JP2009264073A - 引戸クローザーにおけるフック体 - Google Patents

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Abstract

【課題】引戸閉じ動作の後半部分を確実且つスムースに行えるようにすることに加え、その調整作業を不要とする。
【解決手段】キャッチ体3がフック体1に係合した状態で引戸開動作により引きバネ63を所定量延伸した時点でフック体1から外れて本体ボディ21側に固定され、引戸閉動作によりフック体1と再係合して本体ボディ21側から外れ、エアダンパ7の作用で緩衝されながら引きバネ63の弾性収縮力で引戸閉動作後半部分のうち完全閉止までの所定範囲を自動的に行う引戸クローザー2におけるフック体1であって、基端に戸枠の所定位置に取り付けるための取付基板1aを有するとともに、その先端側に所定の長さを有するアーム1bが所定の角度範囲で回動可能に且つ下側へ付勢されて軸着され、且つアーム1bの先端に全体がアーム1bに直交する方向へ延びるキャッチ体3への係合部1eを形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、引戸閉止機構が引戸上端側に付設されこれに係合されるフック体が戸枠側に設けられて、引戸閉じ動作のうち少なくとも最終部分をアシストまたは自動化する引戸クローザーのフック体の改良に関するものである。
従来、引戸を閉める際、閉める勢いが強すぎると引戸が戸枠に跳ね返り完全に閉まらないことがある。そのため、引戸閉じ動作の後半部分は勢いをつけずにゆっくり閉めるなどして対応するが、これでは余分な時間と力を要することになり、また、引戸が跳ね返って開いた部分を閉じる際には、引戸が再度跳ね返らないように閉じ動作の最終部分を強く押圧するなどの手間を要することを解消する引き戸クローザーが例えば特開平11−229705号公報に提示されている。
この引戸クローザは、引戸側に係合手段を有した引戸閉止機構を設けるとともに戸枠側には被係合手段(フック体)を設けて、引戸を閉じ方向に移動させることで被係合手段に係合した係合手段(キャッチ体)が、引戸閉止機構に内装した引きバネ等の付勢手段により相対移動されて引戸を自動的に戸枠に当接させるようにしたものである。
また、本出願人は、機能的に優れたキャッチ体とフック体とを備えた前記構成の引戸クローザを提案した(特願2006−344950号)、この引戸クローザは、図7乃至図9に示すように、引戸4の上端面に埋設される本体ボディ21から突出させたキャッチ体3は、上端部に係合バー31,32が並列してなるものであり、係合バー31,32の間でフック体1の角柱状の係合部1eを保持して係合するようになっており、キャッチ体3がフック体1と係合した状態で、引戸開動作で摺動ブロック61が先端側に向かって摺動することにより、引きバネ63が延伸されるとともに摺動端側でキャッチャ体3が転動してスリット22先端側の陥凹部23に一方の係合バー32が落ち込み、フック体1から外れるようになっている。
そして、前記フック体1は図10(A)に示すように、内装したネジ1fを回動させることでスライド板1gが上下にスライドするようになっており、このスライド板1g下面からロッド1hが延設されてフック体1を上下に動作させるようになっている。従って、図10(B)に示すように、下面側に露出したネジ1fの頭を下方からドライバなどで回すことで、フック体1の下方向への突出量を調整することができ、引戸4側のキャッチ体3と戸枠5側のフック体1との高さ位置調整が行える。
しかしながら、前記従来のフック体は調整機構がネジを用いるなど構成が複雑であるばかりか設置時や長期の使用後に調整が必要であるという問題がある。
特開平11−229705号公報 特願2006−344950号
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、引戸クローザーについて、引戸閉じ動作の後半部分を確実且つスムースに行えるようにすることに加え、その調整作業を不要とすることを課題とする。
