JP2009256313A - トランス置換シクロヘキサンカルボン酸類、及びトランス/トランスビシクロヘキサンジカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

トランス置換シクロヘキサンカルボン酸類、及びトランス/トランスビシクロヘキサンジカルボン酸類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トランス体の割合が高い置換シクロヘキサンカルボン酸類の新規な製造方法を提供する。
【解決手段】トランス体の割合がa%(但し0≦a)である置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、トランス体の割合がb%(但しa<b)である置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物、さらに得られた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物のハロカルボニル基を加水分解して、トランス体の割合がc%(但しa<c)である置換シクロヘキサンカルボン酸を得る、及び得られた置換シクロヘキサンハロカルボニルと、水酸基含有化合物又はアミノ基含有化合物もしくは含窒素複素環化合物とを反応させて、トランス体の割合がd%(但しa<d)である置換シクロヘキサンカルボン酸エステル、又は置換シクロヘキサンカルボン酸アミドを得る方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、トランス体の割合が高い、置換シクロヘキサンカルボン酸類、及びトランス/トランス体の割合が高い、ビシクロヘキサンジカルボン酸類を製造する方法に関する。
シクロヘキサンカルボン酸のトランス体、及びビシクロヘキサンジカルボン酸のトランス/トランス体は、液晶材料、医薬品、高分子材料等の種々の分野の中間体として有用である。シクロヘキサンカルボン酸のトランス体を得る方法や、ビシクロヘキサンジカルボン酸のシス/シス体、シス/トランス体を、トランス/トランス体に異性化する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1〜6及び非特許文献1)。しかし、従来提案されているいずれの方法も、厳しい反応条件下で反応を進行させるものであり、より温和な条件で、シクロヘキサンカルボン酸類のトランス置換体、及びビシクロヘキサンジカルボン酸類のトランス/トランス置換体を得る方法が望まれている。
特開平10−237015号公報 特開2000−191602号公報 特開2003−96026号公報 特開2003−128620号公報 特開2004−307468号公報 特公昭39−27244号公報 Tetrahedron Letters 2004,45,6669-72
本発明は、トランス体の割合の高いシクロヘキサンカルボン酸類、及びトランス/トランス体の割合が高い、ビシクロヘキサンジカルボン酸類を製造可能な新規な方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] トランス体の割合がa%(但し0≦a)である置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、トランス体の割合がb%(但しa<b)である置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物を製造する方法。
[2] トランス体の割合がa%(但し0≦a)である置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物を得る第1の工程と、
第1の工程で得られた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物のハロカルボニル基を加水分解して、トランス体の割合がc%(但しa<c)である置換シクロヘキサンカルボン酸を得る第2の工程と、
を含むことを特徴とする置換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
[3] トランス体の割合がa%(但し0≦a)である置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物を得る第1の工程と、
第1の工程で得られた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物と、水酸基含有化合物又はアミノ基含有化合物もしくは含窒素複素環化合物とを反応させて、トランス体の割合がd%(但しa<d)である置換シクロヘキサンカルボン酸エステル又は置換シクロヘキサンアミドを得る第2の工程と、
を含むことを特徴とする置換シクロヘキサンカルボン酸エステル又は置換シクロへキサンカルボン酸アミドの製造方法。
[4] ビシクロヘキサン環上の1位と4位、及び1’位と4’位の立体関係において、トランス/トランス体の割合がe%(但し0≦e)であるビシクロヘキサンジカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、トランス/トランス体の割合がf%(但しe<f)であるビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を製造する方法。
