JP2009253170A - 熱伝導部材および電子機器 - Google Patents

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Masaaki Tozawa
正章 戸澤
Shinji Ikeda
伸二 池田
Mitsuhiro Watanabe
充広 渡辺
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OTSUKA DENKI KK
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Abstract

【課題】グラファイトシートを用いた熱伝導部材において、グラファイト粉の飛散を防止することができ、しかも、製造が容易で、薄型化および熱伝導率の向上も図ることができる熱伝導部材、およびそれを用いた電子機器を提供する。
【解決手段】面方向に高い熱伝導性を有するグラファイトシートからなる熱伝導体部11を備えた熱伝導部材であって、熱伝導体部11の少なくとも周縁部を覆うように金属めっき被膜12が形成されている熱伝導部材10、およびそのような熱伝導部材10を具備する電子機器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器の発熱体の冷却システム、放熱システム等に使用される熱伝導部材、およびそれを用いた電子機器に関する。
ノート型パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオ等に代表される電子機器は、各種機能や処理能力等が急速に向上している。それに伴って、CPU等として用いられる半導体素子をはじめとする電子部品からの発熱量は増加する傾向にある。このため、半導体素子等の動作特性や信頼性等を保つ上で、効率的な冷却システム、放熱システムが求められている。
高発熱型の半導体素子等を内蔵する電子機器では、従来から種々の冷却システム、放熱システムが用いられている。その代表的なものとしては、電子部品自体に冷却ファン、冷却フィン、ペルチェ素子(冷却素子)等を装着して冷却する方法、電子機器本体に放熱用のファンを取り付けて、機器本体内部の熱を排気する方法が挙げられる。しかしながら、携帯型の電子機器等においては機器本体の小型化に伴って、電子部品自体に冷却ファンや冷却フィン等を取り付けるスペースを確保することが困難になっている。また、放熱用ファンにより電子機器本体内部の熱を排気するだけでは、半導体素子等を効率よく冷却することはできない。
そこで、電子機器内部の半導体素子等の発熱体と、電子機器の筐体外壁に取り付けた放熱用ファンやフィン等の放熱装置とをヒートパイプのような熱伝導部材で熱的に結合することによって、放熱システムの省スペース化を図ったうえで、半導体素子等の冷却効率を高めることが検討され、一部で既に実用化されている(例えば、特許文献1、2等参照。)。また、熱伝導体として、グラファイトシートを使用することも検討されている(例えば、特許文献2、3等参照。)。
ところで、ヒートパイプは、重量が重いうえ、曲げ箇所に構造的な制約があるため、携帯型電子機器に内蔵する際の設置スペースの点で問題がある。これに対し、グラファイトシートは、熱拡散性に優れるうえ、軽量で、設置スペースの制約も少ないことから、小型・省スペース化が進められている携帯型電子機器等に内蔵された発熱体が発生した熱を速やかに拡散して放熱装置まで伝導する熱伝導体として期待されている。
しかしながら、グラファイトは本質的に脆い材料であり、その端面(特に、切断端面)からグラファイトの粉が脱落し、電子機器内の回路をショートさせるおそれがあった。この問題に対し、グラファイトシートの両主面に金属シートもしくは樹脂シートを積層し、それらをグラファイトシートの端面より突出させて貼り合わせることにより端面を封止するなどの方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、金属シートや樹脂シートのグラファイトシートへの接合には接着剤の使用が不可欠であり、製造工程が煩雑であるうえに、接着剤や樹脂シートが薄型化や熱伝導性向上の障害となるという問題があった。このため、グラファイトシートを用いた熱伝導部材において、端面からのグラファイト粉の脱落を確実に防止することができ、しかも、製造が容易で、薄型化および熱伝導性の向上も図ることができる熱伝導部材が求められている。
特開平8−204373号公報 特開2000−82888号公報 特開2003−188323号公報 特開2006−165482号公報
