JP2009250053A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Nobuhira Sekiguchi
展平 関口
Naoto Tomioka
直人 富岡
Masanori Yanagisawa
雅典 柳沢
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Abstract

【課題】簡易な構成により、ローラの適度な摺動状態を保ちつつ確実なシール効果を得ることができるロータリ圧縮機を提供する。
【解決手段】ロータリ圧縮機1は、シリンダ室30が形成されたシリンダ本体3と、筒状のローラ81を有するピストン8と、シリンダ本体3を挟むように配置された二つのヘッド部材4と、板部材5とを備える。板部材5は、二つのヘッド部材4の一方である第1ヘッド部材4aとシリンダ本体3との間において、接触部5tがローラ81の端面81sの全周にわたって接触可能となるようにヘッド部材4とシリンダ本体3とによって支持されており、ローラ81との接触状態を維持しつつシリンダ本体3の軸方向Dに関して撓み変形できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダ本体とローラとを有するロータリ圧縮機に関する。
ロータリ圧縮機においては、ピストンのローラと、ヘッド部材との間の隙間が広いと、ローラ内部からオイル及びガスがローラ外部へと漏洩し、圧縮機の圧縮効率が低下してしまう。そのため、通常は、ローラとヘッド部材との間の隙間を狭くした上で、この隙間にオイルを介在させて、この隙間をシールしている。一方で、この隙間を小さくし過ぎると、ローラとヘッド部材との間の摺動状態が悪化し、ローラにおいてロックや磨耗が発生してしまう。
そこで、例えば、特許文献1のロータリ式圧縮機においては、シリンダブロックの両端にサイドプレートが配され、このサイドプレートに設けた軸受けにはシリンダブロックの内部で回転するロータシャフトが支えられ、サイドプレートのロータ摺動面側には環状溝が形成され、この環状溝にはシールリングが遊嵌合状態で装着されている。これにより、ベーンが圧縮行程中にあるときは、環状溝に潤滑油が充満して、シールリングが環状溝の外側とロータ摺動面側とに対して押圧されるので、シールリングとロータ摺動面との摺動状態を適度なものに保ちつつ、シール効果を得ることができる。
特開昭59−51192号公報
しかし、特許文献1の技術を用いる場合には、シールリングを装着するためにサイドプレートに環状溝を形成する必要があり、また、シールリングの形態に関しても、スリットの形成や弾性体の取り付けが必要になるため、圧縮機内部の構成部材の構成が複雑なものとなる。一方、ロータリ圧縮機の構成は簡易なものであることが望ましい。
そこで、この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成により、ローラの適度な摺動状態を保ちつつ確実なシール効果を得ることができるロータリ圧縮機を提供することを目的とする。
第1の発明にかかるロータリ圧縮機は、シリンダ室が形成された筒状のシリンダ本体と、前記シリンダ室の内部に配置される筒状のローラと、前記シリンダ本体を挟むように配置された二つのヘッド部材と、前記二つのヘッド部材の少なくとも一方と前記シリンダ本体との間において、その一部が前記ローラの端面の全周にわたって接触可能となるように前記ヘッド部材と前記シリンダ本体とによって支持された板部材と、を備え、前記板部材は、前記ローラとの接触状態を維持しつつ前記シリンダ本体の軸方向に関して撓み変形できることを特徴とする。
この構成によると、二つのヘッド部材の少なくとも一方とシリンダ本体との間において、その一部がローラの端面の全周にわたって接触可能となるようにヘッド部材とシリンダ本体とによって支持された板部材が備えられていることにより、ローラとヘッド部材との間におけるシール効果が確実に得られ、圧縮効率の低下が抑えられる。また、板部材は、ローラとの接触状態を維持しつつシリンダ本体の軸方向に関して撓み変形できるので、例えば、熱の影響によりローラが軸方向に関して膨張したり、ローラがヘッド部材側に移動したりしても、シール効果は確保されながら、その変形や移動が板部材により許容され、ローラと板部材との摺動状態が適度なものに保たれる。また、板状に形成された板部材をヘッド部材とシリンダ本体とによって支持するので、圧縮機の構成を簡易なものとすることができる。以上のことから、簡易な構成により、ローラの適度な摺動状態を保ちつつ確実なシール効果を得ることができる。
なお、上記の“接触可能”には、(1)非運転状態及び運転状態の両方において接触すること、並びに、(2)非運転状態においては接触せず運転状態においてのみ接触すること、の両方の意味が含まれるものとする。また、板部材とローラとの“接触”には、直接的な接触の他、潤滑油を介した両者の接触が含まれるものとする。また、多段式の圧縮機において、“ヘッド部材”にはミドルプレートが含まれるものとする。
第2の発明にかかるロータリ圧縮機においては、前記板部材には開口が形成されており、運転状態においては、前記ヘッド部材と前記板部材との間に、前記ローラ内部からの潤滑油及びガスの少なくとも一方が前記開口から入り込むことで、前記板部材の一部が前記端面に対して押し付けられる。
