JP2009260017A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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【課題】 陽極導体の端面部の加工において,漏れ電流特性に優れ,かつ,製造工程中での容量の減少が小さい固体電解コンデンサの製造方法を提供すること。
【解決手段】 図1(a)のように弁作用金属からなる板状のアルミニウムなどをエッチングにより拡面化して金属芯1Bおよびエッチング層1Aからなる陽極導体1を形成し、図1(b)のようにレーザー加工またはイオンミリング加工によりその陽極導体1を切断し複数個の陽極導体10を形成する。その後、図1(c)のように陽極導体1の表面全体に酸化皮膜である誘電体層2を形成し、図1(d)のように誘電体層2の表面に2層の導電性高分子層3Aおよび3Bよりなる固体電解質層3を形成し、さらにグラファイト層4Aおよび銀導電性樹脂層4Bよりなる陰極導体層4を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関し、特に、漏れ電流特性に優れ、製造工程中での容量の減少が小さい固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
陽極導体となるタンタル、アルミニウム、チタン、ニオブ、ジルコニウムなどの弁作用金属の多孔質体に、電解酸化法によって誘電体酸化皮膜層を形成した後、この酸化皮膜上に導電性高分子層を形成し、これを固体電解質層とする固体電解コンデンサが開発されている。固体電解質層となる導電性高分子層の形成方法としては、化学酸化重合法と電解酸化重合法があり、導電性高分子材料を構成する単量体(モノマー)としては、ピロール、チオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、アニリンなどが知られている。
このような固体電解コンデンサにおいて、近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話、車載機器、デジタルAV機器などの高機能化に伴い、そのような装置に使用するための高耐圧で、かつ、漏れ電流の小さい固体電解コンデンサが求められている。
従来の固体電解コンデンサは、陽極導体をプレス打ち抜き加工にて形成していた。従来の固体電解コンデンサの製造方法の一例を図3に示す。図3(a)は弁作用金属からなる陽極導体の斜視図、図3(b)はプレス打ち抜き加工による切断後の陽極導体の斜視図、図3(c)は上記切断後、表面に誘電体層が形成された陽極導体の切断された端部付近の拡大断面図、図3(d)は固体電解質層および陰極導体層を形成後の端部付近の拡大断面図である。図3の製造方法においては、図3(a)のように弁作用金属からなる板状のアルミニウムなどをエッチングにより拡面化して金属芯1Bおよびエッチング層1Aからなる陽極導体1を形成し、図3(b)のようにプレス打ち抜き加工によりその陽極導体1を切断し複数個の陽極導体30を形成する。その後、図3(c)のように陽極導体30の表面全体に酸化皮膜である誘電体層32を形成し、図3(d)のように誘電体層32の表面に2層の導電性高分子層33Aおよび33Bよりなる固体電解質層33を形成し、さらにグラファイト層34Aおよび銀導電性樹脂層34Bよりなる陰極導体層34を形成する。
ここで、拡面処理をされた板状のアルミニウムの陽極導体1をプレス打ち抜きで加工して陽極導体30を形成した場合、図3(c)に示すように、その切断された端面部35においては、陽極導体の金属芯部のダレ36やエッチング層の端部の欠損部37やバリ38などが発生しやすい。このような状態の陽極導体では、その後固体電解質層を形成する場合、図3(d)に示すように、端面部の導電性高分子層を均一に形成するのが困難であり、導電性高分子層が局所的に薄くなり、もしくは、導電性高分子層の形成不良が生じてしまう。このため、コンデンサ素子として完成後、漏れ電流が大きくなり、また設計値からの容量の減少も大きくなってしまう。
このような固体電解コンデンサの製造方法の改善手段が特許文献1および2に開示されている。特許文献1の製造方法では、弁作用金属の陽極導体である焼結体に誘電体酸化皮膜層を形成する前に、研磨処理または振動処理にて陽極体の弱い部分を予め除去する工程を行うことで、漏れ電流の増大、耐電圧特性の低下を防いでいる。