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、グラファイトシートを用いた熱伝導部材において、端面からのグラファイト粉の脱落を確実に防止することができ、しかも、製造が容易で、従来のように薄型化や熱伝導性の向上が困難になることもない熱伝導部材、並びに、そのような熱伝導部材を用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明の熱伝導部材は、面方向に高い熱伝導性を有するグラファイトシートからなる熱伝導体部を備えた熱伝導部材であって、前記熱伝導体部の少なくとも周縁部を覆うように金属めっき被膜が形成されていることを特徴とするとするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の熱伝導部材において、前記熱伝導体部の一方の主面が樹脂層またはゴム層により被覆されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の熱伝導部材において、前記熱伝導体部の一方の主面が絶縁層で覆われ、他方の主面が前記金属めっき被膜によって覆われていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の熱伝導部材において、前記熱伝導体部の表面全体が前記金属めっき被膜によって覆われていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の熱伝導部材において、前記金属めっき被膜が、銅、ニッケル、金、銀、スズ、クロム、亜鉛およびパラジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属、または前記金属を1種以上含む合金からなることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の熱伝導部材において、前記金属めっき被膜の膜厚が、0.00001〜1mmであることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の熱伝導部材において、前記グラファイトシートは、面方向の熱伝導率が100W/m・K以上の天然グラファイトシートであることを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本願の請求項8に記載の発明の電子機器は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の熱伝導部材を具備することを特徴とするものである。
本発明によれば、グラファイトシートを用いた熱伝導部材において、端面からのグラファイト粉の脱落を確実に防止することができ、しかも、製造が容易で、従来のように薄型化や熱伝導性の向上が困難になることもない熱伝導部材、並びに、そのような熱伝導部材を備えた電子機器を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、説明は図面に基づいて行うが、それらの図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。
図1は本発明の熱伝導部材の第1の実施形態を概略的に示す図で、図1(a)は斜視図、図1(b)はその断面構造を示す図である。
図1において、本実施形態の熱伝導部材10は、例えば電子機器の発熱体の冷却のための熱伝導部材等として好適なものであり、面方向に高い熱伝導性を有するグラファイトシートを所定の形状に加工成形してなる熱伝導体部11と、その表面全体に形成された金属めっき被膜12とを備えている。すなわち、熱伝導体部11の表面全体が金属めっき被膜12によって覆われている。
熱伝導体部11を構成するグラファイトシートは、グラファイト結晶がその面方向を揃えて積層された層状構造を有するもので、その構造故に熱伝導性に異方性を有し、面方向(層方向)の熱伝導率が100W/m・K以上、さらには200W/m・K以上といった高い熱伝導性を有している。
このようなグラファイトシートは、例えばフレーク状グラファイトを圧延ローラやプレス成形機等で加圧成形したり、フレーク状グラファイトを押出成形したり、あるいは無定形炭素を加熱しつつ加圧成形もしくは押出成形することによって得ることができる。また、例えば芳香族ポリイミドフィルムのような高分子フィルムを不活性ガス雰囲気中で数千℃の温度で熱処理することによっても得ることができる。
