以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
尚、後述する図1〜図14において、同一部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
図1は、本発明に係る座席制御装置を適用する車両200および車両200の室内に設けられた座席21a〜21eを示した図である。
車両200は、所謂、3列シートの車両であり、座席21aは、1列目に設けられた運転席、座席21bは、1列目に設けられた助手席である。座席21cは、座席21aの後ろに設けられた2列目の座席であり、座席21dは、座席21bの後ろに設けられた2列目の座席である。座席21eは、座席21c,21dの後ろに設けられた3列目の座席である。尚、座席21eのみ、2人掛けの席として形成されている。
座席21a,21cは、例えば、図4に示すように、車両200の室内において水平移動が可能な状態で設けられており、座席21b,21dは、例えば、図5に示すように、車両200の室内において水平移動が可能な状態で設けられている。
図4および図5中において、X1は、上述した水平移動の内、各座席の前進方向を示しており、X2は、上述した水平移動の内、各座席の後退方向を示している。
図4中において、Faは、X1方向における座席21aの前進限界位置(以下、「前端位置」と記載)、Baは、X2方向における座席21aの後退限界位置(以下、「後端位置」と記載)であり、Fcは、座席21cの前端位置、Bcは、座席21cの後端位置である。
前端位置Faから後端位置Baまでの範囲(以下、「所定範囲」と記載)は、図中のMaで示され、前端位置Fcから後端位置Bcまでの範囲(以下、「所定範囲」と記載)は、図中のMcで示される。また、所定範囲Maにおける中心位置は、図中のCaで示され、所定範囲Mcにおける中心位置は、図中のCcで示される。
尚、車両200の室内における座席21aの好適な位置は、中心位置Caであり、車両200の室内における座席21cの好適な位置は、中心位置Ccである。また、22aは、座席21aに着座している搭乗者を示しており、22cは、座席21cに着座している搭乗者を示している。
上述と同様、図5中において、Fbは、座席21bの前端位置、Bbは、座席21bの後端位置であり、Fdは、座席21dの前端位置、Bdは、座席21dの後端位置である。
前端位置Fbから後端位置Bbまでの範囲(以下、「所定範囲」と記載)は、図中のMbで示され、前端位置Fdから後端位置Bdまでの範囲(以下、「所定範囲」と記載)は、図中のMdで示される。また、所定範囲Mbにおける中心位置は、図中のCbで示され、所定範囲Mdにおける中心位置は、図中のCdで示される。
尚、車両200の室内における座席21bの好適な位置は、中心位置Cbであり、車両200の室内における座席21dの好適な位置は、中心位置Cdである。また、22bは、座席21bに着座している搭乗者を示しており、22dは、座席21dに着座している搭乗者を示している。
座席21eは、車両200の室内に固定された状態で設けられている。尚、座席21eについては本発明に関係がないため、下記において説明を省略する。
ここで、後述する本発明に係る座席制御装置の実施形態において、前列席を座席21aとした場合の後列席は座席21cであり、前列席を座席21bとした場合の後列席は座席21dである。よって、座席21a,21bは、本発明における第1の座席の一実施形態を構成しており、座席21c,21dは、本発明における第2の座席の一実施形態を構成している。
図2は、本発明に係る座席制御装置の一実施形態を示したブロック図である。
図中において、100は、座席21a〜21dをそれぞれ制御する座席制御装置であり、当該座席制御装置100は、後述する制御部11、入力部12a〜12d、位置検出部13a〜13d、駆動制御部14a〜14dを有している。
制御部11は、CPU(Central
Processing Unit)等から成り、座席制御装置100の各部を統括して制御する。尚、制御部11は、本発明における制御手段の一実施形態を構成している。
入力部12a〜12d(以下では、これらをまとめて符号12で示す)は、例えば、図3に示すような形状のスイッチ等から成り、座席21a〜21dの側部や当該座席近傍のドア(図示省略)の内側等にそれぞれ設けられている。
図3中において、O〜Vは、制御別に設定された入力部12の押圧方向であり、座席をX1方向(図4)に前進させる場合は、O方向へ押圧し、座席をX2方向(図4)に後退させる場合は、P方向へ押圧する。
また、座席を上方に垂直移動させる場合は、Q方向へ押圧し、座席を下方に垂直移動させる場合は、R方向へ押圧する。更に、座席の背もたれを前方に傾斜させる場合は、S方向またはV方向へ押圧し、後方に傾斜させる場合は、U方向またはT方向へ押圧する。尚、上述した押圧方向Q〜Vについては本発明に関係がないため、下記において説明を省略する。
入力部12aでは、座席21aを制御(例えば、水平方向または垂直方向への移動)するための操作が行われ、入力部12bでは、座席21bを制御するための操作が行われる。また、入力部12cでは、座席21cを制御するための操作が行われ、入力部12dでは、座席21dを制御するための操作が行われる。
よって、入力部12a,12bは、本発明における第1入力部の一実施形態を構成しており、入力部12c,12dは、本発明における第2入力部の一実施形態を構成している。
位置検出部13a〜13dは、位置センサ(図示省略)や該位置センサが検出した位置を記憶するEEPROM(図示省略)等から成り、各座席の移動中における各所定範囲内での位置をそれぞれ逐次検出し、各座席の移動完了後における各所定範囲内での停止位置をそれぞれ記憶する。
詳しくは、位置検出部13aは、座席21aがX1またはX2方向に前進または後退する場合に、所定範囲Ma(図4)内における当該座席の位置を逐次検出し、座席21aの移動が完了した場合に、所定範囲Ma内における当該座席の停止位置を記憶する。
位置検出部13bは、座席21bがX1またはX2方向に前進または後退する場合に、所定範囲Mb(図5)内における当該座席の位置を逐次検出し、座席21bの移動が完了した場合に、所定範囲Mb内における当該座席の停止位置を記憶する。
位置検出部13cは、座席21cがX1またはX2方向に前進または後退する場合に、所定範囲Mc(図4)内における当該座席の位置を逐次検出し、座席21cの移動が完了した場合に、所定範囲Mc内における当該座席の停止位置を記憶する。
位置検出部13dは、座席21dがX1またはX2方向に前進または後退する場合に、所定範囲Md(図5)内における当該座席の位置を逐次検出し、座席21dの移動が完了した場合に、所定範囲Md内における当該座席の停止位置を記憶する。