[5] ビシクロヘキサン環上の1位と4位、及び1’位と4’位の立体関係において、トランス/トランス体の割合がe%(但し0≦e)であるビシクロヘキサンジカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換する第1の工程と、
第1の工程で得られたビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物のハロカルボニル基を加水分解して、トランス/トランス体の割合がg%(但しe<g)であるビシクロヘキサンジカルボン酸を得る第2の工程を含むことを特徴とするビシクロヘキサンジカルボン酸の製造方法。
[6] ビシクロヘキサン環上の1位と4位、及び1’位と4’位の立体関係において、トランス/トランス体の割合がe%(但し0≦e)であるビシクロヘキサンジカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、ビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を得る第1の工程と、
第1の工程で得られたビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物と、水酸基含有化合物又はアミノ基含有化合物もしくは含窒素複素環化合物とを反応させて、トランス/トランス体の割合がh%(但しe<h)であるビシクロヘキサンジカルボン酸エステル又はビシクロヘキサンジカルボン酸アミドを得る第2の工程と、
を含むことを特徴とするビシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル又はビシクロヘキサンジカルボン酸ジアミドの製造方法。
[7] ハロカルボニル基が、クロロカルボニル基であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかの方法。
[8] 前記強酸が、硫酸又はスルホン酸であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかの方法。
[9] シス置換シクロヘキサンカルボン酸中のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換すること、及びハロカルボニル基を加水分解して再びカルボキシル基にすることを含む、トランス置換シクロヘキサンカルボキシル基の製造方法。
[10] シス置換シクロヘキサンカルボン酸中のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換すること、及びハロカルボニル基と水酸基含有化合物又はアミノ基含有化合物又は含窒素複素環化合物とを反応させることを含む、トランス置換シクロヘキサンカルボン酸エステル又はトランス置換シクロヘキサンアミドの製造方法。
[11] シス/シス−及び/又はシス/トランス−ビシクロヘキサンジカルボン酸中のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換すること、及びハロカルボニル基を加水分解して再びカルボキシル基にすることを含む、トランス/トランス−ビシクロヘキサンジカルボキシル基の製造方法。
[12] シス/シス−及び/又はシス/トランス−ビシクロヘキサンジカルボン酸中のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換すること、及びハロカルボニル基と水酸基含有化合物又はアミノ基含有化合物もしくは含窒素複素環化合物とを反応させることを含む、トランス/トランス−ビシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル又はトランス/トランス−ビシクロヘキサンジカルボン酸ジアミドの製造方法。
本発明によれば、トランス体の割合の高いシクロヘキサンカルボン酸類、及びトランス/トランス体の割合が高いビシクロヘキサンジカルボン酸類を製造可能な新規な方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明は、置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換することによって、トランス体の割合が高められた置換シクロヘキサンハロゲン化物を製造する方法に関する。また、前記方法によりトランス体の割合が高められた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物を利用し、加水分解することによって、トランス体の割合が高められた置換シクロヘキサンカルボン酸を製造する方法にも関する。さらに、本発明は、上記方法によりトランス体の割合が高められた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物を利用し、脂肪族アルコール類やフェノール類等の水酸基含有化合物、又は1級または2級の脂肪族アミン類やアニリンなどの芳香族アミン類等のアミノ基含有化合物、もしくはピペリジン、モルホリン、フェノチアジン等の含窒素複素環化合物と反応させることによって、置換シクロヘキサンカルボン酸エステル又は置換シクロヘキサンアミドを製造する方法にも関する。
