JP2021084300A - 孔版印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷の作業効率を損なわずに、インク溜まりのインク量の分布を均等化させることが可能な孔版印刷装置を提供する。【解決手段】印刷ドラムに内接するスキージローラとドクターローラとの間のインク受け部23にインクを貯留してインク溜まり(IR)を形成し、印刷ドラム及びスキージローラを回転させて、インク溜まりから印刷ドラムにインクを供給して印刷を行う孔版印刷装置において、インク受け部から退避した退避位置と、インク受け部内に進出する進出位置とに動作可能で、退避位置から進出位置への移動によって、印刷ドラムの回転軸方向でのインク溜まりのインク量の分布を均等化させるインク均等化手段30を備えるようにした。【選択図】図4

Description

本発明は、孔版印刷装置に関する。
孔版印刷装置では、印刷ドラムに孔版原紙を巻装し、印刷ドラム内に形成したインク溜まりから印刷ドラムにインクを供給し、印刷ドラムを回転駆動させながら用紙を給紙して印刷を行う。
インク溜まりは、印刷ドラムの回転軸方向に延びている。印刷によるインクの消費量は、印刷ドラムの回転軸方向においてばらつく場合があり、ベタ塗りのような印字率の高い部分では消費量が多くなり、印字率の低い部分では消費量が少なくなる。これに応じて、インク溜まりのインク量に偏りが生じる。インク量の偏りが大きくなると、インク量が少ない部分で印刷画像にかすれなどが生じたり、インク量の偏りに起因する濃度ムラが生じたりして、印刷品質に影響が及んでしまう。また、インク溜まりのインク量に偏りがある状態で、インク量の少ない箇所に対応したインク供給を行うと、インク量の多い箇所で供給過多になりインクのオーバーフローが生じるおそれがある。そのため、インク溜まりのインク量の偏りを解消することが求められる。
従来の孔版印刷装置で、インク溜まりが形成されるインク受け部に、印刷ドラムの回転軸方向に延びる駆動棒を設け、駆動棒の回転によってインク溜まりのインクを回転軸方向に延ばす技術が知られている。駆動棒は、インク溜まりへのインクの供給を妨げないように配置や大きさの制約がある。そのため、駆動棒よりも迅速且つ効率的にインク量の偏りを解消する手段を得たいという要求があった。
例えば、特許文献1には、インク溜まりのインク量の偏りをセンサなどの検出手段で検出し、検出手段がインク量の偏りを検出した場合に、用紙の給紙を停止しつつ印刷ドラムを回転駆動するアイドリング動作を行うことで、インク量の偏りを解消する技術が記載されている。より詳しくは、印刷ドラムに内接するスキージローラと、スキージローラに近接配置したドクターローラとの間にインク受け部を形成しており、印刷ドラムの回転に応じてスキージローラが回転することで、インク受け部に貯留されたインク溜まりのインク偏りを解消する。
特許文献2には、ドクターローラをインクローラの回転軸方向に往復移動自在にして、ドクターローラを往復動作させることにより、インク溜まりにおける古いインクと新たに供給されたインクの混合を促進させて濃度差を解消し、且つインク量の偏りを解消するという技術が記載されている。
特開2012−250363号公報 特開2001−205915号公報
特許文献1に記載の技術は、インク量の偏りを検出した場合に、用紙の給紙を停止する(印刷を継続しない)アイドリング動作によってインク量の偏りを解消する。そのため、アイドリング動作による待ち時間が生じ、印刷の生産性が低下するという課題があった。
特許文献2に記載の技術は、インク溜まりのインク渦径が大きい場合に、ドクターローラからの距離が大きい領域でのインク量の偏り防止には十分な効果が得られない可能性があった。
本発明の目的は、印刷の作業効率を損なわずに、インク溜まりのインク量の分布を均等化させることが可能な孔版印刷装置を提供することである。
本発明は、印刷ドラムに内接するスキージローラとドクターローラとの間のインク受け部にインクを貯留してインク溜まりを形成し、前記印刷ドラム及び前記スキージローラを回転させて、前記インク溜まりから前記印刷ドラムに前記インクを供給して印刷を行う孔版印刷装置において、前記インク受け部から退避した退避位置と、前記インク受け部内に進出する進出位置とに動作可能で、前記退避位置から前記進出位置への移動によって、前記印刷ドラムの回転軸方向での前記インク溜まりのインク量の分布を均等化させるインク均等化手段を備えることを特徴とする。
