JP2009263343A - 血清中尿酸値の低減剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、血清中尿酸値の低減効果が顕著であり、かつ安全性に優れ日常生活での高尿酸血症の治療・予防策として有用な有効成分を提供することにある。
【解決手段】フロログルシノール、その重合体ならびにタマリンド抽出物から選ばれる1種以上を有効成分として含有する血清中尿酸値低減剤、さらにアンセリンを有効成分として含有する前記血清中尿酸値低減剤、および、前記血清中尿酸値低減剤を含むことを特徴とする飲食品。
【選択図】なし

Description

本発明は、血清中尿酸値の低減剤に関し、詳しくは、血清中尿酸値の低減効果が顕著であり、かつ安全性に優れ日常生活での高尿酸血症の治療・予防策として有用な血清中尿酸値低減剤に関する。
体内の尿酸蓄積は、肝臓においてプリン体が生合成し尿酸に代謝されるものと、核酸、たん白質、果糖、アルコール摂取による食事性プリン体から代謝されるものがある。尿酸が多量に蓄積した状態を高尿酸血症といい、高尿酸血症の状態が長期間続くと痛風等の合併症が発症する。
高尿酸血症の治療薬としては、ベンズブロマロン、ブロベネシド(尿酸排泄促進剤)やクエン酸カリウム(アルカリ化薬)、アロプリノール(尿酸への代謝阻害剤)等が使用されている。これらは、効果が一過性であること、医薬品なので日常生活で境界領域高尿酸血症の人が予防策として利用できるものではなかった。
今日、栄養素の過剰摂取と偏重による高尿酸血症の増加及び若年化が進み、痛風予備群である軽度及び境界領域高尿酸血症に対し、日常生活でできる安全で効果の高い予防策が求められている。
特許文献1(特開2006−273762号公報)には、ザクロ抽出物などのエラグ酸を有効成分とする尿酸排泄促進剤が記載されている。特許文献2(特開2006−206474号公報)には、アルギン酸又はその誘導体を有効成分とするヌクレアーゼ阻害剤が記載されている。特許文献3(特許第3768795号公報)には、ベンケイソウ科に属するイワベンケイ及び/又は紅景天を含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤、高尿酸血症改善剤が記載されている。
特開2006−273762号公報 特開2006−206474号公報 特許第3768795号公報
上述したザクロ他の植物抽出物は尿酸生成酵素XOD(キサンチンオキシダーゼ)を阻害するが、その阻害効果は充分でなかった。したがって本発明の目的は、血清中尿酸値の低減効果が顕著であり、かつ安全性に優れ日常生活での高尿酸血症の治療・予防策として有用な有効成分を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、アスコフィラム抽出物に含まれるフロログルシノールおよびその重合体、ならびにタマリンド抽出物に血清中尿酸値の低減効果があることを見出して、本発明に至った。
本発明は以下の〔1〕〜〔5〕を提供するものである。
〔1〕 フロログルシノールおよびその重合体、ならびにタマリンド抽出物からなる群より選ばれる1種以上を有効成分として含有する血清中尿酸値低減剤。
〔2〕 前記フロログルシノールおよびその重合体は、アスコフィラム抽出物である〔1〕に記載の血清中尿酸値低減剤。
〔3〕 さらにアンセリンを有効成分として含有する〔1〕または〔2〕に記載の血清中尿酸値低減剤。
〔4〕 前記タマリンド抽出物がエピカテキン及びその縮重合体からなる群より選ばれる1種以上を含有する〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の血清中尿酸値低減剤。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の血清中尿酸値低減剤を含むことを特徴とする飲食品。
本発明によれば、血清中尿酸値の低減効果が顕著であり、かつ安全性に優れ日常生活での高尿酸血症やその合併症である痛風等の治療・予防策として有用な血清中尿酸値低減剤が提供される。本発明の血清中尿酸値低減剤は、各種医薬品、食品等として有用であり、特に健康食品としての利用が期待される。
図1は、各種ポリフェノールのキサンチンオキシダーゼ(XOD)活性阻害評価の結果を示すグラフである。 図2は、実施例2の試験のサンプル等投与期間を示す図である。