2−置換、3−置換、及び4−置換シクロヘキサンカルボン酸は、例えば、o−置換、m−置換及びp−置換安息香酸を、接触還元することにより得られるが、その際に、シス体及びトランス体の混合物として得られるのが一般的であり、2−置換及び4-置換シクロヘキサンカルボン酸では、シス体の割合がトランス体よりも高い混合物として得られる。本発明では、置換シクロヘキサンカルボン酸のシス体及びトランス体の混合物を出発原料として用い、一旦、強酸の存在下で、カルボキシル基をハロカルボニル基に変換することで、トランス体の割合を高めている。出発原料として、混合物ではなく、置換シクロヘキサンカルボン酸のシス体のみを用いても勿論よい。
本発明の方法では、出発原料として用いられる、置換シクロヘキサンカルボン酸が有する置換基については、特に制限はない。置換シクロヘキサンカルボン酸中のカルボキシル基が、強酸の存在下でハロカルボニルに変化するのを阻害しない限り、いずれの置換基であってもよい。置換シクロへキサンカルボン酸の置換基の例には、ハロゲン原子(例えばCl,Br,F、I)、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜20の鎖状又は環状のアルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェネチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチル)、炭素数1〜20のアルケニル基(例えばビニル、アリル、2−ヘキセニル)、炭素数2〜8のアルキニル基(例えばエチニル、1−ブチニル、3−ヘキシニル)、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、4−エチルフェニル、3−メタンスルホンアミドフェニル、4−メトキシフェニル、3−カルボキシフェニル)、炭素数1〜20のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、プロパノイル、ブタノイル)、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)、炭素数7〜20のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル)、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、メトキシエトキシ)、炭素数6〜20のアリーロキシ基(例えばフェノキシ、4−エチルフェノキシ、4−シクロヘキシルフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数2〜20のアシルオキシ基(例えばアセトキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20のアルキルチオ基(例えばヘキシルチオ、オクチルチオ)、炭素数6〜20のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基(例えばメチルスルフォニル、シクロヘキシルスルホニル)、炭素数7〜20のアリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル、2−ナフチルスルホニル)、複素環基(例えば、2−フリル、フルフリル、2−チエニル、2−ピロリル、1,3−ジオキソラン−2−イル、)が含まれる。
出発原料として、カルボキシル基を複数有する、例えば1,2−、1,3−又は1,4−シクロへキサンジカルボン酸を用いてもよい。また、置換基としてシクロへキサン環(このシクロへキサン環の水素原子もさらにアルキル基等で置換されていてもよい)を2以上有する置換ヘキサンカルボン酸を用いてもよい。これらの置換基を有する置換シクロヘキサンカルボン酸のトランス体は、種々の分野に用いられる化合物の中間体として有用である。本発明の出発原料として利用可能なビシクロへキサンカルボン酸誘導体の例には、下記式(X)で表される化合物が含まれる。
Figure 2009256313
上記式中、Rは置換基を表し、その具体例は、上記置換基の例と同様である。好ましい例には、炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基が含まれる。また後述するように、Rはカルボキシル基であってもよい。
前記式(X)で表される化合物は、1位と4位との立体関係においてトランス体及びシス体の異性体が存在するのみならず、1’位と4’位との立体関係においてもトランス体及びシス体の異性体が存在する。即ち、上記化合物は、1位と4位及び1’位と4’位の立体関係において、トランス/トランス体、トランス/シス体、シス/トランス体、及びシス/シス体の4種が存在する(但し、RがCOOHである化合物には、トランス/トランス体、トランス(シス)/シス(トランス)体、及びシス/シス体の3種の異性体が存在する)。本発明の方法によれば、上記式(X)中の1’位と4’位の立体関係におけるトランス体及びシス体の割合に関係なく、1位と4位の立体関係におけるトランス体の割合を高めることができる。即ち、出発原料の1位と4位との立体関係におけるトランス体(即ち1,4位トランス/1’,4’位トランス体、及び1,4位トランス/1’,4’位シス体の合計)の割合をa’%とすると、強酸下でハロカルボニル基に変換した後のハロゲン化物の1位と4位との立体関係におけるトランス体の合計の割合b’%は、a’<b’を満足する。