これによると、潤滑油及びガスの少なくとも一方によって板部材がローラに押し付けられるので、より確実なシール効果が得られる。なお、“前記ヘッド部材と前記板部材との間に、前記ローラ内部からの潤滑油及びガスの少なくとも一方が前記開口から入り込むことで、前記板部材の一部が前記端面に対して押し付けられる”としているが、この表現には、運転状態における、潤滑油及びガスの少なくとも一方の作用のみによって板部材の一部が端面に対して押し付けられることの他、例えば、板部材が元々撓んだ形状を有していることにより、非運転状態において既に板部材の一部が端面に対して押し付けられており、これに加えて、運転状態における、潤滑油及びガスの少なくとも一方の作用によって、板部材の一部が端面に対してさらに強く押し付けられることも含まれる。
第3の発明にかかるロータリ圧縮機においては、前記板部材において、前記一部が、前記ローラ側に凸状となるように形成されている。これによると、ローラに対して、板部材の一部がより確実に接触するので、さらに確実なシール効果が得られる。
第4の発明にかかるロータリ圧縮機においては、前記板部材において、前記開口の周辺部が、前記ローラの側へ折れ曲がっている。これによると、潤滑油及びガスの少なくとも一方が、ヘッド部材と板部材との間に入り込みやすくなり、さらに確実なシール効果が得られる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、簡易な構成により、ローラの適度な摺動状態を保ちつつ確実なシール効果を得ることができる。
第2の発明では、潤滑油及びガスの少なくとも一方によって板部材がローラに押し付けられるので、より確実なシール効果が得られる。
第3の発明では、ローラに対して、板部材の一部がより確実に接触するので、さらに確実なシール効果が得られる。
第4の発明では、潤滑油及びガスの少なくとも一方が、ヘッド部材と板部材との間に入り込みやすくなり、さらに確実なシール効果が得られる。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るロータリ圧縮機を示す断面概略図である。図2は、図1のロータリ圧縮機のシリンダ本体部分を拡大して示す断面概略図である。図3は、図1のロータリ圧縮機のシリンダ本体の上部付近を拡大して示す断面概略図である。図4は、図1のロータリ圧縮機のK部分を拡大して示す拡大断面概略図である。図5は、図4のロータリ圧縮機の運転状態におけるH部分を拡大して示す拡大断面概略図である。なお、図2は、図1のA−A’矢視断面図であって、一部の構成部材を省略したものである。また、図3は、図1のB−B’矢視断面図であって、一部の構成部材を省略したものである。また、図1は、図2及び図3のG−G’矢視断面の概略図に相当する。
(全体構成)
まず、本実施形態に係るロータリ圧縮機1の全体構成について説明する。ロータリ圧縮機1は、筒状のケーシング2と、シリンダ本体3と、ピストン8と、二つのヘッド部材4と、板部材5と、を含んで構成されている(図1参照)。また、ピストン8は、ブレード82及びローラ81を有し、シリンダ本体3に形成されたシリンダ室30に収容されている(図2参照)。そして、ロータリ圧縮機1は、吸入管22から吸入される冷媒ガスを、圧縮室であるシリンダ室30で圧縮して、その後、圧縮後の冷媒ガスをシリンダ室30からケーシング2の放出空間24に吐出し、さらに吐出管21からケーシング2の外部へと送り出すように構成されている。なお、ロータリ圧縮機1は、図1に示すように、駆動軸7の軸方向(図1の矢印D方向参照)が上下方向に沿うように配置されているものとする。
ケーシング2の内部には、モータ9、シリンダ本体3等が配置されている。本実施形態において、ロータリ圧縮機1は単段型であり、シリンダ本体の数は一つとなっている。また、ケーシング2の内部において、シリンダ本体3及び二つのヘッド部材4の下方の端部(すなわち底部)には、潤滑油が溜められる油溜まり部23が形成されている。なお、図1のドットで示した部分は、油溜まり部23に貯留されている油を示している。
モータ9は、ステータと、ステータの内部に配置されたロータとからなる。そして、モータ9の下方には、シリンダ室30が形成されたシリンダ本体3、二つのヘッド部材4等が配置されており、モータ9に取り付けられた駆動軸7の回転に伴い、ピストン8のローラ81がシリンダ室30内で回転するようになっている。
また、ケーシング2内部において、シリンダ本体3及び二つのヘッド部材4の上方には、シリンダ室30において圧縮された圧縮ガスが放出される空間である放出空間24が形成されている(図1参照)。
また、ケーシング2内部において、シリンダ室30の径方向(図1の矢印C方向参照)外側に対応した領域には、油溜まり部23と放出空間24とを連絡する、複数のオイル戻し通路6が形成されている。また、板部材5は、ヘッド部材4とシリンダ本体3とによって支持されている(図1等参照)。板部材5の詳細については後述する。
(シリンダ本体、シリンダ室)
次に、シリンダ本体3及びシリンダ室30について説明する。シリンダ本体3は、ケーシング2内部に収められている(図1、図2参照)。シリンダ本体3は円筒状に形成されており、シリンダ本体3の内側には、シリンダ室30が形成されている。そして、シリンダ本体3は、シリンダ室30を区画する内周面の、径方向に関する断面形状が円形となるように形成されている(図2参照)。