駆動制御部14a〜14dは、スライド用モータ(図示省略)等から成り、各入力部12a〜12dの出力に基づいて、各座席21a〜21dをX1またはX2方向にそれぞれ前進または後退させる。
詳しくは、駆動制御部14aは、入力部12aの出力に基づいて座席21aをX1またはX2方向に前進または後退させ、駆動制御部14bは、入力部12bの出力に基づいて座席21bをX1またはX2方向に前進または後退させる。また、駆動制御部14cは、入力部12cの出力に基づいて座席21cをX1またはX2方向に前進または後退させ、駆動制御部14dは、入力部12dの出力に基づいて座席21dをX1またはX2方向に前進または後退させる。
よって、駆動制御部14a,14bは、本発明における第1駆動制御部の一実施形態を構成しており、駆動制御部14c,14dは、本発明における第2駆動制御部の一実施形態を構成している。
本実施形態の座席制御装置100において、例えば、座席21aをX1またはX2方向に前進または後退させる場合は、搭乗者22a(図4)によって、入力部12aの操作が行われ、座席21cをX1またはX2方向に前進または後退させる場合は、搭乗者22cによって、入力部12cの操作が行われる。尚、座席21b,21dをX1またはX2方向に前進または後退させる場合も、入力部が12b,12dである点を除いて、座席21a,21cと同様であるため、以下では説明を省略する。
搭乗者22aが、入力部12aを図3のO方向(以下、「前方」という)に押圧した場合、座席21aは、所定範囲Ma内でX1方向に前進し、入力部12aを図3のP方向(以下、「後方」という)に押圧した場合、座席21aは、所定範囲Ma内でX2方向に後退する。
同様に、搭乗者22cが、入力部12cを前方に押圧した場合、座席21cは、所定範囲Mc内でX1方向に前進し、入力部12cを後方に押圧した場合、座席21cは、所定範囲Mc内でX2方向に後退する。
本実施形態の場合、入力部の操作量は、入力部に対する所定方向への押圧時間となる。操作量が小さい場合、すなわち、入力部12aに対する前方または後方への押圧時間が、所定時間t(例えば、1秒)以内である場合、座席21aは、押圧時間に基づいて、X1またはX2方向へ所定距離だけ前進または後退し、入力部12cに対する前方または後方への押圧時間が、所定時間(例えば、1秒)以内である場合、座席21cは、押圧時間に基づいて、X1またはX2方向へ所定距離だけ前進または後退する。
また、操作量が大きい場合、すなわち、入力部12aに対する前方または後方への押圧時間が、所定時間(例えば、1秒)を超える場合、座席21aは、前端位置Fa(図4)または後端位置Ba(図4)まで自動的に移動し、入力部12cに対する前方または後方への押圧時間が、所定時間(例えば、1秒)を超える場合、座席21cは、前端位置Fc(図4)または後端位置Bc(図4)まで自動的に移動する。
このため、搭乗者22aが、入力部12aを後方に押圧し、搭乗者22cが、入力部12cを前方に押圧した場合、座席21aはX2方向に後退し、座席21cはX1方向に前進するため、座席21aと座席21cとが接近する。
特に、入力部12a,12cにおける押圧時間が長い場合、座席21aは、X2方向に大きく後退し、座席21cは、X1方向に大きく前進するため、座席21a,21cおよび搭乗者22a,22cの車両200内における位置関係は、図6で示すような状態となる。つまり、搭乗者22cの足(図6中の斜線部)が、座席21aと座席21cの間に圧迫された状態で挟まれることになる。
よって、本発明の実施形態である座席制御装置100では、前方の座席(例えば、座席21a)と後方の座席(例えば、座席21c)との間における物体(例えば、搭乗者の足)の挟み込みを抑止するために、後述の座席制御を行う。
次に、本発明の実施形態である座席制御装置100(図2)の動作について、図面を参照しながら説明する。
尚、以下においては、互いに前後関係にある2つの座席(例えば、図1の座席21aと座席21c)の制御動作についてのみ説明し、並列関係にある2つの座席(例えば、図1の座席21aと座席21b)や前後関係や並列関係にない2つの座席(例えば、図1の座席21aと座席21d)については、本発明に関係がないため、説明を省略する。
また、車両200の室内において、互いに前後関係にある座席は、座席21aと座席21c、座席21bと座席21dであり、どちらの場合においても、後述する座席制御装置100の動作は同様であるため、以下において、座席21bと座席21dの制御動作については説明を省略する。
(1)前席制御操作が先で、後席制御操作が後の場合
始めに、座席21aをX1またはX2方向(図4)に前進または後退させるための操作が、入力部12a(図2)にて先に行われ、座席21cをX1またはX2方向に前進または後退させるための操作が、入力部12c(図2)にて後に行われた場合における座席制御装置100の動作について、図7〜図9,図13のフローチャートを用いて詳述する。
図7のステップS1では、前列席を前進させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、座席21aに着座している搭乗者22a(図4)によって、入力部12aが前方(図3のO方向)に押圧されたか否かが、制御部11(図2)により検証され、前方に押圧された場合(ステップS1:YES)は、ステップS2へ進み、前方に押圧されていない場合(ステップS1:NO)は、図8のステップS10以下へ進む。
ステップS2では、ステップS1の検証結果より、前列席が前進動作を開始する。詳しくは、搭乗者22aによって、入力部12aが前方に押圧されたため、制御部11の制御の下、駆動制御部14a(図2)が、座席21aを前進させるための駆動を開始する。これにより、座席21aがX1方向への前進動作を開始する。
ステップS3では、後列席を後退させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、座席21cに着座している搭乗者22c(図4)によって、入力部12cが後方(図3のP方向)に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、後方に押圧された場合(ステップS3:YES)は、ステップS4へ進み、後方に押圧されていない場合(ステップS3:NO)は、ステップS6以下へ進む。
ステップS4では、ステップS3の検証結果より、後列席が後退動作を開始する。詳しくは、搭乗者22cによって、入力部12cが後方に押圧されたため、制御部11の制御の下、駆動制御部14c(図2)が、座席21cを後退させるための駆動を開始する。これにより、座席21cがX2方向への後退動作を開始する。
ステップS5では、ステップS2にて前進動作を開始した前列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進し、ステップS4にて後退動作を開始した後列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。
