JP4415065B1 - 蛍光体及びその発光波長のシフト方法、並びに光源およびled - Google Patents

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Abstract

【課題】
紫外〜可視の発光部と組合せて使用する際、人間の視感度の高い領域において自身の発光波長を任意に設定できることで、当該領域での輝度を向上させることができ、且つ、前記発光部から出る波長域の光に渡って励起帯を持つ蛍光体およびその製造方法、並びに、前記蛍光体を用いた照明およびLEDを提供することを目的とする。
【解決手段】
原料として、例えばCa3N2、CaO、AlO3、AlN、Si3N4、SiO2、Eu2O3を準備し、各元素のモル比を、例えば(Ca,Eu) : Al : Si = 1 : 1 : 1となるように各原料を秤量し、素雰囲気下で混合して仕込み、窒素雰囲気中で1500℃焼成してCaAlSiN3:Euで示される蛍光体の主たる生成相を得るが、原料仕込み時に各原料の配合量を制御することで、当該生成相の構造中の酸素濃度、Eu添加のモル濃度を制御し、当該生成相の発光波長を任意に設定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、CRT、PDP、FED、ELなどのディスプレイ装置や、LED、蛍光表示管、蛍光ランプなどの照明装置等に使用される蛍光体およびその製造方法、並びに光源およびLEDに関するものであり、特には、紫外・青色等の光により励起され、可視光または白色光を発光する蛍光体およびその製造方法、当該蛍光体の発光波長のシフト方法、並びに当該蛍光体を用いた光源およびLED等に関する。
現在、照明装置として用いられている放電式蛍光灯、白熱電球などは、水銀などの有害な物質が含まれている、寿命が短いといった諸問題を抱えている。ところが近年になって青色や紫外に発光するLEDが次々と開発され、そのLEDから発生する紫外〜青色の光と紫外〜青色の波長域に励起帯を持つ蛍光体とを組合せることにより、当該蛍光体を白色に発光させ、その白色光を次世代の照明として利用できないかといった研究、開発が盛んに行われている。この白色LED照明は、熱の発生が少ないこと、半導体素子と蛍光体とから構成されているため、従来の白熱電球のように切れることがなく長寿命であること、水銀などの有害な物質が不要であることといった利点があり、理想的な照明装置である。
ここで、上述したLEDと蛍光体とを組合せて白色光を得るには、一般的に2つの方式が考えられている。一つは青色発光するLEDと、当該青色発光を受けて励起され黄色発光する蛍光体とを組み合わせ、この青色発光と黄色発光との組み合わせにより白色発光を得るものである。
もう一つは、近紫外・紫外発光するLEDと、当該近紫外・紫外発光を受けて励起され赤色(R)発光する蛍光体、緑色(G)発光する蛍光体、青色(B)発光する蛍光体、他とを組み合わせ、当該RGB他の光により白色発光を得るものである。このRGB他の光により白色発光を得る方法は、RGB他の蛍光体の組合せや混合比などにより、白色光以外にも任意の発光色を得ることが可能であり、照明装置としての応用範囲が広い。そして、当該用途に使用される蛍光体としては、赤色蛍光体であれば、例えば、Y2O2S:Eu、La2O2S:Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn、(La、Mn、Sm)2O2S・Ga2O3:Euがあり、緑色蛍光体であれば、例えば、ZnS:Cu・Al、SrAl2O4:Eu、BAM:Eu・Mnがあり、黄色蛍光体であれば、例えば、YAG:Ceがあり、青色蛍光体であれば、例えば、BAM:Eu、Sr5(PO4)3Cl:Eu、ZnS:Ag、(Sr、Ca、Ba、Mg)10(PO4)6Cl:Euがある。そして、これらのRGB他の蛍光体を、近紫外・紫外発光するLEDなどの発光部と組合せることにより、白色または所望の発色をおこなうLEDを始めとした、光源や照明装置を得ることが可能となる。
しかし、青色LEDと黄色蛍光体(YAG:Ce)の組合せによる白色LED照明については、可視光領域の長波長側の発光が不足してしまうため、若干青みを帯びた白色の発光となってしまい、電球のようなやや赤みを帯びた白色発光を得ることができない。
また、近紫外・紫外LEDとRGB他の蛍光体との組合せによる白色LED照明では、3色の蛍光体のうち赤色蛍光体が他の蛍光体に比べ長波長側の励起効率が悪く、発光効率が低いために、赤色蛍光体のみ混合割合を多くせざるを得ず、輝度を向上させる蛍光体が不足し高輝度の白色が得られない。更に、当該蛍光体の発光スペクトルがシャープであるため演色性が悪いといった問題がある。
そのため最近では、長波長側に良好な励起を持ち、半値幅の広い発光ピークが得られるオキシ窒化物ガラス蛍光体(例えば、特許文献1参照)や、サイアロンを母体とする蛍光体(例えば、特許文献2、3参照)、シリコンナイトライド系などの窒素を含有した蛍光体(例えば、特許文献4、5参照)が報告されている。そして、当該窒素を含有した蛍光体は、酸化物系蛍光体などに比べ共有結合の割合が多くなるため、波長400nm以上の光においても良好な励起帯を持つといった特徴があり、白色LED用蛍光体として注目を集めている。
また、本発明者らにおいても、青色や紫外にて発光する発光素子から発する紫外〜可視(250〜550nm)の波長域の光に良好な励起帯を持つ窒素を含有する蛍光体を報告している。(特許文献6参照)
特開2001-214162号公報 特開2003-336059号公報 特開2003-124527号公報 特表2003-515655号公報 特開2003-277746号公報 特願2004-055536号
上述した、青色や紫外に発光する発光素子と、当該発光素子から発生する紫外〜青色の波長域に対して励起帯を持つ蛍光体との組合せにより可視光、白色光を発するLEDを始めとした光源において、可視光または白色光の発光特性向上には、発光素子および蛍光体の発光効率の向上が求められることは勿論だが、同時に、蛍光体の発光色(色度、発光波長、輝度)も重要である。加えて、今後は、LEDや光源等の使用用途により、発光色および励起帯が、各々適性化された蛍光体への要望が高くなると考えられる。ここで、本発明者らは、以下に説明する課題に想到した。
まず、蛍光体の発光色に関する輝度についての課題を説明する。
例えば、蛍光体が発する発光の強度が物理的に同じであっても、短波長の青色光や長波長の赤色光は、黄色光や緑色光に比べ人間の視覚において暗く感じてしまう。これは人間の視感度において、最も明るく感じられる波長が555nm付近の黄緑色光にあるためである。従って、蛍光体が発する発光波長において、この波長の割合を高くすることにより同じ色調であっても人間にとって明るく感じられることになる。この結果、発光波長において黄緑色光の割合が高い蛍光体であれば、輝度も高くなるので、このような蛍光体を開発することが課題である。
