JP2009262489A - 印刷機のインキ供給装置及びそれを備えた印刷機 - Google Patents

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拓司 津川
Yasunobu Harada
泰伸 原田
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康紀 田邊
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Abstract

【課題】刷機のインキ供給装置に関し、装置の損傷等を招くことなく、印刷機の作動に影響を及ぼすことなくインキ呼出ローラの揺動動作を制御することができるようにする。
【解決手段】インキ供給方向上流のインキ元ローラ3と下流のインキローラ6aとの間で揺動して、インキ供給源1のインキ4をインキ元ローラ3からインキローラ6aに供給するインキ呼出ローラ5を有する、印刷機のインキ供給装置であって、インキ呼出ローラ5を揺動させる駆動装置13を、印刷機の駆動源とは独立して設けるように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、インキ供給装置にインキ呼出ローラを備えた、印刷機のインキ供給装置及びそれを備えた印刷機に関するものである。
印刷機におけるインキ供給量は、インキ壷を構成するインキキーとインキ元ローラとの間の隙間量を調整することによってインキキー単位で制御することができる。
例えば図4は輪転印刷機における各色の印刷ユニット内のインキ供給装置(インカー)の要部構成を示す側面図である。図4に示すように、インキ壷1は、底部に複数のインキキー2−1〜2−nを備え、前壁部にインキ元ローラ3を備えており、インキ壷1内のインキ4は、インキキー2−1〜2−nとインキ元ローラ3との隙間からインキ元ローラ3の外周面に供給される。
一方、図示しない版胴にインキを練りながら送給する多数のインキローラで構成されるインキローラ群6が備えられ、インキ元ローラ3と、インキローラ群6の上流部のインキローラ6aとの間には、インキ呼出ローラ5が介装されている。このインキ呼出ローラ5は、インキ元ローラ3とインキローラ6aとの間で揺動(往復動)して、インキ元ローラ3からインキローラ群6にインキ4を供給する。
つまり、インキ呼出ローラ5の外周面がインキ元ローラ3の外周面に接することで、インキ元ローラ3外周面のインキ4がインキ呼出ローラ5外周面に転移して、その後、インキ呼出ローラ5が揺動して、インキ呼出ローラ5の外周面がインキローラ6aの外周面に接することで、インキ呼出ローラ5外周面のインキ4がインキローラ6aの外周面に転移し、インキローラ群6を介して版胴に供給され、図示しないブランケット胴から刷版の絵柄に応じて印刷用紙に転写される。
インキ呼出ローラ5の揺動動作(インキ呼出しのための往復動作)は、通常、インキ受け渡し量を一定にするため、版胴の回転(つまり、印刷機の回転)と同調するように、印刷機と同一の駆動源により行なっている。
インキの供給量は、インキキー開度調整機構20を通じて、インキキー2−1〜2−nとインキ元ローラ3との隙間量(インキキー開度)を調整することによって、インキキーの幅(インキキーゾーン)単位で制御することができる。
インキキー開度調整機構20は、例えば、インキ元ローラ3に対して離接する方向に揺動可能な各インキキー2−1〜2−nの裏面に当接して、インキキー2−1〜2−nをインキ元ローラ3の側に押し付けるプッシャ20aをそれぞれ手動又はモータ駆動により進退駆動させるものとして構成することができる。
これに対し、近年の印刷機では、印刷機の高速化により、印刷用紙へのインキ供給量とインキキー開度のバランスが微妙になり、インキ供給量を安定させるのが困難になってきている。特に、絵柄が少ない印刷物(小絵柄の印刷物)に対しては、インキがインキ供給装置内に余分に供給されてしまい、濃度ムラなどが発生する原因となっている。