詳しくは、ステップS1にて、搭乗者22aが入力部12aを押圧した時間が、上述した所定時間t以内である場合、座席21aは、所定範囲Ma(図4)内において、当該押圧時間、つまり、入力部12aの出力に基づいた所定距離だけX1方向に前進する。また、搭乗者22aが入力部12aを押圧した時間が、当該所定時間を超える場合、座席21aは、所定範囲Ma内における前端位置Fa(図4)まで自動的に前進する。
上述と同様、ステップS3にて、搭乗者22cが入力部12cを押圧した時間が、上述した所定時間t以内である場合、座席21cは、所定範囲Mc(図4)内において、当該押圧時間、つまり、入力部12cの出力に基づいた所定距離だけX2方向に後退する。また、搭乗者22cが入力部12cを押圧した時間が、当該所定時間を超える場合、座席21cは、所定範囲Mc内における後端位置Bc(図4)まで自動的に後退する。
そして、前列席および後列席、つまり、座席21a,21cの移動が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
ステップS6では、ステップS3の検証結果より、後列席を前進させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22cによって、入力部12cが前方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、前方に押圧された場合(ステップS6:YES)は、ステップS7へ進み、前方に押圧されていない場合(ステップS6:NO)は、ステップS9へ進む。
ステップS7では、ステップS6の検証結果より、後列席が前進動作を開始する。詳しくは、搭乗者22cによって、入力部12cが前方に押圧されたため、制御部11の制御の下、駆動制御部14cが、座席21cを前進させるための駆動を開始する。これにより、座席21cがX1方向への前進動作を開始する。
ステップS8では、ステップS2にて前進動作を開始した前列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進し、ステップS7にて前進動作を開始した後列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。
詳しくは、ステップS6にて、搭乗者22cが入力部12cを押圧した時間が、所定時間t以内である場合、座席21cは、所定範囲Mc内において、当該押圧時間、つまり、入力部12cの出力に基づいた所定距離だけX1方向に前進する。また、搭乗者22cが入力部12cを押圧した時間が、当該所定時間を超える場合、座席21cは、所定範囲Mc内における前端位置Fc(図4)まで自動的に前進する。尚、ステップS2にて前進動作を開始した前列席、つまり、座席21aのステップS8における前進動作については、ステップS5と同様であるため、説明を省略する。
そして、前列席および後列席、つまり、座席21a,21cの移動が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
ステップS9では、ステップS1,S3,S6の検証結果より、ステップS2にて前進動作を開始した前列席、つまり、座席21aのみが、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。尚、座席21aのステップS9における前進動作については、ステップS5と同様であるため、説明を省略する。
そして、前列席、つまり、座席21aの移動が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図8のステップS10では、ステップS1(図7)の検証結果より、前列席を後退させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22aによって、入力部12aが後方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、後方に押圧された場合(ステップS10:YES)は、ステップS11へ進み、後方に押圧されていない場合(ステップS10:NO)は、図9のステップS18以下へ進む。
ステップS11では、ステップS10の検証結果より、前列席が後退動作を開始する。詳しくは、搭乗者22aによって、入力部12aが後方に押圧されたため、制御部11の制御の下、駆動制御部14aが、座席21aを後退させるための駆動を開始する。これにより、座席21aがX2方向への後退動作を開始する。
ステップS12では、後列席を後退させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22cによって、入力部12cが後方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、後方に押圧された場合(ステップS12:YES)は、ステップS13へ進み、後方に押圧されていない場合(ステップS12:NO)は、ステップS15以下へ進む。
ステップS13では、ステップS12の検証結果より、後列席が後退動作を開始する。尚、後列席の後退動作開始、つまり、座席21cのX2方向への後退動作開始に関する詳細については、ステップS4(図7)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS14では、ステップS11にて後退動作を開始した前列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退し、ステップS13にて後退動作を開始した後列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。
詳しくは、ステップS10にて、搭乗者22aが入力部12aを押圧した時間が、所定時間t以内である場合、座席21aは、所定範囲Ma内において、当該押圧時間、つまり、入力部12aの出力に基づいた所定距離だけX2方向に後退する。また、搭乗者22aが入力部12aを押圧した時間が、当該所定時間を超える場合、座席21aは、所定範囲Ma内における後端位置Ba(図4)まで自動的に後退する。尚、ステップS13にて後退動作を開始した後列席、つまり、座席21cのステップS14における後退動作については、ステップS5(図7)と同様であるため、説明を省略する。
そして、前列席および後列席、つまり、座席21a,21cの移動が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
ステップS15では、ステップS12の検証結果より、後列席を前進させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22cによって、入力部12cが前方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、前方に押圧された場合(ステップS15:YES)は、ステップS16へ進み、前方に押圧されていない場合(ステップS15:NO)は、ステップS17へ進む。
