JP2012137007A - 圧縮機 - Google Patents

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丈雄 林
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Abstract

【課題】吐出側ブッシュの周期的な移動によって振動音が発生するのを抑制できる。
【解決手段】圧縮機は、圧縮室31とブレード収容部33を有するシリンダ30と、ピストン40と、ブレード収容部33の内側に配置される吐出側ブッシュ34a及び吸入側ブッシュ34bとを備える。ピストン40は、圧縮室31に配置された環状のローラ41と、ローラ41の外周面から延在し且つブッシュ34a、34b間を進退可能に配置されたブレード42とを有する。ブッシュ34a、34bの少なくとも一方について、(1)ブッシュの外周面においてブレード42の側面に対向した面、(2)ブッシュの外周面においてブレード収容部33の周壁面に対向した面、(3)ブレード42の側面においてブッシュの外周面に対向した面、及び、(4)ブレード収容部33の周壁面においてブッシュの外周面に対向した面、の少なくとも1つの全面または一部に、樹脂層(S1〜S5)が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機に関する。
圧縮機として、圧縮室を有するシリンダがケーシング内に配置され、その圧縮室の内部に配置されたピストンを備えたものがある。このシリンダには、圧縮室に連通したブレード収容部が形成されている。そして、ピストンは、環状のローラが圧縮室の内部において圧縮室の内壁面に沿って移動すると共に、ローラの外周面から延在したブレードがブレード収容部に対して進退可能に設けられている。また、ブレード収容部の内部において、ブレードの両側には、吐出側ブッシュと低圧室側ブッシュがそれぞれ配置されている(例えば、特許文献1参照)。潤滑油や冷媒漏れを少なく保つ観点からは、ブレード収容部とブッシュ、および、ブッシュとブレードとの隙間はできるだけ小さい方が好ましいが、金属部品間で生じる焼付きや摩耗を抑制するために、ブレード収容部とブッシュ、および、ブッシュとブレードとの間には、ある程度の隙間が設けられている。
特開2003−172279号公報
ところで、上記の圧縮機では、吐出弁が開く吐出圧力になる前の過圧縮状態において、高圧室の圧力がケーシング内の圧力よりも高くなることによって、吐出側ブッシュはブレード収容部においてシリンダ径方向外側に向けて移動する。その後、冷媒が吐出されると、高圧室の圧力が急激に低下し、ケーシング内の圧力が高圧室の圧力よりも高くなることによって、吐出側ブッシュはブレード収容部においてシリンダ径方向内側に向けて移動する。そして、圧縮室において冷媒が圧縮されるのに伴って、吐出側ブッシュが周期的に移動することにより振動音が発生するという問題がある。
本発明の目的は、吐出側ブッシュの周期的な移動によって振動音が発生するのを抑制できる圧縮機を提供することである。
第1の発明に係る圧縮機は、圧縮室及び圧縮室に連通したブレード収容部を有するシリンダと、シリンダの両端に配置される第1端板部材及び第2端板部材と、圧縮室及び前記ブレード収容部の内側に配置されるピストンと、ブレード収容部の内側に配置される吐出側ブッシュ及び吸入側ブッシュとを備え、ピストンは、圧縮室に配置された環状のローラと、ローラの外周面から延在し且つブレード収容部に配置された吐出側ブッシュと吸入側ブッシュとの間を進退可能に配置されたブレードとを有し、吐出側ブッシュ及び吸入側ブッシュの少なくとも一方について、(1)ブッシュの外周面においてブレードの側面に対向した面、(2)ブッシュの外周面においてブレード収容部の周壁面に対向した面、(3)ブレードの側面においてブッシュの外周面に対向した面、及び、(4)ブレード収容部の周壁面においてブッシュの外周面に対向した面、の少なくとも1つの全面または一部には、樹脂層が形成されている。
この圧縮機では、樹脂層の存在により、ブレード収容部とブッシュとブレードの各金属部品間で発生しうる焼付きや摩耗を防止しつつ、吐出側ブッシュの外周面とブレードの側面との間の隙間、および、吐出側ブッシュの外周面とブレード収容部の周壁面との間の隙間を詰めることができる。従って、吐出側ブッシュがブレード収容部においてシリンダ径方向外側またはシリンダ径方向内側に向かって周期的に移動する際の可動範囲を小さくできる。その結果、吐出側ブッシュの移動によって振動音が発生するのを抑制できる。
第2の発明に係る圧縮機は、圧縮室及び圧縮室に連通したブレード収容部を有するシリンダと、シリンダの両端に配置される第1端板部材及び第2端板部材と、圧縮室及びブレード収容部の内側に配置されるピストンと、ブレード収容部の内側に配置される吐出側ブッシュ及び吸入側ブッシュとを備え、ピストンは、圧縮室に配置された環状のローラと、ローラの外周面から延在し且つブレード収容部に配置された吐出側ブッシュと吸入側ブッシュとの間を進退可能に配置されたブレードとを有し、(1)吐出側ブッシュの外周面においてブレードの側面に対向した面、(2)吐出側ブッシュの外周面においてブレード収容部の周壁面に対向した面、(3)ブレードの側面において吐出側ブッシュの外周面に対向した面、及び、(4)ブレード収容部の周壁面において吐出側ブッシュの外周面に対向した面、の少なくとも1つの全面または一部には、樹脂層が形成されていると共に、(5)吸入側ブッシュの外周面、(6)ブレードの側面において吸入側ブッシュの外周面に対向した面、及び、(7)ブレード収容部の周壁面において吸入側ブッシュの外周面に対向した面には、樹脂層が形成されていない。
