図1は、本発明に係る第1の実施例としての結束機100の構成例を示す斜視図である。図1に示す結束機100は、タグ1Aに設けられた2つの係止孔等を利用してツイストタイなどの帯状の結束具13を通すと共に、袋口を絞った袋14等(図5参照)のひだ折り口に当該結束具13を巻き付けてタグを取り付けるものである。袋14は被装着物の一例を構成する。結束具13には、ツイストタイの他に紐、針金等が適用される。
結束機100は、本体部を構成する本体シャーシ部92及びこの本体シャーシ部92を支持する支持部91を備える。支持部91は、「H」型の支持台91b及びこの支持台91bに垂直に取り付けられた支柱91aから構成される。支柱91aの先端には、支持台91bと平行になるように本体シャーシ部92が取り付けられる。本体シャーシ部92は、複数の板金を組み合わせて構成される。本体シャーシ部92には、タグ支え機構2A,タグホルド機構3A、タグ搬送機構4A、結束具搬送機構5A、結束具成形機構6A、結束具締結機構7A、ガイドプレート機構8A、タグホルド駆動機構9A及びボビン52が備えられる。なお、結束具搬送機構5A、結束具成形機構6A、結束具締結機構7A及び制御部110は、結束手段の一例を構成する。また、結束具搬送機構5A及び制御部110は引出手段の一例である。また、ボビン52は巻付け具の一例である。
タグ支え機構2Aはタグホルド機構3A及びタグ搬送機構4に設けられ、タグ搬送時、タグを保持するようになされる。タグ搬送機構4Aは、タグ搬送手段の一例として機能し、例えば、カートリッジ40からタグホルド機構3Aへタグ1Aを搬送する。タグ搬送機構4Aは、本体シャーシ部92の前方(図6における紙面の左側)の下側に設置される。このタグ搬送機構4Aには、タグ1Aが複数枚収納されるカートリッジ40を有している。この例で、タグ搬送機構4Aは結束処理毎に、収納されたタグ1Aを1枚ずつタグホルド機構3Aに搬送する。
タグホルド機構3Aは、本体シャーシ部92を介してタグ搬送機構4Aと対峙するように本体シャーシ部92の前方上側に設置される。タグホルド機構3Aは、タグ搬送機構4Aにより搬送されたタグ1Aを保持して結束具成形機構6Aに向かって移動する。タグホルド機構3Aの移動後、ボビン52に巻き付けられた結束具13が搬送される。
ボビン52は、芯部材の一例である芯(紙管)52aと、芯52aの一端に設けられた小径の円盤内板52cと、芯52aの他端に設けられた大径の円盤外板52bから構成されている。小径の円盤内板52cは第1のガイド板の一例である。大径の円盤外板52bは、第2のガイド板の一例であり、小径の円盤内板52cよりも大外形に形成されている。芯52aには結束具13が巻き付けられて保持される。このボビン52は、ダンボール(段ボール)などの紙素材により形成されている。ボビン52は、ボビンセット機構90Aに回転自在に設置されている。この例で、ボビンセット機構90Aは設置機構の一例であり、ボビン52の回転軸を略水平にして当該ボビン52を設置する。このボビンセット機構90Aは、支持棒90a、押えレバー90b、側面プレート90c及び回動軸90dを備えている。支持棒90a及び回動軸90dは、側面プレート90cに固定されている。押えレバー90bは押え部材の一例であり、その後端の開口部90fが回動軸90dに回動自在に取り付けられている。また、押えレバー90bは、その先端のU字先端部90gが支持棒90aの先端に嵌合されて固定される。
この押えレバー90bが略水平状態に回動された状態で、ボビン52は、その小径の円盤内板52c側から支持棒90aが芯52aへ挿入される。その後、略水平状態の押えレバー90bが、図1に示すように垂直状態に回動されてそのU字先端部90gが支持棒90aの先端に嵌合されて固定される。このようにして、ボビン52がボビンセット機構90Aに設置される。なお、ボビンセット機構90Aは、その側面プレート90cが本体シャーシ部92に不図示のアームを介して取り付けられている。
また、ボビンセット機構90Aの側面プレート90cには、制動機構89Aが取り付けられている。この制動機構89Aは、第1の制動機構の一例であり、結束具13が引き出されて回転したボビン52を制動する。この制動機構89Aは、ソレノイド89a及び押えレバー90bから構成される。このソレノイド89aは第1の伸縮動作部材の一例であり、プル型のソレノイドである。ソレノイド89aは、ボビンの小径の円盤内板52cの上方に配置されている。ソレノイド89aの可動鉄芯(プランジャー)89cの先端には、ブレーキパッド90h(図12B参照)が設けられている。このブレーキパッド90hと押えレバー90bとの間には、ボビン52の大径の円盤外板52bが位置している。すなわち、ボビン52の大径の円盤外板52bは、ソレノイド89aのブレーキパッド90hと押えレバー90bにより挟まれている。
ソレノイド89aは、制御部110(図63参照)により所定のタイミングで通電又は当該通電が遮断制御されて伸縮動作を行い、押えレバー90bと協働して円盤外板52bの大外形部52eを挟む。このソレノイド89aは、通電されると可動鉄芯89cが収縮するように動作する。例えば、可動鉄芯89cは、不図示のコイルに電流を流した時に発生する磁束によって不図示の固定鉄芯との間に作用する吸引力により、この固定鉄芯に向かって移動する。コイルへの通電を継続すれば可動鉄芯89cは、固定鉄芯に吸着した状態を保つ。通電を遮断すれば可動鉄芯89cを付勢する圧縮バネ89b(図12B参照)のバネ力により元の位置に押し戻されて伸長する。
例えば結束具13を引き出す際に、ソレノイド89aは、通電されてその可動鉄芯89cを収縮するように動作する。これにより、ボビン52の制動状態が解除される。また、結束具13の引き出し終了と当時にソレノイド89aは、通電が遮断されてその可動鉄芯89cが伸長する。これにより、可動鉄芯89cのブレーキパッド90hは、ボビン52の円盤外板52bの大外形部52eに当接すると共に、当該円盤外板52bを押えレバー90bとの協働によって挟み込んで当該ボビン52に制動をかける。これにより、ボビン52の結束具13を引き出した後に、当該ボビン52が惰性で回転(連れ廻り)しないので、当該結束具13が弛むことを防止できる。しかも、ブレーキパッド90hがボビン52の円盤外板52bの平面部に当接するので、従来のようにボビン52の円盤外板52bの外周部(エッジ)を利用して制動力を作用させる機構と比較して、ボビン52の摩耗による摩耗粉の発生を抑えることができる。また、従来の外周部を利用した制動機構と比較して、ボビン52の変形を抑えることができる。
結束具搬送機構5Aは、ボビン52の近傍に取り付けられ、ボビン52に巻きつけられて保持された結束具13を引き出し、結束具成形機構6Aに向かって移動した後のタグホルド機構3Aに向けて結束具13を搬送するように動作する。搬送された結束具13は、タグホルド機構3Aにより保持されたタグ1Aに通される。
結束具成形機構6Aは、タグホルド機構3Aと向き合う位置に設置され、タグ1Aに通された結束具13を切断し、当該切断されてボビン52側の結束具13と切り離された結束具13’の後端部と先端部とを寄せて結束具締結機構7Aに供給する。結束具締結機構7Aは、結束具成形機構6Aの近傍に設置され、この結束具成形機構6Aにより寄せられた切断後の結束具13’の後端部と先端部とを捻って締結する。
ガイドプレート機構8Aは、中間シャーシ部92aに取り付けられ、装着空間部92bにタグ1A及び袋14を案内するように動作する。タグホルド駆動機構9Aは、タグ搬送時や結束具成形時等において、タグホルド機構3A及び結束具成形機構6Aに駆動力を供給するようになされる。このように、結束機100は構成され、タグ1Aに結束具13を通すと共に、ひだ折り口を絞った袋14などに当該切断後の結束具13’を巻き付けてタグ1Aを袋14に取り付けるように動作する。
図2A及びBは、結束機100で使用されるタグ1Aの構成例を示す説明図である。図2Aはタグ1Aの正面図である。
図2Aに示すタグ1Aは、情報提示部10Aと装着部11Aと連結部12Aを、紙やプラスチック等の薄板材で一体に形成して構成される。連結部12Aは図2Aに示す2本の破線で囲まれた領域である。この領域は、装着部11Aと連結部12Aとの境界線及び連結部12Aと情報提示部10Aとの境界線により画定される。情報提示部10Aには各種情報が印刷等で表示される。また、各種情報が印刷されたシール部材が貼り付けられても良い。更に、点字等の如く打刻された情報が記載されていても良い。
装着部11Aには2箇所の係止孔11m,11mを備え、切断後の結束具13’に係止される。係止孔11m,11mは、図2に示すタグ1Aの長手方向を縦方向とした場合、タグ1Aの横方向に所定の間隔を開けて2個の貫通孔を形成して構成される。連結部12Aには、情報提示部10Aの両側辺の一部を所定の形状に切り欠いて凹部12m,12mが形成され、情報提示部10Aより狭い幅で、装着部11Aと情報提示部10Aを連結する。凹部12m,12mは情報提示部10Aの両側辺の一部に四角形状の溝部を形成して構成される。なお、図2Bにタグ1Aの斜視図を示している。
図3は、結束具13の構成例を示す斜視図である。図3に示す結束具13は、一般にツイストタイ等と称され、可塑性を有した金属または樹脂等の芯線としての細線13aを、樹脂や紙等の被覆材13bで被覆して構成される。結束具13は、幅の狭いテープ状(帯状)であり、タグ1Aの係止孔11m,11mに通されて袋14に締結される。
続いて、図1及び図4を参照して結束機100の機能例について説明をする。図4A〜Dは、結束機100の機能例を示す工程図である。
図4Aは袋14のひだ折り口へのタグ1Aの移動例を示す斜視図である。この例では、図1に示したタグ搬送機構4Aによりタグ1Aをタグホルド機構3Aに搬送し、このタグホルド機構3Aによりタグ1Aを保持して結束具成形機構6Aに向かって移動する。
図4Bは、タグ1Aへの結束具13の挿入例を示す斜視図である。この例で図1に示した結束具搬送機構5Aは、ボビン52に巻き付けられた結束具13を80mm程度引出し、この結束具13の先端をタグ1Aの2つの係止孔11m,11mに通すように動作する。
図4Cは、タグ1Aに通された結束具13の捻り前の構成例を示す斜視図である。この例で、結束具13’の全長は、例えば、80mm程度に設定される。図4Cに示すタグ1Aに通された結束具13は、先端から略80mmの部分で切断され、切断後の結束具13’の後端部と先端部とを寄せるように成形される。 例えば、結束具13の先端が一方の係止孔11mに通された後、タグホルド機構3Aの形状に合わせて結束具13の進行方向をUターンして当該結束具13の先端を他方の係止孔11mに通す。挿入後、図1に示した結束具成形機構6Aは、結束具13の所定位置を切断する。切断後、結束具成形機構6Aは、結束具13’の両端を袋14に寄せると共に、切断後の結束具13’の形状をU字形状に規制する。なお、結束具13’の結束処理には、先端部にS字部70aを有した図4Cに示すような、捻りアーム70が使用される。
図4Dは、図1に示した結束具成形機構6Aによる締結例を示す斜視図である。図4Dに示す締結例によれば、U字形状に規制された切断後の結束具13’の後端部と先端部とを結束具締結機構7Aにより捻って締結される。この例では、図4Cに示した捻りアーム70のS字部70aにより、U字形状に規制された結束具13’の両端部を保持し、この捻りアーム70を所定回数ほど回転させる。これにより、結束具13’が捻られて締結されると共に、タグ1Aが袋14のひだ折り口に結束具13’により固定される。このようにして、袋14のひだ折り口を自動的に結束すると共にタグ1Aを固定できるようになる。
図5はタグ1Aの装着例を示す斜視図である。図5に示す袋14には、結束具13’が締結されると共に、結束具13’によりタグ1Aが装着されている。タグ1Aは、2箇所の係止孔11m,11mに結束具13’が通され、この結束具13’により袋14の袋口を結束しているので、情報提示部10Aの向きが袋14に沿った縦向きとなり、横向きになることがない。
また、タグ1Aは、袋14が絞られて棒状に形成された袋口に結束具13’が巻かれるため、装着部11Aが袋14の絞られた形状に倣って湾曲する場合がある。しかしながら、装着部11Aと情報提示部10Aとの間は、情報提示部10Aの両側辺に凹部12m,12mが形成されて、情報提示部10Aより狭い幅の連結部12Aで連結されているので、情報提示部10Aは装着部11Aの湾曲形状に倣わず、情報提示部10Aが大きく湾曲し難い。これにより、タグ1Aの情報提示部10Aに記載されている情報を明確に認識できる。そして、情報提示部10Aが湾曲することなく袋14に沿った縦向きとなることから、タグ1Aを袋14に装着した姿の外観が良好となる。
続いて、図6〜図9を参照して、結束機100の主要部の構成例及びその動作例について説明をする。図6は、結束機100の構成例(結束前)及びその動作例を示す上面図である。図6に示す結束機100は、図1に示した結束機100を上面から見た図である。この結束機100は待機状態である。結束機100の待機状態において、タグ搬送機構4Aはタグホルド機構3Aにタグ1Aを1枚搬送している。
タグホルド機構3Aは、カールガイド30を備え、本体部を構成する中間シャーシ部92aに対して、スライド自在に取り付けられ、当該カールガイド30の直動運動でタグ1Aを結束具成形機構6A等にセットし、隣接する結束具締結機構7Aでツイストタイ等の切断後の結束具13’で袋14を結束するようになされる。カールガイド30は、図6に示すホームポジションHPの位置で待機する。図6において、カールガイド30のホームポジションHPとは、タグ搬送機構4Aのガイドフラップ42a,42aが閉じている状態であって、当該カールガイド30がガイドプレート95から離間されて最も左側へ移動された状態、すなわち、カールガイド30の先端部が閉じ状態のガイドフラップ42a,42aの上部延長線上で待機する位置をいう。
この例でタグホルド駆動機構9Aを備え、カールガイド30を矢印Q1の方向へ移動するために、作動板32、寄せモータ93、ボールネジ軸94及びトルクリミッタ33(図51参照)を備えている。
この例で、寄せモータ93の出力軸には、ギヤ93aが結合され、更に、ギヤ93aにはギヤ94aが噛合する。ボールネジ軸94には、ギヤ94aが結合されている。作動板32は、このボールネジ軸94にスライド移動自在に螺合される。作動板32のスライド動作は、トルクリミッタ33を介してカールガイド30に伝達される。カールガイド30は、作動板32の動作を受けて、対向する結束具成形機構6Aに対して接近及び離間する方向に移動する。
結束具成形機構6Aの前方には、ガイドプレート機構8Aがスライド自在に取り付けられる。このガイドプレート機構8Aは、図53に示すようなガイドプレート用の位置センサ(以下ガイドプレートセンサ107という)によりスライド移動が検出される。ガイドプレートセンサ107は検出手段の機能を構成する。
このガイドプレートセンサ107により、ユーザが袋14を図6に示す結束口103に配置しようとすると、ガイドプレート95が配置過程にある袋14によって、一旦押し込まれて、袋14が結束口103に正しく配置されると、ガイドプレート95が図示状態に自動復帰する。この往復動作をガイドプレートセンサ107により検出することで、袋14が結束口103に正確に配置されたことが判定可能となる。
この時点で、結束機100は、結束処理を開始することができる。この例では、袋センサ108(図51参照)によって袋14が結束口103に挿入されたか、又は、結束口103から排出されたかを検出できるようになっている。なお、ガイドプレート95が、押されたままの状態である場合、結束機100は、袋14が結束口に正確に配置されていないと判断して、結束処理を開始しない。これにより、不良結束を回避できる。
また、カールガイド30には、一対のタグ引掛け用の爪部(以下タグ掛け爪部30b,30bという)が設けられ、タグ掛け爪部30b,30bでタグ1Aを保持したカールガイド30がガイドプレート95に到達することで、ガイドプレート95とカールガイド30とでタグ1Aの脱落を防止できるようになる。
ボビン52の結束具13は、結束具搬送機構5Aにより所定の位置まで引き出される。この例で、結束具搬送機構5Aは、送りローラ50a、レバー50d、タイスロープ63及び結束具送りモータ50iから構成される。
送りローラ50aは、タイスロープ63の入口付近に設置され、結束具送りモータ50iの出力軸が結合される。この送りローラ50aには、レバー50dが突き当てられる。
この例で、レバー50dは従動ローラ50f及びバネ50gを備え、回動自在に本体シャーシ部92に取り付けられている。レバー50dは、バネ50gにより反時計回りに付勢されており、従動ローラ50fが送りローラ50aに突き当てられている。この従動ローラ50fと送りローラ50aとの間には、結束具13が挟まれる。これにより、送りローラ50aが時計回りに回動することで、結束具13をボビン52から引き出してタイスロープ63に送り出すことができる。
なお、ボビン52を交換して最初にボビン52の結束具13をタイスロープ63に通す場合、ユーザは、このレバー50dを時計回りに回動し、従動ローラ50fと送りローラ50aとの間を広げてボビン52の結束具13をその間に通し、この結束具13の先端をカッター62の位置に設定する。
結束具成形機構6Aは、カッター62及び左右のアプローチアーム61a,61bを備える。カッター62は、カッターリンク62a〜62c(図8参照)及びリンクローラ97を介して本体シャーシ部92に取り付けられる。リンクローラ97は、上述の作動板32の下端部に取り付けられたローラアーム101により、作動板32のスライド移動と共に押される。リンクローラ97が押されると、このリンクローラ97に結合されたカッターリンク62a〜62cが動作し、図8に示すカッターリンク62cの先端に取り付けられたカッター62が、移動して結束具13を切断する。
また、リンクローラ97には左側のアプローチアーム61aの一端が取り付けられる。このアプローチアーム61aの形状は、V字形状である。アプローチアーム61aは、一端がリンクローラ97に回転自在に取り付けられ、アプローチアーム61aの谷部がピン105aで本体シャーシ部92に回動自在に取り付けられる。また、アプローチアーム61aの谷部には、ピン105aで扇形(間欠)ギヤ97aが固定され、この扇形ギヤ97aは、一方の連結ギヤ96aと噛合される。この連結ギヤ96aは隣設する他方の連結ギヤ96bと噛合し、この連結ギヤ96bには扇形ギヤ97bが噛合する。この扇形ギヤ97bには、右側のL字形状のアプローチアーム61bがピン105bで取り付けられる。
この構成により、リンクローラ97が押されると、左側のアプローチアーム61aがピン105aを中心として反時計回りに回動し、これと同時に扇形ギヤ97aもピン105aを中心として反時計回りに回動し、この扇形ギヤ97aに噛合された連結ギヤ96aが時計回りに回転する。連結ギヤ96aが時計回りに回転すると、連結ギヤ96bが反時計回りに回転し、この連結ギヤ96bに噛合された扇形ギヤ97bがピン105bを中心として時計回りに回動し、この扇形ギヤ97bに取り付けられた右側のアプローチアーム61bもピン105bを中心として時計回りに回動する。従って、左右のアプローチアーム61a,61bが閉じるようになる。
なお、左右のアプローチアーム61a,61bは、開いた状態で結束具13のタイスロープ63の一部を構成する。この例で、左側のアプローチアーム61aは、カッター62の位置からコネクトブロック31aの位置までタイスロープ63を構成する。コネクトブロック31aは、アプローチアーム61aとカールガイド30との間を接続する。また、右側のアプローチアーム61bは、タイスロープ63の終端部を構成する。コネクトブロック31bは、カールガイド30とアプローチアーム61bとの間を接続する。
結束具締結機構7Aは、捻りアーム70及び捻りモータ70cを備える。捻りアーム70は、先端にS字部70a(図4参照)及び後端にギヤ70bを備え、S字部70aにより結束具13’の先端部と後端部とを保持する。ギヤ70bには、捻りモータ70cの出力軸が噛合しており、この捻りモータ70cが回転することにより、捻りアーム70が回転する。
