JP2007077937A - 圧縮機 - Google Patents

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貴士 福室
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Abstract

【課題】 軸封装置の第2シール部材(円環平板状の合成樹脂製)のシール性能が長期に亙って維持される圧縮機を提供する。
【解決手段】 回転軸10と、回転軸により駆動される圧縮機構と、回転軸と圧縮機構とを収容するハウジング18と、回転軸のハウジング貫通部を密封する軸封装置19とを備え、軸封装置は、小径側端部の内周縁を回転軸の周側面に摺接させた円錐台状の筒状のゴム製第1シール部材19aと、内周縁部をハウジング内側へ湾曲させて回転軸の周側面に摺接させた円環平板状の合成樹脂製第2シール部材19bとを有し、第2シール部材は第1シール部材よりもハウジング外側に配設され、回転軸周側面の第2シール部材と摺接する部位に研磨目10aが形成され、当該研磨目は、回転軸の回転時に研磨目に流入した液体がハウジング内側へ向けて付勢される方向へ、差し向けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、軸封装置を備える圧縮機に関するものである。
回転軸と、回転軸により駆動される圧縮機構と、回転軸と圧縮機構とを収容するハウジングと、回転軸のハウジング貫通部を密封する軸封装置とを備え、軸封装置は、小径側端部の内周縁を回転軸の周側面に摺接させた円錐台状の筒状のゴム製第1シール部材と、内周縁部をハウジング内側へ湾曲させて回転軸の周側面に摺接させた円環平板状の合成樹脂製第2シール部材とを有し、第2シール部材は第1シール部材よりもハウジング外側に配設され、第2シール部材の回転軸と摺接する表面に螺旋溝が形成され、当該螺旋溝は、回転軸の回転時に螺旋溝に流入した液体がハウジング内側へ向けて付勢される方向へ、差し向けられていることを特徴とする圧縮機が特許文献1に開示されている。
特許文献1の圧縮機においては、回転軸の回転時に第2シール部材の螺旋溝に流入した潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスが、ハウジング内側へ押し戻される。この結果、潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスの圧縮機からの漏洩が効果的に防止される。
特許第2847277号公報
第2シール部材の素材は合成樹脂なので、第2シール部材の回転軸と摺接する表面に形成した螺旋溝が磨耗により消滅して、第2シール部材のシール性能が経時劣化する可能性がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、回転軸と、回転軸により駆動される圧縮機構と、回転軸と圧縮機構とを収容するハウジングと、回転軸のハウジング貫通部を密封する軸封装置とを備え、軸封装置は、小径側端部の内周縁を回転軸の周側面に摺接させた円錐台状の筒状のゴム製第1シール部材と、内周縁部をハウジング内側へ湾曲させて回転軸の周側面に摺接させた円環平板状の合成樹脂製第2シール部材とを有し、第2シール部材は第1シール部材よりもハウジング外側に配設された圧縮機であって、第2シール部材のシール性能が長期に亙って維持される圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、回転軸と、回転軸により駆動される圧縮機構と、回転軸と圧縮機構とを収容するハウジングと、回転軸のハウジング貫通部を密封する軸封装置とを備え、軸封装置は、小径側端部の内周縁を回転軸の周側面に摺接させた円錐台状の筒状のゴム製第1シール部材と、内周縁部をハウジング内側へ湾曲させて回転軸の周側面に摺接させた円環平板状の合成樹脂製第2シール部材とを有し、第2シール部材は第1シール部材よりもハウジング外側に配設され、回転軸周側面の第2シール部材と摺接する部位に研磨目が形成され、当該研磨目は、回転軸の回転時に研磨目に流入した液体がハウジング内側へ向けて付勢される方向へ、差し向けられていることを特徴とする圧縮機を提供する。
本発明に係る圧縮機においては、回転軸の回転時に研磨目に流入した潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスが、ハウジング内側へ押し戻される。この結果、潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスの圧縮機からの漏洩が効果的に防止される。