本発明の孔版印刷装置によれば、インク受け部から退避した退避位置と、インク受け部内に進出する進出位置とに動作するインク均等化手段によって、印刷の作業効率を損なわずに、インク溜まりのインク量の分布を均等化させることができる。
孔版印刷装置の概略構成を示すブロック図である。 孔版印刷装置の部分拡大図である。 第1の実施形態のインク均等化手段で、インク溜まりのインク量の均等化を行う前の状態を示す図である。 第1の実施形態のインク均等化手段で、インク溜まりのインク量の均等化を行った状態を示す図である。 第2の実施形態のインク均等化手段で、インク溜まりのインク量の均等化を行う前の状態を示す図である。 第2の実施形態のインク均等化手段で、インク溜まりのインク量の均等化を行った状態を示す図である。 第2の実施形態のインク均等化手段によってインク溜まりを覆った状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は孔版印刷装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は孔版印刷装置の一部を拡大した図である。まず、図1と図2を参照して、孔版印刷装置の概略を説明する。
図1に示すように、孔版印刷装置10は、原稿を読み取る原稿読取部11と、原稿読取部11で読み取られた画像情報に基づいて孔版原紙に製版処理を行う製版部12と、製版部12で製版された孔版原紙を用いて印刷用紙に印刷を行う印刷部13と、を有する。給紙部14から印刷部13に印刷用紙が給紙され、印刷部13での印刷済みの印刷用紙が排紙部15に排出される。孔版印刷装置10の各部は、制御部16によって統括的に制御される。
図2に示すように、印刷部13は、円筒状の印刷ドラム20と、印刷ドラム20の内側に設けたスキージローラ21と、スキージローラ21に近接して配置されるドクターローラ22と、を有している。
印刷ドラム20は、その軸線方向(図2の紙面に垂直な方向)に延びる回転軸を中心として回転可能に支持されており、ドラム駆動部(図示略)の駆動力によって回転駆動される。印刷ドラム20はインク通過性を有し、印刷ドラム20の外周面には、製版部12で製版された孔版原紙(図示略)が巻装される。
スキージローラ21とドクターローラ22はそれぞれ、印刷ドラム20の回転軸方向に延びる円筒状部材である。スキージローラ21は、印刷ドラム20の回転軸と平行な回転軸を中心として回転可能に支持されている。ドクターローラ22は、スキージローラ21と所定の隙間を空けて固定されている。
スキージローラ21とドクターローラ22の間に、印刷ドラム20の回転軸方向に延びるインク受け部23が形成される。インク受け部23にインク供給手段24からインクが供給される。インク供給手段24は、インクが充填されるインクボトル24aと、インクボトル24aからのインクをインク受け部23に吐出するインク吐出部24bと、を有している。インク供給手段24から供給されたインクは、インク受け部23に貯留されて、印刷ドラム20の回転軸方向に延びるインク溜まりIRを形成する。
インク溜まりIRとして貯留されたインクは、スキージローラ21とドクターローラ22の隙間によって供給量を調整されながら、スキージローラ21の外周面上にインク膜を形成する。スキージローラ21は、印刷ドラム20の内周面に対して僅かな隙間を空けて配置されており、スキージローラ21の外周面上のインク膜を介して印刷ドラム20の内周面に内接する。印刷の際に、印刷ドラム20は図2中のF1方向に回転し、これに伴ってスキージローラ21がF2方向に回転する。スキージローラ21がF2方向に回転すると、インク溜まりIRからインクが引き出されて、印刷ドラム20への内接部分にインクが供給される。
インク受け部23には、インク駆動棒25が設けられている。インク駆動棒25は、印刷ドラム20の回転軸方向に延びており、図示を省略する駆動手段によって回転駆動される。スキージローラ21とインク駆動棒25の回転によって、インク溜まりIRのインクが流動し、インクが印刷ドラム20の回転軸方向に延ばされる。