本発明の血清中尿酸値低減剤の有効成分は、フロログルシノールおよびその重合体、ならびにタマリンド抽出物からなる群より選ばれる1種以上の成分である。なお、前記の有効成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フロログルシノール(1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、またはベンゼン−1,3,5−トリオール)とは、下記の構造式(I−1)で表される化合物でありポリフェノールの一種である。本発明においてフロログルシノールは、金属等との薬理学的に許容可能な塩や水和物などの形態を取るものであってもよい。
Figure 2009263343
フロログルシノールの重合体とは、上記フロログルシノールが2以上脱水縮合してなるポリフェノールの一種である。例えば下記構造式(I−2)で表される重合体のように、通常はフロログルシノールが数十個〜百個程度結合したもので、重合度は特に問わずフロログルシノールを1単位として2単位以上からなるものであればよい。
Figure 2009263343
フロログルシノールの重合体の分子量について特に限定はないが、数平均分子量が10000前後のもの(通常は150000以下、好ましくは1000〜30000)が好ましい。数平均分子量が10000程度のものは、フロログルシノール数10〜100個程度の重合体に相当する。尚、本発明において数平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定されるものを意味する。測定には、スチレン系充填剤を用いたカラムを使用し、移動相にはテトラヒドロフラン(THF)を使用する。内部標準には、ベンゼン(分子量78)及びポリスチレン(分子量4000、25000、50000及び170000)を使用する(0.6mg/3mL THF)。
フロログルシノール及びその重合体は、合成して用いることもできるが、これらの分子を含む生物やその抽出物を用いることができる。かかる生物としては藻類を挙げることができ、褐藻類、紅藻類等に含まれる。特にアスコフィラム属の藻類が好ましい。アスコフィラム属の藻類の代表的なものにアスコフィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)がある。
アスコフィラム・ノドサムは、北欧、カナダで自生しているヒバマタ科(Fucaceae)の渇藻類の一種である。フランスでは法律で食品として許可されている。フランス、アイスランド、北欧他で食習慣がある。乾燥させお茶として飲まれる一方で、工業的には食品添加物(安定剤)であるアルギン酸の原料として、また肥料・飼料として使われている。
本発明においては、フロログルシノール及びその重合体としてアスコフィラム抽出物(アスコフィラム海藻抽出物)を用いることが好ましい。アスコフィラム抽出物とは、アスコフィラム属に属する生物(海藻)の植物体を抽出して得られるものを意味する。
アスコフィラム抽出物のポリフェノール含有量(フロログルシノール相当量)は特に問わないが、高いほうが使用量を少なくしても高い効果を得ることができるので、75質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、75〜90質量%の範囲である。
アスコフィラム抽出物の抽出方法は特に問わないが、水、熱水、またはアルコール、またはこれらの混合液等の溶媒を用いて抽出することができる。抽出後は、必要に応じて透析、各種カラムを用いた精製、凍結乾燥等を行うものであってもよい。
アスコフィラム抽出物は市販品を用いることもでき、例えば海藻ポリフェノール(理研ビタミン)を挙げることができる。
本発明においてタマリンド抽出物は、タマリンド属植物の植物体(例えば種子、特に種皮部分)を抽出して得られるものを意味する。タマリンド属植物としては、タマリンド(Tamarindus indica L.)が挙げられる。タマリンド(Tamarindus indica L.)は、アフリカ原産の常緑高木植物でアジア、アフリカ等の熱帯地方に自生し、インド、タイで栽培されている。インドではカレー、ソースの風味付けなどに利用され、日本では、種子の胚乳部分に含まれる多糖類がタマリンドシードガムとして増粘剤用途に食品類に利用される。タマリンド属植物の植物体の抽出部位としては、例えば種子、特に好ましくは種皮部分を挙げることができる。