次に、蛍光体の発光色に関する演色性についての課題を説明する。
蛍光体の発光色に関し、照明用としての観点からも考えると、紫外〜青色の発光部と組み合わされたとき、青色から赤色まで隙間のなくブロードな発光スペクトルとなることが求められる。例えば、汎用的な蛍光体であるYAG:Ce系黄色蛍光体は、発光波長が約560nm付近であり、視感度に対しての発光効率は最も良い発光スペクトルをもつ蛍光体であるといえる。しかしながら、YAG:Ce系黄色蛍光体と青色LEDとを組合せて白色光を得ようとした場合、上述した輝度(視感度)の観点では十分であるが、赤色にあたる長波長側の発光色が不足してしまうため、得られる発光は若干青みを帯びた白色の発光となり、白熱電球の発光のような、やや赤みを帯びた白色発光を得ることができない。このため、YAG:Ce系黄色蛍光体と青色LEDとを組合せた白色光を、赤色の物体に当てた場合、赤色がくすんで見える現象が起こり演色性に問題が出る。ここで演色性の問題を解決する方法として、YAG:Ce系黄色蛍光体の発する黄色光へ、さらに赤色光を加え、青色から赤色までスヘ゜クトルの隙間がない発光を実現することがもとめられるが、当該赤色光を得るためには、演色性と輝度特性とを有する赤色系の蛍光体を開発することが課題である。
さらに、蛍光体の励起光の励起範囲に関する課題を説明する。
蛍光体を励起する発光素子および蛍光体の発光効率の向上の観点から、上述したYAG:Ce系黄色蛍光体をみると、YAG:Ce系黄色蛍光体は、青色LEDが発する青色光で発光させる場合には効率の良い励起範囲にあり、良好な黄色発光を得ることができる。しかし、近紫外・紫外LEDが発する近紫外・紫外光で発光させる場合には、効率の良い励起範囲から外れてしまうため、十分な発光が得られない。この原因は、YAG:Ce系黄色蛍光体にとって効率の良い励起範囲が狭いためである。
そして、YAG:Ce系黄色蛍光体にとって効率の良い励起範囲が狭いという問題点は、上述した青色LEDが発する青色光で発光させる場合においても、青色LEDの製造時における発光素子のばらつきによる発光波長のばらつきにより、当該青色LEDの発光波長が、YAG:Ce系黄色蛍光体の最適励起範囲から外れてしまうことで、青色と黄色の波長バランスが崩れるという事態に至ることがある。そして、当該事態に至ると、青色光と黄色光とを合成させて得られる白色光の色調が変化してしまうという問題がおこる。ここで、LEDの製造に伴う発光波長のばらつきは避けることができないため、当該色調変化を回避するためには、励起帯の範囲が広く且つ平坦な特性を有する蛍光体を開発することが課題である。
本発明は、上述の課題を考慮してなされたもので、紫外〜可視の発光部と組合せて使用する際、人間の視感度の高い領域において自身の発光波長を任意に設定できることで、当該領域での輝度を向上させることができ、演色性と輝度特性とを有する赤色系の発光をおこない、前記発光部から出る紫外〜可視光(250nm〜600nm)の広い波長域の光に渡って励起帯を持つ蛍光体およびその製造方法、当該蛍光体の発光波長のシフト方法、並びに、当該蛍光体を用いた光源およびLEDを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の課題に対し種々の蛍光体の組成について研究を進めた結果、視感度の高い領域に発光波長を任意に設定することができ、輝度特性に優れ、且つ発光効率の高い蛍光体を得ることができた。
すなわち、上述の課題を解決するための第1の構成は、
組成式MmAaBbOoNn:Z(但し、M元素はII価の価数をとる1種以上の元素であり、A元素はIII価の価数をとる元素であり、B元素はIV価の価数をとる元素であり、Oは酸素であり、Nは窒素であり、Z元素は付活剤であり、n=2/3m+a+4/3b-2/3o、m=a=b=1であり、o、nはいずれも0とはならず、0<o≦mであり、0.0001≦z/(m+z)≦0.5である)で表記される蛍光体の主たる生成相を含み、
前記M元素はMg、Ca、Sr、Ba、Znから選択される1種以上の元素であり、前記A元素はAlであり、前記B元素はSiであり、前記Z元素はEuであることを特徴とする蛍光体である。
の構成は、
24〜30Wt%のCaと、17〜21wt%のAlと、18〜22wt%のSiと、1〜15wt%の酸素と、15〜33Wt%の窒素と、0.01〜10Wt%のEuとを含む、第1から第6の構成のいずれかに記載の蛍光体であって、
発光スペクトルにおけるピーク波長が、600nm〜660nmの範囲にあり、
発光の色度xが0.5〜0.7、発光の色度yが0.3〜0.5の範囲にあることを特徴とする第1の構成の蛍光体である。
の構成は、
前記蛍光体は、粉末状であることを特徴とする第1または第2の構成記載の蛍光体である。
の構成は、
前記粉末状の蛍光体の平均粒度が20μm以下、0.1μm以上であることを特徴とする第の構成に記載の蛍光体である。
の構成は、
第1から第の構成のいずれかに記載の蛍光体の発光波長のシフト方法であって、
前記M元素、A元素、B元素から選択される少なくとも1つの元素の原料として、当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物とを準備し、
前記当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物との配合により、前記蛍光体の主たる生成相に含まれる酸素濃度を制御することで、発光波長をシフトさせることを特徴とする蛍光体の発光波長のシフト方法である。
の構成は、
第1から第の構成のいずれかに記載の蛍光体の発光波長のシフト方法であって、
Z元素の配合量を制御することで、発光波長をシフトさせることを特徴とする蛍光体の発光波長のシフト方法である。
の構成は、
第1から第の構成のいずれかに記載の蛍光体の発光波長のシフト方法であって、
前記M元素、A元素、B元素から選択される少なくとも1つの元素の原料として、当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物とを準備し、
前記当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物との配合により、前記蛍光体の主たる生成相に含まれる酸素濃度を制御し、
且つ、Z元素の配合量を制御することで、発光波長をシフトさせることを特徴とする蛍光体の発光波長の発光波長のシフト方法である。
の構成は、
