JP2015124756A - 圧縮機 - Google Patents

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孝浩 土井
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孝浩 土井
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Abstract

【課題】従来の圧縮機では、冷媒の吸入側と吐出側においてシリンダ本体の歪量に差が生じる問題がある。【解決手段】吐出孔22周辺の吐出側領域T1におけるシリンダ30(シリンダ本体)とリアヘッド(第2端板部材)との接触面積S1が、吸入孔32周辺の吸入側領域T2におけるシリンダ30(シリンダ本体)とリアヘッド(第2端板部材)との接触面積S2よりも小さい。【選択図】図4

Description

本発明は、例えば空気調和機等に使用されるロータリ圧縮機等の圧縮機に関する。
従来から、圧縮機として、シリンダ本体と、シリンダ本体の両端面に配置される2つの端板部材と、シリンダ本体の内部に配置される環状のローラとを備えたものがある。ローラは、シャフトの偏心部に装着されており、シリンダ本体とともに圧縮室を形成する。このローラは、偏心部の回転に伴って、シリンダ本体の内周面に沿って公転運動する。シリンダ本体に形成された吸入孔から圧縮室に導入された冷媒は、ローラの公転運動によって圧縮される。圧縮された冷媒は、端板部材に形成された吐出孔から吐出される。
特許第5040111号公報
上記のような圧縮機では、運転時において、低温の冷媒が導入される吸入側ではシリンダ本体は低温であるが、高温の冷媒が吐出される吐出側ではシリンダ本体は高温となる。そのため、冷媒の吸入側と吐出側においてシリンダ本体の歪量に差が生じる問題がある。その結果、冷媒の吸入側と吐出側においてシリンダ本体の変形量(熱膨張量)に差が生じて、ローラの焼付きが生じたり、ローラと端板部材との隙間が大きくなって圧縮室から冷媒が漏れるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、冷媒の吸入側と吐出側においてシリンダ本体の歪量に差が生じるのを抑制できる圧縮機を提供することである。
第1の発明に係る圧縮機は、シリンダ本体と、前記シリンダ本体の内部に配置される環状のローラと、前記ローラと前記シリンダ本体とにより圧縮室を形成するとともに、その圧縮室を高圧室と低圧室とに仕切る仕切部材と、前記シリンダ本体に形成され、前記圧縮室に連通するとともに前記仕切部材を収容する仕切部材収容部と、前記仕切部材収容部の近傍において前記圧縮室の低圧室に連通する吸入孔と、前記シリンダ本体の一端面に配置され、平面視において前記仕切部材収容部に対して前記吸入孔と反対側に形成されるとともに前記圧縮室の高圧室に連通する吐出孔を有する第1端板部材と、前記シリンダ本体の他端面に配置される第2端板部材とを備え、前記吐出孔周辺の吐出側領域における前記シリンダ本体と前記第2端板部材との接触面積が、前記吸入孔周辺の吸入側領域における前記シリンダ本体と前記第2端板部材との接触面積よりも小さいことを特徴とする。
この圧縮機では、吐出孔周辺の吐出側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積が、吸入孔周辺の吸入側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積よりも小さいので、シリンダ本体と第2端板部材とが締め付け固定されることによるシリンダ本体の他端面(第2端板部材側の端面)にかかる圧力は、吸入側よりも吐出側の方が大きくなる。したがって、シリンダ本体における吐出側での圧力による歪量が吸入側での圧力による歪量よりも大きくなる。その結果、圧縮機の運転時において、吐出側での熱による歪量が、吸入側での熱による歪量よりも大きくなっても、吐出側の熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側の熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのを抑制できる。したがって、吸入側と吐出側においてシリンダ本体の歪量に差が生じるのを抑制できる。そのため、ローラの歪量(熱膨張量)を考慮して、ローラと第2端板部材との隙間を適宜設定することで、ローラの焼付きを低減又は防止し、且つローラと第2端板部材との隙間が大きくなって圧縮室から冷媒が漏れるのを低減又は防止した圧縮機を提供できる。
第2の発明に係る圧縮機は、第1の発明に係る圧縮機において、前記吐出側領域における前記シリンダ本体に、前記シリンダ本体と前記第2端板部材の一部が接触しないようにする逃がし部が形成されることを特徴とする。
この圧縮機では、シリンダ本体に逃がし部を形成して、シリンダ本体の形状を従来から変更することにより、吐出側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積を、吸入側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積よりも小さくしている。既存の圧縮機では、1つのシリンダ本体に対応する端板部材の種類が複数あるので、第2端板部材の形状を従来から変更する場合には、1つのシリンダ本体に対応する全ての第2端板部材の形状を変更しなければ、既存の圧縮機の全てに本発明を適用することができない。そのため、第2端板部材の形状を従来から変更する場合には、形状変更費用がかかる。しかし、この圧縮機では、シリンダ本体の形状を従来から変更しているので、形状変更費用が少なくて済む。
第3の発明に係る圧縮機は、第2の発明に係る圧縮機において、前記逃がし部は、前記シリンダ本体の外周に形成された切欠きであることを特徴とする。
この圧縮機では、逃がし部がシリンダ本体の外周に形成された切欠きであるので、逃がし部を後加工する必要がない。したがって、シリンダ本体の製造が容易となる。
第4の発明に係る圧縮機は、第3の発明に係る圧縮機において、前記切欠きが前記シリンダ本体の軸方向において全域にあることを特徴とする。
この圧縮機では、切欠きがシリンダ本体の軸方向において全域にあるので、シリンダ本体の一端面(第1端板部材側の端面)において、吐出側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積が、吸入側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積よりも小さい。その結果、シリンダ本体の一端面において、吐出側の熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側の熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのを抑制できる。したがって、シリンダ本体の一端面において、吸入側と吐出側においてシリンダ本体の歪量に差が生じるのを抑制できる。そのため、ローラの歪量(熱膨張量)を考慮して、ローラと第1端板部材との隙間を適宜設定することで、ローラの焼付きを低減又は防止し、且つローラと第1端板部材との隙間が大きくなって圧縮室から冷媒が漏れるのを低減又は防止した圧縮機を提供できる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、吐出孔周辺の吐出側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積が、吸入孔周辺の吸入側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積よりも小さいので、シリンダ本体と第2端板部材とが締め付け固定されることによるシリンダ本体の他端面(第2端板部材側の端面)にかかる圧力は、吸入側よりも吐出側の方が大きくなる。したがって、シリンダ本体における吐出側での圧力による歪量が吸入側での圧力による歪量よりも大きくなる。その結果、圧縮機の運転時において、吐出側での熱による歪量が、吸入側での熱による歪量よりも大きくなっても、吐出側の熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側の熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのを抑制できる。したがって、吸入側と吐出側においてシリンダ本体の歪量に差が生じるのを抑制できる。そのため、ローラの歪量(熱膨張量)を考慮して、ローラと第2端板部材との隙間を適宜設定することで、ローラの焼付きを低減又は防止し、且つローラと第2端板部材との隙間が大きくなって圧縮室から冷媒が漏れるのを低減又は防止した圧縮機を提供できる。