そこで、特許文献1に示されたインキ呼出装置では、インキ呼出ローラの揺動を間欠的に停止させることによって、インキ供給装置内へのインキの供給量を少なくし、小絵柄の印刷物における濃度ムラなどの発生を抑えるようにした技術が提案されている。間欠的に停止させるにあたっては、例えば、インキ呼出ローラを往復揺動させる駆動用カムと同軸回転する回転軸の回転数をセンサで検出し、その回転数に対する整数比の割合で、エアシリンダを作動させ、インキ呼出ローラをインキロール側に押し付けて、インキ呼出ローラの往復動作を停止させるようにしている。
しかしながら、特許文献1に開示されたインキ呼出装置では、オペレータがこれから印刷する印刷物の絵柄を見て、或いは、印刷された印刷物を見て、インキ呼出動作の間欠停止を行うか否かを判断しているため、熟練したオペレータでないと正確な判断ができないことがある。この結果、正常な印刷物が得られないことになる。この場合、実際に印刷を開始して濃度ムラ等が発生したことを検出してから、間引き運転に切り換え、インキキーの開度を調整することになり、損紙が増大し、これに応じた余分な運転時間もかかり、オペレータの負担増にもなる。
特許文献2には、このような課題を解決する技術として、インキ呼出動作の間欠停止を行うか否かの判断を自動化したが提案されている。この技術では、インキキーに対するインキ元ローラとの間の隙間量(インキキーの開度)、例えば絵柄面積率に応じて定められる設定値やポテンショメータなどによって検出される実際値が所定値よりも小さいインキキーの数をカウントし、このカウントしたインキツボキーの数が所定数よりも大きい場合に、インキ呼出し回数の間引き運転が必要であると判断し、インキ呼出しロール間欠駆動手段を作動させる。すなわち、小絵柄部の数をカウントし、小絵柄部の数が所定数よりも多い場合に、インキ呼出し動作の間欠停止を行なう。
特開平5−147200号公報(第2−3頁、第1図、第5図) 特開2004−202947
しかしながら、上記の特許文献1,2に開示されたインキ呼出装置では、インキ呼出ローラの揺動動作を印刷機と同一の駆動源により行なっているので、以下のような課題がある。
呼出ローラは高速で揺動しているので、インキ呼出ローラをインキロール側に押し付けて、インキ呼出ローラの揺動動作を強制的に停止させると、インキ呼出ローラの駆動系に大きな負荷が加わり、インキ呼出ローラを往復動作させる機構の破壊やボルト等の緩みやインキ呼出ローラの取付位置のズレによる動作精度の低下などの不具合を招くおそれがある。
また、インキ呼出ローラの揺動停止と揺動とを切り替える際に発生する急激な負荷変動は、駆動源を同じくする印刷機の他の作動要素の作動変動、例えば、版胴やブランケット胴といった印刷胴の回転速度の変動を招き、ダブリやストリークといった印刷障害を招くおそれがある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、装置の損傷等を招くことなく、印刷機の作動に影響を及ぼすことなくインキ呼出ローラの揺動動作を制御することができるようにした、印刷機のインキ供給装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の印刷機のインキ供給装置(請求項1)は、インキ供給方向上流のインキ元ローラと下流のインキローラとの間で揺動して、インキ供給源のインキを前記インキ元ローラから前記インキローラに供給するインキ呼出ローラを有する、印刷機のインキ供給装置であって、前記インキ呼出ローラを前記揺動させる駆動装置が、前記印刷機の駆動源とは独立して設けられていることを特徴としている。
また、予め設定された印刷速度と揺動速度との対応関係に基づいて、前記インキ呼出ローラが印刷速度に対応した揺動速度で揺動するように前記駆動装置を制御する制御装置を備え、前記対応関係は、印刷絵柄の絵柄面積率に応じて複数設けられ、前記制御装置は、印刷する絵柄の絵柄面積率情報に基づいて前記複数の対応関係の中から前記絵柄面積率に応じた対応関係を選定して前記駆動装置を制御することが好ましい(請求項2)。
前記インキ呼出ローラの基体が鋼材からなることが好ましい(請求項3)。
