JP2012041062A - 液体危険物用オープン型ドラム缶 - Google Patents

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Akinori Maruta
昭憲 丸田
Omiji Tomikawa
臣二 富川
Yoshinori Shiotsuki
佳憲 塩月
Kazuya Obouchi
和也 小保内
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Abstract

【課題】UN規格に容易に適合させることができる高品質な液体危険物用オープン型ドラム缶を提供する。
【解決手段】液体危険物用オープン型ドラム缶はその開閉可能な天蓋(8)は、その蓋本体(28)と、この蓋本体の外周部に蓋カール(16)を有した蓋リム(30)とを備え、蓋リムはその横断面でみて、蓋カールと蓋本体との間において胴体(2)と線接触可能な当接部(38)を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、開閉可能な天蓋を備えた液体危険物用オープン型ドラム缶に関する。
この種のオープン型ドラム缶は、粘性が比較的高い液体危険物や、また、粉体又は固体等の出し入れが容易ではない内容物の充填輸送に好適し、通常の密閉型ドラム缶との相違は天蓋の代わりに開閉可能な天蓋を備えていることにある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9-272533号公報
この種のオープン型ドラム缶も通常の密閉型ドラム缶の場合と同様に、危険物輸送に関する国連勧告(UN規格=UN Recommendations on the Transport of Dangerous Goods)に定められている気密試験、落下強度試験、水圧強度試験及び積み重ね試験の各判定基準に適合していなければならない。しかしながら、オープン型ドラム缶はその天蓋が開閉可能であるから、特にその落下強度試験や水圧強度試験の判定基準に適合した性能を満たすには、オープン型ドラム缶には通常の密閉型ドラム缶とは異なる工夫が要求される。
具体的には、上述の性能を左右する要因として、天蓋及び胴体の胴体カールの耐圧強度や、胴体カールに対して天蓋の蓋カールを締結するバンドの締結強度、そして、胴体カールと蓋カールとの間に挟み込まれるガスケットのシール性能等が考えられるが、これら要因のなかでも、天蓋は大形部品であって、その受圧面積が広いことから、特に、天蓋にはその耐圧強度の増加が望まれている。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、天蓋の形状を工夫するだけで、その耐圧強度を容易に増加させることができ、UN規格を満たすうえで好適した液体危険物用オープン型ドラム缶を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の液体危険物用オープン型ドラム缶は、円筒状をなした中空の外周部に胴体カールを有した胴体と、胴体の下端開口を閉塞する地板と、胴体の上端開口に開閉可能に装着され、上端開口を閉塞する天蓋とを備え、天蓋は、蓋本体と、この蓋本体の外周部に設けられ、胴体カールにガスケットを介して嵌め合わせられる蓋カールを有した蓋リムとを更に備え、蓋リムはその横断面でみて、蓋カールと蓋本体との間において胴体と線接触可能な当接部を有する(請求項1)。
また、蓋本体はその外周に沿って延びる環状のビードを有する(請求項2)。
具体的には、ビードは略円弧形状の横断面を有し(請求項3)、ビードは蓋本体の外周縁に形成され、蓋本体から蓋リムにかけて滑らかに連なる円弧部を有する(請求項4)。
好ましくは、蓋リム及びビードは天蓋を絞り成形して形成され(請求項5)、天蓋の絞り深さは、蓋カールの外頂部からビードの裏頂部までの距離でみて20〜40mmであり(請求項6)、更に好ましくは、この絞り深さは25〜36mmである(請求項7)。
