JP2009255956A - 液体危険物用オープン型ドラム缶 - Google Patents

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Omiji Tomikawa
臣二 富川
Hiroshi Hashimoto
洋 橋本
Tooru Beniya
徹 紅谷
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Abstract

【課題】UN規格に容易に適合させることができる高品質な液体危険物用オープン型ドラム缶を提供する。
【解決手段】液体危険物用オープン型ドラム缶はその開閉可能な天蓋(8)に環状のビード(32)を備えており、このビード(32)は凸又は凹の略V字形状をなす横断面を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、開閉可能な天蓋を備えた液体危険物用オープン型ドラム缶に関する。
この種のオープン型ドラム缶は、粘性が比較的高い液体危険物や、また、粉体又は固体等の出し入れが容易ではない内容物の充填輸送に好適し、通常の密閉型ドラム缶との相違は天板の代わりに開閉可能な天蓋を備えていることにある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9-272533号公報
この種のオープン型ドラム缶にも通常の密閉型ドラム缶の場合と同様に、危険物輸送に関する国連勧告(UN規格=UN Recommendations on the Transport of Dangerous Goods)に定めされている気密試験、落下強度試験、水圧強度試験及び積み重ね試験の各判定基準に適合していなければならない。しかしながら、オープン型ドラム缶はその天蓋が開閉可能であるから、特にその落下強度試験や水圧強度試験の判定基準に適合した性能を満たすには、オープン型ドラム缶には通常の密閉型ドラム缶とは異なる工夫が要求される。
具体的には、上述の性能を左右する要因として、天蓋及び胴体の胴体カールの耐圧強度や、胴体カールに対して天蓋の蓋カールを締結するバンドの締結強度、そして、胴体カールと蓋カールとの間に挟み込まれるガスケットのシール性能等が考えられるが、これら要因のなかでも、天蓋は大形部品であって、その受圧面積が広いことから、特に、天蓋にはその耐圧強度の増加が望まれている。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、天蓋の形状を工夫するだけで、その耐圧強度を容易に増加させることができ、UN規格を満たすうえで好適した液体危険物用オープン型ドラム缶を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の液体危険物用オープン型ドラム缶は、円筒状をなした中空の胴体と、この胴体の下端開口を閉塞する地板と、胴体の上端開口に開閉可能に装着され、上端開口を閉塞する天蓋とを備え、この記天蓋はその外周に沿って延びる環状のビードを含み、このビードは略V字形状の横断面を有している(請求項1)。
具体的には、胴体はその外周部に設けられた胴体カールを含み、一方、天蓋は、ビードを有する蓋本体と、この蓋本体の外周部に設けられ、胴体カールにガスケットを介して嵌め合わせられる蓋カールを有した蓋リムとを更に含んでいる(請求項2)。
上述のオープン型ドラム缶の場合、ビードの横断面は、天蓋の外表面から突出した凸のV字形状、又は、外表面から凹んだ凹のV字形状の何れかをなすことができ(請求項3)、このような凸又は凹のV字形状をなすビードは天蓋に補強リブを提供し、天蓋の耐圧強度を増大させる。
好ましくは、ビードは、蓋リムとの間に所定幅の環状帯を確保して蓋本体に形成されている(請求項4)。このような天蓋の環状帯は、前述の落下強度試験時、蓋リムからの衝撃入力が直接ビードに伝達されるのを防止し、また、前述の水圧強度試験時にあっては天蓋の裏面に加わる圧力により天蓋の蓋本体が外側に向けて膨らむとしても、蓋リムの変形を抑制するため緩衝域として機能する。
具体的には、ビードは、10〜30mmの幅と、蓋本体から3〜10mmの距離を存した尖端部を有する(請求項5)。この場合、ビードにおけるV字形状の挟角やサイズは、ビードが前述した補強リブとしての有効なものとなる。