あるいは、前記インキ呼出ローラの基体が繊維強化材料(例えば、炭素繊維強化プラスチック)又はセラミックスからなることが好ましい(請求項4)。
さらに、前記インキ呼出ローラの表面層がリルサン又は銅からなることが好ましい(請求項5)。
あるいは、前記インキ呼出ローラの表面層がゴムからなることが好ましい(請求項6)。
また、前記インキ元ローラを前記インキ呼出ローラとは別個に、一定回転で回転駆動する駆動装置をそなえていることが好ましい(請求項7)。
さらに、前記インキ供給源は、底面部に印刷幅方向に並んで配置された複数のインキキーと、前壁部に前記インキ元ローラとをそなえたインキ壷であって、前記複数のインキキーと前記インキ元ローラとの隙間を調整する調整機構を備えていることが好ましい(請求項8)。
本発明の印刷機(請求項9)は、請求項1〜8の何れか1項に記載の印刷機のインキ供給装置をそなえたことを特徴としている。
本発明の印刷機のインキ供給装置(請求項1)及びこれを用いた印刷機(請求項9)によれば、インキ呼出ローラを揺動させる駆動装置が、印刷機の駆動源とは独立して設けられているので、インキ呼出ローラの揺動を印刷機の作動とは別に自由に制御することができ、インキ呼出ローラの揺動速度を、装置の損傷等を招くことなく且つ印刷機の作動に影響を及ぼすことなく制御することができ、これによりインキの供給を適切に行なうことができて、印刷品質の向上に寄与しうる。
本発明の印刷機のインキ供給装置(請求項2)及びこれを用いた印刷機(請求項9)によれば、制御装置が、印刷する絵柄の絵柄面積率情報に基づいて複数の対応関係の中から絵柄面積率に応じた対応関係を選定して駆動装置を制御するので、インキ呼出ローラの揺動速度を印刷速度だけでなく絵柄面積率にも応じて制御することができ、インキ供給量を印刷速度及び絵柄面積率に応じて適正に制御することができ、印刷品質の向上に寄与しうる。
インキ呼出ローラの基体を鋼材から構成すれば剛性を確保する上で有利であり、インキ元ローラ、又は、下流のインキローラに接触した際の湾曲を抑制することができるので、インキ供給量を適正に調整することができる(請求項3,9)。
また、インキ呼出ローラの基体を繊維強化材料又はセラミックスから構成すれば、インキ呼出ローラを線膨張係数が低い材料で構成するので、温度変化に対するインキ呼出ローラの膨張や収縮の変形が少なく、インキ呼出ローラによるインキ供給精度を高くすることができ、印刷品質の向上に寄与しうる。また、インキ呼出ローラを軽量化しながら剛性を確保する上でも有利であり、駆動装置の負担を軽減することができる。また、高速揺動時のインキ呼出ローラの基体の湾曲を抑制することができるので、インキ供給量を適正に調整するうえで有利になり、印刷品質の向上に寄与しうる(請求項4,9)。
インキ呼出ローラの表面層をリルサン又は銅から構成すれば、高いインキ転移性を発現するようになり、やはりインキ供給量を適正に調整するうえで有利になる(請求項5,9)。
また、インキ呼出ローラの表面層をゴムにより構成しても、一定のインキ転移性を発現し、より一般的な材料でしかも簡素な構成にしながらインキ供給量を適正に調整するうえで有利になる(請求項6,9)。
また、インキ元ローラをインキ呼出ローラとは別個に、一定回転で回転駆動することにより、インキ元ローラからインキ呼出ローラへのインキ供給を安定させることができ、インキ供給量を適正に調整するうえで有利になる(請求項7,9)。
さらに、インキ供給源をインキ壷として、調整機構によって、複数のインキキーとインキ元ローラとの隙間を調整することにより、インキ呼出ローラのみでは困難な更なる細かなインキ供給量調整を行なうことができ、印刷品質の向上に寄与しうる(請求項8,9)。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る印刷機のインキ供給装置を示すもので、図1はそのインキ呼出ローラの要部構成を示す模式的な側面図、図2はその要部構成を示す模式的な側面図、図3はそのインキ呼出ローラの速度関数を示す図である。
