JP2009257433A - 駆動力配分装置及びその製造方法 - Google Patents

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悟 鈴木
Hideto Noyori
英人 野寄
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Abstract

【課題】引きずりトルクを大幅に低減することを可能とし、高価な表面処理を施さなくても、長期間にわたって安定した良好な摩擦特性と耐久性とを維持することを可能とし、更にはクラッチ伝達トルク特性のバラツキを防止することを可能とした駆動力配分装置の製造方法を提供する。
【解決手段】駆動力配分装置9は、第2の摩擦クラッチ50のクラッチプレートのうち一方のクラッチプレートの摺動面に紙製のフェーシングを設けている。駆動力配分装置9は、回転軸22のハウジング24を挟んで第2の摩擦クラッチ50に対して電磁石70を移動可能に配している。電磁石70に通電することでハウジング24との間で電磁石70に作用する磁気吸引力を、電磁石70が第2の摩擦クラッチ50へ向けて移動する操作力とし、入力軸20及び出力軸30間のトルク伝達を行う第1の摩擦クラッチ40の締結を調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁式摩擦クラッチを用いた駆動力配分装置及びその製造方法に関する。
従来から、例えば電磁式摩擦クラッチを備えた四輪駆動車における各種の駆動力配分装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された従来の駆動力配分装置は、入力軸と出力軸との間のトルク伝達を行うメインクラッチの締結を、電磁石の通電により締結するパイロットクラッチにより調整している。そのパイロットクラッチは、フロントハウジング内に設けられており、パイロットクラッチの一側には、アーマチャが配置されている。パイロットクラッチの他側には、リヤハウジングが配置されており、そのリヤハウジング内には、ヨーク内に嵌着された電磁石が配置されている。
この従来の駆動力配分装置によれば、電磁石への通電により、ヨーク、リヤハウジング、アーマチャ、パイロットクラッチ、リヤハウジング及びヨーク間を循環する磁気回路が形成される。電磁石によりアーマチャを吸引してパイロットクラッチを押付けることでパイロットクラッチが締結される。その締結によりスラスト力を発生するカム機構により、メインクラッチに対する押付け力に変換し、その押付け力をメインクラッチへ伝達することで、入力軸から出力軸へ駆動力が伝達される。
パイロットクラッチに対する押付け力は、電磁石の電磁コイルにより励起された磁束がパイロットクラッチを貫通してアーマチャを吸引することで発生する。そのため、パイロットクラッチは、磁気を通し易いという特性とクラッチプレートの摩擦特性との両方を兼ね備えた構成を必要とする。これにより、パイロットクラッチは鉄製であり、その鉄製のクラッチプレートの摺動面には、摩擦係合による摩耗を抑制する表面処理が施されている。磁気回路の一部を構成するリヤハウジングのパイロットクラッチの中間部と対応する部位には、非磁性体が埋設されている。
パイロットクラッチの表面処理としては、クラッチプレートの摺動面に同心円上に設けられた多数の微細な幅の溝部、あるいは多数の格子状の溝部を形成するとともに、その摺動面の組成を窒化処理又は焼き入れ焼き戻し処理により変化させたり、クラッチプレートの摺動面にダイヤモンド状炭素薄膜を施したりしている。この表面処理により、クラッチプレートの摺動面を強化して摩耗を減らすようにしている。
この種の駆動力配分装置の他の一例としては、例えばオイルで潤滑されたとき最適に機能する摩擦クラッチ紙をパイロットクラッチのクラッチプレート摺動面に設けた駆動力配分装置がある(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に記載された従来の駆動力配分装置は、入力軸を回転可能に支持するハウジング内に電磁石を固定している。パイロットクラッチは、入力軸の内面に設けられており、入力軸を介して電磁石が対向して配置されている。パイロットクラッチの入力軸と反対側には、電磁石のプランジャに連結されたアーマチュア(作用プレート)が対向して配置されている。
特開2003−28218号公報 特開2005−61629号公報
ところで、オイルで潤滑されたときクラッチプレート同士が対向する2面間に介在するオイルの粘性抵抗により引きずりトルクが発生する。大きな引きずりトルクが発生する原因の一つとしては、クラッチプレート摺動面(摩擦面)が広いことにある。すなわち、オイル粘性による引きずりトルクは、クラッチプレート同士が対向する2面の面積に比例する。