第2の発明では、シリンダ本体に逃がし部を形成して、シリンダ本体の形状を従来から変更することにより、吐出側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積を、吸入側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積よりも小さくしている。既存の圧縮機では、1つのシリンダ本体に対応する端板部材の種類が複数あるので、第2端板部材の形状を従来から変更する場合には、1つのシリンダ本体に対応する全ての第2端板部材の形状を変更しなければ、既存の圧縮機の全てに本発明を適用することができない。そのため、第2端板部材の形状を従来から変更する場合には、形状変更費用がかかる。しかし、この圧縮機では、シリンダ本体の形状を従来から変更しているので、形状変更費用が少なくて済む。
第3の発明では、逃がし部がシリンダ本体の外周に形成された切欠きであるので、逃がし部を後加工する必要がない。したがって、シリンダ本体の製造が容易となる。
第4の発明では、切欠きがシリンダ本体の軸方向において全域にあるので、シリンダ本体の一端面(第1端板部材側の端面)において、吐出側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積が、吸入側領域におけるシリンダ本体と第2端板部材との接触面積よりも小さい。その結果、シリンダ本体の一端面において、吐出側の熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側の熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのを抑制できる。したがって、シリンダ本体の一端面において、吸入側と吐出側においてシリンダ本体の歪量に差が生じるのを抑制できる。そのため、ローラの歪量(熱膨張量)を考慮して、ローラと第1端板部材との隙間を適宜設定することで、ローラの焼付きを低減又は防止し、且つローラと第1端板部材との隙間が大きくなって圧縮室から冷媒が漏れるのを低減又は防止した圧縮機を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機の断面図である。 図1のII−II線に沿った断面図であって、シリンダ内でのピストンの動作を示す図である。 図1に示すフロントヘッドの背面図である。 (a)は、図1に示すシリンダ本体の平面図であり、(b)は、その背面図である。 従来の圧縮機におけるシリンダ本体とローラの熱膨張の様子を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る圧縮機におけるシリンダ本体とローラの熱膨張の様子を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る圧縮機の断面図である。 (a)は、図7に示すシリンダ本体(フロントシリンダ)の平面図であり、(b)は、その背面図である。 (a)は、図7に示すシリンダ本体(リアシリンダ)の平面図であり、(b)は、その背面図である。 本発明の変形例に係る圧縮機の図2相当図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る圧縮機の実施の形態について説明する。なお、以下においては、本発明に係る圧縮機が垂直方向に配置される縦置き型の圧縮機である場合について記載し、図1の上下方向(すなわちモータの軸の配置方向)を上下方向として説明する。なお、本発明に係る圧縮機は、水平方向に配置される横置き型の圧縮機であってもよい。この場合でも、本発明に係る圧縮機が縦置き型の圧縮機である場合と同様の効果が得られる。なお、本発明に係る圧縮機が横置き型の圧縮機である場合については、以下の説明における上下方向を左右方向に読み替えれば済むことから説明は割愛する。
[第1実施形態]
[圧縮機1の全体構成]
第1実施形態に係る圧縮機1は、1シリンダ型のロータリ圧縮機である。図1に示すように、本実施形態の圧縮機1は、密閉ケーシング2と、密閉ケーシング2内に配置される圧縮機構10および駆動機構6を備えている。なお、図1では、駆動機構6の断面を示すハッチングを省略して表示している。この圧縮機1は、例えば、空調装置などの冷凍サイクルに組み込まれて使用され、吸入管3から導入された冷媒(本実施形態では、R32冷媒)を圧縮して排出管4から排出する。
密閉ケーシング2は、両端が塞がれた円筒状の容器であり、その上部には、圧縮された冷媒を排出するための排出管4と、駆動機構6の後述する固定子7bのコイルに電流を供給するためのターミナル端子5が設けられている。なお、図1では、コイルとターミナル端子5とを接続する配線は省略して表示している。また、密閉ケーシング2の側部には、圧縮機1に冷媒を導入するための吸入管3が設けられている。また、密閉ケーシング2内の下部には、圧縮機構10の摺動部の動作を滑らかにするための潤滑油Lが貯留されている。密閉ケーシング2の内部には、駆動機構6と、圧縮機構10とが上下に並んで配置されている。
[駆動機構]
駆動機構6は、圧縮機構10を駆動するために設けられており、駆動源となるモータ7と、このモータ7に取り付けられたシャフト8とから構成されている。
<モータ>
モータ7は、密閉ケーシング2の内周面に固定されている略円環状の固定子7bと、この固定子7bの径方向内側にエアギャップを介して配置される回転子7aとを備えている。回転子7aは磁石(図示省略)を有し、固定子7bはコイルを有している。モータ7は、コイルに電流を流すことによって発生する電磁力によって、回転子7aを回転させる。
<シャフト>
シャフト8は、モータ7の駆動力を圧縮機構10に伝達するために設けられており、回転子7aの内周面に固定されて、回転子7aと一体的に回転する。また、シャフト8は、後述する圧縮室31内となる位置に、偏心部8aを有している。偏心部8aは、円柱状に形成されており、その軸心がシャフト8の回転中心から偏心している。この偏心部8aには、圧縮機構10の後述するローラ41が装着されている。
また、シャフト8の下側略半分の内部には、上下方向に延在する給油路8bが形成されている。この給油路8bの下端部には、シャフト8の回転に伴って潤滑油Lを給油路8b内に吸い上げるための螺旋羽根形状のポンプ部材(図示省略)が挿入されている。さらに、シャフト8には、給油路8b内の潤滑油Lをシャフト8の外側に排出するための複数の排出孔8cが形成されている。
[圧縮機構]
圧縮機構10は、密閉ケーシング2の内周面に固定されるフロントヘッド20(第1端板部材)と、フロントヘッド20の上側に配置されるマフラ11と、フロントヘッド20の下側に配置されるシリンダ30(シリンダ本体)およびピストン40と、シリンダ30の下側に配置されるリアヘッド50(第2端板部材)とを備えている。
<フロントヘッド>
図1及び図3に示すように、フロントヘッド20(第1端板部材)は、略円環状の部材であって、その中央部にシャフト8が回転可能に挿通される軸受け孔21が形成されている。フロントヘッド20の外周面は、スポット溶接などによって密閉ケーシング2の内周面に固定されている。図1に示すように、フロントヘッド20の下面20bは、シリンダ30の上面30a(シリンダ本体の一端面)と接触しており、圧縮室31の上端を閉塞する。フロントヘッド20には、シリンダ30の圧縮室31(高圧室31b)に連通し、圧縮室31で圧縮された冷媒を吐出するための吐出孔22が形成されている。