本発明は、下記式(I)で表されるビシクロヘキサンジカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換することによって、ビシクロヘキサン環上の1位と4位、及び1’位と4’位の立体関係において、トランス/トランス体の割合が高められたビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を製造する方法にも関する。
Figure 2009256313
また、前記方法によりトランス/トランス体の割合が高められたビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を利用し、加水分解することによって、トランス/トランス体の割合が高められたビシクロヘキサンジカルボン酸を製造する方法にも関する。さらに、本発明は、上記方法によりトランス/トランス体の割合が高められたビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を利用し、脂肪族アルコール類やフェノール類等の水酸基含有化合物、又は1級又は2級の脂肪族アミン類やアニリンなどの芳香族アミン類等のアミノ基含有化合物、或いはピペリジン、モルホリン、フェノチアジン等の含窒素複素環化合物と反応させることによって、ビシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル又はシクロヘキサンジカルボン酸ジアミドを製造する方法にも関する。
ビシクロヘキサンジカルボン酸は、例えば、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸を、接触還元することにより得られるが、その際に、シス/シス体、シス/トランス体、及びトランス/トランス体の混合物として得られるのが一般的である。本発明では、ビシクロヘキサンジカルボン酸のシス/シス体、シス/トランス体、及びトランス/トランス体の混合物を出発原料として用い、一旦、強酸の存在下で、カルボキシル基をハロカルボニル基に変換することで、トランス/トランス体の割合を高めている。出発原料として、混合物ではなく、ビシクロヘキサンジカルボン酸のシス/シス体、又はシス/トランス体のみを用いても勿論よい。
前記式(I)で表されるビシクロへキサンジカルボン酸は、ビシクロヘキサン環上の1位、1’位、4位及び4’位以外の炭素原子が、置換基を有していてもよい。該置換基の例としては、上記置換シクロへキサンカルボン酸が有する置換基の例と同様である。但し、トランス/トランス体の割合を高めるためには、2位及び2’位の炭素原子の置換基は、嵩高くないほうが好ましく、無置換であるのがより好ましい。
本発明の上記方法では、置換シクロヘキサンカルボン酸又はビシクロへキサンジカルボン酸中のカルボキシル基(−COOH)を、強酸の存在下で、ハロカルボニル基(−COX)(Xはハロゲン原子を表す)に変換する。Xはハロゲン原子であれば好ましく用いることができるが、臭素又は塩素原子であることが好ましく、塩素原子であることが最も好ましい。前記強酸としては有機酸、無機酸のいずれでもよく、その例としては、硫酸、スルホン酸、リン酸、硝酸等が挙げられる。中でも、硫酸及びスルホン酸を用いると、より短時間で反応が進行するので好ましい。
本発明において、カルボキシル基をハロカルボニル基に変換する際の試薬及び条件については、例えば新実験科学講座第14巻、有機化合物の合成と反応(II)、p.1104〜1120(丸善、昭和59年)に記載の種々の試薬及び条件を採用することができる。ここではクロロカルボニル基に変換する条件について詳しく説明する。
本発明では、通常酸塩化物の合成に使用されている条件を用いることができ、カルボン酸と無機ハロゲン化物(例えば塩化チオニル、塩化スリフリル、塩化ホスホリル、五塩化リン、三塩化リン等)、カルボン酸と有機ハロゲン化物(例えば有機リンハロゲン化合物、α,α−ジハロゲノエーテルなど)、カルボン酸とシュウ酸クロリド、カルボン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩と無機ハロゲン化物(例えば五塩化リン、塩化ホスホリル、塩化チオニルなど)などの組み合わせで三塩化物を合成することができる。また、適宜触媒を用いることも好ましい。その他のハロカルボニル基も上記文献に記載の試薬及び条件を利用して合成することができる。
ハロカルボニル化を進行させる温度は、用いる試薬の反応性によって異なるので、それぞれの試薬に適した温度で反応させることが好ましい。置換シクロヘキサンカルボン酸の異性化を進行させる温度は、20℃〜150℃であることが好ましく、30℃〜130℃であることがより好ましく、40℃〜110℃であることがよりさらに好ましい。本発明で用いる強酸は、ハロカルボニル化を行う段階からあらかじめ添加していてもよいし、強酸をあらかじめ系中に添加しておき、そこに前記試薬を滴下して、反応を進行させることもできる。また、ハロカルボニル化が完了してから添加してもよい。酸を触媒として反応を進行させる、種々の有機合成反応と同様、本発明においても、強酸は、反応系中に少量添加される。添加量が少ないと異性化の速度が低下し、多いと反応で副生成物が増える傾向にあるので、一般的に、反応に用いるカルボン酸のカルボキシル基に対して5〜25モル%程度添加するのが好ましい。
異性化させるための反応温度は、上記反応が進行するのに十分であればよく、20℃〜140℃程度で進行させるのが好ましく、50℃〜120℃程度で進行させるのがより好ましい。異性化に必要な反応時間は、30分〜10時間程度で十分であり、比較的短時間で行うことができる。反応温度や強酸の添加量を調整することで、また反応系中を攪拌等することにより、より短時間で反応を進行させることができる。