上記特許文献1に記載された従来の駆動力配分装置は、パイロットクラッチが磁気回路の一部を構成しているため、パイロットクラッチの磁気通路断面積を、磁気を通し易くする所定の広さに設定する必要がある。そのため、クラッチプレートの摺動面に加えて、クラッチプレートの摺動面としては必要としない磁気通路断面を形成しなければならず、パイロットクラッチを大きく形成せざるを得なかった。その結果、引きずりトルクを減少させるのには限界があり、引きずりトルクを小さくすることが困難になるという問題点があった。そのため、特に低温時の大きな引きずりトルクを前提としてデファレンシャルやドライブシャフトの強度を設計しなければならず、重く、大きく、コストが高いものになるという問題点があった。また、低温時にはタイトコーナーブレーキング現象の発生を回避することができないなど、操縦性の悪化を招くという問題点もあった。
また、この従来の駆動力配分装置は、パイロットクラッチが鉄同士の摩擦のためスティック・スリップによる振動、騒音が発生しやすく、対策として摺動面に種々の油溝を設けたり、耐摩耗牲を持たせたりするために窒化処理又は焼き入れ焼き戻し処理やダイヤモンド状炭素薄膜を施しているが、加工コストが高くなるという問題点があった。また、これらの処理を施したとしても、油溝の摩耗などによりパイロットクラッチの摩耗特性(μ−V特性)が使用中に悪化して、車両の振動・騒音が発生するという問題点もあった。また、この従来の駆動力配分装置は、磁気回路の一部を構成するリヤハウジングに埋設された非磁性体を挟んで、フロントハウジング側のアーマチュアとリヤハウジング側の電磁石とを配置し、アーマチュア及び非磁性体間にパイロットクラッチを配置した構造とされており、この非磁性体との接合構造の製作コストが高騰するという問題点もあった。
一方、上記特許文献2に記載された従来の駆動力配分装置にあっては、電磁石のヨークとアーマチュア(プランジャ)の空隙が、特に軸方向の荷重に対して変形が大きいボールベアリングを介して維持されている。そのため、この従来の駆動力配分装置は、電磁式カップリングとハウジングとの位置関係に影響され、電磁石のヨークとアーマチュア(プランジャ)の空隙長が不安定となり、製品ごとにクラッチ伝達トルク特性のバラツキが発生するという問題点を有している。
本発明は、上記従来の課題を解消すべくなされたものであり、引きずりトルクを大幅に低減することを可能とし、高価な表面処理を施さなくても、長期間にわたって安定した良好な摩擦特性と耐久性とを維持することを可能とし、更にはクラッチ伝達トルク特性のバラツキを防止することを可能とした駆動力配分装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明によれば、入力軸と出力軸の間のトルク伝達を行う第1の摩擦クラッチと、前記第1の摩擦クラッチの伝達トルクを調整する第2の摩擦クラッチと、前記第2の摩擦クラッチのトルクをスラスト力に変換して前記第1の摩擦クラッチへ伝達するカム機構と、前記入力軸と同一軸線上に設けられ、前記第1の摩擦クラッチ、前記カム機構及び前記第2の摩擦クラッチを内蔵したハウジングと、前記ハウジングの外端部に前記ハウジングと同一軸線上に設けられ、軸線方向に移動可能に設けられた電磁石と、前記ハウジング及び前記電磁石の間に形成される空隙と、前記ハウジング及び前記電磁石の間に介在する少なくとも1つの板部材と、を備え、前記電磁石に通電することで、前記ハウジングとの間で前記電磁石に作用する磁気吸引力を前記第2の摩擦クラッチへの操作力とした構成を有している駆動力配分装置が提供される。
上記駆動力配分装置において、前記第2の摩擦クラッチは、互いに摩擦係合する複数の第1及び第2のクラッチプレートを有し、前記複数の第1及び第2のクラッチプレートの一方のクラッチプレートの摺動面に紙製のフェーシングを設けた構成が好ましい。
上記駆動力配分装置において、前記ハウジングの外端部の内部に前記第2の摩擦クラッチに向けて移動可能に配され、前記第2の摩擦クラッチを押付ける押圧部材を有し、前記押圧部材が、前記電磁石の移動に応じて前記第2の摩擦クラッチの操作力を調整する構成が好ましい。
上記駆動力配分装置において、前記電磁石及び前記押圧部材間にスラストニードルベアリングとプレート部材が介在されている構成が好ましい。
上記駆動力配分装置において、前記入力軸及び前記ハウジングは、一体的に形成されている構成が好ましい。
上記駆動力配分装置において、前記ハウジングを回転可能に支持する外部ケースを備え、前記電磁石は、前記外部ケースの内周面に支持されている構成が好ましい。
上記駆動力配分装置において、前記ハウジングを回転可能に支持する外部ケースを備え、前記電磁石は、前記ハウジングの軸部に対して相対回転可能及び軸方向移動可能に支持され、かつ、前記外部ケースに対しては回転不能に支持されている構成が好ましい。
本発明では、上記駆動力配分装置を製造するにあたり、前記第1の摩擦クラッチ、前記第2の摩擦クラッチ、前記カム機構、前記ハウジング、前記電磁石及び前記板部材を、第1の組合せで互いに組み付ける第1組付工程と、前記第1の組合せで互いに組み付けられた状態で、前記電磁石に予め設定された値の設定電流を流して前記第1の摩擦クラッチの前記伝達トルクを測定する測定工程と、前記測定工程にて測定された前記伝達トルクと予め設定された設定トルクとの差に基づいて前記空隙の寸法の補正量を算出する算出工程と、前記空隙が前記補正量だけ補正されるように、前記第1の組合せに対し、前記第2の摩擦クラッチ、前記ハウジング、前記電磁石及び前記板部材の少なくとも1つを交換した第2の組合せで、前記第1の摩擦クラッチ、前記第2の摩擦クラッチ、前記カム機構、前記ハウジング、前記電磁石及び前記板部材を互いに組み付ける第2組付工程と、を含む駆動力配分装置の製造方法が提供される。