フロントヘッド20の上面には、図示は省略するが、圧縮室31内の圧力に応じて吐出孔22を開閉する弁機構が取り付けられている。また、フロントヘッド20におけるシリンダ30よりも径方向外側の部分には、複数の油戻し孔23が周方向に並んで形成されている。フロントヘッド20は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
<リアヘッド>
リアヘッド50(第2端板部材)は、略円環状の部材であって、その中央部にシャフト8が回転可能に挿通される軸受け孔51が形成されている。図1に示すように、リアヘッド50の上面50a(背面)は、シリンダ30の下面30b(シリンダ本体の他端面)と接触しており、圧縮室31の下端を閉塞する。リアヘッド50は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
<マフラ>
マフラ11は、例えばカップマフラであり、フロントヘッド20の吐出孔22から冷媒が吐出される際の騒音を低減するために設けられている。このマフラ11は、フロントヘッド20の上面にボルトによって取り付けられ、フロントヘッド20との間にマフラ空間Mを形成している。また、図示は省略するが、マフラ11には、マフラ空間内の冷媒を排出するためのマフラ吐出孔が形成されている。
<シリンダ>
図2に示すように、シリンダ30(シリンダ本体)は、略円環状の部材であって、その中央部に圧縮室31を形成する円形孔30hが形成されている。シリンダ30は、複数(4本)のボルトによって、リアヘッド50と共に、フロントヘッド20の下側に固定されている。したがって、シリンダ30の上面30aの全域とフロントヘッド20の下面20bとが締め付け固定され、シリンダ30の下面30bの全域とリアヘッド50の上面50aとが締め付け固定されている。この4本のボルトは、シリンダ30に形成された4つの貫通孔36を通過している。
このシリンダ30には、圧縮室31(低圧室31a)に冷媒を導入するための吸入孔32と、円形孔30hの周壁面から径方向外側に凹んだ形状であって、後述するブレード42(仕切部材)を収容するブレード収容部33(仕切部材収容部)と、冷媒をフロントヘッド20の吐出孔22から吐出しやすくするための凹部35が形成されている。なお、このシリンダ30は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
吸入孔32は、シリンダ30の径方向に延在して形成されており、吸入孔32の外側端部には、吸入管3の先端が内嵌されている。この吸入孔32は、ブレード収容部33の近傍に配置されており、圧縮室31(低圧室31a)に連通している。なお、ここでいう「近傍」とは、吸入孔32が、詳細は後述する吸入側領域T2(図4(a)において線L1の右側且つ線L2の上側)にあることを意味する。
凹部35は、フロントヘッド20の吐出孔22に対向する位置に配置されている。この凹部35は、圧縮室31(高圧室31b)に連通している。この凹部35は、図4(a)に示すように、シリンダ30の上面30aに形成されている。したがって、この凹部35は、図4(b)に示すように、シリンダ30の下面30bにはない。なお、この凹部35に対向するフロントヘッド20の吐出孔22は、図3に示すように、平面視においてブレード収容部33の中心線Oに対して吸入孔32と反対側に形成されている。また、フロントヘッド20の吐出孔22は、ブレード収容部33の近傍に形成されている。なお、ここでいう「近傍」とは、吐出孔22が、詳細は後述する吐出側領域T1(図4(a)において線L1の左側且つ線L2の上側)にあることを意味する。
図2に示すように、ピストン40は、円環状のローラ41と、このローラ41の外周面から径方向外側に延在するブレード42(仕切部材)とから構成される。ローラ41は、シリンダ30の円形孔30h内に配置されている。このローラ41とシリンダ30とにより圧縮室31が形成される。このローラ41の内側には、シャフト8の偏心部8aが配置されている。シャフト8が回転することによって、このローラ41は、円形孔30h内において公転運動する。ブレード42(仕切部材)は、ブレード収容部33に配置された一対のブッシュ34の間に進退可能に配置されている。図2(b)〜図2(d)に示すように、ブレード42がブレード収容部33から圧縮室31側に出ている状態においては、圧縮室31はこのブレード42によって低圧室31aと高圧室31bとに仕切られている。
圧縮機1の運転停止時におけるピストン40(ローラ41)の上下方向長さは、圧縮室31の上下方向長さよりも僅かに小さく、その差は例えば5〜15μm程度である。このピストン40は、金属材料からなる基材と、基材の表面を被覆する薄膜状の樹脂層とから構成されている。基材は、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しによって製造されており、表面には研磨加工が施されている。
図4に示すように、フロントヘッド20の吐出孔22周辺の吐出側領域T1(図4(a)において線L1の左側且つ線L2の上側)におけるシリンダ30には、シリンダ30の下面30bとリアヘッド50の上面50aとの一部が接触しないようにする逃がし部37が複数形成されている。この逃がし部37は、具体的には、シリンダ30の外周面に形成された切欠きである(以下、逃がし部37を切欠き37とも称する)。この切欠き37は、吐出側領域T1から詳細は後述する領域T3(図4(a)において線L1の左側且つ線L2の下側)にかけて複数(例えば5箇所)形成されている。シリンダ30の外周面は、この切欠き37によって、吐出側領域T1から領域T3にかけて波形状とされている。なお、この切欠き37は、図4に示すように、シリンダ30の軸方向において全域にある。すなわち、この切欠き37は、上下方向(シリンダ30の軸方向)に貫通している。
図4(b)に示すように、この切欠き37により、圧縮機1では、吐出孔22周辺の吐出側領域T1におけるシリンダ30とリアヘッド50との接触面積S1が、吸入孔32周辺の吸入側領域T2におけるシリンダ30とリアヘッド50との接触面積S2よりも小さい。また、領域T3におけるシリンダ30とリアヘッド50との接触面積S3が、詳細は後述する領域T4におけるシリンダ30とリアヘッド50との接触面積S4よりも小さい。なお、従来の圧縮機では、吐出側領域T1におけるシリンダ本体とリアヘッドとの接触面積と吸入側領域T2におけるシリンダ本体とリアヘッドとの接触面積、および領域T3におけるシリンダ本体とリアヘッドとの接触面積と領域T4におけるシリンダ本体とリアヘッドとの接触面積は、それぞれ同じである。
ここで領域T1〜T4は、図4に示すように、平面視においてブレード収容部33の中心線O(図3参照)を延長した線L1、およびシャフト8の中心を通り線L1に直交する線L2によって区画される。吐出側領域T1とは、線L1及び線L2よりも吐出孔22側の領域(図4(a)において線L1の左側且つ線L2の上側)を指す。吸入側領域T2とは、線L1及び線L2よりも吸入孔32側の領域(図4(a)において線L1の右側且つ線L2の上側)を指す。領域T3とは、線L2に対して吐出側領域T1とは反対側の領域(図4(a)において線L1の左側且つ線L2の下側)を指す。領域T4とは、線L2に対して吸入側領域T2とは反対側の領域(図4(a)において線L1の右側且つ線L2の下側)を指す。
[圧縮機の動作]
次に、本実施形態の圧縮機1の動作について、図2(a)〜図2(d)を参照して説明する。図2(a)は、ピストン40が上死点にある状態を示しており、図2(b)〜図2(d)は、図2(a)の状態から、それぞれ、シャフト8が、90°、180°(下死点)、270°回転した状態を示している。
吸入管3から吸入孔32を介して圧縮室31に冷媒を供給しつつ、モータ7の駆動によりシャフト8を回転させると、図2(a)〜図2(d)に示すように、偏心部8aに装着されたローラ41は、円形孔30hの周壁面に沿って公転運動する。これにより、圧縮室31内で冷媒が圧縮される。冷媒が圧縮される工程について、以下、詳細に説明する。
