JP2009262754A - 車両用空調装置のモード可変機構 - Google Patents

車両用空調装置のモード可変機構 Download PDF

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Abstract

【課題】機構が大型化したりアクチュエータが複雑化したり数が増えたりすることなく、1つのアクチュエータにて複数の空気通路で個別のモードを選択することのできる車両用空調装置のモード可変機構を提供する。
【解決手段】カムプレート33の回動に伴う各カム溝33b、33cの回転中心からの距離変化により、各ピン部31g、32gを介して各ドアレバー31f、32fをそれぞれ揺動させて各モードドア31、32をそれぞれ回動させるようになっており、各カム溝33b、33cには、各モードドア31、32が同じモードとなる同モード領域と、各モードドア31、32が異なるモードとなる異モード領域とを備えている。
これによれば、サーボモータ34を複雑化することもなく、1つのサーボモータ34にて複数の空気通路で個別のモードを選択することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用空調装置の吸い込みモードや吹き出しモードなどを切り替えるモード可変機構に関するものである。
従来、車両用空調装置において、車室内の右側と左側(運転席側と助手席側)の吹き出しモードなどのモードを、個別に可変設定する機能を持たせるためには、空調装置内の空気通路を仕切り板などで右側用と左側用とに分けるとともに、それぞれの空気通路にモード切替ドアと、それぞれのドアを駆動するサーボモータとを設け、それぞれを駆動させる必要があった。
そこで、下記の特許文献1では、車両用空気調和装置の2つのドアを、ロータリーカムの両面に形成したカム溝によって開閉駆動させるようにしている。また、別の従来技術として下記の特許文献2では、車両用空調装置の複数のドアを、同一の軸線上で開閉駆動させるようにしている。また、別の従来技術として下記の特許文献3では、車両用空調装置の左右独立制御と一括制御とを共通化するものであり、一括空調仕様では2つの平行する回動軸を連結して1つのアクチュエータで駆動するものである。
特開平9−156346号公報 特開2002−78288号公報 特開平10−138734号公報
しかしながら、上記の特許文献1に示される技術では、2つの空気通路の2つのドアを、平行した軸線上で回動させるため、モード可変機構の全体を小型に構成し難いという問題点がある。また、上記の特許文献2に示される技術では、個々のドア作動に切り替えるための電磁クラッチを設けているため、アクチュエータの構造が複雑で高価になるという問題点がある。また、上記の特許文献3に示される技術では、1つのアクチュエータとした場合、2つのドアを個別に可変設定できなくなるという問題点がある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、機構が大型化したりアクチュエータが複雑化したり数が増えたりすることなく、1つのアクチュエータにて複数の空気通路で個別のモードを選択することのできる車両用空調装置のモード可変機構を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、回動位置を選択可能な回動手段(34)と、回動手段(34)によって回動され、その両面に回転中心からの距離を変化させた複数のカム溝(33b、33c)を形成したカムプレート(33)と、ケース(21)内の一方の空気通路内で回動して空気の流れを複数のモードに変化させる第1のドア手段(31)と、ケース(21)内の他方の空気通路内で回動して空気の流れを複数のモードに変化させる第2のドア手段(32)と、一方のカム溝(33b)に係合する係合部(31g)を備え、第1のドア手段(31)と連結された第1のレバー部材(31f)と、他方のカム溝(33c)に係合する係合部(32g)を備え、第2のドア手段(32)と連結された第2のレバー部材(32f)とを有し、
