JP2009256681A - 白色led - Google Patents
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Abstract
青色や紫外に発光する発光部から出る紫外〜可視(300〜550nm)の波長域の光に励起帯を持つ高効率の蛍光体を提供する。
【解決手段】
Caの窒化物、Alの窒化物、Siの窒化物、Euの酸化物を準備し、各元素のモル比がCa:Al:Si:Eu=0.985:3:1:0.015となるように各原料を秤量し、窒素雰囲気下においてした後、窒素雰囲気中にて1500℃で焼成し、組成式Ca0.985SiAlN3:Eu0.015の蛍光体を得た。
【選択図】 図1
Description
当該LED等に使用される蛍光体としては、Y2O3S:Eu、La2O2S:Eu、3.5MgO・0.5MgOF2・GeO2:Mn、(La、Mn、Sm)2O2S・Ga2O3が赤色蛍光体として、ZnS:Cu・Al、SrAl2O4:Eu、BAM:Eu・Mnが緑色蛍光体として、YAG:Ceが黄色蛍光体として、BAM:Eu、Sr5(PO4)3Cl:Eu、ZnS:Ag、(Sr、Ga、Ba、Mg)10(PO4)6Cl:Euが青色蛍光体として知られている。そして、これらの蛍光体と発光部とを組み合わせて、白色または単色のLEDを始めとした光源や照明ユニットを得ることが出来る。
蛍光体が白色LED用として用いられる場合、蛍光体の発光効率により白色LED全体の輝度も改善されるため発光素子の発光波長に対して、より効率よく発光する蛍光体が求められていた。
例えば、YAG:Ce系黄色蛍光体は、LEDの発光素子の青色光により発光させる場合では効率の良い励起範囲にあり、良好な黄色発光を得ることが出来るが、LEDの発光素子の紫外光で発光させる場合には、励起範囲から外れ、高い発光が得られない。
また赤色蛍光体に関しては、既存の蛍光体では発光効率が悪いため、他色の蛍光体と混ぜ合わす際、赤成分の蛍光体の配合比を増やして発光量を補う方法がとられているが、より効率の良い蛍光体が求められていた。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、青色や紫外に発光する発光素子から出る紫外〜可視(300〜550nm)の波長域の光に励起帯を持つ高効率の蛍光体を提供することである。
一般式M−A−B−N:Zで表記される蛍光体であって、
前記蛍光体中において、M元素はII価の価数をとる元素であり、A元素はIII価の価数
をとる元素であり、B元素はIV価の価数をとる元素であり、Nは窒素であり、Z元素は付活剤であることを特徴とする蛍光体である。
第1の構成に記載の蛍光体であって、
組成式Mm−Aa−Bb−Nn:Zzで表記したとき、(m+z):a:b:n=1:1:1:3であることを特徴とする蛍光体である。
第1または第2の構成に記載の蛍光体であって、
M元素は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hgから選択される少なくとも1つ以上の元素であり、
A元素は、B(ホウ素)、Al、Ga、In、Tl、Y、Sc、P、As、Sb、Biから選択される少なくとも1つ以上の元素であり、
B元素は、C、Si、Ge、Sn、Ti、Hf、Mo、W、Cr、Pb、Zrから選択される少なくとも1つ以上の元素であり、
Z元素は、希土類元素または遷移金属元素から選択される少なくとも1つ以上の元素であることを特徴とする蛍光体である。
第1から第3の構成のいずれかに記載の蛍光体であって、
A元素はAl、B元素はSiであることを特徴とする蛍光体である。
第1から第4の構成のいずれかに記載の蛍光体であって、
前記蛍光体の母体構造中に酸素を含まないことを特徴とする蛍光体である。
第2から第5の構成のいずれかに記載の蛍光体であって、
前記M元素と前記付活剤Z元素とのモル比:z/(m+z)の値が0.0001以上、0.5以下であることを特徴とする蛍光体である。
第1から第6の構成のいずれかに記載の蛍光体であって、
M元素は、Mg、Ca、Sr、Ba、Znから選択される少なくとも1つ以上の元素であることを特徴とする蛍光体である。
第1から第7の構成のいずれかに記載の蛍光体であって、
Z元素は、Eu、Mn、Ceから選択される少なくとも1つ以上の元素であることを特徴とする蛍光体である。
第8の構成に記載の蛍光体であって、
Z元素はEuであることを特徴とする蛍光体である。
M元素はCa、A元素はAl、B元素はSiであることを特徴とする蛍光体である。
前記蛍光体は粉末状であることを特徴とする第1から第10のいずれかの構成に記載の蛍光体である。
第11の構成に記載の蛍光体であって、
前記蛍光体の平均粒度が20μm以下、1μm以上であることを特徴とする蛍光体である。
第1から第12のいずれかの構成に記載の蛍光体と、第1の波長の光を発する発光部とを有し、
前記第1の波長の光の一部を励起源とし、前記蛍光体を前記第1の波長と異なる波長で発光させることを特徴とする光源である。