好ましくは、円弧部の外表面の曲率半径はその横断面でみて3〜7mmであり(請求項8)、ビードの高さは3〜7mmであり(請求項9)、蓋カールの内表面の曲率半径はその横断面でみて5〜7mmである(請求項10)。
請求項1〜10の液体危険物用オープン型ドラム缶によれば、蓋リムはその横断面でみて、蓋カールと蓋本体との間において胴体と線接触可能な当接部を有するように天蓋の形状を変更するだけで、蓋本体の膨出による変形量を抑制でき、ひいては蓋本体における皺の伝播を抑制でき、天蓋の耐圧強度が増加することから、UN規格に容易に適合したオープン型ドラム缶の提供が可能となる。
第1実施例のオープン型ドラム缶の正面図である。 図1中のII部の断面図である。 図1中のIII部の断面図である。 図1の締結バンドの詳細を示す斜視図である。 図4の一部を示す斜視図である。 図1の天蓋を示した平面図である。 図6の天蓋の一部を示す断面図である。 図3に示す胴体カールの拡大図である。 落下強度試験の方法を(a)の対角落下の場合と、(b)の水平落下の場合とで示す図である。 水圧強度試験の方法を示す図である。 天蓋の変形を第1実施例の場合の(a0)の初期状態と、(a1)の水圧強度試験時とで示し、比較例1〜4の場合のそれぞれ(b0)〜(e0)の初期状態と、(b1)〜(e1)の水圧強度試験時とで示す断面図である。
図1〜図8は第1実施例の液体危険物用オープン型ドラム缶を示す。
図1から明らかなようにオープン型ドラム缶は、円筒状をなした中空の胴体2と、この胴体2の下端開口を閉塞する地板4と、胴体2の上端開口に締結ハンド6を介して開閉可能に装着され、上端開口を閉塞する円形の天蓋8とを備える。なお、胴体2には2本の輪帯10が形成されており、これら輪帯10は上下方向に所定の間隔を存して配置されている。
図2に示されているように、胴体2の下端縁と地板4の外周縁とは充填剤(図示しない)を介在させた状態で巻締めにより相互に接合され、いわゆるチャイム12を形成している。これに対し、図3に示されるように胴体2の上端縁は外側に突出するフランジ状の胴体カール14として形成され、そして、天蓋8の外周縁もまた外側に突出するフランジ状の蓋カール16として形成されている。蓋カール16は胴体カール14よりも大きく、天蓋8が胴体2の上端開口に装着されたとき、その蓋カール16はガスケット18を介して胴体カール14に被せられる。なお、ガスケット18は白スポンジ、EPDM等からなり、蓋カール16の内側に貼付けられている。
一方、図4及び図5に示されているように、締結バンド6は、リング形状のバンド本体20を備え、このバンド本体20は一カ所に切れ目を有するとともに略U字形状の横断面を有する。バンド本体20には一対のS字金具22がその両端にそれぞれ位置して取り付けられており、これらS字金具22はパイプ状のボルト挿通部24を有する。
図3から明らかなように、胴体2の上端開口に天蓋8が装着された後、上述の締結バンド6はそのバンド本体20内に胴体カール14及び蓋カール16を包み込むようにして取り付けられる。そして、図4に示されている締結ボルト26bが一対のS字金具22のボルト挿通部24にそれぞれ挿通され、この締結ボルト26bとナット26nとの間にて一対のS字金具22を締付け、バンド本体20を縮径させれば、締結バンド6は胴体2の上端開口、即ち、その胴体カール14に対しガスケット18を介して天蓋8の蓋カール16を締結することができる。逆に、一対のS字金具22から締結ボルト26bを抜き取り、そして、締結バンド6のバンド本体20を胴体カール14及び蓋カール16から取り外せば、胴体2に対して天蓋8を開くことができる。
なお、胴体2、地板4及び天蓋8の内外面には必要に応じ、脱脂処理、化成処理(ボンデ処理)及び水洗処理等の工程を経て所定の皮膜が形成され、更には、皮膜の上に所望の塗装が施されている。具体的には、胴体2、地板4及び天蓋8の外面はすべて塗装する一方、胴体2、地板4及び天蓋8の内面は化成処理(ボンデ処理)のまま塗装しないことが多いが、塗装する場合もある。
図6は天蓋8の平面図、図7は天蓋8の一部の断面図を示し、これら図6及び図7を参照して、天蓋8の詳細を以下に示す。
