JP2009264301A - 往復動型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部材を適正な時期に交換することが可能な往復動型圧縮機の提供。
【解決手段】シリンダ7と、シリンダ7の基端側に取付けられ、内部にクランク機構を有するクランク室が設けられたクランクケースと、シリンダ7内を往復動しシリンダ7内に圧縮室19を画成するピストン14と、ピストン14の外周側に設けられてピストン14とシリンダ7との間をシールする環状のシール部材21とを備え、シール部材21の摩耗量が所定量に達すると圧縮室19とクランク室2とを連通させる連通路27を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、往復動型圧縮機に関する。
筒状のシリンダと、クランク室内に設けられて偏心回転するクランクと、このクランクの回転によりシリンダ内を揺動しつつ往復動して圧縮室内の気体を圧縮するピストンとを有する往復動型圧縮機がある(例えば、特許文献1,2参照)。このような圧縮機においては、ピストンの外周側に、シリンダと摺接してピストンとシリンダとの間をシールする環状のシール部材が設けられることになるが、このシール部材は、シリンダとの摺接により摩耗するため、定期的に交換する必要がある。
特開2007−32359号公報 特開2006−152960号公報
シール部材の摩耗量は使用状況等により異なることになり、交換時期の把握が困難であった。このため、早期に交換してしまうとコストが無駄にかかってしまうことになり、逆に、交換が遅れるとピストンがシリンダに直接接触してシリンダ内を傷付けてしまうことになる。
したがって、本発明は、シール部材を適正な時期に交換することが可能な往復動型圧縮機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シール部材に、シール部材の摩耗量が所定量に達すると、圧縮室とクランク室とを連通させる連通路を設けた。
請求項1に係る発明によれば、シール部材の摩耗量が所定量に達すると連通路が圧縮室とクランク室とを連通させるため、吐出量が低下することになり、これにより、ユーザーにシール部材が交換時期であることを知らせることができる。したがって、シール部材を実際の摩耗量に応じた適正な時期に交換することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る往復動型圧縮機を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
「第1実施形態」
まず、本発明の第1実施形態に係る往復動型圧縮機を図1〜図6を参照しつつ以下に説明する。
図1および図2において、符号1は内部にクランク室2が画成されたクランクケースで、該クランクケース1には、クランク室2内に位置して電動モータ3の出力軸4に固定されたクランク(クランク機構)5が回転可能に支持されている。また、出力軸4にはクランク5に当接してバランスウェイト6が取付けられている。
符号7はクランクケース1上に基端側が取付けられた円筒状のシリンダで、該シリンダ7は、基端側がクランク室2内に開口すると共に、その内周面7Aが後述するピストンリング(シール部材)21の摺動面となっている。また、シリンダ7の先端側にはシリンダヘッド8が搭載され、該シリンダヘッド8内には、吸込口9Aを介して外部に連通する吸込室9と、吐出口10Aを介して外部に連通する吐出室10とが画成されている。
符号11はシリンダ7とシリンダヘッド8との間に挟持された弁座板で、該弁座板11には、吸込室9を後述の圧縮室19に連通する吸込穴11Aと、吐出室10を圧縮室19に連通する吐出穴11Bとが形成されている。また、弁座板11にはリード弁としての吸込弁12、吐出弁13が取り付けられ、該吸込弁12、吐出弁13は、基端側がねじ等を介して弁座板11に固定された固定端となり、先端側は自由端となって、吸込穴11A、吐出穴11Bをそれぞれ開閉する。