また、ビードは直径490mm程度の内径と直径560mm程度の外径とを有する環状域内に配置されている(請求項6)。このような環状域内にビードが配置されていれば、蓋本体の中央域に前述の環状帯を確保しつつ、ビードとオーバラップすることの無い広いマーキング域が確保され、また、口金を備えた天蓋の場合にあっても、マーキング域内にて口金の配置が可能となる。
一方、ビードは丸み付けされた尖端部を有し(請求項7)、このような尖端部は前述の試験時、尖端部への応力集中を避けるうえで役立つ。
また、胴体カールの先端と胴体との間には2mm以下の間隙が確保されているのが望ましく(請求項8)、このような胴体カールは横断面でみて実質的に閉じたリング状をなすることから、落下強度試験に対して十分な耐圧性能を発揮するものと期待される。
一方、胴体カールは横断面でみて、その先端が胴体の外周面若しくは自身の内面に接するような巻き込み形状をなすものであってよく、この場合、胴体カールは閉じたリング形状をなすため、胴体カールの下部には、3〜6mmの直径で且つ天蓋の周方向に間隔を存して配置された4〜8個の孔を有しているのが好ましい(請求項9)。
請求項1〜9の液体危険物用オープン型ドラム缶によれば、横断面が略V字形状をなす環状のビードを天蓋に付加すべく天蓋の形状を変更するだけで、天蓋の耐圧強度が増加することから、UN規格に容易に適合したオープン型ドラム缶の提供が可能となる。
また、天蓋の蓋リムとビードとの間に所定の環状帯を確保した状態で、ビードが蓋本体の外周部に配置されていることから、ビードはその補強リブとして機能を有効に発揮するばかりでなく、蓋本体の中央に広いマーキング域を確保できる。この場合、ビードが蓋本体から凹んだV字形状をなしていれば、天蓋へのマーキング作業にビードが邪魔になることはなく、マーキング作業を容易に行うことができる。
図1〜図8は第1実施例の液体危険物用オープン型ドラム缶を示す。
図1から明らかなようにオープン型ドラム缶は、円筒状をなした中空の胴体2と、この胴体2の下端開口を閉塞する地板4と、胴体2の上端開口に締結ハンド6を介して開閉可能に装着され、上端開口を閉塞する円形の天蓋8とを備える。なお、胴体2には2本の輪帯10が形成されており、これら輪帯10は上下方向に所定の間隔を存して配置されている。
図2に示されているように、胴体2の下端縁と地板4の外周縁とは充填剤(図示しない)を介在させた状態で巻締めにより相互に接合され、いわゆるチャイム12を形成している。これに対し、図3に示されるように胴体2の上端縁は外側に突出するフランジ状の胴体カール14として形成され、そして、天蓋8の外周縁もまた外側に突出するフランジ状の蓋カール16として形成されている。蓋カール16は胴体カール14によりも大きく、天蓋8が胴体2の上端開口に装着されたとき、その蓋カール16はガスケット18を介して胴体カール14に被せられる。なお、ガスケット18は白スポンジ、EPDM等からなり、蓋カール16の内側に貼付けられている。
一方、図4及び図5に示されているように、締結バンド6は、リング形状のバンド本体20を備え、このバンド本体20は一カ所に切れ目を有するとともに略U字形状の横断面を有する。バンド本体20には一対のS字金具22がその両端にそれぞれ位置して取り付けられており、これらS字金具22はパイプ状のボルト挿通部24を有する。
図3から明らかなように、胴体2の上端開口に天蓋8が装着された後、上述の締結バンド6はそのバンド本体20内に胴体カール14及び蓋カール16を包み込むようにして取り付けられる。そして、図4に示されている締結ボルト26bが一対のS字金具22のボルト挿通部24にそれぞれ挿通され、この締結ボルト26bとナット26nとの間にて一対のS字金具22を締付け、バンド本体20を縮径させれば、締結バンド6は胴体2の上端開口、即ち、その胴体カール14に対しガスケット18を介して天蓋8の蓋カール16を締結することができる。逆に、一対のS字金具22から締結ボルト26bを抜き取り、そして、締結バンド6のバンド本体20を胴体カール14及び蓋カール16から取り外せば、胴体2に対して天蓋8を開くことができる。
なお、胴体2、地板4及び天蓋8の内外面には必要に応じ、脱脂処理、化成処理(ボンデ処理)及び水洗処理等の工程を経て所定の皮膜が形成され、更には、皮膜の上に所望の塗装が施されている。
図6は天蓋8の平面図、図7は天蓋8の一部の断面図を示し、これら図6及び図7を参照して、天蓋8の詳細を以下に示す。