印刷ドラム20の外側にはプレスローラ26が設けられている。印刷ドラム20の回転に同期して、給紙部14から搬送された印刷用紙Pが印刷ドラム20とプレスローラ26の間に供給される。プレスローラ26によって、印刷ドラム20の外周面上の孔版原紙に印刷用紙Pが圧接される。この圧接により、印刷ドラム20からのインクが孔版原紙の孔を通過して印刷用紙Pに移って、孔版印刷が行われる。印刷ドラム20がF1方向に所定量回転して、1枚の印刷用紙Pに対する印刷が終了すると、印刷済の印刷用紙Pが印刷ドラム20から剥がされて、排紙部15に排紙される。
印刷部13で印刷を行うと、インク溜まりIRのインクがスキージローラ21を介して印刷ドラム20に供給されて消費される。インク受け部23の近傍には、インク溜まりIRのインク量を検出するインクセンサ27が設けられている。インクセンサ27によってインク溜まりIRのインクの減少が検出されると、制御部16はインク供給手段24からのインク供給を行わせて、消費された分のインクを補う。
以上の孔版印刷装置10では、印字の内容に応じて、印刷の際に使用されるインク量が、印刷ドラム20の回転軸方向(印刷用紙Pの幅方向)で異なる。すると、インク溜まりIRにおいて、図3に示すようなインク量の偏り(印刷ドラム20の回転軸方向に仮想的に区画した複数の領域間でのインク量の不均一)が生じる。特に、孔版印刷は、同一の画像を連続して大量に印刷する場合に用いられることが多く、印刷枚数が多量になると、このようなインク量の偏りが顕著になる。
本実施の形態の孔版印刷装置10は、印刷の作業効率を損なわずに、インク溜まりIRのインク量の分布を均等化させることが可能なインク均等化手段を備えている。図3及び図4は、インク均等化手段の第1の実施形態を示しており、図5から図7は、インク均等化手段の第2の実施形態を示している。なお、図1には、印刷部13の構成要素として、第1の実施形態に対応するシャトル駆動部32と、第2の実施形態に対応する揺動駆動部41の両方を記載しているが、第1の実施形態ではシャトル駆動部32のみを備え、第2の実施形態では揺動駆動部41のみを備えるものとする。
図3及び図4を参照してインク均等化手段の第1の実施形態を説明する。第1の実施形態は、スキージローラ21の近傍に設けられて印刷ドラム20の回転軸方向に延びるガイド軸31と、ガイド軸31に沿って直線的に移動可能に支持されるシャトル部材30とを有しており、シャトル部材30がインク均等化手段を構成する。
ガイド軸31はスキージローラ21よりも長く、ガイド軸31の両端は、印刷ドラム20の回転軸方向においてスキージローラ21の両端よりも突出している。ガイド軸31に沿うシャトル部材30の移動範囲は、スキージローラ21の軸方向の長さの範囲内である進出位置と、スキージローラ21の軸方向の長さの範囲外である退避位置とを含んでいる。退避位置では、シャトル部材30は、インク受け部23の外側(印刷ドラム20の回転軸方向で外れた位置)に退避しており、スキージローラ21の外周面に対向しない。進出位置では、シャトル部材30は、インク受け部23の内部(印刷ドラム20の回転軸方向で重なる位置)に進入し、スキージローラ21の外周面との間に所定の間隔を開けて対向する。この進出位置でのシャトル部材30とスキージローラ21との間隔は、図3に示すインク量の偏りを、シャトル部材30によって均すことが可能なように設定される。
シャトル部材30は、シャトル駆動部32の駆動力によってガイド軸31に沿って移動する。制御部16がシャトル駆動部32の駆動を制御する。シャトル駆動部32は特定の構成に限定されるものではない。例えば、ガイド軸31と平行に延びる送りネジを備え、該送りネジに螺合するナットをシャトル部材30に設け、送りネジの回転駆動によってシャトル部材30をガイド軸31に沿って移動させることができる。あるいは、ガイド軸31に沿う直線方向の移動力をシャトル部材30に付与できる別種のリニアアクチュエータなどを用いてもよい。