ステップS15の判定がYESの場合、本来ならば、ステップS1(図7),S10,S12,S15の検証結果より、前列席の後退中に、後列席の前進が開始されることになる。
ここで、前列席が後退すると共に後列席が前進した場合、図6のように両座席は互いに接近するため、各座席の移動量によっては、前列席と後列席の間にある物体、例えば、座席21cに着座している搭乗者22cの足(図6中の斜線部)等が、両座席21a,21cによって、双方向(X1方向およびX2方向)から挟み込まれてしまう。
よって、本発明の実施形態である座席制御装置100においては、上述した挟み込みを抑止するための座席制御をステップS16にて行う。
詳しくは、本実施形態の第1実施例においては、先に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を停止し、後に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を禁止する。つまり、ステップS16において、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を停止し、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を禁止する。
本実施形態の第2実施例においては、先に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を停止し、後に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を実行する。つまり、ステップS16において、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を停止し、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を実行する。
本実施形態の第3実施例においては、先に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を実行し、後に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を禁止する。つまり、ステップS16において、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を実行し、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を禁止する。
上述した第1〜第3実施例における座席制御装置100の動作の詳細については、図13のフローチャートを用いて説明する。尚、図13中において、ステップS16aは、ステップS16(図8)にて行われる上述の座席制御の第1実施例であり、ステップS16h,S16iは、ステップS16にて行われる上述の座席制御の第2実施例、ステップS16m,S16nは、ステップS16にて行われる上述の座席制御の第3実施例である。
図13のステップS16aでは、ステップS11(図8)にて後退動作を開始した前列席の後退を停止すると共に、後列席の前進を禁止する。
詳しくは、ステップS10(図8)の検証結果より、ステップS11において、前列席が後退を開始、つまり、座席21aがX2方向への後退を開始しているため、制御部11の制御の下、駆動制御部14aの駆動を停止し、座席21aの後退を停止させる。
また、ステップS15の検証結果より、後列席が前進を開始、つまり、座席21cがX1方向への前進を開始しようとしても、制御部11の制御の下、駆動制御部14cの駆動を禁止し、座席21cの前進を禁止する。
そして、前列席、つまり、座席21aの後退が停止され、後列席、つまり、座席21cの前進が禁止され次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図13のステップS16h,S16iでは、ステップS11にて後退動作を開始した前列席の後退を停止する。また、後列席が前進動作を開始し、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。
詳しくは、ステップS16hでは、ステップS10の検証結果より、ステップS11において、前列席が後退を開始、つまり、座席21aがX2方向への後退を開始しているため、制御部11の制御の下、駆動制御部14aの駆動を停止し、座席21aの後退を停止させる。
また、ステップS15の検証結果より、後列席が前進動作を開始する。尚、後列席の前進動作開始、つまり、座席21cのX1方向への前進動作開始に関する詳細については、ステップS7(図7)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS16iでは、ステップS16hにて、前進動作を開始した後列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。尚、ステップS16hにて前進動作を開始した後列席、つまり、座席21cのステップS16iにおける前進動作については、ステップS8(図7)と同様であるため、説明を省略する。
そして、前列席、つまり、座席21aの後退が停止され、後列席、つまり、座席21cの前進が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図13のステップS16m,S16nでは、ステップS11にて後退動作を開始した前列席の後退を継続し、後列席の前進を禁止する。
詳しくは、ステップS16mでは、ステップS10の検証結果より、ステップS11において、前列席が後退を開始、つまり、座席21aがX2方向への後退を開始しているため、当該座席の後退を継続する。
また、ステップS15の検証結果より、後列席が前進を開始、つまり、座席21cがX1方向への前進を開始しようとしても、制御部11の制御の下、駆動制御部14cの駆動を禁止し、座席21cの前進を禁止する。
ステップS16nでは、ステップS11にて、後退動作を開始した前列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。尚、ステップS11にて後退動作を開始した前列席、つまり、座席21aのステップS16nにおける後退動作については、ステップS14(図8)と同様であるため、説明を省略する。