天蓋8は、蓋本体28と、この蓋本体28の外周縁に設けられた蓋リム30とからなる。この蓋リム30は蓋本体28から垂直方向、つまり、胴体2の軸線方向に立ち上がり、その上端に前述した蓋カール16を有する。
蓋本体28の外周縁には環状のビード32が形成されており、このビード32は蓋本体28の周方向全域に亘って延び、蓋リム30と同心の環状をなす。
図7から明らかなように、ビード32は天蓋8の内径φi1及び外径φo1の範囲に、幅Wb、蓋本体28の裏面からのビード32の裏頂部までの距離、即ち、その高さHbを有して形成され、蓋本体28の外表面から裏面側に向けて凹み、内側及び外側の外表面がそれぞれ曲率半径R1、R2となる略円弧形状の横断面を有している。ビード32は、蓋本体28とは外表面が曲率半径R3の円弧部34において滑らかに連なり、蓋リム30とは外表面が上述した曲率半径R2の円弧部36において滑らかに連なっている。
蓋リム30及びビード32は天蓋8を例えばプレス機による深絞り加工や、スピニング機によるへら絞り加工によって一括に絞り成形して形成される。蓋カール16の外頂部からビード32の裏頂部までの距離でみた天蓋8の絞り深さH1は、20〜40mm程度の範囲から選択され、更に好ましくは25〜36mmの範囲から選択される。また、円弧部36の曲率半径R2は3〜7mm程度の範囲から選択され、ビード32の高さHbは3〜7mm程度の範囲から選択される。
また、蓋カール16は天蓋8の内径φi2及び外径φo2の範囲に、高さH2を有して形成され、蓋カール16の横断面でみて内側及び外側の内表面がそれぞれ曲率半径R4、R5となり、曲率半径R4、R5は5〜7mm程度の範囲から選択される。
このように、蓋リム30はその横断面でみて、蓋カール16と蓋本体28との間において蓋カール16と円弧部36とを除いた範囲に締結バンド6を締結したとき胴体2と線接触可能な当接部38を有して形成されている。
本実施例の場合、天蓋8の厚さT、天蓋の絞り深さH1は、それぞれ1.2mm、34mmであり、ビード32の内径φi1、外径φo1、幅Wb、高さHb、曲率半径R1、R2、R3は、それぞれ543.6mm、562.2mm、10.5mm、5.5mm、2.8mm、3.8mm、3.2mmであり、蓋カールの内径φi2、外径φo2、高さH2、曲率半径R4、R5は、それぞれ563.3mm、591.0mm、13.5mm、6.5mm、6.0mmである。
図8は胴体2の胴体カール14を拡大して示し、胴体カール14の先端と胴体2の外周面との間には所定の間隙Aが確保されており、本実施例の場合、間隙AはA1(=約3mm)である。なお、図8中に示す胴体カール14の高さH3及び幅Wc、そして、胴体カール14を形成する外面の曲率半径R6のそれぞれは適宜所定の値に設定される。
更に、第1実施例の場合、図6に示されているように天蓋8の蓋本体28には注入口金40及び排気口金42が設けられており、これら口金40,42はビード32よりも内側で且つ蓋本体28の直径方向に所定の間隔を存して位置付けられている。
図9は落下強度の試験方法を示す。
ここでの試験では、200Lの98%以上の水を充填したオープン型ドラム缶ODを高さ1.2mから落下させても、ドラム缶ODから水漏れしないことが要求される。図9(a)は、締結バンド6のS字金具22を衝撃点とする対角落下試験を示し、図9(b)は胴体2の溶接部を衝撃点とする水平落下試験を示す。なお、締結バンド6はそのS字金具22が胴体2に対し、その溶接部と直径方向でみて反対側に位置すべく取り付けられている。
上述した第1実施例の天蓋8を備える幾つかのオープン型ドラム缶に対して落下強度試験を実施し、何れのドラム缶であっても水漏れの無いことが確認されている。
図10は水圧強度の試験方法を示す。
ここでの試験では、200Lの98%以上の水を充填したオープン型ドラム缶ODをその締結バンド6のS字金具22を下にした状態で試験台上に水平に配置し、そして、ドラム缶OD内を0.1MPaの加圧状態で5分間維持し、この間、ドラム缶ODから水漏れしないことが要求される。