金属製の回転軸は合成樹脂に比べて耐磨耗性が優れているので、回転軸の周側面に形成された研磨目は長期に亙って維持される。この結果、第2シール部材のシール性能が長期に亙って維持される。
本発明の好ましい態様においては、研磨目は断続した複数の線状に形成されている。
本発明の好ましい態様においては、研磨目は連続した螺旋状に形成されている。
研磨目は、断続した複数の線状に形成されても良く、或いは連続した螺旋状に形成されても良い。
本発明に係る圧縮機においては、回転軸の回転時に研磨目に流入した潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスが、ハウジング内側へ押し戻される。この結果、潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスの圧縮機からの漏洩が効果的に防止される。
金属製の回転軸は合成樹脂に比べて耐磨耗性が優れているので、回転軸の周側面に形成された研磨目は長期に亙って維持される。この結果、第2シール部材のシール性能が長期に亙って維持される。
本発明の実施例に係る圧縮機を説明する。
図1に示すように、可変容量型斜板式圧縮機Aは、回転軸10と、回転軸10に固定されたローター11と、傾角可変に回転軸10に支持された斜板12とを備えている。斜板12は、斜板12の傾角変動を許容するリンク機構13を介してローター11に連結され、ローター11ひいては回転軸10に同期して回転する。
斜板12の周縁部に摺接する一対のシュー14を介してピストン15が斜板12に係留されている。
ピストン15は、シリンダブロック16に形成されたボア16aに挿入されている。
複数対のシュー14と、複数のピストン15とボア16aとが、周方向に互いに間隔を隔てて配設されている。
ローター11、斜板12、リンク機構13、シュー14、ピストン15は、回転軸10により駆動される圧縮機構を形成している。
回転軸10と圧縮機構とを収容するクランク室17をシリンダブロック16と協働して形成する有底円筒状のフロントハウジング18が配設されている。回転軸10は、フロントハウジング18を貫通して外部へ延びている。
回転軸10のフロントハウジング貫通部を密封する軸封部材19が配設されている。
図2に示すように、軸封部材19は、回転軸10の周側面に摺接するリップシール部材19a、19bと、リップシール部材19a、19bを保持固定する保持金具19c、19d、19e、19f、19gとを有している。
フロントハウジング内側に、より具体的にはクランク室17寄りに配設されたリップシール部材19aは、水素化ニトリルゴム(HNBR)を主原料とするゴム成形体である。リップシール部材19aは、円錐台状の筒状部材であり、小径側端部の内周縁を回転軸10の周側面に摺接させている。
リップシール部材19aよりもフロントハウジング外側に、より具体的には回転軸10の端部寄りに配設されたリップシール部材19bは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の合成樹脂製である。リップシール部材19bは、円環平板状部材であり、内周縁部をフロントハウジング内側へ、より具体的にはクランク室17側へ湾曲させて、回転軸10の周側面に摺接させている。
回転軸10の周側面のリップシール部材19bと摺接する部位に、研磨目10aが形成されている。研磨目10aは、回転軸10の回転時に研磨目10aに流入した液体がフロントハウジング内側へ向けて、より具体的にはクランク室17へ向けて付勢される方向へ、差し向けられている。研磨目10aは、断続した複数の線状に、或いは連続した螺旋状に形成されている。
図1に示すように、図示しない外部駆動源の回転動力を回転軸10の先端部に伝達する電磁クラッチ20が、フロントハウジング18に取り付けられている。
吸入室21aと吐出室21bとを形成するシリンダヘッド21がシリンダブロック16に隣接して配設されている。
シリンダブロック16とシリンダヘッド21との間にボア16aに連通する吸入穴22aと吐出穴22bとが形成された弁板22が配設されている。弁板22に吸入弁と吐出弁とが装着されている。
