JP2004027022A - 酸窒化物蛍光体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る酸窒化物蛍光体は、
一般式:CaO・1.33Al2O3・0.67Si2ON2
で表されるS相を母体材料とし、前記S相に含まれるCaの一部を、発光中心となるEuで置換したものからなる。EuによるCaの置換率は、5at%以上50at%以下が好ましい。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸窒化物蛍光体に関し、さらに詳しくは、家電製品用の各種表示器、事務機器用の各種光源、車両用灯具、照明用光源、ディスプレイ用光源等に用いられる白色発光ダイオード用の蛍光体として好適な酸窒化物蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光ダイオード(LED)は、p型半導体とn型半導体とを接合した半導体固体発光素子である。LEDは、長寿命、優れた耐衝撃性、低消費電力、高信頼性等の長所を有し、しかも小型化、薄型化及び軽量化が可能であることから、各種機器の光源として用いられている。特に、白色LEDは、信頼性が要求される防災照明、小型化・軽量化が好まれる車載照明や液晶バックライト、視認性を必要とする駅の行き先案内板等に使用されており、また、一般家庭の室内照明への応用も期待されている。
【0003】
直接遷移型半導体からなるp−n接合の順方向に電流を流すと、電子と正孔が再結合し、半導体の禁制帯幅に対応するピーク波長を有する光が放出される。LEDの発光スペクトルは、一般にピーク波長の半値幅が狭いので、白色LEDの発光色は、専ら光の混色に関する原理によって得られている。
【0004】
白色を得る方法としては、具体的には、
(1)光の三原色である赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)をそれぞれ放出する三種類のLEDを組み合わせ、これらのLED光を混ぜる方法、
(2)紫外線を放出する紫外LEDと、その紫外線によって励起され、それぞれ赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の蛍光を放出する三種類の蛍光体とを組み合わせ、蛍光体から放出される三色の蛍光を混ぜる方法、
(3)青色光を放出する青色LEDと、その青色光によって励起され、青色光と補色の関係にある黄色の蛍光を放出する蛍光体とを組み合わせ、青色のLED光と、蛍光体から放出される黄色光とを混ぜる方法、
等が知られている。
【0005】
複数個のLEDを用いて所定の発光色を得る方法は、各色のバランスをとるために、各LEDの電流を調節するための特別の回路が必要となる。これに対し、LEDと蛍光体とを組み合わせて所定の発光色を得る方法は、このような回路が不要であり、LEDを低コスト化できるという利点がある。そのため、LEDを光源とするこの種の蛍光体について、従来から種々の提案がなされている。
【0006】
例えば、向井孝志他、応用物理、第68巻、第2号(1999)pp.152−155には、(Y、Gd)3(Al、Ga)5O12の組成式で表されるYAG系酸化物母体結晶中にCeをドープしたYAG蛍光体が開示されている。同文献には、InGaN系青色LEDチップの表面にYAG蛍光体を薄くコーティングすることによって、青色LEDから放出される青色光と、この青色光によって励起されたYAG蛍光体から放出されるピーク波長550nmの蛍光とが混ざり、白色光が得られる点が記載されている。
【0007】
また、特開2001−214162号公報には、CaCO3をCaOに換算して20〜50mol%、Al2O3を0〜30mol%、SiOを25〜60mol%、AlNを5〜50mol%、希土類酸化物又は遷移金属酸化物を0.1〜20mol%含むオキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体が開示されている。同公報には、Eu2+イオンをドープしたCa−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラスにおいて、窒素含有量を制御すると、励起スペクトルのピーク波長を青色LED光の波長に一致させることができる点が記載されている。