図2に示すように、インキ供給現として備えられるインキ壷1は、底部に複数のインキキー2−1〜2−nを備え、前壁部にインキ元ローラ3を備えており、インキ壷1内のインキ4は、インキキー2−1〜2−nとインキ元ローラ3との隙間からインキ元ローラ3の外周面に供給される。
一方、版胴11の側には、インキを練りながら版胴11の外周面に装着された刷版11aの送給する多数のインキローラで構成されるインキローラ群6が備えられ、インキ元ローラ3と、インキローラ群6の上流部のインキローラ6aとの間には、インキ呼出ローラ5が介装されている。このインキ呼出ローラ5は、インキ元ローラ3とインキローラ6aとの間で揺動(往復動)して、インキ元ローラ3からインキローラ群6にインキ4を供給する。
つまり、インキ元ローラ3は、回転駆動されながら、その外周面にインキキー2−1〜2−nとの隙間からインキ壷1内のインキを膜状に転写される。そして、インキ呼出ローラ5の外周面がインキ元ローラ3の外周面に接することで、インキ元ローラ3外周面のインキ4がインキ呼出ローラ5外周面に転移して、その後、インキ呼出ローラ5が揺動して、インキ呼出ローラ5の外周面がインキローラ6aの外周面に接することで、インキ呼出ローラ5外周面のインキ4がインキローラ6aの外周面に転移する。このインキローラ6aに転移したインキは、インキローラ群6を介して版胴11外周面の刷版11a上に供給され、刷版11aに接触するブランケット胴12のブランケット12aの表面から刷版11aの絵柄に応じて印刷用紙に転写される。
刷版11aへのインキ供給量の調整は、インキキー2−1〜2−nとインキ元ローラ3との隙間量(インキキー開度)を調整すること(インキキー開度調整)と、インキ元ローラ3の回転速度の調整と、インキ呼出ローラ5の揺動速度の調整とで行なうことができる。このうち、インキキー開度は、インキキーゾーン毎に調整できるため、例えば、印刷絵柄に対して部分的にインキ濃度を微調整することができるが、インキ元ローラ3の回転速度調整や、インキ呼出ローラ5の揺動速度調整は、印刷絵柄の全体に対する調整しかできない。そこで、印刷絵柄の全体に対するインキ調整には、インキ元ローラ3の回転速度調整又はインキ呼出ローラ5の揺動速度調整を用い、部分的にインキ濃度を微調整するには、インキキー開度調整を用いることになる。
本装置では、インキ元ローラ3の回転速度は基本的に一定速度とし、印刷絵柄の全体に対するインキ調整に、インキ呼出ローラ5の揺動速度調整を用いている。
このため、インキ呼出ローラ5を揺動させる駆動装置(アクチュエータ)13として、図1に示すように、印刷機の駆動源とは独立したものが設けられている。
なお、図示しないが、インキ元ローラ3についても専用の駆動源(駆動装置)が備えられ、印刷速度によらずインキ元ローラ3を一定速度で回転させることができるようになっている。
インキ呼出ローラ5揺動用の駆動装置13は、一端14aでインキ呼出ローラ5を支持するアーム14と、このアーム14を回転自在に枢支する支持ピン15と、アーム14の一端14bに回転自在に装備されたコロ16と、このコロ16が走行又は摺接するカム面17aを有するカム17と、このカム17を回転駆動するモータ18とから構成される。カム面17aは外径の大きい部分(大径部)と外径の小さい部分(小径部)とが滑らかに連続するように構成され、カム17の回転に応じてアーム14が揺動し、インキ呼出ローラ5がインキ元ローラ3とインキローラ6aとの間で揺動するようになっている。
ここでは、アーム14は支持ピン15において「くの字」に屈曲しているが、アーム14の形状はこれに限らず、直線状であってもよい。また、ここでは、カム面17aは大径部と小径部とが1つずつあり、カム17が1回転するとアーム14及びインキ呼出ローラ5が1往復するようになっているが、カム面17aの大径部と小径部とを増やして、カム17の1回転に対して、アーム14及びインキ呼出ローラ5がこれよりも多く往復動するように構成してもよい。
そして、モータ18の作動を制御するコントローラ(制御装置)19が設けられ、モータ18は、コントローラ19を通じてインキ呼出ローラ5の揺動速度が所定の状態になるように作動を制御される。