インク溜まりIRのインク量の偏りを検出する検出手段として、複数のインクセンサ27を備えている。複数のインクセンサ27は、印刷ドラム20の回転軸方向に所定の間隔で配置されており、各インクセンサ27が備える検出プローブ27aがインクに接触すると、インクセンサ27からインク検出信号が出力される。制御部16に機能ブロックとして含まれるインクモニタ部28(図1)は、複数のインクセンサ27からの出力に基づいて、印刷ドラム20の回転軸方向で仮想的に区画した複数の領域毎に、インク溜まりIRが所定量のインクを有しているか否かを検出する。すなわち、インクモニタ部28は、インク溜まりIRのインク量の偏りの有無を判定する。
例えば、図3では、右側のインクセンサ27の検出プローブ27aがインクに接触する一方で、左側のインクセンサ27の検出プローブ27aがインクに対し非接触になっており、インクモニタ部28はインク溜まりIRでインク量の偏りが生じていると判定する。なお、図3及び図4では模式的に2つのインクセンサ27を示しているが、これは簡略化した一例であり、インクセンサ27の数や間隔は、要求される検出精度などに応じて任意に選択される。
インクモニタ部28によりインク溜まりIRのインク量の偏りが検出された場合、制御部16は、シャトル駆動部32に駆動信号を送り、シャトル部材30をガイド軸31に沿って移動させる。シャトル部材30を移動させるときには、制御部16は、インク供給手段24からのインク供給を停止する。
シャトル部材30が退避位置から進出位置に移動すると、図4のように、インク溜まりIRのインクの偏りがシャトル部材30によって均される。より詳しくは、インク量が多い領域をシャトル部材30が通過する際にインクを押し広げ、インク量が少ない領域へのインクの流動が促されて、インク量の偏りが低減される。シャトル部材30は、ガイド軸31上の一方の退避位置から他方の退避位置まで、少なくとも1回(半往復)移動される。これにより、スキージローラ21の軸方向範囲の全体をシャトル部材30が通過して、インク溜まりIRのインク量が均等化される。
なお、シャトル部材30の移動は1回(半往復)のみに限られず、シャトル部材30を2回(1往復)、あるいはそれ以上の回数で往復移動させてもよい。シャトル部材30の移動を完了するタイミング(シャトル部材30の移動回数)は、インクセンサ27及びインクモニタ部28によってインク量の偏りが検出されなくなるまでとすることができる。あるいは、予め定められた規定の回数でシャトル部材30を移動させてもよい。
シャトル部材30の動作後に、制御部16は、シャトル部材30を退避位置で停止させるようにシャトル駆動部32を制御する。シャトル部材30を退避位置で停止させることにより、インク供給手段24からインク受け部23へのインク供給をシャトル部材30が妨げることを回避できる。また、スキージローラ21とインク駆動棒25の回転によるインク溜まりIRのインクの流動に対して、シャトル部材30が影響を及ぼすことを回避できる。
シャトル部材30の駆動は、印刷作業の停止を要さず、印刷作業中に行うことができる。これにより、印刷の生産性を低下させずにインク量の偏りを解消できる。
以上の説明では、シャトル部材30の動作によるインク量の均等化を、複数のインクセンサ27の検出結果に基づいて行うものとしたが、インクセンサ27の検出結果以外に基づいてシャトル部材30の動作を行わせることもできる。
例えば、印刷ドラム20の回転軸方向における印刷時のインク使用量の分布は、制御部16に入力される印刷物の印字データ(印刷用紙Pに印刷する画像の内容)に基づいて判定することができる。従って、所定枚数印刷したときのインク溜まりIRのインク量の偏りを、制御部16において印刷物の印字データから予測(演算)し、印刷品質に影響するようなインク量の偏りが生じると想定されるタイミングで、制御部16がシャトル部材30を動作させることが可能である。
また、孔版印刷装置10を操作する作業者のマニュアル入力によって、シャトル部材30の動作を行わせることも可能である。例えば、孔版印刷装置10の操作入力部に、作業者によるインク量均等化の指示を受け付けるモードを設定し、当該モードによる指示信号が入力されたら、制御部16が所定の周期(所定の印刷枚数経過毎など)でシャトル部材30を動作させるように構成することができる。