第1から第の構成のいずれかに記載の蛍光体と、所定波長の光を発する発光部とを有し、前記所定波長の光の一部を励起源とし、前記蛍光体を前記所定波長と異なる波長で発光させることを特徴とする光源である。
の構成は、
前記所定波長とは、250nm〜600nmのいずれかの波長であることを特徴とする第の構成に記載の光源である。
10の構成は、
第1から第の構成のいずれかに記載の蛍光体と、所定波長の光を発する発光部とを有し、前記所定波長の光の一部を励起源とし、前記蛍光体を前記所定波長と異なる波長で発光させることを特徴とするLEDである。
11の構成は、
前記所定波長とは、250nm〜600nmのいずれかの波長であることを特徴とする第10の構成に記載のLEDである。
第1から第の構成に係る蛍光体は、主たる生成相の構造中の酸素の含有量および/または付活剤の添加量を制御することにより発光のピーク波長を、人間の視感度の高い領域で任意に設定することができ、演色性と輝度特性とを有する赤色系の発光をおこない、紫外〜可視光(波長域250nm〜600nm)に渡る励起帯を有している。
記M元素、A元素、B元素から選択される少なくとも1つの
元素の原料として、当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物とを準備し、
前記当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物との両者の配合比を制御することで、mの値を変えることなく蛍光体の主たる生成相中の酸素量、窒素量の制御をおこなうことができる。
から第の構成に係る蛍光体の発光波長のシフト方法によれば、
前記M元素、A元素、B元素から選択される少なくとも1つの元素の原料として、当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物とを準備し、前記当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物との配合により、前記蛍光体の主たる生成相に含まれる酸素濃度を制御するか、および/または、Z元素の配合量を制御することで、蛍光体の輝度を保ったまま、発光波長を任意に設定できる。
から第の構成に係る光源は、高輝度で演色性の良い発光をおこなうと共に、発光の効率が高い光源である。
10から第11の構成に係るLEDは、高輝度で演色性の良い発光をおこなうと共に、発光の効率が高いLEDである。
本発明に係る蛍光体の主たる生成相の発光波長のピーク波長と輝度との関係を示すグラフである。 本発明に係る蛍光体の主たる生成相の励起スペクトルを示すグラフである。 本発明に係る蛍光体の主たる生成相の発光スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施例に係るLEDの発光スペクトルを示すグラフである。 本発明の異なる実施例に係るLEDの発光スペクトルを示すグラフである。
本発明に係る蛍光体は、組成式MmAaBbOoNn:Zと表記される蛍光体の主たる生成相(以下、生成相と記載する。)を含む蛍光体である。ここでM元素は、前記蛍光体の主たる生成相中においてII価の価数をとる元素から選択される少なくとも1種以上の元素である。A元素は、前記生成相中においてIII価の価数をとる少なくとも1種以上の元素である。B元素は、前記生成相中においてIV価の価数をとる少なくとも1種以上の元素である。Oは酸素であり、Nは窒素である。Z元素は、前記生成相中において付活剤として作用する元素であって、希土類元素または遷移金属元素から選択される少なくとも1種以上の元素である。そして、生成相が当該構造を有していると、当該生成相は、紫外〜可視光(波長域250nm〜600nm)の範囲の光に対して励起帯を持ち、且つ高輝度で、発光スペクトルの半値幅が広く、演色性と輝度特性とを有する赤色系の蛍光を発する蛍光体を得ることができる。
そして、上述の生成相が化学的に安定な構造をとると、当該構造中に、発光に寄与しない不純物相が生じにくくなるため、発光特性の低下を抑制でき好ましい構成である。そこで、生成相に化学的に安定な構造をとらせるため、当該生成相は、上述した組成式MmAaBbOoNn:Zであって、n=2/3m+a+4/3b-2/3o、m/(a+b)≧1/2、(o+n)/(a+b)>4/3と表記される構造であることが好ましい。但し、m、a、b、o、nはいずれも0とはならない。
さらに、上述した組成式MmAaBbOoNn:Zの構造を有する生成相において、M元素が+II価、A元素が+III価、B元素が+IV価の元素であり、酸素が−II価の元素、窒素が−III価の元素であることからm = a = b = 1となることで、生成相の構造はさらに安定な化合物となり好ましい。この場合、化合物中の窒素の含有量は、構造中の酸素の含有量により好ましい範囲が定まり、m = a = b = 1の場合であれば、n=3-2/3o 、(但し、0<o≦1)と表される。尤も、いずれの場合でも、生成相の構造を示す組成式からの若干の組成のずれは許容される。
一方、上述した組成式MmAaBbOoNn:Zの構造を有する生成相において、酸素のモル比oを制御することにより、当該蛍光体の発光波長のピーク波長を、600nm〜660nmの範囲で、任意にシフトさせて設定することができる。ただし酸素のモル比oは、0<o≦mの範囲で制御することが好ましい。酸素の含有量が当該範囲にあると不純物組成が生成することなく、当該生成相の輝度の低下を回避できるからである。
さらに、付活剤元素Zの添加量制御によっても、当該生成相の発光波長ピーク波長をシフトさせて設定することができ、輝度の調整の際に有益である。
この付活剤元素Zの添加量制御は、M元素と付活剤Z元素とのモル比z/(m+z)が、0.0001以上、0.5以下の範囲にあることが好ましい。M元素と付活剤Z元素とのモル比z/(m+z)が当該範囲にあると、付活剤の含有量の過剰に起因する濃度消光による発光効率の低下を回避でき、他方、付活剤の含有量の過少に起因する発光寄与原子の不足による発光効率の低下も回避できる。加えて、z/(m+z)の値が、0.0005以上、0.1以下の範囲内であると良い発光を得ることができ好ましい。但し、z/(m+z)の値の範囲の最適値は、付活剤元素Zの種類およびM元素の種類により若干変動する。
本発明係る蛍光体は、上述した生成相と、酸素とを含んでいる場合がある。この酸素は、当初から原料の表面に付着していた酸素、焼成仕込み時や焼成時に原料の表面が酸化したことで混合した酸素、および焼成後に蛍光体試料表面に吸着した酸素であると考えられる。後述する実施例に係る蛍光体の分析結果から判断すると、生成相の質量に対し、3wt%以下の酸素が含まれていると考えられる。そして、本発明係る蛍光体は、生成相とは別にさらに酸素とを含んでいることで、それ以上の酸化が起こりにくく、耐久性に優れ寿命の長い蛍光体であると考えられる。