【0008】
また、J.W.H. van Krevel et.al., Journal of Alloys and Compounds, vol.268(1998)pp.272−277には、Y−Si−O−N系酸窒化物結晶にCe3+イオンをドープした蛍光体が開示されている。同文献には、これらの蛍光体の励起スペクトルのピーク波長が400nm未満である点、及び発光スペクトルのピーク波長が423nm〜504nmである点が記載されている。
【0009】
また、特開昭60−206889号公報には、β−サイアロン中のAlの一部をCu、Ag、Zr、Mn、In、Bi及びランタノイドから選ばれる少なくとも1種の活性剤元素で置換した発光窒化物が開示されている。同公報には、この発光窒化物が紫外線によって励起される点、及び発光スペクトルのピーク波長が活性剤の種類に応じて410〜885nmになる点が記載されている。
【0010】
また、特開平8−133780号公報には、リン、酸素及びフッ素を含むガラスに、蛍光剤としてTb又はEuを添加したフツ燐酸塩蛍光ガラスが開示されている。同公報には、このガラスが紫外線で励起され、可視光領域において強く発光する点が記載されている。
【0011】
さらに、特開平10−167755号公報には、ケイ素、ホウ素、酸素を含むガラスに、蛍光剤としてTb又はEuを添加した酸化物蛍光ガラスが開示されている。同公報には、このガラスが紫外線で励起され、可視光領域において強く発光する点が記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
LEDと蛍光体とを組み合わせた白色LEDは、一般に、LEDの表面を蛍光体を含む樹脂で封止した構造を取る。そのため、紫外LEDを用いた白色LEDは、紫外線によって樹脂が劣化し、耐久性に劣るという問題がある。
【0013】
これに対し、青色LEDを用いた白色LEDには、このような問題がないという利点がある。また、紫外LEDを用いた白色LEDに比して、発光効率が高いという利点もある。
【0014】
しかしながら、CeをドープしたYAG蛍光体は、赤色の光が非常に弱いという特徴がある。そのため、この蛍光体と青色LEDとを組み合わた白色LEDは、赤色の物体にLED光が当たると、物体は黄色味を帯びた赤色に見え、色の再現性(演色性)に劣るという問題がある。
【0015】
一方、特開2001−214162号公報に開示された蛍光体は、オキシ窒化物ガラスを母体材料として用い、母体材料のCa2+イオンの一部をEu2+、Eu3+、Ce3+、Tb3+などの希土類イオン又はCr3+、Mn2+などの遷移金属イオンで置換して合成したものである。この蛍光体は、オキシ窒化物ガラス中の酸素(−2価)の一部を窒素(−3価)に置き換えることによって結合のイオン性や共有結合性の割合が変わり、これによって励起波長及び発光波長を自在に変化させることができるとされている。
【0016】
しかしながら、この蛍光体は、ガラスを母体材料とする。そのため、ガラス特有の発光イオンの配位場から、可視・紫外光領域の広い波長範囲(≦550nm)に励起スペクトルを持つという特徴が見られる反面、結晶性の母体材料に比べて励起強度が不足するという問題がある。
【0017】
さらに、この種の蛍光体には、一般に、発光中心として希土類元素が用いられるが、希土類元素は、高価である。そのため、蛍光体を低コスト化するためには、添加した希土類元素を発光中心として効率よく機能させ、希土類元素の添加量を低減することが望まれる。
【0018】