熱伝導体部11を構成するグラファイトシートの厚さやその加工形状は、特に限定されるものではなく、熱伝導部材10の用途や設置箇所、伝熱経路等に応じて適宜設定することができる。但し、厚さについては、あまり厚くすると制約のある場所への設置が困難になり、逆にあまり薄くすると機械的強度が低下することから、0.03〜10mm程度が好ましく、0.25〜2mm程度がより好ましい。
また、このようなグラファイトシートからなる熱伝導体部11の表面全体に形成される金属めっき被膜12としては、めっきが可能で、かつ良好な熱伝導率(例えば、60W/m・K以上)を有する金属もしくは合金であれば特にその種類が限定されるものではない。具体的には、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、パラジウム(Pd)等、およびこれらの金属を1種以上含む合金等が例示される。なかでも、銅およびその合金が好ましく、特に、軟質で、半田により放熱板に容易に固着可能な銅が好ましい。
金属めっき被膜12の厚さは、0.00001〜1mmであることが好ましく、0.002〜0.03mmであることがより好ましい。金属めっき被膜12の厚さが0.00001mm未満では不連金属被膜となりやすく、また、1mmを超えると柔軟性の低下や応力による反り等が発生しやすくなる。
本実施形態の熱伝導部材10は、例えば次のように製造することができる。
図2は本実施形態の熱伝導部材10の製造工程の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、まず、熱伝導体部11となるグラファイトシートを、必要に応じて圧延ローラやプレス機等を用いて圧延もしくは加圧した後、所定の形状に打抜加工する(ステップS1)。圧延ローラやプレス機等による圧延/加圧は、打抜加工の後に行うようにしてもよい。グラファイトシートを圧延/加圧することにより、表面の平滑性を高め、めっき膜の膜厚の均一化を図ることできる。また、グラファイトシートが緻密になることにより、めっき液の内部への浸透が抑制され、めっき速度が向上するとともに、めっき膜の経時劣化を抑制することができる。
次に、打抜加工したグラファイトシートに所要の前処理を行った(ステップS2)後、めっき浴に浸漬し、電気めっきまたは無電解めっきによりグラファイトシートの全表面に金属めっき被膜12を形成する(ステップS3)。
具体的には、電気めっきにより金属めっき被膜12を形成する場合、例えば、まず前処理として脱脂によりグラファイトシート表面を洗浄する。洗浄には、酸溶液を用いることが好ましい。次いで、めっき液に浸漬し、電流および時間をコントロールしながら電気めっきを行う。これにより、グラファイトシート表面に金属めっき被膜12を形成することができる。
めっき液としては、例えば、銅であれば硫酸銅めっき液が使用され、ニッケルであれば硫酸ニッケル液等が使用される。通常、電気めっき後には、密着性を高める目的で、100〜200℃程度の温度で30分〜2時間程度アニールを行う。
また、無電解めっきにより金属めっき被膜12を形成する場合、例えば、まず前処理として脱脂およびコンディショニングによりグラファイトシート表面を洗浄および親水化処理を行う。次に、キャタライジング処理、アクセラレーティング処理、または、センシタイジング処理、アクチベーティング処理を行い、グラファイトシート表面に触媒を付着させる。その後、無電解めっき液に浸漬することにより、金属めっき被膜12を形成することができる。
グラファイトシート表面に付着させる触媒としては、金、銀、パラジウム、ニッケル等を用いることができる。このような触媒をグラファイトシート表面に付着させる工程は、グラファイトシートを、例えば塩化パラジウム、塩化金等の水溶液もしくはコロイド液に浸漬することにより行われる。
また、無電解めっき液としては、例えば、ホルマリンやホスフィン酸塩を還元剤とする銅めっき液;ホスフィン酸塩を還元剤として含むニッケルめっき液、ニッケル−ホウ素合金めっき液、ニッケル−タングステン合金めっき液;ホスフィン酸塩、ヒドラジン、チオ尿素、アスコルビン酸または三酸化チタン等を還元剤として含むシアン化金めっき液等が挙げられる。これらの無電解めっき液は、pH3.5〜12.5に調整される。通常、無電解めっき後には、密着性を高める目的で、100〜200℃程度の温度で30分〜2時間程度アニールを行う。
なお、無電解めっきにより金属めっき被膜12を形成する場合、無電解めっき液のグラファイトシート内部への浸透を抑制する目的で、下地層としてスパッタリング等によりシリコン酸化膜(SiO膜)等の薄膜を形成し、その後、無電解めっきを施すようにしてもよい。これにより、めっき速度を速め、また、めっき膜の経時劣化も抑制することができる。