本発明に係る蛍光体試料の製造に際して、M元素(+II価)、A元素(+III価)、B元素(+IV価)の原料として、それぞれの窒化物、酸化物、いずれの化合物を用いても良い。例えば、M元素の窒化物(M3N2)・酸化物(MO)、A元素、B元素の窒化物(AN,B3N4)を用いて混合してもよい。そして、この窒化物、酸化物、両者の配合比を制御することで、mの値を変えることなく試料中の酸素量、窒素量の制御をおこなうことができる。勿論、窒化物、酸化物とはいっても、酸素のみと化合した化合物、窒素のみと化合した化合物に限る意味ではなく、例えば、炭酸塩、蓚酸塩等のように焼成中に分解し、実質的に酸化物となる当該元素と酸素とを有する化合物のことであり、窒化物の場合も当該元素と窒素とを有する化合物ことである。但し、以下の説明においては便宜のため、当該元素と酸素とを有する化合物として、当該元素の酸化物、当該元素と窒素とを有する化合物として、当該元素の窒化物を例として説明する。
例えば、m = a = b = 1、酸素のモル比o=0.5の条件で秤量する場合であれば、各原料をモル比でM3N2 : MO : AN : B3N4 = 0.5 : 1.5 : 3 : 1で秤量すれば良い。さらに、このとき、付活剤のZ元素が例えばII価の元素の場合は、Z元素はM元素の一部を置換するため、この置換を考慮して(m+z) = a = b = 1とすることが好ましい。これにより、生成相の構造は化学的に安定な構造をとることができ、高効率・高輝度な蛍光体を得ることができる。
前記M元素は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hgから選択される少なくとも1つ以上の元素であることが好ましく、さらには、Mg、Ca、Sr、Ba、Znから選択される少なくとも1つ以上の元素であることが好ましい。
前記A元素は、B(ホウ素)、Al、Ga、In、Tl、Y、Sc、P、As、Sb、BiなどIII価の価数をとる元素から選択される少なくとも1つ以上の元素であることが好ましく、さらにはB、Al、Gaから選択される少なくとも1つ以上の元素であることが好ましく、Alであることが最も好ましい。Alは、窒化物であるAlNが一般的な熱伝材料や構造材料として用いられており、入手容易且つ安価であり加えて環境負荷も小さく好ましい。
前記B元素は、C、Si、Ge、Sn、Ti、Hf、Mo、W、Cr、Pb、ZrなどIV価の価数をとる元素から選択される少なくとも1つ以上の元素であることが好ましく、さらには、Siおよび/またはGeであることが好ましく、Siであることが最も好ましい。Siは、窒化物であるSi3N4が一般的な熱伝材料や構造材料として用いられており、入手容易且つ安価であり加えて環境負荷も小さく好ましい。
前記Z元素は、希土類元素または遷移金属元素から選択される少なくとも1つ以上の元素であることが好ましいが、例えば当該蛍光体を用いた白色光源や白色LEDに演色性を発揮させるためには、当該生成相の発光が半値幅の広いスペクトルであることが好ましい。そして、当該観点からはEu、Mn、Sm、Ceから選択される少なくとも1つ以上の元素であることが好ましい。中でもEuを用いると、当該生成相は橙色から赤色にかけての強い発光を示すため発光効率および演色性が高く、白色照明、白色LED用に適用される生成相の付活剤としてより好ましい。
尚、生成相の構造のM元素の一部を置換したZ元素の種類によって、異なった波長の発光有する蛍光体を得ることができる。
前記M元素、A元素、B元素、Z元素が上記の構成をとることで、生成相の発光強度および輝度が高まる。さらに、当該蛍光体において、好ましいM元素としてCa、好ましいA元素としてAl、好ましいB元素としてSi、好ましいZ元素としてEuを選択したとき、本発明に係る蛍光体の各元素濃度が24〜30Wt%のCaと、17〜21wt%のAlと、18〜22wt%のSiと、1〜15wt%の酸素と、15〜33Wt%の窒素と、0.01〜10Wt%のEuとを含むとき、発光スペクトルにおけるピーク波長が、600nm〜660nmの範囲にあり、発光の色度xが0.5〜0.7、発光の色度yが0.3〜0.5の範囲にあり、紫外〜可視光(波長域250nm〜600nm)に渡る励起帯を有しており好ましい。
本発明に係る蛍光体を粉体の形で用いる場合は、当該蛍光体粉体の平均粒径が20μm以下であることが好ましい。これは、蛍光体粉体において発光は主に粒子表面で起こると考えられるため、平均粒径が20μm以下であれば、粉体単位重量あたりの表面積を確保でき輝度の低下を回避できるからである。さらに、当該粉体をペースト状とし、発光体素子等に塗布した場合にも当該粉体の密度を高めることができ、この観点からも輝度の低下を回避することができる。また、本発明者らの検討によると、詳細な理由は不明であるが、蛍光体粉末の発光効率の観点から、平均粒径が0.1μmより大きいことが好ましいことも判明した。以上のことより、本発明に係る蛍光体粉体の平均粒径は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましい。
以上、説明したように本発明に係る蛍光体は、紫外〜可視光(波長域250〜600nm)の広い範囲に良好な励起帯を有する伴に、当該蛍光体の発光波長のピーク波長を600nm〜660nmの範囲で、任意にシフトさせて設定することができ、さらに当該蛍光体の発光が、半値幅の広いスペクトルである演色性と輝度特性とを有する赤色系の発光であることから、当該紫外〜青色の光を発する発光部と組合わせることにより、高輝度で演色性の良い単色または白色の光源およびLED、さらにはこれらを含む照明ユニットを得ることができる。
次に、本発明に係る蛍光体の製造方法例について、Ca0.985AlSiO0.523N2.652:Eu0.0150の製造を例として説明する。
まず、M元素の酸化物原料、窒化物原料 、A元素の窒化物原料、B元素の窒化物原料を準備する。尚、所望によりA元素および/またはB元素の酸化物原料を用いても良い。
各酸化物原料、窒化物原料は市販の原料でよいが、純度は高い方が好ましいことから、好ましくは2N以上、さらに好ましくは3N以上のものを準備する。各原料粒子の粒径は、一般的には、反応を促進させる観点から微粒子の方が好ましいが、原料の粒径、形状により、得られる蛍光体の粒径、形状も変化する。このため、最終的に得られる蛍光体に求められる粒径に合わせて、近似の粒径を有する窒化物原料、酸化物原料を準備すればよい。
Z元素の原料も市販の酸化物原料で良いが、やはり純度は高い方が好ましく、好ましくは2N以上、さらに好ましくは3N以上のものを準備する。尚、Z元素の酸化物原料中に含まれる酸素も、生成相の組成中に供給されるので、上述したM元素原料、A元素原料、およびB元素原料配合検討の際、当該酸素供給量を考慮することが好ましい。