符号14はシリンダ7内に摺動可能に挿嵌されたロッキングピストン(以下、ピストン14という)で、該ピストン14は、その一端側にあってクランク室2内に位置して偏心回転するクランク5に対して軸受15を介して回転可能に連結された連結部16と、該連結部16に一体形成されてシリンダ7内へと伸長した棒状のピストンロッド17と、ピストン14の他端側にあってピストンロッド17と一体形成された円盤状のピストン部18とによって構成されている。そして、ピストン部18は、シリンダ7の内径寸法よりも小さい外径寸法をもって形成されるとともに、シリンダ7内に位置して弁座板11との間に圧縮室19を画成している。
符号20はピストン部18の外周側に凹陥して設けられたリング溝で、該リング溝20は、ピストン部18の外周面18Aに形成された環状の凹溝によって構成されている。そして、リング溝20には、後述のピストンリング21が装着されている。
符号21はリング溝20に装着されピストン部18とシリンダ7との間をシールするピストンリングで、該ピストンリング21は、耐摩耗性および自己潤滑性に優れた樹脂材料によって略円環状に形成されている。ピストンリング21には、図3に示すように、その周方向の途中部位に合口部21A,21Bが略L字状に切り欠くようにして形成されており、これら合口部21A,21Bによってシール性を維持しつつ拡縮径可能となっている。
ここで、ピストンリング21は、全体的に、図4に示すように、上端面21a、下端面21b、内周面21cおよび外周面21dを有する断面略四角形状に形成されている。また、ピストンリング21の上端面21a、下端面21bは、それぞれピストン14の往復動方向(シリンダ7の軸方向)の両端側に位置すると共に、内周面21cはリング溝20の奥部側(底面側)に位置している。
ピストンリング21の外周面21dには、ピストンリング21の軸線方向の両端側に円弧状のR面取りが形成されている。ピストンリング21の外周面21dは、リング溝20から突出してシリンダ7の内周面7Aに弾性的に接触している。このとき、リング溝20から突出したピストンリング21の突出寸法は、ピストン14が揺動しつつ往復動するときでもピストン部18の外周面18Aがシリンダ7の内周面7Aに接触しない程度の十分な値に設定されている。また、ピストンリング21の軸線方向の厚さ、つまり上端面21aと下端面21bとの距離は、ピストンリング21のピストン14に対する径方向の移動が可能となるように、リング溝20の軸線方向の幅よりも若干小さくなっている。
ピストンリング21は、リング溝20内に装着された状態でピストン14と一緒にシリンダ7内に挿嵌される。これにより、ピストンリング21の外周面21d側がシリンダ7の内周面7Aに摺接するから、ピストンリング21はシリンダ7とピストン14との間をシールする。このとき、ピストンリング21の内周面21cとリング溝20の奥部側との間には、ピストンリング21に沿って環状の空間22が形成されることになる。
ピストンリング21の外周面21dは、両側のR面取りによって、ピストン14がシリンダ7内を揺動しつつ往復動するときに、ピストンリング21の角隅が局部的に接触するのを防止し、シリンダ7の内周面7A上を滑らかに摺動させる。
符号25は、ピストンリング21の軸線方向の中間位置においてピストンリング21の内周面21cから径方向の途中位置まで径方向に沿って形成された貫通しない穴である。穴25はその軸線方向の全長にわたって同一径をなしており、このような穴25が、図4に示す新品の状態のピストンリング21に、一カ所または円周方向に等間隔で複数カ所形成されている。ここで、ピストンリング21は外周側がシリンダ7に摺接することで経時的に摩耗することになり、図5に示すように、この摩耗量が所定量に達すると、穴25がピストンリング21を径方向に貫通する状態となる。この上記の穴25の深さは、ピストンリング21がピストン14のシリンダ7への直接接触を回避可能な状態であるものの交換を要する摩耗量となった時点で、ピストンリング21を径方向に貫通する状態となる量に設定されている。
上記のように、穴25がピストンリング21を貫通する状態になると、ピストンリング21は、ピストン14の揺動姿勢によってクランク室2内に開口することになる。また、ピストンリング21は、圧縮室19の圧縮気体の圧力を受けてその上端面21aとリング溝20の圧縮室19側との間に隙間26をあけることになり、穴25がクランク室2内に開口すると、この隙間26からピストンリング21の内周面21cとリング溝20の奥部側との間の空間22および穴25を経て、圧縮室19とクランク室2とが連通する。これらの隙間26、空間22および穴25が、ピストンリング21の摩耗量が所定量に達すると圧縮室19とクランク室2とを連通させる連通路27を構成する。