天蓋8は、蓋本体28と、この蓋本体28の外周縁に設けられた蓋リム30とからなる。この蓋リム30は蓋本体28から垂直方向、つまり、胴体2の軸線方向に立ち上がり、その上端に前述した蓋カール16を有する。
蓋本体28の外周部には環状のビード32が形成されており、このビード32は蓋本体28の周方向全域に亘って延び、蓋リム30と同心の環状をなす。本実施例の場合、ビード32は蓋本体28の外表面から裏面側に向けて凹んだ略V字形状の横断面を有し、ここでビード32が形成するV字形の挟角αは例えば50〜160°の範囲にある。
具体的には、ビード32の幅Wbは10〜30mmの範囲から選択され、そして、蓋本体28の裏面からV字形状をなすビード32の尖端部までの距離、即ち、その高さHbは3〜10mmの範囲から選択される。
また、図7から明らかなように、ビード32は、ビード32と蓋リム30との間に所定幅の環状帯34を確保すべく、蓋本体28の所定の環状域内に位置付けられており、この環状域は、直径490mm程度の内径φi及び直径560mm程度の外径φoを有する。本実施例の場合、ビード32の中心径φbは516mm、幅Wbは22mm、高さHbは6mmである。そして、ビード32の尖端部は丸みが付けられており、この尖端部を形成する外面の曲率半径Rtは6mmである。
更に、環状帯34は蓋リム30との境界が円弧部36に形成されており、この円弧部36を形成する外面の曲率半径R0は6mmである。なお、図7から明らかなようにビード32の外径がφoに一致する場合、環状帯34は円弧部36のみから形成されることになる。
また、図7中には、天蓋8の外径φL、蓋リム30の高さH1、蓋カール16の高さH2、蓋カール16の内外面の曲率半径R1,R2、そして、天蓋8の厚さTのそれぞれは、603mm、24mm、14.5mm、6mm、10mm、1.2mmである。
図8は胴体2の胴体カール14を拡大して示し、胴体カール14の先端と胴体2の外周面との間には所定の間隙Aが確保されており、本実施例の場合、間隙AはA1(=約3mm)である。なお、図8中に示す胴体カール14の高さH3及び幅Wc、そして、胴体カール14を形成する外面の曲率半径R3のそれぞれは、12.5〜13.0mm、12〜13mm、6mmである。
更に、本実施例の場合、図6に示されているように天蓋8の蓋本体28には注入口金38及び排気口金40が設けられており、これら口金38,40はビード32よりも内側で且つ蓋本体28の直径方向に所定の間隔を存して位置付けられている。
図9は第2実施例の液体危険物用オープン型ドラム缶ための天蓋8を示す。
第2実施例の天蓋8は、ビード32が蓋本体28から外側に突出した凸の略V字形状をなす横断面を有している点のみで、第1実施例の天蓋8(図7)とは異なっている。
図10は第3実施例の液体危険物用オープン型ドラム缶のための胴体カール14を示す。
第3実施例の胴体カール14は、その先端と胴体2の外周面との間の間隙A2が第1実施例での間隙A1よりも狭い2mm以下に設定されている点のみで、第1実施例の胴体カール14(図8)とは異なっており、本実施例の場合、A2は0.5mmである。
図11は変形例の締結バンド6、即ち、そのバンド本体20を示す。
変形例のバンド本体20はそのU字形を形成する一対の側壁部20sが同一の長さではなく、上側の側壁部20sよりも所定の長さLだけ長い下側の側壁部20sを有する。
本発明の液体危険物用オープン型ドラム缶を製造するにあっては、第1〜第3実施例の天蓋8及び胴体カール14、そして、変形例のバンド本体20を任意に組み合わせることができるが、何れにしても、UN規格における落下強度試験や水圧強度試験の判定基準に適合したものでなければならない。
図12は落下強度の試験方法を示す。
ここでの試験では、200Lの98%以上の水を充填したオープン型ドラム缶ODを高さ1.2mから落下させても、ドラム缶ODから水漏れしないことが要求される。図12(a)は、締結バンド6のS字金具22を衝撃点とする対角落下試験を示し、図12(b)は胴体2の溶接部を衝撃点とする水平落下試験を示す。なお、締結バンド6はそのS字金具22が胴体2に対し、その溶接部と直径方向でみて反対側に位置すべく取り付けられている。
上述した第1及び第2実施例の天蓋8をそれぞれ備える幾つかのオープン型ドラム缶に対して落下強度試験を実施し、何れのドラム缶であっても水漏れの無いことが確認されている。
図13は水圧強度の試験方法を示す。