そして、後列席、つまり、座席21cの前進が禁止され、前列席、つまり、座席21aの後退が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図8のステップS17では、ステップS1(図7),S10,S12,S15の検証結果より、ステップS11にて、後退動作を開始した前列席、つまり、座席21aのみが、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。尚、ステップS11にて後退動作を開始した前列席、つまり、座席21aのステップS17における後退動作については、ステップS14と同様であるため、説明を省略する。
そして、座席21aの後退が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図9のステップS18では、ステップS10(図8)の検証結果より、後列席を後退させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22cによって、入力部12cが後方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、後方に押圧された場合(ステップS18:YES)は、ステップS19へ進み、後方に押圧されていない場合(ステップS18:NO)は、ステップS21以下へ進む。
ステップS19では、ステップS18の検証結果より、後列席が後退動作を開始する。尚、後列席の後退動作開始、つまり、座席21cのX2方向への後退動作開始に関する詳細については、ステップS4(図7)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS20では、ステップS1,S10,S18の検証結果より、ステップS19にて後退動作を開始した後列席、つまり、座席21cのみが、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。尚、ステップS19にて後退動作を開始した後列席、つまり、座席21cのステップS20における後退動作については、ステップS5(図7)と同様であるため、説明を省略する。
そして、後列席、つまり、座席21cの後退が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
ステップS21では、ステップS18の検証結果より、後列席を前進させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22cによって、入力部12cが前方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、前方に押圧された場合(ステップS21:YES)は、ステップS22へ進み、前方に押圧されていない場合(ステップS21:NO)は、ステップS1,S10,S18,S21の検証結果より、当該フローチャートを終了する。
ステップS22では、ステップS21の検証結果より、後列席が前進動作を開始する。尚、後列席の前進動作開始、つまり、座席21cのX1方向への前進動作開始に関する詳細については、ステップS7(図7)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS23では、ステップS1,S10,S18,S21の検証結果より、ステップS22にて前進動作を開始した後列席、つまり、座席21cのみが、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。尚、ステップS22にて前進動作を開始した後列席、つまり、座席21cのステップS23における前進動作については、ステップS8(図7)と同様であるため、説明を省略する。
そして、後列席、つまり、座席21cの前進が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
(2)後席制御操作が先で、前席制御操作が後の場合
次に、座席21cをX1またはX2方向に移動させるための操作が、入力部12cにて先に行われ、座席21aをX1またはX2方向に移動させるための操作が、入力部12aにて後に行われた場合における座席制御装置100の動作について、図10〜図12,図14のフローチャートを用いて詳述する。
図10のステップS31では、後列席を後退させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、座席21cに着座している搭乗者22cによって、入力部12cが後方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、後方に押圧された場合(ステップS31:YES)は、ステップS32へ進み、後方に押圧されていない場合(ステップS31:NO)は、図11のステップS40以下へ進む。
ステップS32では、ステップS31の検証結果より、後列席が後退動作を開始する。詳しくは、搭乗者22cによって、入力部12cが後方に押圧されたため、制御部11の制御の下、駆動制御部14cが、座席21cを後退させるための駆動を開始する。これにより、座席21cがX2方向への後退動作を開始する。
ステップS33では、前列席を前進させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、座席21aに着座している搭乗者22aによって、入力部12aが前方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、前方に押圧された場合(ステップS33:YES)は、ステップS34へ進み、前方に押圧されていない場合(ステップS33:NO)は、ステップS36以下へ進む。
ステップS34では、ステップS33の検証結果より、前列席が前進動作を開始する。詳しくは、搭乗者22aによって、入力部12aが前方に押圧されたため、制御部11の制御の下、駆動制御部14aが、座席21aを前進させるための駆動を開始する。これにより、座席21aがX1方向への前進動作を開始する。
ステップS35では、ステップS32にて後退動作を開始した後列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退し、ステップS34にて前進動作を開始した前列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。
詳しくは、ステップS31にて、搭乗者22cが入力部12cを押圧した時間が、上述した所定時間t以内である場合、座席21cは、所定範囲Mc内において、当該押圧時間、つまり、入力部12cの出力に基づいた所定距離だけX2方向に後退する。また、搭乗者22cが入力部12cを押圧した時間が、当該所定時間を超える場合、座席21cは、所定範囲Mc内における後端位置Bcまで自動的に後退する。
上述と同様、ステップS33にて、搭乗者22aが入力部12aを押圧した時間が、上述した所定時間t以内である場合、座席21aは、所定範囲Ma内において、当該押圧時間、つまり、入力部12aの出力に基づいた所定距離だけX1方向に前進する。また、搭乗者22aが入力部12aを押圧した時間が、当該所定時間を超える場合、座席21aは、所定範囲Ma内における前端位置Faまで自動的に前進する。