図1中、符号24は出力軸4の先端側に固定された冷却ファンを示し、該冷却ファン24はクランク室2内に冷却風を送風する。
符号28は、吐出室10から外部への配管29上に設けられて圧縮気体の吐出量を検出するセンサ(検出手段)である。ここで、センサ28としては、圧縮気体の流量を直接検出する流量センサおよび圧縮気体の圧力を検出する圧力センサが用いられる。その他に、圧縮気体の吐出量に応じて変化する、電動モータ3への電流値、入力値等から圧縮気体の吐出量を検出しても良い。
符号30は、センサ28により検出される圧縮気体の吐出量に応じて制御を行う制御装置(制御手段)である。この制御装置30は、圧縮気体の吐出量が所定値を下回ったときに警報発生およびモータ3による運転停止の少なくともいずれか一方を行う。この所定値は、ピストンリング21の穴25が貫通して隙間26、空間22および穴25を経て、圧縮室19とクランク室2とが連通したときの値である。
第1実施形態に係る往復動型圧縮機は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
図6に示すように、まず、電源スイッチがオンされて(ステップS1)、制御装置20が往復動型圧縮機を運転すべく電動モータ3を回転駆動すると(ステップS2)、ピストン14がシリンダ7内を揺動しつつ往復動する。これにより、往復動型圧縮機は、吸込室9から圧縮室19内に空気等の気体を吸入する吸入行程と、圧縮室19内の気体を圧縮し吐出室10に圧縮気体を吐出する圧縮行程とを繰り返す圧縮運転を行う。
そして、圧縮運転が行われている間は、ピストンリング21の外周面21dがシリンダ7の内周面7Aに常時摺接すると共に、上端面21aと下端面21bとのいずれか一方がリング溝20の端面に接触する。これにより、ピストンリング21はピストン14とシリンダ7との間を気密にシールし、圧縮室19内の気体がクランク室2に向けて漏洩するのを防止している。
ピストンリング21の外周面21d側は、シリンダ7の内周面7Aとの摺接によって経時的に摩耗することになり、摩耗量に応じて、ピストンリング21は自身のバネ力によって内径を拡径させて外周面21dとシリンダ7の内周面7Aとの摺接状態を維持する。
そして、ピストンリング21の摩耗量が所定量に達すると、上記のようにピストンリング21の穴25がピストンリング21を貫通する状態になり、この状態で、ピストンリング21が圧縮室19の圧縮気体の圧力を受けてその上端面21aとリング溝20の圧縮室19側との間に隙間26をあけ、穴25がクランク室2内に開口すると、隙間26から空間22および穴25を経て、圧縮室19とクランク室2とが連通することになり、センサ28により検出される圧縮気体の吐出量つまり実空気量が、所定値つまり基準値を下回ることになる(ステップS3)。これを受けて、制御装置30は、警報発生させ(ステップS4)、モータ3による運転を停止させる(ステップS5)。
以上に述べた第1実施形態の往復動型圧縮機によれば、ピストンリング21の摩耗量が所定量に達すると、隙間26、空間22および穴25からなる連通路27が圧縮室19をクランク室2に連通させるため、吐出量が低下することになり、これにより、ユーザーにピストンリング21が交換時期であることを知らせることができる。したがって、ピストンリング21を実際の摩耗量に応じた適正な時期に交換することができる。
また、制御装置20は、センサ28により圧縮気体の吐出量が所定値を下回ったことが検出されると、警報発生およびモータ3による運転停止を行うため、ピストンリング21を実際の摩耗量に応じた適正な時期に交換することが確実にできる。
また、連通路27は、ピストンリング21の内周面21cから径方向の途中位置まで形成された穴25を有するため、ピストンリング21の摩耗量が所定量に達すると圧縮室19をクランク室2に連通させる構造を容易に形成でき、コスト増を抑制することができる。
「第2実施形態」
次に、本発明の第2実施形態に係る往復動型圧縮機を図7および図8を参照しつつ以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は同一称呼、同一符号としてその説明は略す。
