潤滑油は、ブッシュ用潤滑油流路37内部に充填され、二つのブッシュ35とブレード82との間、及び、二つのブッシュ35と二つの受け入れ用凹部33の壁面との間を通ってシリンダ室30へと送られる。
そして、異物を含む冷媒ガスは、シリンダ室30に吸入されて、ピストン8の回転動作によって圧縮される。そして、圧縮ガスは、シリンダ室30の潤滑油の一部と共に、吐出孔41から吐出される。そして、吐出孔41から吐出された圧縮ガス及び潤滑油の混合体は、まずマフラー部材36の内部空間へ入り、その後、二つの吐出孔36bを通って減音作用を受けつつ放出空間24へと放出される。
以上のようにして、異物を含む圧縮ガス及び潤滑油は、第4油路71d及び二つの吐出孔36bから、放出空間24に放出される。そして、放出空間24に放出された冷媒ガスは、モータ9の領域におけるエアギャップ(ステータとロータとの間の隙間及びステータとケーシング2との間の隙間)を通って上昇し、吐出管21からケーシング2の外部へと送り出される。また、放出空間24に放出された潤滑油の一部は、圧縮ガスと共にエアギャップを通って上昇する間に、圧縮ガスから分離され、油滴となって下降する。
この状態において、放出空間24に放出された潤滑油は異物を含んでいる。そして、その後、放出空間24の潤滑油は、オイル戻し通路6を通って、油溜まり部23へと移行する(図1の矢印E参照)。このときに、潤滑油はフィルタ5を必ず通過するため、フィルタ5において、潤滑油に含まれていた異物が捕捉される。そのため、油溜まり部23に異物が混入することが抑制される。
そして、上記と同様に、異物を含んだ冷媒ガスが、吸入管22から吸入され、シリンダ室30において圧縮される。また、潤滑油が潤滑油流路71及びブッシュ用潤滑油流路37に充填され、潤滑油として機能しつつ、シリンダ室30へ向かって移動する。ここで、上記のように、油溜まり部23への異物の混入が抑制されているために、潤滑油流路71を通って移動する潤滑油からは異物が取り除かれており、ローラ内部摺動部分に異物が侵入することが防止される。そして、その後、圧縮ガスは、潤滑油の一部と共に吐出孔41から吐出され、二つの吐出孔36bを通って放出空間24へと放出される。ロータリ圧縮機1において、冷媒ガス及び潤滑油は、このような経路を通って流通する。
[本発明の特徴]
本実施形態にかかるロータリ圧縮機1には、以下のような特徴がある。
本実施形態のロータリ圧縮機1は、筒状のケーシング2と、ケーシング2内部に収められ且つシリンダ室30が形成された一つのシリンダ本体3と、一つのシリンダ本体3を挟むように配置された二つのヘッド部材4と、潤滑油を濾過して当該潤滑油中の異物を除去するためのフィルタ5とを備え、ケーシング2内部において一つのシリンダ本体3及び二つのヘッド部材4の下方には、潤滑油が溜められる油溜まり部23が形成されており、ケーシング2内部において一つのシリンダ本体3及び二つのヘッド部材4の上方には、シリンダ室30において圧縮された圧縮ガス及び潤滑油が放出される放出空間24が形成されており、ケーシング2内部においてシリンダ室30の径方向外側に対応した領域には、油溜まり部23と放出空間24とを連絡する複数のオイル戻し通路6が形成されており、フィルタ5は、複数のオイル戻し通路6にわたるように配置されている。
異物が入り込んだときに最も影響が大きいのは、ピストン8のローラ81とクランクピン72との摺動部分(ローラ内部摺動部分)であり、ピストン8のローラ81とシリンダ室30の内周面との摺動部分(ローラ外部摺動部分)における異物の影響は比較的小さい。そして、導入された冷媒ガスに異物が混入している場合、異物は圧縮室(ローラ81外部)に入り込むが、ローラ81内部へ直接侵入することは少ない。これは、ピストン8のローラ81内部が、高圧の潤滑油及び潤滑油に溶け込んだ冷媒で満たされることにより高圧状態に保たれているため、シリンダ室30の内部において、ローラ81内部の方がローラ81外部よりも高圧状態になっており、ローラ81内部からローラ81外部へと、潤滑油及び潤滑油に溶け込んだ冷媒の流れが生じているからである。
その結果、ローラ内部摺動部分へ異物が侵入する主な経路は、高圧の潤滑油の流路となる油溜まり部23からのオイル供給路となる。オイル供給路としては複数の経路(潤滑油流路71、ブッシュ用潤滑油流路37)が存在するが、最終的には、異物は、ガス及び潤滑油と一体となって、ケーシング内部上方の放出空間24へと放出される。そして、放出された潤滑油は、異物と共に、オイル戻し通路6を通って下部の油溜まり部23へ移動する。すなわち、ローラ内部摺動部分への侵入が問題になるのは、油溜まり部23の潤滑油に混入する異物ということになる。従って、異物が、油溜まり部23を経由してローラ81内部に侵入しないようにすればよいことになり、異物を含む冷媒がシリンダ室30に入り込むこと自体はある程度許容できる。そのため、冷媒の導入経路にフィルタを設置する必要はなく、油溜まり部23に異物が到達する前に異物を濾過できればよい。