なお、図示しないが、インキ元ローラ3についても専用の駆動源が備えられ、印刷速度によらずインキ元ローラ3を一定速度で回転させることができるようになっている。
ところで、このようなインキ呼出ローラ5の揺動速度を調整するのは、前述のように、印刷絵柄の全体に対するインキ供給量を調整したいためであるが、この印刷絵柄の全体に対するインキ供給量の調整は、通常、印刷速度に応じて必要になる。つまり、印刷速度が速くなるほど、必要なインキ供給量(単位時間当たりの供給量)は増大するので、印刷速度が速くなるほど、インキ呼出ローラ5の揺動速度を速くすることが必要になる。
また、印刷絵柄の全体に対するインキ供給量は、印刷絵柄のインキ要求に応じたものにすることが必要である。つまり、印刷絵柄の絵柄面積率が高いと印刷時にそれだけ多量のインキを消費するため、必要なインキ供給量も多くなるが、印刷絵柄の絵柄面積率が低いと印刷時にあまり多くのインキは消費しないため、必要なインキ供給量も少なくなる。
そこで、本装置では、インキ呼出ローラ5の揺動速度、即ち、インキ呼出ローラ5の揺動駆動するモータ18の回転速度を、印刷速度と、印刷絵柄の絵柄面積率とに基づいて、制御するようにしている。
具体的には、例えば、図3に示すような、印刷速度と、これに対する必要インキ供給量に応じたインキ呼出ローラ5の揺動速度との対応関係(インキ速度関数)が、予めマップ或いはテーブル等として図示しないメモリに記憶されており、コントローラ19では、このインキ速度関数から印刷速度に対応したインキ呼出ローラ5の揺動速度(モータ18の回転速度)を求めて、インキ呼出ローラ5の揺動速度がこの求められた速度(目標揺動速度)となるようにモータ18の回転速度を制御する。
ただし、インキ速度関数は、図3中に実線で示すように、印刷絵柄の絵柄面積率が基準値よりも大きい場合に用いるものと、図3中に破線で示すように、印刷絵柄の絵柄面積率が基準値以下の場合に用いるものとが用意され、印刷絵柄の絵柄面積率情報に基づいて、いずれかのインキ速度関数を選択して使用される。
なお、ここで、絵柄面積率とは、印刷可能な領域(つまり、刷版全体)に対する絵柄部分(画線部)の面積の割合であり、製版情報等の印刷情報から算出することができる。したがって、コントローラ19では、このような印刷情報から絵柄面積率に関する情報を選び出してかかる絵柄面積率を算出してもよく、或いは、絵柄面積率自体を入力されるように構成してもよい。また、このように規定される絵柄面積率に関して予め基準値を設けておくことになる。
なお、印刷速度情報は、図示しないが、印刷機に装備されたエンコーダ等の速度検出センサの検出情報をコントローラ19に取り込むようにすればよい。
ところで、本装置のインキ呼出ローラ5は、その基体として、一般的な鋼材を用いる場合が多い。これは、インキ元ローラ、又は、下流のインキ練りローラに接触した際に発生する反力によるたわみが、均一なインキ供給を阻害する為、高い剛性が必要とされるからである。また、例えば、炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)等の繊維強化材料やセラミックスなどのように鋼よりも比重が小さく、剛性が比較的高い、いわゆる比鋼性の高い材料が用いられることも多い。これは、インキ呼出ローラを軽量化しながら剛性を確保する上でも有利であり、駆動装置の負担を軽減することができるとともに、高速揺動時のインキ呼出ローラの基体の湾曲を抑制することができるので、インキ供給量を適正に調整するうえで有利になる。
なお、繊維強化材料としては、上記のCFRP等の繊維強化プラスチックのほかに、CFRM等の繊維強化金属の適用も考えられる。
さらに、本装置のインキ呼出ローラ5は、このような基体の外周面に、ゴムからなる表面層が設けられている。
また、インキ呼出ローラ5を支持するアーム14についても、軽量化しながら剛性を確保するという観点からは、一般的な鋼をはじめとした金属材料のほか、CFRP等の繊維強化プラスチックや、CFRM等の繊維強化金属の適用も考えられる。