上記駆動力配分装置の製造方法において、前記第2の組合せは、前記第1の組合せに対して前記板部材が交換されている構成が好ましい。
本発明は、第2の摩擦クラッチのクラッチプレートの摺動面の面積を小さくすることができる。そのため、特にオイルの粘性による引きずりトルクを小さくすることができるようになり、デファレンシャルやドライブシャフトの強度を小さくすることができるため、小型、軽量で、安価にできる。また、高価な油溝加工や表面処理を施さずに長期間にわたり安定した良好な摩擦特性及び耐久性を維持することができるようになる。さらに、電磁石に作用する磁気吸引力を第2の摩擦クラッチに対して直接加えることが可能となり、電磁石とハウジングとの空隙長を安定化させることができるようになり、クラッチ伝達トルク特性のバラツキを抑制することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態である駆動力配分装置を備えた四輪駆動車の動力伝達系を概略的に示す説明図、図2は駆動力配分装置の内部構造を示す断面図、図3は駆動力配分装置の電磁式カップリングを構成する部位の部分断面拡大図である。
図1において、符号1は、四輪駆動車の全体構成を概略的に示している。この四輪駆動車1の基本構成は、エンジン2、トランスミッション3、フロントデフ4、トランスファ5、左右一対の前輪車軸6,6、一対の前輪7,7、プロペラシャフト8、駆動力配分装置9、リヤデフ10、左右一対の後輪車軸11,11、一対の後輪12,12により主に構成されている。駆動力配分装置9及びリヤデフ10は、リヤデフケース13内に収容支持されるとともに、リヤデフケース13を介して車体に支持されている。
上記のように構成された四輪駆動車1では、エンジン2からの駆動力は、トランスミッション3を介してフロントデフ4に伝達され、左右一対の前輪車軸6,6を介して一対の前輪7,7に伝達される。一方、トランスファ5に伝達された駆動力は、プロペラシャフト8を介して駆動力配分装置9に伝達される。その駆動力配分装置9がトルク伝達可能に連結されると、エンジン2の駆動力は、駆動力配分装置9のドライブピニオンシャフト32(図2)を介してリヤデフ10に伝達され、左右一対の後輪車軸11,11を介して一対の後輪12,12に伝達される。
(駆動力配分装置の構成)
図2を参照すると、駆動力配分装置9の全体構成が示されている。この駆動力伝達装置9の基本構成は、エンジン2により回転駆動される入力軸20と、リヤデフ10を回転駆動する出力軸30と、第1の摩擦クラッチであるメインクラッチ40と、メインクラッチ40の伝達トルクを調整する第2の摩擦クラッチであるパイロットクラッチ50と、パイロットクラッチ50の伝達トルクをメインクラッチ40に対する押付け力に変換するカム機構60と、これらの構成部品を収容可能な外部ケースであるリヤデフケース13とにより主に構成されている。このメインクラッチ40、パイロットクラッチ50及びカム機構60は、入力軸20及び出力軸30間に設けられている。メインクラッチ40及びパイロットクラッチ50の締結により入力軸20から出力軸30へ駆動力が伝達される。
(入力軸の構成)
入力軸20は、プロペラシャフト8のフランジ部に連結固定されるフランジ部21、及び回転軸22により構成されている。フランジ部21の円筒部内には、回転軸22の一端側の中実状軸部22aがナット26により締付固定されている。回転軸22は、中実状軸部22aよりも大径の第1のハウジング23と、第1ハウジング23よりも大径の第2のハウジング24と、第2ハウジング24の後端開口部を液密に内嵌固定する環状の第3のハウジング25とからなる多段形状を有している。第1ハウジング23は、ベアリング27を介してリヤデフケース13内に回転可能に支承されるとともに、第3ハウジング25に形成された筒部が、ベアリング29を介してリヤデフケース13内に回転可能に支承されている。なお、図示例によると、回転軸22及び第1〜第3ハウジング23〜25は、鋳造などにより一体化されているが、例えば溶接により連結固定されていてもよい。
第1ハウジング23の外周面とリヤデフケース13の内周面との間には、電磁石70の環状の配置空間28が形成されている。第2ハウジング24の外端部には、電磁石70に面する段差面を形成する環状の対向壁部24aが設けられており、その対向壁部24aには、環状凹部24bが形成されている。その環状凹部24bの底面には、パイロットクラッチ50の押付け力を調整する押圧部材53を収納する複数の貫通孔24cが周方向に所定の位相差をもって軸方向に貫通して形成されている。第2ハウジング24の内周面には、メインクラッチ40及びパイロットクラッチ50をスプライン連結するスプライン部24dが軸方向に沿って延設されている。
(出力軸の構成)