第2実施形態では、図7に示すように、ピストンリング21に第1実施形態の穴部25にかえて穴33が形成されている。
つまり、図7に示す新品の状態において、第2実施形態の穴33は、ピストンリング21の軸線方向の中間位置の内周面21cから径方向の途中位置まで径方向に沿って形成されており、しかも、ピストンリング12の外周側ほど小径となる段付き形状をなしている。つまり、第2実施形態の穴33は、ピストンリング12の内周側にある大径穴部33Aと、これより小径でピストンリング12の外周側にある中間径穴部33Bと、これより小径で最もピストンリング12の外周側にある小径穴部33Cとを有している。これら大径穴部33A、中間径穴部33Bおよび小径穴部33Cは、それぞれが軸線方向の全長にわたって同一径をなしており、大径穴部33Aが最も長く、中間径穴部33Bおよび小径穴部33Cが短くされている。このような穴33が、ピストンリング21に、一カ所または円周方向に等間隔で複数カ所形成されている。
このような第2実施形態によれば、ピストンリング21の外周側が摩耗しこの摩耗量が所定量に達すると、その初期段階では、図8に示すように、穴33が大径穴部33A、中間径穴部33Bおよび小径穴部33Cによってピストンリング21を径方向に貫通する状態となる。この状態で、ピストンリング21が圧縮室19の圧縮気体の圧力を受けてその上端面21aとリング溝20の圧縮室19側との間に隙間26をあけ、穴33がクランク室2内に開口すると、隙間26、空間22および穴33からなる連通路27を経て、圧縮室19とクランク室2とが小径穴部33Cの流路断面積で連通することになり、センサ28により検出される圧縮気体の吐出量が第1の所定値を下回る。これを受けて、制御装置30は、第1段階として、例えば、電動モータ3の駆動は許容したまま、表示により警報発生させる。
その後、ピストンリング21の摩耗がさらに進行すると、その中期段階で、小径穴部33Cが消失し、穴33が大径穴部33Aおよび中間径穴部33Bによってピストンリング21を径方向に貫通する状態となる。この状態で、ピストンリング21が隙間26をあけ、穴33がクランク室2内に開口すると、隙間26、空間22および穴33からなる連通路27を経て、圧縮室19とクランク室2とが中間径穴部33Bの流路断面積で連通することになり、センサ28により検出される圧縮気体の吐出量が、第1の所定値よりも小さい第2の所定値を下回る。これを受けて、制御装置30は、第2段階として、例えば、電動モータ3の駆動は許容したまま、表示および音声により警報発生させる。
その後、ピストンリング21の摩耗がさらに進行すると、その終期段階で、中間径穴部33Bが消失し、穴33が大径穴部33Aのみによってピストンリング21を径方向に貫通する状態となる。この状態で、ピストンリング21が隙間26をあけ、穴33がクランク室2内に開口すると、隙間26、空間22および穴33からなる連通路27を経て、圧縮室19とクランク室2とが大径穴部33Aの流路断面積で連通することになり、センサ28により検出される圧縮気体の吐出量が、第2の所定値よりも小さい第3の所定値を下回る。これを受けて、制御装置30は、第3段階として、例えば、表示および音声により警報発生させるとともに電動モータ3を強制的に停止させる。
以上に述べた第2実施形態の往復動型圧縮機によれば、連通路27を構成する穴33がピストンリング21の外周側ほど狭くなる形状をなしており、摩耗の進行にしたがって拡径することになるため、摩耗の状態に応じて段階的に警報および運転を制御することができる。
「第3実施形態」
次に、本発明の第3実施形態に係る往復動型圧縮機を図9および図10を参照しつつ以下に説明する。なお、第2実施形態と同様の部分は同一称呼、同一符号としてその説明は略す。
第3実施形態では、図9に示すように、ピストンリング21に第2実施形態の穴部33にかえて穴34が形成されている。
つまり、図9に示す新品状態において、第3実施形態の穴34は、ピストンリング21の軸線方向の中間位置の内周面21cから径方向の途中位置まで径方向に沿って形成されており、しかも、ピストンリング12の外周側ほど小径となるテーパ形状をなしている。このような穴34が、ピストンリング21に、一カ所または円周方向に等間隔で複数カ所形成されている。