本発明の一実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置は上述のように構成されており、インキ呼出ローラ5を揺動させる駆動装置13が、印刷機の駆動源とは独立して設けられているので、インキ呼出ローラ5の揺動を印刷機の作動とは別に自由に制御することができる。したがって、インキ呼出ローラ5の揺動速度を、装置の損傷等を招くことなく且つ印刷機の作動に影響を及ぼすことなく制御することができる。
つまり、インキ呼出ローラの揺動動作の駆動源を印刷機と同じくするものにおいては、インキ呼出ローラの揺動動作を印刷機とは別に制御することができず、インキ呼出ローラの揺動動作を強制的に停止させるほか調整の手段はなく、これでは、インキ呼出ローラの駆動系に大きな負荷が加わりこれに応じた不具合を招くだけでなく、印刷機の他の作動要素の作動変動も招き、印刷障害を発生させる原因にもなるが、本インキ供給装置によれば、ンキ呼出ローラの駆動系に大きな負荷が加わることもなく、印刷機の他の作動要素への影響もない。
また、図3中に示す絵柄面積率大のインキ速度関数と絵柄面積率小のインキ速度関数とを、コントローラ19が、印刷絵柄の絵柄面積率に基づいて選択的に使用して、インキ呼出ローラ5の揺動速度を印刷速度及び絵柄面積率に応じて制御することにより、インキ供給量を印刷速度及び絵柄面積率に応じて適正に制御することができ、印刷品質の向上に寄与しうる。
また、このとき、インキ元ローラ3は低速回転とされるので、インキ元ローラ3からインキ呼出ローラ5へのインキ供給が安定し、インキ供給量の制御精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態の場合、インキ速度関数として絵柄面積率大のものと絵柄面積率小のものとの2つのみを用意しているので、インキ呼出ローラ5の揺動制御をシンプルに行なえる半面、インキ速度関数インキ呼出ローラ5の揺動制御だけでは、絵柄全体的に、或いは、絵柄の部分的に、インキ供給量が過不足することが考えられるが、この場合には、各インキキー開度を適宜制御すればよい。
また、インキ呼出ローラ5が、インキ元ローラ、又は、下流のインキ練りローラに接触した際に反力によるたわみ発生し、このたわみが均一なインキ供給を阻害するが、インキ呼出ローラ5の基体を一般的な鋼材から構成する場合、低コストで高い剛性を容易に確保することができ、上記のたわみの発生が抑制され、均一なインキ供給をする上で有利になる。したがって、インキ供給量を適正に調整でき、印刷品質の向上に寄与しうる。
また、インキ呼出ローラ5の基体を繊維強化材料又はセラミックスから構成した場合も、インキ呼出ローラ5によるインキ供給精度を高くすることができ、印刷品質の向上に寄与しうる。また、インキ呼出ローラ5を軽量化しながら剛性を確保することができ、均一なインキ供給をする上で有利になる。
インキ呼出ローラの表面層をゴムにより構成することで、一般的な材料を用いて一定のインキ転移性を発現させることができ、簡素な構成で低コストにインキ供給量を適正に調整するうえで有利な構成となる。
さらに、インキ呼出ローラ5を、このような基体の外周面に、リルサン(アトフィナ・ジャパン株式会社の11−ポリアミドや12−ポリアミドの商品名)や銅などのようなインキ転移性の優れた材料からなる表面層が必要最小限の厚さ(軸心方向の熱膨張に影響を与えない程度に薄い厚さ)で設けられていてもよい。
このように、インキ呼出ローラ5の表面層をリルサン又は銅から構成することにより、高いインキ転移性を発現するようになり、やはりインキ供給量を適正に調整するうえで有利になる。
また、インキ呼出ローラ5を支持するアーム14についても、CFRP等の繊維強化プラスチックや、CFRM等の繊維強化金属を適用することで、軽量化しながら剛性を確保することができ、駆動装置13の負担を軽減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、インキ速度関数については絵柄面積率に対して2つだけでなく、より多くのものを用意すれば、絵柄面積率に対してより高精度にインキ供給量を制御することができる。