入力軸20の第1及び第2ハウジング23,24内には、第3ハウジング25の筒部を貫通して出力軸30が収容されている。この出力軸30は、円筒状のハブ31と、ハブ31の内周面にスプライン連結されたドライブピニオンシャフト32とを有している。ハブ31の後端部外周面には、メインクラッチ40をスプライン連結するスプライン部31aが軸方向に延設されている。ハブ31にスプライン連結されたドライブピニオンシャフト32の一端部は、入力軸20に相対回転可能に支持されている。ドライブピニオンシャフト32の他端部は、一対のテーパローラベアリング33,34を介してリヤデフケース13の内周面に回転可能に支承されている。
ドライブピニオンシャフト32の他端部先端には、ギヤ32aが一体に形成されている。このギヤ32aは、リヤデフ10の図示しないギヤ機構と噛合している。リヤデフケース13の内周面とドライブピニオンシャフト32との間には、シール35が配されている。このシール35によって、リヤデフケース13を密閉している。
(メインクラッチの構成)
メインクラッチ40は、第2ハウジング24のスプライン部24dにスプライン連結された複数のアウタクラッチプレート41と、ハブ31のスプライン部31aにスプライン連結された複数のインナクラッチプレート42とを有している。アウタクラッチプレート41及びインナクラッチプレート42のいずれか一方の摺動面には、紙製のフェーシングを取り付けることが好適である。メインクラッチ40と入力軸20の第3ハウジング25との間には、クラッチの隙間を規制するスペーサ43が配されている。メインクラッチ40は、パイロットクラッチ50の締結によりメインクラッチ40側に移動するプレッシャリング61を介して締結される。メインクラッチ40が締結されると、入力軸20の第2ハウジング24及び出力軸30のハブ31が接続されるので、入力軸20から出力軸30へ駆動力が伝達され、リヤデフ10を介して左右の後輪12,12に伝達されることとなる。
上記のように構成された駆動力配分装置9の構成部分は、入力軸20の構成を除いて、従来のものと基本的な構成において変わるところはない。従って、駆動力配分装置9の基本構成は、図示例に限定されるものではない。この実施の形態にあっては、特にパイロットクラッチ機構の構造及び配置位置に特徴部を有している。
(パイロットクラッチ機構の構成)
パイロットクラッチ機構の基本構成は、電磁石70と、電磁石70に作用する磁気吸引力によりパイロットクラッチ50を押付ける押圧部材53と、押圧部材53の押付け力により締結されるパイロットクラッチ50と、電磁石70の移動によるパイロットクラッチ50の締結によりスラスト力を発生するカム機構60とにより主に構成されている。このパイロットクラッチ機構に加えて、カム機構60のスラスト力をメインクラッチ40へ伝達するプレッシャリング61、及びプレッシャリング61の軸方向移動により締結されるメインクラッチ40を備えることで、入力軸20と出力軸30とを断続する断続機構が得られる。
ところで、上記従来の駆動力配分装置のように、磁気回路の一部を構成するパイロットクラッチに非磁性体の紙フェーシングを設けると、磁気を遮断してしまう。そのため、充分な磁気吸引力が得られなくなる。この問題を解消するため、この実施の形態では、パイロットクラッチ50に磁気を通過させることなく、電磁石70が鉄製の入力軸20の第2ハウジング24に吸引される荷重をパイロットクラッチ50に対して直接付加するようになっている。その荷重をパイロットクラッチ50に対して直接加えることでパイロットクラッチ50の摺動面の面圧を高くすることができる。図示例にあっては、パイロットクラッチ50のクラッチプレート51,52の一方のクラッチプレート摺動面に紙フェーシングを使用するとともに、電磁石70を軸方向に移動可能に構成している。この構成は、電磁石70と入力軸20の第2ハウジング24との間の空隙Gを安定化させるとともに、クラッチ伝達トルク特性のバラツキを少なくしている。この構成は更に、パイロットクラッチ50の引きずりトルクを大幅に低減しており、高価な油溝加工や表面処理を施さなくても、長期間にわたって安定した良好な摩擦特性及び耐久性を維持している。
(電磁石の構成)
電磁石70は、ヨーク71とコイル70aにより構成され、外部ケースとなるリヤデフケース13の内周面に回転不能かつ軸方向移動可能に支持されている。ヨーク71は、メインクラッチ40側に開放された断面コ字状をなす環状の凹部71aを有している。その凹部71a内には、環状のコイル70aが嵌着固定されている。ヨーク71のコイル70aと面する部位には、ステンレス材等からなる環状の非磁性部材72が埋設されている。電磁石70は、回転軸22の第2ハウジング24の外端部にあって入力軸20と同一軸線上に設けられている。電磁石70は、回転軸22の第1ハウジング23の外周面及びリヤデフケース13の内周面間に形成された環状の配置空間28において、ヨーク71を介してリヤデフケース13の内周面に回転不能に支承されるとともに、第2ハウジング24の対向壁部24aとの間に所定の空隙Gをもって軸方向に移動可能に支承されている。この構成により、第2ハウジング24内に配されるアーマチャを排除して、設置スペースを有効に利用することができる。