ここでも、上述の第1実施例の天蓋8を備える幾つかのオープン型ドラム缶に対して水圧強度試験を実施し、何れのドラム缶であっても水漏れの無いがことが確認されている。
図11は、オープン型ドラム缶に対し、水圧強度試験(水圧=0.10MPa)が実施されたときの天蓋8の変形をその一部の断面図にて示し、図11中、(a0)及び(a1)は第1実施例のオープン型ドラム缶の場合、(b0)及び(b1)〜(e0)及び(e1)はそれぞれ比較列1〜4のオープン型ドラム缶の場合であって、この結果はFEMシミュレーションから得られたものである。
(a0)及び(a1)の第1実施例の場合には、上述したように、天蓋8の絞り深さH1、ビードの高さHb、蓋カール16の外頂部から蓋本体28の外表面までの距離でみた天蓋8の絞り深さH4(=H1−Hb)は、それぞれ34mm、5.5mm、28.5mmである。(a0)の初期状態には、上述したように横断面でみて線接触となる当接部38が存在する。そして、(a1)の水圧強度試験時には蓋カール16の変形やずれはほとんど認められず、蓋リム30は胴体2と少なくとも横断面でみて点接触し、好ましくは線接触を維持しており、天蓋8は蓋本体28がドラム缶内側から変形量Daで膨出する方向に変形している。
次に、(b0)及び(b1)の比較例1の従来の場合には、第1実施例の場合に比して天蓋8の絞り深さH1が小さいものの、ビード32の高さHbを含めた他の寸法は第1実施例の場合と同じであり、H1、Hb、H4は、それぞれ17mm、5.5mm、11.5mmである。(b0)の初期状態には、蓋リム30は胴体2と離間しているか、或いは、締結バンド6の締結状態によって蓋リム30は胴体2と横断面でみて点接触することはあっても線接触となる当接部38は存在しない。そして、(b1)の水圧強度試験時には蓋リム30は胴体2と完全に離間してほとんど変形しないものの、蓋カール16が大きく変形し、ひいては胴体カール14に対する蓋カール16のずれが生じ、天蓋8は蓋本体28が第1実施例の場合よりも大きな変形量Dbで膨出して変形している。
次に、(c0)及び(c1)の比較例2の場合には、ビード32を有しないものの、他の寸法は第1実施例の場合と同じであり、H4は28.5mmである。(c0)の初期状態には線接触となる当接部38が存在し、(c1)の水圧強度試験時には蓋カール16の変形やずれはほとんど認められないものの、蓋リム30は胴体2と完全に離間し、その離間方向に大きく湾曲変形し、その結果、天蓋8は蓋本体28が第1実施例の場合よりも大きな変形量Dcで膨出して変形している。
次に、(d0)及び(d1)の比較例3の場合には、天蓋8の絞り深さH1が第1実施例の場合に比して大幅に大きいものの、ビード32の高さHbを含めた他の寸法は第1実施例の場合と同じであり、H1、Hb、H4は、それぞれ45.5mm、5.5mm、51mmである。(d0)の初期状態には第1実施例よりも広域に亘って線接触となる当接部38が存在し、(d1)の水圧強度試験時には蓋カール16の変形やずれはほとんど認められず、蓋リム30は胴体2と依然として線接触を維持しており、天蓋8は蓋本体28が第1実施例の場合とほぼ同じとなる変形量Ddで膨出して変形している。
次に、(e0)及び(e1)の比較例4の場合には、天蓋8の絞り深さH1及びビードの高さHbが第1実施例の場合に比して大幅に大きいものの、天蓋8の絞り深さH4を含めた他の寸法は第1実施例の場合と同じであり、H1、Hb、H4は、それぞれ39.5mm、11mm、28mmである。(e0)の初期状態には蓋カール16の変形やずれはほとんど認められず、第1実施例よりも広域に亘って線接触となる当接部38が存在し、(e1)の水圧強度試験時には蓋リム30は胴体2と依然として線接触を維持しており、天蓋8は蓋本体28が第1実施例の場合よりも若干小さい変形量Deで膨出して変形している。
このシミュレーション結果から明らかなように、第1実施例のオープン型ドラム缶は、蓋リム30に蓋カール16と蓋本体28との間において胴体2と線接触可能な当接部38を有することにより、従来の比較例1の場合に比して、横断面でみた蓋リム30の長さが必然的に長くなる。従って、水圧強度試験時には蓋リム30は胴体2と少なくとも横断面でみて点接触し、好ましくは線接触を維持するため、胴体2が押さえとなって蓋リム30の湾曲変形を極力小さく抑制することができる。