Ca0.985AlSiO0.523N2.652:Eu0.0150の製造であれば、例えばM元素の窒化物・酸化物の2種類、A元素、B元素の窒化物として、それぞれCa3N2(2N)、CaO(2N)、AlN(3N)、Si3N4(3N)を準備すればよい。Z元素としては、Eu2O3(3N)を準備する。
これらの原料を、各元素のモル比がm : a : b : z = 0.985 : 1 : 1 : 0.015となるように、各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を(0.985-0.50)/3mol、CaOを0.50mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.015/2molを秤量し混合する。
当該秤量・混合は、不活性雰囲気下のグローブボックス内での操作が便宜である。各原料元素の窒化物は水分の影響を受けやすいため、不活性ガスは水分を十分取り除いたものを使用するのが良い。各原料元素として窒化物原料を用いる場合、原料の分解を回避するため混合方式は乾式混合が好ましく、ボールミルや乳鉢等を用いる通常の乾式混合方法でよい。
混合が完了した原料をるつぼに入れ、窒素等の不活性雰囲気中で1000℃以上、好ましくは1400℃以上、さらに好ましくは1500℃で3時間保持して焼成する。保持時間は焼結温度が高いほど焼結が迅速に進むため短縮出来る。一方、焼結温度が低い場合でも、当該温度を長時間保持することにより目的の発光特性を得ることが出来る。しかし、焼結時間が長いほど粒子成長が進み、粒子形状が大きくなるため、目的とする粒子サイズに応じて焼結時間を設定すればよい。尚、るつぼとしてはBN(窒化ホウ素)製のるつぼを用いると、るつぼからの不純物混入を回避することができ好ましい。焼成が完了した後、焼成物をるつぼから取り出し、乳鉢、ボールミル等の粉砕手段を用いて、所定の平均粒径となるように粉砕して組成式Ca0.985AlSiO0.523N2.652:Eu0.0150で示される生成相を含む蛍光体を製造することができる。
M元素、A元素、B元素、Z元素として、他の元素を用いた場合、およびz/(m+z)の設定値を変更した場合も、各原料の仕込み時の配合量を所定の組成比に合わせることで、上述したものと同様の製造方法により、所定組成式を有する生成相を含む蛍光体を製造することができる。
ここで、本発明に係る蛍光体のLEDや光源への適用方法について説明する。
粉末状となった本発明に係る蛍光体を、公知の方法により、発光部(特には、波長域250nmから600nmのいずれかの光を発光する発光部)と組み合わせることで、多様なディスプレイ装置、照明ユニットを製造することができる。例えば、紫外光を発生する放電灯と組み合わせることで蛍光灯や照明ユニットやディスプレイ装置、また、紫外から青色発光するLED発光素子と組み合わせることでも、照明ユニットやディスプレイ装置を製造することができる。
さらに上述した、生成相の酸素のモル比oの0<o≦mの範囲での制御、付活剤元素Zの添加量制御によって、当該蛍光体の発光波長をシフトさせて、発光部の発する光の波長と調整することにより、より輝度・演色性のバランスのとれた任意の色度点を有する白色光を得ることが出来る。
以下、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
市販のCa3N2(2N)、AlN(3N)、Si3N4(3N)、Eu2O3(3N)を準備し、それぞれCa3N2を0.985/3mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.015/2molとなるように各原料を秤量した後、窒素雰囲気下のグローブボックス内において乳鉢を用いて混合した。混合した原料をるつぼに入れ、窒素雰囲気中で1500℃で3時間保持・焼成した後、1500℃から200℃まで1時間で冷却し、組成CaAlSiN3:Euで示される生成相を含む蛍光体を得た。得られた蛍光体試料の粒子径は3〜4μmであった。(以下、実施例2〜13においても、得られた蛍光体試料の粒子径は3〜4μmであった。)
得られた蛍光体に波長460nmの励起光源を照射し発光特性を測定した。測定した発光特性の項目において、ピーク波長とは、発光スペクトル中において最も発光強度の高い波長を示したピークの波長を(nm)で表したものである。発光強度とは、ピーク波長における発光強度を相対強度で示したもので、当該実施例1の強度を100%と規格化したものであり、輝度は、JISZ8701に規定するXYZ表色系における算出方法に基づきYの値を求めたものであり、色度はJISZ8701に規定する算出方法により色度x,yを求めたものである。また、蛍光体粒子試料中に含まれる酸素・窒素濃度(O/N)は、LECO社製の酸素・窒素同時分析装置(TC-436)を用いて測定し、他の元素濃度は、ICPを用いて測定した値である。
当該蛍光体試料の原料組成式、各元素の濃度分析結果、発光特性の測定結果を表1に示す。
酸素・窒素濃度の測定結果より、当該蛍光体試料中の酸素濃度、窒素濃度の分析値は2.4wt%、28.5wt%であった。一方、当該蛍光体試料の生成相中の窒素濃度が2.98mol、酸素濃度は0.21molであることから、算出される酸素濃度は0.3wt%、窒素濃度は30wt%である。
両者を比較してみると、酸素濃度に関しては、生成相中の酸素濃度0.3wt%に対してかなり多くの酸素が試料中に含まれている。この約2wt%の余分の酸素は、当初から原料の表面に付着していた酸素、焼成仕込み時や焼成時に原料の表面が酸化したことで混入した酸素、および焼成後に蛍光体試料表面に吸着した酸素であると考えられ、生成相の構造と別に存在する酸素であると考えられる。
一方、窒素濃度に関しては、生成相中の窒素濃度28.5wt%に対してほぼ同量の窒素(30wt%)が試料中に含まれている。この結果より、生成相の構造と別に存在する窒素は殆ど無いものと考えられる。
さらに、得られた蛍光体試料の励起帯を示す励起スペクトル、発光特性を示す発光スペクトルを測定し、その結果を図2、図3に示す。
図2は、縦軸に相対強度、横軸に励起波長(nm)をとり、蛍光体試料の励起スペクトルを実線でプロットしたものである。
図2の測定結果から明らかなように、実施例1に係る蛍光体試料の励起スペクトルは、250nm〜600nmの広い範囲に渡って存在しており、紫外光〜可視光までの広い範囲の光を十分有効に利用できることが判明した。
図3は、縦軸に相対強度、横軸に発光波長(nm)をとり、蛍光体試料の発光スペクトルを実線でプロットしたものである。