シリンダ本体3には、シリンダ室30へと連通する吸入孔34が形成されている(図1、2参照)。吸入孔34は、吸入される吸入ガス(冷媒ガス)の流路となるものであり、シリンダ本体3の径方向(図1のC方向参照)に関してシリンダ本体3を貫通するように形成されている。また、シリンダ本体3には、吸入用開口部が形成され、吸入孔34は、吸入用開口部においてシリンダ室30に開口している。そして、吸入孔34には、ケーシング2の外部に配置されたアキュムレータ(図示せず)から伸びる吸入管22が接続されている(図1、図2参照)。以上のようにして、シリンダ室30とアキュムレータとが接続されている。
また、シリンダ本体3には、吸入孔34の他に、シリンダ室30に開口する孔状部38が形成されている(図2参照)。孔状部38は、ブッシュ用潤滑油流路37、及び、二つの受け入れ用凹部33を含むように形成されている。二つの受け入れ用凹部33は、後述する二つのブッシュ35を受け入れるための凹部であり、二つのブッシュ35に沿った形状を有している。ブッシュ用潤滑油流路37は、駆動軸7の軸方向に沿って形成された潤滑油のための流路であり、油溜まり部23に接続されている。本実施形態においては、油溜まり部23の潤滑油が、サイフォン方式により、ブッシュ用潤滑油流路37へと汲み上げられる。なお、ブッシュ用潤滑油流路に対して、油溜まり部23の潤滑油がポンプ機構によって汲み上げられてもよい。また、本実施形態のロータリ圧縮機1は単段型のものであり、シリンダ本体3の数は一つであるが、シリンダ本体の数は複数であってもよい(後述する第2実施形態参照)。
また、シリンダ本体3には、ボルト孔39a〜39eが貫通形成されている(図2参照)。後述する二つのヘッド部材4は、シリンダ本体3に対してボルト止めされるものであり、ボルト孔39a〜39eは、その二つのヘッド部材4をボルト止めする際に用いられる。なお、図2は図1のA−A’矢視断面図であるが、ボルト孔39a〜39eに挿入されたボルトを省略して示している。
(吸入室及び吐出室について)
シリンダ室30は、ピストン8により吸入室30kと吐出室30sとに区画される(図2参照)。そして、吸入孔34及び吐出孔41は、それぞれ、吸入室30k及び吐出室30sに連続している(図2参照)。また、ピストン8のブレード82は、吸入用開口部と吐出孔41とに挟まれる位置に配置されている(図2参照)。
吐出室30sは、吐出孔41に通じる高圧室であり、吸入室30kは、吸入用開口部に通じる低圧室である。具体的に図を参照して説明すると、図2において、ブレード82及びローラ81の右下側が吸入室30kとなり、ブレード82及びローラ81の左上側が吐出室30sとなる。すなわち、吸入室30k、及び、吐出室30sは、ピストン8の回転に伴い、その体積が変化する(例として、図2に示す状態においては、一時的に、吸入室30kの体積と吐出室30sの体積とが一致している)。
(ヘッド部材、マフラー部材)
次に、ヘッド部材4及びマフラー部材36について説明する。二つのヘッド部材4は、シリンダ本体3に対し、軸方向Dに関してシリンダ本体3を挟むように取り付けられている(図1参照)。二つのヘッド部材4は、具体的には、上方の第1ヘッド部材4a及び下方の第2ヘッド部材4bからなる。上記のようにシリンダ本体3は円筒状に形成されているため、二つのヘッド部材4は、シリンダ本体3に取り付けられた状態においてシリンダ室30に面し、シリンダ室30の両開放部を遮断する(図1参照)。また、二つのヘッド部材4のそれぞれにおける中央部には、軸受け孔4h,4jが貫通形成されており、この軸受け孔4h,4jによって、駆動軸7が軸受け支持されている(図1参照)。
また、二つのヘッド部材4のうち、一方の第1ヘッド部材4aには、マフラー部材36がボルト36vによって取り付けられている。また、第1ヘッド部材4aには、シリンダ室30へと連通する吐出孔41が形成されている(図1、図2参照)。そして、吐出孔41は、マフラー部材36の内部とシリンダ室30とを連絡する。また、マフラー部材36には、吐出孔36bが形成されており、マフラー部材36の内部空間のガスは、吐出孔36bを通って、減音作用を受けつつ放出空間24へと放出される。
吐出孔41には、シリンダ室30内の圧力が所定値以上(本実施形態においては、マフラー部材36の内部空間の圧力値よりも少し高い値)になったときに開く吐出弁40vと、弁押さえ部材40tとが設けられている(図1参照)。弁押さえ部材40tは、吐出弁40vの最大開き角度を制限するための部材である。
また、上記のように、二つのヘッド部材4は、シリンダ本体3に対してボルト止めされる。そして、ボルト孔39a〜39eは、そのボルト止めの際に用いられる。より具体的には、第1ヘッド部材4a及び第2ヘッド部材4bは、シリンダ本体3に対して複数のボルト(図示せず)によって止められる。そして、第1ヘッド部材4aを止めるために、第1ヘッド部材4aに挿入されるそれぞれのボルトは、シリンダ本体3を貫通し、第2ヘッド部材4bに対しても挿入される。すなわち、同一のボルトによって、第1ヘッド部材4a、シリンダ本体3、及び、第2ヘッド部材4bが結合している。なお、第1ヘッド部材4aを止めるためのそれぞれのボルトは、シリンダ本体3を貫通しないものであってもよい。
(ピストン)