そこで、本発明は、引きバネを備えて引戸上端側に付設され、該引戸上端側を水平方向に案内する戸枠の所定位置から下向きに突設したフック体に下側から係合するキャッチ体が前記引戸の長手方向所定範囲で往復摺動可能に突設され、前記キャッチ体を前記引きバネで摺動させて前記引戸を閉方向に付勢するものであって、前記キャッチ体が前記フック体に係合した状態で引戸開動作により前記引きバネを所定量延伸した時点で前記フック体から外れて本体ボディ側に固定され、引戸閉動作により前記フック体と再係合して前記本体ボディ側から外れ、前記エアダンパの作用で緩衝されながら前記引きバネの弾性収縮力で前記引戸閉動作後半部分のうち完全閉止までの所定範囲を自動的に行う引戸クローザーにおけるフック体であって、基端に前記戸枠の所定位置に取り付けるための取付基板を有するとともに、その先端側に所定の長さを有するアームが所定の角度範囲で回動可能に且つ下側へ付勢されて軸着され、且つ前記アームの先端に全体が前記アームに直交する方向へ延びる前記キャッチ体への係合部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明において、前記キャッチ体への係合部の外形が円柱形であると係合ならびに離脱が円滑に行われる。
本発明によれば、引戸閉じ動作の後半部分をスムース且つ確実に行えることに加え、特に、調整作業の不要化を実現できる。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本実施の形態であるフック体1、図2は前記本実施の形態を使用した引戸クローザー2の縦断面図、図3は前記引戸クローザー2の取り付け状態、図4は前記引戸クローザー2の分解斜視図を示すものであり、互いに対向して配置される一対のフック体1を係合するキャッチ体3を有する引戸クローザー2は、その厚さ(図中奥行き方向)が付設する引戸4の厚さよりも薄く、本体ボディ21の上面が引戸上端面に面一になるように引戸4内に埋め込まれて使用されるものであり、係合手段である一対のキャッチ体3が引戸上端面から上方向に突出して設けられ、被係合手段である本発明のフック体1が戸枠5の引戸案内部分の所定位置から下方向に突出するように設けられる。
引戸クローザー2の本体ボディ21は、図3に示すように、例えば所定形状に切断したステンレスなどの鋼板を屈曲して形成し、或いは硬質の合成樹脂により成型されたなる箸箱状のものであり、収装体21aとその上側開口部に被せて蓋をする蓋体21bとからなる。そして、蓋体21b上面の略中央位置から先端(図中右)側に亘ってスリット22が開口しており、この開口部分でキャッチ体3を外側に露出させ、スリット22の長手方向に摺動させるようになっている。
各フック体1は、図1に示すように、基端に戸枠5の所定位置に取り付けるための取付基板1aを有するとともに、その先端側に所定の長さを有するアーム1bが軸1cと挟みばね1dにより所定の角度範囲で回動可能に且つ下側へ付勢されて軸着され、且つ前記アーム1bの先端に全体が前記アーム1bに直交する方向へ延びる前記キャッチ体3への円柱形の係合部1eが形成されている。
そして、フック体1にキャッチ体3が係合した状態で摺動させて引戸4の閉動作を行う引戸閉止機構は、収装体21a内で内壁に略密着する厚さを有し収装体21aの長手方向に摺動する略方形の摺動ブロック61備えており、この摺動ブロック61はその基端(図中左)側面から突設した繋留リング61aとバネ固定部材62側の繋留ピン62aとの間に架設された引きバネ63の弾性収縮力により動作するようになっている。
また、摺動ブロック61の基端側面から延設された円柱状のピストンロッド71及びその先端側で環状のシール部材72を設けたピストンヘッド73からなるピストン74と、基端側を栓体75で閉鎖されこのピストン74を挿入するシリンダ75と、からなるエアダンパ7を備えており、手動及び引きバネ63による引戸閉動作を緩衝するようになっている。