タマリンド抽出物の抽出方法は特に問わないが、タマリンドの種皮を材料とする場合には水、熱水、またはアルコール、またはこれらの混合液等の溶媒を用いて抽出することができる。抽出条件は用いる溶媒により適宜定めることができる。抽出後は必要に応じて透析、各種カラムを用いた精製、凍結乾燥等を行うものであってもよい。
タマリンド抽出物は市販品を用いることもでき、例えばインディアンデーツエキス(丸善製薬)を挙げることができる。
タマリンド抽出物はポリフェノールを豊富に含み(通常35質量%以上)、通常はそのうち5質量%以上(10質量%以上の場合もある)をエピカテキンやその縮重合体が占める。
タマリンド抽出物のポリフェノール含有量(エピカテキン相当量)は特に問わないが、高いほうが使用量を少なくしても高い効果を得ることができるので、35質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、35〜60質量%の範囲である。
エピカテキン縮重合体は、エピカテキン(l−epicatechin)が2個以上縮合してなる重合体を意味する。エピカテキン縮重合体の構造式は、下記式(II)に示すとおりである。式中のnは0以上の整数を示す。
Figure 2009263343
タマリンド抽出物中におけるエピカテキン縮重合体の重合度(すなわち、式(II)中のnの数)は、一般に2〜100の範囲であり、特に2〜10の範囲のものが多い。また、エピカテキン縮重合体の数平均分子量は通常は300〜30000であり、1000〜10000のものが多い。したがって、ポリフェノールのうちのエピカテキンやその縮重合体、特に上記重合度、数平均分子量の範囲のエピカテキン縮重合体は、血清中尿酸値の低減に深くかかわっている可能性がある。
本発明の血清中尿酸値低減剤は、上述したフロログルシノールおよびその重合体、ならびにタマリンド抽出物から選ばれる1種以上を有効成分とするが、さらにアンセリンを有効成分とすることができる。アンセリンと併用することにより、血清尿酸値をいっそう低下させることができる。
アンセリンはL−ヒスチジンとβ−アラニンが結合したジペプチドであり、その構造式は下記式(III)の通りである。アンセリンは回遊魚や鶏の筋肉中や脳に多く含まれており、プリン代謝におけるプリン体から核酸を再合成するサルベージ経路の律速酵素であるヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)の遺伝子発現量を増加させることが報告されている(2006年、第60回、日本栄養・食糧学会)。その他の機能として抗酸化、疲労回復などの報告がある。
Figure 2009263343
本発明の血清中尿酸値低減剤は、血清中の尿酸値低減作用を有する。血清中の尿酸値低減作用とは、血清中の尿酸値(尿酸の濃度)が高尿酸血症等で高い場合に正常値まで低下させること、又は尿酸値が正常値の場合には正常値をそのまま維持することを意味する。血清中の尿酸値低減作用の確認は、後述の実施例1のように、Chem.Pharm.Bull,38(5),(1990)1224−1229に従い測定したキサンチンオキシダーゼ阻害率を測定して行うことができる。また、後述の実施例2のように実験動物に実際に高尿酸誘導成分とサンプルを投与して確認することもできる。
本発明の高尿酸低減剤(即ち、血清中尿酸値低減剤。)の用途は、高尿酸血症の予防または改善のための使用に限らず、任意の場面で使用される。
本発明の血清中尿酸値低減剤において、有効成分がフロログルシノールまたはその重合体の場合の配合割合は、血清中の尿酸値が充分低減する量となるよう適宜調整することができる。ヒトへの投与の場合、フロログルシノール及びその重合体の摂取量は、通常は一日につき1〜1000mg、好ましくは5〜600mgである。さらに、本発明の血清中尿酸値低減剤が含むフロログルシノール及びその重合体の濃度は、通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上であり、通常100質量%以下、好ましくは99.9質量%以下である。