図7は結束機100の構成例(結束後)及びその動作例を示す上面図である。図7に示す結束機100は、タグ1Aに結束具13を通すと共に当該結束具13を切断して成る結束具13’によって袋14を結束した結束状態である。図6に示した待機状態からこの結束状態に移行するためには、先ず、結束機100は、ユーザにより袋14が図6に示した結束口103に配置されると、この袋14によりガイドプレート機構8Aが一旦押されて袋センサ108(図66参照)により袋14が配置されたことを検出する。
結束機100によれば、袋14の配置を検出した後、寄せモータ93を正回転させて、ギヤ93a,94aを介してボールネジ軸94を正回転させる。このボールネジ軸94にスライド移動自在に螺合された作動板32は、矢印Q2の方向にスライド移動する。この作動板32の動作は、トルクリミッタ33(図51参照)を介してカールガイド30に伝達され、このカールガイド30が作動板32の動作を受けて、対向する結束具成形機構6Aに対して接近する方向に、ホームポジションHPから結束ポジションP1まで移動すると共にガイドプレート機構8Aを押し込んで左右のコネクトブロック31a,31bに当接する。
このとき、ガイドプレート機構8Aは、タグ1Aを保持したカールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bが当該ガイドプレート機構8Aに到達することで、タグ1Aの脱落を防止している。また、カールガイド30は、結束具13の結束具通路を構成している。
カールガイド30を移動後、図63に示す結束具送りモータ50iにより送りローラ50aを回転し、この送りローラ50aとバネ50gに付勢された従動ローラ50fとで挟まれた結束具13をボビン52から略80mm程度引き出してタイスロープ63に送り出す。このとき、結束具13は、左側のアプローチアーム61a、コネクトブロック31a、カールガイド30、右側のコネクトブロック31b及びアプローチアーム61bにより構成された段差通路構造60を進む。
タイスロープ63に結束具13を送り出した後、再び寄せモータ93を回転させて、ギヤ93a,94aを介してボールネジ軸94を回転させる。このボールネジ軸94の回転により作動板32は、矢印Q2の方向に更にスライド移動し、この作動板32の下端部に取り付けられたローラアーム101により、リンクローラ97を押し進める。
リンクローラ97が押し進められることにより、このリンクローラ97にリンク結合されたカッター62は、図7に示すように結束具13のタイスロープ63に差し込まれて、このタイスロープ63に存在する結束具13を切断する。この切断処理と同時に、リンクローラ97に係合された左側のアプローチアーム61aが反時計回りに回動し、これと同時に扇形ギヤ97aも反時計回りに回動し、この扇形ギヤ97aに噛合された連結ギヤ96aが時計回りに回動する。
この連結ギヤ96aが時計回りに回動すると、連結ギヤ96bが反時計回りに回動し、この連結ギヤ96bに噛合された扇形ギヤ97bが時計回りに回動し、この扇形ギヤ97bに取り付けられた右側のアプローチアーム61bも時計回りに回動する。従って、左右のアプローチアーム61a,61bが閉じるようになり、左右のアプローチアーム61a,61bにより、結束具13’の両端を捻りアーム70に寄せて結束具13’の形状をU字状に規制する。
捻りアーム70は、先端に設けられたS字部70aにより結束具13’の先端部と後端部を保持する。捻りアーム70は、このS字部70aにより結束具13’の先端部と後端部を保持した状態で、図示しない捻りモータ70cにより複数回転される。これにより、袋14のひだ折り口に結束具13’が締結される。
この結束機100では、結束具13’を締結後、寄せモータ93を逆回転させて、ギヤ93a,94aを介してボールネジ軸94を逆回転させる。このボールネジ軸94にスライド移動自在に螺合された作動板32は、矢印Q3の方向にスライド移動する。この作動板32の動作を受けて、カールガイド30は、対向する結束具成形機構6Aに対して離間する方向に移動すると共に、結束具成形機構側に押し込んだガイドプレート機構8Aを解放する。
更に、図7に示す作動板32の下端部に取り付けられたローラアーム101とリンクローラ97との当接が解除される。リンクローラ97と係止軸97’との間には、リンクローラ97を係止軸97’の側へ常時付勢している、引っ張りバネ122が掛け渡されており、ローラアーム101とリンクローラ97との当接が解除されることで、リンクローラ97は、矢印Q3の方向へ移動する。カッター62に結合されたカッターリンク62cを介してリンクローラ97を押し戻す。
リンクローラ97が矢印Q3の方向へ移動することにより、このリンクローラ97にリンク結合されたカッター62は、結束具搬送機構5Aのタイスロープ63から退避する。このカッター62の退避処理と同時に、リンクローラ97とリンク結合された左側のアプローチアーム61aが時計回りに回動し、これと同時に扇形ギヤ97aも時計回りに回動し、この扇形ギヤ97aに噛合された連結ギヤ96aが反時計回りに回動する。
この連結ギヤ96aが反時計回りに回動すると、連結ギヤ96bが時計回りに回動し、この連結ギヤ96bに噛合された扇形ギヤ97bが反時計回りに回動し、この扇形ギヤ97bに取り付けられた右側のアプローチアーム61bも反時計回りに回動する。従って、左右のアプローチアーム61a,61bが開くようになり、左右のアプローチアーム61a,61bが再び、段差通路構造60を構成するようになる。
その後、タグ搬送機構4Aは、内部に収納されたタグ1Aを1枚引き出してタグホルド機構3Aのカールガイド30に搬送する。これにより、結束機100は、図6に示した待機状態に戻る。
図8は結束機100における主要部の構成例(結束前)及びその動作例を示す上面図であり、図6に示した待機状態の結束機100のタグホルド機構3A、結束具形成機構及び結束具締結機構7Aを抽出した上面図である。
図8に示す結束具成形機構6Aによれば、カッター62を動作させるために、カッターリンク62a〜62c、リンクピン97c,97d及び固定軸97eを備える。このカッター62は、L字形状のカッターリンク62cの曲がり角に設けた支軸62’によって回動自在に取り付けられる。カッターリンク62cの一端には、バネ軸104が取り付けられる。
バネ軸104には、つる巻きバネ123が巻き付けられており、つる巻きバネ123の一端側は、カッター62と係合し、他端側は支軸62’に係合している。これにより、カッター62は、つる巻きバネ123によって支軸62’を回動中心として常時、反時計方向へ付勢される。
また、カッターリンク62cの他端は、リンクピン97dにより、カッターリンク62bの一端に回動自在に取り付けられる。
カッターリンク62bの略中央部は、固定軸97eにより本体シャーシ部92(図1参照)に固定されて回動自在に取り付けられる。カッターリンク62bの他端は、リンクピン97cにより、カッターリンク62aの一端に回動自在に取り付けられる。このカッターリンク62aの他端は、リンクローラ97を介してV字形状のアプローチアーム61aに回動自在に結合される。アプローチアーム61aの谷部がピン105aにより本体シャーシ部92に回動自在に取り付けられる。アプローチアーム61aの谷部に固定された扇形ギヤ97aもピン105aにより本体シャーシ部92に回動自在に取り付けられる。
また、右側のL字形状のアプローチアーム61bの一端(後端)が、ピン105bにより本体シャーシ部92に回動自在に取り付けられる。アプローチアーム61bの後端に固定された扇形ギヤ97bもピン105bにより本体シャーシ部92に回動自在に取り付けられる。この構成により、リンクローラ97が矢印Q2の方向に押されると、カッターリンク62a〜62cが固定軸97eを中心としてリンク動作し、カッター62がタイスロープ63からの結束具13に差し込まれるようになる。
図9は結束機100における主要部の構成例(結束後)及びその動作例を示す上面図である。図9に示す結束機100によれば、リンクローラ97が矢印Q2の方向に押されて、このリンクローラ97に結合されたカッターリンク62aが押し上げられている。この押し上げられたカッターリンク62aにリンクピン97cでリンク結合されたカッターリンク62bは、固定軸97eを中心にして反時計回りに回動している。
この反時計回りに回動されたカッターリンク62bにリンクピン97dで結合されたカッターリンク62cは、押し下げられている。これにより、このカッターリンク62cにリンク結合されたカッター62も押し下げられて、カッター62が結束具13のタイスロープ63に差し込まれ、タイスロープ63に存在する結束具13を切断している。
また、図7で説明したように、カッター62の動作と同時にリンクローラ97にリンク結合された左側のアプローチアーム61aがピン105aを中心にして反時計回りに回動し、これと同時に扇形ギヤ97aも反時計回りに回動し、この扇形ギヤ97aに噛合された連結ギヤ96aが時計回りに回動する。この連結ギヤ96aが時計回りに回動すると、連結ギヤ96bが反時計回りに回動し、この連結ギヤ96bに噛合された扇形ギヤ97bが時計回りに回動し、この扇形ギヤ97bに取り付けられた右側のアプローチアーム61bもピン105bを中心にして時計回りに回動する。従って、左右のアプローチアーム61a,61bが閉じるようになり、左右のアプローチアーム61a,61bにより、結束具13’の先端部と後端部との捻りアーム70に寄せることができる。
続いて、ボビン52について説明する。図10Aは、ボビン52の構成例を示す斜視図である。図10Aに示すボビン52は、芯52a、大径の円盤外板52b及び小径の円盤内板52cから構成されている。ボビン52は、その芯52aの一端に小径の円盤内板52cが設けられている。また、ボビン52は、その芯52aの他端に大径の円盤外板52bが設けられている。円盤外板52b及び円盤内板52cの中心には、円形の開口部52dが設けられている。この開口部52dには、図12Bに示すボビンセット機構90Aの支持棒90aが挿入される。
図10Bは、ボビン52の構成例を示す正面図である。図10Bに示す小径の円盤内板52cの半径は、大径の円盤外板52bの半径よりも距離L3だけ短く形成されている。これは、図12Bに示すボビンセット機構90Aにボビン52を設置した場合に、制動機構89Aのソレノイド89aのブレーキパッド90hを、当該ボビン52の円盤外板52bの大外形部52eに当接させるためである。すなわち、制動機構89Aは、円盤内板52cよりも大外形を成す円盤外板52bの大外形部52eを挟んでボビン52を制動する。
また、ボビン52の円盤外板52bと円盤内板52cの径が異なるので、ボビンセット機構90Aにボビン52を設置する場合に、ボビン52のセット方向を常に一定に保つことができる。すなわち、ボビン52の円盤内板52cを常に装置本体に向けて設置するようになる。これにより、ボビン52に巻き付けられた結束具13の引き出し位置を常に一定に保つことができる。ここで、仮にボビン52の円盤外板52bと円盤内板52cの径を同一にした場合、ボビン52の円盤外板52bを装置本体に向けて設置する場合も考えられる。この場合、結束具13の引き出し位置が上下反対になるので、結束具13の引き出しに不具合が生じるおそれがある。本願発明では、ボビン52の円盤外板52bと円盤内板52cの径が異なるので、ボビン52の円盤内板52cを常に装置本体に向けて設置することができる。
図11A乃至図11Cは、ボビン52の組立例を示す斜視図である。図11Aに示す筒状の芯52aの一方の端面と円盤内板52cとを接着剤により接着して固定する。また、筒状の芯52aの他方の端面と円盤外板52bとを接着剤により接着して固定する。このとき、円盤外板52bと円盤内板52cの開口部52dを位置合わせする。これにより、図11Bに示すボビン52が形成される。形成後、図11Cに示すように、ボビン52に結束具13を巻き付ける。
続いて、ボビンセット機構90A及び制動機構89Aについて説明する。図12Aは、ボビンセット機構90A及び制動機構89Aの構成例(その1)を示す斜視図である。このボビンセット機構90Aは、図1で説明したように、支持棒90a、押えレバー90b、側面プレート90c及び回動軸90dを備えている。
支持棒90a及び回動軸90dは、側面プレート90cに固定されている。押えレバー90bは、その後端の開口部90fが回動軸90dに回動自在に取り付けられている。図12Aに示す押えレバー90bは、切欠部90m及び操作部90kを備えている。この操作部90kは、使用者により保持されて押えレバー90bが回動される。回動された押えレバー90bは、その切欠部90mが、側面プレート90cに固定された固定枠90qの載置片90nに載置される。これにより、押えレバー90bは、その姿勢が略水平状態に保たれる。図12Aに示すボビンセット機構90Aは、押えレバー90bが、90°回動されて略水平に設定された状態である(ボビンセット待機状態)。なお、図12Aに示す押えレバー90bの切欠部90mは、実際には固定枠90qの載置片90nに載置されていない。固定枠90qには、制動機構89Aのソレノイド89aが吊り下げられて固定されている。
図12Bは、ボビンセット機構90A及び制動機構89Aの構成例(その1)を示す正面図である。図12Bに示す支持棒90aの先端には、溝部90pが設けられている。この溝部90pには、押えレバー90bのU字先端部90gが嵌合されて固定される。
また、図12Bに示す制動機構89Aのソレノイド89aは、図14Aに示す円盤外板52bの大外形部52eを介在させて垂直状態の押えレバー90bに対峙して、円盤外板52bの内面側に設置されている。また、押えレバー90bは、円盤外板52bの外面側に配置されている。
このソレノイド89aは、可動鉄芯89cの先端にストッパー89dが設けられている。このストッパー89dとソレノイド本体の間には、可動鉄芯89cを伸長させるための圧縮バネ89bが設けられている。このストッパー89dは、固定枠90qの当接板90eに緩衝材89eを介して当接して位置決めされている。
このように構成されたソレノイド89aは、通電されると可動鉄芯89cが収縮するように動作する。また、ソレノイド89aは通電が遮断されると、圧縮バネ89bにより、可動鉄芯89cのストッパー89dが当接板90eまで押し出されて伸長するように動作する。なお、図12Cは、ボビンセット機構90A及び制動機構89Aの構成例(その1)を示す側面図である。
図13Aは、ボビンセット機構90A及び制動機構89Aの構成例(その2)を示す斜視図である。図13Aに示すボビンセット機構90Aは、図12Aに示した押えレバー90bが、90°回動されて略垂直に設定された状態である(ボビンセット状態)。
この例で、使用者により操作部90kが保持されて、押えレバー90bが垂直方向に向けて回動される。このとき、開口部90fの先端円形部90iが回動軸90dに係合して回動する。これは、回動軸90dの先端(係合)部が矩形に形成されているためである。垂直方向に90°回動された押えレバー90bは、降下してその開口部90fがスライド移動する。また、押えレバー90bは、その先端のU字先端部90gが支持棒90aの溝部90pに嵌合されて固定される。なお、開口部90fの後端部90rも矩形に形成されている。従って、矩形に形成された回動軸90dの先端部により、押えレバー90bの垂直方向の移動が規制される。これにより、当該押えレバー90bのU字先端部90gを支持棒90aの溝部90pに円滑に嵌合できるようになる。
図13Bは、ボビンセット機構90A及び制動機構89Aの構成例(その2)を示す正面図である。図13Bに示す制動機構89Aのソレノイド89aは、通電が遮断された状態であり、その可動鉄芯89cのブレーキパッド90hと押えレバー90bとの間隔が所定距離だけ設けられている。当該間隔は、ボビン52の大径の円盤外板52bの厚みより若干狭く設定されている。これにより、ソレノイド89aのブレーキパッド90hと押えレバー90bとの協働により、ボビン52の円盤外板52bを挟み込んで当該ボビン52を停止させることができる。なお、図13Cは、ボビンセット機構90A及び制動機構89Aの構成例(その2)を示す側面図である。
続いて、ボビンセット機構90Aにボビン52を設置する一例を説明する。図14Aは、ボビン52の設置例(その1)を示す斜視図である。図14Aに示すボビンセット機構90Aは、図12Aに示したボビンセット待機状態である。すなわち、ボビンセット機構90Aは、その押えレバー90bの姿勢が略水平状態に設定された状態である。この状態で、ボビン52は、その小径の円盤内板52c側から支持棒90aが芯52aへ挿入される。このとき、仮に大径の円盤外板52b側からボビン52を支持棒90aに装着しようとした場合、当該円盤外板52bが制動機構89Aに突き当たり、当該ボビン52をボビンセット機構90Aに設置することができない。これにより、ボビン52をボビンセット機構90Aに設置する場合に、ボビン52のセット方向を常に一定に保つことができる。従って、ボビン52に巻き付けられた結束具13の引き出し位置を常に一定に保つことができる。
図14Bは、ボビン52の設置例(その1)を示す正面図である。図14Bに示すソレノイド89aのブレーキパッド90hは、ボビン52の大径の円盤外板52bの大外形部52eに当接している。
図14Cは、ボビン52の設置例(その1)を示す側面図である。図14Cに示すように、押えレバー90bが略水平状態に回動された状態で、ボビン52をスライドさせて支持棒90aに装着できる。すなわち、略水平状態に回動された押えレバー90bは、ボビン52をスライドさせて支持棒90aに装着する際に、当該ボビン52に突っ掛かって邪魔にならない。これにより、ボビン52をボビンセット機構90Aに円滑に設置することができる。
図15Aは、ボビン52の設置例(その2)を示す斜視図である。図15Bは、ボビン52の設置例(その2)を示す正面図である。図15Cは、ボビン52の設置例(その2)を示す側面図である。
図15Aに示すボビンセット機構90Aは、図14Aに示した押えレバー90bが、90°回動されて略垂直に設定された状態である。この垂直状態に移行するためには、使用者により操作部90kが保持されて、押えレバー90bが垂直方向に向けて回動される。このとき、開口部90fの先端円形部90i(図13A参照)が回動軸90dと係合して回動する。これは、回動軸90dの先端(係合)部が先端円形部90iの内形状よりも小外形を成す矩形に形成されているためである。図15A乃至図15Cに示す押えレバー90bは、その先端のU字先端部90gが支持棒90aの溝部90pに嵌合されていない。
押えレバー90bは、その一側端が外側に反って形成された反り部90jを有している。押えレバー90bを回動時に、この反り部90jによりボビン52の円盤外板52bの外輪52fを受け入れて、当該円盤外板52bをソレノイド89a側に若干押し込む。これは、当該ソレノイド89aは、通電が遮断されると、圧縮バネ89bにより可動鉄芯89cが押し出されて伸長するように動作するからである。従って、ボビン52をボビンセット機構90Aに設置する際、ソレノイド89aは通電が遮断されているので、その可動鉄芯89cが伸長している。これにより、押えレバー90bを回動時に、反り部90jによりボビン52の円盤外板52bの外輪52fを受け入れて当該円盤外板52bをソレノイド89a側に若干押し込む必要がある。
図16Aは、ボビン52の設置例(その3)を示す斜視図である。図16Bは、ボビン52の設置例(その3)を示す正面図である。図16Cは、ボビン52の設置例(その3)を示す側面図である。
図16Aに示すボビンセット機構90Aは、図15Aに示した垂直方向の押えレバー90bが降下して、その開口部90fがスライド移動している。さらに、当該押えレバー90bは、その先端のU字先端部90gが支持棒90aの溝部90pに嵌合されて固定されている。このとき、開口部90fの細溝状に形成されている部分が、回動軸90dの矩形に形成されている部分と係止し、回動不能となされている。このようにして、ボビン52をボビンセット機構90Aに設置する。
続いて、制動機構89Aの動作例を説明する。図17Aは、制動機構89Aの動作例を示す斜視図である。図17Bは、制動機構89Aの動作例を示す正面図である。図17Cは、制動機構89Aの動作例を示す側面図である。
図17A乃至図17Cに示す制動機構89Aのソレノイド89aは、通電されてその可動鉄芯89cが収縮している状態である。このとき、ストッパー89dとソレノイド本体の間に設けられた圧縮バネ89bは、図16Bに示した状態から圧縮されている。また、可動鉄芯89cのブレーキパッド90hは、ボビン52の円盤外板52bの大外形部52eから離隔されている。これにより、ボビン52は、制動解除(フリー)状態となる。すなわち、ボビン52は、その芯52aが支持棒90aに装着されて支持されている。そして、ボビン52の円盤外板52b側は、押えレバー90bにより抜け止めされ、かつ、ボビン52の円盤内板52c側は、側面プレート90cにより抜け止めされている。