図3の測定結果から明らかなように、実施例1に係る蛍光体試料の発光スペクトルは、654nmにピーク値を有し、視感度の高い領域に渡って半値幅を有していることが判明した。
(実施例2)
各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を0.9825/3mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.0175/2molとした以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る蛍光体試料を製造し、発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、各元素の濃度分析結果、発光特性の測定結果を表1に示す。
(実施例3)
各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を0.9875/3mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.0125/2molとした以外は、実施例1と同様にして実施例3に係る蛍光体試料を製造し、発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、各元素の濃度分析結果、発光特性の測定結果を表1に示す。
(実施例4)
各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を0.99/3mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.01/2molとした以外は、実施例1と同様にして実施例4に係る蛍光体試料を製造し、発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、各元素の濃度分析結果、発光特性の測定結果を表1に示す。
(実施例5)
各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を0.9925/3mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.0075/2molとした以外は、実施例1と同様にして実施例5に係る蛍光体試料を製造し、発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、各元素の濃度分析結果、発光特性の測定結果を表1に示す。
さらに、得られた蛍光体試料の励起スペクトル、発光スペクトルを測定し、その結果を図2、図3に一点鎖線でプロットして示す。
図2の測定結果から明らかなように、実施例5に係る蛍光体試料の励起スペクトルは、250nm〜600nmの広い範囲に渡って存在しており、紫外光〜可視光までの広い範囲の光を十分有効に利用できることが判明した。
図3の測定結果から明らかなように、実施例5に係る蛍光体試料の発光スペクトルは、647.5nmに実施例1よりは低いピーク値を有しているが、実施例1より視感度の高い領域に渡って半値幅を有していることが判明した。
(実施例6)
各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を0.9950/3mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.0050/2molとした以外は、実施例1と同様にして実施例6に係る蛍光体試料を製造し、発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、各元素の濃度分析結果、発光特性の測定結果を表1に示す。
(実施例7)
各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を0.9975/3mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.0025/2molとした以外は、実施例1と同様にして実施例7に係る蛍光体試料を製造し、発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、各元素の濃度分析結果、発光特性の測定結果を表1に示す。
Figure 0004415065
(実施例1〜7についての検討)
実施例1〜7は、生成相の構造中における酸素濃度の増減とEu添加量の増減と伴におこなった場合(すなわち、Eu元素の原料であるEu2O3の添加量の増減に伴い、当該Eu2O3により供給される酸素により、生成相の構造中における酸素濃度も増減している。)の蛍光体における光学特性の変化を測定したものである。
発光波長のピーク波長は、酸素濃度およびEu添加濃度の減少と共に実施例1が示す660nm付近の赤色から、実施例7が示す640nm付近の赤みがかった橙色に変化していることが判明した。
ここで、実施例1〜7に係る蛍光体における発光波長のピーク波長と輝度との関係を、図1を参照しながら説明する。
図1は、縦軸に輝度をとり、横軸に発光波長をとり実施例1〜7に係る蛍光体の、発光波長のピーク波長と輝度との関係をプロットし、当該プロット点を実線で結んだグラフである。
実施例1〜7に係る蛍光体の組成と、図1の実線で結んだプロット点とから、以下のことが判明した。
即ち、生成相中の酸素濃度およびEuの添加濃度の減少により発光強度は減少するが、輝度は向上していく。そして、実施例4に示す酸素濃度2.0wt%、Eu添加濃度0.0075モル付近で輝度は最も高くなり(この輝度を相対強度100%と規格化した。)、さらに濃度が下がると今度は、発光強度、輝度共に減少していくが、輝度の低下は緩やかで実施例7に示す酸素濃度2.1wt%、Eu添加濃度0.0025モルでも90%以上の輝度を有していることが判明した。
以上のことから実施例1〜7に係る蛍光体は、原料仕込み時における、酸素濃度、Eu添加濃度を制御することによって、輝度を高水準の一定範囲に保ったまま、発光波長を660nm付近〜640nm付近の範囲で任意に設定できることが判明した。
さらに、生成相の構造と別に存在する酸素は、1.9〜2.1wt%であった。
(実施例8)
市販のCa3N2(2N)、CaO(3N)、AlN(3N)、Si3N4(3N)、Eu2O3(3N)を準備し、各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を(0.985-0.25)/3mol、CaOを0.25mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.015/2molとした以外は、実施例1と同様にして実施例8に係る蛍光体試料を製造し、発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、酸素・窒素濃度、発光特性の測定結果を表2に示す。
