JP2009255290A - 油圧式トルクレンチの打撃トルク調節装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】打撃トルクの発生時に高圧室H及び低圧室Lとなるライナー7の内部を連通する作動油流路11bを形成し、作動油流路11bに作動油流路11bを開放する方向に付勢された弁体11dを配設するとともに、弁体11dの後背部に打撃トルクの発生時に高圧室Hとなるライナー7の内部と連通する油室11eを形成し、高圧室Hの作動油の圧力の上昇に応じて、作動油流路11bが小さくなるようにする。
【選択図】図2
Description
図6及び図7は、この油圧式トルクレンチの一例を示したもので、油圧式トルクレンチ1は、高圧空気の供給、停止を行うメインバルブ2と正逆回転の打撃トルクを選択的に発生させるための正逆回転切換バルブ3を有し、両バルブ2、3を介して送気される高圧空気により回転トルクを発生するロータ4を駆動するようにし、そして、ロータ4の回転トルクを打撃トルクに変換する油圧式の打撃トルク発生装置5を油圧式トルクレンチ1のケース6内に設けるようにしている。
油圧式の打撃トルク発生装置5は、ロータ4によって回転されるライナー7に形成した空洞内に作動油を充填、密閉し、ライナー7内に同軸に嵌挿した主軸8に2個(1個又は3個以上の複数個の場合もある。)の羽根挿入溝を設け、羽根挿入溝内に羽根9を嵌挿し、羽根9をばね10にて常時主軸8の外周方向に付勢してライナー7の内周面に当接するように構成する。
また、打撃トルク発生装置5には、発生する打撃トルクの大きさを調節できるように、出力調節機構11が配設されている。
そして、ロータ4によりライナー7を回転駆動することにより、ライナー7の内周面に形成した複数個のシール面と主軸8の外周面に形成したシール面及び羽根9とが合致したとき、主軸8に打撃トルクを発生させ、主軸8の先端に係合したナット等を締め付け又は緩めるものである。
しかしながら、操作軸を操作することにより調節される作動油流路の大きさは、油圧式トルクレンチの動作中は一定(固定)のため、以下(1)〜(4)の問題が生じていた。
(1)実際に発生する打撃トルクの大きさと設定した打撃トルクの大きさとの誤差が大きい。
(2)締付動作の開始時(締付部材の着座時)に異常な高い打撃トルクが発生しやすい。
(3)打撃トルク発生後(パルス発生後)の抵抗が大きく、打撃トルクの発生周期が長い。
(4)シール部への負荷圧力がかかりやすく耐久性が乏しい。
本実施例の油圧式トルクレンチ1は、特許文献2に開示された従来の油圧式トルクレンチと同様、磁歪式トルク検出機構12を備え、この磁歪式トルク検出機構12の出力によってロータ4の駆動等を制御するようにしたもので、高圧空気の供給、停止を行うメインバルブ2と正逆回転の打撃トルクを選択的に発生させるための正逆回転切換バルブ3を有し、両バルブ2、3を介して送気される高圧空気により回転トルクを発生するロータ4を駆動するようにし、そして、ロータ4の回転トルクを打撃トルクに変換する油圧式の打撃トルク発生装置5を油圧式トルクレンチ1のケース6内に設けるようにしている。
油圧式の打撃トルク発生装置5は、ロータ4によって回転されるライナー7に形成した空洞内に作動油を充填、密閉し、ライナー7内に同軸に嵌挿した主軸8に2個(1個又は3個以上の複数個の場合もある。)の羽根挿入溝を設け、羽根挿入溝内に羽根9を嵌挿し、羽根9をばね10にて常時主軸8の外周方向に付勢してライナー7の内周面に当接するように構成する。
また、打撃トルク発生装置5には、発生する打撃トルクの大きさを調節できるように、出力調節機構11が配設されている。
そして、ロータ4によりライナー7を回転駆動することにより、ライナー7の内周面に形成した複数個のシール面と主軸8の外周面に形成したシール面及び羽根9とが合致したとき、主軸8に打撃トルクを発生させ、主軸8の先端に係合したナット等を締め付け又は緩めるものである。