この圧縮機では、第1の発明に係る圧縮機と同様の効果が得られる。さらに、この圧縮機では、吸入側ブッシュの周囲の隙間には、樹脂層が形成されていない。したがって、樹脂層が吸入側ブッシュの周囲の隙間に形成されている場合に発生する問題(高圧室と低圧室との圧力差、及び、ブレード収容部のシリンダ径方向外側の空間(ブレード収容部における吐出側ブッシュと吸入側ブッシュが収容されていない空間)と低圧室との圧力差によって、ブレードの側面が吸入側ブッシュの外周面に押圧されたり、吸入側ブッシュの外周面がブレード収容部の周壁面に押圧されたりすることにより、樹脂層が摩耗して、吸入側ブッシュの周囲の隙間が広くなる、ひいては、吐出側ブッシュの周囲の隙間が広くなる問題)を解消できる。
第3の発明に係る圧縮機は、圧縮室及び圧縮室に連通したブレード収容部を有するシリンダと、シリンダの両端に配置される第1端板部材及び第2端板部材と、圧縮室及びブレード収容部の内側に配置されるピストンと、ブレード収容部の内側に配置される吐出側ブッシュ及び吸入側ブッシュとを備え、ピストンは、圧縮室に配置された環状のローラと、ローラの外周面から延在し且つブレード収容部に配置された吐出側ブッシュと吸入側ブッシュとの間を進退可能に配置されたブレードとを有し、(1)ブレードの側面において吐出側ブッシュの外周面に対向した面、及び、(2)ブレード収容部の周壁面において吐出側ブッシュの外周面に対向した面、の少なくとも一方の全面または一部には、樹脂層が形成されていると共に、(3)吐出側ブッシュの外周面、(4)吸入側ブッシュの外周面、(5)ブレードの側面において吸入側ブッシュの外周面に対向した面、及び、(6)ブレード収容部の周壁面において吸入側ブッシュの外周面に対向した面には、樹脂層が形成されていない。
この圧縮機では、第1及び第2の発明に係る圧縮機と同様の効果が得られる。さらに、この圧縮機では、吐出側ブッシュの外周面及び吸入側ブッシュの外周面のいずれにも、樹脂層が形成されていない。したがって、吐出側ブッシュと吸入側ブッシュとして、同一部品を用いることができる。
第4の発明に係る圧縮機は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記樹脂層の曲げ弾性率が、前記樹脂層を挟むように設けられた2つの部材のヤング率の少なくとも一方よりも小さいことを特徴とする。
この圧縮機では、吐出側ブッシュの外周面とブレード収容部の周壁面との間に樹脂層が配置されている場合、吐出側ブッシュがブレード収容部においてシリンダ径方向外側またはシリンダ径方向内側に向かって周期的に移動しても、樹脂層がクッション材の役割を果たすことから、吐出側ブッシュの移動によって振動音が発生するのを抑制できる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、樹脂層の存在により、ブレード収容部とブッシュとブレードの各金属部品間で発生しうる焼付きや摩耗を防止しつつ、吐出側ブッシュの外周面とブレードの側面との間の隙間、および、吐出側ブッシュの外周面とブレード収容部の周壁面との間の隙間を詰めることができる。従って、吐出側ブッシュがブレード収容部においてシリンダ径方向外側またはシリンダ径方向内側に向かって周期的に移動する際の可動範囲を小さくできる。その結果、吐出側ブッシュの移動によって振動音が発生するのを抑制できる。
第2の発明では、第1の発明に係る圧縮機と同様の効果が得られる。さらに、この圧縮機では、吸入側ブッシュの周囲の隙間には、樹脂層が形成されていない。したがって、樹脂層が吸入側ブッシュの周囲の隙間に形成されている場合に発生する問題(高圧室と低圧室との圧力差、及び、ブレード収容部のシリンダ径方向外側の空間(ブレード収容部における吐出側ブッシュと吸入側ブッシュが収容されていない空間)内と低圧室との圧力差によって、ブレードの側面が吸入側ブッシュの外周面に押圧されたり、吸入側ブッシュの外周面がブレード収容部の周壁面に押圧されたりすることにより、樹脂層が摩耗して、吸入側ブッシュの周囲の隙間が広くなる、ひいては、吐出側ブッシュの周囲の隙間が広くなる問題)を解消できる。
第3の発明では、第1及び第2の発明に係る圧縮機と同様の効果が得られる。さらに、この圧縮機では、吐出側ブッシュの外周面及び吸入側ブッシュの外周面のいずれにも、樹脂層が形成されていない。したがって、吐出側ブッシュと吸入側ブッシュとして、同一部品を用いることができる。
第4の発明では、吐出側ブッシュの外周面とブレード収容部の周壁面との間に樹脂層が配置されている場合、吐出側ブッシュがブレード収容部においてシリンダ径方向外側またはシリンダ径方向内側に向かって周期的に移動しても、樹脂層がクッション材の役割を果たすことから、吐出側ブッシュの移動によって振動音が発生するのを抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機の概略断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図であって、シリンダ内でのピストンの動作を示す図である。 図2(a)中の太線で囲んだ部分の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る圧縮機のブッシュ周辺の拡大図である。 本発明の第3実施形態に係る圧縮機のブッシュ周辺の拡大図である。 本発明の第4実施形態に係る圧縮機の概略断面図である。 図6のB−B線に沿った断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、1シリンダ型のロータリ圧縮機に本発明を適用した一例である。図1に示すように、本実施形態の圧縮機1は、密閉ケーシング2と、密閉ケーシング2内に配置される圧縮機構10及び駆動機構6を備えている。なお、図1は、駆動機構6の断面を示すハッチングを省略して表示している。この圧縮機1は、例えば、空調装置などの冷凍サイクルに組み込まれて使用され、吸入管3から導入された冷媒(本実施形態では、CO)を圧縮して排出管4から排出する。図1の上下方向を単に上下方向として、圧縮機1について以下説明する。