本発明の方法によれば、いかなる立体異性体含率の置換シクロヘキサンカルボン酸、又はビシクロヘキサンジカルボン酸を用いても、トランス体の割合、及びトランス/トランス体の割合が70〜100%程度の置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物、又はビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を得ることができるであろう。
所望により、得られた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物、又はビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を加水分解して、再び置換シクロヘキサンカルボン酸、又はビシクロヘキサンジカルボン酸にしてもよい。本発明の方法にしたがって、一旦、置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物、又はビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を経由することによって、トランス体、トランス/トランス体の割合を高めることができる。
置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物及びビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物の加水分解は、通常の酸ハロゲン化物の加水分解と同様の条件で進行させることができる。例えば、上記反応が終了した後、所望により、系中の溶媒(反応試薬が溶媒を兼ねるときは反応試薬)を留去等により除去し、その後、水を添加することで、ハロカルボニル基の加水分解を進行させることができる。
ハロカルボニル基の加水分解によって、再び、置換シクロヘキサンカルボン酸又はビシクロヘキサンジカルボン酸が得られる。この加水分解の工程では、トランス体がシス体に、トランス/トランス体がシス/シス体、シス/トランス体に異性化することはなく、得られる置換シクロヘキサンカルボン酸のトランス体、又はビシクロヘキサンジカルボン酸のトランス/トランス体の割合は、置換シクロヘキサンクカルボン酸ハロゲン化物のトランス体、又はビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物のトランス/トランス体の割合と同様になり、具体的には、70〜100%程度になる。また、加水分解後の晶析の条件を調整することで、反応前の置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物又はビシクロへキサンジカルボン酸ハロゲン化物と比較して、トランス体の割合がより高い置換シクロヘキサンカルボン酸又はビシクロへキサンジカルボン酸を得ることができる。例えば、水とともに、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の高極性で水溶性の有機溶媒を加えると、トランス体の割合が、より高められるので好ましい。水と前記有機溶媒との好ましい混合比率は、対象の化合物の種類によって大きく変動する。一般的には、前記有機溶媒は、水に対して体積比で0.01〜50倍程度、好ましくは0.1〜20倍程度である。但し、この範囲に限定されるものではない。
また、所望により、得られた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物又はビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物と、脂肪族アルコール類又はフェノール類等の水酸基含有化合物とを反応させて、置換シクロヘキサンカルボン酸エステル、又はビシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを合成してもよい。同様に、得られた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物又はビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物と、1級もしくは2級の脂肪族アミン類やアニリンなどの芳香族アミン類等のアミノ基含有化合物、又はピペリジン、モルホリン、フェノチアジン等の含窒素複素環化合物等の化合物とを反応させて、置換シクロヘキサンアミド又はビシクロヘキサンジカルボン酸ジアミドを合成してもよい。一旦、本発明の方法にしたがって、置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物、又はビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物に変換する工程を経由することにより、出発原料をそのままエステル化又はアミド化するのと比較して、トランス体の割合が高い置換シクロヘキサンカルボン酸エステルもしくはビシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル、又は置換シクロヘキサンカルボン酸アミドもしくはビシクロヘキサンジカルボン酸ジアミドを得ることができる。