この制動解除状態で、ボビン52の結束具13が、図1に示した結束具搬送機構5Aにより引き出される。この結束具搬送機構5Aにより結束具13の引き出しが終了すると同時に、ソレノイド89aは通電が遮断される。これにより、圧縮バネ89bにより可動鉄芯89cが押し出されて伸長する。そして、図16Bに示したように、ブレーキパッド90hが、ボビン52の円盤外板52bの大外形部52eに当接すると共に、当該円盤外板52bを押えレバー90bと挟み込んで当該ボビン52に制動をかける。これにより、ボビン52の結束具13を引き出した後に、当該ボビン52が惰性で回転しないので、当該結束具13の引き出し線が弛むことを防止できる。なお、ブレーキパッド90hが円盤外板52bを押し付ける荷重は、圧縮バネ89bのバネ力に依存している。この構造により、圧縮バネ89bのバネ力とブレーキパッド90hの接触面積を変更することにより、制動動作の効き具合を調整できる。
このように、本発明に係る結束機100及びその制御方法ならびに結束機100に装着可能なボビン52によれば、円盤内板52cよりも大外形に形成された円盤外板52bを有したボビン52を備え、制動機構89Aは、この円盤内板52cよりも大外形を成す円盤外板52bの大外形部52eを挟んでボビン52を制動する。
従って、ボビン52の円盤外板52bに摺接させて制動動作に用いられる面積を増やすことができる。これにより、従来のように片方のガイド板の外周部に摺接させて制動を行う方法と比較して制動力を向上できる。しかも、ボビン52の磨耗を抑えることができると共に、磨耗粉の発生やボビン52の変形を抑えることができる。従って、樹脂などに比べて環境に優しい紙素材などを用いて巻付け具を形成することができる。また、円盤内板52cと円盤外板52bの大外形が異なるので、ボビン52の結束機100への設置方向を明確にすることができる。
続いて、上述したボビンセット機構90Aとは異なるボビンセット機構90B、ならびに制動機構89Aとは異なる制動機構89B乃至89Dを説明する。なお、以下の説明において、上述したボビンセット機構90A及び制動機構89Aと同じ構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図18Aは、ボビンセット機構90B及び制動機構89Bの構成例を示す斜視図である。図18Bは、ボビンセット機構90B及び制動機構89Bの構成例を示す正面図である。図18Cは、ボビンセット機構90B及び制動機構89Bの構成例を示す側面図である。図18A乃至図18Cに示すボビンセット機構90Bは設置機構の一例であり、支持棒90a、押えレバー900b、側面プレート900c及び回動軸90dを備えている。
支持棒90a及び回動軸90dは、側面プレート900cに固定されている。押えレバー900bは、その後端のL字形状の開口部900fが回動軸90dに回動自在に取り付けられている。押えレバー900bは、操作部90kを備えている。この操作部90kは、使用者により保持されて押えレバー900bが回動される。ボビンセット機構90Bは、押えレバー900bが、90°回動されて略水平に設定された状態である(ボビンセット待機状態)。
側面プレート900cの所定位置には、制動機構89Bが取り付けられている。この制動機構89Bは第2の制動機構の一例であり、円盤内板52cの内輪52g(外周部の一例)又は円盤外板52bの外輪52f(外周部の一例)に交互に当接してボビン52を制動する。
制動機構89Bは、ソレノイド890a及びブレーキプレート900hから構成されている。このソレノイド890aは第2の伸縮動作部材の一例であり、プッシュ型のソレノイドである。ソレノイド890aは、芯52aに対して略垂直方向に設置されて、制御部110により所定のタイミングで通電又は当該通電が遮断制御されて伸縮動作する。
ソレノイド890aは、その可動鉄芯(プランジャー)890cの先端にブレーキプレート900hが取り付けられている。このブレーキプレート900hは、第1の制動プレートの一例であり、側面プレート900cにスライド自在に取り付けられている。
この例で、このブレーキプレート900hは縦方向の長孔90sを2箇所に有し、これらの長孔90sがソレノイド890aを支持するアーム90uに上下動自在に嵌め込まれている。また、ブレーキプレート900hは、レール90tによりその両側端が挿嵌されている。このように、ブレーキプレート900hは、側面プレート900cにスライド自在に取り付けられている。
また、ブレーキプレート900hは、引っ張りバネ890bによりソレノイド本体側に付勢されている。この例で、ブレーキプレート900hは、その開口部にソレノイド890aの可動鉄芯890cが挿入されると共に、引っ張りバネ890bによりソレノイド本体側に引っ張られている。これにより、ブレーキプレート900hは、可動鉄芯890cの動作に応じて上下動する。
ブレーキプレート900hは、段違いに形成された第1の制動面901h(第2の当接面の一例)及び第2の制動面902h(第1の当接面の一例)を備えている。第1の制動面901hには、図19Aに示すボビン52の大径の円盤外板52bの外輪52fが当接する。また、第2の制動面902hには、ボビン52の小径の円盤内板52cの内輪52gが当接する。
続いて、ボビンセット機構90Bにボビン52を設置する一例を説明する。図19Aは、ボビン52の設置例を示す斜視図である。図19Aに示すボビンセット機構90Bは、その支持棒90aにボビン52の芯52aが装着された後、図18Aに示した水平状態の押えレバー900bが、90°回動されて略垂直に設定された状態である。当該垂直状態に移行するためには、使用者により操作部90kが保持されて、押えレバー900bが垂直方向に向けて回動される。このとき、開口部900fの中央円形部900iが回動軸90dに係合して回動する。これは、開口部900fの2方向に分岐して細溝状に形成されている部分が、回動軸90dの矩形に形成されている部分と係止し、回動不能となされているためである。垂直方向に90°回動された押えレバー900bは、降下してその開口部900fがスライド移動する。また、押えレバー900bは、その先端のU字先端部90gが支持棒90aの溝部90pに嵌合して固定される。
押えレバー900bは、その一側端が外側に反って形成された反り部900jを有している。この反り部900jは、押えレバー900bを回動時に、ボビン52の円盤外板52bの外輪52fを受け入れる。これにより、ボビン52をボビンセット機構90Bに容易に設置できるようになる。
図19A及び図19Bに示す制動機構89Bには、通電が遮断されている。このとき、ソレノイド890aの可動鉄芯890c及びブレーキプレート900hは、引っ張りバネ890bによりソレノイド本体側に引っ張られて、当該可動鉄芯890cは収縮している。従って、ブレーキプレート900hの制動面901hは、ボビン52の円盤外板52bの外輪52fから距離L4だけ離隔されている。また、ブレーキプレート900hの制動面902hも、ボビン52の円盤内板52cの内輪52gから距離L5だけ離隔されている。
この例で、距離L5は、距離L4よりも長く設定されている(L5>L4)。これは、ブレーキプレート900hが、ボビン52の円盤外板52b及び円盤内板52cに当接するタイミング(時期)を変更するためである。すなわち、ボビン52の使用初期段階では、ブレーキプレート900hは、その制動面901hがボビン52の円盤外板52bの外輪52fに当接して制動を行う。ボビン52の使用後期段階で当該円盤外板52bの外輪52fが磨り減ると、ブレーキプレート900hは、その制動面902hがボビン52の円盤内板52cの内輪52gに当接し、主に当該内輪52gを使用して制動を行う。これにより、ボビン52の外輪52f及び内輪52gの磨耗を抑えることができるので、当該ボビン52を長持ちさせることができる。
もちろん、反対に距離L4を距離L5よりも長く設定して(L5<L4)、ブレーキプレート900hは、先に内輪52gに当接して、その後に外輪52fに当接して制動を行うようにしてもよい。また、距離L5と距離L4の長さを等しくして(L5=L4)、ブレーキプレート900hは、同時にボビン52の外輪52f及び内輪52gに当接して制動を行うようにしてもよい。
図19A及び図19Bに示すボビン52は、制動解除(フリー)状態である。すなわち、ボビン52は、支持棒90aがその芯52aに挿入されて支持されている。そして、ボビン52の円盤外板52b側は、押えレバー900bにより抜け止めされ、かつ、ボビン52の円盤内板52c側は、側面プレート900cにより抜け止めされている。
この制動解除(通電遮断)状態で、ボビン52の結束具13が、図1に示した結束具搬送機構5Aにより引き出される。この結束具搬送機構5Aにより結束具13の引き出しが終了すると同時に、ソレノイド890aは通電される。このとき、ソレノイド890aはその可動鉄芯890cが伸長し、ブレーキプレート900hは、ボビン52の外輪52f又は内輪52gに当接して制動を行う。これにより、ボビン52の結束具13を引き出した後に、当該ボビン52が惰性で回転しないので、当該結束具13の引き出し線が弛むことを防止できる。
続いて、制動機構89Bの動作例を説明する。図20Aは、ボビン52の使用初期段階における制動機構89Bの動作例を示す正面図である。図20Aに示す制動機構89Bは、図19Bに示したソレノイド890aが通電された状態である。このとき、ソレノイド890aの可動鉄芯890cは押し出されて伸長している。これにより、ブレーキプレート900hが降下すると共に、制動面901hがボビン52の円盤外板52bの外輪52fに当接して制動を行っている。また、制動面902hは、ボビン52の円盤内板52cの内輪52gに当接していない。これは、ボビン52の使用初期段階の時は、当該円盤外板52bの外輪52fが磨り減っていないからである。この場合、円盤外板52bの外輪52fが磨り減っていないので、制動機構89Bの制動力を十分に発揮することができる。
図20Bは、ボビン52の使用後期段階における制動機構89Bの動作例を示す正面図である。図20Bに示すボビン52の結束具13は、図20Aに示したボビン52の結束具13からある程度消費された状態である。このとき、図20Bに示すボビン52の円盤外板52bの外輪52fは、制動面901hに当接して制動動作に使用されたので若干磨り減っている。
これにより、図20Bに示すブレーキプレート900hの通電時の位置は、図20Aに示したブレーキプレート900hの通電時の位置よりも、当該円盤外板52bの外輪52fの摩耗分だけ降下する。従って、ブレーキプレート900hは、制動面902hがボビン52の円盤内板52cの内輪52gに当接して、主に当該内輪52gを使用して制動を行うようになる。これにより、ボビン52の寿命を延ばすことができる。なお、円盤内板52cの内輪52gに制動面902hが当接した場合でも、ブレーキプレート900hは、円盤外板52bの内輪52gに制動面901hが当接して若干の制動効果を発揮している。
図21Aは、ボビンセット機構90B及び制動機構89Cの構成例を示す斜視図である。図21Bは、ボビンセット機構90B及び制動機構89Cの構成例を示す正面図である。図21Cは、ボビンセット機構90B及び制動機構89Cの構成例を示す側面図である。図21A乃至図21Cに示すボビンセット機構90Bは、支持棒90a、押えレバー900b、側面プレート900c及び回動軸90dを備えている。
ボビンセット機構90Bは、押えレバー900bが、90°回動されて略水平に設定された状態である(ボビンセット待機状態)。側面プレート900cの所定位置には、制動機構89Cが取り付けられている。この制動機構89Cは、第2の制動機構の一例であり、円盤内板52cの内輪52g及び円盤外板52bの外輪52fと同時に当接してボビン52を制御する。制動機構89Cは、ソレノイド891a及びブレーキプレート903h及び904hから構成されている。このソレノイド891aは第3の伸縮動作部材の一例であり、プッシュ型のソレノイドである。
ソレノイド891aは、芯52aに対して略垂直方向に設置されて、制御部110により所定のタイミングで通電又は当該通電が遮断制御されて伸縮動作する可動鉄芯(プランジャー)891cを有している。ソレノイド891aは、その可動鉄芯891cにブレーキプレート903h及び904hが取り付けられている。例えば、ブレーキプレート903hは第3の制動プレートの一例であり、可動鉄芯891cに圧縮バネ892b(弾性部材の一例)を介して係合されてスライド自在に設けられている。また、このブレーキプレート903hは、引っ張りバネ891bによりソレノイド本体側に引っ張られている。ブレーキプレート904hは、第2の制動プレートの一例であり、可動鉄芯891cの略中央に固定されている。これらのブレーキプレート903h及び904hは、側面プレート900cにスライド自在に取り付けられている。
この例で、このブレーキプレート903h及び904hは縦方向の長孔90sを2箇所に有し、これらの長孔90sがソレノイド891aを支持するアーム90uに上下動自在に嵌め込まれている。また、ブレーキプレート903h及び904hは、レール90tによりその両側端が挿嵌されている。このように、ブレーキプレート903h及び904hは、側面プレート900cにスライド自在に取り付けられている。
ブレーキプレート904hは可動鉄芯891cに固定され、ブレーキプレート903hは可動鉄芯891cに係合されて引っ張りバネ891bによりソレノイド本体側に付勢されている。これにより、ブレーキプレート903h及び904hは、可動鉄芯891cの動作に応じて上下動する。特に、ブレーキプレート903hは、圧縮バネ892bのバネ力を種々に選定することにより、当該ブレーキプレート903hの側で発生する制動力と、ブレーキプレート904hの側で発生する制動力とを調整することができる。これは、ブレーキプレート904hには、可動鉄芯891cの伸長に伴う荷重が直接伝わるのに対して、ブレーキプレート903hには、可動鉄芯891cの伸長に伴う荷重が圧縮バネ892bを介して伝わるからである。
仮に、ボビン52の形状が芯52aの軸方向の長さが長く、結束具13の巻き付け量が多いものであった場合、次の(1)乃至(3)の特徴を有する。(1)ボビン52の制動力は、ボビン52の円盤外板52b及び円盤内板52cに作用する。(2)ボビン52の制動力は、円盤外板52b及び円盤内板52cから当該円盤外板52b及び円盤内板52cと芯52aとの接着部52h(図23C参照)を介して当該芯52aへと作用する。(3)結束具13は、ボビン52の芯52aに巻き付けられているので、ボビン52においてイナーシャ(慣性)の大きい部分は、結束具13が巻き付けられた芯52aである。以上の(1)乃至(3)の特徴を有するので、大径の円盤外板52b及び小径の円盤内板52cの双方でバランス良く制動を行うことが望ましい。
制動機構89Cによれば、ブレーキプレート904hは可動鉄芯891cによって直接制動される。これに対して、ブレーキプレート903hは、可動鉄芯891cの押圧力を受けた圧縮バネ892bのバネ力を介して制動される。これにより、この圧縮バネ892bのバネ力を好適に選定することにより、図23Cに示す円盤外板52bと円盤内板52cの其々の接着部52hに制動力を均等に作用させることができる。
すなわち、図23Cに示す円盤外板52bに作用する押し付け力F1とこの押し付け力F1の作用点からボビン52の芯52aまでの距離L6の積と、円盤内板52cに作用する押し付け力F2とこの押し付け力F2の作用点からボビン52の芯52aまでの距離L7の積とをつり合わせることができれば(F1×L6=F2×L7)、円盤外板52bと円盤内板52cの其々の接着部52hに制動力が均等に作用する。これにより、円盤外板52bと円盤内板52cの其々の接着部52hの一方に過大に制動力が作用することを回避することができる。
ブレーキプレート903hは制動面905hを備えている。この制動面905hには、図22Aに示すボビン52の大径の円盤外板52bの外輪52fが当接する。また、ブレーキプレート904hは制動面906hを備えている。この制動面906hには、ボビン52の小径の円盤内板52cの内輪52gが当接する。
続いて、制動機構89Cが備えられたボビンセット機構90Bにボビン52を設置する一例を説明する。図22Aは、ボビン52の設置例を示す斜視図である。図22Aに示すボビンセット機構90Bは、その支持棒90aをボビン52の芯52aに挿入した後、図21Aに示した水平状態の押えレバー900bを、90°回動して略垂直に設定した状態である。
図22A及び図22Bに示す制動機構89Cには、通電が遮断されている。このとき、ソレノイド891aの可動鉄芯891c及びブレーキプレート903hは、引っ張りバネ891bによりソレノイド本体側に引っ張られて、当該可動鉄芯891cが収縮している。従って、ブレーキプレート903hの制動面905hは、ボビン52の円盤外板52bの外輪52fから離隔されている。また、ブレーキプレート904hの制動面906hは、ボビン52の円盤内板52cの内輪52gから離隔されている。この例で、制動面905hと外輪52fの距離と、制動面906hと内輪52gの距離は等しく設定されている。
図22A及び図22Bに示すボビン52は、制動解除(フリー)状態である。すなわち、ボビン52は、その芯52aが支持棒90aに装着されて支持されている。そして、ボビン52の円盤外板52b側は、押えレバー900bにより抜け止めされ、かつ、ボビン52の円盤内板52c側は、側面プレート900cにより抜け止めされている。
この制動解除(通電遮断)状態で、ボビン52の結束具13が、図1に示した結束具搬送機構5Aにより引き出される。この結束具搬送機構5Aにより結束具13の引き出しが終了すると同時に、ソレノイド891aは通電される。このとき、ソレノイド891aはその可動鉄芯891cが伸長してブレーキプレート903hはボビン52の外輪52fに当接し、ブレーキプレート904hはボビン52の内輪52gに当接して制動を行う。これにより、ボビン52の結束具13を引き出した後に、当該ボビン52が惰性で回転しないので、当該結束具13の引き出し線が弛むことを防止できる。
続いて、制動機構89Cの動作例を説明する。図23Aは、ボビン52の使用初期段階における制動機構89Cの動作例を示す正面図である。図23Aに示す制動機構89Cは、図22Bに示したソレノイド891aが通電された状態である。このとき、ソレノイド891aの可動鉄芯891cは押し出されて伸長している。これにより、ブレーキプレート904h及び903hが降下する。そして、制動面906hが円盤内板52cの内輪52gに当接すると共に、制動面905hが円盤外板52bの外輪52fに当接して制動を行う。
図23Bは、ボビン52の使用後期段階における制動機構89Cの動作例を示す正面図である。図23Bに示すボビン52の結束具13は、図23Aに示したボビン52の結束具13からある程度消費された状態である。このとき、図23Bに示すボビン52の円盤外板52bの外輪52fは、制動面905hに当接して制動動作に使用されたので若干磨り減っている。同様に、ボビン52の円盤内板52cの内輪52gも、制動面906hに当接して制動動作に使用されたので若干磨り減っている。外輪52f及び内輪52gには、略均一に制動荷重の負荷が作用しているので、当該外輪52f及び内輪52gは、略均一に磨耗している。
図24Aは、ボビンセット機構90B及び制動機構89Dの構成例を示す斜視図である。図24Bは、ボビンセット機構90B及び制動機構89Dの構成例を示す正面図である。図24Cは、ボビンセット機構90B及び制動機構89Dの構成例を示す側面図である。図24A乃至図24Cに示すボビンセット機構90Bは、支持棒90a、押えレバー900b、側面プレート900c及び回動軸90dを備えている。
ボビンセット機構90Bは、押えレバー900bが、90°回動されて略水平に設定された状態である(ボビンセット待機状態)。側面プレート900cの所定位置には、制動機構89Dが取り付けられている。この制動機構89Dは、第2の制動機構の一例であり、ソレノイド892a及び893aならびにブレーキプレート907h及び908hから構成されている。これらのソレノイド892a及び893aはプッシュ型のソレノイドである。ソレノイド892aは第5の伸縮動作部材の一例であり、芯52aに対して略垂直方向に設置されて、制御部110により所定のタイミングで通電又は当該通電が遮断制御されて伸縮動作する。ソレノイド892aは、その可動鉄芯(プランジャー)892cにブレーキプレート907hが取り付けられている。