ここでの試験では、200Lの98%以上の水を充填したオープン型ドラム缶ODをその締結バンド6のS字金具22を下にした状態で試験台上に水平に配置し、そして、ドラム缶OD内を0.1MPaの加圧状態で5分間維持し、この間、ドラム缶ODから水漏れしないことが要求される。
ここでも、上述の第1及び第2実施例の天蓋8をそれぞれ備える幾つかのオープン型ドラム缶に対して水圧強度試験を実施し、何れのドラム缶であっても水漏れの無いがことが確認されている。
なお、上述の試験に使用したオープン型ドラム缶には図8の胴体カール14及び図11のバンド本体20を有した締結バンド6が採用された。
以下の表1は上述のオープン型ドラム缶から水漏れが発生した時点で圧力を示す。
Figure 2009255956
表1中、第3実施例のオープン型ドラム缶には、図10の胴体カール14を有する胴体2が採用されており、また、ビード32の凹凸とはビードのV字形状が天蓋8の蓋本体28に対し、凹であるか又は凸であるかを示す。
なお、表1中の第4実施例のオープン型ドラム缶はビード32の高さHbが3mmである天蓋を採用したものである。そして、比較例1のオープン型ドラム缶はビード32を有していない天蓋を採用したものであって、この天蓋の一部を図14に示す。
図14から明らかなように比較例1での天蓋はビード32が無い点や、その蓋本体28の中央部が前記特許文献1の天蓋と同様に段差(1mm程度)をもって僅かに膨出している点を除けば、第1及び第2実施例の天蓋8と同様なものである。
表1から明らかなように第1〜第4実施例のオープン型ドラム缶の場合、それら漏れ発生圧力は全て0.1MPaを十分に超えていることから、UN規格の水圧強度を十分に満たしている。なお、比較例1のオープン型ドラム缶の漏れ発生圧力もまた0.1MPaを越えているものの、UN規格の水圧強度を辛うじてクリアするレベルである。
なお、第3実施例の場合、図10に示す胴体カール14は、第1実施例の図8に示す胴体カール14に比べて、その先端が大きく巻き込まれ、前述の隙間AをA2に狭めていることから、図10の胴体カール14は機械的強度に優れたものとなり、前述の落下試験に関して有利となる。また、図10の胴体カール14の場合にあっても、狭いとはいえ、隙間A2が確保されていることから、図8の胴体カール14の場合と同様に、前述の脱脂から化成を経て水洗処理が実施される際、胴体カール14内に残留する処理液や洗浄水の排出を隙間A2を通じて良好になすことが可能となる。
また、第1〜第3実施例のオープン型ドラム缶によれば、第4実施例のオープン型ドラム缶の場合に比べ、その漏れ発生圧力が十分に高いことから、UN規格を満たすうえで、胴体2における胴体カール14の形状、ガスケット18のシール能、また、締結バンド6の締付け力等に要求される制約が少なくなり、UN規格に適合した高品質のオープン型ドラム缶を容易に提供することができる。
第1〜第3実施例のオープン型ドラム缶の場合、その漏れ発生圧力の高圧化にはビード32の存在が大きいが、ここで、ビード32がV字形状をなすとしても、その挟角αは前述の範囲内にて設定されているので、ビード32はそのV字形状を維持するうえで、耐圧強度に優れたものとなり、また、その尖端部には丸みが付けられていることから、この尖端部への応力集中を避けることができ、天蓋8の補強リブとして優れたものとなる。
上述したように第1〜第3実施例のオープン型ドラム缶はその耐圧強度に優れることから、胴体2や天蓋8の薄肉化が可能となる。それ故、ドラム缶自体の重量が軽減することで、ドラム缶の輸送コスト削減に大きく寄与する。
また、第1〜第3実施例の漏れ発生圧力を比較すれば、第1実施例のオープン型ドラム缶は水圧強度の点からみて最も優れている。この点に関しては更に後述する。
図15は、オープン型ドラム缶に対し、水圧強度試験(水圧=0.105MPa)が実施されたときの天蓋8の変形をその一部の断面図及び平面図にて示し、図15中、(a)〜(c)は第1〜第3実施例のオープン型ドラム缶の場合、(d),(e)は第4実施例及び比較列1のオープン型ドラム缶の場合である。
なお、図15中の矢印は、天蓋8に加わる応力が最も高い箇所を示しており、また、表1の結果は実測から得られたものであり、図15の結果はFEMシミュレーションから得られたものである。
