JP2007297288A - Hprt産生促進組成物、及び該組成物を含有するキサンチン尿症の予防及び/又は改善剤 - Google Patents

Hprt産生促進組成物、及び該組成物を含有するキサンチン尿症の予防及び/又は改善剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 プリン体代謝のサルベージ回路を促進する技術を提供し、キサンチン尿症等の病態の予防及び/又は改善のための組成物を提供する。
【解決手段】 イミダゾールジペプチド類を有効成分として含有させることにより、生体内のHPRT産生の亢進を促す効果を有するHPRT産生促進組成物を得る。このHPRT産生促進組成物においては、前記イミダゾールジペプチド類が、アンセリン、カルノシン、バレニン及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種以上であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、イミダゾールジペプチド類を利用したHPRT産生促進組成物、及びHPRT産生促進組成物を含有するキサンチン尿症の予防及び/又は改善剤に関する。
生体内には、核酸を構成しているアデニン、グアニン等、共通の基本構造としてプリン環骨格を有するプリン体と呼ばれる化合物が多種類存在している。これらは、それぞれに異なった作用を有しており、遺伝情報伝達、エネルギーの貯蔵、細胞機能の調節、細胞内の情報伝達など様々な役割を果たしている。
ヒトにおけるプリン体の代謝・排泄経路の入り口となる物質はイノシン酸であり、イノシン酸から、イノシン、ヒポキサンチン、キサンチンへと変換され、その最終代謝産物は尿酸である。尿酸は、腎臓での糸球体濾過を介して血液中から尿へと排泄される。
痛風は、プリン体の代謝異常により血液中の尿酸値が上昇し、関節内、関節周囲に尿酸塩の結晶が沈着することにより、痛風結節、関節機能障害、関節の変形等が生じる疾病であり、近年の高カロリー、高タンパク、高脂肪の食生活のシフトにより、発祥例が増加しつつある。
痛風の薬物療法には、アロプリノール、ベンズブロマロン、ブロベネシド、ブコロム、シンコファン、及びコルヒチン等の医薬品が用いられている。
また、上記の医薬品以外にも、例えば、下記特許文献1には、ハマメリス及び/又は磯松の植物体乾燥物及び/又は抽出物を有効成分とする痛風又は高尿酸血症改善用飲食品が開示され、下記特許文献2には、イチョウ葉抽出物を有効成分とする尿酸値低下剤が開示され、下記特許文献3には、ザクロ抽出物を有効成分とする血中尿酸値低下剤が開示されている。
更にまた、下記特許文献4には、ヒスチジンまたはその機能的等価物およびアラニンまたはその機能的等価物からなる有効量の1種以上のジペプチドを含む対象における尿酸を削減するための組成物が開示されている。
図1には、イノシン酸(IMP)から尿酸までの代謝過程において、直接的又は間接的に関与する一連の酵素を示す。図1に示すように、イノシン酸(IMP)は5’−ヌクレオチダーゼでイノシンに変換され、イノシンはプリンヌクレオチドホスホリラーゼ(PNP)でヒポキサンチンに変換され、イノシンはキサンチンオキシダーゼ(XO)でキサンチンに変換され、キサンチンはキサンチンオキシダーゼ(XO)で尿酸に変換される。一方、他のプリン体であるグアニル酸(GMP)は、5’−ヌクレオチダーゼでグアノシンに変換され、グアノシンはプリンヌクレオチドホスホリラーゼ(PNP)でグアニンに変換され、グアニンはグアニンデアミナーゼでキサンチンに変換される。
上記の医薬品であるアロプリノールは、この代謝過程にかかわる酵素の1つであるキサンチンオキシダーゼ(XO)の基質競合阻害剤であり、尿酸の産生を抑制することで、体内尿酸蓄積量を低減させることができる。また、ベンズブロマロンやプロベネシドは腎臓での糸球体濾過の後の尿細管吸収を阻害して、この代謝過程において産生した尿酸の排泄を促進させることができる。
しかしながら、プリン体の代謝異常に起因する病態には、体内尿酸蓄積量の過剰に起因する痛風等のみではなく、体内尿酸蓄積量の減少を伴うものもある。
例えば、キサンチンオキシダーゼが遺伝的に欠損又は後発的にその活性が低下することにより、キサンチン尿症が誘引される。すなわち、図1に示す代謝経路からも明らかなように、キサンチンオキシダーゼが働かないと尿酸合成がなされずにヒポキサンチンやキサンチンが体内に過剰に蓄積してしまう。