ヨーク71とリヤデフケース13の内端面との間には、皿バネ36が配されている。電磁石70には、リヤデフケース13にグロメット73を介して外部へ引き出されたリード線74が連結されている。このリード線74を介して電磁石70に通電すると、パイロットクラッチ50を除いてヨーク71、第2ハウジング24間を循環する磁路Lが形成される。電磁石70と第2ハウジング24とが近接して配されているので、磁束漏れを低減させ、磁力を効率的に使用することが可能となる。
(押圧部材の構成)
図3に示すように、入力軸20の第2ハウジング24の対向壁部24aに形成された環状凹部24b内には、ニードルベアリング54、板部材としての第1スラストワッシャ55及び板部材としての第2スラストワッシャ56がこの順で並設されている。本実施形態においては、第1スラストワッシャ55は、第2スラストワッシャ56よりも薄く形成されている。図2に示すように、その環状凹部24bの底面に形成された複数の貫通孔24cには、押圧部材53が配されている。その押圧部材53は、一端に円形フランジ53aをもつ円形のブロック体により構成されている。電磁石70に作用する磁気吸引力は、非磁性部材72、ニードルベアリング54、第1スラストワッシャ55、第2スラストワッシャ56、及び押圧部材53へと伝えられ、パイロットクラッチ50への押付け力となる。電磁石70への通電電力を調整することでパイロットクラッチ50への押付け力を調整することができる。
第2ハウジング24内に配されるアーマチャを排除して、押圧部材53、ニードルベアリング54、第1スラストワッシャ55及び第2スラストワッシャを入力軸20の対向壁部24a内に配することで設置スペースを有効に利用している。メインクラッチ40、パイロットクラッチ50及びカム機構60は、入力軸20と同一軸線上に設けられ、これらの構成部品は、回転軸22の第2ハウジング24内に収容されている。
(パイロットクラッチの構成)
パイロットクラッチ50は、複数のアウタクラッチプレート51と、複数のインナクラッチプレート52とを有している。アウタクラッチプレート51は、メインクラッチ40と同様に、入力軸20の第2ハウジング24のスプライン部24dにスプライン連結されている。一方のインナクラッチプレート52は、カム機構60のスプライン部60aにスプライン連結されている。パイロットクラッチ50は、第2ハウジング24と同一軸線上に移動可能に配されており、電磁石70の移動により締結される。電磁石70に通電すると、電磁石70がパイロットクラッチ50側に吸引移動されることで、パイロットクラッチ50が締結され、カムリング62とプレッシャリング61との間に回転トルクが生じることによりカム機構60にスラスト力を発生させる。
インナクラッチプレート52の摺動面には、摩擦フェーシングが取り付けられている。摩擦フェーシングとしては、例えば紙製のフェーシングを使用することができる。アウタクラッチプレート51の摺動面に紙製のフェーシングを取り付けてもよい。従来の鉄製クラッチプレートでは、上述したように、磁気を通すために摩擦クラッチとしては必要としない広い面積を形成しなければならなかった。しかしながら、この実施の形態にあっては、パイロットクラッチ50に磁気を通過させることなく、電磁石70に作用する磁気吸引力をパイロットクラッチ50に対して直接付加するようになっているので、パイロットクラッチ50に紙製フェーシングを使用することが可能となり、そのクラッチプレートは、従来の鉄製クラッチプレートと比べてクラッチプレート摺動面の面積を小さくすることができる。これにより、オイルで潤滑されたときクラッチプレートの対向摺動面間に介在するオイルの粘性抵抗による引きずりトルクの発生を減少させることができる。摩耗特性がよく、シャダー性能及び耐久性に優れたクラッチが得られる。なお、図示例によると、パイロットクラッチ50のインナクラッチプレート52の枚数を2枚に設定しているが、これに限定されるものではない。本実施の形態では、例えばインナクラッチプレート52を1枚もしくは3枚以上の枚数に設定してもよいことは勿論である。
(カム機構の構成)
メインクラッチ40の締結力を無段階に制御するカム機構60が、回転軸22の第2ハウジング24の対向壁部24aの内周面にスラスト軸受64を介してハブ31の外周面に配されている。そのカム機構60は、カムリング62と、プレッシャリング61と、カムリング62及びプレッシャリング61間に配されたカムボール63とにより構成されている。パイロットクラッチ50が締結されると、パイロットクラッチ50に連結されたカムリング62及びプレッシャリング61間に回転トルクが生じ、カム機構60のスラスト力によってプレッシャリング61がメインクラッチ40側へ移動し、メインクラッチ40が締結する。
以上のように構成されたパイロットクラッチ機構にあっては、電磁石70に通電することで、回転軸22の第2ハウジング24との間で電磁石70に作用する磁気吸引力を、電磁石70がパイロットクラッチ50に向けて移動する操作力とした構成を有している。軸方向に動く電磁石70の構成により、第2ハウジング24内に配されるアーマチュアを排除して、部品点数を減らすことが可能となり、パイロットクラッチ50のアクチュエータを構成する部品を軸方向に短縮した設計が可能となる。これにより、設計をコンパクト化することができるようになり、リヤデフケース13内に各種の構成部品をコンパクトに収容することができる。