そして、シリンダ室30内から放出空間24へ放出された潤滑油及び異物は、複数のオイル戻し通路6を通って油溜まり部23に移動することになるため、複数のオイル戻し通路6にフィルタ5を設置すれば、効率的に異物を捕捉できる。そして、上記の構成では、流路径が比較的小さい導入経路(吸入管22又は吸入孔34)の代わりに、流路断面積が大きいオイル戻し通路6にフィルタ5を配置するので、フィルタの目詰まりが抑制され、圧縮効率の低下が少ない。また、本実施形態にかかるフィルタ5は、複数のオイル戻し通路6にわたるように配置すればよいものであり、フィルタを設置するために構成部材の形状を複雑なものにする必要がない。そのため、例えば、従来の圧縮機の構成部材をそのまま利用することができ、ロータリ圧縮機の構成を簡易なものとすることができる。以上のことから、本構成にかかるロータリ圧縮機1では、簡易な構成により、圧縮効率の低下を抑えつつ摺動部の焼付きや磨耗を防止できる。
また、本構成によると、フィルタ5の形状をリング状にすることにより、一部材としてフィルタを構成でき、この観点においても、ロータリ圧縮機の構成を簡易なものとすることができる。また、本実施形態のように、潤滑油流路71及びブッシュ用潤滑油流路37の二つのオイル供給路がある場合に、これらの二つのオイル供給路に対してフィルタを配置することも考えられるが、その場合には、少なくとも二つのフィルタが必要になる。一方、本実施形態にかかるロータリ圧縮機1においては、一つのフィルタ5によって異物を濾過できる。
さらに、圧縮機内部で発生した異物(シリンダ室30における研磨屑など)については、上記の特許文献1の技術では捕捉が不可能であるが、本構成にかかるフィルタ5によって捕捉することができる。
また、本実施形態にかかるロータリ圧縮機1において、フィルタ5は、一つのシリンダ本体3の上端面に配置されている。そのため、簡素な配置構成にすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明にかかるロータリ圧縮機の第2実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。図4は、本発明の第2実施形態にかかるロータリ圧縮機を示す拡大断面概略図である。
なお、上記の実施形態と同様の部分については図に同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施形態において、符号101、102、122、123、124、107、171を付した部分は、それぞれ、上記の実施形態において、符号1、2、22、23、24、7、71を付した部分に対応し、これらと同様の機能を有するので、これらの説明については適宜省略する。
また、本実施形態にかかるロータリ圧縮機101は、二段型の圧縮機であることが上記の実施形態とは異なる。そして、本実施形態において、符号(103a、103b)、(130a、130b)、(136a、136b)、(172a、172b)、(108a、108b)、(181a、181b)を付した部分は、それぞれ、上記の実施形態において、符号3、30、36、72、8、81を付した部分を二段にしたものに対応し、各段において、これらとほぼ同様の機能を有する。また、符号71f、71gを付した部分は、上記の実施形態において、71b、71cを付した部分に対応し、これらと同様の機能を有する。
また、本実施形態にかかるロータリ圧縮機101は二段型であって、二つのシリンダ本体103a、103bを備えている。また、本実施形態において、ヘッド部材104には、上下二つの第1ヘッド部材104aが含まれる。また、二つのシリンダ本体103a、103bの間には、ミドルプレート(板状部材)104cが配置されている。
本実施形態において、油溜まり部123と放出空間124とを連絡するオイル戻し通路106は、シリンダ本体103a及びシリンダ本体103bに形成された貫通孔、及び、ミドルプレート104cとケーシング102との間の空間として形成されている。