密閉ケーシング2は、両端が塞がれた円筒状の容器であり、その上部には、圧縮された冷媒を排出するための排出管4と、駆動機構6の後述する固定子7bのコイルに電流を供給するためのターミナル端子5が設けられている。なお、図1では、コイルとターミナル端子5とを接続する配線は省略して表示している。また。密閉ケーシング2の側部には、圧縮機1に冷媒を導入するための吸入管3が設けられている。また、密閉ケーシング2内の下部には、圧縮機構10の摺動部の動作を滑らかにするための潤滑油Lが貯留されている。潤滑油Lの液面高さは、後述するシリンダ30の下端よりも高い位置である。密閉ケーシング2の内部には、駆動機構6と、圧縮機構10とが上下に並んで配置されている。
駆動機構6は、圧縮機構10を駆動するために設けられており、駆動源となるモータ7と、このモータ7に取り付けられたシャフト8とから構成されている。
モータ7は、密閉ケーシング2の内周面に固定されている略円環状の固定子7bと、この固定子7bの径方向内側にエアギャップを介して配置される回転子7aとを備えている。回転子7aは磁石(図示省略)を有し、固定子7bはコイルを有している。モータ7は、コイルに電流を流すことによって発生する電磁力によって、回転子7aを回転させる。また、固定子7bの外周面は、全周にわたって密閉ケーシング2の内周面に密着しているわけではなく、固定子7bの外周面には、上下方向に延び且つモータ7の上下の空間を連通させる複数の凹部(図示省略)が、周方向に並んで形成されている。
シャフト8は、モータ7の駆動力を圧縮機構10に伝達するために設けられており、回転子7aの内周面に固定されて、回転子7aと一体的に回転する。また、シャフト8は、後述する圧縮室31内となる位置に、偏心部8aを有している。偏心部8aは、円柱状に形成されており、その軸心がシャフト8の回転中心から偏心している。この偏心部8aには、圧縮機構10の後述するローラ41が装着されている。
また、シャフト8の下側略半分の内部には、上下方向に延在する給油路8bが形成されている。この給油路8bの下端部には、シャフト8の回転に伴って潤滑油Lを給油路8b内に吸い上げるための螺旋羽根形状のポンプ部材(図示省略)が挿入されている。さらに、シャフト8には、給油路8b内の潤滑油Lをシャフト8の外側に排出するための複数の排出孔8cが形成されている。
圧縮機構10は、密閉ケーシング2の内周面に固定されるフロントヘッド(第1端板部材)20と、フロントヘッド20の上側に配置されるマフラー11と、フロントヘッド20の下側に配置されるシリンダ30と、シリンダ30の内部に配置されるピストン40と、シリンダ30の下側に配置されるリアヘッド(第2端板部材)50とを備えている。詳細は後述するが、図2に示すように、シリンダ30は、略円環状の部材であって、その中央部に圧縮室31が形成されている。シリンダ30は、リアヘッド50と共に、フロントヘッド20の下側にボルトにより固定されている。なお、図2は、シリンダ30に形成されているボルト孔は省略して表示している。
フロントヘッド20は、略円環状の部材であって、その中央部に、シャフト8が回転可能に挿通される軸受け孔21が形成されている。フロントヘッド20の外周面は、密閉ケーシング2の内周面にスポット溶接などによって固定されている。フロントヘッド20の下面は、シリンダ30の圧縮室31の上端を閉塞している。フロントヘッド20には、圧縮室31において圧縮された冷媒を吐出するための吐出孔22が形成されている。吐出孔22は、上下方向から視て、シリンダ30の後述するブレード収容部33の近傍に形成されている。図示は省略するが、フロントヘッド20の上面には、圧縮室31内の圧力に応じて吐出孔22を開閉する弁機構が取り付けられている。また、フロントヘッド20のシリンダ30よりも径方向外側の部分には、複数の油戻し孔23が周方向に並んで形成されている。フロントヘッド20は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
リアヘッド50は、略円環状の部材であって、その中央部にシャフト8が回転可能に挿通される軸受け孔51が形成されている。リアヘッド50は、シリンダ30の圧縮室31の下端を閉塞している。リアヘッド50は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
マフラー11は、フロントヘッド20の吐出孔22から冷媒が吐出される際の騒音を低減するために設けられている。マフラー11は、フロントヘッド20の上面にボルトによって取り付けられ、フロントヘッド20との間にマフラー空間Mを形成している。また、図示は省略するが、マフラー11には、マフラー空間M内の冷媒を排出するためのマフラー吐出孔が形成されている。
シリンダ30には、上述した圧縮室31と、圧縮室31内に冷媒を導入するための吸入孔32と、ブレード収容部33が形成されている。なお、図2(a)は、図1のA−A線断面図であって、フロントヘッド20の吐出孔22は本来表れないが、説明の便宜上表示している。シリンダ30は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
吸入孔32は、シリンダ30の径方向に延在して形成されており、その端部(圧縮室31と反対側の端部)には、吸入管3の先端が内嵌されている。