また、フロログルシノールまたはその重合体としてアスコフィラム海藻抽出物を用いる場合にも、フロログルシノール及びその重合体に換算してその配合割合が上述の範囲となるよう調整することが好ましい。例えばポリフェノール含有量(フロログルシノール相当量)が75〜90質量%のアスコフィラム抽出物の場合、通常はアスコフィラム抽出物としてのヒト摂取量は、1日につき一般に1mg以上、好ましくは10mg以上の範囲である。
また、本発明の血清中尿酸値低減剤において、有効成分がタマリンド抽出物であって、そのタマリンド抽出物のポリフェノール含有量(エピカテキン相当量)が例えば35〜60質量%である場合には、タマリンド抽出物としてのヒト摂取量は、1日につき一般に1mg以上、好ましくは10mg以上の範囲である。さらに、タマリンド抽出物のポリフェノール含有量(エピカテキン相当量)が例えば35〜60質量%である場合、本発明の血清中尿酸値低減剤が含むタマリンド抽出物の濃度は、通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上であり、通常100質量%以下、好ましくは99.9質量%以下である。
また、本発明の血清中尿酸値低減剤が含むエピカテキン及びその縮重合体の濃度は、通常0.00035質量%以上、好ましくは0.0035質量%以上であり、通常60質量%以下、好ましくは59.9質量%以下である。
さらに、これらの成分と同時に摂取するアンセリンのヒト摂取量は、1日につき一般に1mg以上、好ましくは10mg以上である。また、本発明の血清中尿酸値低減剤が含むアンセリンの濃度は、通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上であり、通常99.999質量%以下、好ましくは99.9質量%以下である。
本発明の血清中尿酸値低減剤の投与形態は、経口投与(口腔内投与、舌下投与など)、非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、経鼻投与、経肺投与など)など特に限定されないが、経口投与が好ましい。また、剤形も特に限定されず、経口投与の場合には、錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤、タブレット、ソフトカプセル、飲料、スープ、クッキー、ガム、ドリンクその他の食品形態など各種の形態を取ることができる。
本発明の血清中尿酸値低減剤は、血清中の尿酸値を顕著に低減させることができるので、飲食品、医薬品、医薬部外品等として高尿酸血症やその合併症である痛風等の予防、改善のために利用することができる。特に、健康食品などの機能性食品として有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例においては、フロログルシノール二水和物(和光純薬工業、純度98%)、アスコフィラム抽出物として海藻ポリフェノール(理研ビタミン、ポリフェノール含有量85.2質量%(フロログルシノール相当量)、数平均分子量10000)を、タマリンド抽出物としてインディアンデーツエキス(丸善製薬、エピカテキンの縮重合体を主とし、ポリフェノール含有量36.2質量%)を、アンセリンとしてマリンアクティブ(アンセリン含有率10質量%)を用いた。
実施例1 キサンチンオキシダーゼ(XOD)活性阻害評価
1−1)方法
アスコフィラム抽出物、タマリンド抽出物のほか各種ポリフェノールを含む抽出物について、ポリフェノール含有量3ppm濃度でのXOD阻害活性を測定した。
〔キサンチンオキシダーゼ(XOD)阻害活性の試験方法〕
XOD阻害活性は、Chem.Pharm.Bull,38(5),(1990)1224−1229に従い測定した。試験管に720μLの100mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.5)、352μLの蒸留水、48μLのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した試料溶液を混合後、80μLの100mmol/Lリン酸緩衝液に溶解したキサンチンオキシダーゼ(和光純薬工業、0.04U/mL)を加えて37℃、10分間プレインキュベートした。次に1200μLの0.1mmol/Lキサンチン(和光純薬工業)水溶液を基質として加え、37℃、30分間反応させた。200μLの1mol/L塩酸を加え反応を停止させ、生成した尿酸を295nm吸光度により測定した。