特許文献2では、弁作用金属からなる陽極導体と、該陽極導体の表面に形成された誘電体層と、該誘電体層の表面に形成された導電性高分子層を含む固体電解質を含む固体電解コンデンサの製造方法において、打ち抜き加工後に陽極導体の端面部に局所的なエッチング処理を施すことにより加工端部のバリを除去し、その後、陽極酸化を行って酸化皮膜を形成する製造法が記載されており、良好な漏れ電流特性を得ている。
特開2004−31837号公報 特開平11−186105号公報
しかし、上記の特許文献に記載された製造方法を適用する場合、陽極導体の切断加工を行なう際に、特許文献1の製造方法では前処理工程が、特許文献2の製造方法では後処理工程がそれぞれ必要であるため、加工に手間がかかり、加工コストが大幅に増加することが問題となる。また、上記の処理では陽極導体のバリ等を除去する際の加工精度が低いことから製造工程において大きな容量の減少が生ずるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、陽極導体の端面部の加工において、加工コストの増加が少なく、端面部の平滑性が優れ、かつ高精度の加工を実現することにより、漏れ電流特性に優れ、かつ、製造工程中での容量の減少が小さい固体電解コンデンサの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、弁作用金属からなる陽極導体を切断する工程と、該切断された陽極導体の表面に誘電体層を形成する工程と、該誘電体層の表面に固体電解質層を形成する工程とを含む固体電解コンデンサの製造方法において、前記陽極導体を切断する工程はレーザー加工またはイオンミリング加工を用いたことを特徴とする。
また、本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、弁作用金属からなる陽極導体の表面に誘電体層を形成する工程と、該誘電体層が形成された陽極導体を切断する工程と、前記誘電体層の表面に固体電解質層を形成する工程とを含む固体電解コンデンサの製造方法において、前記誘電体層が形成された陽極導体を切断する工程はレーザー加工またはイオンミリング加工を用いたことを特徴としてもよい。
また、前記陽極導体を切断する工程または前記誘電体層が形成された陽極導体を切断する工程は、プレス打ち抜き加工の後にレーザー加工またはイオンミリング加工を用いてもよい。
また、前記レーザー加工は、YAGレーザー、ルビーレーザー、ガラスレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザーのいずれかによる加工であることが望ましい。
また、前記イオンミリング加工は、ArイオンまたはGaイオンによる加工であることが望ましい。
上記のように、本発明においては、陽極導体の外周をレーザー、イオンミリングによって切断加工すること、または、プレス打ち抜き加工後の端面部のバリ、凹凸をレーザー、イオンミリングによって加工除去することにより端面部を平滑化し、陽極導体の酸化皮膜(誘電体層)上に導電性高分子層を均一の厚みに形成できるようにする。このように、誘電体層上に均一な導電性高分子層を形成することにより、陽極導体と陰極導体の接触による漏れ電流の発生を防止することができる。レーザー加工やイオンミリング加工は研磨加工や選択エッチング加工に比べて加工に要する手間が少なく、また、加工精度が高く、平坦化が必要な端部付近を選択的に加工できるため、加工による陽極導体部の過剰の欠損を防止でき、容量の減少を抑えることができる。
以上のように、本発明により、陽極導体の端面部の加工において、加工コストの増加が少なく、端面部の平滑性が優れ、かつ高精度の加工を実現することにより、漏れ電流特性に優れ、かつ、製造工程中での容量の減少が小さい固体電解コンデンサの製造方法が得られる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明による固体電解コンデンサの製造方法の第一の実施の形態を示す図であり、図1(a)は弁作用金属からなる陽極導体の斜視図、図1(b)はレーザー加工またはイオンミリング加工による切断後の陽極導体の斜視図、図1(c)は上記切断後、表面に誘電体層が形成された陽極導体の切断された端部付近の拡大断面図、図1(d)は固体電解質層および陰極導体層を形成後の端部付近の拡大断面図である。