次に、ピストン8について説明する。ピストン8は、ローラ81、及び、ブレード82を有して構成される。ローラ81は、筒状に形成されており、シリンダ室30の内部に配置されている。また、ローラ81は、シリンダ室30に入るような大きさで円筒状に形成されており、シリンダ室30内で回転移動することにより吸入された冷媒ガスを圧縮する。ブレード82は、ローラ81に設けられているものであり、ローラ81の外周面から半径方向に突出する板状部材である。ブレード82とローラ81とは一体形成されている。なお、ブレードとローラとは別部材であってもよく、両者が溶接により連結して構成されていてもよい。また、ブレードとローラとは、凹凸嵌合構造や、接着剤により連結されていてもよい。
ローラ81の内側には、クランクピン72が、ローラ81の内部で回転可能となるように嵌め込まれている。そして、駆動軸7及びクランクピン72の回転中心となる潤滑油流路71は、クランクピン72の円中心に対して偏心した位置に形成されており、駆動軸7は、クランクピン72と一体に形成されており(図1、図2参照)、クランクピン72と駆動軸7とは一体として回転するようになっている。
一方、クランクピン72とローラ81とは互いに固定されていない。このため、駆動軸7の回転に伴ってクランクピン72は回転(一体として自転)するが、ローラ81は、駆動軸7の回転に伴い、クランクピン72と一体として自転するわけではなく、その外周面の一部においてシリンダ本体3の内周面に接触(又は近接)しつつ、シリンダ本体3の内周面に沿って駆動軸7の周囲を公転する。シリンダ室30においては、この公転毎に、吸入孔34から吸入した冷媒ガスが圧縮されて吐出孔41から吐出される。なお、本実施形態において、駆動軸7とクランクピン72とは一体に形成されているが、駆動軸は、クランクピンとは別体であって且つクランクピンに形成された軸孔に対して挿入されていてもよく、この場合において、クランクピン72は、駆動軸7に対して、これらが一体として回転するように接着等によって取り付けられていてもよい。
また、駆動軸7の中央部には、油溜まり部23に連通している潤滑油流路71が形成されている(図1参照)。この潤滑油流路71の入口側にはポンプ部73が設けられており、潤滑油は、ポンプ部73によって潤滑油流路71内部へ汲み上げられる。また、潤滑油流路71からは、第1油路71b、第2油路71dが分岐して形成されている。第1油路71bは、クランクピン72とローラ81との接触面(ローラ内部摺動部分とする)に開口している。そして、第1油路71bは、(i)ローラ内部摺動部分、(ii)ローラ81と板部材5との間の摺動部、及び、(iii)ローラ81と第2ヘッド部材4bとの間の摺動部、への油路となる。また、第2油路71dは、ガス抜き穴であり、潤滑油流路71内に溜まったガス及び余剰油の排出路となる。なお、本実施形態においては、(i)ローラ内部摺動部分、(ii)ローラ81と板部材5との間の摺動部、及び、(iii)ローラ81と第2ヘッド部材4bとの間の摺動部への油路が、第1油路71b一つのみであるが、このような形態には限られず、例えば、(i)ローラ内部摺動部分への油路、(ii)ローラ81の上面部と板部材5との間の摺動部への油路、及び、(iii)ローラ81の下面部と第2ヘッド部材4bとの間の摺動部への油路、の三つの油路が形成されていてもよい。
(ブッシュ)
次に、ブッシュについて説明する。シリンダ本体3に形成された二つの受け入れ用凹部33には、二つのブッシュ35が配置される(図2参照)。二つのブッシュ35は、それぞれが半円柱形状となっている。ピストン8におけるブレード82は、孔状部38内に挿入されており、二つのブッシュ35は、ブレード82の両側面を両側から挟むように配置される。また、二つのブッシュ35は、シリンダ本体3の周方向(図2の矢印方向F参照)に関してブレード82を挟みつつ、二つの受け入れ用凹部33に配置される。また、二つのブッシュ35は、ローラ81の動作(クランクピン72の周囲における公転動作)に応じて、二つの受け入れ用凹部33の壁面に沿って回転移動する。この二つのブッシュ35の回転移動は、一方向に回転し続けるものではなく、右回り、左回りの回転移動を交互に行なうもの(揺動)である。
(オイル戻し通路)
次に、オイル戻し通路6について説明する。複数のオイル戻し通路6は、ケーシング2内部において、シリンダ室30の径方向外側に対応した領域に形成されており、油溜まり部23と放出空間24とを連絡するものである(図1の矢印E参照)。複数のオイル戻し通路6は、具体的には、四つのオイル戻し通路6a〜6dからなる。本実施形態では、複数のオイル戻し通路6は、シリンダ本体3において、軸方向Dに沿って形成された貫通孔からなる(図1、2参照)。
(板部材)
次に、板部材5について説明する。なお、図3において、板部材5として示す網掛け部分は、板部材5の断面ではなく、上方から見た板部材5を表わしている。また、図3は、図1のB−B’矢視断面図であるが、ロータリ圧縮機1から、マフラー部材36、第1ヘッド部材4a、ピストン8、駆動軸7、クランクピン72、及び、二つのブッシュ35を省略して示している。
板部材5は、第1ヘッド部材4aとシリンダ本体3との間において、その一部がローラ81の端面81sの全周にわたって接触可能となるようにヘッド部材4とシリンダ本体3とによって支持されている。そして、板部材5は、ローラ81との接触状態を維持しつつシリンダ本体3の軸方向Dに関して撓み変形できるようになっている。