また、インキ呼出ローラ5やアーム14等の材料についても、種々の観点から種々のものを適用することができる。
さらに、駆動装置13も、少なくとも、印刷機の駆動源とは独立して設けられていればよく、上記の実施形態に示す具体的な構成に限るものではない。
本発明の一実施形態としての印刷機のインキ供給装置のインキ呼出ローラの要部構成を示す模式的な側面図である。 本発明の一実施形態としての印刷機のインキ供給装置の要部構成を示す模式的な側面図である。 本発明の一実施形態としての印刷機のインキ供給装置に用いるインキ呼出ローラの速度関数を示す図である。 従来の印刷機のインキ供給装置の要部構成を示す模式的な側面図である。
符号の説明
1 インキ壷
2−1〜2−n インキキー
3 インキ元ローラ
4 インキ
5 インキ呼出ローラ
6 インキローラ群
6a インキローラ
11 版胴
11a 刷版
12 ブランケット胴
12a ブランケット
13 駆動装置(アクチュエータ)
14 アーム
15 支持ピン
16 コロ
17 カム
17a カム面
18 モータ
19 コントローラ
20 インキキー開度調整機構
20a プッシャ

Claims (9)

  1. インキ供給方向上流のインキ元ローラと下流のインキローラとの間で揺動して、インキ供給源のインキを前記インキ元ローラから前記インキローラに供給するインキ呼出ローラを有する、印刷機のインキ供給装置であって、
    前記インキ呼出ローラを前記揺動させる駆動装置が、前記印刷機の駆動源とは独立して設けられている
    ことを特徴とする、印刷機のインキ供給装置。
  2. 予め設定された印刷速度と揺動速度との対応関係に基づいて、前記インキ呼出ローラが印刷速度に対応した揺動速度で揺動するように前記駆動装置を制御する制御装置を備え、
    前記対応関係は、絵柄面積率に応じて複数設けられ、
    前記制御装置は、印刷絵柄の絵柄面積率情報に基づいて前記複数の対応関係の中から前記印刷絵柄の絵柄面積率に応じた対応関係を選定して前記駆動装置を制御する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機のインキ供給装置。
  3. 前記インキ呼出ローラの基体が鋼材からなる
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の印刷機のインキ供給装置。
  4. 前記インキ呼出ローラの基体が繊維強化材料又はセラミックスからなる
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の印刷機のインキ供給装置。
  5. 前記インキ呼出ローラの表面層がリルサン又は銅からなる
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷機のインキ供給装置。
  6. 前記インキ呼出ローラの表面層がゴムからなる
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷機のインキ供給装置。
  7. 前記インキ元ローラを前記インキ呼出ローラとは別個に、一定回転で回転駆動する駆動装置をそなえている
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の印刷機のインキ供給装置。
  8. 前記インキ供給源は、底面部に印刷幅方向に並んで配置された複数のインキキーと、前壁部に前記インキ元ローラとをそなえたインキ壷であって、前記複数のインキキーと前記インキ元ローラとの隙間を調整する調整機構を備えている
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の印刷機のインキ供給装置。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の印刷機のインキ供給装置をそなえた
    ことを特徴とする、印刷機。
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