そして、前列席および後列席、つまり、座席21a,21cの移動が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
ステップS36では、ステップS33の検証結果より、前列席を後退させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22aによって、入力部12aが後方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、後方に押圧された場合(ステップS36:YES)は、ステップS37へ進み、後方に押圧されていない場合(ステップS36:NO)は、ステップS39へ進む。
ステップS37では、ステップS36の検証結果より、前列席が後退動作を開始する。詳しくは、搭乗者22aによって、入力部12aが後方に押圧されたため、制御部11の制御の下、駆動制御部14aが、座席21aを後退させるための駆動を開始する。これにより、座席21aがX2方向への後退動作を開始する。
ステップS38では、ステップS32にて後退動作を開始した後列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退し、ステップS37にて後退動作を開始した前列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。
詳しくは、ステップS36にて、搭乗者22aが入力部12aを押圧した時間が、所定時間t以内である場合、座席21aは、所定範囲Ma内において、当該押圧時間、つまり、入力部12aの出力に基づいた所定距離だけX2方向に後退する。また、搭乗者22aが入力部12aを押圧した時間が、当該所定時間を超える場合、座席21aは、所定範囲Ma内における後端位置Baまで自動的に後退する。尚、ステップS32にて後退動作を開始した後列席、つまり、座席21cのステップS38における後退動作については、ステップS35と同様であるため、説明を省略する。
そして、前列席および後列席、つまり、座席21a,21cの移動が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
ステップS39では、ステップS31,S33,S36の検証結果より、ステップS32にて後退動作を開始した後列席、つまり、座席21cのみが、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。尚、座席21cのステップS39における後退動作については、ステップS35と同様であるため、説明を省略する。
そして、後列席、つまり、座席21cの移動が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図11のステップS40では、ステップS31(図10)の検証結果より、後列席を前進させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22cによって、入力部12cが前方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、前方に押圧された場合(ステップS40:YES)は、ステップS41へ進み、前方に押圧されていない場合(ステップS40:NO)は、図12のステップS48以下へ進む。
ステップS41では、ステップS40の検証結果より、後列席が前進動作を開始する。詳しくは、搭乗者22cによって、入力部12cが前方に押圧されたため、制御部11の制御の下、駆動制御部14cが、座席21cを前進させるための駆動を開始する。これにより、座席21cがX1方向への前進動作を開始する。
ステップS42では、前列席を前進させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22aによって、入力部12aが前方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、前方に押圧された場合(ステップS42:YES)は、ステップS43へ進み、前方に押圧されていない場合(ステップS42:NO)は、ステップS45以下へ進む。
ステップS43では、ステップS42の検証結果より、前列席が前進動作を開始する。尚、前列席の前進動作開始、つまり、座席21aのX1方向への前進動作開始に関する詳細については、ステップS34(図10)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS44では、ステップS41にて前進動作を開始した後列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進し、ステップS43にて前進動作を開始した前列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。
詳しくは、ステップS40にて、搭乗者22cが入力部12cを押圧した時間が、所定時間t以内である場合、座席21cは、所定範囲Mc内において、当該押圧時間、つまり、入力部12cの出力に基づいた所定距離だけX1方向に前進する。また、搭乗者22cが入力部12cを押圧した時間が、当該所定時間を超える場合、座席21cは、所定範囲Mc内における前端位置Fcまで自動的に前進する。尚、ステップS43にて前進動作を開始した前列席、つまり、座席21aのステップS44における前進動作については、ステップS35(図10)と同様であるため、説明を省略する。
そして、前列席および後列席、つまり、座席21a,21cの移動が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
ステップS45では、ステップS42の検証結果より、前列席を後退させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22aによって、入力部12aが後方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、後方に押圧された場合(ステップS45:YES)は、ステップS46へ進み、後方に押圧されていない場合(ステップS45:NO)は、ステップS47へ進む。
ステップS45の判定がYESの場合、本来ならば、ステップS31(図10),S40,S42,S45の検証結果より、後列席の前進中に、前列席の後退が開始されることになる。
ここで、後列席が前進すると共に前列席が後退した場合、図6のように両座席は互いに接近するため、各座席の移動量によっては、前列席と後列席の間にある物体、例えば、座席21cに着座している搭乗者22cの足(図6中の斜線部)等が、両座席21a,21cによって、双方向(X1方向およびX2方向)から挟み込まれてしまう。