置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物又はビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物と、脂肪族アルコール類又はフェノール類等の水酸基含有化合物との反応は、酸ハロゲン化物を用いたエステルの通常の合成と同様の条件で進行させることができる。例えば、上記カルボキシル基からハロカルボニル基への反応が終了した後、所望により、系中の溶媒(反応試薬が溶媒を兼ねるときは反応試薬)を留去等により除去し、その後、アルコール類又はフェノール類を有機溶媒に溶解した溶液を、系中に添加することで、エステル化反応を進行させることができる。
また、置換シクロへキサンカルボン酸ハロゲン化物又はビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物と、1級もしくは2級の脂肪族アミン類やアニリンなどの芳香族アミン類等のアミノ基含有化合物、又はピペリジン、モルホリン、フェノチアジン等の含窒素複素環化合物との反応は、酸ハロゲン化物を用いた通常のアミド化反応と同様の条件で進行させることができる。
このエステル化工程及びアミド化工程では、トランス体がシス体に、又はトランス/トランス体がシス/シス体、シス/トランス体に異性化することはなく、得られる置換シクロヘキサンカルボン酸エステル又は置換シクロへキサンアミドのトランス体の割合、及び得られるビシクロヘキサンジカルボン酸エステル又はビシクロへキサンジカルボン酸ジアミドのトランス/トランス体の割合は、置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物のトランス体の割合、及びビシクロへキサンジカルボン酸ハロゲン化物のトランス/トランス体の割合と同様になり、具体的には、70〜100%程度になる。また、エステル化又はアミド化反応終了後に、生成した置換シクロヘキサンカルボン酸エステルもしくはビシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル、又は置換シクロヘキサンアミドもしくはビシクロヘキサンジカルボン酸ジアミドを結晶化する際に、溶媒を選択することで、反応前の置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物と比較してトランス体の割合がより高い置換シクロヘキサンカルボン酸エステル又は置換シクロヘキサンアミドを得ることができるし、また、ビシクロへキサンジカルボン酸ハロゲン化物と比較してトランス/トランス体の割合がより高いビシクロヘキサンジカルボン酸エステル又はビシクロへキサンジカルボン酸ジアミドを得ることができる。例えば、結晶化の際に用いる溶媒として、トランス体の溶解度とシス体の溶解度の差が大きくなるような溶媒を用いることによって、トランス体の割合が、より高められるので好ましい。
本発明の方法によって合成される、トランス体の割合が高い置換シクロヘキサンカルボン酸類(本明細書では、「置換シクロへキサンカルボン酸」、「置換シクロへキサンカルボン酸ハロゲン化物」、「置換シクロへキサンカルボン酸エステル」及び「置換シクロヘキサンアミド」のいずれも含む意味で用いる)、及びトランス/トランス体の割合が高いビシクロヘキサンジカルボン酸類(本明細書では、「ビシクロへキサンジカルボン酸」、「ビシクロへキサンジカルボン酸ハロゲン化物」、「ビシクロへキサンジカルボン酸ジエステル」及び「ビシクロヘキサンジカルボン酸ジアミド」のいずれも含む意味で用いる)は、液晶材料及び医薬品等の種々の合成に利用することができる。例えば、特開2002−363343号公報の[0020]〜[0029]中に例示されているシクロヘキサン環を含む化合物の合成に有用である。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、シス体及びトランス体の割合は、1H−NMRのデータから算出した。
[実施例1]
下記スキームにしたがって、1−Bを合成した。
Figure 2009256313
4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)安息香酸を接触還元して得られた1−A(カルボキシル基とシクロへキシルとの立体関係について、トランス28%、シス72%)の5.0gを、塩化チオニル10cm3に溶解させ、濃硫酸を0.05cm3添加後、100℃で30分間撹拌した。塩化チオニルを留去した後、アセトニトリル100cm3、及び水100cm3を加え、室温で30分間撹拌した。析出した結晶を濾別し乾燥して、1−Bを4.8g得た。1H−NMRの測定により、1−Bのカルボキシル基とシクロへキシルとの立体関係についてトランス体の割合は80%であることがわかった。
以下に、得られた1−Bの1H−NMRデータを示す。
1H−NMR(CDCl3) δ:0.75−1.60(16H、m)、1.60〜1.85(6H、m)、1.90〜2.05(2H、m)、2.10〜2.30(0.8H、m)、2.50−2.60(0.2H、m)。
[実施例2]
下記スキームで、1−Cを合成した。
Figure 2009256313