例えば、ブレーキプレート907hは第5の制動プレートの一例であり、引っ張りバネ893bによりソレノイド本体側に付勢されて取り付けられている。ブレーキプレート907hは、側面プレート900cにスライド自在に取り付けられている。
また、ソレノイド893aは、第4の伸縮動作部材の一例であり、芯52aに対して略垂直方向に設置されて、制御部110により所定のタイミングで通電又は当該通電が遮断制御されて伸縮動作する。ソレノイド893aは、その可動鉄芯893cにブレーキプレート908hが取り付けられている。例えば、ブレーキプレート908hは、引っ張りバネ894bによりソレノイド本体側に付勢されて取り付けられている。ブレーキプレート908hは第4の制動プレートの一例であり、側面プレート900cにスライド自在に取り付けられている。
この例で、このブレーキプレート907h及び908hは縦方向の長孔90sを2箇所に有し、これらの長孔90sがソレノイド892a及び893aを支持するアーム90uに上下動自在に嵌め込まれている。また、ブレーキプレート907h及び908hは、レール90tによりその両側端が挿嵌されている。このように、ブレーキプレート907h及び908hは、側面プレート900cにスライド自在に取り付けられている。
これにより、ブレーキプレート907hは、可動鉄芯892cの動作に応じて上下動する。また、ブレーキプレート908hは、可動鉄芯8923の動作に応じて上下動する。
ボビン52の使用初期段階では、結束具13が大量に巻き付けられている。このため、結束動作に伴って結束具13が引き出されることによるボビン52の回転時のイナーシャが大きくなる。従って、必要となるボビン52の制動力も大きくなる。これにより、ボビン52の使用初期段階では、ソレノイド892a及び893aの両方を作動させてボビン52の制動を行う。
また、ボビン52の結束具13が消費された使用後期段階では、結束具13の引き出しに伴うボビン52の回転時のイナーシャが、ボビン52の使用初期段階と比較して小さくなる。例えば、結束具13の残量が半分程度になったときに、ソレノイド892a又はソレノイド893aのいずれか一方のみ(例えばソレノイド892a)を作動させてボビン52の制動を行う。
また、さらにボビン52の結束具13が消費された使用最終段階では、結束具13の引き出しに伴うボビン52の回転時のイナーシャが、ボビン52の使用後期段階と比較して小さくなる。例えば、結束具13の残量が4分の一程度になったときに、例えばソレノイド893aのみを作動させてボビン52の制動を行う。すなわち、ボビン52の制動部分(外輪52f、内輪52g)の磨耗を考慮してソレノイド892aとソレノイド893aを入れ替えて使用する。
ブレーキプレート907hは制動面909hを備えている。この制動面909hには、図25Aに示すボビン52の大径の円盤外板52bの外輪52fが当接する。また、ブレーキプレート908hは制動面910hを備えている。この制動面910hには、ボビン52の小径の円盤内板52cの内輪52gが当接する。
続いて、制動機構89Dが備えられたボビンセット機構90Bにボビン52を設置する一例を説明する。図25Aは、ボビン52の設置例を示す斜視図である。図25Aに示すボビンセット機構90Bは、その支持棒90aにボビン52の芯52aを装着した後、図24Aに示した水平状態の押えレバー900bを、90°回動して略垂直に設定した状態である。
図25A及び図25Bに示す制動機構89Dは、通電が遮断されている。このとき、一方のソレノイド892aの可動鉄芯892c及びブレーキプレート907hは、引っ張りバネ893bによりソレノイド本体側に引っ張られて、当該可動鉄芯892cが収縮している。従って、ブレーキプレート907hの制動面909hは、ボビン52の円盤外板52bの外輪52fから離隔されている。また、他方のソレノイド893aの可動鉄芯893c及びブレーキプレート908hは、引っ張りバネ894bによりソレノイド本体側に引っ張られて、当該可動鉄芯893cが収縮している。従って、ブレーキプレート908hの制動面910hは、ボビン52の円盤内板52cの内輪52gから離隔されている。
図25A及び図25Bに示すボビン52は、制動解除(フリー)状態である。すなわち、ボビン52は、その芯52aが支持棒90aに装着されて支持されている。そして、ボビン52の円盤外板52b側は、押えレバー900bにより抜け止めされ、かつ、ボビン52の円盤内板52c側は、側面プレート900cにより抜け止めされている。
この制動解除(通電遮断)状態で、ボビン52の結束具13が、図1に示した結束具搬送機構5Aにより引き出される。この結束具搬送機構5Aにより結束具13の引き出しが終了すると同時に、ソレノイド892a及び893aの両方、もしくはソレノイド892a又は893aのいずれか一方が通電される。ソレノイド892aが通電されると、その可動鉄芯892cが伸長してブレーキプレート907hはボビン52の外輪52fに当接して制動を行う。また、ソレノイド893aが通電されると、その可動鉄芯893cが伸長してブレーキプレート908hはボビン52の内輪52gに当接して制動を行う。これにより、ボビン52の結束具13を引き出した後に、当該ボビン52が惰性で回転しないので、当該結束具13の引き出し線が弛むことを防止できる。
続いて、制動機構89Dの動作例を説明する。図26Aは、ボビン52の使用後期段階における制動機構89Dの動作例を示す正面図である。図26Aに示す制動機構89Dは、図25Bに示したソレノイド892aのみが通電された状態である。このとき、ソレノイド892aの可動鉄芯892cは押し出されて伸長している。これにより、ブレーキプレート907hが降下する。そして、制動面909hが円盤外板52bの外輪52fに当接して制動を行う。
図26Bは、ボビン52の使用最終段階における制動機構89Dの動作例を示す正面図である。図26Bに示すボビン52の結束具13は、図26Aに示したボビン52の結束具13からある程度消費された状態である。このとき、図26Bに示すボビン52の円盤外板52bの外輪52fは、制動面909hに当接して制動動作に使用されたので若干磨り減っている。従って、ボビン52の円盤内板52cの内輪52gを使用して制動を行う。例えば、ソレノイド893aのみを通電する。このとき、ソレノイド893aの可動鉄芯893cは押し出されて伸長する。これにより、ブレーキプレート908hが降下する。そして、制動面910hが円盤内板52cの内輪52gに当接して制動を行う。なお、ボビン52の使用初期段階では、ソレノイド892a及び893aの両方を作動させてボビン52の制動を行う。これにより、ボビン52の寿命を延ばすことができる。また、内輪52gと外輪52fの磨耗の均一化を図ることができる。
このように、本発明に係る結束機100によれば、円盤内板52cよりも大外形に形成された円盤外板52bを有したボビン52を備え、制動機構89B乃至89Dは、円盤内板52cの内輪52g及び円盤外板52bの外輪52fを同時、若しくは円盤内板52cの内輪52g又は円盤外板52bの外輪52fを交互に当接してボビン52を制動するものである。
従って、ボビン52の円盤外板52bや円盤内板52cに摺接させるタイミングを調整できる。また、円盤外板52bと円盤内板52cの両方を使用するので、制動動作に寄与する部分を増やすことができる。これにより、従来のように片方のガイド板の外周部に摺接させて制動を行う方法と比較して制動力を向上できる。しかも、ボビン52の磨耗を抑えることができると共に、磨耗粉の発生やボビン52の変形を抑えることができる。
なお、本発明は、結束機100の他にも、巻付け具制動装置にも適応できる。この場合、例えばボビンセット機構90A、制動機構89A、ボビン52、結束具搬送機構5A及び制御部110の構成により実現できる。この巻付け具制動装置は、結束具13に限らず、装飾用のテープや縛り用の紐などを用いて結束処理以外の分野にも応用できる。
図27は、ボビンセット機構90C及び制動機構89Eの構成例を示す斜視図である。ボビンセット機構90Cは、支持棒90a、フレーム131a及び押えレバー131bを備えている。
支持棒90a及びフレーム131aは、シャーシ131eに固定されている。押えレバー131bは、フレーム131aに軸部材131dにより回動自在に取り付けられている。押えレバー131bは操作部131cを有している。この操作部131cは使用者により保持され、軸部材131dを回動軸にして押えレバー131bが回動される。
また、ボビンセット機構90Cのシャーシ131eには、図29に示すソレノイド89aを備えた制動機構89Eが取り付けられている。ソレノイド89aと押えレバー131bの協働により円盤外板52bの大外形部52eを挟み込んでボビン52を制動する。
図28は、ボビン52の設置例を示す斜視図である。図28に示すボビンセット機構90Cは、押えレバー131bの操作部131cが使用者により保持されて、軸部材131dを回動軸にして回動された状態である。この状態で、ボビン52の小径の円盤内板52c側から支持棒90aに芯52a(図10A参照)を挿入する。このとき、仮に大径の円盤外板52b側からボビン52を支持棒90aに装着しようとした場合、当該円盤外板52bが制動機構89Eのフレーム131aに突き当たり、当該ボビン52をボビンセット機構90Cに設置することができない。これにより、ボビン52をボビンセット機構90Cに設置する場合に、ボビン52のセット方向を常に一定に保つことができる。従って、ボビン52に巻き付けられた結束具13の引き出し位置を常に一定に保つことができる。
押えレバー131bの当接部131gは、引っ張りバネ131f,131f(図30A参照)の張力によりボビン52側に付勢されている。この例で、押えレバー131bの凹部131hがフレーム131aの内側に設けられた不図示の突起部に突き当てられて押えレバー131bの位置が決定される。例えば、押えレバー131bの位置は、ボビン52から結束具13を引き出す際に、ボビン52の円盤外板52bに当接しないが近接した位置とする。
図29は、制動機構89Eの構成例を示す斜視図である。図29は、図27に示したフレーム131aを取り外した状態である。図29に示す制動機構89Eは第1の制動機構の一例であり、結束具13が引き出されて回転したボビン52を制動する。この制動機構89Eは、ソレノイド89a及び押えレバー131bから構成される。ソレノイド89aはプル型のソレノイドである。ソレノイド89aは、ボビンの小径の円盤内板52cの上方に配置されてシャーシ131eに固定されている。
ソレノイド89aの可動鉄芯(プランジャー)89cの先端には、ブレーキパッド90h(図12B参照)が設けられている。このブレーキパッド90hと押えレバー131bとの間には、ボビン52の大径の円盤外板52bが位置している。すなわち、ボビン52の大径の円盤外板52bは、ソレノイド89aのブレーキパッド90hと押えレバー131bにより挟まれている。
ソレノイド89aは、制御部110(図63参照)により所定のタイミングで通電又は当該通電が遮断制御されて伸縮動作を行い、押えレバー131bと協働して円盤外板52bの大外形部52eを挟む。このソレノイド89aは、通電されると可動鉄芯89cが収縮するように動作する。
ソレノイド89aへの通電が遮断制御されて可動鉄芯89cが伸長した場合、可動鉄芯89cのブレーキパッド90hは、ボビン52の円盤外板52bの大外形部52eに当接すると共に、当該円盤外板52bを押えレバー131bとの協働によって挟み込んで当該ボビン52に制動をかける。これにより、ボビン52の結束具13を引き出した後に、当該ボビン52が惰性で回転(連れ廻り)しないので、当該結束具13が弛むことを防止できる。
なお、図30A及び図30Bに示すように、押えレバー131bの当接部131gは、引っ張りバネ131f,131fの張力によりソレノイド89a側に付勢されている。このため、押えレバー131bは、可動鉄芯89cが伸長することにより、ボビン52の円盤外板52bを介して引っ張りバネ131f,131fの張力に反して若干回動する。また、押えレバー131bは、可動鉄芯89cが収縮することにより、上述したように図28に示したフレーム131aの内側に設けられた不図示の突起部に突き当てられて押えレバー131bの位置が決定される。
図30Aから図30Bに示す位置まで軸部材131dを回動軸にして押えレバー131bを回動すると、引っ張りバネ131f,131fにより押えレバー131bを回動させる付勢力が反対方向に働くようになる。これにより、図28に示したフレーム131aに押えレバー131bが当接して回動した状態を維持できるので、ボビン52の交換を円滑に行うことができる。
続いて、他のボビンの実施の形態について説明する。図31Aは、他の実施形態のとしてのボビン52Aの構成例を示す斜視図である。図31Aに示すボビン52Aは、芯520a、大径の円盤外板520b及び小径の円盤内板52c,520cから構成されている。ボビン52Aの芯520aの他端は、円盤外板520bを貫通するように突出して設けられると共に、該突出している部位の先端に円盤内板52cと略同外形に形成された円盤内板520cが設けられている。この円盤内板520cは第3のガイド板の一例である。
円盤内板52c及び円盤内板520cの中心には、円形の開口部520dが設けられている。この開口部520dには、図32に示すボビンセット機構90Dの支持棒900aが挿入される。
図31Aに示す円盤内板52cは、筒状の芯520aの一端に接着剤により接着して固定されている。芯520aに貫通された円盤外板520bは、接着剤により芯520aに接着して固定されている。円盤内板520cは、芯520aの先端に接着剤により接着して固定されている。円盤内板52cと円盤内板520cの開口部52dは位置合わせされている。図31Bに示すボビン52Aは、円盤内板52cと円盤外板520bとの間の領域に結束具13cを巻き付け、円盤内板520cと円盤外板520bとの間の領域に結束具13dを巻き付けている。これにより、一方の領域に巻き付けられている結束具13cを使い終わった後にボビン52Aを反転させて結束機100のボビンセット機構90Cに装着することで、他方の領域に巻きつけられている結束具13dを使用して、1つのボビン52Aにおいて略2倍の量の結束具13を使用することができる。これにより、ボビン52を装着する場合と比較して、ボビン52Aは、新しくボビンを補充する手間を少なくできる。
図32は、ボビンセット機構90Dにボビン52Aを装着した例を示す斜視図である。図32に示すボビンセット機構90Dは、支持棒900aが支持棒90a(図27参照)よりも長く形成されている以外は、図27に示したボビンセット機構90Cと同じ構成である。
図32に示すボビンセット機構90Dは、押えレバー131bの操作部131cが使用者により保持されて、軸部材131dを回動軸にして回動されて、ボビン52Aの円盤内板52c側から支持棒900aに芯520a(図31参照)が挿入されている。もちろん、ボビン52Aの円盤内板520c側から支持棒900aに挿入してもよい。
制動機構89Eのソレノイド89aは、制御部110(図63参照)により所定のタイミングで通電又は当該通電が遮断制御されて伸縮動作を行い、押えレバー131bと協働して円盤外板520bの大外形部52eを挟み込んでボビン52Aに制動をかける。これにより、ボビン52Aの結束具13cを引き出した後に、ボビン52Aが惰性で回転(連れ廻り)しないので、結束具13cが弛むことを防止できる。このとき、円盤内板520cと円盤外板520bとの間の領域の結束具13dは巻き付けられた状態を維持している。
この例で、円盤内板52cと円盤外板520bとの間の領域に巻き付けられている結束具13cと、円盤内板520cと円盤外板520bとの間の領域に巻き付けられている結束具13dとは、巻き付け方向が反対方向である。これにより、図33に示すように一方の領域に巻き付けられている結束具13cを使い終わった後にボビン52Aを反転させてボビンセット機構90Dに装着し、他方の領域に巻き付けられている結束具13dを使用する際に、結束具13cと結束具13dとの引き出し位置が略同一となって、ボビンセット機構90Dへの装着が容易になる。
なお、図33は、ボビン52Aの使用例を示す斜視図である。図33に示すボビン52Aは、円盤内板52cと円盤外板520bとの間の領域に巻き付けられていた結束具13cを使い終わった状態である。この場合、上述したようにボビン52Aを反転させて円盤内板520cの開口部520dからボビンセット機構90Dの支持棒900aに装着する。これにより、1つのボビン52Aにおいてボビン52の略2倍の量の結束具13を使用することができる。これにより、ボビン52を装着する場合と比較して、ボビン52Aは新しくボビンを補充する手間を少なくできる。
続いて、ボビンを梱包して搬送する場合に、好適に搬送できるようにしたボビンの実施の形態について説明する。図34は、他の実施形態のとしてのボビン52Bの構成例を示す斜視図である。図35Aは、結束具13が巻き付けられていないボビン52Bの構成例を示す斜視図であり、図35Bは、そのボビン52Bの構成例を示す正面図である。
ボビン52Bは、芯521a、大径の円盤外板521b、小径の円盤内板521c及び軸支持部材521e,521eから構成されている。芯521aの一端と他端との少なくとも一方は、円盤内板521cと円盤外板521bとが互いに対向する面とは反対側の面に突出して設けられた第1の突出部521fを有する。この例では、図35Bに示すように突出部521fが、円盤内板521cと円盤外板521bとが互いに対向する面とは反対側の両面に設けられている。突出部521f,521fは、芯521aの両端を延在した部位である。なお、円盤内板521cは第1のガイド板の一例であり、円盤外板521bは第2のガイド板の一例である。
ボビン52Bを梱包する収容箱132には、嵌合部132b(図36又は図38参照)を有した仕切り板132aが設けられ、芯521aの突出部521f,521fは、仕切り板132aの嵌合部132bに嵌合される。
この仕切り板132aにより、収容箱132に梱包されたボビン52Bは、位置が固定される。従って、収容箱132の中でボビン52Bが移動しないので、ボビン52B同士が接触しない。これにより、ダンボールなどの紙素材により形成されたボビン52Bの円盤外板521bが変形せず、円盤外板521bを用いてボビン52Bを好適に制動できる。
図35Aに示す円盤内板521cは、筒状の芯521aの一端を円盤内板521cの開口部に貫通させて接着剤により接着して固定されている。円盤内板521c側の芯521aの内部には、ドーナツ形状の軸支持部材521eが接着剤により固定されている。円盤外板521bは、筒状の芯521aの他端を円盤外板521bの開口部に貫通させて接着剤により接着して固定されている。円盤外板521b側の芯521aの内部には、ドーナツ形状の軸支持部材521eが接着剤により接着されている。軸支持部材521e,521eには、ボビンセット機構90Cの支持棒90a(図27参照)に装着するための開口部521dが設けられている。
図36は、ボビン52Bを収容箱132に梱包する例を示す斜視図である。図37Aはボビン52Bの梱包例を示す上面図であり、図37Bはボビン52Bの梱包例を示す正面図である。なお、説明の理解を容易にするために、収容箱132の前面パネル及び上面パネルの図示を省略している。
この例で、収容箱132には、6個のボビン52Bが梱包されている。収容箱132には、3枚の仕切り板132aが収容箱132の底部、中間部及び上部の3箇所に配設されている。各ボビン52Bの突出部521fは、仕切り板132aに設けられた嵌合部132bに嵌合されている。例えば図38は、仕切り板132aの構成例を示す斜視図である。図38に示す仕切り板132aは、3箇所に円形状の嵌合部132bが穿孔されて設けられている。この円形状の嵌合部132bにボビン52Bの突出部521fが嵌合される。
3枚の長方形状の仕切り板132aは、収容箱132と略同じ大きさに形成されて収容箱132の内部に嵌め込まれている。収容箱132の底部に配設された仕切り板132aの3箇所の嵌合部132bには、収容箱132の下段に収容された3個のボビン52Bの円盤外板521b側の突出部521fが嵌合されている。