図2(a)の状態から偏心部8aが図中の矢印方向に回転すると、図2(b)に示すように、圧縮室31が、低圧室31aと高圧室31bに仕切られる。さらに偏心部8aが回転すると、図2(b)〜図2(d)に示すように、低圧室31aの容積が大きくなるため、吸入管3から吸入孔32を介して低圧室31a内に冷媒が吸い込まれていく。同時に、高圧室31bの容積が小さくなるため、高圧室31bにおいて冷媒が圧縮される。
そして、高圧室31b内の圧力が所定の圧力以上になった時点で、フロントヘッド20に設けられた弁機構が開弁して、高圧室31b内の冷媒が吐出孔22を介してマフラ空間Mに吐出される。その後、図2(a)の状態に戻り、高圧室31bからの冷媒の吐出が完了する。この工程を繰り返すことにより、吸入管3から圧縮室31に供給された冷媒が連続的に圧縮されて排出される。
マフラ空間Mに吐出された冷媒は、マフラ11のマフラ吐出孔(図示省略)から圧縮機構10の外に吐出される。圧縮機構10から吐出された冷媒は、固定子7bと回転子7aとの間のエアギャップなどを通過した後、最終的に、排出管4から密閉ケーシング2の外に排出される。
ここで、圧縮機1の運転時においては、吸入孔32には、低温の冷媒が導入されるため、吸入孔32周辺の吸入側領域T2におけるシリンダ30の温度は低い。一方、フロントヘッド20の吐出孔22からは、圧縮室31で圧縮された高温の冷媒が吐出されるので、吐出孔22周辺の吐出側領域T1におけるシリンダ30の温度は高い。したがって、吐出側領域T1におけるシリンダ30の下面30bの熱による歪量は、吸入側領域T2におけるシリンダ30の下面30bの熱による歪量よりも大きい。一方、ローラ41は、シリンダ30よりも小さく、シリンダ30よりも比較的温度分布が小さいため、吐出側領域T1における熱による歪量と吸入側領域T2における熱による歪量との差が、シリンダ30に比べて比較的小さい。
従来の圧縮機(例えば特許文献1)のように、吐出孔22周辺の吐出側領域T1におけるシリンダ30とリアヘッド50との接触面積と、吸入孔32周辺の吸入側領域T2におけるシリンダ30とリアヘッド50との接触面積とが略同じである場合、シリンダ30とリアヘッド50とが締め付け固定されることによるシリンダ30の下面30bにかかる圧力は吐出側と吸入側とで略同じとなる。その場合、吸入側と吐出側において熱による歪量に差がある分、吸入側と吐出側においてシリンダ30の歪量に差が生じる。そのため、図5(b)に示すように、圧縮機の運転時においては、シリンダ30は、吸入側領域T2では熱膨張による変形量が小さいが、吐出側領域T1では熱膨張による変形量が大きい。そして、ローラ41は、吸入側領域T2における熱膨張による変形量と吐出側領域T1における熱膨張による変形量との差がシリンダ30に比べて比較的小さいので、吸入側領域T2においては、図5(b)の丸囲み部Aに示すように、圧縮機の停止時(図5(a)参照)に比べてローラ41とリアヘッド50との間の隙間が小さくなる。一方、吐出側領域T1においては、図5(b)の丸囲み部Bに示すように、ローラ41とリアヘッド50との間の隙間は圧縮機の停止時(図5(a)参照)に比べてほとんど変わらない。その結果、例えば圧縮機の停止時において、ローラ41とリアヘッド50との間の隙間が小さくされている場合には、丸囲み部Aにおいて、ローラ41の焼付きが生じるおそれがある。また、例えば圧縮機の停止時において、ローラ41とリアヘッド50との間の隙間が大きくされている場合には、丸囲み部Bにおいて、ローラ41とリアヘッド50との間の隙間が大きくなって圧縮室31から冷媒が漏れる問題が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態の圧縮機1では、吐出孔22周辺の吐出側領域T1におけるシリンダ30とリアヘッド50との接触面積S1が、吸入孔32周辺の吸入側領域T2におけるシリンダ30とリアヘッド50との接触面積S2よりも小さいので、シリンダ30とリアヘッド50とが締め付け固定されることによるシリンダ30の下面30bにかかる圧力は、吸入側領域T2よりも吐出側領域T1の方が大きい。そのため、シリンダ30の下面30bにおいて、吐出側領域T1における熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側領域T2における熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのが抑制される。したがって、吸入側と吐出側においてシリンダ30の歪量に差が生じるのが抑制される。そのため、図6(a)に示すように、圧縮機1の停止時は、吐出側領域T1におけるローラ41とリアヘッド50との間の隙間が、吸入側領域T2におけるローラ41とリアヘッド50との隙間より小さいが、図6(b)に示すように、圧縮機1の運転時においては、吐出側領域T1と吸入側領域T2とでのローラ41とリアヘッド50との隙間はほとんど同じとなる。その結果、図6(b)に示す丸囲み部AやBにおいて、ローラ41が焼付いたり、ローラ41とリアヘッド50との間から冷媒が漏れるのを防止できる。
[本実施形態の圧縮機の特徴]
本実施形態の圧縮機1には、以下の特徴がある。
本実施形態の圧縮機1では、図4に示すように、吐出孔22周辺の吐出側領域T1におけるシリンダ30(シリンダ本体)とリアヘッド50(第2端板部材)との接触面積S1が、吸入孔32周辺の吸入側領域T2におけるシリンダ30(シリンダ本体)とリアヘッド50(第2端板部材)との接触面積S2よりも小さいので、シリンダ30とリアヘッド50とが締め付け固定されることによるシリンダ30の下面30b(シリンダ本体の他端面)にかかる圧力は、吸入側よりも吐出側の方が大きくなる。したがって、シリンダ30における吐出側での圧力による歪量が吸入側での圧力による歪量よりも大きくなる。その結果、圧縮機1の運転時において、吐出側での熱による歪量が、吸入側での熱による歪量よりも大きくなっても、吐出側での熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側での熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのが抑制される。したがって、吸入側と吐出側においてシリンダ30の歪量に差が生じるのを抑制できる。そのため、ローラ41の歪量(熱膨張量)を考慮して、ローラ41とリアヘッド50との隙間を適宜設定することで、ローラ41の焼付きを低減又は防止し、且つローラ41とリアヘッド50との隙間が大きくなって圧縮室31から冷媒が漏れるのを低減又は防止した圧縮機を提供できる。
また、本実施形態の圧縮機1では、図4に示すように、シリンダ30に逃がし部37を形成して、シリンダ30の形状を従来から変更することにより、吐出孔22周辺の吐出側領域T1におけるシリンダ30(シリンダ本体)とリアヘッド50(第2端板部材)との接触面積S1が、吸入孔32周辺の吸入側領域T2におけるシリンダ30(シリンダ本体)とリアヘッド50(第2端板部材)との接触面積S2よりも小さくされている。既存の圧縮機では、1つのシリンダ本体に対応するリアヘッド(第2端板部材)の種類が複数あるので、リアヘッドの形状を従来から変更する場合には、1つのシリンダ本体に対応する全てのリアヘッドの形状を変更しなければ、既存の圧縮機の全てに本発明を適用することができない。そのため、リアヘッドの形状を従来から変更する場合には、形状変更費用がかかる。しかし、この圧縮機1では、シリンダ30の形状を従来から変更しているので、形状変更費用が少なくて済む。
また、本実施形態の圧縮機1では、図4に示すように、逃がし部37がシリンダ30の外周に形成された切欠き37であるので、例えばシリンダ30を鋳造にて製造する場合において、逃がし部37を後加工する必要がない。したがって、シリンダ30の製造が容易となる。