本発明が解決しようとする課題は、青色光で励起され、青色光と補色関係にある蛍光を発光する結晶質の酸窒化物蛍光体を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、発光強度が高く、青色LEDと組み合わせて用いたときに演色性に優れた白色が得られる酸窒化物蛍光体を提供することにある。さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、発光中心となる希土類元素の添加量が微量であっても効率よく発光する酸窒化物蛍光体を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る酸窒化物蛍光体は、
一般式:CaO・1.33Al2O3・0.67Si2ON2
で表されるS相を母体材料とし、前記S相に含まれるCaの一部を、発光中心となるEuで置換したものからなる。
【0020】
S相にEuを添加した酸窒化物蛍光体に青色光を照射すると、Euが青色光で励起され、青色光と補色関係にある蛍光を放出する。S相は、結晶質であり、しかも組成の均一化が比較的容易で、不純物相の少ない母結晶が容易に得られる。そのため、これを蛍光体の母体材料として用いれば、励起スペクトル強度を増大させることができ、発光強度の高い蛍光体が得られる。また、Euの添加量が微量であっても、効率よく発光するので、蛍光体を低コスト化することができる。さらに、この蛍光体から放出される蛍光と青色光とを混色させると、赤みを帯びた温かみのある白色光が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る酸窒化物蛍光体は、次の化1の式に示す一般式で表されるS相を母体材料として用いた点を特徴とする。
【0022】
【化1】
CaO・1.33Al2O3・0.67Si2ON2
【0023】
S相は、 W.Y.Sunらによって発見された5成分系化合物であり、単相のS相は、固相反応によってのみ得られるとされている(W.Y.Sun et.al., Guisuanyan Xuebao, 16[2]130−137(1988)参照)。
【0024】
本発明に係る酸窒化物蛍光体は、化1の式で表されるS相に含まれるCaの一部を、発光中心となるEuで置換したものからなる。S相中に固溶したEuは、2価のイオンとなって発光していると考えられている。
【0025】
本発明において、EuによるCaの置換率(以下、これを「Ca置換率」という。)は、特に限定されるものではない。一般に、蛍光体に含まれる発光中心の量が多くなるほど、及び/又は発光中心が均一に分散しているほど、発光強度は高くなる。一方、発光中心の量が多すぎると、濃度消光を起こすので、蛍光体の発光強度は、かえって低下する。高い発光強度を得るためには、Ca置換率は、5at%以上50at%以下が好ましく、さらに好ましくは、10at%以上30at%以下である。
【0026】
本発明に係る酸窒化物蛍光体は、種々の用途に供することができるが、LED用の蛍光体として用いる場合には、通常、粉末の状態で使用される。粉末状にした蛍光体は、適当な樹脂と混合され、この混合物がLEDの表面に塗布される。良好な塗布性を得るためには、粉末の重量平均粒径は、0.5μm以上50μm以下が好ましく、さらに好ましくは、2μm以上10μm以下である。
【0027】
なお、本発明に係る酸窒化物蛍光体は、理想的には、化1の式で表されるS相に含まれるCaの一部がEuで置換されたもののみから構成されていることが望ましいが、製造過程で混入する不可避的な不純物相(例えば、未反応原料、ガラス相など)が若干含まれていても良い。
【0028】
次に、本発明に係る酸窒化物蛍光体の作用について説明する。S相は、結晶質の材料であり、しかも、組成の均一化が容易で、不純物相の少ない母結晶が容易に得られる。本発明に係る酸窒化物蛍光体は、このようなS相を母体材料として用いているので、ガラスを母体材料に用いた場合に比して、励起スペクトル強度を増大させることができ、発光強度が高く明るい蛍光体になる。
【0029】
また、Euの添加量が微量であっても効率の良い発光が得られるので、Eu付活剤の使用量を低減することができ、蛍光体を低コスト化することができる。しかも、母体材料として結晶性のS相を用いているので、熱的・機械的特性及び化学的安定性に優れており、過酷な環境下でも高い耐久性を示す。
【0030】