板部材5の材料としては、例えば鉄系の素材(スウェーデン鋼、SPHC、SPCC等)を用いる。板部材の材料としては繰り返し曲げに強いものが望ましい。また、板部材5は、ピストン8側の面の表面において、錫鍍金を施されている。これにより、板部材5とローラ81の摺動部における初期なじみ性が高められている。なお、板部材5においては、錫鍍金の代わりに樹脂コーティングされていてもよいし、弾性体が取り付けられていてもよい。また、これらの鍍金等はなくてもよい。
また、図3に示すように、板部材5はリング状に形成されている。そして、板部材5の中央に形成された開口5hは円形であり、板部材5は、開口5hが駆動軸7と同心になるように配置されている。また、板部材5の板厚は約1mmとなっている。板部材の板厚は、1mm以下であることが可撓性の観点から望ましい。なお、板部材の形状はこのようなものには限られない(例えば、後述する第1〜第3変形例参照)。また、板部材の板厚は、全体的に均一であってもよいし、開口5hの周辺部のみ板厚が薄く、ボルト固定される外周側の板厚が開口5hの周辺部よりも厚くてもよい。
また、板部材5には、ボルト孔51a〜51eが形成されている。ボルト孔51a〜51eは、シリンダ本体3に形成されたボルト孔39a〜39eに対応して形成されており、板部材5は、第1ヘッド部材4aをシリンダ本体3に対して取り付けるために用いられる複数のボルトに貫かれ、第1ヘッド部材4aとシリンダ本体3との間に挟まれて固定されている。そして、例えばボルト孔51aに挿入されたボルトは、シリンダ本体3のボルト孔39aに対して挿入される。本実施形態においては、板部材5の固定に関して、元々形成されているボルト孔を用いることができるので、シリンダ本体などの設計変更を伴わずに、簡易に板部材5を固定することができる。なお、板部材の固定方法としては、ボルト止めには限られず、リベット止め、接着、溶接などであってもよい。
なお、本実施形態においては、板部材5が、第1ヘッド部材4aとシリンダ本体3との間において支持されているが、板部材は、二つのヘッド部材の少なくとも一方とシリンダ本体との間において、その一部がローラの端面81sの全周にわたって接触可能となるようにヘッド部材とシリンダ本体とによって支持されていればよく、板部材は、第2ヘッド部材4bとシリンダ本体3との間において支持されていてもよい。また、板部材が複数あり、二つのヘッド部材4の両方とシリンダ本体3との間において支持されていてもよい(後述する第2実施形態参照)。
(ロータリ圧縮機の動作について)
次に、ロータリ圧縮機1の動作について説明する。なお、図1、図4は、非運転状態のロータリ圧縮機1を、図5は、運転状態のロータリ圧縮機1を表わしているものとする。なお、図5では、マフラー部材36、ボルト36v、吐出弁40v、及び、弁押さえ部材40tを省略している。
まず、運転を開始する前の非運転状態、すなわち、ピストン8が回転運動をしていない状態においては、板部材5とローラ81とは接触していない状態であるとする(図1、図4参照)。
そして、運転状態、すなわち、ピストン8が回転運動をしている状態においては、ポンプ部73の作用により、油溜まり部23より汲み上げられた潤滑油は、潤滑油流路71の内部に高圧状態で充填される。そして、潤滑油流路71内の潤滑油は、第1油路71bを通って、ローラ81の上下の摺動部分、及び、ローラ内部摺動部分へと供給される。ここで、潤滑油流路71からの潤滑油は、ローラ81の上下の隙間を通ってローラ81の外部へと送られる。ローラ81の内部は、潤滑油の圧力によって高圧状態に保たれており、シリンダ室30においては、ローラ81の内部から外部に向かう方向に流体の漏れ流れが生じている。
そのため、運転状態においては、第1ヘッド部材4aと板部材5との間に、ローラ81内部からの潤滑油及びガスの少なくとも一方が開口5hから入り込む(図5の一点鎖線部J、及び、空間4s参照)。そして、これにより、板部材5がその内周側において、ピストン8の方へ弾性的に撓み、板部材5の一部である接触部5tがローラ81の端面81sに対して押し付けられる(図5参照)。そして、接触部5t(板部材5の一部)が、ローラ81の端面81sに対して、その全周にわたって接触する。その結果、ローラ81内部と外部とを連絡する流路がシールされ、ローラ81の内部と外部との間における流体の移動が制限される。そのため、圧縮機の圧縮効率の低下が抑制される。なお、板部材5とローラ81との間には、潤滑油が介在している。そのため、板部材5とローラ81との“接触”とは、厳密には、直接的な接触ではなく、潤滑油を介した接触である。なお、これらは潤滑油を介さずに直接的に接触してもよい。
また、板部材5とローラ81とが接触している状態では、板部材5と第1ヘッド部材4aとの間には隙間が生じる(図5の空間4s参照)。そのため、板部材5の作用により、軸方向Dに関して第1ヘッド部材4a側への、ローラ81の移動や変形が許容される。
そして、このように、板部材5と第1ヘッド部材4aとの間には隙間(空間4s)があるために、板部材5とローラ81との接触が適度に調整される。そのため、これらの間の摩擦力が緩和され、良好な摺動性が得られる。