フロントハウジング18、シリンダブロック16、弁板22、シリンダヘッド21は、ボルト23により一体に組み付けられている。フロントハウジング18とシリンダブロック16との接合部にガスケット24が介挿され、シリンダブロック16とシリンダヘッド21との接合部、より具体的には弁板22とシリンダブロック16、シリンダヘッド21との接合部には、ガスケット25、26が介挿され、該部をシールしている。ガスケット24〜26は、水素化ニトリルゴム(HNBR)若しくはニトリルゴム(NBR)を主原料とするゴム成形体である。
クランク室17内に、回転軸10の摺動部と圧縮機構の摺動部とを潤滑するための潤滑油が封入されている。
可変容量型斜板式圧縮機Aにおいては、図示しない外部駆動源の回転動力が電磁クラッチ20を介して回転軸10に伝達され、回転軸10の回転がローター11、リンク機構13を介して斜板12に伝達される。斜板12の回転に伴う斜板12周縁部の回転軸10延在方向の往復動が、シュー14を介してピストン15に伝達され、ピストン15がボア16a内で往復動する。外部冷凍回路から還流した冷媒ガスが、シリンダヘッド21に形成された吸入ポートと吸入室21aと吸入穴22aと吸入弁とを介してボア16aへ吸入され、ボア16a内で圧縮され、吐出穴22bと吐出弁と吐出室21bとシリンダヘッド21に形成された吐出ポートとを介して外部冷凍回路へ流出する。
軸封装置19とガスケット24〜26とにより、可変容量型斜板式圧縮機Aからの冷媒ガスと潤滑油の漏洩が防止され。
軸封装置19のリップシール19aは、回転軸10のフロントハウジング貫通部を介する冷媒ガスの漏洩を防止する。
軸封装置19のリップシール19bは、回転軸10のフロントハウジング貫通部を介する潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスの漏洩を防止する。
回転軸10の回転時に、回転軸10の周側面とリップシール19bとの摺接部に介在する潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスが研磨目10aに流入する。研磨目10aに流入した潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスは、ハウジング内側へ向けて、より具体的にはクランク室17へ向けて押し戻される。この結果、潤滑油や潤滑油に溶解した冷媒ガスの圧縮機からの漏洩が効果的に防止される。
金属製の回転軸10は、合成樹脂に比べて耐磨耗性が優れているので、回転軸10の周側面に形成された研磨目10aは長期に亙って維持される。この結果、リップシール19bのシール性能が長期に亙って維持される。
本発明は斜板式圧縮機のみならず、スクロール型圧縮機、ベーン式圧縮機等、回転軸によって駆動される圧縮機構を備える種々の開放型圧縮機に広く利用可能である。
本発明の実施例に係る可変容量型斜板式圧縮機の断面図である。 図1の部分拡大図である。
符号の説明
A 可変容量型斜板式圧縮機
10 回転軸
10a 研磨目
11 ローター
12 斜板
13 リンク機構
14 シュー
15 ピストン
18 フロントハウジング
19 軸封部材
19a、19b リップシール部材

Claims (3)

  1. 回転軸と、回転軸により駆動される圧縮機構と、回転軸と圧縮機構とを収容するハウジングと、回転軸のハウジング貫通部を密封する軸封装置とを備え、軸封装置は、小径側端部の内周縁を回転軸の周側面に摺接させた円錐台状の筒状のゴム製第1シール部材と、内周縁部をハウジング内側へ湾曲させて回転軸の周側面に摺接させた円環平板状の合成樹脂製第2シール部材とを有し、第2シール部材は第1シール部材よりもハウジング外側に配設され、回転軸周側面の第2シール部材と摺接する部位に研磨目が形成され、当該研磨目は、回転軸の回転時に研磨目に流入した液体がハウジング内側へ向けて付勢される方向へ、差し向けられていることを特徴とする圧縮機。
  2. 研磨目は断続した複数の線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 研磨目は連続した螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101818809A (zh) * 2010-04-27 2010-09-01 常州朗博汽车零部件有限公司 空调压缩机旋转轴双唇密封圈
US8052153B2 (en) 2006-03-08 2011-11-08 Eagle Industry Co., Ltd. Seal device

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