そして、摺動ブロック61には上方からキャッチャー3が挿設されるが、このキャッチャー3は台形状を有しており、摺動ブロック61の先端側面及び上面から所定幅・所定深さで設けた揺動溝64中でピン65により貫通・軸支され上部側を摺動方向に沿う面で揺動可能とされており、その上端部に設けられたキャッチ体3を蓋体21b上面側に露出して、摺動ブロック61とともにスリット22の長手方向に沿って摺動するようになっている。
このキャッチ体3は、上端部でその厚さ方向(本体ボディ21の厚さ方向に一致)両側にスリット22の幅を超えて突出する係合バー31,32が並列してなるものであり、係合バー31,32の間で各フック体1の円柱状の係合部1e,1eを保持して係合する。
そして、キャッチ体3がフック体1と係合した状態で、引戸開動作で摺動ブロック61が先端側に向かって摺動することにより、引きバネ63が延伸されるとともに摺動端側でキャッチ体3が転動してスリット22の先端側の陥凹部23に係合バー31,32が落ち込み、フック体1から外れる。
引戸閉動作に入ると、従来のものと同様に、引戸4の上端面から突出したままのもう一方の係合バー32に、フック体1が衝突することによりキャッチャー3が起立して、再度係合する。
即ち、エアダンパ7は、引きバネ63の下側に縦方向に並列して設けられており、引戸閉止機構の厚さを最小限に抑えたものとなっている。これにより、引戸クローザー2本体ボディ21の厚さを抑えて引戸4の上端側内部に埋め込むことを容易にし、従来の引戸クローザーの戸閉止機構が引戸上端面から上方向に突設され、戸枠内部にこれを収納する比較的大きなスペースを要して汎用性に欠けていたのに対し、使用する戸枠を選んだり改造したりする必要性がなく汎用性の高いものとなっており、且つ、引戸の取り外し・装着作業を簡易な手順で実施可能として、各種調整作業の容易化を実現している。
次に、図5を参照しながら本実施の形態の動作を説明する。
図5(A)に示す引戸4の完全閉止状態では、摺動ブロック61は本体ボディ21中央部に位置した状態であり、このときキャッチ体3はフック体1と係合しており、引きバネ63はバネ張力が低い状態となっている。
引戸4を手で引いて引戸開動作を行うと、キャッチャ体3はフック体1に係合している状態であるため、摺動ブロック61が本体ボディ21内で相対的に先端側に移動させられることになり、引きバネ63は伸張されてバネ張力によるエネルギーを蓄える。
そして、図5(B)に示すように、キャッチャ体3が本体ボディ21の最先端側に移動すると、その係合バー32がフック体1に押されてキャッチャ体3を右回りに転動させて転倒させる。すると、蓋体21bのスリット22先端側に設けた陥凹部23に係合バー32が落ち込み、キャッチャ体3及び摺動ブロック61がこの位置で本体ボディ21側に固定されるとともに、フック体1との係合状態が解除されて引戸4がフリーとなる。
次に、引戸4の閉動作に入り、引戸4側端面が戸枠5側面に接近すると、今度はキャッチ体3の係合バー31がフック体1に衝突し、キャッチャ体3を左回りに転動させて起立させ、係合バー32が陥凹部23から外れてキャッチ体3がフック体1に再係合するとともに、摺動ブロック61は本体ボディ21側との固定状態が解除される。すると、図5(C)に示すように引きバネ63の弾性収縮力で摺動ブロック61は本体ボディ21内で基端側に移動し、引戸4は相対的にその反対方向に移動して、引戸閉動作の最終部分が自動的に行われる。
このとき、引きバネ63の作用及び手動による引戸4の閉方向の勢いは、引きバネ63に並列して設けられたエアダンパ7で緩衝されて、引戸4が戸枠5に強く衝突することが回避されるものである。