4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)安息香酸を接触還元して得られた1−A(カルボキシル基とシクロへキシルとの立体関係について、トランス28%、シス72%)の5.0gを、塩化チオニル10cm3に溶解させ、濃硫酸を触媒量添加した後、100℃で30分間撹拌した。塩化チオニルを留去した後、アセトニトリル100cm3、及び水10cm3を加え、室温で30分間撹拌した。析出した結晶を濾別し乾燥することで、1−Cをを2.7g得た。1−Cの1H−NMRを測定したところ、カルボキシル基とシクロへキシルとの立体関係について、シス体に由来するピークがなく、1−Cは、100%トランス体であることがわかった。
以下に、得られた1−Cの1H−NMRデータを示す。
1H−NMR(CDCl3) δ:0.75−1.25(14H、m)、1.30〜1.50(2H、m)、1.60〜1.85(6H、m)、2.10〜2.30(1H、m)。
[実施例3]
下記スキームにしたがって、2−Cを合成した。
Figure 2009256313
(2−Bの合成)
2−A(東京化成工業社製;トランス26%、シス74%)の6.0gを、塩化チオニル10cm3に溶解させ、濃硫酸を1cm3添加後、100℃で1時間撹拌した。塩化チオニルを留去し、2−Bを7.3g得た。
(2−Cの合成)
エチルフェノールの8.5g、及びピリジンの5.9cm3を、テトラヒドロフラン80cm3に溶解させ、2−B(7.3g)を、テトラヒドロフラン20cm3に溶解させた溶液を、反応温度10℃以下で滴下した。その後室温で5時間撹拌した。反応液に水を加え、析出した結晶を濾別し乾燥し、2−Cを12.5g得た。1H−NMRの測定により、2−Cのトランス体の割合は、70%であることがわかった。
以下に、得られた2−Cの1H−NMRデータを示す。
1H−NMR(CDCl3) δ:1.20−1.26(6H、m)、1.60〜1.70(2.8H、m)、1.85〜1.95(1.2H、m)、2.10〜2.20(1.2H、m)、2.25〜2.35(2.8H、m)、2.50−2.70(5.4H、m)、2.75−2.80(0.6H、m)、6.95−7.00(4H、m)、6.95−7.00(4H、m)、7.15−7.20(4H、m)。
[実施例4]
下記のスキームにより、2−Dを合成した。
Figure 2009256313
(2−Bの合成)
1dm3の三口フラスコに、2−A(東京化成工業社製;トランス26%、シス74%)の25.8g、トルエン120cm3、及び硫酸1cm3を仕込み、81℃に昇温した。そこに塩化チオニル24.0cm3を滴下し、滴下終了後に93℃に昇温して3時間攪拌した。
(2−Dの合成)
その後81℃に温度を下げ、4−エチルフェノール 36.7gのトルエン30cm3溶液を滴下し、滴下終了後に81℃に温度を保って2時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール480cm3を添加して結晶を析出させて、さらに氷水浴にて5℃以下に冷却した。吸引ろ過してメタノールで洗浄し、得られた結晶を室温で一日乾燥することにより、2−D 28.5gを白色結晶として得た。得られた2−Dの1H−NMRを測定したところ、シス体に由来するピークがなく、2−Dは、100%トランス体であることがわかった。
以下に、得られた2−Dの1H−NMRデータを示す。
1H−NMR(CDCl3) δ:1.23(6H、t)、1.56〜1.76(4H、m)、2.17〜2.36(4H、m)、2.48〜2.70(4H、d + 2H、m)、6.98(4H、d)、7.20(4H、d)。
[実施例5]
下記スキームで、3−Bを合成した。
Figure 2009256313
4,4’−ビフェニルジカルボン酸を接触還元して得られた3−A(シス/シス体43%、シス/トランス体48%、トランス/トランス体9%)の5.0gを、塩化チオニル30cm3に溶解させ、濃硫酸を触媒量添加した後、100℃で8時間撹拌した。塩化チオニルを留去した後、テトラヒドロフラン10cm3を加え、これをメタノール30cm3、及びトリエチルアミン8.5cm3の混合溶液に氷冷下滴下し、室温で60分間撹拌した。反応混合物を希塩酸200cm3に注ぎ、ろ別、メタノール再結晶することで、3−Bを1.4g得た。3−Bの1H−NMRを測定したところ、シス/シス体、シス/トランス体に由来するピークがなく、3−Bは、100%トランス/トランス体であることがわかった。
以下に、得られた3−Bの1H−NMRデータを示す。
1H−NMR(CDCl3) δ:0.90−1.20(6H、m)、1.32〜1.50(4H、m)、1.75〜1.85(4H、m)、1.95〜2.05(4H、m)2.10〜2.30(2H、m)、3.65(6H,s)。
[実施例5]
下記スキームにしたがって、2−Eの合成を行った。
Figure 2009256313
(2−Bの合成)
トルエン22cm3に2−A(東京化成工業社製;トランス26%、シス74%)の5.2gと濃硫酸0.2cm3を加え、内温90℃に加熱して攪拌した。そこに塩化チオニル5.6cm3を滴下し、その後内温が97℃になるように加熱しながら4時間攪拌した。その反応液を室温まで冷却して2−Bを含むトルエン溶液を得た。
(2−Eの合成)
テトラヒドロフラン(THF)70cm3に、4−アミノ安息香酸エチル(和光純薬製)6.3gとトリエチルアミン7.1gとを加えて氷水浴にて内温が10℃以下に冷却し、これに上記2−Bを含むトルエン溶液を滴下した。発熱が収まったら氷水浴をはずし、室温にて4時間攪拌した後に反応液を5%塩酸水300cm3にあけた。得られた固体を減圧ろ過、水洗し、乾燥して化合物2−Eを9.9g得た。得られた2−Eの立体異性体比を1H−NMRから求めると、トランス89%、シス11%であった。