また、蓋リム30の長さが長くなることにより、比較例1の場合に比して、蓋本体28の膨出によって蓋カール16に作用する回転モーメントを小さくすることができる。
しかも、蓋リム30がその若干の湾曲変形を許容して蓋カール16に作用する力を抑制する緩衝部の役割を担うため、蓋カール16の変形や胴体カール14に対する蓋カール16のずれを抑制することができ、ひいては蓋本体28の膨出による変形量を抑制することができる。従って、当接部38を有するように天蓋8の形状を変更するだけで、蓋本体28の膨出による変形量を抑制でき、ひいては蓋本体28における皺の伝播を抑制でき、天蓋8の耐圧強度が増加することから、UN規格に容易に適合したオープン型ドラム缶の提供が可能となる。
更に、第1実施例のオープン型ドラム缶は、蓋本体28にその外周に沿って延びる環状のビード32を有することにより、比較例2の場合に比して、ビード32がその若干の変形を許容して蓋リム30、ひいては蓋カール16に作用する力を抑制する緩衝部の役割を担うため、蓋リム30及び蓋カール16の変形や胴体カール14に対する蓋カール16のずれを更に効果的に抑制することができる。
しかも、蓋本体28の膨出による変形に伴う蓋本体28における皺の伝播をビード32で遮断することができることから、天蓋8の耐圧強度が更に増加する。
更にまた、ビード32は略円弧形状の横断面を有し、蓋本体28の外周縁に形成され、蓋本体28から蓋リム30にかけて滑らかに連なる円弧部34、36を有することにより、ビード32がその若干の変形を更に効果的に許容可能となる。従って、ビード32は蓋リム30、ひいては蓋カール16に作用する力を抑制する緩衝部として更に効果的に機能し、蓋リム30及び蓋カール16の変形や胴体カール14に対する蓋カール16のずれを更に効果的に抑制することができ、ひいては蓋本体28の膨出による変形量を更に効果的に抑制することができる。
また、蓋リム30及びビード32は天蓋8を例えばプレス機による深絞り加工や、スピニング機によるへら絞り加工によって一括に絞り成形して形成されることから、オープン型ドラム缶の生産性を向上しながらUN規格に容易に適合させることができる。
更に、天蓋8の絞り深さH1は、20〜40mm程度の範囲から選択され、更に好ましくは25〜36mmの範囲から選択され、第1実施例の場合には34mmとされる。一方、比較例3の場合には絞り深さH1=45.5mmであって第1実施例の場合よりも蓋リム30の長さが長いため、天蓋8が深絞り加工前の径が大きくなり、天蓋8の材料寸法、材料費が増大するものの、上述したように、天蓋8は蓋本体28が第1実施例の場合の変形量Daとほぼ同じ変形量Ddで膨出変形する。
一方、ビード32の高さHbは3〜7mmの範囲から選択され、第1実施例の場合には5.5mmとされる。一方、比較例4の場合にはビード32の高さHb=11mmであって第1実施例の場合よりも大きいため、比較例3の場合と同様に天蓋8の深絞り加工前の径が大きくなり、天蓋8の材料寸法、材料費が増大するが、上述したように、天蓋8は蓋本体28が第1実施例の場合の変形量Daよりも若干小さい変形量Ddで膨出変形する。
このように、比較例3及び4の場合には天蓋8の変形量を第1実施例の場合と同じか、或いはそれよりも若干小さくすることができるものの、第1実施例の場合に比して天蓋8が大形化し、その材料費が増大することから、その費用対効果に鑑みると、第1実施例のオープン型ドラム缶でもUN規格に適合可能であるため、絞り深さH1=34mm、ビード32の高さHb=5.5mmとすれば、少なくとも比較例3及び4の場合に比して天蓋8の材料費を低減しながら、オープン型ドラム缶をUN規格に容易に適合させることができる。
更にまた、円弧部36の外表面の曲率半径はその横断面でみて3〜7mmから選択され、第1実施例の場合には3.8mmとされるが、これは第1実施例のオープン型ドラム缶において上述した絞り深さH1、ビード32の高さHbが選択される場合に最適な値であることが上記シミュレーション結果から判明している。