また、本実施形態の圧縮機1では、図4に示すように、切欠き37がシリンダ30の軸方向において全域にあるので、シリンダ30の上面30a(シリンダ本体の一端面)において、吐出孔22周辺の吐出側領域T1におけるシリンダ30(シリンダ本体)とリアヘッド50(第2端板部材)との接触面積S1が、吸入孔32周辺の吸入側領域T2におけるシリンダ30(シリンダ本体)とリアヘッド50(第2端板部材)との接触面積S2よりも小さい。その結果、シリンダ30の上面30a(シリンダ本体の一端面)において、吐出側での熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側での熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのが抑制される。したがって、シリンダ30の上面30aにおいて、吸入側と吐出側においてシリンダ30の歪量に差が生じるのを抑制できる。そのため、ローラ41の歪量(熱膨張量)を考慮して、ローラ41とフロントヘッド20との隙間を適宜設定することで、ローラ41の焼付きを低減又は防止し、且つローラ41とフロントヘッド20との隙間が大きくなって圧縮室31から冷媒が漏れるのを低減又は防止した圧縮機を提供できる。
また、本実施形態の圧縮機1では、シリンダ30を1つ備える1シリンダ型の圧縮機において、吸入側と吐出側においてシリンダ30の歪量に差が生じるのを抑制できる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る圧縮機は、2シリンダ型のロータリ圧縮機である。図7に示すように、本実施形態の圧縮機は、シャフト108および圧縮機構110の構成が上記第1実施形態と異なっている。また、本実施形態の圧縮機では、2本の吸入管3が、密閉ケーシング2の側部に上下に並んで設けられている。その他の構成は上記第1実施形態と同様であるため、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
シャフト108は、2つの偏心部108a、108dを有している。2つの偏心部108a、108dの軸心は、シャフト108の回転軸を中心として180°ずれている。また、シャフト108は、上記第1実施形態のシャフト8と同じく、給油路108bと、複数の排出孔108cを有している。
[圧縮機構]
圧縮機構110は、シャフト108の軸方向に沿って上から下に向かって順に、フロントマフラ111と、フロントヘッド120(第1端板部材)と、シリンダ130(シリンダ本体、フロントシリンダ)およびピストン140と、ミドルプレート150(第2端板部材)と、シリンダ160(シリンダ本体、リアシリンダ)およびピストン170と、リアヘッド180(第1端板部材)と、リアマフラ112とを有する。シリンダ130及びシリンダ160は、複数本のボルトによって、ミドルプレート150及びリアヘッド180と共に、フロントヘッド120の下側に固定されている。この複数本のボルトは、シリンダ30に形成された複数の貫通孔(不図示)を通過している。
<フロントマフラ>
フロントマフラ111は、上記第1実施形態のマフラ11と略同様の構成を有し、フロントヘッド120との間にマフラ空間M1を形成している。
<フロントヘッド>
フロントヘッド120(第1端板部材)は、上記第1実施形態に記載したフロントヘッド20と同様、軸受け孔121と、吐出孔122と、油戻し孔123とを有している。さらに、フロントヘッド120には、リアヘッド180とリアマフラ112とによって形成されるマフラ空間M2内の冷媒を、マフラ空間M1に排出するための流路の一部を構成する貫通孔(不図示)が形成されている。このフロントヘッド120の外周面は、スポット溶接などにより密閉ケーシング2の内周面に固定されている。
<ミドルプレート>
ミドルプレート150(第2端板部材)は、円環状の板部材であって、シリンダ130とシリンダ160との間に配置される。このミドルプレート150は、シリンダ130の下面130bとシリンダ160の上面160aに接触しており、シリンダ130の圧縮室131の下端を閉塞すると共に、シリンダ160の圧縮室161の上端を閉塞している。また、ミドルプレート150には、後述するマフラ空間M2内の冷媒をマフラ空間M1に排出するための貫通孔(図示省略)が形成されている。ミドルプレート150は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
<シリンダ>
図8に示すように、シリンダ130(シリンダ本体、フロントシリンダ)は、圧縮室131、吸入孔132、ブレード収容部133(仕切部材収容部)、凹部135を有している。また、シリンダ130には、圧縮室131の外周側部分に、後述するマフラ空間M2内の冷媒をマフラ空間M1に排出するための貫通孔(不図示)が形成されている。
図8(a)、(b)に示すように、吐出孔122周辺の吐出側領域T11におけるシリンダ130には、シリンダ130の下面130b(シリンダ本体の他端面)とミドルプレート150の上面150aとの一部が接触しないようにする逃がし部137が複数形成されている。この逃がし部137は、具体的には、シリンダ130の外周面に形成された切欠きである(以下、逃がし部137を切欠き137とも称する)。この切欠き137は、第1実施形態の切欠き37と略同じ構成である。
図8(b)に示すように、この切欠き137により、本実施形態の圧縮機では、吐出孔122周辺の吐出側領域T11におけるシリンダ130の下面130bとミドルプレート150の上面150aとの接触面積S11が、吸入孔132周辺の吸入側領域T12におけるシリンダ130の下面130bとミドルプレート150の上面150aとの接触面積S12よりも小さい。また、領域T13におけるシリンダ130の下面130bとミドルプレート150の上面150aとの接触面積S13が、領域T14におけるシリンダ130の下面130bとミドルプレート150の上面150aとの接触面積S14よりも小さい。なお、従来の圧縮機では、吐出側領域T11におけるシリンダ本体とミドルプレートとの接触面積と吸入側領域T12におけるシリンダ本体とミドルプレートとの接触面積、および領域T13におけるシリンダ本体とミドルプレートとの接触面積と領域T14におけるシリンダ本体とミドルプレートとの接触面積は、それぞれ同じである。
ここで領域T11〜T14は、図8に示すように、平面視においてブレード収容部133の中心線を延長した線L11、およびシャフト108の中心を通り線L11に直交する線L12によって区画される。吐出側領域T11とは、線L11及び線L12よりも吐出孔122側の領域(図8(a)において線L11の左側且つ線L12の上側)を指す。吸入側領域T12とは、線L11及び線L12よりも吸入孔132側の領域(図8(a)において線L11の右側且つ線L12の上側)を指す。領域T13とは、線L12に対して吐出側領域T11とは反対側の領域(図8(a)において線L11の左側且つ線L12の下側)を指す。領域T14とは、線L12に対して吸入側領域T12とは反対側の領域(図8(a)において線L11の右側且つ線L12の下側)を指す。
ピストン140は、上記第1実施形態のピストン40と同様の構成であって、ローラ41と、ブレード42(仕切部材)とから構成されている。ローラ41の内側には、シャフト108の偏心部108aが配置されている。ブレード42(仕切部材)は、シリンダ130のブレード収容部133に配置された一対のブッシュ134の間に進退可能に配置されている。
<シリンダ>
図9に示すように、シリンダ160(シリンダ本体、リアシリンダ)は、圧縮室161、吸入孔162、ブレード収容部163(仕切部材収容部)、凹部165を有している。このシリンダ160の凹部165は、シリンダ30、130とは異なり、図9(b)に示すように、シリンダ160の下面160bに形成されている。また、シリンダ160には、圧縮室161の外周側部分に、後述するマフラ空間M2内の冷媒をマフラ空間M1に排出するための貫通孔(不図示)が形成されている。
図9に示すように、リアヘッド180の吐出孔182周辺の吐出側領域T21におけるシリンダ160には、シリンダ160の上面160a(シリンダ本体の他端面)とミドルプレート150の下面150bとの一部が接触しないようにする逃がし部167が複数形成されている。この逃がし部167は、具体的には、シリンダ160の外周面に形成された切欠きである(以下、逃がし部167を切欠き167とも称する)。この切欠き167は、第1実施形態の切欠き37と略同じ構成である。