あるいは、上述したインクセンサ27による検出結果や上述した印字データに基づいて、インク溜まりIRでのインク量の偏りが検出又は想定される場合に、制御部16が表示パネルへの表示や音声によって警告を発するようにする。そして、この警告を受けた作業者が、操作入力部に指示を入力して、シャトル部材30を動作させるようにしてもよい。
図3及び図4の構成では、1つのシャトル部材30のみを備えているが、ガイド軸31の軸線上に位置を異ならせて、複数のシャトル部材30を設けることも可能である。複数のシャトル部材30を設けて、個々のシャトル部材30が担当する動作範囲を狭くすることで、インク量の均等化に要する時間を短縮できる。なお、複数のシャトル部材30を設ける場合、インク量均等化の動作が完了したら、全てのシャトル部材30を退避位置に移動させることが好ましい。
続いて、図5から図7を参照して、インク均等化手段の第2の実施形態を説明する。なお、図5から図7では図示を省略しているが、上述した複数のインクセンサ27を備え、インク溜まりIRのインク量の分布を検出可能となっている。
第2の実施形態のインク均等化手段は、印刷ドラム20の回転軸と平行な回転軸40xを中心として揺動する揺動部材40を有している。揺動部材40は、回転軸40xを中心とする扇形の断面形状であり、回転軸40xと反対の先端部分に円弧面40aを有している。揺動部材40は、印刷ドラム20の回転軸方向に延びており、スキージローラ21の軸方向範囲全体をカバーする長さを備えている。揺動部材40は、図5に示す退避位置と、図6及び図7に示す進出位置とに揺動する。
揺動部材40は、揺動駆動部41の駆動力によって揺動する。制御部16が揺動駆動部41の駆動を制御する。揺動駆動部41は特定の構成に限定されるものではない。一例として、回転軸40xの軸端にギヤを設け、このギヤに対してモータと減速ギヤ列によって駆動力を伝達することができる。
図5に示すように、揺動部材40の退避位置はインク受け部23の外側(上方)に退避した位置である。退避位置にある揺動部材40は、インク溜まりIRのインクに接触せず、且つインク供給手段24からインク受け部23へのインク供給を妨げない。
図6に示すように、揺動部材40が退避位置から進出位置に移動すると、揺動部材40がインク受け部23の内部に進入する。より詳しくは、揺動部材40の円弧面40aが、スキージローラ21の外周面とドクターローラ22の外周面の間を塞ぐように位置する。そして、スキージローラ21とドクターローラ22と揺動部材40によって囲まれる、側面視で略三角形状の空間が形成される。
図6に示すように、退避位置から進出位置に移動する揺動部材40は、インク溜まりIRのうち、インク量が多い(供給過多になっている)部分のインクを掻き取る。掻き取られたインクIMは、揺動部材40によって均されながら、スキージローラ21の外周面に沿って広げられる。制御部16は、インク掻き取り後に、揺動駆動部41を駆動させて揺動部材40を進出位置から退避位置に戻す。そして、スキージローラ21がF2方向に回転すると、掻き取られたインクIMがインク溜まりIRのインクと混合され、インク溜まりIRのインク量が均等化される。揺動部材40は、図示はないが、印刷ドラム20の回転軸方向でインク受け部23の全域に対応する長さを有しているため、インク溜まりIRの全体に亘って確実にインク量を均等化させることができる。
なお、図6で示す位置よりもさらに反時計方向へ揺動部材40を回転させて、掻き取られたインクIMを円弧面40aで均すような動作を行わせてもよい。
揺動部材40は、インク受け部23のうち、スキージローラ21とドクターローラ22の間隔が狭まっている領域とは反対側(F2方向とは逆側)の開放された領域に進入するので、インク溜まりIRから効率的にインクを掻き取って、インク量の均等化を実現することができる。
揺動部材40の駆動は、印刷作業の停止を要さず、印刷作業中に行うことができる。これにより、印刷の生産性を低下させずにインク量の偏りを解消できる。
このように、揺動部材40の揺動によってインク溜まりIRのインク量の偏りを解消させることができる。上述した第1の実施形態と同様に、揺動部材40の動作は、インクセンサ27によりインク量の偏りが検出された場合に実行してもよいし、印字データからインク量の偏りが予測される場合に実行してもよい。あるいは、孔版印刷装置10を操作する作業者のマニュアル入力によって、揺動部材40の動作を行わせてもよい。