キサンチンオキシダーゼの阻害活性は、コントロールとしてDMSOをサンプルの代わりに添加した場合の尿酸量を100%として、サンプル添加による尿酸量の割合を示す。
1−2)結果
アスコフィラム抽出物、タマリンド抽出物にて非常に高い阻害率を確認した(図1)。
また、アスコフィラム抽出物(フロログルシノールとその重合体であるフロロタンニン)、タマリンド抽出物(エピカテキン縮重合体)で、他のポリフェノール類よりも非常に高い阻害率を示した。一方、既にXOD阻害活性が知られているエラグ酸は抽出材料に関わらず阻害率はアスコフィラム抽出物の1/3以下で、劣るものであった。その他、キサンチン(基質)と構造が類似していることで効果を期待していたテオブロミン(カカオ抽出物)他、その他ポリフェノール類では高い阻害活性を確認できなかった。
一方、キサンチンオキシダーゼに対するアスコフィラム抽出物及びタマリンド抽出物のIC50は以下の表1に示す通りであった。IC50とは酵素活性を50%阻害する濃度を表すものとした。
Figure 2009263343
実施例2 高尿酸誘導ラットを用いた有効性試験
2−1)試験方法
Wistar系6週齢雄ラット(6匹/群)を用いて、有効性を評価した。無処置群、高尿酸誘導成分であるイノシン酸1.0g/Kgとオキソニン酸1.0g/Kgを投与するコントロール群、高尿酸誘導成分と有効性評価試料を投与する実施例2−(1)〜2−(5)群、比較例−(1)〜(2)群を実施した。
有効性評価試料として、フロログルシノール二水和物、アスコフィラム抽出物、タマリンド抽出物、アスコフィラム抽出物とアンセリン混合、タマリンド抽出物とアンセリン混合、ザクロ抽出物、アンセリンを用いた。
図2に示すように、7日間の予備飼育後に群分けし、4日間試験を行った。表2に示す有効性サンプル、即ち、フロログルシノール二水和物、アスコフィラム抽出物、タマリンド抽出物、アンセリン、及びザクロ抽出物は4日間、1日1回ゾンデにより経口投与した。これとは別に、表2に示す高尿酸誘導成分を表2に示すように粉末飼料(CE−2、日本クレア)に混ぜ、投与した。
2−2)尿酸値低減に対する有効性評価結果
試験群と結果を表2に示す。
Figure 2009263343
高尿酸血症の誘導により、無処置群の尿酸値1.0mg/dLと比べ、コントロール群(イノシン酸1.0g/Kg+オキソニン酸1.0g/Kg投与)では高い尿酸値、4.5mg/dLを得た。
これに対しアスコフィラム抽出物、タマリンド抽出物、フロログルシノールを投与した実施例2−(1)〜実施例2−(5)ではコントロール群と比較し有意に尿酸値が低減された。特に、比較例−(2)に示すようにアンセリン単独では血清尿酸値低減効果は弱いにもかかわらず、実施例2−(3)、2−(4)の結果に示すように、上記抽出物とアンセリンとの組合せにより、血清尿酸値はさらに低下が見られた。一方、ザクロ抽出物を投与した比較例−(1)においては、血清尿酸値は充分な改善が見られなかった。
参考例1:ポリフェノールの定量方法
アスコフィラム抽出物と、タマリンド抽出物に含まれるポリフェノールの定量を行った。標準物質として、フロログルシノール二水和物(関東化学)、(+)−カテキン(SIGMA)をそれぞれ用いてFolin Denis法により分析した。分析条件などは参考文献(日本食品科学工学会誌、No.49,507−511,2002)に従った。その結果、実施例の冒頭に示したとおり、アスコフィラム抽出物のポリフェノール含有量は75質量%以上、タマリンド抽出物のポリフェノール含有量は35質量%以上であることが明らかとなった。
実施例3 組成例
実施例中で使用した発明品1〜10は次のとおりである。尚、下記の発明品においては、アスコフィラム抽出物に代えてタマリンド抽出物を使用することもできる。
発明品1
アスコフィラム抽出物100mg、乳糖60mg、結晶セルロース80mg、カルボキシメチルセルロース−Ca5mg、ショ糖脂肪酸エステル5mgを定法どおり打錠したタブレットにシェラックを用いて皮膜をコーティングした。
発明品2
アスコフィラム抽出物50mg、マリンアクティブ(アンセリン含有率10質量%)50mg、乳糖60mg、結晶セルロース80mg、カルボキシメチルセルロース−Ca5mg、ショ糖脂肪酸エステル5mgを定法どおり打錠したタブレットにシェラックを用いて皮膜をコーティングした。