本実施の形態の製造方法においては、図1(a)のように弁作用金属からなる板状のアルミニウムなどをエッチングにより拡面化して金属芯1Bおよびエッチング層1Aからなる陽極導体1を形成し、図1(b)のようにレーザー加工またはイオンミリング加工によりその陽極導体1を切断し複数個の陽極導体10を形成する。その後、図1(c)のように陽極導体10の表面全体に酸化皮膜である誘電体層2を形成し、図1(d)のように誘電体層2の表面に2層の導電性高分子層3Aおよび3Bよりなる固体電解質層3を形成し、さらにグラファイト層4Aおよび銀導電性樹脂層4Bよりなる陰極導体層4を形成する。
ここで、 陽極導体1は、弁作用を有し、エッチングなどによって拡面処理された多孔質体金属などの板、箔もしくは線、または弁作用を有する金属微粒子からなる焼結体等によって形成される。弁作用を有する金属としては、タンタル、アルミニウム、チタン、ニオブ、ジルコニウム、またはこれらの合金などが挙げられ、本実施の形態では、特にタンタル、アルミニウム、ニオブから選ばれる少なくとも1種の金属であることが望ましい。また、形状は、特に板状、箔状であることが好ましい。陽極導体1の切断加工にレーザー加工を用いる場合は、レーザーの種類は特に制限されなく、固体レーザー、液体レーザー、気体レーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどが使用可能である。しかし、高出力が得られ、切削加工に適したYAGレーザー、ルビーレーザー、ガラスレーザーなどの固体レーザーやCO2レーザー、エキシマなどの気体レーザーが本発明の目的には望ましく、特に、高効率、高出力のYAGレーザーやCO2レーザーが望ましい。
一方、陽極導体1の切断加工にイオンミリング加工を用いる場合は、イオンミリングのイオン種としてはN2,Ar,Ga,Kr,Xe,O2,SF6,CF4,Cl2等が挙げられるが、大きな切削量が得られるAr,Gaが好ましく、特に試料へのダメージが少ないArイオンによるイオンミリング加工が望ましい。
本実施の形態ではレーザー加工またはイオンミリング加工によって陽極導体1を切断することにより切断された陽極導体1の端面部を平滑化し、誘電体層2上に導電性高分子層3Aを均一の厚みに形成でき、陽極導体と陰極導体の接触による漏れ電流の発生を防止することができる。
陽極導体1の板厚は特に制限しないが、陽極導体の種類、形状、厚みによって切断加工の条件を適宜調整することが可能である。
誘電体層2は、陽極導体10の表面を電解酸化させた膜であり、その酸化皮膜の厚みは、電解酸化の電圧によって適宜調整できる。なお、上述の工程では、酸化皮膜が形成されていない陽極導体1を切断した後、酸化皮膜を形成したが、先に酸化皮膜が形成された陽極導体をレーザー加工またはイオンミリング加工によって切断し、その後さらに切断面に酸化皮膜を形成するために電解酸化の工程を行なっても良い。
固体電解質層3の導電性高分子層は、例えば、ピロール、チオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、アニリン及びその誘導体を少なくとも1種以上含む単量体からなる重合体を含み、特に、ピロール、チオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン及びその誘導体を含むことが望ましい。重合体は、上記単量体とドーパントとして例えばスルホン酸系化合物、金属塩や硫酸塩からなる酸化剤を化学酸化重合、または、電解酸化重合することによって誘電体層上に形成してもよい。
また、固体電解質層3は、少なくとも1層の導電性高分子層から構成することも可能である。
また、導電性高分子層には、二酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物誘導体、TNQC(7,7,8,8、−テトラシアノキノジメタンコンプレックス塩)など有機物半導体が含まれてもいてもよい。ドーパントとしては、例えばナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スチレンスルホン酸及びその誘導体からなるスルホン酸系化合物が好ましい。また、ドーパントの分子量としては、単量体から高分子量体まで適宜選択して用いることができる。
陰極導体層4は、特に導体であれば限定されないが、図1(d)のようにグラファイト層4Aと銀導電性樹脂層4Bとからなる2層構造としてもよく、また1層構造でも良い。