収容箱132の中間部に配設された仕切り板132aの3箇所の嵌合部132bには、収容箱132の下段に収容された3個のボビン52Bの円盤内板521c側の突出部521fが嵌合されている。
収容箱132の上部に配設された仕切り板132aの3箇所の嵌合部132bには、収容箱132の上段に収容された3個のボビン52Bの円盤内板521c側の突出部521fが嵌合されている。
なお、この例では、収容箱132の上段に収容されたボビン52Bの円盤外板521b側の突出部521fは、仕切り板132aの嵌合部132bには嵌合されていない。すなわち、中間部に配設された仕切り板132aの嵌合部132bには、下段に収容されたボビン52Bの円盤内板521c側の突出部521fのみが嵌合され、上段に収容されたボビン52Bの円盤外板521b側の突出部521fは嵌合されていない。もちろん、仕切り板132aを中間部に更に1枚追加して、上段に収容されたボビン52Bの円盤外板521b側の突出部521fを嵌合して固定するようにしても良い。また、中間部の仕切り板132aの厚みを略2倍にして、下段に収容されたボビン52Bの円盤内板521c側の突出部521f、及び上段に収容されたボビン52Bの円盤外板521b側の突出部521fの両方を嵌合して固定するようにしても良い。
このように3枚の仕切り板132aにより、収容箱132に梱包された6個のボビン52Bは、位置が固定されている。従って、収容箱132の中でボビン52Bが移動しないので、ボビン52B同士が接触しない。これにより、ダンボールなどの紙素材により形成されたボビン52Bの円盤外板521bが変形せず、円盤外板521bを用いてボビン52Bを好適に制動できる。
仮に、図39に示すように収容箱132に仕切り板132aが配設されていない場合、収容箱132に梱包された6個のボビン52は、位置が固定されない。従って、搬送時の揺れなどにより収容箱132の中でボビン52が移動するのでボビン52同士が接触する。これにより、ダンボールなどの紙素材により形成されたボビン52の円盤外板52bが変形して、変形した円盤外板52bを用いてボビン52を制動した場合に、ボビン52の制動の精度が低下するおそれがある。
図40Aは、図31に示したボビン52Aに突出部521fを設けたボビン52Cの構成例を示す斜視図である。図40Bは、そのボビン52Cの構成例を示す正面図である。
ボビン52Cは、芯522a、大径の円盤外板520b、小径の円盤内板521c,521c及び軸支持部材521e,521eから構成されている。芯522aの一端と先端との少なくとも一方は、両側の円盤内板521cと円盤内板521cとが円盤外板520bを介して互いに対向する面とは反対側の面に突出して設けられた第2の突出部522fを有する。
この例では、図40Bに示すように突出部522fが、一方側の円盤内板521cと他方側の円盤内板521cとが互いに対向する面とは反対側の両面に設けられている。突出部522f,522fは、芯522aの両端を延在した部位である。なお、円盤内板521cは第1及び第3のガイド板の一例である。
ボビン52Cの本体を収容する収容箱132(図36参照)に配設された仕切り板132aの嵌合部132bに、ボビン52Cの突出部522fが嵌合される。
この仕切り板132aにより、収容箱132に梱包されたボビン52Cは、位置が固定される。従って、収容箱132の中でボビン52Cが移動しないので、ボビン52C同士が接触しない。これにより、ダンボールなどの紙素材により形成されたボビン52Cの円盤外板520bが変形せず、円盤外板520bを用いてボビン52Bを好適に制動できる。
続いて、図41及び図42を参照して、タグ搬送機構4Aの構成例及び動作例を説明する。図41A及びBは、タグ搬送機構4Aの構成例を示す斜視図である。図41Aに示すタグ搬送機構4Aは、カートリッジ40及びタグ送り部41を備えて構成される。カートリッジ40はタグ収納部の一例を構成し、このカートリッジ40には、タグ1Aが積層された状態で複数枚収納される。このカートリッジ40は、タグ送り部41の後端側から斜めに挿入されてタグ送り部41に装着される。
タグ送り部41は、タグ送りローラ41a及びタグ送りモータ41bを備える。この例で、タグ送りローラ41aは、ローラ回転軸41d及び2個のローラリング41eから構成される。ローラ回転軸41dに2個のローラリング41eが圧入され、間隔を空けて固定される。このローラ回転軸41dの一端には、ギヤ41cが取り付けられる。ローラリング41eの素材は、例えばゴム素材である。もちろん、タグ1Aとの摩擦力が大きい素材であればゴム素材以外でもよい。
タグ送りローラ41aは、タグ送り部41の底面前方に、カートリッジ40に収納されたタグ1Aの送り出し方向に対してローラ回転軸41dが垂直となるように回転自在に取り付けられる。このとき、ローラ回転軸41dに圧入されたローラリング41eが、カートリッジ40の最下部のタグ1Aに当接している。
タグ送り部41の側面には、タグ送りモータ41bが取り付けられる。このタグ送りモータ41bには、タグ送りローラ41aのギヤ41cが噛合される。この構成により、タグ送りモータ41bの回転により、タグ送りローラ41aが回転してカートリッジ40に収納された最下部のタグ1Aを一枚ずつ送り出す。なお、タグ送りモータ41bには、例えばステッピングモータが使用される。
また、タグ送り部41は、タグ送りガイド42を備える。このタグ送りガイド42は、案内部の一例として機能し、タグ送り部41により送られたタグ1Aを案内する。タグ送りガイド42は、左右のガイドフラップ42a,42a、作動ピン42b及び回動軸42dを備える。左右のガイドフラップ42a,42aは、第1及び第2の扉部材の一例を構成し、開閉自在に取り付けられる。
この例で、ガイドフラップ42a,42aは、タグ搬送路Iを構成するように、外側に張り出した円弧を成す湾曲形状を有している。この湾曲形状のガイドフラップ42a,42aは、リンク42e,42fを備える。リンク42eは、ガイドフラップ42a,42aの上部壁面に設けられ、リンク42fは、このリンク42eの一端に所定の角度を有して設けられる。リンク42eとリンク42fとの結合部には、回動軸42dが取り付けられる。
また、リンク42fの先端には、作動ピン42bが取り付けられる。また、リンク42eには、引っ張りバネ用のピン42gが取り付けられ、このピン42gには、引っ張りバネ42h(図42B参照)が取り付けられる。この引っ張りバネ42hは、左右のガイドフラップ42a,42aのリンク42eを向かい合わせるように引っ張る。図41Aに示すガイドフラップ42a,42aは、閉じた状態である。この状態で、ガイドフラップ42a,42aは、タグ送り部41により送られたタグ1Aをタグ搬送路Iを成す湾曲形状に沿って案内する。
図41Bに示すガイドフラップ42a,42aは、開いた状態である。このようにガイドフラップ42a,42aを開くためには、作動ピン42bを図41Bに示す矢印Q3の方向(図7に示した矢印Q3と同一方向)へ押し出す。作動ピン42bが矢印Q3の方向へ押し出されると、左右のガイドフラップ42a,42aは、回動軸42dを軸にして離間するように移動する。このとき、左右のガイドフラップ42a,42aは、引っ張りバネ42hにより左右のガイドフラップ42a,42aを接近するように引っ張っている。従って、矢印Q3の方向へ押した作動ピン42bを解放すると、引っ張りバネ42hの力により左右のガイドフラップ42a,42aが接近して、図41Aに示した閉じた状態に戻る。このようにして、左右のガイドフラップ42a,42aは開閉する。
図42A及びBは、タグ搬送機構4Aによるタグ1Aの搬送例を示す斜視図である。図42Aに示すタグ搬送機構4Aは、図41Bに示したタグ搬送機構4Aのタグ送りガイド42のガイドフラップ42a,42aによりタグ1Aの装着部11Aが略垂直方向を向くように案内されたタグ1Aに、カールガイド30を配置した状態である。
この例で、タグ1Aの装着部11Aは、カールガイド30の前方に延出するように取り付けられたL字形状のタグ支え部材30eと、カールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bとの間に案内される。すなわち、タグ1Aの装着部11Aの下位に設けられた凹部12m,12mが、カールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bの正面に配置される。
タグ1Aの凹部12m,12mがカールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bの正面に配置された状態で、図42Bに示すようにカールガイド30がスライド移動(前進)する。これにより、タグ1Aの凹部12m,12mはカールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bに引っ掛けられ、かつ、タグ1Aの装着部11Aはタグ支え部材30eにつかえる。また、カールガイド30が前進することにより、カールガイド30の凹部30aに落ち込んだ作動ピン42bを押し進めると共に押し上げて、左右のガイドフラップ42a,42aを回動して開く。これにより、カールガイド30に保持されたタグ1Aが、左右のガイドフラップ42a,42aの開口部を通過できるようになる。このようにして、タグ送りガイド42のガイドフラップ42a,42aにより案内されたタグ1Aが搬送される。
図43は、タグホルド機構3Aにおけるカールガイド30の構成例を示す斜視図である。図43に示すタグホルド機構3Aはカールガイド30を有している。
カールガイド30は、T字状ブロックを成す本体部301を有しており、本体部301の正面下部には、爪部の機能を構成する一対のタグ掛け爪部30b,30bが設けられ、タグ1Aに形成された装着部11Aが引っ掛かるようになされる。装着部11Aはタグ1Aの位置合わせ部を構成する。
これと共に、カールガイド30は、本体部301の正面に湾曲ガイド突起部30cを有しており、湾曲ガイド突起部30cには、溝状の結束具通路303が設けられる。カールガイド30の正面上部には、庇状の突起部30d,30dが設けられ、タグ1Aの装着部11Aは、タグ掛け爪部30b,30bと上部庇状の突起部30d,30dとの間に嵌められる。カールガイド30で結束具通路303とタグ1Aの係止孔11m,11mとが自己整合的に位置合わせされ、一方の係止孔11mから他方の係止孔11mへと結束具13を通すようになされる。結束具通路303は、正面側が開放されている。
カールガイド30の上部から結束具通路303に至る所定部位には、タグ支え機構2Aを構成するタグ支え部材30eが設けられ、タグ搬送時、タグ1Aの上端を支持するようになされる。タグ支え部材30eには、部材本体をL字状に加工した金属又は樹脂部品が使用される。この例では、カールガイド30の先端上部にタグ支え部材30e取付け用の凹部304を設け、この凹部304にタグ支え部材30eを取り付け、ビス302で固定するようにした。タグ支え部材30eのL字状の部位は、タグ進入方向に向ける姿勢で取り付けられる。これは、タグ支え部材30eのL字状部位の先端でタグ1Aの回転を阻止するためである。
図44は、タグ支え部材30e取付時のカールガイド30の構成例を示す側面図である。
図44に示すカールガイド30によれば、タグ支え部材30eで部材本体がL字状を成す角度をθとし、余裕角をαとしたとき、角度θはθ=90°+αに設定される。このカールガイド30によって当該タグ1Aを再現性良く支持できるようになる。余裕角αは、結束後にタグ1Aがカールガイド30から抜け易くするためである。余裕角αは、例えば、5°乃至45°程度に設定される。
図45及び図46は、カールガイド30におけるタグ支え部材30eに関する比較例(支え有無)を示す斜視図である。
図45に示すカールガイド30はタグ支え部材30eが取り付けられている(タグ支え部材30eが有る)場合である。この場合、一対のタグ掛け爪部30b,30bと、タグ支え部材30eの三点でタグ1Aを保持するようになされる。このようにタグ支え機構2Aを構成すると、タグ掛け爪部30b,30bを回転中心にしたタグ1Aの回転が阻止される。
これに対して、図46に示すカールガイド30は、タグ支え部材30eが取り外された(タグ支え部材30eが無い)場合である。すなわち、図45に示したカールガイド30の上部のビス302を緩めて取り外し、凹部304からタグ支え部材30eを取り外した場合である。この場合、タグ掛け爪部30b,30bを回転中心にしてタグ1Aが回転し落下し易くなることが確認された。
これは、カールガイド30でタグ1Aをガイドプレート95の方へ搬送する場合であって、図2に示したタグ1Aの斜め形状の凹部12m,12m(切り欠き部)に、カールガイド30のタグ掛け爪部30bを引っ掛けようとした場合、タグ1Aの後端部は、図41に示したタグ送り部41のタグ送りローラ41aに挟まれた状態からカールガイド30で引き出される。このため、タグ1Aは斜めになる。この結果、タグ1Aはカールガイド30の一対のタグ掛け爪部30b,30bを中心に回転し、カールガイド30からタグ1Aが脱落する現象が生じるというものである。
この例では、この現象を阻止するために、カールガイド30の先端上部に設けられたタグ支え部材30e取付け用の凹部304に、L字状部位が下方に向くようにタグ支え部材30eを取り付けるようにしたものである。
このように、結束機100によれば、タグ1Aに設けられた2つの係止孔11m,11mを使用して帯状の切断後の結束具13’を袋14のひだ折り口に巻き付け、当該タグ1Aを袋14のひだ折り口に取り付ける場合に、カールガイド30の先端上部にタグ支え部材30eを備え、タグ上部に引っ掛かるように機能する。
従って、タグ掛け爪部30b,30bを回転中心にしたタグ1Aの回転を阻止できるようになる。これにより、タグ支え部材30eを取り付けない場合に比べてタグ回転による脱落を防止できるようになる。また、一方のタグ1Aの係止孔11mから挿入した結束具13を再現性良く他方の係止孔11mから引き出すことができる。しかも、結束後のタグ搬送機構4Aからタグ1Aを円滑に引き出すことができ、高信頼度の結束機100を提供できるようになった。
図47は、タグ搬送機構4Aにおけるタグサポート部材42cの取付例を示す下方側から見た斜視図である。この例では、タグ送りローラ41aの下流側にタグサポート部材42cを設置してタグ後端部を支えるようになされる。
図47に示すタグ搬送機構4Aはタグサポート機能を有しており、タグホルド機構3Aへタグ1Aを搬送するものである。例えば、タグ搬送機構4Aは、タグ搬送路I及び送りローラ41aを有しており、タグ搬送路Iを通じてタグホルド機構3Aへタグ1Aを搬送するようになされる。
タグ搬送機構4Aには、他のタグ支え機構2Aを構成するタグサポート部材42cが設けられ、タグ1Aの後端部を保持するようになされる。例えば、タグサポート部材42cは、タグ搬送機構4Aのガイドフラップ42a,42aの下部からタグ搬送路Iに至る部位に配置されている。この例では、送りローラ41aの外側を迂回する位置からタグ搬送路Iに至る部位にタグサポート部材42cを配設するようになされる。
タグサポート部材42cには本体部材を舌状に加工した金属又は樹脂部品が使用される。例えば、所定の厚みを有した細長い板金を直角に山折りして部材本体に第1折り曲げ部401を画定し、更に、当該部位から延在する部分に丸みを持たせて谷折りした第2折り曲げ部402を画定するように折り曲げたものが使用される。これにより、カールガイド30がガイドプレート95に到達するまで、タグ1Aの後端部を支えておくことができる。
図48及び図49は、タグ搬送機構4A及びタグホルド機構3Aの機能例(その1,2)を示す構成遷移図である。図50は、他の大きさのタグ1Aの搬送例を補足する斜視図である。
図48Aは、カールガイド30のホームポジションHPにおける待機例を示すガイドフラップ一部破断の側面図である。図48Aにおいて、カールガイド30のホームポジションHPとは、タグ搬送機構4Aのガイドフラップ42a,42aが閉じている状態であって、当該カールガイド30がガイドプレート95から離間されて最も左側へ移動された状態、すなわち、カールガイド30の先端部が閉じ状態のガイドフラップ42a,42aの上部延長線上で待機する位置をいう。
図48Bは、カールガイド30のホームポジションHPにおけるタグ装填例を示すガイドフラップ一部破断の側面図である。図48Bに示すタグ搬送機構4Aによれば、カールガイド30がホームポジションHPで待機する状態で、タグ1Aを装填するようになされる。このとき、タグ1Aの先端部は、カールガイド30のタグ支え部材30eによって支持される。
この例で、タグ搬送機構4Aのカートリッジ40に収納されたタグ1Aは、タグ送りローラ41aにより送り出されてくる。このタグ送りローラ41aにより送り出されたタグ1Aに対して、カールガイド30は、カールガイド先端部のタグ掛け爪部30b,30bに、図2に示したタグ1Aの凹部12m,12mを引っ掛けてスライド移動(前進)するように動作する。
このとき、タグ1Aは、タグ送りローラ41aによりカートリッジ40から完全に送り出され、タグ1Aの情報提示部10Aの後端部がタグサポート部材42cにより支持されている。このタグサポート部材42cにより、カールガイド30の前進時にタグ1Aの落下を防止できる。
図49Aは、カールガイド30のホームポジションHPから結束具締結機構7Aのガイドプレート95へのタグ搬送例を示す側面図である。図49Aに示すタグ搬送機構4Aによれば、ガイドフラップ42a,42aが開くと共に、タグホルド機構3Aのカールガイド30が右側に移動を開始し、結束具締結機構7Aのガイドプレート95に向けてタグ1Aを移動(案内)するようになされる。このとき、タグ送りローラ41aからタグ1Aから外れた後も、タグサポート部材42cでタグ1Aが支えられる。図49Aにおいて、IIはカールガイド30の移動方向である。
図49Bに示すタグホルド機構3Aによれば、カールガイド30がガイドプレート95に当接(到達)された状態となる。このとき、タグ1Aの先端部は、カールガイド30のタグ支え部材30e及びガイドプレート95によって支持され、及び、タグ1Aの後端部は、タグ搬送機構4Aのタグサポート部材42cによって斜めに支持される。この到達時点から、ガイドプレート機構8Aの先端に当接したカールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bとガイドプレート機構8Aとにより、タグ1Aを保持するようになる。
これにより、タグ1Aの脱落を防止できる。その後は、カールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bとガイドプレート機構8Aによりタグ1Aが保持された状態で、図1に示した結束具搬送機構5Aにより結束具13がタグ1Aに向かって搬送される。
このように、タグ1Aを斜めに保持することで、カールガイド30によってタグ1Aを脱落させることなく、タグ搬送機構4Aからタグ1Aを引き出すことができる。しかも、タグ1Aの先端部がカールガイド30のタグ支え部材30e及びガイドプレート95によって支持されるので、カールガイド30からタグ1Aの脱落を防止できるようになった。
なお、図50には、ロングタグ1A’の搬送例を補足する斜視図を示している。図50に示す移動方向IIにカールガイド30が移動される。図50に示すタグホルド機構3Aによれば、ロングタグ1A’の長さが図47に示したタグ1Aの長さ(通常の長さ)に比べて長い場合を挙げている。この場合も、タグ搬送機構4Aのタグサポート部材42cによってロングタグ1A’の後端部が支持されるので、図47に示した通常の長さよりも長いロングタグ1A’も、タグ送りローラ41aから完全にロングタグ1A’が離脱したときの反動をタグサポート部材42cによって抑制でき、ロングタグ1A’の脱落を防止できるようになった。
このように、結束機100によれば、タグ搬送機構4Aにタグサポート部材42cを備え、当該タグ搬送機構4Aからタグホルド機構3Aへタグ1Aを受け渡すとき、タグサポート部材42cによってタグ1Aの後端開放時期を遅延できるようになる。