図2に示すように、ブレード収容部33は、シリンダ30を上下方向に貫通しており、圧縮室31と連通している。ブレード収容部33は、圧縮室31の径方向に延在している。ブレード収容部33は、上下方向から視て、吸入孔32とフロントヘッド20の吐出孔22との間の位置に形成されている。このブレード収容部33のシリンダ径方向内側部分の内側には、一対の吐出側ブッシュ34a、吸入側ブッシュ34bが配置されている。一対のブッシュ34a、34bは、略円柱状の部材を半分割した形状に形成されている。この一対のブッシュ34a、34bの間にブレード42が配置されている。一対のブッシュ34a、34bは、その間にブレード42が配置された状態で、ブレード収容部33内において周方向に揺動可能となっている。
ブレード収容部33のシリンダ径方向内側の部分の上下端は、フロントヘッド20とリアヘッド50で閉塞されているが、ブレード収容部33のシリンダ径方向外側部分の上下端は閉塞されていない。そのため、ブレード収容部33のシリンダ径方向外側部分には、密閉ケーシング2に貯留された潤滑油Lが存在する。
図2に示すように、ピストン40は、円環状のローラ41と、このローラ41の外周面から径方向外側に延在するブレード42とから構成されている。ローラ41は、偏心部8aの外周面に相対回転可能に装着されて、圧縮室31内に配置されている。ブレード42は、ブレード収容部33に配置された一対のブッシュ34a、34bの間に進退可能に配置されている。
また、図2(b)〜図2(d)に示すように、ブレード42がブレード収容部33から圧縮室31側に出ている状態では、ローラ41の外周面と圧縮室31の周壁面との間に形成される空間は、ブレード42によって低圧室31aと高圧室31bに区画される。
<樹脂層>
図3に示すように、樹脂層S1は、吐出側ブッシュ34aの外周面(吐出側ブッシュ34aの外周面においてブレード42の側面に対向した面、及び、ブッシュ34aの外周面においてブレード収容部33の周壁面に対向した面を含む)に形成されていると共に、樹脂層S2は、吸入側ブッシュ34bの外周面(吸入側ブッシュ34bの外周面においてブレード42の側面に対向した面、及び、吸入側ブッシュ34bの外周面においてブレード収容部33の周壁面に対向した面を含む)に形成されている。
また、樹脂層S3は、ブレード42の側面(ブレード42の側面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面、及び、ブレード42の側面において吸入側ブッシュ34bの外周面に対向した面を含む)に形成されている。さらに、樹脂層S4は、ブレード収容部33の周壁面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面に形成されると共に、樹脂層S5は、ブレード収容部33の周壁面において吸入側ブッシュ34bの外周面に対向した面に形成されている。
そして、樹脂層S1と樹脂層S3との間には、微小な隙間D1が形成され、樹脂層S1と樹脂層S4との間には、微小な隙間D2が形成されている。また、樹脂層S2と樹脂層S3との間には、微小な隙間D3が形成され、樹脂層S2と樹脂層S5との間には、微小な隙間D4が形成されている。上述したように、ブレード収容部33のシリンダ径方向外側部分には、密閉ケーシング2に貯留された潤滑油Lが存在する。また、隙間D1〜D4にも潤滑油Lは存在する。ブレード収容部33内の潤滑油Lは、密閉ケーシング2内と圧縮室31内の圧力差により、圧縮室31に供給される。なお、圧縮機1を使用する前の状態における樹脂層S1〜S5の厚さは、例えば、1〜5μm程度であるが、この値に限定されるものではない。また、樹脂層S1〜S5の材料には、例えばポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン等、あるいはそれらの混合物を用いることができる。樹脂層S1〜S5の曲げ弾性率は、樹脂層S1〜S5が設けられる基材のヤング率よりも小さい。
<圧縮機の動作>
次に、本実施形態の圧縮機1の動作について、図2(a)〜図2(d)を参照して説明する。図2(a)は、ピストン40が上死点にある状態を示しており、図2(b)〜図2(d)は、図2(a)の状態から、それぞれ、シャフト8が、90°、180°(下死点)、270°回転した状態を示している。
吸入管3から吸入孔32を介して圧縮室31に冷媒を供給しつつ、モータ7の駆動によりシャフト8を回転させると、図2(a)〜図2(d)に示すように、偏心部8aに装着されたローラ41は、圧縮室31の周壁面に沿って移動する。これにより、圧縮室31内で冷媒が圧縮される。冷媒が圧縮される工程について、以下、詳細に説明する。
図2(a)の状態から偏心部8aが図中の矢印方向に回転すると、図2(b)に示すように、ローラ41の外周面と圧縮室31の周壁面とによって形成される空間が、低圧室31aと高圧室31bに区画される。さらに偏心部8aが回転すると、図2(b)〜図2(d)に示すように、低圧室31aの容積が大きくなるため、吸入管3から吸入孔32を介して低圧室31a内に冷媒が吸い込まれていく。同時に、高圧室31bの容積が小さくなるため、高圧室31bにおいて冷媒が圧縮される。
そして、高圧室31b内の圧力が所定の圧力以上になった時点で、フロントヘッド20に設けられた弁機構が開弁して、高圧室31b内の冷媒が吐出孔22を介してマフラー空間Mに吐出される。その後、図2(a)の状態に戻り、高圧室31bからの冷媒の吐出が完了する。この工程を繰り返すことにより、吸入管3から圧縮室31に供給された冷媒が連続的に圧縮されて排出される。
マフラー空間Mに吐出された冷媒は、マフラー11のマフラー吐出孔(図示省略)から圧縮機構10の外に吐出される。圧縮機構10から吐出された冷媒は、固定子7bと回転子7aとの間のエアギャップなどを通過した後、最終的に、排出管4から密閉ケーシング2の外に排出される。