カムプレート(33)の回動に伴う各カム溝(33b、33c)の回転中心からの距離変化により、各係合部(31g、32g)を介して各レバー部材(31f、32f)をそれぞれ揺動させて各ドア手段(31、32)をそれぞれ回動させるようになっており、各カム溝(33b、33c)には、各ドア手段(31、32)が同じモードとなる同モード領域と、各ドア手段(31、32)が異なるモードとなる異モード領域とを備えることを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、回動手段(34)を複雑化することもなく、1つの回動手段(34)にて複数の空気通路で個別のモードを選択することができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置のモード可変機構を、車両の運転席側と助手席側とでそれぞれ空調風の吹き出しモードを選択可変する吹出モード切替部(30)に用いたことを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、吹出モード切替部(30)に用いるのが一番好適である。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車両用空調装置のモード可変機構において、空気通路内での空気の流れを発生させる送風手段(10)を備えるとともに、各ドア手段(31、32)のいずれかを回動させてモードを可変する場合、各ドア手段(31、32)のいずれかを回動させている間、送風手段(10)を停止させるか、もしくは送風量の少ない状態とすることを特徴としている。
この請求項3に記載の発明によれば、モードの可変途中で選択していないモードを通過することが有るが、モードの可変途中は送風手段(10)を停止させるか、もしくは送風量の少ない状態とすることで、乗員に短時間でも選択していないモードになることの疑問(および/または不快感)を与えることがない。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用空調装置のモード可変機構において、各ドア手段(31、32)は、同一の軸線上において回動できるようになっていることを特徴としている。この請求項4に記載の発明によれば、モード可変機構を小型に構成することができる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の車両用空調装置のモード可変機構において、各ドア手段(31、32)は、円弧ドア部(31c、32c)を有するロータリードアであることを特徴としている。この請求項5に記載の発明によれば、回動する軸線部がシャフトとなっている板ドアやバタフライドアなどと比べ、ロータリードアは円弧ドア部(31c、32c)両側の側板部(31b、32b)の間が空間となっていて回動軸部が両側の側板部(31b、32b)にしかないため、回動軸部を二重に構成するのが容易となる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜9を用いて詳細に説明する。まず図1は、本発明の一実施形態に係るエアコンユニット1の全体構成を示す模式図である。本実施形態の車両用空調装置は、車室内の右側(運転席側とする)と左側(助手席側とする)とでそれぞれ独立に温度調節と、吹出口の設定とが可能な左右独立コントロールタイプの車両用空調装置と成っている。
本実施形態のエアコンユニット1は、大別して、送風手段としての送風機ユニット10と、空調ユニット20との2つの部分に分かれている。送風機ユニット10は、車室内のインストルメントパネル内部のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されている。これに対して空調ユニット20は、車室内のインストルメントパネル内部のうち、車両左右方向の中央部の奥側に配置されている。
送風機ユニット10は周知の如く、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替箱11と、この内外気切替箱11を通して空気を吸入し、車室内に送風する送風機(モータ&ファン)12とから構成されている。内外気切替箱11は、樹脂成形で形成され、内気を吸入する内気導入口13と、外気を吸入する外気導入口14と、その内外気導入口13、14を選択的に切り替える内外気切替ドア15とを有し、その下方が送風機12のベルマウス(吸入口)に連通している。
内外気切替ドア15は、内外気切替箱11に回動自在に支持され、本実施形態の場合、水平方向に配置された回動軸とともに、略車両上下方向に回動可能となっている。そして、回動軸の一端部は内外気切替箱11の外部に突出しており、図示しないサーボモータなどの駆動手段が接続されて回動制御されている。
送風機12は、遠心多翼のシロッコファンと、そのファンを駆動するブロアモータとがスクロールケーシング内に収容されている。そして、ブロアモータに印加されるブロア電圧は、図示しないモータコントローラ、および本車両用空調装置を制御する図示しない制御装置によって制御される。
空調ユニット20は、1つの共通の空調ケース(本発明で言うケース)21内に、冷房用熱交換器であるエバポレータ22と、暖房用熱交換器であるヒータコア23との両方を、一体的に内蔵するタイプのものである。空調ケース21は、ポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品から成っている。