このような第3実施形態によれば、ピストンリング21の外周側が摩耗しこの摩耗量が所定量に達すると、図10に示すように、穴34がピストンリング21を径方向に貫通する状態となり、この状態で、ピストンリング21が圧縮室19の圧縮気体の圧力を受けてその上端面21aとリング溝20の圧縮室19側との間に隙間26をあけ、穴34がクランク室2内に開口すると、隙間26、空間22および穴34からなる連通路27を経て、圧縮室19とクランク室2とが連通することになる。そして、摩耗の初期段階から終期段階にかけて、穴34の流路断面積が徐々に拡大することになる。
以上に述べた第3実施形態によれば、連通路27を構成する穴34が、ピストンリング21の外周側ほど狭くなる形状をなしており、摩耗の進行にしたがって拡径することになるため、第2実施形態と同様に制御を行うことで、摩耗の状態に応じて段階的に警報および運転を制御することができる。
「第4実施形態」
次に、本発明の第4実施形態に係る往復動型圧縮機を図11および図12を参照しつつ以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は同一称呼、同一符号としてその説明は略す。
第4実施形態では、図11に示すように、ピストンリング21に第1実施形態の穴部25にかえて穴35が形成されている。
つまり、図11に示す新品状態において、第4実施形態の穴35は、ピストンリング21の軸線方向の中間位置の内周面21cから径方向の途中位置まで径方向に沿って形成された穴部35Aと、この穴部35Aの底部から(つまりピストンリング21の径方向の途中位置から)ピストンリング21の軸線方向に沿って下端面21bに貫通する穴部35Bとを有している。つまり、穴35は、圧縮行程時にピストンリング21に加わる負荷方向の前側となる下端面21bに開口するように形成されている。これら穴部35A,35Bは、いずれも、その軸線方向の全長にわたって同一径をなしている。
なお、第4実施形態の穴部35A,35Bからなる穴35は、ピストンリング21が図11に示す新品の状態で、全体がリング溝20内に位置し、その結果、ピストンリング21は穴35よりも外周側部分でピストン14およびシリンダ7の間をシールする。また、穴35は、その穴部35Bのピストンリング21の径方向における位置が、ピストンリング21がピストン14のシリンダ7への直接接触を回避可能な状態であるものの交換を要する摩耗量となった時点で、クランク室2に開口する状態となる位置に設定されている。このような穴35が、ピストンリング21に、一カ所または円周方向に等間隔で複数カ所形成されている。
このような第4実施形態によれば、図12に示すように、ピストンリング21の外周側が摩耗しこの摩耗量が所定量に達すると、穴35の穴部35Bがクランク室2に開口する状態となり、この状態で、ピストンリング21が圧縮室19の圧縮気体の圧力を受けてその上端面21aとリング溝20の圧縮室19側との間に隙間26をあけると、隙間26、空間22および穴35からなる連通路27を経て、圧縮室19とクランク室2とが連通することになり、センサ28により検出される圧縮気体の吐出量が所定値を下回る。これを受けて、制御装置30は、警報発生およびモータ3による運転停止の少なくともいずれか一方を行う。
以上に述べた第4実施形態によれば、ピストンリング21の外周側の摩耗量が所定量に達すると、穴35がクランク室2に常に開口する状態になるため、ピストン14の姿勢によらずにクランク室2と圧縮室19とを連通させることができる。したがって、ピストンリング21の摩耗量が所定量に達したことを安定的に検出することができる。
「第5実施形態」
次に、本発明の第5実施形態に係る往復動型圧縮機を図13および図14を参照しつつ以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は同一称呼、同一符号としてその説明は略す。
第5実施形態では、図13に示すように、ピストンリング21に第1実施形態の穴部25にかえて穴36が形成されている。
つまり、第5実施形態の穴36は、ピストンリング21の径方向の中間位置においてピストンリング21の上端面21aから下端面21bまで、軸線方向に貫通形成されている。この穴36も、その軸線方向の全長にわたって同一径をなしている。