また、第1ヘッド部材4aの内周側のピストン8側端部には、環状凹部42が周方向Fに沿って陥入形成されており、これにより、板部材5の内周側の上面部が露出した状態になる。そのため、板部材5の上方に回り込んだ潤滑油及びガスが、板部材5の内周側を、ローラ81側に押し付け易くなっている(図5のJ参照)。また、駆動軸7の、板部材5の内周側先端部に対向する部分には、環状溝部74が周方向Fに沿って形成されているので、ローラ81内部の潤滑油及びガスが、板部材5の上方に回り込みやすくなっている(図5のJ参照)。また、環状溝部74の、環状突出部76を挟んで、軸方向に関して第2ヘッド部材4b側には、環状溝部75が周方向Fに沿って形成されている。潤滑油及び潤滑油に溶け込んだ冷媒は、この環状溝部75に溜まるため、圧縮行程および吸入行程において圧力変動が生じた場合であっても、潤滑油及び潤滑油に溶け込んだ冷媒が、止まることなく、安定して空間4sへと供給される。
上記のように、板部材5はその内周側が弾性的に撓む。そして、このことにより、(1)軸方向に関して第1ヘッド部材4a側へのピストン8の変位が許容される作用、(2)潤滑油等により板部材5が軸方向に関してピストン8側に押し付けられる作用(シール作用)、の二つの作用が得られる。
なお、本実施形態においては、板部材5は、ローラ81の端面81sに対して、非運転状態においては接触せず、運転状態においてのみ接触してシールするように構成されているが、このようなものには限られず、板部材は、ローラの端面81sに対して、非運転状態及び運転状態の両方において接触してもよい。また、その場合(非運転状態において既に板部材とローラ端面とが接触している場合)においては、当初からシール作用は確保されているので、潤滑油及びガスの少なくとも一方が、ヘッド部材及び板部材の間に入り込まなくてもよい。但し、板部材には、ピストンの変位を許容するだけの可撓性は必要となる。
[本発明の特徴]
本実施形態にかかるロータリ圧縮機1には、以下のような特徴がある。
本実施形態のロータリ圧縮機1は、シリンダ室30が形成された筒状のシリンダ本体3と、シリンダ室30の内部に配置される筒状のローラ81を有するピストン8と、シリンダ本体3を挟むように配置された二つのヘッド部材4と、二つのヘッド部材4の一方である第1ヘッド部材4aとシリンダ本体3との間において、その一部である接触部5tがローラ81の端面81sの全周にわたって接触可能となるようにヘッド部材4とシリンダ本体3とによって支持された板部材5と、を備え、板部材5は、ローラ81との接触状態を維持しつつシリンダ本体3の軸方向Dに関して撓み変形できる。
この構成によると、二つのヘッド部材4の一方である第1ヘッド部材4aとシリンダ本体3との間において、その一部である接触部5tがローラ81の端面81sの全周にわたって接触可能となるようにヘッド部材4とシリンダ本体3とによって支持された板部材5が備えられていることにより、ピストン8のローラ81とヘッド部材4との間におけるシール効果が確実に得られ、圧縮効率の低下が抑えられる。また、板部材5は、ローラ81との接触状態を維持しつつシリンダ本体3の軸方向Dに関して撓み変形できるので、例えば、熱の影響によりローラ81が軸方向Dに関して膨張したり、ローラ81が第1ヘッド部材4a側に移動したりしても、シール効果は確保されながら、その変形や移動が板部材5により許容され、ピストン8のローラ81と板部材5との摺動状態が適度なものに保たれる。また、板状に形成された板部材5をヘッド部材4とシリンダ本体3とによって支持するので、圧縮機の構成を簡易なものとすることができる。以上のことから、簡易な構成により、ローラの適度な摺動状態を保ちつつ確実なシール効果を得ることができる。
なお、上記の“接触可能”には、(1)非運転状態及び運転状態の両方において接触すること、並びに、(2)非運転状態においては接触せず運転状態においてのみ接触すること、の両方の意味が含まれるものとする。また、板部材5とローラ81との“接触”には、直接的な接触の他、潤滑油を介した両者の接触が含まれるものとする。また、多段式の圧縮機において、“ヘッド部材”にはミドルプレートが含まれるものとする(後述する第2実施形態参照)。
また、本実施形態のように、二つのヘッド部材4及びシリンダ本体3を同一ボルトの貫通により固定している場合には、複数のボルトによる締め付けが周方向Fに関して不均一になり、ヘッド部材4とローラ81との間の摩擦力が強すぎる箇所が部分的に生じる可能性がある。このような場合であっても、板部材5によって摺動状態が適切に緩和されるので、適度な摺動状態を維持することができる。
また、運転状態における、板部材5の上面と、第1ヘッド部材4aの下面との間の隙間の大きさ(図5のW1参照)が大きいほど、ローラ81の変位代(変位できる遊び部分)が大きいことになるので、ローラ81の変位(ピストン8の移動、ピストンの熱による膨張などによる変位)を吸収する効果が高くなる。
また、本実施形態にかかるロータリ圧縮機1においては、板部材5には開口5hが形成されており、運転状態においては、ヘッド部材4と板部材5との間に、ローラ81内部からの潤滑油及びガスの少なくとも一方が開口5hから入り込むことで、板部材5の一部である接触部5tが端面81sに対して押し付けられる。これによると、潤滑油及びガスの少なくとも一方によって板部材5がローラ81に押し付けられるので、より確実なシール効果が得られる。
なお、ここでは、“ヘッド部材4と板部材5との間に、ローラ81内部からの潤滑油及びガスの少なくとも一方が開口5hから入り込むことで、板部材5の一部が端面81sに対して押し付けられる”としているが、この表現には、運転状態における、潤滑油及びガスの少なくとも一方の作用のみによって板部材5の一部である接触部5tが端面81sに対して押し付けられることの他、例えば、板部材が元々撓んだ形状を有していることにより(後述する第1変形例〜第3変形例参照)、非運転状態において既に板部材の一部が端面に対して押し付けられており、これに加えて、運転状態における、潤滑油及びガスの少なくとも一方の作用によって、板部材の一部が端面に対してさらに強く押し付けられることも含まれる。