図15から明らかなように何れのオープン型ドラム缶の場合にも、天蓋8はドラム缶内の水圧を受けることで外側に膨出するような変形を受けるが、第4実施例及び比較例1の場合にはS字金具22の近傍部位にて天蓋8に皺Kが発生していることが判る。これは、第1〜第3実施例の天蓋8に比べて、第4実施例及び比較例1における天蓋8の耐圧強度が弱いことを示す。即ち、比較例1の天蓋8はビード32を備えていないので、その耐圧強度が低いことは勿論であるが、第4実施例のようにビード32を有する天蓋8にあっても、その高さHbが低い場合にはそのビード32が天蓋8に対する補強リブとしての機能が弱いことを表している。
また、ビード32の幅Wbが前述の範囲よりも小さければ、ここでのビード32もまた補強リブとしての機能が弱くなり、そして、その幅Wbが前述の範囲を超えて大きければ、後述するように天蓋8にシルクマークが印刷される際、そのマーキング領域を不所望に減少させてしまう。
一方、前述したように第1実施例及び第2実施例を漏れ発生圧力にて比較したとき、第1実施例のオープン型ドラム缶は第2実施例のオープン型ドラム缶に比べて、高い漏れ発生圧力を有する(表1参照)。これは、これらのドラム缶の天蓋8が同一サイズのビード32を有していても、凹のV字形状をなすビード32は凸のV字形状をなすビード32に比べ、補強リブとして更に有効に機能することを示す。
より詳しくは、水圧強度試験時における天蓋8の変形を考慮すれば、第1実施例の天蓋8はそのビード32を一旦平坦にする過程を経て外側に膨出するのに対し、第2実施例の天蓋8は前記過程を経ることなしに外側に膨出することに起因するものと考えられる。
なお、胴体カール14の間隙AがA2である第3実施例の漏れ発生圧力は、第1及び第2実施例の場合と比較して同様な値を示していることから、胴体カール14の間隙Aは漏れ発生圧力に影響しないものと考えられる。しかしながら、胴体カール14の間隙Aが2mm以下に設定されたオープン型ドラムは、間隙A1を有するオープン型ドラム缶に比べ、前述した落下強度に対する耐圧性に関して優れることが確認されている。
また、凹のV字形状をなすビード32は補強リブとして有効であるのみならず、天蓋8の外表面にシルクマークが印刷される際、このシルクマークを容易に形成できる点でも、凸のV字形状をなすビード32に比べて優れる。
即ち、図16は天蓋8に対するシルクマークの印刷プロセスを示しており、図16中、(a)はビード32無しの天蓋の場合、(b)は凸のビード32を有する天蓋8の場合、(c)は凹のビード32を有する天蓋8の場合をそれぞれ示す。
ここでの印刷プロセスは、天蓋8の蓋本体28上にシルク版42を備えたマーク枠44を載置し、そして、シルク版42上に供給した塗料をスキージ46によりシルク版42を通じて蓋本体28上に転写することでなされるが、この際、凸のビード32を有する天蓋8に対してビード32の内側全域に印刷しようとすれば、図16(a)の場合とは異なり、ビード32の存在は、シルク版42と蓋本体28との間に隙間を生じさせ、蓋本体28にシルクマークを容易に印刷することができない(図16(b))。
これに対し、凹のビード32を有する天蓋8の場合にあっては、そのビード32の存在に拘わりなく、図16(a)の場合と同様に蓋本体28上にシルク版42を密着して載置することができ、蓋本体28にシルクマークを容易に印刷することができる(図16(c))。
また、前述したようにビード32は前述した内径φiと外径φoとの間にて規定される環状域内に配置されているで、ビード32がシルクマークのマーキング域を不所望に減少させることもない。
図17は、変形例の胴体2、即ち、その胴体カール14を示す。
この変形例の場合、胴体カール14はその先端が第3実施例の胴体カール14(図10)に比べて更に巻き込まれ、胴体2の外周面又は自身の内面に接した状態にある。このような図17の胴体カール14はその横断面でみて、完全に閉じたリング形状をなすことから、図10の胴体カール14に比べて、その機械的な強度は更に向上する。しかしながら、この場合、前述した脱脂処理、化成処理及び水洗処理での処理液や洗浄水が図17の胴体カール14内に一旦侵入すると、これら処理液や洗浄水の排出が容易ではないので、図17に示す胴体カール14はその下部に処理液や洗浄水のための複数の排出孔48を有するものとなっている。
ここで、排出孔48の孔径や個数に関しては、処理液や洗浄水の排液性を考慮して孔径の最小径や最小個数が決定され、また、胴体カール14の成形時や成形後、胴体カール14に要求される強度を考慮して孔径の最大径や最大個数が決定される。具体的には、排出孔48は3〜6mmの直径を有し、そして、胴体カール14の周方向に間隔又は等間隔を存して4〜8個配置されている。