このようにグラファイトシートの表面に金属めっき被膜12を形成した後、後加工により三次元的な形状を付与する(ステップS4)。これにより図1に示すような熱伝導部材10が得られる。
本実施形態の熱伝導部材10においては、面方向に高い熱伝導率を有するグラファイトシートからなる熱伝導体部11の表面全体に直接金属めっき被膜12が形成されているので、グラファイトシートからのグラファイト粉末の脱落を防止することができる。しかも、従来の金属シートを用いた場合のような接着剤を使用する必要がないため、製造が容易であるとともに、薄型化を図ることができ、また、接着剤による熱伝導性の低下も防止することができる。
次に、本実施形態の熱伝導部材10を用いた放熱構造の例を図面を用いて説明する。
図3〜図7は、それぞれ本実施形態の熱伝導部材10を用いた放熱構造の例を概略的に示す断面図である。図3に示す例は、半導体素子のような発熱体31と、放熱体としての放熱フィン32とを、平板状の熱伝導部材10で結合したものである。ここでは、熱伝導部材10の一方の主面を発熱体31の放熱面と放熱フィン32の受熱面にともに当接させている。図4に示す例は、半導体素子のような発熱体31と、放熱体としての放熱ファンを備えた放熱装置33とを、平板状の熱伝導部材10で結合したものである。図3に示した例と同様、熱伝導部材10の一方の主面を発熱体31の放熱面と放熱ファンを備えた放熱装置33の受熱面にともに当接させている。図5に示す例は、半導体素子のような発熱体31と、電子機器の放熱体を兼ねる筐体34とを、三次元的な形状が付与された熱伝導部材10で結合したものであり、また、図6に示す例は、図5に示した例と同様、三次元的な形状が付与された熱伝導部材10により、発熱体31と放熱板35とを結合したものである。本実施形態の熱伝導部材10は、図7に示すように、放熱板として機能させることもできる。
これらの各放熱構造においては、前述した熱伝導部材10の優れた熱伝導性により、発熱体31で生じた熱を放熱体に効率よく伝熱し放熱することができる。したがって、かかる放熱構造を適用した電子機器のよりいっそうの高密度化や小型薄型化等を図ることができる。
次に、本発明の熱伝導部材の第2の実施形態について説明する。
図8は本発明の熱伝導部材の第2の実施形態の断面構造を概略的に示す図で、図1に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の熱伝導部材20は、面方向に高い熱伝導性を有するグラファイトシートを所定の形状に加工成形してなる熱伝導体部11を有している点では、図1に示す第1の実施形態と同様である。しかしながら、図1に示す第1の実施形態では、熱伝導体部11の表面全体に金属めっき被膜12が形成されているのに対し、本実施形態では、熱伝導体部11の一方の主面に絶縁シート13が接着剤を介して積層され、この絶縁シート13上および熱伝導体部11上を覆うように金属めっき被膜12が形成されている。なお、この場合、金属めっき被膜12は、絶縁シート13上にも形成される必要があることから、無電解めっきにより形成される。
この実施形態の熱伝導部材20は、熱伝導体部11の一方の主面を絶縁性とするものである。電子機器等に配置された部品や部材等から熱伝導部材20を電気的に絶縁して配置する必要がある場合に有用である。絶縁シート13の材料としては、例えばポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂材料や、ネオプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料が挙げられる。絶縁シート13の材料として、熱伝導率の低い材料を使用した場合には、断熱層としても機能させることができる。この場合、その使用形態として、熱伝導部材20の金属めっき被膜12形成側の主面を発熱体の放熱面と放熱体の受熱面にともに当接させる放熱構造を採ることが好ましい。なお、絶縁シート13の厚さは、あまり薄くすると機械的強度や絶縁性が低下してその機能が十分に発揮されないおそれがあり、また、あまり厚くすると設置スペースの増加等を招くことから、数十μm乃至数mm程度が好ましい。