このとき、シャフト8の排出孔8cから圧縮室31内に供給された潤滑油Lの一部は、冷媒と共に吐出孔22からマフラー空間Mに吐出された後、マフラー11のマフラー吐出孔(図示省略)から圧縮機構10の外に吐出される。圧縮機構10の外に吐出された潤滑油Lの一部は、フロントヘッド20の油戻し孔23を通って密閉ケーシング2の下部の貯留部に戻される。また、圧縮機構10の外に吐出された潤滑油Lの他の一部は、冷媒と共に固定子7bと回転子7aとの間のエアギャップを通過した後、固定子7bの外周面に形成された凹部(図示省略)と密閉ケーシング2の内周面との間と、フロントヘッド20の油戻し孔23とを通って、密閉ケーシング2の下部の貯留部に戻される。
[第1実施形態の圧縮機の特徴]
従来、ブレード収容部、ブッシュおよびブレードは、部品同士の焼付きや摩耗を少なくする観点から、ブッシュの周囲にある程度の隙間が形成されるように配置されている。
これに対して、本実施形態の圧縮機1では、吐出側ブッシュ34aの外周面とブレード42の側面との間に設けられた樹脂層S1、S3、および、吐出側ブッシュ34aの外周面とブレード収容部33の周壁面との間に設けらた樹脂層S1、S4によって、吐出側ブッシュ34aの周囲での焼付きや摩耗を防止しつつ、吐出側ブッシュ34aの外周面とブレード42の側面との間の隙間D1、および、吐出側ブッシュ34aの外周面とブレード収容部33の周壁面との間の隙間D2を詰めることができる。
また、上死点以外において、高圧室31bと低圧室31aとの圧力差、及び、ブレード収容部33のシリンダ径方向外側部分の空間(ブッシュ34a、34bが収容されていない空間)と低圧室31aとの圧力差によって、ブレード42の側面が吸入側ブッシュ34bの外周面に押圧されたり、吸入側ブッシュ34bの外周面がブレード収容部33の周壁面に押圧されたりすることにより、樹脂層S2とS3、およびS2とS5は接触状態にある。そのため、吸入側ブッシュ34bの周囲に設けられた樹脂層S2、S3、S5によっても、吐出側ブッシュ34aの外周面とブレード42の側面との間の隙間D1、および、吐出側ブッシュ34aの外周面とブレード収容部33の周壁面との間の隙間D2を詰めることができる。また、吸入側ブッシュ34bの周囲に設けられた樹脂層S2、S3、S5は、吸入側ブッシュ34bの周囲での焼付きや摩耗を防止できる。
このように、樹脂層S1〜S5の存在により、ブッシュ34a、34bの周囲での焼付きや摩耗を防止しつつ、隙間D1、D2を詰めることができる。従って、吐出側ブッシュ34aがブレード収容部33においてシリンダ径方向外側またはシリンダ径方向内側に向かって周期的に移動する際の可動範囲を小さくできる。その結果、吐出側ブッシュ34aの移動によって振動音が発生するのを抑制できる。
また、本実施形態の圧縮機1では、吐出側ブッシュ34aの外周面とブレード収容部33の周壁面との間に樹脂層S1、S4が配置されており、樹脂層S1、S4の曲げ弾性率は、樹脂層S1、S4が設けられる基材のヤング率よりも小さい。そのため、たとえ吐出側ブッシュ34aがブレード収容部33においてシリンダ径方向外側またはシリンダ径方向内側に向かって周期的に移動しても、吐出側ブッシュ34aとブレード収容部33のとの間に形成された樹脂層S1、S4がクッション材の役割を果たすことから、吐出側ブッシュ34aの移動によって振動音が発生するのを抑制できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る圧縮機について説明する。本実施形態の圧縮機は、吸入側ブッシュ34bの外周面、及び、ブレード収容部33の周壁面において吸入側ブッシュ34bの外周面に対向した面に、それぞれ、樹脂層S2、S5が形成されていない点と、樹脂層S3をブレード42の側面の全面に形成するのではなく、樹脂層S23をブレード42の高圧室31b側の側面に形成した点で、第1実施形態の圧縮機1と相違している。なお、本実施形態では、第1実施形態で説明した要素と同一の要素について同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
<樹脂層>
図4に示すように、樹脂層S1は、吐出側ブッシュ34aの外周面(吐出側ブッシュ34aの外周面においてブレード42の側面に対向した面、及び、ブッシュ34aの外周面においてブレード収容部33の周壁面に対向した面を含む)に形成されていると共に、樹脂層S23は、ブレード42の高圧室31b側の側面(ブレード42の側面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面を含む)に形成されている。さらに、樹脂層S4は、ブレード収容部33の周壁面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面に形成されている。
そして、樹脂層S1と樹脂層S23との間には、微小な隙間D1が形成され、樹脂層S1と樹脂層S4との間には、微小な隙間D2が形成されている。また、ブレード42の低圧室31a側の側面と、吸入側ブッシュ34bの外周面との間には、微小な隙間D3が形成され、吸入側ブッシュ34bの外周面と、ブレード収容部33の周壁面において吸入側ブッシュ34bの外周面に対向した面との間には、微小な隙間D4が形成されている。これらの隙間D1〜D4を含むブレード収容部33の内部には潤滑油Lが存在する。
[第2実施形態の圧縮機の特徴]