本発明は上述の実施例及び変形例にも制約されるものではなく、更に種々の変形が可能である。
具体的には、本発明のビードは前述した口金38,40を備えない天蓋や、また、ステンレス製のオープン型ドラム缶等の天蓋にも同様に適用可能である。
第1実施例のオープン型ドラム缶の正面図である。 図1中のII部の断面図である。 図1中のIII部の断面図である。 図1の締結バンドの詳細を示す斜視図である。 図4の一部を示す斜視図である。 図1の天蓋を示した平面図である。 図6の天蓋の一部を示す断面図である。 図3に示す胴体カールの拡大図である。 第2実施例の天蓋の一部を示す断面図である。 第3実施例の胴体カールを示す断面図である。 変形例の締結バンドのためのバンド本体を示す断面図である。 落下強度試験の方法を(a)の対角落下の場合と、(b)の水平落下の場合とで示す図である。 水圧強度試験の方法を示す図である。 比較例1の天蓋の一部を示す断面図である。 水圧強度試験時における天蓋の変形を(a)〜(c)の第1〜第3実施例の場合と、(d),(e)の第4実施例及び比較例1の場合とで示す図である。 天蓋に対するシルクマークの印刷プロセスを示し、(a)ビードを無しの場合、(b)は凸のビード有りの場合、(c)は凹のビード有りの場合を示す。 変形例の胴体カールを示す断面図である。
符号の説明
2 胴体
4 地板
6 締結バンド
8 天蓋
14 胴体カール
16 蓋カール
18 ガスケット
28 蓋本体
30 蓋リム
32 ビード
34 環状帯
36 円弧部

Claims (9)

  1. 円筒状をなした中空の胴体と、
    前記胴体の下端開口を閉塞する地板と、
    前記胴体の上端開口に開閉可能に装着され、前記上端開口を閉塞する天蓋と
    を備え、
    前記天蓋はその外周に沿って延びる環状のビードを含み、このビードは略V字形状の横断面を有することを特徴とする液体危険物用オープン型ドラム缶。
  2. 前記胴体は、その外周部に設けられた胴体カールを含み、
    前記天蓋は、前記ビードを有する蓋本体と、この蓋本体の外周部に設けられ、前記胴体カールにガスケットを介して嵌め合わせられる蓋カールを有した蓋リムとを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  3. 前記ビードの横断面は、前記横断面が前記天蓋の外表面から突出する凸のV字形状、又は、前記外表面から凹んだ凹のV字形状をなしていることを特徴とする請求項2に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  4. 前記ビードは、前記蓋リムとの間に所定幅の環状帯を確保して前記蓋本体に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  5. 前記ビードは、10〜30mmの幅と、前記蓋本体から3〜10mmの距離を存した尖端部を有することを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  6. 前記ビードは、直径490mm程度の内径と直径560mm程度の外径とを有する環状域内に配置されていることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  7. 前記ビードは、丸み付けされた尖端部を有することを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  8. 前記胴体カールの先端と前記胴体の外周面との間には2mm以下の間隙が確保されていることを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  9. 前記胴体カールは横断面でみて、その先端が前記胴体の外周面若しくは自身の内面に接するような巻き込み形状をなし、
    前記胴体カールの下部には、3〜6mmの直径で且つ前記天蓋の周方向に間隔を存して配置された4〜8個の孔を有することを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
JP2008107908A 2008-04-17 2008-04-17 液体危険物用オープン型ドラム缶 Pending JP2009255956A (ja)

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