JP2009260269A - 光学デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明部材が傾斜しにくく、画質が良好な光学デバイスを実現できるようにする。
【解決手段】光学デバイスは、基板11と、基板11における素子形成領域12に形成された複数の光学素子13と、素子形成領域12の上に、複数の光学素子12と対応して形成された複数のレンズ15と、複数のレンズ15を覆うように形成された保護層17とを備えている。保護層17における素子形成領域12の外側の領域の上には保持部材19が形成され、透明部材21は保持部材19に下面を保持されている。保護層17と透明部材21との間には接着材23が満たされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学デバイス及びその製造方法に関し、特に、デジタルカメラ等に用いられる光学デバイス及びその製造方法に関する。
基板に形成された複数の光学素子と光学素子に対応する複数のレンズとを備えた光学デバイスがデジタルカメラ等に用いられている。このような光学デバイスにおいて、光の侵入経路であるレンズが汚れることは致命的である。このため、レンズを覆う透明部材がレンズの汚れを防止するために設けられている。また、透明部材の上面は、光学デバイスを取り付ける際の基準面としての機能も有している。
透明部材は、一般的には複数のレンズを低屈折率層である保護層により覆い、保護層の上に接着材を介在させて固定する(例えば、特許文献1を参照。)。このようにすれば、レンズの上に保護層により平坦面を形成することができるので、透明部材を容易に固定することができる。
特開2003−31782号公報
しかしながら、従来の方法により透明部材を固定すると、透明部材の上面がレンズ面に対して傾斜してしまうという問題がある。これは、透明部材を固定するための接着材の厚さがばらついてしまうことによる。透明部材が保護層の上に傾斜して固定されると、光が正しい光学素子に入射せず、画質不良の原因となる。また、透明部材の上面を光学デバイスの基準面として用いることも困難となる。
本発明は、透明部材が傾斜しにくく、画質が良好な光学デバイスを実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は光学デバイスを、保護層の上に形成され、透明部材を保持する保持部材を備えている構成とする。
本発明に係る光学デバイスは、基板と、基板における素子形成領域に形成された複数の光学素子と、素子形成領域の上に、複数の光学素子と対応して形成された複数のレンズと、基板の上に、複数のレンズを覆うように形成された保護層と、保護層における素子形成領域の外側の領域の上に形成された保持部材と、保護層の上に、保持部材に下面を保持されて固定された透明部材と、保護層と透明部材との間を満たす接着材とを備えていることを特徴とする。
本発明の光学デバイスは、保護層における素子形成領域の外側の領域の上に形成された保持部材を備えている。保護層はスピンコート法等により形成することが可能であるため、上面の平坦性を確保することが容易である。このため、保持部材を平坦な面の上に形成することができ、透明部材を光学素子の基準面と平行にすることが容易に可能となる。従って、レンズへの適切な光の入射が行われるので、画質に優れた光学デバイスを容易に実現することができる。
本発明の光学デバイスにおいて、保持部材は互いに一定の間隔をおいて形成されていてもよい。この場合において、各保持部材は円柱状であってもよい。
本発明の光学デバイスにおいて、透明部材は平面方形状であり、保持部材は透明部材における角部を除く部分を保持する位置に形成されていてもよい。
本発明の光学デバイスにおいて、保持部材は素子形成領域を挟んで両側に形成されていてもよい。
本発明の光学デバイスにおいて、保護層の上における透明部材により覆われた領域よりも外側の領域に形成された障壁部材をさらに備えていてもよい。この場合において、障壁部材は平面方形状としてもよい。
本発明の光学デバイスにおいて、基板における保護層に覆われた領域よりも外側の領域の上に形成された電極をさらに備えていてもよい。
本発明の光学デバイスにおいて、透明部材はプリズムであってもよい。
本発明に係る光学デバイスの製造方法は、基板の素子形成領域に複数の光学素子及び該光学素子と対応した複数のレンズを形成する工程(a)と、基板の上に複数のレンズを覆うように保護層を形成する工程(b)と、保護層における素子形成領域の外側の領域の上に保持部材を形成する工程(c)と、保持部材により下面を保持するようにして、保護層の上に透明部材を固定する工程(d)とを備えていることを特徴とする。
本発明の光学デバイスの製造方法は、保持部材により下面を保持するようにして、保護層の上に透明部材を固定するため、透明部材を保護層の上面に対して平行に固定することが容易にできる。従って、レンズに対して適切な光の入射が行われ、画質に優れた光学デバイスを容易に実現できる。