(実施例9)
各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を(0.985-0.50)/3mol、CaOを0.50mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.015/2molとした以外は、実施例8と同様にして実施例9に係る蛍光体試料を製造し、実施例1と同様に発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、酸素・窒素濃度、発光特性の測定結果を表2に示す。
さらに、得られた蛍光体試料の励起スペクトル、発光スペクトルを測定し、その結果を図2、図3に二点鎖線でプロットして示す。
図2の測定結果から明らかなように、実施例10に係る蛍光体試料の励起スペクトルは、250nm〜600nmの広い範囲に渡って存在しており、紫外光〜可視光までの広い範囲の光を十分有効に利用できることが判明した。
図3の測定結果から明らかなように、実施例10に係る蛍光体試料の発光スペクトルは、637.5nmに実施例1、実施例10よりも低いピーク値を有しているが、実施例1、実施例10より視感度の高い領域に渡って半値幅を有していることが判明した。
(実施例10)
各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を(0.985-0.75)/3mol、CaOを0.75mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.015/2molとした以外は、実施例8と同様にして実施例10に係る蛍光体試料を製造し、実施例1と同様に発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、酸素・窒素濃度、発光特性の測定結果を表2に示す。
(実施例11)
各原料の混合比を、それぞれ、CaOを0.985mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.015/2molとした以外は、実施例8と同様にして実施例11に係る蛍光体試料を製造し、実施例1と同様に発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、酸素・窒素濃度、発光特性の測定結果を表2に示す。
Figure 0004415065
(実施例8〜11についての検討)
実施例8〜11は、生成相の構造中の酸素濃度を増減した場合における蛍光体の光学特性の変化を測定したものである。但し、Eu添加濃度は0.015モルとした。
発光波長のピーク波長は、組成中の酸素濃度の増加と共に実施例8に示す654nm付近の赤色から、実施例11に示す610nm付近の橙色に変化していることが判明した。
ここで、実施例8〜11に係る蛍光体における発光波長のピーク波長と輝度との関係を図1を参照しながら説明する。
図1は実施例1〜7にて説明したグラフであるが、実施例8〜11に係る蛍光体における発光波長のピーク波長と輝度との関係をプロットし、当該プロット点を一点鎖線で結んだグラフである。
実施例8〜11に係る生成相の組成と、図1の一点鎖線で結んだプロット点とから、以下のことが判明した。
即ち、生成相の組成中の酸素濃度の増加により発光強度は減少するが、輝度は向上していく。そして、実施例8に示す酸素添加濃度が0.5モル付近で輝度は最も高くなり、さらに濃度が下がると今度は、発光強度、輝度共に減少していくが、輝度の低下は緩やかで実施例11に示す酸素添加濃度でも98%以上の輝度を有していることが判明した。
以上のことから実施例8〜11に係る蛍光体は、原料仕込み時の組成中の酸素濃度制御をすることによって、輝度を高水準の一定範囲に保ったまま、発光波長を660nm付近〜610nm付近の広い範囲で任意に設定できることが判明した。
さらに、生成相の構造と別に存在する酸素は、1.9〜2.1wt%であった。
(実施例12)
市販のCa3N2(2N)、CaO(3N)、AlN(3N)、Si3N4(3N)、Eu2O3(3N)を準備し、各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を(0.993-0.25)/3mol、CaOを0.25mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.015/2molとした以外は、実施例1と同様にして実施例12に係る蛍光体試料を製造し、実施例1と同様に発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、酸素・窒素濃度、発光特性の測定結果を表3に示す。
(実施例13)
各原料の混合比を、それぞれ、Ca3N2を(0.993-0.50)/3mol、CaOを0.50mol、AlNを1mol、Si3N4を1/3mol、Eu2O3を0.015/2molとした以外は、実施例12と同様にして実施例13に係る蛍光体試料を製造し、実施例1と同様に発光特性を測定した。当該蛍光体試料の原料組成式、酸素・窒素濃度、発光特性の測定結果を表3に示す。
Figure 0004415065
(実施例5、12〜13についての検討)
実施例5、12〜13も、生成相の構造中の酸素濃度を増減した場合における蛍光体の光学特性の変化を測定したものである。但し、Eu添加濃度は0.0075モルとした。
発光波長のピーク波長は、組成中の酸素濃度の増加と共に実施例5がに示す647nm付近の赤色から、実施例14が示す631nm付近の赤みがかった橙色に変化していることが判明した。
ここで、実施例5、12〜13に係る蛍光体における発光波長のピーク波長と輝度との関係を、図1を参照しながら説明する。
図1は実施例1〜7にて説明したグラフであるが、実施例5、12〜13に係る蛍光体における発光波長のピーク波長と輝度との関係をプロットし、当該プロット点を二点鎖線で結んだグラフである。
実施例5、12〜13に係る生成相の組成と、図1の二点鎖線で結んだプロット点とから、以下のことが判明した。
即ち、組成中の酸素濃度の増加により発光強度は減少し、輝度も徐々に減少していく。
以上のことより、実施例5、12〜13に係る蛍光体は、組成中の酸素濃度の増加により発光強度、輝度とも減少することから、実施例8〜11に係る蛍光体と比較すると制御幅の狭い蛍光体ではあるが、輝度を高水準の一定範囲に保ったまま、組成中の酸素濃度の増減により、発光波長のピーク波長を647nm付近の赤色から631nm付近の赤みがかった橙色に設定できることが判明した。