空調ケース21は、具体的には左右の分割ケースから成っており、この左右の分割ケースは、上記した熱交換器22、23と、後述のドアなどの機器を収納した後、金属バネクリップやネジなどの締結手段によって一体に結合され、空調ユニット20を構成している。
空調ケース21内において、送風機ユニット10の吐出側に接続される空気流入部の直後の部位には、エバポレータ22が配置されている。このエバポレータ22は、車両前後方向には薄型の形態で、空調ケース21内の空気通路を横断するよう上下方向に配置されている。このエバポレータ22は周知の如く、図示しない冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を、流通する空気から吸熱して流通空気を冷却するものである。
そして、エバポレータ22の空気流れ下流側(車両後方側)には、所定の間隔を開けてヒータコア23が配置されている。このヒータコア23は、周知の如く、その内部に高温の温水となるエンジン冷却水が流通し、その温水と空調ケース21内を流通する空気とを熱交換させ、流通空気を加熱するものである。
また、空調ケース21内の空気通路において、ヒータコア23の上方部位には、このヒータコア23をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路が形成されている。そして、エバポレータ22とヒータコア23との間には、ヒータコア23を通過して温風になる風量と、冷風バイパス通路を通過する冷風の風量とを調整する平板状のエアミックスドア24(24Rと24Lとを含む)が配置されている。
つまり、エアミックスドア24は、この風量割合の調整により車室内への吹出温度を調整する温度調整手段を成している。なお、本実施形態の車両用空調装置は、左右独立コントロールタイプの車両用空調装置となっているため、エバポレータ22より下流側の空気通路は、仕切り板25(図2参照)によって右側用空気通路と左側用空気通路とに区画分離されている。なお、図1は、その右側用空気通路を示している。
エアミックスドア24は、図1に図示する右側用エアミックスドア24Rと、仕切り板25を挟んで反対側に配置された図示しない左側用エアミックスドア24Lとで構成されている。そして、両エアミックスドア24は、水平方向に配置された回動軸により、車両上下方向に回動可能となっている。
その回動軸は、空調ケース21に回動自在に支持され、かつ回動軸の一端部は空調ケース21の外部に突出して、図示しないリンク機構に結合され、空調装置の温度制御機構(サーボモータなどの駆動手段)により回動制御されている。そして、空調ケース21の空気流れ下流端の上方部において、車両前方側の部位にはデフロスタ開口部26Rが形成され、図示しないデフロスタダクトを介して車両のデフロスタ吹出口に接続され、そこから車両前面窓ガラスの内面に向けて空調風を吹き出す。
デフロスタ開口部26よりも車両後方側(乗員寄り)の部位には、フェイス開口部27Rが形成され、図示しないフェイスダクトを介して、車両のフェイス吹出口に接続され、そこから乗員の頭胸部に向けて主に冷風を吹き出す。また、空調ケース21の車両後方側には、フット開口部28Rが形成され、図示しないフットダクトを介して、そのダクト端から乗員の足元に向けて主に温風を吹き出す。
もちろん、図2にその一部を示すように、仕切り板25を挟んだ左側用空気通路には、左側用のデフロスタ開口部26Lと、図示しないフェイス開口部27Lおよびフット開口部28Lとが形成されている。そして、これらの開口部26〜28は、吹出モード切替部(モード可変機構)30にて切り替えられる。
次に、本実施形態での吹出モード切替部30の構成および構造について説明する。図2は、図1中のII-II断面図であり、図3は、図2中のIII-III断面図である。また、図4は、本発明の一実施形態における吹出モード切替部30の構成を示す斜視図であり、図5は、図4の吹出モード切替部30の組み合わせ状態を示す斜視図である。
本吹出モード切替部30は、図2および図4に示すように、右側モードドア(ドア手段)31、左側モードドア(ドア手段)32、カムプレート33およびサーボモータ(回動手段)34を具備して構成されている。まず、モードドア31、32は、図3および図4に示すように、本実施形態ではロータリードアを用いている。
ロータリードア31、32は、回動軸31a、32aで空調ケース21に回動可能に支持されており、回動軸31a、32aの中心から径外方側へ所定量離れた部位にて回動軸31a、32aと一体に回転する円弧ドア部31c、32cと、円弧ドア部31c、32cの軸方向の両端部と回動軸31a、32aとを連結する軸方向両端の側板部31b、32bとを有している。