(変形例)
次に、本発明にかかるロータリ圧縮機の変形例について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。図6は、板部材の変形例を説明するための断面概略図であり、(a)は第1実施形態にかかる板部材、(b)は第1変形例にかかる板部材、(c)は第2変形例にかかる板部材、(d)は第3変形例にかかる板部材を示す。なお、図6(a)には、比較参考のために、上記の実施形態にかかる板部材5を示している。
なお、以下においては、上記の実施形態と同様の部分については同一の符号により説明する。また、本実施形態において、符号105h、205h、305hを付した部分は、それぞれ、上記の実施形態において、符号5hを付した部分に対応し、これと同様の機能を有するので、これらの説明については省略する。
第1変形例にかかる板部材105においては、開口105hの周辺部(内周側)が、ピストン8の側へ折れ曲がっている。そして、接触部105tは、折れ曲がった周辺部の先端付近となっている。この構成により、潤滑油及びガスの少なくとも一方が、ヘッド部材4と板部材105との間に入り込みやすくなり、さらに確実なシール効果が得られる。
また、第2変形例にかかる板部材205は、その一部である接触部205tが、ピストン8側に凸状となるように形成されている。具体的には、開口205hの周辺部は、ピストン8側に向かって突出するように山なりに折れ曲がっており、その頂部が接触部205tとなっている。このため、ピストン8のローラ81に対して、板部材205の一部である接触部205tがより確実に接触するので、さらに確実なシール効果が得られる。
第1変形例、第2変形例にかかる板部材についても、上記の実施形態にかかる板部材5と同様に、ローラ81の端面81sに対して、非運転状態においては接触せず、運転状態においてのみ接触してシールしてもよいし、ローラの端面81sに対して、非運転状態及び運転状態の両方において接触してもよい。
また、第3変形例にかかる板部材305は、その一部である接触部305tが、シール面として形成されている。具体的には、第2変形例と同様に、開口305hの周辺部が、ピストン8側に向かって突出するように山なりに折れ曲がっている。そして、その頂部から内周側先端部にまで連続する面が、ローラ81と接触する接触部305tとなっている。この板部材305は、非運転状態においてはローラ81と接触せず、運転状態において開口305hの周辺部がピストン8側へ撓み、接触部305tが図における水平方向(軸方向Dに垂直な方向)にほぼ一致し、ローラ81の端面81sに対して、面接触する。これにより、さらに確実なシール効果が得られる。なお、板部材305とローラ81とは、非運転状態において接触していてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明にかかるロータリ圧縮機の第2実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。図7は、本発明の第2実施形態にかかるロータリ圧縮機を示す断面概略図である。
なお、上記の実施形態と同様の部分については図に同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施形態において、符号401、402、422、423、424、406、407、471を付した部分は、それぞれ、上記の実施形態において、符号1、2、22、23、24、6、7、71を付した部分に対応し、これらと同様の機能を有するので、これらの説明については適宜省略する。
また、本実施形態にかかるロータリ圧縮機401は、二段型の圧縮機であることが上記の実施形態とは異なる。そして、本実施形態において、符号(403a、403b)、(430a、430b)、(436a、436b)、(472a、472b)、(408a、408b)、(481a、481b)を付した部分は、それぞれ、上記の実施形態において、符号3、30、36、72、8、81を付した部分を二段にしたものに対応し、各段において、これらとほぼ同様の機能を有する。また、符号71eを付した部分は、上記の実施形態において、71bを付した部分に対応し、これと同様の機能を有する。
また、本実施形態にかかるロータリ圧縮機401は二段型であって、二つのシリンダ本体403a、403bを備えている。また、本実施形態において、ヘッド部材404には、上下二つの第1ヘッド部材404a、及び、ミドルプレート404cの三つの部材が含まれる。
二つのシリンダ本体403a、403bは、軸方向Dに関して、二つのヘッド部材404(二つの第1ヘッド部材404a)に挟まれており、また、二つのシリンダ本体403a、403bは、ミドルプレート404c(ヘッド部材404)によって仕切られている。その結果、シリンダ本体403aは、軸方向Dに関して、上側の第1ヘッド部材404a及びミドルプレート404cによって挟まれ、シリンダ本体403bは、軸方向Dに関して、ミドルプレート404c及び下側の第1ヘッド部材404aによって挟まれている。また、本実施形態において、下側の第1ヘッド部材404aに形成された吐出孔41から吐出された圧縮ガス及び潤滑油の混合体は、まずマフラー部材436bの内部空間へ入り、その後、図示しない放出経路を通って減音作用を受けつつ放出空間424へと放出される。