図2は、本発明による固体電解コンデンサの製造方法の第二の実施の形態を示す図であり、図2(a)は弁作用金属からなる陽極導体の斜視図、図2(b)はプレス打ち抜き加工による切断後の陽極導体の斜視図、図2(c)は上記切断後、表面に誘電体層が形成された陽極導体の切断された端部付近の拡大断面図、図2(d)はプレス打ち抜き加工後に端部をさらにレーザー加工またはイオンミリング加工によって切除し、表面に誘電体層を形成した陽極導体の端部付近の拡大断面図、図2(e)は固体電解質層および陰極導体層を形成後の端部付近の拡大断面図である。
本実施の形態では、図2(b)に示すようにプレス打ち抜き加工で陽極導体1を切断し、その後、図2(c)に示すように切断された陽極導体20の端面部25の欠損部27、金属芯部のダレ26、端面のバリ28などをレーザー加工またはイオンミリング加工によって切除して図2(d)のように端面部を平滑化している。この結果、図2(e)のように誘電体層22上に導電性高分子層23Aを均一の厚みに形成することが可能となり、陽極導体と陰極導体の接触による漏れ電流の発生を防止することができる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示した第一の実施の形態の固体電解コンデンサの製造方法の具体例として、下記の製造方法により固体電解コンデンサを作製し、陽極導体10の断面観察と作製したコンデンサ素子の電気特性の評価を行なった。陽極導体1として、エッチングにより拡面処理された箔容量300μF/cm2の多孔質体アルミニウム箔をYAGレーザー加工により3×4mmに切断形成した。次に、モノマー溶液とドーパント、酸化剤溶液からなる槽に数回浸漬を繰り返し、多孔質細孔内部にポリ3,4−ジオキシチオフェンからなる導電性高分子を化学重合法によって形成し、導電性高分子層3Aを形成した。次に、導電性高分子層3A上にポリ3,4−ジオキシチオフェン溶液を9μl滴下し、5分間常温放置後、裏面にも9μl滴下し、125℃で10分乾燥した後、180℃で30分乾燥して導電性高分子層3Bを形成した。次いで、その上にグラファイト層4Aと銀導電性樹脂層4Bを形成してコンデンサ素子を3個作製した。
このコンデンサ素子の各製造工程における端面部の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した結果、YAGレーザー加工による切断後は、端面部のバリ、凹凸がなく平滑であり、陽極導体の欠損も確認できなかった。陽極導体上に導電性高分子層を形成後は、導電性高分子層の厚みが均一に形成されていることが確認された。
次に、このコンデンサ素子を用いて電気特性評価を行った。表1に、この素子の120Hzにおける容量の設計値に対する比率(Cap出現率)、 2.5Vを1分間印加した時の漏れ電流値(2.5 V−1min値LC)を示す。Cap出現率は、アルミニウムの箔容量と素子面積の積(300μF/cm2×12mm2)を基準とした。表1のように、実施例1の場合、Cap出現率は94.8%、LCは0.7μAであった。
(実施例2)
実施例1と同様なエッチングにより拡面処理された多孔質体アルミニウム箔をCO2レーザー加工により3×4mmに切断し、実施例1と同様にコンデンサ素子を作製し電気特性を評価した。本製造方法はCO2レーザーを用いたこと以外は、実施例1と同様である。表1に示すように、Cap出現率は93.2%、LCは3.2μAであった。
(実施例3)
実施例1と同様なエッチングにより拡面処理された多孔質体アルミニウム箔をArイオンミリング加工により3×4mmに切断し、実施例1と同様にコンデンサ素子を作製し、各工程における端面部断面のSEM観察と電気特性の評価を行なった。本製造方法はArイオンミリング加工を用いたこと以外は、実施例1と同様である。表1に示すように、Cap出現率は92.7%、LCは1.7μAであった。また、この素子の端面部をSEMにより観察した結果、切断加工後は、端面部のバリ、凹凸がなく平滑であり、陽極導体の欠損も確認できなかった。陽極導体上に導電性高分子層を形成後は、高分子層の厚みが均一に形成されていることが確認された。
(実施例4)
実施例1と同様なエッチングにより拡面処理された多孔質体アルミニウム箔をGaイオンミリング加工により3×4mmに切断し、実施例1と同様にコンデンサ素子を作製し電気特性を評価した。本製造方法はGaイオンミリング加工を用いたこと以外は、実施例1と同様である。表1に示すように、Cap出現率は90.9%、LCは5.6μAであった。
(実施例5)
実施例1と同様なエッチングにより拡面処理された多孔質体アルミニウム箔をプレス打ち抜き加工を用いて5×6mmに加工形成し、その後、各端面から1mm内側をYAGレーザーにより再切断し3×4mmに加工形成した。その後、実施例1と同様にコンデンサ素子を作製し、電気特性の評価を行なった。本製造方法は陽極導体の切断方法以外は、実施例1と同様である。表1に示すように、Cap出現率は87.0%、LCは4.9μAであった。