従って、図50に示したように、通常の長さに比べて長いロングタグ1A’を取り扱う場合等においても、タグサポート部材42cを取り付けない場合に比べてタグ受け渡しミスによる脱落を防止できるようになる。これにより、タグ1Aの長さが長い場合も短い場合も、タグ搬送機構4Aからタグホルド機構3Aへタグ1Aを再現性良く受け渡すことができ、高信頼度の結束機100を提供できるようになった。この結果、タグホルド機構3Aから結束具締結機構7Aへタグ1Aを再現性良く搬送できるようになった。
図51は、結束機100の外観構成例を示す上面図である。この例では、結束機100の結束口103から装着空間部92bに至るガイド用の空間領域を(袋収束溝)を設け、袋14のはみ出しによる結束不良を防止できるようにしたものである。図51に示す結束機100は、本体シャーシ部92上に中間シャーシ部92a、結束具成形機構実装用の基板92i及び上面プレート19を有して構成されている。
この例で、上面プレート19のほぼ中央付近の下部には結束口103が設定され、上面プレート19にはR形状を有した袋導入用の縁部901が設けられている。この縁部901と、ガイドプレート機構8Aのガイドプレート95の先端斜め状部903とで三角形状の空間領域を形成するようになされる。この三角形状の空間領域は、袋装着時、三角形の頂点に向けて袋挿入させるために設けてある。これにより、ガイドプレート95をシャッターのように動作させて袋装着処理を実行できるようになる。
なお、図51に示した縁部901の一端は、中間シャーシ部92aに設けられたR形状を成す袋導入部902に至り連係され、縁部901の他端は、ガイドプレート機構8Aの中間シャーシ部92aの装着空間部92bの先端部に至り連係するように構成されている(図52参照)。
図52は、結束機100の内部構成例を示す上面図である。図53A及びBは、ガイドプレート95の構成例及びその取付例を示す裏面側から見た斜視図である。図52に示す結束機100は、中間シャーシ部92aから上面プレート19を取り外した状態であり、結束具締結機構7A、可動式のガイドプレート機構8A及びタグホルド駆動機構9Aを備えている。
結束具締結機構7Aは中間シャーシ部92aに設けられ、タグホルド機構3Aの結束具通路303に通された結束具13でタグ1Aを袋14に取り付けるように動作する。結束具締結機構7Aは被装着物挿入用のU字状を成した装着空間部92bを有している。装着空間部92bは中間シャーシ部92aで袋装着側に設けられる。結束具締結機構7Aには回転軸の一例を構成する捻りアーム70が設けられ、タグ1Aの2つの係止孔11m,11mに通された切断後の結束具13’を捻って締結するようになされる(図54参照)。
結束具締結機構7Aの下方には、図53Aに示すようなガイドプレート機構8Aが中間シャーシ部92aに取り付けられ、装着空間部92bにタグ1A及び袋14を案内するように動作する。この例で、中間シャーシ部92aの表面には、一対のレール部材92g,92hが配設され、案内部材の一例を構成する、図53Bに示すようなコ字形状のガイドプレート95が可動自在に組み合わせて使用される(図54参照)。
ガイドプレート95は、タグホルド機構3Aの側へ常時付勢するようになされる。ガイドプレート95は、図53Bに示すようなプレート本体部95aを有しており、鉄板等の板金部材から形成される。プレート本体部95aには、袋ひだ折り口案内用の切り欠き部95b、開口部95c、開口部95d、バネ取付用の突起部95eが設けられる。
切り欠き部95bは、装着空間部92bの幅w以上の開口幅W(W≧w)を有している。この開口幅Wは、袋14のひだ折り口を結束口103から装着空間部92bへ円滑に案内できるようにしたためである。切り欠き部95bは、装着空間部92bのU字状のふところの長さを延長する働きを有している。この例では、袋装着時、装着空間部92bの前端部から突出した切り欠き部95bの長さがU字状のふところの長さに加算されるので、袋挿入口(図51に示した三角形領域の頂点付近)から装着空間部92bへ至る長さ(収束溝の深さ)を十分確保できるようになった。
開口部95cは、捻りアーム70の逃げ用の矩形状の孔部である。開口部95dは、ガイドプレート95のロック用の矩形状の孔部である。突起部95eは、プレート本体部95aで開口部95dを形成するときに、当該プレート本体部95aの必要部分に切り込みを入れて、その部分を折り曲げ加工したものであり、バネ取付用の孔部904及び905を有している。プレート本体部95aの後端部にはセンサフラグ用の突出部95fが設けられ、先端部には位置規制用の突出部95gが設けられる。
これらの他に、プレート本体部95aには、部品逃げ用の一対の長孔906,906や長孔907,907、位置規制用の長孔908,908等が設けられている。この例で、長孔906,906は、結束成形機構取付用の基板92iをピン92e,92fに固定する図示しないスペース部材を交わす開口部である。長孔907,907は、扇形ギヤ97a,97bの軸部を交わす開口部である。長孔908,908は、連結ギヤ96a,96bの軸部を交わす開口部である。
一方、中間シャーシ部92aには、図53Aに示した装着空間部92bと直線状に並ぶように2つの開口部92c及び開口部92dが設けられる。開口部92cは、捻りアーム70の逃げ用の孔部であり、開口部92dはガイドプレート95の移動規制用の孔部である。中間シャーシ部92aの裏面であって、開口部92cの両側には、ピン92e及びピン92fが取り付けられる。ピン92e及びピン92fは金属棒から構成される。ピン92e及びピン92fの端部にはバネ固定安定化用のリング溝(不図示)が設けられている。
この例でガイドプレート95は、図53Aに示すように、突起部95eを開口部92dに嵌合した状態で、突起部95eの孔部904とピン92eとをスプリングバネ82aにより接続し、突起部95eの孔部905とピン92fとをスプリングバネ82bにより接続する。これにより、ガイドプレート機構8Aが得られる。このようにガイドプレート機構8Aを構成すると、カールガイド30とガイドプレート95とでタグ1Aを保持した姿勢(状態)で、装着空間部92bに挿入された袋14のひだ折り口に当該タグ1Aを搬送できるようになる。
中間シャーシ部92aにはガイドプレート機構8Aの他にタグホルド駆動機構9Aが備えられ、ガイドプレート機構8Aに対してタグホルド機構3Aを接近又は離間する方向に移動し、タグホルド機構3Aをガイドプレート機構8Aに突き当てて押し戻すように駆動する。
上述のガイドプレート機構8Aにはロック機構81が設けられる(図54A参照)。図54Aに示すロック機構81は、結束具締結機構7Aの捻りアーム70に設けられた半月フランジ状(以下で単に半月状という)のカムプレート99と、ガイドプレート機構8Aのガイドプレート95に設けられたカム係合用の開口部95dにより構成される。この例では、カムプレート99の回転位置に応じて半月状部位が開口部95dに引っかかるようになされる。
例えば、半月状部位が開口部95dに対して下弦形状となる位置に在る場合は、半月状部位が開口部95dに引っかからない状態である。この位置関係は、ガイドプレート95をロックしない状態となされる。反対に、カムプレート99が180°回転して、半月状部位が開口部95dに対して上弦形状となる位置に移行した場合は、半月状部位が開口部95dに引っかかる状態である。この位置関係がガイドプレート95をロックする状態となされる。
このようにガイドプレート機構8Aを構成すると、カムプレート99にてガイドプレート95をロックでき、結束直後のガイドプレート95の飛び出しを防止できるようになる。その後、カムプレート99の回転でロックを解除できるようになる。
この例で、図52に示す結束成形機構取付用の基板92iの裏面所定の位置には、検知手段の一例となるガイドプレート用のガイドプレートセンサ107が取り付けられる。例えば、ガイドプレートセンサ107は、図53Aに示したガイドプレート95のセンサフラグ用の突出部95fが当該ガイドプレートセンサ107のスリットを通過する位置に配設される(図54参照)。
ガイドプレートセンサ107には、透過型の光学センサが使用される。ガイドプレートセンサ107は、結束具締結機構7Aの半月状のカムプレート99に対するガイドプレート95の開口部95dの位置を検知して位置情報を出力する。このようなガイドプレートセンサ107を設けると、制御手段の機能を構成する制御部110でガイドプレート95の位置を把握できるので、ガイドプレート遅延リターン機能を制御できるようになる。
例えば、ガイドプレート95の開口部95dが結束具締結機構7Aの半月状のカムプレート99の前方位置にある場合は、ガイドプレート95がバネ等により付勢されてタグホルド機構3Aの方向へ飛び出している状態である。ガイドプレート95の開口部95dが結束具締結機構7Aのカムプレート99と同じ位置にある場合は、ガイドプレート95がタグホルド機構3Aに押され、バネ等の付勢力に打ち勝って、ガイドプレート機構8A側に引っ込んでいる状態である。これにより、ガイドプレート95の位置によって、袋14のひだ折り口が適正に装着空間部92bにセットできたか否かを確認することができる。
図52に示した結束機100には制御部110が備えられ、結束具締結機構7Aで、タグ1Aの2つの係止孔11m,11mに通された切断後の結束具13’を捻って締結する場合、整数回と略1/2回転で切断後の結束具13’を捻ってタグ1Aを締結し、残りの略1/2回転で結束具締結機構7Aのカムプレート99をガイドプレート95の開口部95dに係合するように当該結束具締結機構7Aを制御する。例えば、整数回として、2.5回、3.5回、4.5回等が設定され、整数回でモータがオンされ、0.5回でオフされる。このような制御部110を備えると、ガイドプレート遅延リターン機能を実現できるようになる。
ここに、ガイドプレート遅延リターン機能とは、袋14に対する結束処理が終了してもガイドプレート95の動きをロックし、次のステップに移行させずにその場に止まらせ、制御部110のロック解放制御によりガイドプレート95を当該機能が無い場合に比べて遅らせてリターンさせる動作をいう。
このガイドプレート遅延リターン機能は、結束後の袋14が装着空間部92bから外部へ抜き出る距離を短くして、その袋14を装着空間部92bから外部へ取り出し易くするためである。このように、カムプレート99にてガイドプレート95をロックでき、結束直後のガイドプレート95の飛び出しを防止できる。その後、カムプレート99の回転でロックを解除できるようになる。
続いて、タグホルド機構3A及びガイドプレート機構8Aの機能例について説明する。図54〜図56は、タグホルド機構3A及びガイドプレート機構8Aの機能例(その1〜3)を示す上面図である。
図54Aは、タグホルド機構3A及びガイドプレート機構8Aの待機時の位置関係例を示す上面図である。
図54Aに示すタグホルド機構3A及びガイドプレート機構8Aの待機時の位置関係例によれば、カールガイド30の先端部とガイドプレート95の先端部の間に離隔距離L1が設定(規定)され、ガイドプレート95の位置規制用の突出部95gの後端部と、レール部材92hの先端部との間に離隔距離L2が設定(規定)される。この離隔距離L2は、ガイドプレート95が図53Aに示したスプリングバネ82a,82bで付勢されていることにより生ずる。
この構成において、ガイドプレート95を右側に押すと、レール部材92hの先端部に当接するまで後退できる状態である。つまり、ガイドプレート95は、常にスプリングバネ82a,82bにより前方側に付勢されており、押すと引っ込む状態である。このタグホルド機構3A及びガイドプレート機構8Aの待機状態において、タグ1Aをカールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bで保持するようになされる。このとき、センサフラグ用の突出部95fはガイドプレートセンサ107のスリットを横切っていないので、例えば、ハイ・レベル(以下「H」レベルという)の位置検出データD6を制御部110に出力する。
なお、結束具締結機構7Aの待機位置は、カムプレート99の半月状部位が開口部95dに対して下弦形状となる位置に在る場合であって、半月状部位が開口部95dに引っかからない状態である。この待機位置は、ガイドプレート95をロックしない状態である。
図54Bは、ガイドプレート機構8Aへのタグホルド機構3Aの当接時の位置関係例を示す上面図である。図54Bに示す位置関係例によれば、タグホルド駆動機構9Aが図54Aに示したカールガイド30を待機状態から前期移動を行って、離隔距離L1だけ移動させた状態である。この前期移動で、当該カールガイド30の先端部がタグ1Aを介在してガイドプレート95の先端部に当接した状態となる。すなわち、ガイドプレート95とカールガイド30でタグ1Aを挟み込んだ状態となり、タグ1Aの脱落を防止できるようになる。以後、この状態でタグ1Aが装着空間部92bへ移動される。
なお、この当接時点で離隔距離L2は変化していない。ガイドプレート95が図53Aに示したスプリングバネ82a,82bで付勢されているためである。また、ガイドプレートセンサ107も突出部95fが横切らないので、「H」レベルの位置検出データD6を出力したままである。この「H」レベルの位置検出データD6は、ガイドプレート95がフリーな状態を示すようになる。
図55Aは、ガイドプレート機構8Aへのタグホルド機構3Aの押込み時の位置関係例を示す上面図である。図55Aに示す位置関係例によれば、タグホルド駆動機構9Aが図54Bに示した位置から、更に、カールガイド30の後期移動を行って、離隔距離L2だけ移動させた状態である。この例では、タグ掛け爪部30b,30bでガイドプレート95を押すようになされる。この後期移動で、当該カールガイド30の先端部がガイドプレート95の先端部に当接したまま、ガイドプレート95の突出部95gの後端部がレール部材92hの先端部に当接した状態となる。この時点でタグ1Aの装着空間部92bへ搬送を完了する。
このとき、センサフラグ用の突出部95fは、ガイドプレートセンサ107のスリットを横切って遮光しているので、例えば、ロー・レベル(以下「L」レベルという)の位置検出データD6を制御部110に出力する。その後、制御部110では位置検出データD6をトリガにして、タグホルド駆動機構9Aを駆動し、結束具成形機構6Aによって切断後の結束具13’が成形され、結束具締結機構7Aの捻りアーム70によってタグ1Aが切断後の結束具13’により結束される。
図55Bは、結束機100における結束終了時のガイドプレート機構8Aのカムプレート99の位置関係例を示す上面図である。結束処理が完了すると共に、図55Bで制御部110はロック機構81を動作させる。例えば、ロック機構81では、結束具締結機構7Aの捻りアーム70に設けられた半月状のカムプレート99が、待機状態より180°回転した位置で停止する。
この回転により、カムプレート99が、ガイドプレート95に設けられたカム係合用の開口部95dに引っかかる位置で停止する。すなわち、カムプレート99の半月状部位が開口部95dに対して上弦形状となる姿勢で停止し、カムプレート99が開口部95dに引っかかってガイドプレート95の前側への付勢力をロックする。なお、ガイドプレートセンサ107は、突出部95fで遮光されたままなので、「L」レベルの位置検出データD6を出力する。この「L」レベルの位置検出データD6は、ガイドプレート95をロックした状態を示すようになる。
図56は、タグホルド機構3Aの復帰時のガイドプレート機構8Aにおけるカムプレート99の位置関係例を示す上面図である。制御部110は図56に示すロック機構81を動作させたまま、タグホルド駆動機構9Aを駆動してカールガイド30を待機位置へ戻すように制御する。このとき、カールガイド30が待機位置へ後退しても、スプリングバネ82a,82bの付勢力に打ち勝って、カムプレート99の半月状部位が開口部95dに引っかかったまま、ガイドプレート95の復帰を抑えている状態である。
ガイドプレート95は、カールガイド30が後退した後も、カムプレート99でロックされているので飛び出さない。このようにガイドプレート95をロックした状態で、結束後の袋14が取り出し易くなる。ガイドプレートセンサ107は、突出部95fで遮光されたままなので、「L」レベルの位置検出データD6を出力する(ロック機構が働いたままである)。
このように結束機100によれば、タグ1Aに設けられた2つの係止孔11m,11mを利用して帯状の切断後の結束具13’を袋14のひだ折り口に巻き付け、当該タグ1Aを袋14のひだ折り口に取り付ける場合に、切り欠き部95bを有した可動式のガイドプレート機構8Aを備え、タグホルド機構3Aとガイドプレート95とでタグ1Aを保持した状態で、装着空間部92bに挿入された袋14のひだ折り口に当該タグ1Aを搬送できるようになる。
従って、タグ搬送途中でのタグ1Aの脱落を防止できるようになる。しかも、袋ひだ折り口案内用の切り欠き部95bが装着空間部92bから外部へ延在する形態となるので、タグ搬送前に、的確に、袋14のひだ折り口を装着空間部92bに挿入できるようになる。これにより、高信頼度のタグ取り付け装置等を提供できるようになる。
図57は、結束機100における段差通路構造例を示す上面図である。この例では、ツイストタイや紐、針金等の結束具13を通す通路を複数部品で構成する場合を例に挙げる。図57に示す結束機100は、タグホルド機構3A、結束具成形機構6A、タグホルド駆動機構9A及び段差通路構造60を備えて構成される。タグホルド機構3Aは、図中、カールガイド30で破線に示す位置に結束具通路303を有しており、結束具13が通される(図43参照)。
この例で、カールガイド30の先端部を当接するようになされる結束具成形機構6Aが備えられ、結束具通路303に通された結束具13を成形する。結束具成形機構6Aは、上述の結束具通路303に連通される結束具誘導路601,602を有すると共に、アプローチアーム61a(結束具成形機構6Aに向かって左側)及び、アプローチアーム61b(同右側)を有している。アプローチアーム61aは、回動可能な第1の寄せアームの機能を構成し、結束具成形機構6Aの左側に配置されて、切断後の結束具13’の終端を左側から中央部へ寄せるように、タグホルド駆動機構9Aの駆動力を得て動作する。
アプローチアーム61bは、回動可能な第2の寄せアームの機能を構成し、結束具成形機構6Aの右側に配置されて、切断後の結束具13’の先端を右側から中央部へ寄せるように、タグホルド駆動機構9Aの駆動力を得て動作する。これにより、タグ1Aの2箇所の係止孔11m,11mに通された切断後の結束具13’をアプローチアーム61a,61bで中央部に寄せて成形できるようになる。
この例で、アプローチアーム61aとカールガイド30との間にはコネクトブロック31aが配置され、当該結束具13をカールガイド30の結束具通路303へ案内する。このアプローチアーム61a及びコネクトブロック31aにおいて、結束具13が通る部分であって、当該結束具13の先端部を誘導する通路に第1の結束具誘導路601が設定される。
また、カールガイド30とアプローチアーム61bとの間にはコネクトブロック31bが配置され、カールガイド30の結束具通路303から抜け出た(引き出された)結束具13をアプローチアーム61bへ案内する。このコネクトブロック31b及びアプローチアーム61bにおいて、結束具13が通る部分であって、当該結束具13の先端部を誘導する通路に第2の結束具誘導路602が設定される。このような結束具誘導路601、結束具通路303及び結束具誘導路602によって、結束具13の段差通路構造60を形成する。
なお、結束具誘導路601,602の上流側には、結束具搬送機構5Aが備えられ、結束具成形機構6Aに突き当てられたタグホルド機構3Aで位置合わせされるタグ1Aの2箇所の係止孔11m,11mに、結束具通路303と結束具誘導路601,602でガイドして結束具13を通すようになされる。
また、結束具成形機構6Aの左右のアプローチアーム61a,61bの間のスペースには、図54で説明した結束具締結機構7A及び、図53で説明したガイドプレート機構8Aが取り付けられる。ガイドプレート機構8Aは、カールガイド30とガイドプレート95とでタグ1Aを保持した状態で、装着空間部92bに挿入された袋14のひだ折り口に当該タグ1Aを搬送する。結束具締結機構7Aは、結束具成形機構6Aによって中央部に寄せられた切断後の結束具13’を捻って締結するように動作する。
タグホルド駆動機構9Aは、結束具成形機構6Aの駆動の他に、タグホルド機構3Aを結束具成形機構6Aに対して接近及び離間する方向に移動させたり、タグホルド機構3Aを結束具成形機構6Aに突き当てて、結束具通路303と結束具誘導路601,602を連通させたりするように動作する。