通常、プリン体代謝の過程で産生するヒポキサンチンはサルベージ回路が働くことにより、プリン体の生合成のために再利用される。このプリン体代謝のサルベージ回路にかかわる酵素はヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ(以下、「HPRT」という。)である。すなわち、HPRTの働きにより、過剰となったヒポキサンチンはイノシン酸(IMP)へと変換され、プリン体生合成のために再利用される。また、キサンチンの前駆体となるグアニンもこのHPRTの働きによりグアニル酸(GMP)に変換され、これもプリン体生合成のために再利用される。しかしながら、サルベージ回路では処理できないほど過剰になったときには、ヒポキサンチンやキサンチンが体内に蓄積し、キサンチン尿症を発症する。
キサンチン尿症では、低尿酸血症を必発し、過剰のキサンチンが尿中に析出して尿路結石をきたす。また、オキシプリン(主にキサンチンとヒポキサンチン)の蓄積による筋肉痛や関節炎も症状として生じることが報告されている。
特開2001−258504号公報 特開2002−212085号公報 特開2006−016340号公報 特開2004−359663号公報
痛風治療薬に代表されるように、過剰な尿酸蓄積に起因する病態に対処する医薬品や組成物が各種知られている。
しかしながら、キサンチン尿症に見られるような、尿酸合成の減少をともなう過剰なヒポキサンチン蓄積やキサンチン蓄積に起因する病態に対処するための技術は少なかった。
したがって、本発明の目的は、プリン体代謝のサルベージ回路を促進する技術を提供し、キサンチン尿症等の病態の予防及び/又は改善のための組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、イミダゾールジペプチド類に、生体内のHPRT産生の亢進を促す効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のHPRT産生促進組成物は、イミダゾールジペプチド類及び/又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明のHPRT産生促進組成物によれば、イミダゾールジペプチド類を摂取することにより、生体内、特に肝臓のHPRT産生の亢進を促すことができる。
本発明においては、前記イミダゾールジペプチド類が、アンセリン、カルノシン及びバレニンから選ばれた少なくとも1種以上であることが好ましい。これによれば、より効果的にHPRT産生の亢進を促すことができる。
本発明のHPRT産生促進組成物においては、前記イミダゾールジペプチド類及び/又はその塩を、イミダゾールジペプチド類換算で5〜100質量%含有することが好ましい。
一方、本発明のもう1つは、前記HPRT産生促進組成物を含有するキサンチン尿症の予防及び/又は改善剤を提供する。
本発明のキサンチン尿症の予防及び/又は改善剤は、キサンチンオキシダーゼ異常又は欠損に起因するキサンチン尿症の予防及び/又は改善のために好ましく用いられる。
本発明によれば、生体内、特に肝臓のHPRT産生の亢進を促すことができるので、プリン体代謝のサルベージ回路を促進して、体内ヒポキサンチン蓄積量及び/又はキサンチン蓄積量を低減させることができる。また、イミダゾールジペプチド類は、通常の食品中にも含まれている成分であり、安全性にも問題が無い。
本発明のHPRT産生促進組成物の有効成分であるイミダゾールジペプチド類としては、具体的にはアンセリン(β‐アラニル‐1‐メチルヒスチジン)、カルノシン(β‐アラニルヒスチジン)、バレニン(β‐アラニル‐3‐メチルヒスチジン)等が挙げられる。本発明のHPRT産生促進組成物においては、アンセリン、カルノシン、バレニン及び/又はそれらの塩から選ばれた少なくとも1種以上を有効成分として含有することが好ましい。また、上記イミダゾールジペプチド類の塩としては、塩酸、乳酸、酢酸、硫酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、グルコン酸、酒石酸等の塩が挙げられる。
上記イミダゾールジペプチド類は、魚肉、鶏肉、畜肉等に含まれており、それらから水抽出、熱水抽出、アルコール抽出、超臨界抽出等の方法により抽出したエキスを精製することにより得ることができる。
例えば、アンセリンは以下のようにして得ることができる。まず、常法に従ってカツオ、マグロ、ウシ、ニワトリ等の肉からエキスを調製し、適宜水を加えて該エキスのブリックス(Bx.)値(屈折糖度計示度)を1〜10%に調整した後、限外濾過膜(分画分子量5,000〜50,000)を用いて高分子タンパク質を除去し、低分子ペプチド画分を回収する。次いで、文献(Suyama et al:Bull. Japan. Soc. Scient. Fish., 33, 141-146, 1967)の方法に従って、適宜濃縮した低分子ペプチド画分を強酸性樹脂を用いたイオン交換クロマトグラフィーに供し、溶出液を回収する。そして、この溶出液を脱塩した後pH調整し、凍結乾燥等により乾燥して得ることができる。