(実施例6)
実施例1と同様なエッチングにより拡面処理された多孔質体アルミニウム箔をプレス打ち抜き加工を用いて5×6mmに加工形成し、その後、各端面から1mm内側をCO2レーザーにより再切断し3×4mmに加工形成した。その後、実施例1と同様にコンデンサ素子を作製し、電気特性の評価を行なった。本製造方法は陽極導体の切断方法以外は、実施例1と同様である。表1に示すように、Cap出現率は85.2%、LCは8.5μAであった。
(実施例7)
実施例1と同様なエッチングにより拡面処理された多孔質体アルミニウム箔をプレス打ち抜き加工を用いて5×6mmに加工形成し、その後、各端面から1mm内側をArイオンミリング加工により再切断し3×4mmに加工形成した。その後、実施例1と同様にコンデンサ素子を作製し、電気特性の評価を行なった。本製造方法は陽極導体の切断方法以外は、実施例1と同様である。表1に示すように、Cap出現率は85.7%、LCは1.2μAであった。
(実施例8)
実施例1と同様なエッチングにより拡面処理された多孔質体アルミニウム箔をプレス打ち抜き加工を用いて5×6mmに加工形成し、その後、各端面から1mm内側をGaイオンミリング加工により再切断し3×4mmに加工形成した。その後、実施例1と同様にコンデンサ素子を作製し、電気特性の評価を行なった。本製造方法は陽極導体の切断方法以外は、実施例1と同様である。表1に示すように、Cap出現率は86.5%、LCは6.5 μAであった。
(実施例9)
実施例1の製造方法で作製したコンデンサ素子の外部端子を陽極、陰極それぞれから取り出し、加圧下、樹脂で封入して外装したコンデンサを作製し特性評価を行った。表1に示すように、Cap出現率は94.8%、LCは0.7μAであった。
(比較例1)
比較のために、図3に示した従来の製造方法によりコンデンサ素子を作製し評価した。陽極導体1として、実施例1と同様な拡面処理された多孔質体アルミニウム箔をプレス打ち抜き加工を用いて3×4mmに加工形成した。陽極導体の切断方法以外は実施例1と同様にコンデンサ素子を形成した。
この素子の断面部をSEMにより観察した結果、プレス打ち抜き加工後は端部にバリや凹凸が観察された。また、陽極導体上に形成した導電性高分子層を観察した結果、厚みは不均一であり、特に、端面部、凹凸部では図3(d)のように導電性高分子が薄く形成されていることが確認された。
次に、このコンデンサ素子を用いて電気特性評価を行った。表1に示すように、Cap出現率は83.3%、LCは89.0μAであった。
(比較例2)
比較例1の製造方法で作製したコンデンサ素子の外部端子を陽極、陰極それぞれから取り出し、加圧下、樹脂で封入して外装したコンデンサを作製し特性評価を行った。表1に示すように、Cap出現率は83.3%、LCは315.0μAであった。
Figure 2009260017
表1に示すように、本発明の実施例1〜9の製造方法では、陽極導体の外周をレーザー加工やイオンミリング加工によって切断すること、または、プレス打ち抜き加工後の端面部のバリ、凹凸をレーザー加工やイオンミリング加工によって除去することにより、製造工程における容量の減少を小さくし、かつ、漏れ電流を小さくしてCap出現率およびLC特性を共に向上させることができた。
比較例1の特性との比較より、すべての実施例においてLC特性が大きく改善されており、レーザーもしくはイオンミリングによるコンデンサ素子の外周の切断加工、およびプレス打ち抜き加工後の端面部の再加工によりバリ、凹凸を除去した効果が大きいことがわかった。
実施例9と比較例2との特性の比較すると、実施例9では外装前(実施例1)と外装後でLC特性の劣化が認められなかったのに対し、比較例2において外装後は外装前(比較例1)と比較してLC特性が激しく劣化した。これは、端面部のバリの部分において、ポリマー形成が局所的に薄くなり、また、形成不良がおきているため、その部分で外装時の圧力により破壊が起きているためと考えられる。
また、従来の研磨加工やエッチング加工が加工に手間がかかり、加工精度が低いことから製造工程において大きな容量の減少が生じやすいのに対し、本発明に用いるレーザー加工やイオンミリング加工は、加工に手間がかからず、加工範囲として数百〜数十μmの制御が可能であり陽極導体の欠損なく、精度よく加工できるので容量の減少も小さい。