なお、第5実施形態の穴36は、それだけで連通路27を構成するもので、ピストンリング21が図13に示す新品の状態で、全体がリング溝20内に位置し、その結果、ピストンリング21は穴36よりも外周側部分でピストン14およびシリンダ7の間をシールする。また、穴36は、そのピストンリング21の径方向における位置が、ピストンリング21がピストン14のシリンダ7への直接接触を回避可能な状態であるものの交換を要する摩耗量となった時点で、クランク室2および圧縮室19の両方に開口する状態となる位置に設定されている。このような穴36が、ピストンリング21に、一カ所または円周方向に等間隔で複数カ所形成されている。
このような第5実施形態によれば、ピストンリング21の外周側が摩耗しこの摩耗量が所定量に達すると、図14に示すように、穴36がクランク室2および圧縮室19の両方に開口する状態となり、この穴36、つまり連通路27を経て、圧縮室19とクランク室2とが連通することになって、センサ28により検出される圧縮気体の吐出量が所定値を下回る。これを受けて、制御装置30は、警報発生およびモータ3による運転停止の少なくともいずれか一方を行う。
以上に述べた第5実施形態によれば、ピストンリング21の外周側の摩耗量が所定量に達すると、それのみで連通路27を形成する穴36が、クランク室2および圧縮室19に常に開口する状態になるため、ピストン14の姿勢によらずにクランク室2と圧縮室19とを常時連通させることができる。したがって、ピストンリング21の摩耗量が所定量に達したことをさらに安定的に検出することができる。
「第6実施形態」
次に、本発明の第6実施形態に係る往復動型圧縮機を図15および図16を参照しつつ以下に説明する。なお、第4実施形態と同様の部分は同一称呼、同一符号としてその説明は略す。
第6実施形態では、ピストンリング21に、穴ではなく、溝37が形成されている。
溝37は、圧縮行程時にピストンリング21に加わる負荷方向の前側となる下端面21b側においてピストンリング21の内周面21cから径方向の途中位置まで径方向に沿って形成されている。溝37はその軸線方向の全長にわたって同一矩形断面をなしており、このような溝37が、図15に示す新品の状態のピストンリング21に、一カ所または円周方向に等間隔で複数カ所形成されている。
ここで、ピストンリング21は、溝37よりも外周側部分でピストン14およびシリンダ7の間をシールすることになり、外周側がシリンダ7に摺接することで経時的に摩耗し、この摩耗量が所定量に達すると、図16に示すように、溝37がピストンリング21を径方向に貫通する状態となる。この溝37のピストンリング21の径方向における長さも、ピストンリング21がピストン14のシリンダ7への直接接触を回避可能な状態であるものの交換を要する摩耗量となった時点で、ピストンリング21を径方向に貫通する状態となる量に設定されている。
上記のように、溝37がピストンリング21を貫通する状態になると、溝37がクランク室2に開口する状態となり、この状態で、ピストンリング21が圧縮室19の圧縮気体の圧力を受けてその上端面21aとリング溝20の圧縮室19側との間に隙間26をあけると、隙間26、空間22および溝37からなる連通路27を経て、圧縮室19とクランク室2とが連通することになり、センサ28により検出される圧縮気体の吐出量が所定値を下回る。これを受けて、制御装置30は、警報発生およびモータ3による運転停止の少なくともいずれか一方を行う。
以上に述べた第6実施形態によれば、第4実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、第6実施形態の溝37を、摩耗の進行に応じて流路断面積を拡大すべく、第2実施形態のように段付き形状としたり、第3実施形態のようにテーパ状としても良い。