また、カルノシンはブタ肉を原料として、バレニンは鯨肉(例えばヒゲクジラ類)を原料として、上記と同様の方法により得ることができる。
本発明のHPRT産生促進組成物は、上記イミダゾールジペプチド類及び/又はその塩を、イミダゾールジペプチド類換算で5〜100質量%含むことが好ましく、50〜100質量%含むことがより好ましい。上記イミダゾールジペプチド類の含有量が5質量%未満であると充分なHPRT産生促進効果が期待できないため好ましくない。また、前記基本的成分の他に、賦形剤、ミネラル類、ビタミン類、糖類、香料等を適宜含むことができる。
本発明のHPRT産生促進組成物の製品形態は、錠剤、粉末、顆粒、溶液、カプセル剤等が挙げられるが、特に制限されない。
本発明のHPRT産生促進組成物の1日当りの有効摂取量は、イミダゾールジペプチド類換算で1〜200mg/体重kg、より好ましくは5〜30mg/体重kgである。
また、本発明のHPRT産生促進組成物は様々な飲食品に配合することができ、例えば、(1)清涼飲料、炭酸飲料、果実飲料、野菜ジュース、乳酸菌飲料、乳飲料、豆乳、ミネラルウォーター、茶系飲料、コーヒー飲料、スポーツ飲料、アルコール飲料、ゼリー飲料等の飲料類、(2)トマトピューレ、キノコ缶詰、乾燥野菜、漬物等の野菜加工品、(3)乾燥果実、ジャム、フルーツピューレ、果実缶詰等の果実加工品、(4)カレー粉、わさび、ショウガ、スパイスブレンド、シーズニング粉等の香辛料、(5)パスタ、うどん、そば、ラーメン、マカロニ等の麺類(生麺、乾燥麺含む)、(6)食パン、菓子パン、調理パン、ドーナツ等のパン類、(7)アルファー化米、オートミール、麩、バッター粉等、(8)焼菓子、ビスケット、米菓子、キャンデー、チョコレート、チューイングガム、スナック菓子、冷菓、砂糖漬け菓子、和生菓子、洋生菓子、半生菓子、プリン、アイスクリーム等の菓子類、(9)小豆、豆腐、納豆、きな粉、湯葉、煮豆、ピーナッツ等の豆類製品、(10)蜂蜜、ローヤルゼリー加工食品、(11)ハム、ソーセージ、ベーコン等の肉製品、(12)ヨーグルト、プリン、練乳、チーズ、発酵乳、バター、アイスクリーム等の酪農製品、(13)加工卵製品、(14)干物、蒲鉾、ちくわ、魚肉ソーセージ等の加工魚や、乾燥わかめ、昆布、佃煮等の加工海藻や、タラコ、数の子、イクラ、からすみ等の加工魚卵、(15)だしの素、醤油、酢、みりん、コンソメベース、中華ベース、濃縮出汁、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、味噌等の調味料や、サラダ油、ゴマ油、リノール油、ジアシルグリセロール、べにばな油等の食用油脂、(16)スープ(粉末、液体含む)等の調理、半調理食品や、惣菜、レトルト食品、チルド食品、半調理食品(例えば、炊き込みご飯の素、カニ玉の素)等が挙げられる。
上記ように飲食品に配合する場合、一食当りの添加量はイミダゾールジペプチド類換算で100〜2,000mgが好ましく、400〜2,000mgがより好ましい。
一般にキサンチン尿症では、血清尿酸値は0.5〜1.0mg/dl程度以下、尿中尿酸排泄量は0〜80mg/日程度といずれも低い低尿酸血の症状を示し、血清中のオキシプリン(キサンチンとヒポキサンチン)濃度が0.1〜0.9mg/dl程度となり、その90%以上がキサンチンであり、尿中へのオキシプリン排泄量は100〜500mg/日程度と高数値となることが知られている。そして、キサンチン尿症になると、過剰のキサンチンが尿中に析出して尿路結石をきたす。また、オキシプリン(主にキサンチンとヒポキサンチン)の蓄積による筋肉痛や関節炎も症状として生じることが報告されている。
本発明のHPRT産生促進組成物は、体内に蓄積するヒポキサンチンのイノシン酸への変換やグアニンのグアニル酸への変換を促進し、ヒポキサンチンやグアニンの代謝産物であるキサンチンの生成を低減させることができるので、上記のようなキサンチン尿症の症状の予防及び/又は改善のために好ましく用いることができる。
また、本発明のHPRT産生促進組成物は、キサンチンオキシダーゼが遺伝的に欠損又は後発的にその活性が低下すること等により、上記のようなキサンチン尿症の患者に対して好ましく用いることができる。
更にまた、本発明のHPRT産生促進組成物は、アロプリノール等の公知のキサンチンオキシダーゼ阻害剤と併用することもでき、これにより、キサンチンオキシダーゼ阻害剤によって生じるキサンチン蓄積による健康への悪影響を低減させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
<製造例>