図9(a)に示すように、この切欠き167により、本実施形態の圧縮機では、吐出孔182周辺の吐出側領域T21におけるシリンダ160の上面160aとミドルプレート150の下面150bとの接触面積S21が、吸入孔162周辺の吸入側領域T22におけるシリンダ160の上面160aとミドルプレート150の下面150bとの接触面積S22よりも小さい。また、領域T23におけるシリンダ160の上面160aとミドルプレート150の下面150bとの接触面積S23が、領域T24におけるシリンダ160の上面160aとミドルプレート150の下面150bとの接触面積S24よりも小さい。なお、従来の圧縮機では、吐出側領域T21におけるシリンダ本体とミドルプレートとの接触面積と吸入側領域T22におけるシリンダ本体とミドルプレートとの接触面積、および領域T23におけるシリンダ本体とミドルプレートとの接触面積と領域T24におけるシリンダ本体とミドルプレートとの接触面積は、それぞれ同じである。
ここで領域T21〜T24は、図9に示すように、平面視においてブレード収容部163の中心線を延長した線L21、およびシャフト108の中心を通り線L21に直交する線L22によって区画される。吐出側領域T21とは、線L21及び線L22よりも吐出孔182側の領域(図9(a)において線L21の左側且つ線L22の上側)を指す。吸入側領域T22とは、線L21及び線L22よりも吸入孔162側の領域(図9(a)において線L21の右側且つ線L22の上側)を指す。領域T23とは、線L22に対して吐出側領域T21とは反対側の領域(図9(a)において線L21の左側且つ線L22の下側)を指す。領域T24とは、線L22に対して吸入側領域T22とは反対側の領域(図9(a)において線L21の右側且つ線L22の下側)を指す。
ピストン170は、上記第1実施形態のピストン40と同様の構成であって、ローラ41と、ブレード42(仕切部材)とから構成されている。ローラ41は、偏心部108dの外周面に回転可能に装着されており、ブレード42(仕切部材)は、シリンダ160のブレード収容部163に配置された一対のブッシュ164の間に進退可能に配置されている。
<リアヘッド>
リアヘッド180(第1端板部材)は、略円環状の部材であって、その中央部に、シャフト108が回転可能に挿通される軸受け孔181が形成されている。図6に示すように、リアヘッド180の上面(背面)180aは、シリンダ160の下面160b(シリンダ本体の一端面)と接触しており、圧縮室161の下端を閉塞する。リアヘッド180には、圧縮室161の高圧室に連通し、圧縮室161で圧縮された冷媒を吐出するための吐出孔182が形成されている。図9(b)に示すように、吐出孔182は、平面視においてブレード収容部163の中心線に対して吸入孔162と反対側に形成されている。また、この吐出孔182は、ブレード収容部163の近傍に形成されている。なお、ここでいう「近傍」とは、吐出孔182が、吐出側領域T21(図9(a)において線L1の左側且つ線L2の上側)にあることを意味する。
さらに、リアヘッド180には、マフラ空間M2内の冷媒をマフラ空間M1に排出するための貫通孔(図示省略)が形成されている。また、リアヘッド180の下面には、圧縮室161内の圧力に応じて吐出孔を開閉する弁機構(図示省略)が取り付けられている。リアヘッド180は、金属材料で形成されており、その製造方法としては、金属粉の焼結や、鋳造や、削り出しなどが挙げられる。
<リアマフラ>
リアマフラ112は、リアヘッド180の吐出孔182から冷媒が吐出される際の騒音を低減するために設けられている。リアマフラ112は、リアヘッド180の下面にボルトによって取り付けられ、リアヘッド180との間にマフラ空間M2を形成している。マフラ空間M2は、リアヘッド180、シリンダ160、ミドルプレート150、シリンダ130およびフロントヘッド120にそれぞれ形成された貫通孔を介して、マフラ空間M1と連通している。
なお、上述のとおり、シリンダ130及びシリンダ160は、複数本のボルトによって、ミドルプレート150及びリアヘッド180と共に、フロントヘッド120の下側に固定されている。したがって、シリンダ130の上面130aの全域とフロントヘッド120の下面120bとが締め付け固定されると共に、シリンダ130の下面130bの全域とミドルプレート150の上面150aとが締め付け固定される。また、シリンダ160の上面160aの全域とミドルプレート150の下面150bとが締め付け固定されると共に、シリンダ160の下面160bの全域とリアヘッド180の上面180aとが締め付け固定される。
本実施形態の圧縮機の動作について説明する。
吸入孔132、162から圧縮室131、161に冷媒を供給しつつ、モータ7の駆動によりシャフト108を回転させると、偏心部108aに装着されたピストン140のローラ41は、圧縮室131の周壁面に沿って公転運動する。これにより、圧縮室131内で冷媒が圧縮される。これと並行して、偏心部108dに装着されたピストン170のローラ41は、圧縮室161の周壁面に沿って公転運動する。これにより、圧縮室161内で冷媒が圧縮される。
圧縮室131内の圧力が所定の圧力以上になった時点で、フロントヘッド120に設けられた弁機構が開弁して、圧縮室131内の冷媒がフロントヘッド120の吐出孔122からマフラ空間M1に吐出される。
また、圧縮室161内の圧力が所定の圧力以上になった時点で、リアヘッド180に設けられた弁機構が開弁して、圧縮室161内の冷媒がリアヘッド180の吐出孔182からマフラ空間M2に吐出される。マフラ空間M2に吐出された冷媒は、リアヘッド180、シリンダ160、ミドルプレート150、シリンダ130およびフロントヘッド120にそれぞれ形成された貫通孔を介して、マフラ空間M1に吐出される。
マフラ空間M1に吐出された冷媒は、フロントマフラ111のマフラ吐出孔(図示省略)から圧縮機構110の外に吐出されて、その後、固定子7bと回転子7aとの間のエアギャップを通過した後、最終的に、排出管4から密閉ケーシング2の外に排出される。
ここで、圧縮機の運転時においては、吸入孔132、162には、低温の冷媒が導入されるため、吸入孔132周辺の吸入側領域T12および吸入孔162周辺の吸入側領域T22におけるシリンダ130およびシリンダ160の温度は低い。一方、フロントヘッド120の吐出孔122およびリアヘッド180の吐出孔182からは、圧縮室131、161で圧縮された高温の冷媒が吐出されるので、吐出孔122周辺の吐出側領域T11および吐出孔182周辺の吐出側領域T21におけるシリンダ130およびシリンダ160の温度は高い。したがって、吐出側領域T11におけるシリンダ130の下面130b(シリンダ本体の他端面)の熱による歪量は、吸入側領域T12におけるシリンダ130の下面130bの熱による歪量よりも大きい。また、吐出側領域T21におけるシリンダ160の上面160a(シリンダ本体の他端面)の熱による歪量は、吸入側領域T22におけるシリンダ160の上面160aの熱による歪量よりも大きい。一方、ピストン140およびピストン170のローラ41、41は、シリンダ130、160よりも小さく、シリンダ130、160よりも比較的温度分布が小さいため、吐出側領域T11、T21における熱による歪量と吸入側領域T12、T22における熱による歪量との差が、シリンダ130、160に比べて比較的小さい。