図58は、結束具成形機構6Aにおける段差通路構造例を示す一部破断の上面図である。図59〜図61は、段差通路構造60における段差設定例(その1〜3)を示す拡大図である。
図58に示す結束具成形機構6Aの段差通路構造60によれば、結束具誘導路601,602及び結束具通路303が結束具13の進入方向において上流側の案内面が相対的に高く下流側の案内面が相対的に低く設定される。図58の破線円に示す段差部分Iaは、カッター62とアプローチアーム61aとの間に設定され、その拡大図を図59に示している。カッター62はタイスロープ63(搬送経路)の下流側端部に設けられ、結束具13を切断するように動作する。
図58に示す段差部分IIbは、アプローチアーム61aとコネクトブロック31aとの間の連通接続部として設定され、及び、コネクトブロック31aとカールガイド30の結束具通路303との間の連通接続部として設定され、それらの拡大図を図60に示している。図58に示す段差部分IIIcは、カールガイド30の結束具通路303とコネクトブロック31bとの間の連通接続部として設定され、及び、コネクトブロック31bとアプローチアーム61bとの間の連通接続部として設定され、その拡大図を図61に示している。
図59に示す段差部分Iaによれば、カッター62の下流側の端部が高く、アプローチアーム61aの上流側の端部がカッター62の下流側端部よりも低く設定される。上流側のカッター62と下流側のアプローチアーム61aとの間には第1の段差ε1が設定される。
図60に示す段差部分IIbによれば、アプローチアーム61aの下流側の端部が高く、コネクトブロック31aの上流側の端部がアプローチアーム61aの下流側端部よりも低く設定される。上流側のアプローチアーム61aと下流側のコネクトブロック31aとの間に第2の段差ε2が設定される。
更に、コネクトブロック31aの下流側の端部が高く、カールガイド30の結束具通路303の上流側の端部がコネクトブロック31aの下流側端部よりも低く設定される。コネクトブロック31aとカールガイド30の結束具通路303との間には、第3の段差ε3が設定される。
図61に示す段差部分IIIcによれば、アプローチアーム61bの上流側の端部がカールガイド30の結束具通路303の下流側端部よりも低く設定される。カールガイド30の結束具通路303とアプローチアーム61bとの間には、第4の段差ε4が設定される。
また、コネクトブロック31bの上流側の端部がアプローチアーム61bの下流側端部よりも低く設定される。コネクトブロック31bとアプローチアーム61bとの間には、第5の段差ε5が設定される。このように、計5箇所の段差ε1,ε2,ε3,ε4,ε5が設定される。
各々の段差ε1,ε2,ε3,ε4,ε5は同一値、例えば、1乃至2[mm]程度を設定しても、また、各々の段差ε1,ε2,ε3,ε4,ε5に関して、個別に最適値を求めて個々に設定してもよい。更に、段差部分Ia,IIb,IIIcで個別に調整機構を設けて、個々に段差ε1,ε2,ε3,ε4,ε5を調整してもよい。
図62は、結束具13の挿通例を示す結束具成形機構6Aの上面図である。図62に示す結束具成形機構6Aによれば、その一方の側には、切断後の結束具13’を中央部に寄せる回動可能なアプローチアーム61a及び、当該結束具13をタグホルド機構3Aへ案内するコネクトブロック31aが順次配置され、コネクトブロック31aに隣接してタグホルド機構3Aのカールガイド30の結束具通路303が連通され、結束具通路303に隣接して結束具成形機構6Aの他方の側には、結束具通路303から引き出される結束具13を案内するコネクトブロック31b及び当該結束具13を中央部に寄せる回動可能なアプローチアーム61bが順次配置されている。
この例で、タイスロープ63から挿入された13は、結束具誘導路601の段差部分Iaで、カッター62とアプローチアーム61aとの間に設定された段差ε1を通って結束具誘導路601の段差部分IIbに移行する。
段差部分IIbでは、アプローチアーム61aからの結束具13が、アプローチアーム61aとコネクトブロック31aとの間に設定された段差ε2及び、コネクトブロック31aとカールガイド30の結束具通路303との間に設定された段差ε3を通って結束具誘導路602の段差部分IIIcに移行する。
段差部分IIIcでは、カールガイド30の結束具通路303の下流側から抜け出た結束具13が、その結束具通路303とアプローチアーム61bとの間に設定された段差ε4及び、コネクトブロック31bとアプローチアーム61bとの間に設定された段差ε5を通ってアプローチアーム61bに到達する。そして、タイスロープ63の下流側端部に設けられたカッター62で、結束具13が切断される。
このように、結束機100の段差通路構造60によれば、結束具13の進入方向において結束具誘導路601,602及び結束具通路303が互いの連通接続部として、上流側の案内面が相対的に高く下流側の案内面が相対的に低く設定される。上述した例では、いずれの段差ε1,ε2,ε3,ε4,ε5も上流側に比べて下流側が低く設定されている。
従って、タグ1Aに設けられた2つの係止孔11m,11mを利用して帯状の切断後の結束具13’を袋14のひだ折り口に巻き付け、当該タグ1Aを袋14のひだ折り口に取り付ける場合に、結束具13の先端が結束具誘導路601,602の先端に当たる事態を回避できるので、結束具誘導路601,602に面取りなどの誘い込み構造を設けなくても、結束具成形機構6Aの結束具誘導路601からカールガイド30の結束具通路303へ結束具13を円滑に挿通できるようになる。また、結束具通路303から結束具成形機構6Aの結束具誘導路602へ結束具13を円滑に挿通できるようになる。これにより、結束具13の送り不良を防止できるようになった。
図63は、結束機100の制御系の構成例を示すブロック図である。図63に示す制御系は、制御部110及びモータ駆動部141b,150i,170c,193を備える。この制御部110は、I/Oインターフェース111、RAM112、EEPROM113、CPU114及びシステムバス115から構成されている。なお、図中のタグ送りモータ41b及び寄せモータ93は、図6及び図7に示したものと同一である。また、ガイドプレートセンサ107は、図53〜図56に示したものと同一である。
制御部110のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)113は、システムバス115を介してCPU(Central Processing Unit)114に接続される。このEEPROM113には、結束機100の制御プログラムなどが格納され保存されている。この制御プログラムは、袋14が結束口103に装着されたことを検出後、タグ1Aを搬送して結束具13を送り出し、タグ1Aに通された当該結束具13を切断して捻る処理を実行させるものである。
RAM(Random Access Memory)112はシステムバス115を介してCPU114に接続される。結束機100の電源起動時、RAM112には、EEPROM113から読み出された制御プログラムがCPU114により展開される。
CPU114は、I/O(Input/Output)インターフェース111を介して操作部106に接続され、操作部106からタグ1Aの種類を示す操作データD1を入力する。CPU114は、この操作データD1に基づいて、タグ1Aの送り出し量を調整(変更)する。
また、CPU114には、I/Oインターフェース111を介してガイドプレートセンサ107が接続され、ガイドプレートセンサ107で検出された位置検出データD6を出力する。位置検出データD6は、袋14が結束口103に装着されたことを示す情報である。
CPU114には、更にI/Oインターフェース111を介して袋センサ108が接続される。この袋センサ108は、結束口103の付近に設置されたアーム121’(図51参照)により袋14が結束口103に配置されたか否かを検出する。CPU114は、この袋センサ108により検出された袋検出データD7を入力する。
CPU114には、I/Oインターフェース111を介してタグセンサ109が接続される。タグセンサ109はタグ搬送機構4Aのタグ搬送路Iに備えられる(図41B参照)。CPU114は、タグ1Aが搬送されている場合、タグセンサ109からタグ1Aが搬送されていることを示す搬送データD8を入力する。タグ1Aが搬送されていない場合、CPU114は、タグセンサ109からタグ1Aが搬送されていないことを示す搬送データD8を入力する。CPU114は、この搬送データD8に基づいて、タグ送りモータ41bを回転するための制御データD2をタグ搬送機構4Aのモータ駆動部141bに出力する。
CPU114は、ガイドプレートセンサ107からの位置検出データD6を入力後、寄せモータ93を制御するための制御データD3をタグホルド駆動機構9Aのモータ駆動部193に出力する。モータ駆動部193は、この制御データD3からモータ制御信号S3を生成して寄せモータ93に出力する。寄せモータ93は、モータ制御信号S3に基づいて回転し、図7に示したボールネジ軸94にスライド移動自在に螺合された作動板32を、ギヤ93a,94aを介して矢印Q2の方向にスライド移動させてカールガイド30をホームポジションHPから結束ポジションP1まで移動させる。
作動板32をスライド移動後、CPU114は、結束具搬送機構5Aの結束具送りモータ50iを制御するための制御データD4をモータ駆動部150iに出力する。モータ駆動部150iは、この制御データD4からモータ制御信号S4を生成して結束具送りモータ50iに出力する。結束具送りモータ50iは、モータ制御信号S4に基づいて図7に示した結束具送りローラ50aを回転し、結束具13をボビン52から引き出してタイスロープ63に送り出す。
このとき、CPU114は、上記制御データD4の出力と同時に、制動機構89Aのソレノイド89aを駆動するための制御データD10をソレノイド駆動部894aに出力する。ソレノイド駆動部894aは、駆動用の制御データD10を入力してソレノイド89aを通電する。ソレノイド89aは、通電されて可動鉄芯89cを収縮させる。これにより、図17Bに示したように、ボビン52の制動状態が解除される。
また、CPU114は、上記結束具送りローラ50aによる結束具13の引き出しが終了すると、ソレノイド89aを停止するための制御データD10をソレノイド駆動部894aに出力する。ソレノイド駆動部894aは、停止用の制御データD10を入力してソレノイド89aの通電を遮断する。ソレノイド89aは、通電が遮断されて圧縮バネ89b(図12B参照)のバネ力により可動鉄芯89cが伸長される。これにより、図16Bに示したように、ボビン52に制動力が作用する。なお、制動機構89Aについてのみ説明したが、上述した制動機構89B乃至89Dも同様にして制御される。
結束具13を結束具成形機構6Aのタイスロープ63に送出後、CPU114は、再び寄せモータ93を制御するための制御データD3をモータ駆動部193に出力する。モータ駆動部193は、この制御データD3からモータ制御信号S3を生成して寄せモータ93に出力する。寄せモータ93は、モータ制御信号S3に基づいて回転し、図7に示した作動板32を矢印Q2の方向に更にスライド移動させて、この作動板32の下端部に取り付けられたローラアーム101により、リンクローラ97を押して当該リンクローラ97に結合されたカッター62及びアプローチアーム61a,61bを駆動させる。
CPU114は、カッター62及びアプローチアーム61a,61bを駆動した後、捻りモータ70cを制御するための制御データD5を結束具締結機構7Aのモータ駆動部170cに出力する。モータ駆動部170cは、この制御データD5からモータ制御信号S5を生成して、捻りモータ70cに出力する。捻りモータ70cは、このモータ制御信号S5に基づいて図7に示した捻りアーム70を回転させる。
捻りアーム70を回転した後、CPU114は、寄せモータ93を逆回転するための制御データD3をモータ駆動部193に出力する。モータ駆動部193は、この制御データD3からモータ制御信号S3を生成して寄せモータ93に出力する。寄せモータ93は、モータ制御信号S3に基づいて逆回転し、図7に示した作動板32を上述の矢印Q2とは反対の矢印Q3の方向にスライド移動させて、カールガイド30を結束ポジションP1からホームポジションHPに戻す。
CPU114は、カールガイド30をホームポジションHPに戻した後、タグ送りモータ41bを回転するための制御データD2をモータ駆動部141bに出力する。この例で、CPU114は、操作部106から操作データD1を入力し、当該操作データD1に基づいてタグ1Aの送り出し量を制御する。例えば、CPU114は、タグの全長が長いことを示す操作データD1を入力した場合、タグの送り出し量を多くする(ロングタグ用)制御データD2をモータ駆動部141bに出力する。
また、CPU114は、タグの全長が短いことを示す操作データD1を入力した場合、タグの送り出し量を少なくする(通常のタグ1A用)制御データD2をモータ駆動部141bに出力する。モータ駆動部141bは、この制御データD2からモータ制御信号S2を生成してタグ送りモータ41bに出力する。タグ送りモータ41bは、モータ制御信号S2に基づいて回転し、図41Aに示したタグ送りローラ41aを回転させてカートリッジ40に収納された最下部のタグ1Aを一枚送り出す。
この例で、ロングタグ用の制御データD2と通常のタグ1A用の制御データD2との相違により、ロングタグ用の制御データD2の場合には、結束具13の搬送後に、タグ送りローラ41aを回転させてカートリッジ40の中に残ったロングタグ1A’の情報提示部10Cの後端部を送り出すが如く制御されるようになる。これにより、タグの全長に合わせて当該タグを完全に送り出すことができる。タグ1Aを一枚送り出した後、CPU114は、袋センサ108により検出される袋検出データD7の入力待ち状態となる。
なお、操作部106から操作データD1を入力してタグの送り出し量を制御する方法以外に、タグ1Aの全長をリアルタイムに検出してタグ1Aの送り出し量を制御する方法も考えられる。例えば、不図示の反射型のタグ全長センサ116を、タグ1Aの全長を判別する部分(カートリッジ40の後端部から飛び出すタグ)を検出する位置に備え、タグ搬送機構4Aにより搬送されるタグ1Aの全長を検出するようにしてもよい。
この場合、タグ全長センサ116は、タグ1Aよりも長いロングタグ1A’の長さを検出する。CPU114は、このタグ全長センサ116から検出データD9を入力し、当該検出データD9に基づいてタグ送りモータ41bのタグの送り出し量(回転数)を判別し、判別結果に基づいてタグ送りモータ41bのタグの送り出し量を制御する。
例えば、タグ全長センサ116が当該タグ1A等の後端部を検出すると、このタグ1A等の全長が長い場合(タグ1Aよりも長いロングタグ1A’の長さを検出した場合)、タグ1Aの全長よりも当該タグが長いことを示す検出データD9をCPU114に出力し、タグ1Aの全長が短い場合、タグ全長が短いことを示す検出データD9を出力する。
CPU114は、タグ全長が長いことを示す検出データD9を入力した場合、タグの送り出し量を多くする制御データD2(タグ1Aよりも長いロングタグ用)をモータ駆動部141bに出力する。これにより、タグ全長をリアルタイムに検出してタグ送り出し量を制御できるようになる。
この例でも、ロングタグ用の制御データD2と通常のタグ1A用の制御データD2との相違により、ロングタグ用の制御データD2の場合には、結束具13の搬送後に、タグ送りローラ41aを回転させてカートリッジ40の中に残ったロングタグ1A’の情報提示部10Cの後端部を送り出すが如く制御されるようになる。これにより、タグの全長に合わせて当該タグを完全に送り出すことができる。
上述の2つの例で、タグ1Aを一枚送り出した後、ガイドプレートセンサ107から得られる袋14の装着有無を示す位置検出データD6をCPU114へ入力してもよい。その後、CPU114は、操作部106からの操作データD1の入力待ち状態となる。このようにして、EEPROM113に保存された制御プログラムにより結束機100を制御できるようになる。
ここで、結束機100の電源について説明する。結束機100の電源は、例えば、AC100Vに接続して使用可能な電源回路20を有している。AC電源(100V)と電源回路20との間にはACスイッチ201が接続され、使用時にACスイッチ201がオンされる。電源回路20は図示しない電源変換機能を備え、例えば、AC電源からモータ駆動用の主要電源(例えば、DC12V)と、制御部110を駆動する低電圧用のDC電源(DC5V)とに変換するようになされる。ここに結束機100の主要電源とは、タグ搬送機構4Aのモータ駆動部141b、結束具搬送機構5Aのモータ駆動部150i、結束具締結機構7Aのモータ駆動部170c及びタグホルド駆動機構9Aのモータ93に駆動電圧を供給する電源をいう。
この例では、電源回路20とモータ駆動部141bとの間にメインスイッチ120(リレースイッチ等)が接続され、更に、メインスイッチ120の負荷側には、袋センサスイッチ121(リレースイッチ等)を介してモータ駆動部150i、モータ駆動部170c及びモータ93が接続されている。メインスイッチ120=ONでモータ駆動部141bに駆動電圧が供給され、袋センサスイッチ121=ONで残りのモータ駆動部150i、モータ駆動部170c及びモータ93に駆動電圧が供給できるようになっている。
メインスイッチ120は、操作部106から入力される操作データD1、例えば、D1=”結束スタート”を示す情報に基づいてCPU114がONする。袋センサスイッチ121は、袋センサ108が袋検出データD7、例えば、D7=”袋有り”を示す情報に基づいてCPU114がONする。このような二重の電源供給対策を採ったのは、取扱時、ユーザに対する安全を考慮したためである。
続いて、図64〜図72を参照しながら、結束処理の一連の動作例を順を追って説明する。図64及び図65は、結束機100の動作例(その1,2)を示すフローチャートである。図66〜図72は、タグホルド機構3A及びガイドプレート機構8Aのタグ搬送時の動作例を補足する斜視図である。
この実施例では、結束機100のACスイッチ201はオンされ、図63に示した制御部110のEEPROM113に保存された制御プログラムがCPU114により読み出されてRAM112に展開され、省電力モードに設定されている。省電力モードとは、図63に示したメインスイッチ120及び袋センサスイッチ121がオフされ、モータ駆動部141b,150i,170c,193に駆動電圧が供給されず、低電圧用の電源が制御部110に供給されている状態をいう。
また、ボビン52に巻き付けられた結束具13の先端が、図7に示したカッター62の位置に設定されている。更に、タグ搬送機構4Aのカートリッジ40には、タグ1A又はロングタグ1A’が積層されて収納されている。結束機100の状態は、ボビン52に巻き付けられた結束具13の先端が、図7に示したカッター62の位置に設定されている。また、タグ搬送機構4Aのカートリッジ40には、タグ1Aが積層されて収納され、操作部106は、タグ1Aに切り換えられている。
これらを結束処理条件として、図64に示すステップST1で、CPU114は、結束機100のメインスイッチ120をオンするために”結束スタート”を待機する。このとき、ユーザは、操作部106で図示しないスタートボタン等を操作して”結束スタート”を指示する。これを受けて、操作部106は、操作データD1=”結束スタート”を示す情報をCPU114に出力する。CPU114は、操作データD1に基づいてメインスイッチ120をオンする。
これにより、電源回路20からメインスイッチ120を介して、まず、モータ駆動部141bへ駆動電圧が供給される。このときは、袋センサスイッチ121=オフなので、モータ駆動部150i、モータ駆動部170c及びモータ93には駆動電圧が供給されない。上述のCPU114は、”結束スタート”を得ると、図63に示した制御部110のEEPROM113に保存された制御プログラムを読み出してRAM112に展開する。結束処理プログラムに基づいて制御を実行するためにステップST2へ移行する。