常法に従って調製したカツオエキス(Bx.=55%)10kgに、4倍量の水を加えて希釈した後、限外濾過(UF)膜(分画分子量10,000)を用いて高分子タンパク質を除去し、低分子ペプチド画分を回収した。この画分を濃縮して、0.38Nクエン酸ナトリウム水溶液(pH4.0)で平衡化した強酸性樹脂(商品名「Amberlite IR-120」、ロームアンドハース社製)を充填したカラムクロマトグラフィーに供し、樹脂容量の4.5〜6.0倍の0.38Nクエン酸ナトリウム水溶液(pH4.0)で溶出して溶出画分を回収した(Suyama etal:Bull. Japan. Soc. Scient. Fish., 33, 141-146, 1967参照)。そして、この溶液を脱塩し、pH調整した後、凍結乾燥して、粉末45gを得た。この粉末について日立製アミノ酸分析計により分析したところ、アンセリン塩酸塩として98%の純度であった。
<試験例>
アンセリンの摂取によって、肝臓でのプリン体代謝がどのように影響を受けるかを調べる目的で、上記製造例のアンセリンを用いて以下の試験を行なった。そのためのモデル動物としては、ラットにイノシン酸(IMP)を過剰摂取させてプリン体代謝系に負荷を与えて、これをモデル動物として用いた。
すなわち、Wistar系の7週齢の雄ラットを用い、1質量%のイノシン酸(味の素株式会社製)を基本飼料AIN−76中に配合して摂食させて、IMP投与群とした。そして、前記のIMP投与群に更に1質量%のアンセリンを配合して摂食させるIMP+アンセリン投与群、及び、前記のIMP投与群に更に1質量%アロプリノール(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製)を配合して摂食させるIMP+アロプリノール投与群の計3群の試験群(各群毎にn=6)を設定した。また、基本飼料のみを与える対照群、及び、1%アンセリンを投与するアンセリン投与群についても同様の試験を行った。
上記の計3群の試験群、対照群、アンセリン投与群について、1週間の予備飼育後、各飼料の投与を開始し、1週間後に肝臓を摘出し、常法に従って、肝臓から抽出したmRNAについてDNAマイクロアレイ解析に供してプリン体代謝に関与する各酵素の遺伝子発現量を調べた。下記表1には、基本飼料のみを与えた対照群に対する遺伝子発現の増加率を示す。なお、変化が無いものは−、僅かな減少が見られたものは↓で示した。
Figure 2007297288
表1に示すように、プリン体代謝系に負荷を与えないラットにアンセリンを投与したアンセリン投与群においては、表1に示すように各酵素の遺伝子発現に影響を与えなかった。また、IMP投与群においては、AMPデアミナーゼ遺伝子の発現量に減少が見られ、それ以外の各酵素の遺伝子発現の増減は認められなかった。
一方、IMPによりプリン体代謝系に負荷を与えたラットにアンセリンを投与したIMP+アンセリン投与群においては、HPRT遺伝子の発現量が対照群の2.4倍に増加していた。したがって、アンセリンの投与によって、HPRT産生の亢進が促され、プリン体代謝系においてそのサルベージ回路が促進することが明らかとなった。
また、上記の結果において、IMP+アロプリノール投与群においては、IMP投与によるAMPデアミナーゼ遺伝子の発現量の減少が解消されたのに対し、IMP+アンセリン投与群においては、アンセリンによるその減少の解消が認められなかったことをから、アンセリンによるHPRT産生亢進のメカニズムは、アロプリノールによるものとは異なることが示唆された。
イノシン酸(IMP)から尿酸までの代謝過程に関与する一連の酵素を示す図表である。

Claims (5)

  1. イミダゾールジペプチド類及び/又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするHPRT産生促進組成物。
  2. 前記イミダゾールジペプチド類が、アンセリン、カルノシン及びバレニンから選ばれた少なくとも1種以上である請求項1に記載のHPRT産生促進組成物。
  3. 前記イミダゾールジペプチド類及び/又はその塩を、イミダゾールジペプチド類換算で10〜100質量%含有する請求項1又は2に記載のHPRT産生促進組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のHPRT産生促進組成物を含有するキサンチン尿症の予防及び/又は改善剤。
  5. キサンチン尿症がキサンチンオキシダーゼ異常又は欠損によるものである請求項4に記載のキサンチン尿症の予防及び/又は改善剤。
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