本発明の第1実施形態に係る往復動型圧縮機を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る往復動型圧縮機を示す図1におけるII−II線に沿う断面図である 本発明の第1実施形態に係る往復動型圧縮機のピストンリングを示す側面図である。 本発明の第1実施形態に係る往復動型圧縮機の新品状態のピストンリングを示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)のA矢視図である。 本発明の第1実施形態に係る往復動型圧縮機の摩耗状態のピストンリングを示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る往復動型圧縮機の制御内容を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る往復動型圧縮機の新品状態のピストンリングを示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)のB矢視図である。 本発明の第2実施形態に係る往復動型圧縮機の摩耗状態のピストンリングを示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る往復動型圧縮機の新品状態のピストンリングを示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)のC矢視図である。 本発明の第3実施形態に係る往復動型圧縮機の摩耗状態のピストンリングを示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る往復動型圧縮機の新品状態のピストンリングを示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)のD矢視図である。 本発明の第4実施形態に係る往復動型圧縮機の摩耗状態のピストンリングを示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係る往復動型圧縮機の新品状態のピストンリングを示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)のE矢視図である。 本発明の第5実施形態に係る往復動型圧縮機の摩耗状態のピストンリングを示す断面図である。 本発明の第6実施形態に係る往復動型圧縮機の新品状態のピストンリングを示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)のF矢視図である。 本発明の第6実施形態に係る往復動型圧縮機の摩耗状態のピストンリングを示す断面図である。
符号の説明
2 クランク室
5 クランク
7 シリンダ
14 ピストン
19 圧縮室
21 ピストンリング(シール部材)
25,33,34,35,36 穴
27 連通路
28 センサ(検出手段)
30 制御装置(制御手段)
37 溝

Claims (6)

  1. 筒状のシリンダと、
    該シリンダの基端側に取付けられ、内部にクランク機構を有するクランク室が設けられたクランクケースと、
    前記シリンダ内を往復動し該シリンダ内に圧縮室を画成するピストンと、
    該ピストンの外周側に設けられて該ピストンと前記シリンダとの間をシールする環状のシール部材とを備えてなる往復動型圧縮機において、
    前記シール部材には、該シール部材の摩耗量が所定量に達すると、前記圧縮室と前記クランク室とを連通させる連通路が設けられていることを特徴とする往復動型圧縮機。
  2. 請求項1に記載の往復動型圧縮機において、
    前記連通路は、前記シール部材の内周面から径方向の途中位置まで形成された穴または溝を有することを特徴とする往復動型圧縮機。
  3. 請求項2に記載の往復動型圧縮機において、
    前記連通路は、前記シール部材の前記圧縮室とは反対側に形成されていることを特徴とする往復動型圧縮機。
  4. 請求項2または3に記載の往復動型圧縮機において、
    前記連通路は、前記シール部材の外周側ほど狭くなる形状をなすことを特徴とする往復動型圧縮機。
  5. 請求項1に記載の往復動型圧縮機において、
    前記連通路は、前記シール部材の径方向の途中位置に軸線方向に形成された穴を有することを特徴とする往復動型圧縮機。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の往復動型圧縮機において、
    吐出量を検出する検出手段と、
    該検出手段により吐出量が所定値を下回ったときに警報発生または運転停止を行う制御手段とを有することを特徴とする往復動型圧縮機。
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