ところで、上記従来技術においては、パイロットクラッチに非磁性体の紙フェーシングを設けると磁気を遮断してしまうため、充分な磁気吸引力が得られない。また、引きずりトルクはカム機構により増幅されることでメインクラッチを押付けるため、パイロットクラッチの引きずりトルクが増大する。駆動力配分装置の内部温度が低温になると、駆動力配分装置内のオイルの粘性抵抗が大きくなり、パイロットクラッチが非作動状態であっても、オイルの粘性抵抗による引きずりトルクが非常に大きくなる。低温時には、タイトコーナーブレーキング現象の発生を回避することはできず、車両操縦性の悪化を招くこととなる。
一方、車両設計上においては、従動輪に必要以上のトルクをかけずにデファレンシャルやドライブシャフトを小型軽量化することで、製作コストを低減することが求められており、駆動力配分装置の内部温度が変わっても、電流値に対するトルクが変化しないことが切望されている。このような要求に対し、電流だけでは制御できない大きなトルクが発生することにより、デファレンシャルやドライブシャフトの強度を強くする必要がある。その結果、駆動力配分装置が大型化することと相まって、車体の重量が増加し、製作コストが高騰するという不具合が発生する。
(実施の形態の効果)
これに対し、本実施の形態である駆動力配分装置9によると、次の様々な効果が得られる。
(1)電磁石70が鉄製の入力軸20の第2ハウジング24に吸引される荷重をパイロットクラッチ50に対して直接付与する構成としたため、パイロットクラッチ50に紙製のフェーシングを使用することができるようになり、クラッチプレート51,52の摺動面の面積を小さくすることが可能となる。それにより、オイルの粘性による引きずりトルクを大幅に低減することが可能となり、燃費を向上させることができる。
(2)電磁石70と入力軸20の第2ハウジング24との間の空隙G長が安定化し、クラッチ伝達トルク特性のバラツキを少なくすることができる。
(3)オイルの粘性による低温時の引きずりトルクを大幅に小さくすることができるようになり、デファレンシャルやドライブシャフトの強度増大を避けることで小型軽量化を達成することができるとともに、安価に製作することができる。
(4)鉄製のパイロットクラッチ50に油溝加工が不要となり、高価な表面処理を必要としないため、加工コストを低減することができるとともに、長期間にわたって安定した良好な摩擦特性と耐久性とを維持することができる。
(5)ハウジング23〜25に磁気を遮断するための非磁性体接合構造を設ける必要がなくなり、製作コストを低減することができる。
(6)回転軸22の第2ハウジング24内に配されるアーマチャを排除して、パイロットクラッチ機構の押圧部材53を第2ハウジング24の外端部内に配置するとともに、第2ハウジング24の外端部に電磁石70を配置することで、パイロットクラッチ機構の設置構造を簡略化するとともに、第2ハウジング24内の設置スペースを有効に利用することができるようになる。
(7)パイロットクラッチ機構をコンパクトに構成することができるようになり、装置全体の軽量小型化と車載性とを向上させることが可能となる。
(8)小さな電流で大きなトルクを制御することができるので、コントローラのコストも安価となる。
図4はハウジング及び電磁石の間の空隙の寸法と磁気吸引力の関係を示すグラフである。図4中には、異なる電流値の3つのグラフが図示されている。
この駆動力配分装置9では、パイロットクラッチ機構の構成部品に寸法のばらつきが存在するため、電磁石70と第2ハウジング24の間の空隙Gは大きくばらつくことになる。また、図4に示すように、電磁石70に流す電流値が大きくなるほど磁気吸引力は大きくなり、電磁石70と第2ハウジング24の空隙Gが大きいほど磁気吸引力は弱くなる。後者の特性により、空隙Gがばらつくと磁気吸引力がばらつき、ひいてはメインクラッチ40の伝達トルクがばらつくこととなる。本実施形態においては、第2ハウジング24の押し付け荷重によりパイロットクラッチ50にトルクを生じさせ、このトルクをカム機構60により増幅してメインクラッチ40を押し付けて伝達トルクを生じさせているので、磁気吸引力のばらつきによる伝達トルクのばらつきが比較的大きくなる。
図5はハウジング及び電磁石の間の空隙の寸法とメインクラッチにおける伝達トルクの関係を示すグラフである。図5中には、同一の電流値の3つのグラフが図示されている。
図5に示すように、第2ハウジング24からパイロットクラッチ50、カム機構60を介してメインクラッチ40に力が伝達されるため、例え同一電流であっても伝達トルクにばらつきが生じる。
以上のように、本実施の形態では、パイロットクラッチ機構及びカム機構60の構成部品の寸法精度、摩擦特性等のばらつきにより、伝達トルクがばらつくことになる。パイロットクラッチ機構、カム機構60の各構成部品の寸法制度、摩擦特性等を高精度に管理すれば、伝達トルクのばらつきを抑制することができるが、この方法では装置の製造コストが極めて高くなるので現実的ではない。本実施の形態では、以下の方法によりこの問題点を解決している。
本実施の形態の駆動力配分装置9は、次の工程を経て製造される。