本発明の光学デバイスの製造方法において、工程(d)は、保護層の上面における保持部材の間の領域に未硬化の接着材を塗布した後、透明部材を押しつけることに未硬化の接着材を透明部材の下面と保護層の上面との間の全面に充填すると共に、保持部材の上面と透明部材の下面とを接するようにする工程を含んでいてもよい。
本発明の光学デバイスの製造方法において、工程(c)では、スピンコート法を用いて保持部材を形成しても、感光性樹脂を保護層の上面に塗布した後、露光及び現像を行うことにより保持部材を形成してもよい。
本発明の光学デバイスの製造方法において、保護層の上面における透明部材により覆われる領域よりも外側の領域に、接着材のあふれ出しを防止する障壁部材を形成する工程(e)をさらに備えていてもよい。
本発明の光学デバイスの製造方法において、工程(c)と工程(e)とは同時に行うこう構成としてもよい。
本発明に係る光学デバイス及びその製造方法によれば、透明部材が傾斜しにくく、画質が良好な光学デバイスを実現できる。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1(a)及び(b)は一実施形態に係る光学デバイスであり(a)は平面構成を示し、(b)は(a)のIb−Ib線における断面構成を示している。
図1に示すように、シリコン等からなる基板11の素子形成領域12に複数の光学素子13が形成されている。素子形成領域12の上には光学素子13に対応して複数のレンズ15が形成されている。レンズ15と基板11との間には平坦化層14が形成されている。
基板11の上には、レンズ15を覆うように保護層17が形成されている。基板11における保護層17に覆われた領域の外側の領域には、電極16が形成されている。保護層17は、例えば、スピンコート法及びフォトリソグラフィを用いて形成することにより上面の平坦性及びレンズ15に対する平行性を容易に確保できる。
保護層17における、素子形成領域12の外側の領域の上には、保持部材19が形成されている。図1においては、保持部材19を円柱状とし、4箇所に形成した例を示している。スピンコート法とフォトリソグラフィを用いて保持部材19を形成すれば、各保持部材19の高さを容易に揃えることができる。また、保持部材19を、レンズ15が形成された素子形成領域12の外側に形成することにより、保持部材19がレンズ15への光の入射を妨げるおそれをない。
保持部材19は、透明部材21の下面を支えている。高さが揃った保持部材19により下面の4点を支えているため、透明部材21の上面を保護層17の上面と平行とすることは容易である。透明部材21は、入射光に対して透明なガラス、石英又は樹脂等により形成すればよい。
透明部材21と保護層17との間には接着材23が満たされ、透明部材21は保護層17の上に固定されている。本実施形態においては、保持部材19を円柱状とし、4本設けているため、接着材23を透明部材21の下側に均一に広げることができる。また、図1は保持部材19を透明部材21の角部を避けるように形成した例を示している。このようにすることにより、接着材23の熱膨張による微小剥離の発生を抑えることができる。
また、本実施形態の光学デバイスは、保護層17における透明部材21により覆われた領域の外側の領域の上に、接着材23のあふれ出しを防止する障壁部材25を形成している。これにより、接着材23のあふれ出しによる電極16の表面の汚染及びこれによる電気的接続作業の阻害等の発生を防止できる。
以下に、本実施形態に係る光学デバイスの製造方法を図面を参照して説明する。まず、図2に示すように、基板11の素子形成領域12に複数の光学素子13を形成する。素子形成領域12には、平坦化層14を介在させて複数のレンズ15を形成する。基板11における素子形成領域12の外側の領域には電極16を形成する。
次に、図3に示すように、基板11上の全面にフッ素を含む樹脂等からなる保護層17を形成する。スピンコート法を用いることにより、上面が平坦で且つ膜厚が均一な保護層17を形成することができる。保護層17は低屈折率であることが好ましく、フッ素を含む樹脂の他に、無機物から構成されてもよい。
次に、図4に示すように、フォトリソグラフィを用いて、保護層17の電極16を覆う部分を除去する。
次に、図5に示すように、スピンコート法を用いて基板11上の全面に保持部材及び障壁部材となる樹脂層31を形成する。スピンコート法を用いることにより、保護層17の上における上面が平坦で且つ膜厚が均一な樹脂層31を容易に形成することができる。樹脂層31は、例えば、エポキシ樹脂等により形成すればよい。
次に、図6に示すように、フォトリソグラフィを用いて、樹脂層31を選択的に除去し、保持部材19及び障壁部材25を形成する。なお、樹脂層31をアクリル系等の感光性樹脂により形成してもよい。この場合には、樹脂層31に対して露光及び現像を行うことにより、保持部材19及び障壁部材25を形成すればよい。