インク溜まりIRのインク量を均等化させるときに、揺動部材40は、退避位置(図5)から進出位置(図6)に移動して退避位置に戻る揺動を少なくとも1回(1往復)行う。なお、揺動部材40の揺動は1往復のみに限られず、揺動部材40を複数回往復動させてもよい。揺動部材40の揺動を停止させるタイミング(揺動部材40の揺動回数)は、インクセンサ27によってインク量の偏りが検出されなくなるまでとすることができる。あるいは、予め定められた規定の回数で揺動部材40を揺動させてもよい。
印刷作業の進行中は、揺動部材40の動作後に、制御部16は揺動部材40を退避位置で停止させるように揺動駆動部41を制御する。揺動部材40を退避位置で停止させることにより、インク供給手段24からインク受け部23へのインク供給を揺動部材40が妨げることを回避できる。また、スキージローラ21とインク駆動棒25の回転によるインク溜まりIRのインクの流動に対して、揺動部材40が影響を及ぼすことを回避できる。
印刷作業が終了した場合や、孔版印刷装置10の電源をオフにする場合など、インク溜まりIRからのインクの出入りが行われない状態になると、図7に示すように、制御部16が揺動駆動部41を駆動させて、揺動部材40を進出位置に移動させインク溜まりIRを覆った状態で停止させる。進出位置に移動した揺動部材40は、円弧面40aによってインク受け部23の開放部分を塞ぐ。これにより、揺動部材40がインク溜まりIRを覆うカバーとして機能し、インク溜まりIRのインクを外気から遮断する効果が得られ、長期間放置した場合のインクの揮発や変質を抑制することができる。揺動部材40が印刷ドラム20の回転軸方向に長い形状であるほど、このような効果を得ることができる。
図5から図7の構成では、揺動部材40の断面形状を扇形としているが、扇形以外の断面形状としてもよい。
以上に述べたように、第1の実施形態のシャトル部材30と、第2の実施形態の揺動部材40はいずれも、印刷ドラム20の回転駆動と印刷用紙Pの搬送を停止せずに、すなわち印刷動作を継続しながら、インク溜まりIRのインク量の偏りをなくすことができる。従って、印刷の作業効率を損なわずに、インク溜まりIRのインク量の分布を均等化させることができる。インク量の分布が均等化されると、印刷時にインク不足によるかすれなどが生じず、印刷品質を高めることができる。また、インク供給手段24からインク溜まりIRに過剰なインク供給を行ってインクのオーバーフローを生じさせることを防止できる。
シャトル部材30と揺動部材40はいずれも、スキージローラ21及びドクターローラ22から離れた位置で独立して動作するので、インク溜まりIRのインク渦径が大きい場合にも、確実にインク量を均等化させることができる。
また、シャトル部材30と揺動部材40はいずれも、印刷時の通常状態では、インク受け部23から退避した退避位置にあるため、インク供給手段24からインク受け部23へのインク供給を阻害しない。そして、インク量の均等化を行うときだけ、インク受け部23内に進出した進出位置に移動するので、形状や寸法の自由度が高く、インク量の均等化の効果が高い構成にできる。例えば、インク駆動棒25は、インク受け部23内に常時位置しており、任意にインク受け部23に出し入れされる部材ではないため、寸法や動作量に制約があり、インク溜まりIRの全体を短時間で均すような効果を得にくい。これに対して、シャトル部材30と揺動部材40は、インク溜まりIRでインク量の多い部分を対象として、広い範囲でインク量を均す動作を短時間で行うことができ、迅速且つ効率的にインク量の均等化を行うことができる。
第1の実施形態の利点として、シャトル部材30は、印刷ドラム20の回転軸方向にだけ移動するため、印刷ドラム20の径方向での設置スペースを節約できる。ガイド軸31に沿うシャトル部材30の移動範囲を適宜変更して、インク量の偏りが大きい領域を重点的にシャトル部材30で均すような制御も可能である。
第2の実施形態の利点として、揺動部材40は、回転軸40xを中心とする揺動によって、インク溜まりIRの全域でインクをまとめて掻き取るので、少ない動作量による短時間でのインク量の均等化を実現できる。また、図7のように、揺動部材40をインク溜まりIRを覆うカバーとして利用できる。