前記第1の波長とは、300nm〜550nmの波長であることを特徴とする第13の構成に記載の光源である。
第1から第12のいずれかの構成に記載の蛍光体と、第1の波長の光を発する発光部とを有し、
前記第1の波長の光の一部を励起源とし、前記蛍光体を前記第1の波長と異なる波長で発光させることを特徴とするLEDである。
前記第1の波長とは、300nm〜550nmの波長であることを特徴とする第15の構成に記載のLEDである。
ここで、M元素は、前記蛍光体中においてII価の価数をとる元素である。A元素は、前記蛍光体中においてIII価の価数をとる元素である。B元素は、前記蛍光体中においてIV
価の価数をとる元素である。Nは、窒素である。Z元素は、前記蛍光体中において付活剤として作用している。蛍光体が当該母体構造を有していると、高い発光率を有する蛍光体となった。
ここで、2価の金属窒化物は通常M3N2の化学式をとり、3価の金属窒化物はANの化学式、4価の金属窒化物はB3N4の化学式を取ることから、各々をM:A:B=1:1
:1になるように混合するには、各窒化物をモル比で1:3:1で混合すればよい。ただ
しZ元素は、賦活剤として例えばII価の元素を用いた場合はM元素の一部を置換するので(m+z):a:b:n=1:1:1:3となる。
これにより、化学的に安定な構造を取ることができ、高効率・高輝度な蛍光体を得ることが出来るのだと考えられる。
前記A元素は、B(ホウ素)、Al、Ga、In、Tl、Y、Sc、P、As、Sb、Biから選択される少なくとも1つ以上の元素であることが好ましい。すなわち、A元素は、例えばAl単独であっても良いし、Al・Ga・・等の混合物であっても良い。
前記B元素は、C、Si、Ge、Sn、Ti、Hf、Mo、W、Cr、Pb、Zrから選択される少なくとも1つ以上の元素であることが好ましい。すなわち、B元素は、例えばSi単独であっても良いし、Si・Ge・・等の混合物であっても良い。
Z元素は、希土類元素または遷移金属元素から選択される少なくとも1つ以上の元素でであることが好ましい。すなわち、Z元素は、例えばEu単独であっても良いし、Eu・La・・等の混合物であっても良い。
前記M元素、A元素、B元素、Z元素が上記構成をとることで、蛍光体の発光効率はさらに高まる。
光体、Si−O−N系母体を有する蛍光体とは異なる組成系である。本発明者らの研究によれば、蛍光体中に酸素の含有量が多いと発光効率が低下し、且つ、蛍光体の発光波長は短波長側にシフトする傾向が見出された。この観点から、母体構成元素中に酸素を含んでいない本発明にかかる蛍光体は、発光効率が高く、発光波長が短波長側にシフトすることが回避することが出来、好ましい構成である。
加えて、当該蛍光体粉体をLED用蛍光体粉体として用いる場合を考えると、当該蛍光体粉体粉末と樹脂とを混合し当該LEDに塗布することとなるが、良好な塗布性を得る観点からも平均粒径は20μm以下、1μm以上が好ましい。
本発明に係る蛍光体の製造方法について、CaAlSiN3:Eu(但し、z/(m+z)=0.015の場合)の製造を例として説明する。
まず、M元素、A元素、B元素の窒化物を準備する。各窒化物は市販の原料で良いが、純度は高い方が好ましく2N以上、さらに好ましくは3N以上のものを準備する。Z元素の原料は酸化物を準備すれば良く市販の原料で良いが、純度は高い方が好ましく2N以上、さらに好ましくは3N以上のものを準備する。
これらの原料を、各元素のモル比がM:A:B:Z=0.985:3:1:0.015となるように各原料を秤量し混合する。勿論、M元素の0.985、Z元素の0.015の値は、z/(m+z)=0.015の設定値に合わせたものであり、当該設定値の変動により変動する。
当該混合は、乳鉢等を用いる通常の混合方法で良いが、窒素等の不活性雰囲気下でおこなう。不活性雰囲気下のグローブボックス内での操作が便宜である。
(実施例1)
市販のCa3N2(2N)、AlN(3N)、Si3N4(3N)、Eu2O3(3N)を準備し、各元素のモル比がCa:Al:Si:Eu=0.985:3:1:0.015となるように各原料を秤量し、窒素雰囲気下のグローブボックス中において乳鉢を用いて混合した。混合した原料を、窒素雰囲気中で1500℃まで15℃/minの昇温速度で昇温し、1500℃で3時間保持・焼成した後、1500℃から200℃まで1時間で冷却し、組成式Ca0.985SiAlN3:Eu0.015の蛍光体を得た。得られた蛍光体粉末の分析結果を表1に示す。
得られた蛍光体の平均粒子径(D50)は4.65μm、比表面積は1.13m2/gで
不純物として酸素が2.2%含まれていた。
まず図1を用いて、本発明の蛍光体の発光スペクトルについて説明する。発光スペクトルとは、ある波長の光またはエネルギーを物体に照射した際、物体より放出されるスペクトルであるが、図1は本発明の蛍光体に450nmの単色光を照射した際、蛍光体から発光した波長スペクトルを示したものである。