特に、本実施の形態においては、フック体1は、基端に戸枠5の所定位置に取り付けるための取付基板1aを有するとともに、その先端側に所定の長さを有するアーム1bが軸1cと挟みばね1dにより所定の角度範囲で回動可能に且つ下側へ付勢されて軸着され、且つ前記アーム1bの先端に全体が前記アーム1bに直交する方向へ延びる前記キャッチ体3への円柱形の係合部1eが形成されている構成であり、前記所定の角度範囲が、取付基板1aを戸枠5の所定位置に取り付けたときに、前記挟みばね1dにより少なくとも先端の係合部1eが引戸4に取り付けられたキャッチャ体3に押圧状態で係合バー31,32に係合するような付勢力を発揮させることが可能な角度範囲に予め設定してある。
従って、施工者はフック体1を戸枠5の所定の位置に取り付けるだけでキャッチ体3との高さ位置を調整することを要しないので従来の高さ位置を調整しながら取り付けるフック体の場合に比べて取付作業がきわめて簡単である。
また、フック体1は取付後は引戸4の閉じ位置では常時キャッチャ体3に係止可能に付勢されていることから、取付後に通常の許容範囲で引戸4が下がったりしても高さ調整の必要性がなく、きわめて便利である。
尚、本実施の形態では、アーム1bにおける係合部1eの突設位置を対称にした一対の係合フック1,1を用いたことによりきわめて安定した状態でキャッチャ体3に係合することができるという利点を有しているが、何れか一方だけを用いてもよいことはいうまでもない。
また、図6は本発明の異なる実施の形態を示すものであり、各構成は前記図1に示したものと同様であるが、前記の一対のフック体1,1の取付基板1aが直交する連結板により一体的に形成されている。従って、取付基板1aを戸枠に取り付けるだけで一対のフック体1,1が所定の間隔で配置されることになり、更に取付けが容易である。
本発明の好ましい実施の形態を示すものであり、(A)は側面図、(B)は平面図。 図1の実施の形態であるフック体を有する引戸クローザーの取り付け状態を示す正面図。 図1の実施の形態であるフック体を有する引戸クローザーを示す拡大断面図。 図1の実施の形態であるフック体を有する引戸クローザーの分解斜視図。 (A),(B),(C)は、図1の実施の形態であるフック体を有する引戸クローザーの動作を説明するための縦断面図。 本発明の異なる実施の形態を示す平面図。 従来例を示す引戸クローザーを示す拡大断面図。 従来例を示す引戸クローザーを示す分斜視図。 従来例を示す引戸クローザーの動作を説明するための縦断面図。 従来例のフック体の調整方法を説明するための拡大した断面部分図。
符号の説明
1 係止フック、2 引戸クローザー、3 キャッチ体、4 引戸 5 戸枠、21 本体ボディ、21a 収装体、21b 蓋体、23 陥凹部、22 スリット、31 係合バー、32 係合バー、61 摺動ブロック、63 引きバネ

Claims (2)

  1. 引きバネを備えて引戸上端側に付設され、該引戸上端側を水平方向に案内する戸枠の所定位置から下向きに突設したフック体に下側から係合するキャッチ体が前記引戸の長手方向所定範囲で往復摺動可能に突設され、前記キャッチ体を前記引きバネで摺動させて前記引戸を閉方向に付勢するものであって、前記キャッチ体が前記フック体に係合した状態で引戸開動作により前記引きバネを所定量延伸した時点で前記フック体から外れて本体ボディ側に固定され、引戸閉動作により前記フック体と再係合して前記本体ボディ側から外れ、前記エアダンパの作用で緩衝されながら前記引きバネの弾性収縮力で前記引戸閉動作後半部分のうち完全閉止までの所定範囲を自動的に行う引戸クローザーにおけるフック体であって、基端に前記戸枠の所定位置に取り付けるための取付基板を有するとともに、その先端側に所定の長さを有するアームが所定の角度範囲で回動可能に且つ下側へ付勢されて軸着され、且つ前記アームの先端に全体が前記アームに直交する方向へ延びる前記キャッチ体への係合部が形成されていることを特徴とする引戸クローザーにおけるフック体。
  2. 前記キャッチ体への係合部の外形が円柱形であることを特徴とする請求項1記載の引戸クローザーにおけるフック体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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