なお、上記で得られた2−Eをメタノール洗浄することにより、純粋なトランス体を5.3gを得た。
[実施例6]
下記スキームにしたがって、2−Fの合成を行った。
Figure 2009256313
(2−Fの合成)
THF35cm3に、4−メチルピペリジン 3.5gとトリエチルアミン3.6gを加えて氷水浴にて内温が10℃以下に冷却した。これに、試薬の仕込み量をすべて1/2にした以外は実施例5とまったく同様に得た2−Bを含むトルエン溶液を滴下した。発熱が収まったら氷水浴をはずし、室温にて3時間攪拌した後に反応液を5%塩酸水150cm3にあけ、酢酸エチル200cm3で抽出し、酢酸エチル層を水相が中性になるまで水洗した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過して溶媒を減圧留去して2−Fを3.2g得た。得られた2−Fの立体異性体比を1H−NMRから求めると、トランス80%、シス20%であった。

Claims (8)

  1. トランス体の割合がa%(但し0≦a)である置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、トランス体の割合がb%(但しa<b)である置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物を製造する方法。
  2. トランス体の割合がa%(但し0≦a)である置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換する第1の工程と、
    第1の工程で得られた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物のハロカルボニル基を加水分解して、トランス体の割合がc%(但しa<c)である置換シクロヘキサンカルボン酸を得る第2の工程と、
    を含むことを特徴とする置換シクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
  3. トランス体の割合がa%(但し0≦a)である置換シクロヘキサンカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物を得る第1の工程と、
    第1の工程で得られた置換シクロヘキサンカルボン酸ハロゲン化物と、水酸基含有化合物又はアミノ基含有化合物もしくは含窒素複素環化合物とを反応させて、トランス体の割合がd%(但しa<d)である置換シクロヘキサンカルボン酸エステル又は置換シクロヘキサンアミドを得る第2の工程と、
    を含むことを特徴とする置換シクロヘキサンカルボン酸エステル又は置換シクロへキサンカルボン酸アミドの製造方法。
  4. ビシクロヘキサン環上の1位と4位、及び1’位と4’位の立体関係において、トランス/トランス体の割合がe%(但し0≦e)であるビシクロヘキサンジカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、トランス/トランス体の割合がf%(但しe<f)であるビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を製造する方法。
  5. ビシクロヘキサン環上の1位と4位、及び1’位と4’位の立体関係において、トランス/トランス体の割合がe%(但し0≦e)であるビシクロヘキサンジカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換する第1の工程と、
    第1の工程で得られたビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物のハロカルボニル基を加水分解して、トランス/トランス体の割合がg%(但しe<g)であるビシクロヘキサンジカルボン酸を得る第2の工程を含むことを特徴とするビシクロヘキサンジカルボン酸の製造方法。
  6. ビシクロヘキサン環上の1位と4位、及び1’位と4’位の立体関係において、トランス/トランス体の割合がe%(但し0≦e)であるビシクロヘキサンジカルボン酸のカルボキシル基を、強酸の存在下でハロカルボニル基に変換して、ビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物を得る第1の工程と、
    第1の工程で得られたビシクロヘキサンジカルボン酸ハロゲン化物と、水酸基含有化合物又はアミノ基含有化合物もしくは含窒素複素環化合物とを反応させて、トランス/トランス体の割合がh%(但しe<h)であるビシクロヘキサンジカルボン酸エステル又はビシクロヘキサンジカルボン酸アミドを得る第2の工程と、
    を含むことを特徴とするビシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル又はビシクロヘキサンジカルボン酸ジアミドの製造方法。
  7. ハロカルボニル基が、クロロカルボニル基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記強酸が、硫酸又はスルホン酸であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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