従来の圧縮機(例えば特許文献1)のように、吐出孔122周辺の吐出側領域T11におけるシリンダ130とミドルプレート150との接触面積と、吸入孔132周辺の吸入側領域T12におけるシリンダ130とミドルプレート150との接触面積とが略同じである場合、シリンダ130とミドルプレート150とが締め付け固定されることによるシリンダ130の下面130bにかかる圧力は吐出側と吸入側とで略同じとなる。その場合、吸入側と吐出側において熱による歪量に差がある分、吸入側と吐出側においてシリンダ130の歪量に差が生じる。そのため、圧縮機の運転時においては、シリンダ130は、吸入側領域T12では熱膨張による変形量が小さいが、吐出側領域T11では熱膨張による変形量が大きい。そして、ローラ41は、吸入側領域T12における熱膨張による変形量と吐出側領域T11における熱膨張による変形量との差がシリンダ130に比べて比較的小さいので、吸入側領域T12においては、圧縮機の停止時に比べてローラ41とミドルプレート150との間の隙間が小さくなる。一方、吐出側領域T1においては、ローラ41とミドルプレート150との間の隙間は圧縮機の停止時に比べてほとんど変わらない。その結果、例えば圧縮機の停止時において、ローラ41とミドルプレート150との間の隙間が小さくされている場合には、吸入側領域T12においてローラ41の焼付きが生じるおそれがある。また、例えば圧縮機の停止時において、吸入側領域T12において、ローラ41とミドルプレート150との間の隙間が大きくされている場合には、吐出側領域T11においてローラ41とミドルプレート150との間の隙間が大きくなって圧縮室131から冷媒が漏れる問題が生じるおそれがある。
また、同様に、吐出孔182周辺の吐出側領域T21におけるシリンダ160とミドルプレート150との接触面積と、吸入孔162周辺の吸入側領域T22におけるシリンダ160とミドルプレート150との接触面積とが略同じである場合、例えば圧縮機の停止時において、ローラ41とミドルプレート150との間の隙間が小さくされている場合には、吸入側領域T22において、ローラ41の焼付きが生じるおそれがある。また、例えば圧縮機の停止時において、ローラ41とミドルプレート150との間の隙間が大きくされている場合には、吐出側領域T21においてローラ41とミドルプレート150との間の隙間が大きくなって圧縮室161から冷媒が漏れる問題が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態の圧縮機では、吐出孔122周辺の吐出側領域T11におけるシリンダ130とミドルプレート150との接触面積S11が、吸入孔132周辺の吸入側領域T12におけるシリンダ130とミドルプレート150との接触面積S12よりも小さいので、シリンダ130とミドルプレート150と締め付けが固定されることによるシリンダ130の下面130bにかかる圧力は、吸入側領域T12よりも吐出側領域T11の方が大きい。そのため、シリンダ130の下面130bにおいて、吐出側での熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側での熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのが抑制される。したがって、吸入側と吐出側においてシリンダ130の歪量に差が生じるのが抑制される。そのため、圧縮機の停止時は、吐出側領域T11におけるローラ41とミドルプレート150との間の隙間が、吸入側領域T12におけるローラ41とミドルプレート150との隙間より小さいが、圧縮機の運転時においては、吐出側領域T11と吸入側領域T12とでのローラ41とミドルプレート150との隙間はほとんど同じとなる。その結果、吸入側領域T12においてローラ41が焼付いたり、ローラ41とミドルプレート150との間から冷媒が漏れるのを防止できる。
また、本実施形態の圧縮機では、吐出孔182周辺の吐出側領域T21におけるシリンダ160とミドルプレート150との接触面積S21が、吸入孔162周辺の吸入側領域T22におけるシリンダ160とミドルプレート150との接触面積S22よりも小さいので、シリンダ160の上面160aにおいて、吐出側での熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側での熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのが抑制される。したがって、吸入側と吐出側においてシリンダ160の歪量に差が生じるのが抑制される。そのため、圧縮機の停止時は、吐出側領域T21におけるローラ41とミドルプレート150との間の隙間が、吸入側領域T22におけるローラ41とミドルプレート150との隙間より小さいが、圧縮機の運転時においては、吐出側領域T21と吸入側領域T22とでのローラ41とミドルプレート150との隙間はほとんど同じとなる。その結果、吸入側領域T22においてローラ41が焼付いたり、ローラ41とミドルプレート150との間から冷媒が漏れるのを防止できる。
[本実施形態の圧縮機の特徴]
本実施形態の圧縮機には、以下の特徴がある。
本実施形態の圧縮機では、図8(b)に示すように、吐出孔122周辺の吐出側領域T11におけるシリンダ130(シリンダ本体)とミドルプレート150(第2端板部材)との接触面積S11が、吸入孔132周辺の吸入側領域T12におけるシリンダ130とミドルプレート150との接触面積S12よりも小さいので、シリンダ130とミドルプレート150とが締め付け固定されることによるシリンダ130の下面130b(シリンダ本体の他端面)にかかる圧力は、吸入側よりも吐出側の方が大きくなる。したがって、シリンダ130における吐出側での圧力による歪量が吸入側での圧力による歪量よりも大きくなる。その結果、圧縮機の運転時において、吐出側での熱による歪量が、吸入側での熱による歪量よりも大きくなっても、吐出側での熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側での熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのが抑制される。したがって、吸入側と吐出側においてシリンダ130の歪量に差が生じるのを抑制できる。そのため、ローラ41の歪量(熱膨張量)を考慮して、ローラ41とミドルプレート150との隙間を適宜設定することで、ローラ41の焼付きを低減又は防止し、且つローラ41とミドルプレート150との隙間が大きくなって圧縮室131から冷媒が漏れるのを低減又は防止した圧縮機を提供できる。
また、本実施形態の圧縮機では、図9(a)に示すように、吐出孔182周辺の吐出側領域T21におけるシリンダ160(シリンダ本体)とミドルプレート150(第2端板部材)との接触面積S21が、吸入孔162周辺の吸入側領域T22におけるシリンダ160とミドルプレート150との接触面積S22よりも小さいので、シリンダ160とミドルプレート150とが締め付け固定されることによるシリンダ160の上面160a(シリンダ本体の他端面)にかかる圧力は、吸入側よりも吐出側の方が大きくなる。したがって、吐出側での圧力による歪量が吸入側での圧力による歪量よりも大きくなる。その結果、圧縮機の運転時において、吐出側での熱による歪量が、吸入側での熱による歪量よりも大きくなっても、吐出側での熱による歪量と圧力による歪量との和と、吸入側での熱による歪量と圧力による歪量との和とに差が生じるのが抑制される。したがって、吸入側と吐出側においてシリンダ160の歪量に差が生じるのを抑制できる。そのため、ローラ41の歪量(熱膨張量)を考慮して、ローラ41とミドルプレート150との隙間を適宜設定することで、ローラ41の焼付きを低減又は防止し、且つローラ41とミドルプレート150との隙間が大きくなって圧縮室161から冷媒が漏れるのを低減又は防止した圧縮機を提供できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成は、上記第1及び第2実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。なお、以下の変更形態は、適宜組み合わせて実施することも可能である。
[変形例]