二つのシリンダ本体103a、103bは、軸方向Dに関して、二つのヘッド部材104(二つの第1ヘッド部材104a)に挟まれており、また、二つのシリンダ本体103a、103bは、ミドルプレート104cによって仕切られている。その結果、シリンダ本体103aは、軸方向Dに関して、上側の第1ヘッド部材104a及びミドルプレート104cによって挟まれ、シリンダ本体103bは、軸方向Dに関して、ミドルプレート104c及び下側の第1ヘッド部材104aによって挟まれている。また、本実施形態において、フィルタ5は、上側のシリンダ本体103aの上面に配置されている。また、本実施形態において、下側の第1ヘッド部材104aに形成された吐出孔41から吐出された圧縮ガス及び潤滑油の混合体は、まずマフラー部材136bの内部空間へ入り、その後、図示しない放出経路を通って減音作用を受けつつ放出空間124へと放出される。
本実施形態のロータリ圧縮機101は、筒状のケーシング102と、ケーシング102内部に収められ且つシリンダ室130a、130bが形成された二つのシリンダ本体103a、103bと、二つのシリンダ本体103a、103bの間に配置されたミドルプレート(板状部材)104cと、二つのシリンダ本体103a、103b及びミドルプレート104cを挟むように配置された二つの第1ヘッド部材104aと、潤滑油を濾過して当該潤滑油中の異物を除去するためのフィルタ5とを備え、ケーシング102内部において二つのシリンダ本体103a、103b、二つの第1ヘッド部材104a及びミドルプレート104cの下方には、潤滑油が溜められる油溜まり部123が形成されており、ケーシング102内部において二つのシリンダ本体103a、103b、二つの第1ヘッド部材104a及びミドルプレート104cの上方には、シリンダ室130a、130bにおいて圧縮された圧縮ガス及び潤滑油が放出される放出空間124が形成されており、ケーシング102内部においてシリンダ室130a、130bの径方向外側に対応した領域には、油溜まり部123と放出空間124とを連絡する複数のオイル戻し通路106が形成されており、フィルタ5は、複数のオイル戻し通路106にわたるように配置されている。この構成により、二段型のものにおいても、簡易な構成により、圧縮効率の低下を抑えつつ、摺動部の焼付きや磨耗を防止できる。
また、本実施形態にかかるロータリ圧縮機101において、フィルタ5は、シリンダ本体103aの上端面に配置されている。フィルタは、側面視において、シリンダ室130a、130bにおいて圧縮された圧縮ガス及び潤滑油がケーシング2の内部に放出される放出部であるマフラー部材36の吐出孔36bと、油溜まり部23から潤滑油が吸い込まれる吸込部である駆動軸7に形成した潤滑油流路171の入口(より具体的には、駆動軸107の下端に設けたデバイダーチューブの開口端部)との間に対応した設置範囲Sに配置されている。なお、圧縮機101の側面視において、「放出部」は、図4中の符号UL(Upper Limit)で示す位置であり、「吸込部」は、図4中の符号LL(lower Limit)で示す位置である。なお、フィルタ5の配置は変更可能であって、フィルタ5は、例えば、上側のシリンダ本体103a及び下側のシリンダ本体103bの間に配置されていてもよいし、下側のシリンダ本体103bの底面に配置されていてもよい。また、フィルタ5は、二つの第1ヘッド部材104a及びミドルプレート104cのいずれかの端面に配置されていてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記の実施形態では、フィルタは一つのみ配置されているが、同様のフィルタが二つ以上あってもよい。
また、上記の第1実施形態においては、オイル戻し通路はシリンダ本体に形成された貫通孔であり、第2実施形態においては、オイル戻し通路は、シリンダ本体に形成された貫通孔及びケーシングとミドルプレートとの間の空間であるが、オイル戻し通路は、油溜まり部と放出空間とを連絡するものであればよく、このようなものには限られない。例えば、ヘッド部材の径の大きさがシリンダ本体の径の大きさとほぼ同じであって、ヘッド部材にもシリンダ本体と同様に貫通孔が形成されており、オイル戻し通路は、シリンダ本体及びヘッド部材に形成された貫通孔を含むものであってもよい。また、オイル戻し通路は、シリンダ本体又はヘッド部材に形成された貫通孔には限られず、例えば、シリンダ本体の外径が、その周方向における少なくとも一部においてケーシングの内径に対して小さくなっており、オイル戻し通路がシリンダ本体とケーシングとの間に形成されていてもよい。