ステップST2で、CPU114は、タグ1A(又はロングタグ1A’)が搬送されているか否かを判定する。例えば、CPU114は、図41Bに示したタグセンサ109からタグ1Aが搬送されていないことを示す搬送データD8を入力した場合、ステップST3へ移行する。また、CPU114は、タグセンサ109からタグ1Aが搬送されていることを示す搬送データD8を入力した場合、ステップST4へ移行する。
ステップST3で、CPU114は、タグ1Aを搬送するように制御する。例えば、CPU114は、タグ送りローラ41aを回転させてカートリッジ40に収納された最下部のタグ1Aを一枚送り出すように制御する。このとき、図68に示す搬送例によれば、タグホルド機構3A及びガイドプレート機構8Aの待機状態において、タグ1Aをカールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bで保持するようになされる。なお、センサフラグ用の突出部95fはガイドプレートセンサ107のスリットを横切っていないので、「H」レベルの位置検出データD6を制御部110に出力する。
そして、ステップST4に移行して、CPU114は、袋14が結束機100の結束口103に配置されたか否かを判定する。例えば、ユーザは、袋14を図66に示した結束口103に挿入(配置)する。この例では、袋14でガイドプレート95を押しながら装着空間部92bに挿入するようになされる。このとき、ユーザは結束口103の三角形状の空間領域を押し分けるように袋14を挿入する。
例えば、結束口103において、初期段階で、三角形状の頂点に向けて袋14を挿入すると、袋14でガイドプレート95が内部へ引っ込む方向に押すようになされる。図67に示す袋14の装着操作の中間段階によれば、袋14でガイドプレート95及びアーム121’をほぼ押し切ったところで、装着空間部92bへ挿入するようになされる。その後、装着空間部92bへ袋14の押し込み完了時点で、ガイドプレート95が再度、外部へ飛び出るように動作する。この外部への飛び出しは、バネの付勢力よって行われる。
これにより、図66に示すアーム121’が回転され、当該アーム121’の一端が袋センサ108により検出される。袋センサ108は、袋検出データD7=”袋有り”を示す情報をCPU114に出力する。CPU114は、袋検出データD7=”袋有り”に基づいて袋センサスイッチ121をオンするようになる(二重の電源供給対策)。
すなわち、CPU114は、袋センサ108から袋検出データD7を入力すると、袋センサスイッチ121をオンにしてステップST5へ移行する。また、CPU114は、袋センサ108から袋検出データD7を入力しなかった場合、再び袋14が配置されたか否かの判定を繰り返す。
ステップST5で、CPU114は、ガイドプレート95が定位置に存在するか否かを判定する。上述の例で、ユーザにより袋14が結束口103に配置されると、図66に示した配置過程にあるガイドプレート95が、図67に示すように袋14によって、一旦押されてスライド移動する。このとき、CPU114は、この一旦押されたガイドプレート95が元の位置に戻っているか否かを判定する。例えば、CPU114は、ガイドプレート95の後端のセンサフラグ用の突出部95fが、透過型のガイドプレートセンサ107(図53.23A参照)のスリットを通過することで、当該ガイドプレートセンサ107から出力されるローレベル又はハイレベルの位置検出データD6により、ガイドプレート95が元の位置に戻っているか否かを判定する。
また、ガイドプレートセンサ107は、このスライド移動されたガイドプレート95を検出して、CPU114に袋14が装着されたことを示す位置検出データD6を出力する。この例で、ガイドプレートセンサ107のスリットが突出部95fで遮光されているときは、CPU114は「L」レベルの位置検出データD6を入力する。また、ガイドプレートセンサ107が遮光されていないとき、CPU114は「H」レベルの位置検出データD6を入力する。
従って、ガイドプレート95が元の位置に戻っていない場合、すなわち、袋14がガイドプレート95からはみ出してガイドプレート95が押された状態を維持している場合、ガイドプレートセンサ107は遮光されて「L」レベルの位置検出データD6を出力する。
このように、CPU114は、「L」レベルの位置検出データD6を入力した後に、「H」レベルの位置検出データD6がガイドプレートセンサ107から出力されない場合は、袋14がガイドプレート95からはみ出していると判定して、次のステップの動作に移行しないで制御を停止する。このとき、CPU114は、例えば7〜10秒経過しても「H」レベルの位置検出データD6がガイドプレートセンサ107から出力されない場合は、ビープ音等により警報するようにしてもよい。CPU114が「H」レベルの位置検出データD6を入力した場合、すなわち、ガイドプレート95が元の位置に戻っていることが確認(認識)された場合は、ステップST6へ移行する。
ステップST6で、CPU114は、通常のタグ1A又はロングタグ1A’が操作部106により設定されているかを判定する。例えば、CPU114は、操作部106から通常のタグ1Aを示す操作データD1を入力した場合は、ステップST7へ移行する。
ステップST7で、CPU114は、図7に示したカールガイド30を移動させる。例えば、CPU114は寄せモータ93を回転させて、図7に示した作動板32を矢印Q2の方向にスライド移動させてカールガイド30をホームポジションHPから結束ポジションP1まで移動させてステップST8へ移行する。
このとき、図70に示す搬送例によれば、タグホルド駆動機構9Aが図69に示した位置から、更に、カールガイド30の後期移動を行って、タグ掛け爪部30b,30bでガイドプレート95を押すようになされる。この後期移動で、当該カールガイド30の先端部がガイドプレート95の先端部に当接したまま、ガイドプレート95の突出部95gの後端部がレール部材92hの先端部に当接した状態となる。この時点でタグ1Aの装着空間部92bへ搬送を完了する。
ステップST8で、CPU114は結束具13を搬送させる。例えば、CPU114は、制動機構89Aのソレノイド89aを駆動するための制御データD10をソレノイド駆動部894aに出力する。ソレノイド駆動部894aは、駆動用の制御データD10を入力してソレノイド89aを通電する。ソレノイド89aは、通電されて可動鉄芯89cを収縮させる。これにより、図17Bに示したように、ボビン52の制動状態が解除される。
また、CPU114は、結束具送りモータ50iを回転させて、結束具13をボビン52から引き出してタイスロープ63に送り出す。このとき、図71に示す搬送例によれば、タグホルド駆動機構9Aが図68に示したカールガイド30を待機状態から前期移動を行って、当該カールガイド30の先端部がタグ1Aを介在してガイドプレート95の先端部に当接した状態となる。すなわち、ガイドプレート95とカールガイド30でタグ1Aを挟み込んだ状態となり、タグ1Aの脱落を防止できるようになる。以後、この状態でタグ1Aが装着空間部92bへ移動される。ガイドプレートセンサ107は、突出部95fが横切るので、「L」レベルの位置検出データD6を出力する。
また、CPU114は、上記結束具送りモータ50iによる結束具13の引き出しが終了すると、ソレノイド89aを停止するための制御データD10をソレノイド駆動部894aに出力する。ソレノイド駆動部894aは、停止用の制御データD10を入力してソレノイド89aの通電を遮断する。ソレノイド89aは、通電が遮断されて圧縮バネ89b(図12B参照)のバネ力により可動鉄芯89cが伸長される。これにより、図16Bに示したように、ボビン52に制動力が作用する。その後、ステップST9へ移行する。
ステップST9で、CPU114は、結束具13を切断し、切断後の結束具13’の先端部と後端部とを向き合わせて寄せるように制御する。例えば、CPU114は、再び寄せモータ93を回転させて、図9に示した作動板32を矢印Q2の方向に更にスライド移動させて、この作動板32の下端部に取り付けられたローラアーム101によりリンクローラ97を押して、当該リンクローラ97の結合されたカッター62及びアプローチアーム61a,61bを駆動させて、結束具13を切断すると共に、結束具13の切断された結束具13’の先端部と後端部を向き合わせるように寄せる。
この時点で、センサフラグ用の突出部95fは、ガイドプレートセンサ107のスリットを横切って遮光しているので、「L」レベルの位置検出データD6を制御部110に出力する。その後、制御部110では位置検出データD6をトリガにして、タグホルド駆動機構9Aを駆動し、結束具成形機構6Aによって結束具13が成形され、結束具締結機構7Aの捻りアーム70によってタグ1Aが切断後の結束具13’により結束される。そして、図65に示すステップST13へ移行する。
ステップST13で、CPU114は切断後の結束具13’を捻るように制御する。例えば、CPU114は、捻りモータ70cを回転させて、図7に示した捻りアーム70を回転させて当該捻りアーム70に先端部と後端部とが保持された切断後の結束具13’を捻る。なお、図56に示した、捻りアーム70に取り付けられたカムプレート99により、ガイドプレート95をロックする。これは、ガイドプレート95が戻ってしまうと、タグ1Aを押してしまいタグ1Aの変形や、結束物が抜けにくくなってしまうからである。
このロック機能に関して、図71に示す搬送例によれば、結束処理が完了すると共に、制御部110はロック機構81を動作させる。ロック機構81では、結束具締結機構7Aの捻りアーム70に設けられた半月状のカムプレート99が、待機状態より180°回転した位置で停止する。この回転により、カムプレート99が、ガイドプレート95に設けられたカム係合用の開口部95dに引っかかる位置で停止する。すなわち、カムプレート99の半月状部位が開口部95dに対して上弦形状となる姿勢で停止し、カムプレート99が開口部95dに引っかかってガイドプレート95の前側への付勢力をロックする。なお、ガイドプレートセンサ107は、突出部95fで遮光されたままなので、「L」レベルの位置検出データD6を出力する。この「L」レベルの位置検出データD6は、ガイドプレート95をロックした状態を示すようになる。続いて、ステップST14へ移行する。
ステップST14で、CPU114は、カールガイド30、左右のアプローチアーム61a,61b及びカッター62を元の位置に戻すように制御する。このとき、図72に示す搬送例によれば、制御部110はロック機構81を動作させたまま、タグホルド駆動機構9Aを駆動してカールガイド30を待機位置へ戻すように制御する。例えば、CPU114は、寄せモータ93を逆回転し、図7に示した作動板32を上述の矢印Q2とは反対の矢印Q3の方向にスライド移動させて、カールガイド30を結束ポジションP1からホームポジションHPに戻す。
このとき、作動板32の下端部に取り付けられたローラアーム101とリンクローラ97との当接が解除される。リンクローラ97と係止軸97’との間に掛け渡されている引っ張りバネ122が、リンクローラ97を係止軸97’の側へ常時付勢しているが、図6に示したローラアーム101とリンクローラ97との当接が解除されることで、リンクローラ97は、矢印Q3の方向へ移動する。カッター62に結合されたカッターリンク62cを介してリンクローラ97を押し戻す。リンクローラ97は、矢印Q3の方向へ移動する。
これにより、リンクローラ97にリンク結合されたカッター62が、結束具搬送機構5Aのタイスロープ63の先端部から退避する。この例では、カールガイド30が待機位置へ後退しても、スプリングバネ82a,82bの付勢力に打ち勝って、カムプレート99の半月状部位が開口部95dに引っかかったまま、ガイドプレート95の復帰を抑えている状態である。
なお、ガイドプレート95は、カールガイド30が後退した後も、カムプレート99でロックされているので飛び出さない。このようにガイドプレート95をロックした状態で、結束後の袋14が取り出し易くなる。ガイドプレートセンサ107は、突出部95fで遮光されたままなので、「L」レベルの位置検出データD6を出力する(ロック機構が働いたままである)。上述のカッター62の退避処理と同時に、リンクローラ97に係合された左右のアプローチアーム61a,61bが元の位置に戻り、再び、結束具誘導路601,602の一部を構成してステップST15へ移行する。
ステップST15で、CPU114は、袋14が抜き取られたか否かを判定する。このとき、袋センサ108は、上述のステップST4で、袋14が押し当てられることにより正回転されたアーム121’が、袋14が抜き取られることにより、逆回転して元の位置に戻っているか否かを検出する。
例えば、袋14が結束口103から抜き取られない場合であって、CPU114が、袋センサ108から、アーム121’が元の位置に戻っていないことを示す袋検出データD7を入力した場合、袋14が抜き取られたか否かを再び判定する。そして、袋14が結束口103から抜き取られて、CPU114が、この袋センサ108から、アーム121’が元の位置に戻っていることを示す袋検出データD7を入力した場合は、袋センサスイッチ121をオフにして、ステップST16へ移行する。
ステップST16で、CPU114は、ステップST13でロックしたガイドプレート95をロック解除するように制御する。例えば、CPU114は、捻りモータ70cを半回転させて、図56に示した捻りアーム70を半回転させて、捻りアーム70に取り付けられたカムプレート99によりロックされたガイドプレート95を解放してステップST17へ移行する。
ステップST17で、CPU114は、タグ1Aをカールガイド30に装填(搬送)するように制御する。例えば、CPU114は、タグ送りローラ41aを回転させてカートリッジ40に収納された最下部のタグ1Aを一枚送り出すように制御する。このタグ装填処理は、次回の結束処理のために前もって準備するためである。図68に示す搬送例によれば、タグホルド機構3A及びガイドプレート機構8Aの待機状態において、タグ1Aをカールガイド30のタグ掛け爪部30b,30bで保持するようになされる。なお、センサフラグ用の突出部95fはガイドプレートセンサ107のスリットを横切っていないので、「H」レベルの位置検出データD6を制御部110に出力する。そして、ステップST18へ移行する。
ステップST18で、CPU114は、メインスイッチ120をオフする情報、すなわち、操作部106から操作データD1=”結束終了”を示す情報が入力された場合は、操作データD1=”結束終了”に基づいてメインスイッチ120をオフする。メインスイッチをオフしない場合は、ステップST2へ戻って上述した処理を繰り返すようになされる。メインスイッチ120=オフで結束処理の終了となる。なお、制御部110はスリーピング状態に移行する。スリーピング状態とは、電源回路20からモータ駆動部141b、モータ駆動部150i、モータ駆動部170c及びモータ93には駆動電圧が供給されない状態であって、制御部110のCPU114の判別機能、時計機能及びメモリ機能が働いて他の機能は休止している状態をいう(省電力モード)。
なお、ステップST6で、CPU114が、操作部106から他のタグ(以下ロングタグ1A’という)を示す操作データD1を入力した場合ステップST10へ移行する。ステップST10で、CPU114は、カールガイド30を移動すると共にロングタグ1A’を送り出す。例えば、CPU114は寄せモータ93を回転させて、図7に示した作動板32を矢印Q2の方向にスライド移動させてカールガイド30をホームポジションHPから結束ポジションP1まで移動させる。このとき、CPU114は、カールガイド30の前進と同時に、図41に示したタグ送りローラ41aを回転させて、カートリッジ40の中に残ったロングタグ1A’の情報提示部10Cの後端部を送り出すように制御してステップST11へ移行する。
ステップST11で、CPU114は結束具13を搬送させる。例えば、CPU114は、結束具送りモータ50iを回転させて、結束具13をボビン52から引き出してタイスロープ63に送り出してステップST12へ移行する。
ステップST12で、CPU114は、結束具13を切断し、当該結束具13の切断された結束具13’の先端部と後端部とを向き合わせて寄せると共に、タグ1Aを更に送り出すように制御する。例えば、CPU114は、再び、寄せモータ93を回転させて、図7に示した作動板32を矢印Q2の方向に、更にスライド移動させて、この作動板32の下端部に取り付けられたローラアーム101によりリンクローラ97を押して、当該リンクローラ97のリンク結合されたカッター62及び左右のアプローチアーム61a,61bを駆動させて、結束具13を切断すると共に結束具13の切断された結束具13’の先端部と後端部とを向き合わせるように寄せるように制御する。
このとき、CPU114は、作動板32を矢印Q2の方向に更にスライド移動させると同時に、再びタグ送りローラ41aを回転させてカートリッジ40の中に残ったロングタグ1A’の情報提示部10Cの後端部を完全に送り出して上述のステップST13へ移行して切断後の結束具13’を捻って結束する。ステップST13以降は、上述した通りである(ステップST13〜ST18参照)。
このように、第1の実施例としての結束機100によれば、タグ1Aに設けられた2つの係止孔11m,11mを使用して帯状の切断後の結束具13’を袋14のひだ折り口に巻き付け、当該タグ1Aを袋14のひだ折り口に取り付ける場合に、カールガイド30の先端上部にタグ支え部材30eを備え、タグ上部に引っ掛かるように機能する。
従って、タグ掛け爪部30b,30bを回転中心にしたタグ1Aの回転を阻止できるようになる。これにより、タグ支え部材30eを取り付けない場合に比べてタグ回転による脱落を防止できるようになる。また、一方のタグ1Aの係止孔11mから挿入した結束具13を再現性良く他方の係止孔11mから引き出すことができる。しかも、結束後のタグ搬送機構4Aからタグ1Aを円滑に引き出すことができ、高信頼度の結束機100を提供できるようになった。
また、結束機100によれば、タグ搬送機構4Aにタグサポート部材42cを備え、当該タグ搬送機構4Aからタグホルド機構3Aへタグ1Aを受け渡すとき、タグサポート部材42cによってタグ1Aの後端開放時期を遅延できるようになる。
従って、図50に示したように、通常の長さに比べて短いタグ1Aを取り扱う場合等においても、タグサポート部材42cを取り付けない場合に比べてタグ受け渡しミスによる脱落を防止できるようになる。これにより、タグ1Aの長さが長い場合も短い場合も、タグ搬送機構4Aからタグホルド機構3Aへタグ1Aを再現性良く受け渡すことができ、高信頼度の結束機100を提供できるようになった。この結果、タグホルド機構3Aから結束具締結機構7Aへタグ1Aを再現性良く搬送できるようになった。
更に、結束機100によれば、タグ1Aに設けられた2つの係止孔11m,11mを利用して帯状の切断後の結束具13’を袋14のひだ折り口に巻き付け、当該タグ1Aを袋14のひだ折り口に取り付ける場合に、切り欠き部95bを有した可動式のガイドプレート機構8Aを備え、タグホルド機構3Aとガイドプレート95とでタグ1Aを保持した状態で、装着空間部92bに挿入された袋14のひだ折り口に当該タグ1Aを搬送できるようになる。
従って、タグ搬送途中でのタグ1Aの脱落を防止できるようになる。しかも、袋ひだ折り口案内用の切り欠き部95bが装着空間部92bから外部へ延在する形態となるので、タグ搬送前に、的確に、袋14のひだ折り口を装着空間部92bに挿入できるようになる。これにより、高信頼度のタグ取り付け装置等を提供できるようになる。
また、結束機100の段差通路構造60によれば、結束具13の進入方向において結束具誘導路601,602及び結束具通路303が上流側が高く下流側が低く設定される。上述した例では、いずれの段差ε1,ε2,ε3,ε4,ε5も上流側に比べて下流側が低く設定されている。
従って、タグ1Aに設けられた2つの係止孔11m,11mを利用して帯状の切断後の結束具13’を袋14のひだ折り口に巻き付け、当該タグ1Aを袋14のひだ折り口に取り付ける場合に、結束具13の先端が結束具誘導路601,602の先端に当たる事態を回避できるので、結束具誘導路601,602に面取りなどの誘い込み構造を設けなくても、結束具成形機構6Aの結束具誘導路601からカールガイド30の結束具通路303へ結束具13を円滑に挿通できるようになる。また、結束具通路303から結束具成形機構6Aの結束具誘導路602へ結束具13を円滑に挿通できるようになる。これにより、結束具13の送り不良を防止できるようになった。