さらに、生成相の構造と別に存在する酸素は、1.6〜1.8wt%であった。
(実施例1〜13についての検討)
実施例1〜7についての各元素の濃度分析の結果、実施例8〜13についての酸素・窒素の濃度分析の結果、実施例1〜13についての発光スペクトルにおけるピーク波長の測定結果、発光の色度xyの測定結果より、実施例に係る蛍光体が24〜30Wt%のCaと、17〜21wt%のAlと、18〜22wt%のSiと、1〜15wt%の酸素と、15〜33Wt%の窒素と、0.01〜10Wt%のEuとを含むとき、発光スペクトルにおけるピーク波長は600nm〜660nmの範囲にあり、発光の色度xが0.5〜0.7、発光の色度yが0.3〜0.5の範囲という好ましい範囲にあることが判明した。
(実施例14)
発光部として窒化物半導体を有する紫外光のLED(発光波長385.2nm)上に、実施例1で得られた蛍光体試料と、市販の青色蛍光体であるBAM:Euと、市販の緑色蛍光体であるZnS:Cu,Alとを色温度6500K相当の昼光色が得られるよう、所定比で混合したものを公知の方法で組み合わせて白色LEDを作製し、当該紫外光を発光させた。尚、当該所定比は、各蛍光体の発光スペクトル波形の組み合わせシュミレーションをおこなっって求めた配合比により、各蛍光体の混合試料を調製し、次に当該混合試料を発光させて混合比を調整したものである。得られた白色LEDの発光スペクトルを測定した結果を図4に示す。各蛍光体は紫外光の発光部からの光により発光し、色温度6580K相当の白色光を放つ白色LEDを得ることが出来た。得られたLEDの平均演色係数(Ra)は81と優れたものであった。さらに、蛍光体の配合量を適宜変更することにより、演色性に優れた種々の色味の発光色も得ることができた。
(実施例15)
実施例1および実施例8で得られた蛍光体試料と、市販の青色蛍光体であるBAM:Euと、市販の緑色蛍光体であるZnS:Cu,Alとの4種の蛍光体を用い、実施例14と同様の方法で色温度6500K相当の昼光色が得られるよう、各蛍光体を所定比で混合したものを、公知の方法で紫外光の発光部と組み合わせて白色LEDを作製した。得られたLEDの発光スペクトルを測定した結果を図5に示す。各蛍光体は、紫外光の発光部からの紫外光により発光し、色温度6615K相当の白色光を放つ白色LEDを得ることが出来た。得られた白色LEDの平均演色係数(Ra)は93と非常に優れたものであった。図5と図4とを比較すると、実施例15に係る白色LEDは、実施例14に係る白色LEDの発光スペクトルにおける600nm付近の光が補われており、より演色性に優れ、輝度の高い発光色が得られることが判明した。

Claims (11)

  1. 組成式MmAaBbOoNn:Z(但し、M元素はII価の価数をとる1種以上の元素であり、A元素はIII価の価数をとる元素であり、B元素はIV価の価数をとる元素であり、Oは酸素であり、Nは窒素であり、Z元素は付活剤であり、n=2/3m+a+4/3b-2/3o、m=a=b=1であり、o、nはいずれも0とはならず、0<o≦mであり、0.0001≦z/(m+z)≦0.5である)で表記される蛍光体の主たる生成相を含み、
    前記M元素はMg、Ca、Sr、Ba、Znから選択される1種以上の元素であり、前記A元素はAlであり、前記B元素はSiであり、前記Z元素はEuであることを特徴とする蛍光体。
  2. 24〜30Wt%のCaと、17〜21wt%のAlと、18〜22wt%のSiと、1〜15wt%の酸素と、15〜33Wt%の窒素と、0.01〜10Wt%のEuとを含み、
    発光スペクトルにおけるピーク波長が、600nm〜660nmの範囲にあり、
    発光の色度xが0.5〜0.7、発光の色度yが0.3〜0.5の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記蛍光体は、粉末状であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光体。
  4. 前記粉末状の蛍光体の平均粒度が20μm以下、0.1μm以上であることを特徴とする請求項に記載の蛍光体。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の蛍光体の発光波長のシフト方法であって、
    前記M元素、A元素、B元素から選択される少なくとも1つの元素の原料として、当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物とを準備し、
    前記当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物との配合により、前記蛍光体の主たる生成相に含まれる酸素濃度を制御することで、発光波長をシフトさせることを特徴とする蛍光体の発光波長のシフト方法。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の蛍光体の発光波長のシフト方法であって、
    Z元素の配合量を制御することで、発光波長をシフトさせることを特徴とする蛍光体の発光波長のシフト方法。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の蛍光体の発光波長のシフト方法であって、
    前記M元素、A元素、B元素から選択される少なくとも1つの元素の原料として、当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物とを準備し、
    前記当該元素と酸素とを有する化合物と、当該元素と窒素とを有する化合物との配合により、前記蛍光体の主たる生成相に含まれる酸素濃度を制御し、
    且つ、Z元素の配合量を制御することで、発光波長をシフトさせることを特徴とする蛍光体の発光波長のシフト方法。
  8. 請求項1からのいずれかに記載の蛍光体と、所定波長の光を発する発光部とを有し、前記所定波長の光の一部を励起源とし、前記蛍光体を前記所定波長と異なる波長で発光させることを特徴とする光源。
  9. 前記所定波長とは、250nm〜600nmのいずれかの波長であることを特徴とする請求項に記載の光源。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の蛍光体と、所定波長の光を発する発光部とを有し、前記所定波長の光の一部を励起源とし、前記蛍光体を前記所定波長と異なる波長で発光させることを特徴とするLED。
  11. 前記所定波長とは、250nm〜600nmのいずれかの波長であることを特徴とする請求項10に記載のLED。
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