上記第1及び第2実施形態では、逃がし部37、137、167は、シリンダ本体(シリンダ30、130、160)の外周に形成された切欠き37、137、167であるが、これに限られない。例えば、逃がし部は、ボルトが通過するシリンダ30の貫通孔36やシリンダ130、160の貫通孔(不図示)の径を大きくしたものであってもよいし、ボルトが通過する貫通孔とは別の貫通孔であってもよいし、シリンダ本体(シリンダ30、130、160)の内周に形成された切欠きであってもよいし、シリンダ本体の他端面(シリンダ30の下面30b、シリンダ130の下面30b、シリンダ160の上面160a)に形成された溝部(凹部)であってもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、シリンダ本体(シリンダ30、130、160)に逃がし部37、137、167が形成されるが、第2端板部材(リアヘッド50、ミドルプレート150)に逃がし部(外周面に形成された切欠き、内周面に形成された切欠き、貫通孔、溝部(凹部)などを含む)が形成されてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、逃がし部37、137、167が形成されることによって、吐出側領域T1、T11、T21における接触面積S1、S11、S21が、吸入側領域T2、T12、T22における接触面積S2、S12、S22よりも小さくされているが、それに限られるものではない。例えば、吐出側領域T1、T11、T21におけるシリンダ本体(シリンダ30、130、160)の外径を従来より小さくすることで、接触面積S1、S11、S21を接触面積S2、S12、S22よりも小さくしてもよいし、吐出側領域T1、T11、T21における第2端板部材(リアヘッド50、ミドルプレート150)の外径を従来より小さくすることで、接触面積S1、S11、S21を接触面積S2、S12、S22よりも小さくしてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、逃がし部37、137、167は、上下方向(シリンダ本体の軸方向)に貫通しているが、上下方向に貫通していなくてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、領域T3、T13、T23に逃がし部37、137、167が形成されるが、形成されていなくてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、フロントヘッド20、120の外周面が密閉ケーシング2の内周面に固定されるが、これに限られるものではない。例えば、シリンダ30、130、160の外周面が密閉ケーシング2の内周面に固定されてもよいし、リアヘッド50、180の外周面が密閉ケーシング2の内周面に固定されてもよいし、ミドルプレート150の外周面が密閉ケーシング2の内周面に固定されてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、シリンダ30、130、160の内部に、ローラ41とブレード42(仕切部材)とからなるピストン40、140、170が配置された構成であるが、例えば図10に示すように、シリンダ230(シリンダ本体)の内部に、ローラ241とベーン242(仕切部材)とが配置された構成であってもよい。
シリンダ230の中央部には、第1及び第2実施形態のシリンダ30、130、160と同様に、圧縮室231を形成する円形孔230hが形成されている。また、シリンダ230には、第1及び第2実施形態のシリンダ30、130、160と同様に、吸入孔232と、凹部235と、ボルトが通過する貫通孔(不図示)とが形成されている。また、シリンダ230には、ベーン収容部233(仕切部材収容部)が形成されている。このベーン収容部233は、圧縮室231の周壁面から径方向外側に凹んだ形状であって、ベーン242(仕切部材)を収容する。ローラ241は、シリンダ230の円形孔230h内に配置されている。このローラ241とシリンダ230とにより圧縮室231が形成される。このローラ241の内側には、偏心部8aが配置されている。ベーン242(仕切部材)は、ベーン収容部233内に設けられた付勢バネ236によって付勢され、先端がローラ241の外周面に押し付けられている。このベーン242によって、圧縮室231は低圧室231aと高圧室231bとに仕切られる。シャフトの回転に伴ってローラ241が圧縮室231の周壁面に沿って公転運動すると、低圧室231aと高圧室231bの容積が変化して、高圧室231b内で冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は、シリンダ230の端面に配置される第1端板部材(不図示)に形成された吐出孔(不図示)から吐出される。なお、この第1端板部材は、例えば第1及び第2実施形態のフロントヘッド20、120と同様の構成である。また、例えば第2実施形態のリアヘッド180と同様の構成である。
図10に示すように、このシリンダ230には、第1及び第2実施形態のシリンダ30、130、160に形成された逃がし部37、137、167と同じ構成の逃がし部237が形成されている。したがって、吐出孔(不図示)周辺の吐出側領域におけるシリンダ230と第2端板部材との接触面積は、吸入孔232周辺の吸入側領域におけるシリンダ230と第2端板部材との接触面積よりも小さい。したがって、このシリンダ230を備えた圧縮機においても、吸入側と吐出側においてシリンダ本体の歪量に差が生じるのを抑制できる。なお、本変形例では、逃がし部237は、シリンダ230の外周面に形成された切欠き237であるが、逃がし部は、シリンダ230の内周面に形成された切欠き、貫通孔、溝部(凹部)などであってもよい。
本発明を利用すれば、吸入側と吐出側においてシリンダ本体の歪量に差が生じるのを抑制できる。
1 圧縮機
20、120 フロントヘッド(第1端板部材)
22、122、182 吐出孔
30、130、160、230 シリンダ(シリンダ本体)
31、131、161、231 圧縮室
31a、231a 低圧室
31b、231b 高圧室
32、132、162、232 吸入孔
33、133、163 ブレード収容部(仕切部材収容部)
233 ベーン収容部(仕切部材収容部)
37、137、167、237 逃がし部(切欠き)
41、241 ローラ
42 ブレード(仕切部材)
50 リアヘッド(第2端板部材)
150 ミドルプレート(第2端板部材)
180 リアヘッド(第1端板部材)
242 ベーン(仕切部材)

Claims (4)

  1. シリンダ本体(30、130、160、230)と、
    前記シリンダ本体の内部に配置される環状のローラ(41、241)と、
    前記ローラと前記シリンダ本体とにより圧縮室(31、131、161、231)を形成するとともに、その圧縮室を高圧室(31b、231b)と低圧室(31a、231a)とに仕切る仕切部材(42、242)と、
    前記シリンダ本体に形成され、前記圧縮室に連通するとともに前記仕切部材を収容する仕切部材収容部(33、133、163、233)と、
    前記仕切部材収容部の近傍において前記圧縮室の低圧室に連通する吸入孔(32、132、162、232)と、
    前記シリンダ本体の一端面に配置され、平面視において前記仕切部材収容部に対して前記吸入孔と反対側に形成されるとともに前記圧縮室の高圧室に連通する吐出孔(22、122、182)を有する第1端板部材(20、120、180)と、
    前記シリンダ本体の他端面に配置される第2端板部材(50、150)とを備え、
    前記吐出孔周辺の吐出側領域(T1、T11、T21)における前記シリンダ本体と前記第2端板部材との接触面積(S1、S11、S21)が、前記吸入孔周辺の吸入側領域(T2、T12、T22)における前記シリンダ本体と前記第2端板部材との接触面積(S2、S12、S22)よりも小さいことを特徴とする圧縮機(1)。
  2. 前記吐出側領域における前記シリンダ本体に、
    前記シリンダ本体と前記第2端板部材の一部が接触しないようにする逃がし部(37、137、167、237)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記逃がし部は、前記シリンダ本体の外周に形成された切欠きであることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記切欠きが前記シリンダ本体の軸方向において全域にあることを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
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