駆動力配分装置9の製造に先立ち、搭載される車両に応じて、予め設定された値の設定電流と、この設定電流のときのメインクラッチ40の目標とする設定トルクを取得しておく。また、図6に示すように、第1スラストワッシャ55及び第2スラストワッシャ56の合計の厚さの補正量と、メインクラッチ40の伝達トルクの変化量の関係を取得しておく。図6は、伝達トルクの設定トルクを基準とした伝達トルクと厚さの補正量との関係の一例を示すグラフである。さらに、駆動力配分装置9の製造にあたっては、複数の厚さの第1スラストワッシャ55及び第2スラストワッシャ56を準備しておく。
まず、メインクラッチ40、パイロットクラッチ50、カム機構60、第2ハウジング24、電磁石70、第1スラストワッシャ55及び第2スラストワッシャ56を、第1の組合せで互いに組み付ける(第1組付工程)。この第1の組合せは、空隙Gが予め設定された初期範囲に入るように、各部品を選択することが好ましい。
そして、第1の組合せで互いに組み付けられた状態で、電磁石70に前述の設定電流を流してメインクラッチ40の伝達トルクを測定する(測定工程)。このように測定された伝達トルクと前述の設定トルクとの差に基づいて空隙Gの寸法の補正量を算出する(算出工程)。
次いで算出された空隙Gが補正量だけ補正されるように、第1の組合せに対し、第1スラストワッシャ55と第2スラストワッシャ56の少なくとも一方を交換した第2の組合せで、メインクラッチ40、パイロットクラッチ50、カム機構60、第2ハウジング24、電磁石70、第1スラストワッシャ55及び第2スラストワッシャ56を互いに組み付ける(第2組付工程)。ここで、交換可能な板部材である第1スラストワッシャ55及び第2スラストワッシャ56は、互いに厚さが異なっているので、例えば、空隙Gの補正量が小さい場合は第1スラストワッシャ55を優先的に交換し、補正量が大きい場合は第2スラストワッシャ56を優先的に交換すればよく、補正量の調整が簡単容易である。尚、第2組付工程の後に、設定電流を流してメインクラッチ40の伝達トルクを測定して、伝達トルクが設定トルクに対して所定の誤差範囲に収まっていないようなら、再度、第1スラストワッシャ55及び第2スラストワッシャ65の少なくとも一方を交換するようにしてもよい。
これにより、寸法精度、摩擦特性を厳密に管理することなく、比較的安価な各構成部品を組み合わせることで、伝達トルクを所定の範囲に収めることができ、装置の製造コストを飛躍的に低減することができる。
また、組立時に測定した伝達トルクに応じて伝達トルクの特性を調整するので、部品寸法により空隙Gの寸法を管理する場合に比べて、伝達トルクのばらつきを小さくでき、実用に際して極めて有利である。
(駆動力配分装置の変形例)
図7は、駆動力配分装置9の変形例を示しており、電磁式カップリングを構成する部位の部分断面拡大図である。なお、図7において上記実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。従って、これらの部材に関する詳細な説明は省略する。
この変形例にあっても、上記実施の形態に係る駆動力伝達装置9と基本的な構成において変わるところはない。図7において、上記実施の形態と大きく異なるところは、上記実施の形態では、電磁石70が、回転軸22の第1ハウジング23を回転可能に支持するリヤデフケース13の内周面に支持された構成となっていたものを、この変形例にあっては、電磁石70を第1ハウジング23の軸部に支持した点にある。
電磁石70は、ヨーク71とコイル70aにより構成されており、第1ハウジング23の軸部及びリヤデフケース13の内周面間に形成された環状の配置空間28に配されている。第1ハウジング23の軸部の外周面には、軸受75が設けられている。電磁石70は、第1ハウジング23の軸部の外周面に軸受75を介して相対回転可能に支持されるとともに、軸方向移動可能に支持されており、リヤデフケース13の内周面に対しては回転不能に支持されている。このような電磁石70の支持構造にあっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができることは勿論である。
以上の説明からも明らかなように、第1及び第2の実施の形態の駆動力配分装置は、前後輪間の駆動力配分に適用することで、前輪のみ、あるいは後輪のみを駆動する2WDモード、車両状態に応じて前後輪間の駆動力を自動制御するオートモード、最大駆動力に保持するロックモードを備えた構成とすることができる。本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲内で様々に設計変更が可能である。
本発明は、例えば農業機械、建設土木機械、運搬機械等の作業用車両、バギー車及び自動車などの各種の車両における駆動力配分装置に効果的に使用することができる。
本発明の代表的な実施の形態である駆動力配分装置を備えた四輪駆動車の動力伝達系を概略的に示す説明図である。 駆動力配分装置の内部構造を示す断面図である。 駆動力配分装置の部分断面拡大図である。 ハウジング及び電磁石の間の空隙の寸法と磁気吸引力の関係を示すグラフである。 ハウジング及び電磁石の間の空隙の寸法とメインクラッチにおける伝達トルクの関係を示すグラフである。 伝達トルクの設定トルクを基準とした伝達トルクと厚さの補正量との関係の一例を示すグラフである。 駆動力配分装置の変形例を示す部分断面拡大図である。