発明品3
アスコフィラム抽出物20mgに対し、コーヒー飲料150gの比率となるよう混合し、飲料とした。
発明品4
以下の原料を用いて、常法によりカレー風味のスープを製造した。
アスコフィラム抽出物20mg、バター30g、小麦粉15g、たまねぎ30g、豚肉50g、カレー粉3g、塩1.5g、水200mLの比率とする。
発明品5
以下の原料を用いて、常法によりクッキーを製造した。
アスコフィラム抽出物20mg、無塩バター100g、砂糖60g、塩0.3g、卵黄2個、小麦粉120gの比率とする。
発明品6
以下の原料を用いて、常法によりガムを製造した。
ガムベース32.8質量%*)、アスコフィラム抽出物2質量%、トリポリ燐酸ナトリウム1質量%、キシリトール30.1質量%、マルチトール30質量%、アスパルテーム0.1質量%、香料4質量%**)の比率とする。
*)ガムベース:天然樹脂25質量%、酢酸ビニル(重合度200)20質量%、ポリイソブチレン10質量%、エステルガム10質量%、ワックス20質量%、脂肪酸グリセリンエステル5質量%、炭酸カルシウム10質量%
**)香料:天然香料として、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油等が挙げられる。更に単品香料として、メントール、アネトール、シネオール、オイゲノール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルアンスラニレート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール等が挙げられる。単品香料及び/又は天然香料も含む調合香料として、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー等が挙げられる。
発明品7
以下の原料を用いて、常法によりタブレットを製造した。
造粒品*)108mg、アスコフィラム抽出物20mg、ソルビトール110mg、部分α化でんぷん15mg、リン酸マグネシウム75mg、ステアリン酸カルシウム3mg、メントール粒子40mg、アスパルテーム5mgの比率とする。
*)ローズマリーエキス450g、グァバ葉エキス300g、サンショウエキス15g、エリスリトール1935g、コーンスターチ300gにヒドロキシプロピルセルロース6質量%水溶液4000gを加えて造粒物を製造し、平均粒径290μmの造粒品を得た。
発明品8
以下の原料を用いて、常法によりソフトカプセルを製造した。
アスコフィラム抽出物20mg、植物油脂110mg、グリセリン脂肪酸エステル10mg、蜜蝋10mg以上の比率で混合したものを内容物として、豚ゼラチンを用いてソフトカプセルを製造した。
発明品9
以下の原料を用いて、常法によりドリンクを製造した。
アスコフィラム抽出物20mg、L-アスコルビン酸800mg、アスパルテーム10mg、クエン酸50mg、白桃果汁3000mg、香料*)、精製水 バランス、全量50mL
*)は発明品6より準用できる。
発明品10
以下の原料を用いて、常用によりタブレットを製造した。
アスコフィラム抽出物3mg、ソルビトール100mg、微粒二酸化ケイ素1mg、アスパルテーム4mg、ステアリン酸カルシウム0.5mg、香料*)15mg
*)は発明品6より準用できる。

Claims (5)

  1. フロログルシノールおよびその重合体、ならびにタマリンド抽出物からなる群より選ばれる1種以上を有効成分として含有する血清中尿酸値低減剤。
  2. 前記フロログルシノールおよびその重合体は、アスコフィラム抽出物である請求項1に記載の血清中尿酸値低減剤。
  3. さらにアンセリンを有効成分として含有する請求項1または2に記載の血清中尿酸値低減剤。
  4. 前記タマリンド抽出物がエピカテキン及びその縮重合体からなる群より選ばれる1種以上を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の血清中尿酸値低減剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の血清中尿酸値低減剤を含むことを特徴とする飲食品。
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