以上のように、本発明の製造方法により、陽極導体の端面部の加工において、加工コストの増加が少なく、端面部の平滑性が優れ、かつ高精度の加工をレーザー加工やイオンミリング加工により実現することにより、漏れ電流特性に優れ、かつ、製造工程中での容量の減少が小さい固体電解コンデンサを得られることが確認できた。
なお、本発明は上述の実施の形態や実施例に限定されるものではないことは言うまでもなく、製造する固体電解コンデンサの目的や用途に合わせて製造工程の変更が可能である。例えば、切断される陽極導体の形状は板状、箔状、線状いずれであってもよく、その材質、拡面化処理方法などには限定されない。また、陽極導体を切断する工程において、プレス打ち抜き加工の後にレーザー加工またはイオンミリング加工を用いる際には、レーザー加工またはイオンミリング加工は端部を再切断するのではなく、プレス打ち抜き端面にレーザーなどを照射して平坦化する方法でもよい。
本発明による固体電解コンデンサの製造方法の第一の実施の形態を示す図、図1(a)は弁作用金属からなる陽極導体の斜視図、図1(b)はレーザー加工またはイオンミリング加工による切断後の陽極導体の斜視図、図1(c)は上記切断後、表面に誘電体層が形成された陽極導体の切断された端部付近の拡大断面図、図1(d)は固体電解質層および陰極導体層を形成後の端部付近の拡大断面図。 本発明による固体電解コンデンサの製造方法の第二の実施の形態を示す図、図2(a)は弁作用金属からなる陽極導体の斜視図、図1(b)はプレス打ち抜き加工による切断後の陽極導体の斜視図、図2(c)は上記切断後、表面に誘電体層が形成された陽極導体の切断された端部付近の拡大断面図、図2(d)はプレス打ち抜き加工後に端部をさらにレーザー加工またはイオンミリング加工によって切除し、表面に誘電体層を形成した陽極導体の端部付近の拡大断面図、図2(e)は固体電解質層および陰極導体層を形成後の端部付近の拡大断面図。 従来の固体電解コンデンサの製造方法の一例を示す図、図3(a)は弁作用金属からなる陽極導体の斜視図、図3(b)はプレス打ち抜き加工による切断後の陽極導体の斜視図、図3(c)は上記切断後、表面に誘電体層が形成された陽極導体の切断された端部付近の拡大断面図、図3(d)は固体電解質層および陰極導体層を形成後の端部付近の拡大断面図。
符号の説明
1、10、20、30 陽極導体
1A エッチング層
1B 金属芯
2、22、32 誘電体層
3、23、33 固体電解質層
3A、3B、23A、23B、33A、33B 導電性高分子層
4、24、34 陰極導体層
4A、24A、34A グラファイト層
4B、24B、34B 銀導電性樹脂層
15、25、35 端面部
26、36 金属芯部のダレ
27、37 欠損部
28、38 バリ

Claims (5)

  1. 弁作用金属からなる陽極導体を切断する工程と、該切断された陽極導体の表面に誘電体層を形成する工程と、該誘電体層の表面に固体電解質層を形成する工程とを含む固体電解コンデンサの製造方法であって、前記陽極導体を切断する工程はレーザー加工またはイオンミリング加工を用いたことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 弁作用金属からなる陽極導体の表面に誘電体層を形成する工程と、該誘電体層が形成された陽極導体を切断する工程と、前記誘電体層の表面に固体電解質層を形成する工程とを含む固体電解コンデンサの製造方法であって、前記誘電体層が形成された陽極導体を切断する工程はレーザー加工またはイオンミリング加工を用いたことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記陽極導体を切断する工程は、プレス打ち抜き加工の後にレーザー加工またはイオンミリング加工を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記レーザー加工は、YAGレーザー、ルビーレーザー、ガラスレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザーのいずれかによる加工であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記イオンミリング加工は、ArイオンまたはGaイオンによる加工であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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