以上の実施形態では、インク量の偏りの解消を、印刷部13での印刷中に行うものとしたが、製版部12での製版中に行ってもよい。
なお、シャトル部材30と揺動部材40の両方を設け、シャトル部材30と揺動部材40が、共通する回転軸40xを中心とした駆動によってインクを均す動作を行ってもよい。
また、シャトル部材30の形状は、インクの色や粘度に応じて変更してもよい。例えば、粘度の高いインクがインク溜まりにある場合、インク溜まりとシャトル部材30とのなす角を鋭角にし、粘度の低いインクがインク溜まりにある場合、インク溜まりとシャトル部材30とのなす角を鈍角にする。
また、形状が異なる複数のシャトル部材30をガイド軸31上に配置し、インク溜まりにあるインクの色や粘度に応じて、使用する(動作させる)シャトル部材30を使い分けるようにしてもよい。
以上、添付図面に基づく実施の形態及び変形例によって本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態や変形例には限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や応用を行うことが可能である。上述の実施の形態において、添付図面に図示されている構成や制御等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
印刷ドラムに内接するスキージローラとドクターローラとの間のインク受け部にインクを貯留してインク溜まりを形成し、前記印刷ドラム及び前記スキージローラを回転させて、前記インク溜まりから前記印刷ドラムに前記インクを供給して印刷を行う孔版印刷装置において、
前記インク受け部から退避した退避位置と、前記インク受け部内に進出する進出位置とに動作可能で、前記退避位置から前記進出位置への移動によって、前記印刷ドラムの回転軸方向での前記インク溜まりのインク量の分布を均等化させるインク均等化手段を備えることを特徴とする孔版印刷装置。
[付記2]
前記インク均等化手段は、前記印刷ドラムの回転軸方向に移動可能であることを特徴とする付記1記載の孔版印刷装置。
[付記3]
前記インク均等化手段は、前記印刷ドラムの回転軸と平行な軸を中心として揺動可能であることを特徴とする付記1記載の孔版印刷装置。
[付記4]
前記インク均等化手段は、前記進出位置に移動されて前記インク溜まりを覆った状態で停止することを特徴とする付記3記載の孔版印刷装置。
10 :孔版印刷装置
13 :印刷部
16 :制御部
20 :印刷ドラム
21 :スキージローラ
22 :ドクターローラ
23 :インク受け部
24 :インク供給手段
27 :インクセンサ
30 :シャトル部材(インク均等化手段)
31 :ガイド軸
40 :揺動部材(インク均等化手段)
IR :インク溜まり

Claims (4)

  1. 印刷ドラムに内接するスキージローラとドクターローラとの間のインク受け部にインクを貯留してインク溜まりを形成し、前記印刷ドラム及び前記スキージローラを回転させて、前記インク溜まりから前記印刷ドラムに前記インクを供給して印刷を行う孔版印刷装置において、
    前記インク受け部から退避した退避位置と、前記インク受け部内に進出する進出位置とに動作可能で、前記退避位置から前記進出位置への移動によって、前記印刷ドラムの回転軸方向での前記インク溜まりのインク量の分布を均等化させるインク均等化手段を備えることを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 前記インク均等化手段は、前記印刷ドラムの回転軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷装置。
  3. 前記インク均等化手段は、前記印刷ドラムの回転軸と平行な軸を中心として揺動可能であることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷装置。
  4. 前記インク均等化手段は、前記進出位置に移動されて前記インク溜まりを覆った状態で停止することを特徴とする請求項3記載の孔版印刷装置。
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