そして、円弧ドア部31c、32cと対向する部分は、空気流が流入する流入側の開口部31d、32dと成っており、円弧ドア部31c、32cには空気流が流出する流出側の開口部31e、32eが開成されている。なお、右側モードドア31の一方の回動軸31aは、図2を見て分かるように、仕切り板25および左側モードドア32の回動軸32a部分を貫通して空調ケース21の外部に突出するため、細長く形成されている。また、左側モードドア32の回動軸32aは中空になっている。この構造により、両モードドア31、32は、同一の軸線上において自在に回動できるようになっている。
空調ケース21の外側においては、まず、後述するカム溝33cに係合するピン部(係合部)32gを備えたドアレバー(レバー部材)32fを、左側モードドア32の突出した回動軸32aに連結する。次に、サーボモータ34の出力軸34aにカムプレート33を組み付けたものを空調ケース21の外側に組み付ける。
このとき、カムプレート33に形成されたカム溝33cとドアレバー32fのピン部32gとがピン溝係合される。また、サーボモータ34には、図示しないブラケットが組み付けられており、カムプレート33の回動やドアレバー31f、32fの揺動を妨げない位置で空調ケース21の外面に固定できるようになっている。
次に、ピン部(係合部)31gを備えたドアレバー(レバー部材)31fを、カムプレート33に形成されたカム溝33bとピン部31gとがピン溝係合するようにしながら右側モードドア31の突出した回動軸31aに連結する。これにより、吹出モード切替部30は、空調ケース21および仕切り板25を透かして見ると、図5の状態に組み立てられる。
図6は、本発明のカムプレート33を示し、(a)は左側ドア操作面、(b)は断面、(c)は右側ドア操作面である。カムプレート33は、樹脂で成形されたプレートであり、回動中心にはサーボモータ34の出力軸34aに組み付けるための組付孔33aが設けられ、両面には両モードドア31、32を所定の吹出モード位置に位置決めするためのカム溝33b、33cが形成されている。
なお、本実施形態の特徴として、両カム溝33b、33cは、それぞれ2つの領域を有している。一方の領域は、両モードドア31、32が同じ吹出モードとなる同モード領域として、両カム溝33b、33cが表裏で同じ溝形状となっており、他方の領域は、両モードドア31、32が異なる吹出モードとなる異モード領域として、両カム溝33b、33cが表裏で異なる溝形状となっている。
サーボモータ34の出力軸34aの回動によってカムプレート33が回動され、カムプレート33の回動によって、両カム溝33b、33cに沿って係合している両ピン部31g、32gが移動し、両ドアレバー31f、32fが揺動し、両モードドア31、32が回動して吹出モードが切り替わる。
次に、本実施形態での吹出モード切替部30による吹出モード可変を、図7〜9を用いて説明する。図7は、エアコン操作パネル40の一例を示す正面図であり、吹出モードの切替部を示すものである。また、図8は、カムプレート33の回動位置A〜Jに対する運転席側と助手席側とで設定される吹出モードを表す表であり、図9は、図8の回動位置A〜Jに対するモード推移をグラフに表したものである。
まず、エアコン操作パネル40の吹出モード切替部は、運転席側と助手席側とでそれぞれ、吹き出し状態を示す表示部41R、41L、フェイス(FACE)吹き出しを選択するためのフェイスモードスイッチ42R、42L、フェイスとフットの両方から吹き出すバイレベル(B/L)吹き出しを選択するためのバイレベルモードスイッチ43R、43L、フット(FOOT)吹き出しを選択するためのフットモードスイッチ44R、44Lを備えている。
また、運転席側も助手席側も、デフロスタ(DEF)吹き出しを選択するためのデフロスタモードスイッチ45、および、車室内温度、日射量および外気温度などに応じて図示しない空調制御装置が自動で吹出モードを選択するオート(AUTO)モードスイッチ46などを備えている。なお、エアコン操作パネルには他のエアコン操作スイッチが有るが、説明を省略する。
次に、図8、図9を用いて、カムプレート33の回動位置A〜Jに対する運転席側と助手席側とで設定される吹出モードを説明する。
回動位置A→運転席側:デフロスタモード、助手席側:デフロスタモード
回動位置B→運転席側:フットモード 、助手席側:フットモード
回動位置C→運転席側:バイレベルモード、助手席側:バイレベルモード
回動位置D→運転席側:フェイスモード 、助手席側:フェイスモード