次に、図7に示すように、保護層17の保持部材19よりも内側の領域に所定量の未硬化の接着材23を塗布する。
次に、図8に示すように、未硬化の接着材23を押し広げるように透明部材21を保護層17の上に押しつけることにより、透明部材21の下面が保持部材19の上面により支えられた状態とする。同時に、接着材23を透明部材21と保護層17との間に均一に充填する。余分の接着材23は透明部材21よりも外側にあふれるが、障壁部材25を越えて電極16側にあふれ出すことはない。接着材23には、アクリル系樹脂等を用いればよい。
続いて、接着材23を硬化させることにより透明部材21の固定が完了する。硬化は接着材の種類に応じて適宜行えばよい。
レンズの上に接着材を直接塗布し、塗布した未硬化の接着材を透明部材により押し広げる場合には、接着材の膜厚が均一とならず接着材の表面に凹凸が生じる。これにより、透明部材の上面が傾斜してしまい、光学デバイスに画質不良が生じるおそれがある。しかし、本実施形態の光学デバイスは、透明部材21を下側から保持する保持部材19を有している。また、保持部材19はレンズの上に直接形成するのではなく、まず、レンズの上に平坦な保護層17を形成し、保護層17の上面に保持部材19を形成している。このため、保持部材19自体が傾斜することはほとんどなく、保持部材19により保持された透明部材21の上面に傾斜が生じることはほとんどない。また、平坦な保護層17及び保持部材19を形成することにより、未硬化の接着材23を透明部材21により押し広げる際に、接着材23の膜厚を均一にするという効果も得られる。従って、接着材23の厚さのばらつきにより保護層17の上面に対して透明部材の上面が傾斜するおそれがない。その結果、透明部材21を、レンズ15に対して平行状態とすることが容易であり、画質不良を生じにくくすることができる。また、透明部材21の上面を光学デバイスの基準面として用いることができるため、光学デバイスの実装を高精度且つ容易に行うことが可能となる。
保護層17及び保持部材19の形成方法は特に限定されないが、スピンコート法を用いて形成すれば、保護層17の上面及び保持部材19の上面を平坦にし且つレンズ15に対して平行状態とすることが容易にできる。
本実施形態においては、保持部材19を円柱状としたが、透明部材21を安定に保持できればどのような形状としてもよい。また、図9に示すように2本の短冊状の保持部材19を互いに平行となるように配置してもよい。この場合、2本の保持部材19を素子形成領域12を挟んで両側に形成すれば、透明部材21を安定して保持できる。また、保持部材19と障壁部材25とを同時に形成する例を示したが、別々の工程により形成してもよい。また、障壁部材25は、少なくとも電極16が形成された側にあることが好ましいが、4方を囲むようにしてもよい。
図10に示すように透明部材21はプリズム26であってもよい。透明部材21をプリズム26とした場合にはより高い精度で固定する必要があり、保持部材19を形成する効果はより大きくなる。また、保持部材19を形成することにより、接触面積が減少するため貼り付け位置の調整が容易となる。これにより、画像による貼り付け位置検査を行いながらプリズム26を接着することが可能となる。
さらに、図10では電極16への配線の一例として、電極16をバンプ電極32を介して配線基板33と電気的に接続している。配線基板33と基板11とを固定樹脂34により固定することにより、電気的接続状態を安定化させることができる。
本発明に係る光学デバイス及びその製造方法は、透明部材が傾斜しにくく、画質が良好な光学デバイスを実現でき、特にデジタルカメラ等に用いる光学素子及びその製造方法等として有用である。
(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る光学デバイスを示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIb−Ib線における断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学デバイスの製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学デバイスの製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学デバイスの製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学デバイスの製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学デバイスの製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学デバイスの製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学デバイスの製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学デバイスの変形例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学デバイスの変形例を示す断面図である。