なお、上述した第1実施形態では、本発明を1シリンダ型のロータリ圧縮機に適用する例について、第2実施形態では、本発明を2シリンダ型のロータリ圧縮機に適用する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。本発明は、3シリンダ以上の圧縮機にも適用可能である。
なお、上述した第1及び第2実施形態では、CO冷媒を利用する圧縮機について説明したが、本発明はこれに限らず、CO冷媒以外の冷媒を利用する圧縮機にも本発明を適用することができる。
1 ロータリ圧縮機
2 ケーシング
21 吐出管
22 吸入管
23 油溜まり部
24 放出空間
3 シリンダ本体
30 シリンダ室
30k 吸入室
30s 吐出室
33 受け入れ用凹部
34 吸入孔
35 ブッシュ
36 マフラー部材
36b 吐出孔
36v ボルト
37 ブッシュ用潤滑油流路
38 孔状部
4,4a,4b ヘッド部材
40t 弁押さえ部材
40v 吐出弁
41 吐出孔
5 フィルタ
6 オイル戻し通路
7 駆動軸
71 潤滑油流路
71a 第1油路
71b 第2油路
71c 第3油路
71d 第4油路
72 クランクピン
73 ポンプ部
8 ピストン
81 ローラ
82 ブレード
9 モータ

Claims (6)

  1. 筒状のケーシング(2)と、
    前記ケーシング内部に収められ且つシリンダ室(30)が形成された一つのシリンダ本体(3)と、
    前記一つのシリンダ本体を挟むように配置された二つのヘッド部材(4)と、
    潤滑油を濾過して当該潤滑油中の異物を除去するためのフィルタ(5)とを備え、
    前記ケーシング内部において前記一つのシリンダ本体及び前記二つのヘッド部材の下方には、前記潤滑油が溜められる油溜まり部(23)が形成されており、
    前記ケーシング内部において前記一つのシリンダ本体及び前記二つのヘッド部材の上方には、前記シリンダ室において圧縮された圧縮ガス及び前記潤滑油が放出される放出空間(24)が形成されており、
    前記ケーシング内部において前記シリンダ室の径方向外側に対応した領域には、前記油溜まり部と前記放出空間とを連絡する一つ又は複数のオイル戻し通路(6)が形成されており、
    前記フィルタは、前記一つ又は複数のオイル戻し通路にわたるように配置されていることを特徴とするロータリ圧縮機(1)。
  2. 前記フィルタは、前記シリンダ室において圧縮された圧縮ガス及び前記潤滑油が前記ケーシング内部に放出される放出部と、前記油溜まり部において前記潤滑油が吸い込まれる吸込部との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記フィルタは、前記シリンダ本体及び前記二つのヘッド部材のいずれかの端面に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 筒状のケーシング(2)と、
    前記ケーシング内部に収められ且つシリンダ室が形成された複数のシリンダ本体(103a、103b)と、
    前記複数のシリンダ本体のそれぞれの間に配置された1又は複数の板状部材(104c)と、
    前記シリンダ本体及び前記板状部材を挟むように配置された二つのヘッド部材(104)と、
    潤滑油を濾過して当該潤滑油中の異物を除去するためのフィルタ(5)とを備え、
    前記ケーシング内部において前記シリンダ本体、前記板状部材及び前記ヘッド部材の下方には、前記潤滑油が溜められる油溜まり部(123)が形成されており、
    前記ケーシング内部において前記シリンダ本体、前記板状部材及び前記ヘッド部材の上方には、前記シリンダ室において圧縮された圧縮ガス及び前記潤滑油が放出される放出空間(124)が形成されており、
    前記ケーシング内部において前記シリンダ室の径方向外側に対応した領域には、前記油溜まり部と前記放出空間とを連絡する一つ又は複数のオイル戻し通路(106)が形成されており、
    前記フィルタは、前記一つ又は複数のオイル戻し通路にわたるように配置されていることを特徴とするロータリ圧縮機(101)。
  5. 前記フィルタは、前記シリンダ室において圧縮された圧縮ガス及び前記潤滑油が前記ケーシング内部に放出される放出部と、前記油溜まり部において前記潤滑油が吸い込まれる吸込部との間に配置されることを特徴とする請求項4に記載のロータリ圧縮機。
  6. 前記フィルタは、前記シリンダ本体及び前記ヘッド部材のいずれかの端面に配置されていることを特徴とする請求項4または5に記載のロータリ圧縮機。
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