回動位置Aは、デフロスタモードスイッチ45が選択操作された場合に選択され、回動位置B〜Dは、運転席側と助手席側とで同じモードが選択操作された場合に該当する回動位置が選択される。つまり、回動位置A〜Dは、運転席側と助手席側とで同じモードが選択される同モード領域となっている。
これに対して、
回動位置E→運転席側:フェイスモード 、助手席側:バイレベルモード
回動位置F→運転席側:フェイスモード 、助手席側:フットモード
回動位置G→運転席側:バイレベルモード、助手席側:フットモード
回動位置H→運転席側:バイレベルモード、助手席側:フェイスモード
回動位置I→運転席側:フットモード 、助手席側:フェイスモード
回動位置J→運転席側:フットモード 、助手席側:バイレベルモード
となり、運転席側と助手席側とで異なるモードが選択された場合、回動位置E〜Jの6つの組み合わせの内、該当する回動位置が選択される。つまり、回動位置E〜Jは、運転席側と助手席側とで異なるモードが選択される異モード領域となっている。
次に、本実施形態の特徴と、その効果について述べる。まず、回動位置を選択可能なサーボモータ34と、サーボモータ34によって回動され、その両面に回転中心からの距離を変化させた複数のカム溝33b、33c(第1のカム溝33b、第2のカム溝33c)を形成したカムプレート33と、空調ケース21内の一方の空気通路(第1の空気通路)内で回動して空気の流れを複数のモードに変化させる第1のモードドア31と、空調ケース21内の他方の空気通路(第2の空気通路)内で回動して空気の流れを複数のモードに変化させる第2のモードドア32と、一方のカム溝33bに係合するピン部31gを備え、第1のモードドア31と連結された第1のドアレバー31fと、他方のカム溝33cに係合するピン部32gを備え、第2のモードドア32と連結された第2のドアレバー32fとを有し、
カムプレート33の回動に伴う各カム溝33b、33cの回転中心からの距離変化により、各ピン部31g、32gを介して各ドアレバー31f、32fをそれぞれ揺動させて各モードドア31、32をそれぞれ回動させるようになっており、各カム溝33b、33cには、各モードドア31、32が同じモードとなる同モード領域と、各モードドア31、32が異なるモードとなる異モード領域とを備えている。
これによれば、サーボモータ34を複雑化することもなく、1つのサーボモータ34にて複数の空気通路で個別のモードを選択することができる。また、上記のモード切替機構を車両の運転席側と助手席側とでそれぞれ空調風の吹き出しモードを選択可変する吹出モード切替部30に用いている。これによれば、吹出モード切替部30に用いるのが一番好適である。
また、空気通路内での空気の流れを発生させる送風機ユニット10を備えるとともに、各モードドア31、32のいずれかを回動させてモードを可変する場合、各モードドア31、32のいずれかを回動させている間、送風機ユニット10を停止させるか、もしくは送風量の少ない状態としている。
これによれば、モードの可変途中で選択していないモードを通過することが有るが、モードの可変途中は送風機ユニット10を停止させるか、もしくは送風量の少ない状態とすることで、乗員に短時間でも選択していないモードになることの疑問(および/または不快感)を与えることがない。また、各モードドア31、32は、同一の軸線上において回動できるようになっている。これによれば、モード可変機構を小型に構成することができる。
また、各モードドア31、32は、円弧ドア部31c、32cを有するロータリードアである。これによれば、回動する軸線部がシャフトとなっている板ドアやバタフライドアなどと比べ、ロータリードアは円弧ドア部31c、32c両側の側板部31b、32bの間が空間となっていて回動軸部が両側の側板部31b、32bにしかないため、回動軸部を二重に構成するのが容易となる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の実施形態では、車両の運転席側と助手席側とでそれぞれ空調風の吹き出しモードを選択可変する吹出モード切替部30に用いているが、車両の運転席側と助手席側とでそれぞれ空調用空気の吸い込みモードを選択可変する吸込モード切替部に用いても良い。また、車両の運転席側と助手席側とでそれぞれエアミックスドア24R、24Lによる温度調節モードをクールモード、中間モード、ホットモードなどに分け、その温度調節モードを選択可変とする温度調節モード切替部に用いても良い。
また、上述の実施形態では、カムプレート33の両面に1本ずつのカム溝33b、33cを形成して2つのドア31、32を回動させているが、カムプレートの片面に複数のカム溝を設けて複数のドアを回動させても良いし、1本のカム溝で複数のドアを回動させても良いし、このようなカム溝をカムプレートの両面に設けてさらに多数のドアを回動させるようにしても良い。