また、本実施形態において、ロータリ圧縮機401には、板部材405a〜405dの四つ板部材が配置されている。そして、板部材405aは、上側の第1ヘッド部材404aとシリンダ本体403aとの間に配置されており、板部材405bは、シリンダ本体403aとミドルプレート404cとの間に配置されており、板部材405cは、ミドルプレート404cとシリンダ本体403bとの間に配置されており、板部材405dは、シリンダ本体403bと下側の第1ヘッド部材404aとの間に配置されている。ロータリ圧縮機101はこのように構成されていてもよい。
なお、板部材の配置は、このようなものには限られず、例えば、上記の実施形態と同様に、ピストン408a、408bの上側にのみ配置されていてもよいし、ピストン408a、408bの下側にのみ配置されていてもよい。また、板部材は、ピストン408aの上側及びピストン408bの下側に、または、ピストン408aの下側及びピストン408bの上側に配置されていてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、板部材は、開口が駆動軸と同心になるように配置されているが、板部材の一部がローラの端面の全周に亘って接触可能となるようにヘッド部材とシリンダ本体とによって支持されている限り、板部材は、駆動軸に対して偏心した状態で配置されていてもよい。
また、上記の実施形態では、ピストンがローラ及びブレードからなり、二つのブッシュによってブレードが挟まれる揺動型のロータリ圧縮機について説明したが、本発明は、その他のロータリ式圧縮機、例えば、スライドベーン形の圧縮機等にも適用することができる。
本発明を利用すれば、簡易な構成により、ローラの摺動状態を適度に保ちつつシール性を確保できるロータリ圧縮機が得られる。
本発明の第1実施形態に係るロータリ圧縮機を示す断面概略図である。 図1のロータリ圧縮機のシリンダ本体部分を拡大して示す断面概略図である。 図1のロータリ圧縮機のシリンダ本体の上部付近を拡大して示す断面概略図である。 図1のロータリ圧縮機のK部分を拡大して示す拡大断面概略図である。 図4のロータリ圧縮機の運転状態におけるH部分を拡大して示す拡大断面概略図である。 板部材の変形例を説明するための断面概略図であり、(a)は第1実施形態にかかる板部材、(b)は第1変形例にかかる板部材、(c)は第2変形例にかかる板部材、(d)は第3変形例にかかる板部材を示す。 本発明の第2実施形態にかかるロータリ圧縮機を示す断面概略図である。
1 ロータリ圧縮機
2 ケーシング
21 吐出管
22 吸入管
23 油溜まり部
24 放出空間
3 シリンダ本体
30 シリンダ室
30k 吸入室
30s 吐出室
33 受け入れ用凹部
34 吸入孔
35 ブッシュ
36 マフラー部材
36b 吐出孔
36v ボルト
37 ブッシュ用潤滑油流路
38 孔状部
39a〜39e ボルト孔
4,4a,4b ヘッド部材
4h,4j 軸受け孔
4s 空間
40t 弁押さえ部材
40v 吐出弁
41 吐出孔
5 板部材
5h 開口
5t 接触部(板部材の一部)
51a〜51e ボルト孔
6 オイル戻し通路
7 駆動軸
71 潤滑油流路
71b 第1油路
71d 第2油路
72 クランクピン
73 ポンプ部
8 ピストン
81 ローラ
81s 端面
82 ブレード
9 モータ

Claims (4)

  1. シリンダ室(30)が形成された筒状のシリンダ本体(3)と、
    前記シリンダ室の内部に配置される筒状のローラ(81)を有するピストン(8)と、
    前記シリンダ本体を挟むように配置された二つのヘッド部材(4)と、
    前記二つのヘッド部材の少なくとも一方と前記シリンダ本体との間において、その一部が前記ローラの端面の全周にわたって接触可能となるように前記ヘッド部材と前記シリンダ本体とによって支持された板部材(5)と、を備え、
    前記板部材は、前記ローラとの接触状態を維持しつつ前記シリンダ本体の軸方向に関して撓み変形できることを特徴とするロータリ圧縮機(1)。
  2. 前記板部材には開口(5h)が形成されており、
    運転状態においては、前記ヘッド部材と前記板部材との間に、前記ローラ内部からの潤滑油及びガスの少なくとも一方が前記開口から入り込むことで、前記板部材の一部が前記端面に対して押し付けられることを特徴とする請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記板部材において、前記一部が、前記ピストン側に凸状となるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記板部材において、前記開口の周辺部が、前記ピストンの側へ折れ曲がっていることを特徴とする請求項2に記載のロータリ圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018059515A (ja) * 2017-12-08 2018-04-12 三菱電機株式会社 回転圧縮機

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