実施例2においては、CamSiaAlbN3:Euzの組成式を有する本発明に係る蛍光体を用いて賦活材Z元素の濃度による発光強度を測定した。
測定試料の製造においては、賦活剤Euの濃度はCaとの関係がm+z=1となるよう
にCaとEuとの添加量を調整した。
発光部として窒化物半導体を有する紫外光のLED上に、本発明で得られた蛍光体、および市販の青色蛍光体(BAM:Eu)、緑色蛍光体(ZnS:Cu.Al)、を塗布して当該紫外光のLEDを発光させた。すると、各蛍光体はLEDからの光により発光し、発光波長のスペクトルにより目視により白色に見えるLEDを得ることが出来た。
実施例4においては、本発明に係る蛍光体と、特許文献4、5に記載されているCa2Si5N8:Eu蛍光体とを比較した。
尚、本実施例に用いたCa2Si5N8:Eu蛍光体は、Ca3N2、Si3N4、Eu2O3の2Nまたは3N試薬を原料として準備し、それぞれ、Ca3N2、Si3N4、Eu2O3を1.97:5:0.03のモル比となるように秤量し、窒素雰囲気下のグローブボックス中において乳鉢混合したものである。混合した原料を窒素中において1500℃で3時間焼成を行い、実施例1と同様に冷却粉砕をおこなって、組成式Ca1.97Si5N8:Eu0.03の蛍光体を製造したものである。
表3の結果から明らかなように、製造された両蛍光体中に不純物として含まれる酸素およびその他元素の含有量は同程度であり、両蛍光体の比表面積も同程度であった。
図4は、図1と同様のグラフであり、本発明に係る蛍光体の発光スペクトルを実線で示し、組成式Ca1.97Si5N8:Eu0.03の蛍光体の発光スペクトルを破線で示している。
Claims (16)
- 一般式M−A−B−N:Zで表記される蛍光体であって、
前記蛍光体中において、M元素はII価の価数をとる元素であり、A元素はIII価の価数
をとる元素であり、B元素はIV価の価数をとる元素であり、Nは窒素であり、Z元素は付活剤であることを特徴とする蛍光体。 - 請求項1に記載の蛍光体であって、
組成式Mm−Aa−Bb−Nn:Zzで表記したとき、(m+z):a:b:n=1:1:1:3であることを特徴とする蛍光体。 - 請求項1または2に記載の蛍光体であって、
M元素は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hgから選択される少なくとも1つ以上の元素であり、
A元素は、B(ホウ素)、Al、Ga、In、Tl、Y、Sc、P、As、Sb、Biから選択される少なくとも1つ以上の元素であり、
B元素は、C、Si、Ge、Sn、Ti、Hf、Mo、W、Cr、Pb、Zrから選択される少なくとも1つ以上の元素であり、
Z元素は、希土類元素または遷移金属元素から選択される少なくとも1つ以上の元素であることを特徴とする蛍光体。 - 請求項1から3のいずれかに記載の蛍光体であって、
A元素はAl、B元素はSiであることを特徴とする蛍光体。 - 請求項1から4のいずれかに記載の蛍光体であって、
前記蛍光体の母体構造中に酸素を含まないことを特徴とする蛍光体。 - 請求項2から5のいずれかに記載の蛍光体であって、
前記M元素と前記付活剤Z元素とのモル比:z/(m+z)の値が0.0001以上、0.5以下であることを特徴とする蛍光体。 - 請求項1から6のいずれかに記載の蛍光体であって、
M元素は、Mg、Ca、Sr、Ba、Znから選択される少なくとも1つ以上の元素であることを特徴とする蛍光体。 - 請求項1から7のいずれかに記載の蛍光体であって、
Z元素は、Eu、Mn、Ceから選択される少なくとも1つ以上の元素であることを特徴とする蛍光体。 - 請求項8に記載の蛍光体であって、
Z元素はEuであることを特徴とする蛍光体。 - 請求項9に記載の蛍光体であって、
M元素はCa、A元素はAl、B元素はSiであることを特徴とする蛍光体。 - 前記蛍光体は粉末状であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の蛍光体。
- 請求項11に記載の蛍光体であって、
前記蛍光体の平均粒度が20μm以下、1μm以上であることを特徴とする蛍光体。 - 請求項1から12のいずれかに記載の蛍光体と、第1の波長の光を発する発光部とを有し、
前記第1の波長の光の一部を励起源とし、前記蛍光体を前記第1の波長と異なる波長で発光させることを特徴とする光源。 - 前記第1の波長とは、300nm〜550nmの波長であることを特徴とする請求項13に記載の光源。
- 請求項1から12のいずれかに記載の蛍光体と、第1の波長の光を発する発光部とを有し、
前記第1の波長の光の一部を励起源とし、前記蛍光体を前記第1の波長と異なる波長で発光させることを特徴とするLED。 - 前記第1の波長とは、300nm〜550nmの波長であることを特徴とする請求項15に記載のLED。
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