よって、本発明の実施形態である座席制御装置100においては、上述した挟み込みを抑止するための座席制御、つまり、前述したステップS16(図8)と同様の座席制御をステップS46にて行う。
詳しくは、本実施形態の第1実施例においては、先に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を停止し、後に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を禁止する。つまり、ステップS46において、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を停止し、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を禁止する。
本実施形態の第2実施例においては、先に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を停止し、後に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を実行する。つまり、ステップS46において、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を停止し、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を実行する。
本実施形態の第3実施例においては、先に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を実行し、後に操作された入力部の出力に基づく座席の移動を禁止する。つまり、ステップS46において、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を実行し、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を禁止する。
上述した第1〜第3実施例における座席制御装置100の動作の詳細については、図14のフローチャートを用いて説明する。尚、図14中において、ステップS46aは、ステップS46(図11)にて行われる上述の座席制御の第1実施例であり、ステップS46h,S46iは、ステップS46にて行われる上述の座席制御の第2実施例、ステップS46m,S46nは、ステップS46にて行われる上述の座席制御の第3実施例である。
図14のステップS46aでは、ステップS41(図11)にて前進動作を開始した後列席の前進を停止すると共に、前列席の後退を禁止する。
詳しくは、ステップS40(図11)の検証結果より、ステップS41において、後列席が前進を開始、つまり、座席21cがX1方向への前進を開始しているため、制御部11の制御の下、駆動制御部14cの駆動を停止し、座席21cのX1方向への前進を停止させる。
また、ステップS45の検証結果より、前列席が後退を開始、つまり、座席21aがX2方向への後退を開始しようとしても、制御部11の制御の下、駆動制御部14aの駆動を禁止し、座席21aの後退を禁止する。
そして、後列席、つまり、座席21cの前進が停止され、前列席、つまり、座席21aの後退が禁止され次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図14のステップS46h,S46iでは、ステップS41にて前進動作を開始した後列席の前進を停止する。また、前列席が後退動作を開始し、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。
詳しくは、ステップS46hでは、ステップS40の検証結果より、ステップS41において、後列席が前進を開始、つまり、座席21cがX1方向への前進を開始しているため、制御部11の制御の下、駆動制御部14cの駆動を停止し、座席21cの前進を停止させる。
また、ステップS45の検証結果より、前列席が後退動作を開始する。尚、前列席の後退動作開始、つまり、座席21aのX2方向への後退動作開始に関する詳細については、ステップS37(図10)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS46iでは、ステップS46hにて、後退動作を開始した前列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。尚、ステップS46hにて後退動作を開始した前列席、つまり、座席21aのステップS46iにおける後退動作については、ステップS38(図10)と同様であるため、説明を省略する。
そして、後列席、つまり、座席21cの前進が停止され、前列席、つまり、座席21aの後退が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図14のステップS46m,S46nでは、ステップS41にて前進動作を開始した後列席の前進を継続し、前列席の後退を禁止する。
詳しくは、ステップS46mでは、ステップS40の検証結果より、ステップS41において、後列席が前進を開始、つまり、座席21cがX1方向への前進を開始しているため、当該座席の前進を継続する。
また、ステップS45の検証結果より、前列席が後退を開始、つまり、座席21aがX2方向への後退を開始しようとしても、制御部11の制御の下、駆動制御部14aの駆動を禁止し、座席21aの後退を禁止する。
ステップS46nでは、ステップS41にて、前進動作を開始した後列席が、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。尚、ステップS41にて前進動作を開始した後列席、つまり、座席21cのステップS46nにおける前進動作については、ステップS44(図11)と同様であるため、説明を省略する。
そして、前列席、つまり、座席21aの後退が禁止され、後列席、つまり、座席21cの前進が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図11のステップS47では、ステップS31(図10),S40,S42,S45の検証結果より、ステップS41にて、前進動作を開始した後列席、つまり、座席21cのみが、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。尚、ステップS41にて前進動作を開始した後列席、つまり、座席21cのステップS47における前進動作については、ステップS44と同様であるため、説明を省略する。
そして、座席21cの前進が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