以上、本実施形態の圧縮機では、第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態の圧縮機では、吸入側ブッシュ34bの周囲の隙間D3、D4には、樹脂層が形成されていない。したがって、樹脂層が吸入側ブッシュ34bの周囲の隙間D3、D4に形成されている場合に発生する問題(高圧室31bと低圧室31aとの圧力差、及び、ブレード収容部33のシリンダ径方向外側の空間(ブレード収容部33における吐出側ブッシュ34aと吸入側ブッシュ34bが収容されていない空間)と低圧室31aとの圧力差によって、ブレード42の側面が吸入側ブッシュ34bの外周面に押圧されたり、吸入側ブッシュ34bの外周面がブレード収容部33の周壁面に押圧されたりすることにより、樹脂層が摩耗して、吸入側ブッシュ34bの周囲の隙間D3、D4が広くなる、ひいては、吐出側ブッシュ34aの周囲の隙間D1、D2が広くなる問題)を解消できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る圧縮機について説明する。本実施形態の圧縮機は、本実施形態の圧縮機は、吐出側ブッシュ34aの外周面、吸入側ブッシュ34bの外周面、及び、ブレード収容部33の周壁面において吸入側ブッシュ34bの外周面に対向した面に、それぞれ、樹脂層S1、S2、S5が形成されていない点と、樹脂層S3をブレード42の側面の全面に形成するのではなく、樹脂層S33をブレード42の高圧室31b側の側面に形成した点で、第1実施形態の圧縮機1と相違している。なお、本実施形態では、第1実施形態で説明した要素と同一の要素について同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
<樹脂層>
図5に示すように、樹脂層S33は、ブレード42の高圧室31b側の側面(ブレード42の側面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面を含む)に形成されていると共に、樹脂層S4は、ブレード収容部33の周壁面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面に形成されている。
そして、吐出側ブッシュ34aの外周面と樹脂層S33との間には、微小な隙間D1が形成され、吐出側ブッシュ34aの外周面と樹脂層S4との間には、微小な隙間D2が形成されている。また、ブレード42の低圧室31a側の側面と、吸入側ブッシュ34bの外周面との間には、微小な隙間D3が形成され、吸入側ブッシュ34bの外周面と、ブレード収容部33の周壁面において吸入側ブッシュ34bの外周面に対向した面との間には、微小な隙間D4が形成されている。これらの隙間D1〜D4を含むブレード収容部33の内部には潤滑油Lが存在する。
[第3実施形態の圧縮機の特徴]
以上、本実施形態の圧縮機では、第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態の圧縮機では、吐出側ブッシュ34aの外周面及び吸入側ブッシュ34bの外周面のいずれにも、樹脂層が形成されていない。したがって、吐出側ブッシュ34aと吸入側ブッシュ34bとして、同一部品を用いることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、2シリンダ型のロータリ圧縮機に本発明を適用した一例である。図6に示すように、本実施形態の圧縮機101は、シャフト108及び圧縮機構110の構成が上記第1実施形態と異なっている。また、本実施形態の圧縮機101では、2本の吸入管3が、密閉ケーシング2の側部に上下に並んで設けられている。その他の構成は上記第1実施形態と同様であるため、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
シャフト108は、2つの偏心部108a、108dを有している。2つの偏心部108a、108dの軸心は、シャフト108の回転軸を中心として180°ずれている。また、シャフト108は、上記第1実施形態のシャフト8と同じく、給油路108bと、複数の排出孔108cを有している。
圧縮機構110は、シャフト108の軸方向に沿って上から下に向かって順に、フロントマフラー111と、フロントヘッド120と、シリンダ130及びピストン140と、ミドルプレート150と、シリンダ160及びピストン170と、リアヘッド180と、リアマフラー112とを有する。なお、フロントヘッド120及びミドルプレート150は、ピストン140の上下端に配置されており、本発明の第1端板部材及び第2端板部材に相当する。また、ミドルプレート150及びリアヘッド180は、ピストン170の上下端に配置されており、本発明の第1端板部材及び第2端板部材に相当する。
フロントマフラー111は、上記第1実施形態のマフラー11と同様の構成を有し、フロントヘッド120との間にマフラー空間M1を形成している。
フロントヘッド120には、軸受け孔121と、吐出孔122(図7参照)と、油戻し孔123とが形成されている。さらに、フロントヘッド120は、上下方向に貫通する貫通孔(図示省略)が形成されている。この貫通孔は、リアヘッド180とリアマフラー112とによって形成されるマフラー空間M2内の冷媒を、マフラー空間M1に排出するための流路の一部を構成している。フロントヘッド120は、この貫通孔を有する点以外、第1実施形態のフロントヘッド20と同様の構成である。
図7に示すように、シリンダ130には、圧縮室131と、吸入孔132と、ブレード収容部133とが形成されている。さらに、シリンダ130には、圧縮室131の外周側部分に、後述するマフラー空間M2内の冷媒をマフラー空間M1に排出するための貫通孔135が形成されている。シリンダ130は、この貫通孔135を有する点以外、第1実施形態のシリンダ30と同様の構成である。
ピストン140は、上記第1実施形態のピストン40と同様の構成であって、ローラ41と、ブレード42とから構成されている。ローラ41は、偏心部108aの外周面に回転可能に装着されており、ブレード42は、シリンダ130のブレード収容部133に配置された一対の吐出側ブッシュ34a、吸入側ブッシュ34bの間に進退可能に配置されている。