さらに、本発明に係る酸窒化物蛍光体は、470±30nmの波長を有する光を含む励起光で励起され、発光スペクトルのピーク波長が590±30nmである蛍光を放出する。従って、この蛍光体を青色LEDの表面に塗布すれば、蛍光体は、青色LEDから照射される青色光によって励起され、青色光と補色関係にある蛍光を放出する。しかも、この蛍光は、従来の蛍光体から放出される蛍光に比して赤色の成分が強い。そのため、青色光と混色させることによって、赤みを帯びた温かみのある白色光が得られる。
【0031】
次に、本発明に係る酸窒化物蛍光体の製造方法について説明する。本発明に係る酸窒化物蛍光体は、成分元素を含む化合物を所定の比率になるように混合し、得られた混合物を所定の条件下で焼成することにより得られる。
【0032】
出発原料には、Ca、Si、Al、及びEu(以下、これらを「陽イオン元素」という。)を含む炭酸塩、酸化物、窒化物等の化合物を用いることができる。出発原料には、1種類の陽イオン元素を含む単純化合物を用いても良く、あるいは、2種以上の陽イオン元素を含む複合化合物を用いても良い。
【0033】
出発原料の種類及び配合比率は、作成しようとする蛍光体の組成に応じて選択する。基本的には、合計xmol(0<x<1)のEuを含む1種又は2種以上のEu供給源と、合計(1−x)molのCaを含む1種又は2種以上のCa供給源と、合計2.67molのAlを含む1種又は2種以上のAl供給源と、合計1.33molのSiを含む1種又は2種以上のSi供給源とを配合すればよい。また、これらの陽イオン元素供給源の内の少なくとも1つは、窒素を含む化合物(例えば、窒化物、酸窒化物など)を用いるのが好ましい。
【0034】
例えば、出発原料としてCaCO3、Al2O3、SiO2、AlN及びEu2O3を用い、Caの15at%をEuで置換した蛍光体を作製する場合、CaCO3をCaO換算で1.7mol(20mol%)、Al2O3を1.33mol(15.6mol%)、SiO2を2.67mol(31.3mol%)、AlNを2.67mol(31.3mol%)、Eu2O3を0.15mol(1.8mol%)の割合で配合すればよい。他の出発原料を用いる場合及び他の組成を有する蛍光体を製造する場合も同様である。
【0035】
配合された出発原料は、所定の条件下で焼成する。焼成時の雰囲気は、ゲージ0.1気圧以上の窒素ガス雰囲気が好ましい。窒素ガスの圧力がゲージ0.1気圧未満になると、S相の分解が生ずるので好ましくない。窒素ガスの圧力は、さらに好ましくは、ゲージ0.5気圧以上である。
【0036】
焼成温度は、1200℃以上1600℃以下が好ましい。焼成温度が1200℃未満であると、出発原料の固相反応の反応速度が遅くなるので好ましくない。一方、焼成温度が1600℃を越えると、S相の分解が生ずるので好ましくない。焼成温度は、さらに好ましくは、1300℃以上1500℃以下である。
【0037】
焼成温度における保持時間(焼成時間)は、0.5時間以上が好ましい。焼成時間が0.5時間未満であると、固相反応が不十分となり、単相のS相が得られないので好ましくない。焼成時間は、さらに好ましくは、1時間以上である。
【0038】
このような条件下で焼成すると、固相反応によって、S相に所定量のEuが固溶した粉末状の酸窒化物蛍光体が得られる。焼成直後は、通常、粉末が凝集した状態となっているので、これをLED用の蛍光体として用いる場合には、合成された粉末状蛍光体を所定の粒度となるように粉砕する。
【0039】
【実施例】
(実施例1)
出発原料としてCaCO3、Al2O3、SiO2、AlN及びEu2O3を用い、これらを、それぞれ、CaO換算で20.0mol%、15.6mol%、31.3mol%、31.3mol%及び1.8mol%となるように秤量し、窒化ケイ素乳鉢中で混合した。なお、本実施例の組成は、S相に含まれるCaの15at%がEuで置換された組成に相当する。
【0040】
次に、この混合物を約2cm角のMo容器に入れ、黒鉛抵抗加熱式加圧焼結炉を用いて焼成した。焼成は、ゲージ1.0気圧の窒素ガス中において、焼成温度:1400℃で、焼成時間:4時間の条件下で行った。さらに、得られた粉末を窒化ケイ素製乳鉢中で粉砕し、蛍光体試料とした。