11 基板
12 素子形成領域
13 光学素子
14 平坦化層
15 レンズ
16 電極
17 保護層
19 保持部材
21 透明部材
23 接着材
25 障壁部材
26 プリズム
31 樹脂層
32 バンプ電極
33 配線基板
34 固定樹脂

Claims (15)

  1. 基板と、
    前記基板における素子形成領域に形成された複数の光学素子と、
    前記素子形成領域の上に、前記複数の光学素子と対応して形成された複数のレンズと、
    前記基板の上に、前記複数のレンズを覆うように形成された保護層と、
    前記保護層における前記素子形成領域の外側の領域の上に形成された保持部材と、
    前記保護層の上に、前記保持部材に下面を保持されて固定された透明部材と、
    前記保護層と前記透明部材との間を満たす接着材とを備えていることを特徴とする光学デバイス。
  2. 前記保持部材は、互いに一定の間隔をおいて複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学デバイス。
  3. 前記保持部材は、円柱状であることを特徴とする請求項2に記載の光学デバイス。
  4. 前記透明部材は、平面方形状であり、
    前記保持部材は、前記透明部材における角部を除く部分を保持する位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  5. 前記保持部材は、前記素子形成領域を挟んで両側に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  6. 前記保護層の上における前記透明部材により覆われた領域よりも外側の領域に形成された障壁部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  7. 前記障壁部材は、平面方形状であることを特徴とする請求項6に記載の光学デバイス。
  8. 前記基板における前記保護層に覆われた領域よりも外側の領域の上に形成された電極をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  9. 前記透明部材は、プリズムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれ1項に記載の光学デバイス。
  10. 基板の素子形成領域に複数の光学素子及び該光学素子と対応する複数のレンズを形成する工程(a)と、
    前記基板の上に前記複数のレンズを覆うように保護層を形成する工程(b)と、
    前記保護層における前記素子形成領域の外側の領域の上に保持部材を形成する工程(c)と、
    前記保持部材により下面を保持するようにして、前記保護層の上に透明部材を固定する工程(d)とを備えていることを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  11. 前記工程(d)は、前記保護層の上面における前記保持部材の間の領域に未硬化の接着材を塗布した後、前記透明部材を押しつけることに前記未硬化の接着材を前記透明部材の下面と前記保護層の上面との間の全面に充填すると共に、前記保持部材の上面と前記透明部材の下面とを接するようにする工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の光学デバイスの製造方法。
  12. 前記工程(c)では、スピンコート法を用いて前記保持部材を形成することを特徴とする請求項10又は11に記載の光学デバイスの製造方法。
  13. 前記工程(c)では、感光性樹脂を前記保護層の上面に塗布した後、露光及び現像を行うことにより前記保持部材を形成することを特徴とする請求項10又は11に記載の光学デバイスの製造方法。
  14. 前記工程(d)よりも前に、
    前記保護層の上面における前記透明部材により覆われる領域よりも外側の領域に、前記接着材のあふれ出しを防止する障壁部材を形成する工程(e)をさらに備えていることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の光学デバイスの製造方法。
  15. 前記工程(c)と前記工程(e)とは同時に行うことを特徴とする請求項14に記載の光学デバイスの製造方法。
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