符号の説明
1 四輪駆動車
2 エンジン
3 トランスミッション
4 フロントデフ
5 トランスファ
6 前輪車軸
7 前輪
8 プロペラシャフト
9 駆動力配分装置
10 リヤデフ
11 後輪車軸
12 後輪
13 リヤデフケース
20 入力軸
21 フランジ部
22 回転軸
22a 中実状軸部
23 第1ハウジング
24 第2ハウジング
24a 対向壁部
24b 環状凹部
24c 貫通孔
24d スプライン部
25 第3ハウジング
26 ナット
27 ベアリング
28 配置空間
29 ベアリング
30 出力軸
31 ハブ
31a スプライン部
32 ドライブピニオンシャフト
32a ギヤ
33 テーパローラベアリング
34 テーパローラベアリング
35 シール
36 皿バネ
37 ベアリング
40 メインクラッチ
41 アウタクラッチプレート
42 インナクラッチプレート
43 スペーサ
50 パイロットクラッチ
51 アウタクラッチプレート
52 インナクラッチプレート
53 押圧部材
53a 円形フランジ
54 ニードルベアリング
55 第1スラストワッシャ
56 第2スラストワッシャ
60 カム機構
60a スプライン部
61 プレッシャリング
62 カムリング
63 カムボール
64 スラスト軸受
70 電磁石
70a コイル
71 ヨーク
71a 凹部
72 非磁性部材
73 グロメット
74 リード線
75 軸受
G 空隙
L 磁路

Claims (9)

  1. 入力軸と出力軸の間のトルク伝達を行う第1の摩擦クラッチと、
    前記第1の摩擦クラッチの伝達トルクを調整する第2の摩擦クラッチと、
    前記第2の摩擦クラッチのトルクをスラスト力に変換して前記第1の摩擦クラッチへ伝達するカム機構と、
    前記入力軸と同一軸線上に設けられ、前記第1の摩擦クラッチ、前記カム機構及び前記第2の摩擦クラッチを内蔵したハウジングと、
    前記ハウジングの外端部に前記ハウジングと同一軸線上に設けられ、軸線方向に移動可能に設けられた電磁石と、
    前記ハウジング及び前記電磁石の間に形成される空隙と、
    前記ハウジング及び前記電磁石の間に介在する少なくとも1つの板部材と、を備え、
    前記電磁石に通電することで、前記ハウジングとの間で前記電磁石に作用する磁気吸引力を前記第2の摩擦クラッチへの操作力とした構成を有している駆動力配分装置。
  2. 前記第2の摩擦クラッチは、互いに摩擦係合する複数の第1及び第2のクラッチプレートを有し、
    前記複数の第1及び第2のクラッチプレートの一方のクラッチプレートの摺動面に紙製のフェーシングを設けた請求項1に記載の駆動力配分装置。
  3. 前記ハウジングの外端部の内部に前記第2の摩擦クラッチに向けて移動可能に配され、前記第2の摩擦クラッチを押付ける押圧部材を有し、
    前記押圧部材が、前記電磁石の移動に応じて前記第2の摩擦クラッチの操作力を調整する請求項2に記載の駆動力配分装置。
  4. 前記電磁石及び前記押圧部材間にスラストニードルベアリングとプレート部材が介在されている請求項3に記載の駆動力配分装置。
  5. 前記入力軸及び前記ハウジングは、一体的に形成されている請求項4に記載の駆動力配分装置。
  6. 前記ハウジングを回転可能に支持する外部ケースを備え、
    前記電磁石は、前記外部ケースの内周面に支持されている請求項5に記載の駆動力配分装置。
  7. 前記ハウジングを回転可能に支持する外部ケースを備え、
    前記電磁石は、前記ハウジングの軸部に対して相対回転可能及び軸方向移動可能に支持され、かつ、前記外部ケースに対しては回転不能に支持されている請求項5に記載の駆動力配分装置。
  8. 請求項1から7の駆動力配分装置を製造するにあたり、
    前記第1の摩擦クラッチ、前記第2の摩擦クラッチ、前記カム機構、前記ハウジング、前記電磁石及び前記板部材を、第1の組合せで互いに組み付ける第1組付工程と、
    前記第1の組合せで互いに組み付けられた状態で、前記電磁石に予め設定された値の設定電流を流して前記第1の摩擦クラッチの前記伝達トルクを測定する測定工程と、
    前記測定工程にて測定された前記伝達トルクと予め設定された設定トルクとの差に基づいて前記空隙の寸法の補正量を算出する算出工程と、
    前記空隙が前記補正量だけ補正されるように、前記第1の組合せに対し、前記第2の摩擦クラッチ、前記ハウジング、前記電磁石及び前記板部材の少なくとも1つを交換した第2の組合せで、前記第1の摩擦クラッチ、前記第2の摩擦クラッチ、前記カム機構、前記ハウジング、前記電磁石及び前記板部材を互いに組み付ける第2組付工程と、を含む駆動力配分装置の製造方法。
  9. 前記第2の組合せは、前記第1の組合せに対して前記板部材が交換されている請求項8に記載の駆動力配分装置の製造方法。
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