【0041】
(比較例1)
出発原料としてCaCO3、Al2O3、SiO2、AlN及びEu2O3を用い、これらを、それぞれ、CaO換算で13.2mol%、4.1mol%、40.6mol%、40.6mol%及び1.5mol%となるように秤量し、窒化ケイ素乳鉢中で混合した。
【0042】
次に、この混合物を約2cm角のMo容器に入れ、黒鉛抵抗加熱式加圧焼結炉を用いて焼成した。焼成は、ゲージ1.0気圧の窒素ガス中において、焼成温度:1575℃、焼成時間:2時間の条件下で行い、焼成後は炉冷した。さらに、得られた粉末を窒化ケイ素製乳鉢中で粉砕し、蛍光体試料とした。
【0043】
実施例1及び比較例1で得られた蛍光体試料をガラス製サンプル瓶(φ18×40×φ10、6ml)に入れ、その底面に励起光を垂直(距離:30mm)に当てた。蛍光体試料から放出される蛍光を、約30°斜め方向(距離:約150mm)からファイバースコープにより集光し、分光測光装置を用いてその発光スペクトルを評価した。なお、励起光の照射には、砲弾型青色LED(3.5V、20mA、φ5、指向角15°、発光ピーク波長470nm又は450nm)を1個使用した。
【0044】
さらに、これらの蛍光体試料について、X線回折法により生成相を同定した。表1に、各蛍光体試料の組成、主相及び励起・発光特性を示す。
【0045】
【表1】
【0046】
比較例1で得られた合成粉は、Mo容器内で塊状の発砲したガラス状となっていた。X線回折装置により生成相を確認したところ、低角度側にハローが見られるのみで、結晶を示すピークはまったく観察されず、ガラスであることが確認された。また、この蛍光体試料は、450nm及び470nmの青色光で励起され、発光ピーク波長が、それぞれ578nm及び580nmである発光スペクトルが得られた。しかしながら、発光ピーク強度は、それぞれ182(任意単位)及び124(任意単位)であった
【0047】
これに対し、実施例1で得られた合成粉の生成相をX線回折装置により確認したところ、その主たる結晶相は、W.Y.Sunらにより報告されたS相に一致した。また、この蛍光体試料は、450nm及び470nmの青色光で励起され、発光ピーク波長が、それぞれ582nm及び584nmである発光スペクトルが得られた。さらに、発光ピーク強度は、それぞれ298(任意単位)及び252(任意単位)であり、いずれも比較例1より高い値を示した。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【0049】
例えば、本発明に係る蛍光体は、青色LEDと組み合わせて用いる白色LED用の蛍光体として特に好適であるが、本発明の用途は、これに限定されるものではなく、440nm以下の藍色・紫色、400nm以下の近紫外線・紫外線の励起による蛍光体、Eu以外の発光中心を添加した蛍光体等としても使用することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係る酸窒化物蛍光体は、不純物相が少なく、母体材料の結晶性も高いので、高い発光強度が得られるという効果がある。また、Euの添加量が微量であっても、効率よく発光するので、蛍光体を低コスト化できるという効果がある。さらに、本発明に係る酸窒化物蛍光体は、青色光によって励起され、赤色の強い黄色光を発光するので、青色光と混色させることによって赤みを帯びた温かみのある白色光が得られるという効果がある。
Claims (3)
- 一般式:
CaO・1.33Al2O3・0.67Si2ON2
で表されるS相を母体材料とし、
前記S相に含まれるCaの一部を、発光中心となるEuで置換したものからなる酸窒化物蛍光体。 - EuによるCaの置換率は、5at%以上50at%以下である請求項1に記載の酸窒化物蛍光体。
- 470±30nmの波長を有する光を含む励起光で励起され、発光スペクトルのピーク波長が590±30nmである蛍光を放出する請求項1又は2に記載の酸窒化物蛍光体。
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