ミドルプレート150は、円環状の板部材であって、シリンダ130とシリンダ160との間に配置され、シリンダ130の圧縮室131の下端を閉塞すると共に、シリンダ160の圧縮室161の上端を閉塞している。また、ミドルプレート150には、後述するマフラー空間M2内の冷媒をマフラー空間M1に排出するための貫通孔(図示省略)が形成されている。ミドルプレート150は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
シリンダ160は、上述したシリンダ130と同様の構成であって、圧縮室161と、吸入孔162と、一対の吐出側ブッシュ34a、吸入側ブッシュ34bが配置されたブレード収容部(図示省略)と、貫通孔(図示省略)とを有する。
ピストン170は、上記第1実施形態のピストン40と同様の構成であって、ローラ41と、ブレード42とから構成されている。ローラ41は、偏心部108dの外周面に回転可能に装着されており、ブレード42は、シリンダ160のブレード収容部(図示省略)に配置された一対のブッシュ34a、34bの間に進退可能に配置されている。
リアヘッド180は、シリンダ160の下側に配置され、シリンダ160の圧縮室161の下端を閉塞している。リアヘッド180は、略円環状の部材であって、その中央部に、シャフト108が回転可能に挿通される軸受け孔181が形成されている。また、リアヘッド180には、シリンダ160の圧縮室161において圧縮された冷媒を、リアヘッド180とリアマフラー112との間に形成されるマフラー空間M2に吐出するための吐出孔(図示省略)が形成されている。さらに、リアヘッド180には、マフラー空間M2内の冷媒をマフラー空間M1に排出するための貫通孔(図示省略)が形成されている。また、リアヘッド180の下面には、圧縮室161内の圧力に応じて吐出孔を開閉する弁機構(図示省略)が取り付けられている。リアヘッド180は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
リアマフラー112は、リアヘッド180の吐出孔(図示省略)から冷媒が吐出される際の騒音を低減するために設けられている。リアマフラー112は、リアヘッド180の下面にボルトによって取り付けられ、リアヘッド180との間にマフラー空間M2を形成している。マフラー空間M2は、リアヘッド180、シリンダ160、ミドルプレート150、シリンダ130及びフロントヘッド120にそれぞれ形成された貫通孔を介して、マフラー空間M1と連通している。
<圧縮機の動作>
本実施形態の圧縮機101の動作について説明する。吸入孔132、162から圧縮室131、161に冷媒を供給しつつ、モータ7の駆動によりシャフト108を回転させると、偏心部108aに装着されたピストン140のローラ41は、圧縮室131の周壁面に沿って移動する。これにより、圧縮室131内で冷媒が圧縮される。これと並行して、偏心部108dに装着されたピストン170のローラ41は、圧縮室161の周壁面に沿って移動する。これにより、圧縮室161内で冷媒が圧縮される。
圧縮室131内の圧力が所定の圧力以上になった時点で、フロントヘッド120に設けられた弁機構が開弁して、圧縮室131内の冷媒がフロントヘッド120の吐出孔22からマフラー空間M1に吐出される。また、圧縮室161内の圧力が所定の圧力以上になった時点で、リアヘッド180に設けられた弁機構が開弁して、圧縮室161内の冷媒がリアヘッド180の吐出孔(図示省略)からマフラー空間M2に吐出される。マフラー空間M2に吐出された冷媒は、リアヘッド180、シリンダ160、ミドルプレート150、シリンダ130及びフロントヘッド120にそれぞれ形成された貫通孔を介して、マフラー空間M1に吐出される。
マフラー空間M1に吐出された冷媒は、フロントマフラー111のマフラー吐出孔(図示省略)から圧縮機構110の外に吐出されて、その後、固定子7bと回転子7aとの間のエアギャップを通過した後、最終的に、排出管4から密閉ケーシング2の外に排出される。
<樹脂層>
本実施形態では、上記の第1実施形態と同様に、吐出側ブッシュ34aの外周面、吸入側ブッシュ34bの外周面、ブレード42の側面、ブレード収容部133の周壁面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面、及び、ブレード収容部133の周壁面において吸入側ブッシュ34bの外周面に対向した面に、それぞれ、樹脂層S1〜S5と同様の樹脂層を形成してもよい。また、上記の第2実施形態と同様に、吐出側ブッシュ34aの外周面、ブレード42の高圧室31b側の側面、及び、ブレード収容部133の周壁面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面に、それぞれ、樹脂層S1、S23、S4と同様の樹脂層を形成してもよい。また、上記の第3実施形態と同様に、ブレード42の高圧室31b側の側面、及び、ブレード収容部133の周壁面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面に、それぞれ、樹脂層S33、S4と同様の樹脂層を形成してもよい。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記の第1実施形態では、吐出側ブッシュ34aの外周面、吸入側ブッシュ34bの外周面、ブレード42の側面、ブレード収容部33の周壁面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面、及び、ブレード収容部33の周壁面において吸入側ブッシュ34bの外周面に対向した面に、樹脂層を形成する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、上記各面の少なくとも1つに樹脂層を形成してもよい。また、吐出側ブッシュ34aの外周面、吸入側ブッシュ34b、及び、ブレード42の側面の全面ではなく一部に樹脂層を形成してもよい。なお、上述した第4実施形態においても同様である。