また、上述の実施形態では、モードドア31、32としてロータリードアを同一の軸線上に配置しているが、回動軸から略平板状のドア基板を突出させた板ドアを、同一の軸線上に配置したものであっても良いし、必ずしも同一の軸線上に配置したものでなくとも良い。
また、上述の実施形態のロータリードア31、32は、円弧ドア部31c、32cに開口部31e、32eを設け、その開口部31e、32eの移動によって吹き出し方向を切り替えるものであるが、円弧ドア部に開口部が無く、円弧ドア部で一方の空気通路を閉塞するとともに、内部空間で他方の空気通路へ空気流を導くタイプのロータリードアであっても良い。
本発明の一実施形態に係るエアコンユニット1の全体構成を示す模式図である。 図1中のII-II断面図である。 図2中のIII-III断面図である。 本発明の一実施形態における吹出モード切替部30の構成を示す斜視図である。 図4の吹出モード切換部30の組み合わせ状態を示す斜視図である。 本発明のカムプレート33を示し、(a)は左側ドア操作面、(b)は断面、(c)は右側ドア操作面である。 エアコン操作パネル40の一例を示す正面図である。 カムプレート33の回動位置に対する運転席側と助手席側のモードを表す表である。 図8のモード推移を表すグラフである。
符号の説明
10…送風機ユニット(送風手段)
21…空調ケース(ケース)
30…吹出モード切替部(モード可変機構)
31…右側モードドア(ドア手段、ロータリードア)
31c…円弧ドア部
31f…ドアレバー(レバー部材)
31g…ピン部(係合部)
32…左側モードドア(ドア手段、ロータリードア)
32c…円弧ドア部
32f…ドアレバー(レバー部材)
32g…ピン部(係合部)
33…カムプレート
33b、33c…カム溝
34…サーボモータ(回動手段)

Claims (5)

  1. 回動位置を選択可能な回動手段(34)と、
    前記回動手段(34)によって回動され、その両面に回転中心からの距離を変化させた複数のカム溝(33b、33c)を形成したカムプレート(33)と、
    ケース(21)内の一方の空気通路内で回動して空気の流れを複数のモードに変化させる第1のドア手段(31)と、
    前記ケース(21)内の他方の空気通路内で回動して空気の流れを複数のモードに変化させる第2のドア手段(32)と、
    前記一方のカム溝(33b)に係合する係合部(31g)を備え、前記第1のドア手段(31)と連結された第1のレバー部材(31f)と、
    前記他方のカム溝(33c)に係合する係合部(32g)を備え、前記第2のドア手段(32)と連結された第2のレバー部材(32f)とを有し、
    前記カムプレート(33)の回動に伴う前記各カム溝(33b、33c)の回転中心からの距離変化により、前記各係合部(31g、32g)を介して前記各レバー部材(31f、32f)をそれぞれ揺動させて前記各ドア手段(31、32)をそれぞれ回動させるようになっており、
    前記各カム溝(33b、33c)には、前記各ドア手段(31、32)が同じモードとなる同モード領域と、前記各ドア手段(31、32)が異なるモードとなる異モード領域とを備えることを特徴とする車両用空調装置のモード可変機構。
  2. 車両の運転席側と助手席側とでそれぞれ空調風の吹き出しモードを選択可変する吹出モード切替部(30)に用いたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置のモード可変機構。
  3. 前記空気通路内での空気の流れを発生させる送風手段(10)を備えるとともに、前記各ドア手段(31、32)のいずれかを回動させてモードを可変する場合、前記各ドア手段(31、32)のいずれかを回動させている間、前記送風手段(10)を停止させるか、もしくは送風量の少ない状態とすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置のモード可変機構。
  4. 前記各ドア手段(31、32)は、同一の軸線上において回動できるようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用空調装置のモード可変機構。
  5. 前記各ドア手段(31、32)は、円弧ドア部(31c、32c)を有するロータリードアであることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置のモード可変機構。
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