(1)締付状態に応じて高圧室Hとなるライナー7の内部の作動油の圧力を正確にコントロールすることができることから、実際に発生する打撃トルクの大きさと設定した打撃トルクの大きさとの誤差が、従来例:Δt1>本実施例:Δt2となり、打撃トルクの大きさの精度を高くすることができる。
(2)締付動作の開始時(締付部材の着座時)は、作動油流路11bが大きくなる(絞られていない)ことから、従来例のような異常な高い打撃トルクtxが発生しない。
(3)打撃トルク発生後(パルス発生後)に、作動油流路11bが大きくなる(絞られていない)ことから、打撃トルク発生後(パルス発生後)の抵抗が小さく、打撃トルクの発生周期が、従来例:T1>本実施例:T2となり、締付に要する作業時間を短縮することができる。
(4)締付状態に応じて高圧室Hとなるライナー7の内部の作動油の圧力を正確にコントロールすることができることから、従来例のようなシール部への負荷圧力がかかりにくく、打撃トルク発生装置5の耐久性を向上することができる。
本実施例の油圧式トルクレンチ1は、ロータ4の駆動等の制御を、上記第1実施例の磁歪式トルク検出機構12等のトルク検出機構の出力によって行うようにすることに代えて、特許文献1や図7に開示された従来の油圧式トルクレンチと同様、出力調節機構11にリリーフバルブBを配設し、締付動作が進行して高圧室Hの作動油の圧力(打撃トルク)が設定した大きさに達したときに、リリーフバルブBが開放され、作動油の圧力をシャットオフバルブ機構13に伝達することによって行うようにしたものである。
この方式の油圧式トルクレンチ1の場合、出力調節機構11に弁体11dを組み込むことができないため、ライナー7に、出力調節機構11とは別に、弁体14dを配設するようにする。
本実施例の油圧式トルクレンチ1は、第2実施例と同様に、出力調節機構11(詳細は図4参照)にリリーフバルブを配設し、締付動作が進行して高圧室Hの作動油の圧力(打撃トルク)が設定した大きさに達したときに、リリーフバルブが開放され、作動油の圧力をシャットオフバルブ機構13(図7参照)に伝達することによって行うようにしている。
この方式の油圧式トルクレンチ1の場合、出力調節機構11に弁体を組み込むことができないため、ライナー7に、出力調節機構11とは別に、弁体15dを配設する。
各弁体15dの後背部には、打撃トルクの発生時に高圧室Hとなるライナー7の内部と連通する油室15eが形成されており、締付動作の進行に従って高圧室Hの作動油の圧力が上昇すると、各弁体15dが近接する方向に移動し、高圧室Hの作動油の圧力の上昇に応じて作動油流路15bが小さくなる(絞られる)。
2 メインバルブ
3 正逆回転切換バルブ
4 ロータ
5 打撃トルク発生装置
6 ケース
7 ライナー
8 主軸
9 羽根
10 ばね
11 出力調節機構
11a 操作軸
11b 作動油流路
11c ばね
11d 弁体
11e 油室
12 磁歪式トルク検出機構
13 シャットオフバルブ機構
14b 作動油流路
14c ばね
14d 弁体
14e 油室
15b 作動油流路
15c ばね
15d 弁体
15e 油室
B リリーフバルブ
H 高圧室
L 低圧室
Claims (2)
- ロータにより回転されるライナーと、該ライナーの内部に配設した主軸及び羽根とからなる油圧式トルクレンチの打撃トルク調節装置において、打撃トルクの発生時に高圧室及び低圧室となるライナーの内部を連通する作動油流路を形成し、該作動油流路に作動油流路を開放する方向に付勢された弁体を配設するとともに、該弁体の後背部に打撃トルクの発生時に高圧室となるライナーの内部と連通する油室を形成し、前記高圧室の作動油の圧力の上昇に応じて、前記作動油流路が小さくなるようにしたことを特徴とする油圧式トルクレンチの打撃トルク調節装置。
- 打撃トルクの大きさを調節する出力調節機構に前記弁体を組み込んでなることを特徴とする請求項1記載の油圧式トルクレンチの打撃トルク調節装置。
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