また、蓋カール16の内表面の曲率半径はその横断面でみて3〜7mmから選択され、第1実施例の場合には3.8mmとされるが、これにより、蓋カール16の径は従来に比して小さくなっている。蓋カール16の径を小さくすることにより、蓋本体28と蓋カール16の巻き込み先端部との距離を短くすることができ、蓋本体28の膨出によって蓋カール16の特に上記巻き込み先端部に作用する回転モーメントを小さくすることができるため、蓋カール16の変形や胴体カール14に対する蓋カール16のずれを更に効果的に抑制することができる。
本発明は上述の実施例及び変形例にも制約されるものではなく、更に種々の変形が可能である。
具体的には、ビード32は蓋本体28の外周縁に限らず、少なくとも蓋本体28の外周に沿って延びる環状2をなしていれば良く、複数設けても良い。
また、本発明は前述した口金40,42を備えない天蓋や、また、ステンレス製のオープン型ドラム缶等の天蓋にも同様に適用可能である。
2 胴体
4 地板
8 天蓋
14 胴体カール
16 蓋カール
18 ガスケット
28 蓋本体
30 蓋リム
32 ビード
34 円弧部
36 円弧部
38 当接部

Claims (10)

  1. 円筒状をなした中空の外周部に胴体カールを有した胴体と、
    前記胴体の下端開口を閉塞する地板と、
    前記胴体の上端開口に開閉可能に装着され、前記上端開口を閉塞する天蓋と
    を備え、
    前記天蓋は、蓋本体と、この蓋本体の外周部に設けられ、前記胴体カールにガスケットを介して嵌め合わせられる蓋カールを有した蓋リムとを更に備え、
    前記蓋リムはその横断面でみて、前記蓋カールと前記蓋本体との間において前記胴体と線接触可能な当接部を有することを特徴とする液体危険物用オープン型ドラム缶。
  2. 前記蓋本体はその外周に沿って延びる環状のビードを有することを特徴とする請求項1に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  3. 前記ビードは略円弧形状の横断面を有することを特徴とする請求項2に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  4. 前記ビードは、前記蓋本体の外周縁に形成され、前記蓋本体から前記蓋リムにかけて滑らかに連なる円弧部を有することを特徴とする請求項3に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  5. 前記蓋リム及び前記ビードは前記天蓋を絞り成形して形成されることを特徴とする請求項4に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  6. 前記天蓋の絞り深さは、前記蓋カールの外頂部から前記ビードの裏頂部までの距離でみて20〜40mmであることを特徴とする請求項5に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  7. 前記絞り深さは25〜36mmであることを特徴とする請求項6に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  8. 前記円弧部の外表面の曲率半径はその横断面でみて3〜7mmであることを特徴とする請求項6または7に記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  9. 前記ビードの高さは3〜7mmであることを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
  10. 前記蓋カールの内表面の曲率半径はその横断面でみて5〜7mmであることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の液体危険物用オープン型ドラム缶。
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