図12のステップS48では、ステップS40(図11)の検証結果より、前列席を前進させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22aによって、入力部12aが前方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、前方に押圧された場合(ステップS48:YES)は、ステップS49へ進み、前方に押圧されていない場合(ステップS48:NO)は、ステップS51以下へ進む。
ステップS49では、ステップS48の検証結果より、前列席が前進動作を開始する。尚、前列席の前進動作開始、つまり、座席21aのX1方向への前進動作開始に関する詳細については、ステップS34(図10)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS50では、ステップS31,S40,S48の検証結果より、ステップS49にて前進動作を開始した前列席、つまり、座席21aのみが、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて前進する。尚、ステップS49にて前進動作を開始した前列席、つまり、座席21aのステップS50における前進動作については、ステップS35(図10)と同様であるため、説明を省略する。
そして、前列席、つまり、座席21aの前進が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
ステップS51では、ステップS48の検証結果より、前列席を後退させるためのスイッチが「OFF」状態から「ON」状態に切り替わったか否か、つまり、搭乗者22aによって、入力部12aが後方に押圧されたか否かが、制御部11により検証され、後方に押圧された場合(ステップS51:YES)は、ステップS52へ進み、後方に押圧されていない場合(ステップS51:NO)は、ステップS31,S40,S48,S51の検証結果より、当該フローチャートを終了する。
ステップS52では、ステップS51の検証結果より、前列席が後退動作を開始する。尚、前列席の後退動作開始、つまり、座席21aのX2方向への後退動作開始に関する詳細については、ステップS37(図10)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS53では、ステップS31,S40,S48,S51の検証結果より、ステップS52にて後退動作を開始した前列席、つまり、座席21aのみが、当該動作に係るスイッチの出力に基づいて後退する。尚、ステップS52にて後退動作を開始した前列席、つまり、座席21aのステップS53における後退動作については、ステップS38(図10)と同様であるため、説明を省略する。
そして、前列席、つまり、座席21aの後退が完了次第、次回の座席制御に備えて、今回の座席制御を終了する。
このように、上述した本実施形態の第1実施例においては、先に操作された入力部が入力部12aであり、後に操作された入力部が入力部12cである場合、ステップS16(図8)において、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を停止し、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を禁止する。また、先に操作された入力部が入力部12cであり、後に操作された入力部が入力部12aである場合、ステップS46(図11)において、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を停止し、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を禁止する。
これにより、互いに前後関係にある座席21aと座席21cの一方の移動が停止し、他方の移動も禁止されるので、両座席が接近し合うことを回避することができ、以って、座席21aと座席21cとの間における物体の挟み込みを抑止することが出来る。
上述した本実施形態の第2実施例においては、先に操作された入力部が入力部12aであり、後に操作された入力部が入力部12cである場合、ステップS16において、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を停止し、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を実行する。また、先に操作された入力部が入力部12cであり、後に操作された入力部が入力部12aである場合、ステップS46において、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を停止し、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を実行する。
これにより、互いに前後関係にある座席21aと座席21cの一方が移動しても、他方の移動が停止されるので、両座席が接近し合うことを回避することができ、以って、座席21aと座席21cとの間における物体が、両座席21a,21cにより双方向から挟み込まれることを抑止することが出来る。
上述した本実施形態の第3実施例においては、先に操作された入力部が入力部12aであり、後に操作された入力部が入力部12cである場合、ステップS16において、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を実行し、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を禁止する。また、先に操作された入力部が入力部12cであり、後に操作された入力部が入力部12aである場合、ステップS46において、入力部12cの出力に基づく座席21cの前進を実行し、入力部12aの出力に基づく座席21aの後退を禁止する。
これにより、互いに前後関係にある座席21aと座席21cの一方が移動しても、他方の移動が禁止されるので、両座席が接近し合うことを回避することができ、以って、座席21aと座席21cとの間における物体が、両座席21a,21cにより双方向から挟み込まれることを抑止することが出来る。
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、上記実施形態では、座席制御装置100を自動車等の車両200に適用したが、これに限られず、鉄道車両や船舶、その他の乗物に適用してもよい。
また、上記実施形態においては、車両200を3列シートの車両としたが、これに限られず、3列以上のシートを有する車両に適用し、上述した前後関係にある各座席において、上述の座席制御を行ってもよい。
さらに、上記実施形態では、各座席に着座した搭乗者によって、当該座席の制御を行うための入力部がそれぞれ操作されたが、これに限られず、各座席の制御を行うための入力部を一箇所に集中して設け、1人の搭乗者によって、当該搭乗者が着座している座席の制御を行うための入力部と、当該座席と前後関係にある座席の制御を行うための入力部とが同時に操作されてもよい。