上記の第2実施形態では、吐出側ブッシュ34aの外周面、ブレード42の高圧室31b側の側面、及び、ブレード収容部33の周壁面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面に、樹脂層を形成する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、上記各面の少なくとも1つに樹脂層を形成してもよい。また、吐出側ブッシュ34aの外周面の全面ではなく一部に樹脂層を形成してもよい。また、ブレード42の高圧室31b側の側面、つまり、ブレード42の側面の一部ではなく、ブレード42の側面の全面に樹脂層を形成してもよい。なお、上述した第4実施形態においても同様である。
上記の第3実施形態では、ブレード42の高圧室31b側の側面、及び、ブレード収容部33の周壁面において吐出側ブッシュ34aの外周面に対向した面に、樹脂層を形成する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、上記各面の少なくとも1つに樹脂層を形成してもよい。また、ブレード42の高圧室31b側の側面、つまり、ブレード42の側面の一部ではなく、ブレード42の側面の全面に樹脂層を形成してもよい。なお、上述した第4実施形態においても同様である。
本発明を利用すれば、吐出側ブッシュの周期的な移動による振動音を低減可能な圧縮機を得ることができる。
1、101 圧縮機
20、120 フロントヘッド(第1端板部材)
30、130、160 シリンダ
31、131、161 圧縮室
33、133 ブレード収容部
40、140、170 ピストン
41 ローラ
42 ブレード
50、180 リアヘッド(第2端板部材)
S1〜S5、S23、S33 樹脂層

Claims (4)

  1. 圧縮室及び前記圧縮室に連通したブレード収容部を有するシリンダと、
    前記シリンダの両端に配置される第1端板部材及び第2端板部材と、
    前記圧縮室及び前記ブレード収容部の内側に配置されるピストンと、
    前記ブレード収容部の内側に配置される吐出側ブッシュ及び吸入側ブッシュとを備え、
    前記ピストンは、前記圧縮室に配置された環状のローラと、前記ローラの外周面から延在し且つ前記ブレード収容部に配置された前記吐出側ブッシュと前記吸入側ブッシュとの間を進退可能に配置されたブレードとを有し、
    前記吐出側ブッシュ及び前記吸入側ブッシュの少なくとも一方について、
    (1)前記ブッシュの外周面において前記ブレードの側面に対向した面、(2)前記ブッシュの外周面において前記ブレード収容部の周壁面に対向した面、(3)前記ブレードの側面において前記ブッシュの外周面に対向した面、及び、(4)前記ブレード収容部の周壁面において前記ブッシュの外周面に対向した面、の少なくとも1つの全面または一部には、樹脂層が形成されていることを特徴とする圧縮機。
  2. 圧縮室及び前記圧縮室に連通したブレード収容部を有するシリンダと、
    前記シリンダの両端に配置される第1端板部材及び第2端板部材と、
    前記圧縮室及び前記ブレード収容部の内側に配置されるピストンと、
    前記ブレード収容部の内側に配置される吐出側ブッシュ及び吸入側ブッシュとを備え、
    前記ピストンは、前記圧縮室に配置された環状のローラと、前記ローラの外周面から延在し且つ前記ブレード収容部に配置された前記吐出側ブッシュと前記吸入側ブッシュとの間を進退可能に配置されたブレードとを有し、
    (1)前記吐出側ブッシュの外周面において前記ブレードの側面に対向した面、(2)前記吐出側ブッシュの外周面において前記ブレード収容部の周壁面に対向した面、(3)前記ブレードの側面において前記吐出側ブッシュの外周面に対向した面、及び、(4)前記ブレード収容部の周壁面において前記吐出側ブッシュの外周面に対向した面、の少なくとも1つの全面または一部には、樹脂層が形成されていると共に、
    (5)前記吸入側ブッシュの外周面、(6)前記ブレードの側面において前記吸入側ブッシュの外周面に対向した面、及び、(7)前記ブレード収容部の周壁面において前記吸入側ブッシュの外周面に対向した面には、樹脂層が形成されてないことを特徴とする圧縮機。
  3. 圧縮室及び前記圧縮室に連通したブレード収容部を有するシリンダと、
    前記シリンダの両端に配置される第1端板部材及び第2端板部材と、
    前記圧縮室及び前記ブレード収容部の内側に配置されるピストンと、
    前記ブレード収容部の内側に配置される吐出側ブッシュ及び吸入側ブッシュとを備え、
    前記ピストンは、前記圧縮室に配置された環状のローラと、前記ローラの外周面から延在し且つ前記ブレード収容部に配置された前記吐出側ブッシュと前記吸入側ブッシュとの間を進退可能に配置されたブレードとを有し、
    (1)前記ブレードの側面において前記吐出側ブッシュの外周面に対向した面、及び、(2)前記ブレード収容部の周壁面において前記吐出側ブッシュの外周面に対向した面、の少なくとも一方の全面または一部には、樹脂層が形成されていると共に、
    (3)前記吐出側ブッシュの外周面、(4)前記吸入側ブッシュの外周面、(5)前記ブレードの側面において前記吸入側ブッシュの外周面に対向した面、及び、(6)前記ブレード収容部の周壁面において前記吸入側ブッシュの外周面に対向した面には、樹脂層が形成されてないことを特徴とする圧縮機。
  4. 前記樹脂層の曲げ弾性率が、前記樹脂層を挟むように設けられた2つの部材のヤング率の少なくとも一方よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧縮機。
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