本実施形態の熱伝導部材20においては、熱伝導体部11の一方の主面に絶縁シート13が接着剤によって貼り付けられているため、第1の実施形態に比べ製造工程はやや煩雑になるものの、グラファイトシートからのグラファイト粉末の脱落を防止することができるうえ、他方の主面には直接金属めっき被膜12が形成されているため、従来に比べ、薄型化および熱伝導性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、第2の実施形態では、絶縁シート13上および熱伝導体部11上を覆うように金属めっき被膜12を形成しているが、図9に示す熱伝導部材30のように、熱伝導体部11の周縁部のみに金属めっき被膜12を形成することも可能である。めっき工程がやや煩雑になるものの、グラファイトシートからのグラファイト粉末の脱落を防止することができ、かつ、第2の実施形態に比べ、薄型化および熱伝導性の向上を図ることができる。さらに、図示を省略したが、熱伝導体部11の一方の主面を絶縁性とする必要がない場合には、第2の実施形態においてさらに絶縁シート13を省くことも可能である。めっき工程がやや煩雑になり、取り扱い性も低下するものの、グラファイトシートからのグラファイト粉末の脱落を防止することができ、かつ、いっそうの薄型化および熱伝導性の向上を図ることができる。
次に、本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は、前述したような熱伝導部材を具備したものである。電子機器としては、例えばパーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話、デジタルカメラ、プロジェクタ、デジタルビデオ等が挙げられる。本考案の電子機器は、効率的でかつ小型薄型化に対応可能な放熱システム、冷却システムを備えることができることから、多機能化や性能の向上が図られ、また、小型・薄型化に伴って内部スペースの削減が進められている携帯型電子機器に特に有用である。
次に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1(電解めっきの例)
厚さ1.2mmの天然グラファイトシート(比熱容量0.13J/K・g、比重1.78g/cm、面方向熱伝導率240W/m・K)を圧延ローラに通過させて厚さ1.1mmまで圧延した後、打抜加工により幅60mm、長さ150mmの矩形状のグラファイトシートを作製した。次いで、電解めっきによりその外周面に厚さ約0.005mmの銅被膜を形成した。なお、電解めっきに先立って前処理を行った。電解めっきおよび前処理の各条件は下記の通りである。
[前処理]
酸性クリーナー(奥野製薬工業(株)製 商品名 DP−320クリーン)
温度 30℃
時間 3分
[電解めっき液]
硫酸 200g/L
硫酸銅 100g/L
添加剤(ポリエチレングリコール(PEG)、ビス−3−スルホプロピルサルファイド2ナトリウムド(SPS)、ヤヌスグリーンB(JGB))
[電解めっき条件]
電流密度 1.0A/dm
温度 25℃
時間 20分
[アニール条件]
温度 120℃
時間 1時間
実施例2(無電解めっきの例)
厚さ1.2mmの天然グラファイトシート(比熱容量0.13J/K・g、比重1.78g/cm、面方向熱伝導率240W/m・KK)を圧延ローラに通過させて厚さ1.1mmまで圧延した後、打抜加工により幅60mm、長さ150mmの矩形状のグラファイトシートを作製した。次いで、無電解めっきによりその外周面に厚さ約0.001mmの銅被膜を形成した。なお、無電解めっきに先立って前処理を行った。無電解めっきおよび前処理の各条件は下記の通りである。
[前処理]
脱脂処理、コンディショニング処理、プレディップ処理、キャタライジング処理およびアクセラレーティング処理を順に行う
[無電解めっき液]
硫酸銅 0.03mol/dm
EDTA・4H 0.24mol/dm
2,2’−ビピリジン 0.01g/dm
PEG−1000 0.1g/dm
グリオキシル酸 0.20mol/dm
[無電解めっき条件]
電流密度 pH12.5
温度 60℃
時間 20分
[アニール条件]
温度 120℃
時間 1時間
実施例3
厚さ1.2mmの天然グラファイトシート(比熱容量0.13J/K・g、比重1.78g/cm、面方向熱伝導率240W/m・K)を圧延ローラに通過させて厚さ1.1mmまで圧延した後、打抜加工により幅60mm、長さ150mmの矩形状のグラファイトシートを作製した。次いで、このグラファイトシートに一主面に厚さ50μm、幅63mm、長さ153mmのポリイミドシートを、セルロース系接着剤を介してポリイミドシートの周縁部が各1.5mmずつグラファイトシートから突出積層し一体に圧着した。次いで、無電解めっきによりポリイミドシート上およびグラファイトシート上に厚さ約0.001mmの銅被膜を形成した。なお、無電解めっきに先立って前処理を行った。無電解めっきおよび前処理の各条件は実施例2と同じである。
上記各実施例で得られた熱伝導部材を電子機器内に搭載したが、搭載時はもとよりその後の使用時においても、グラファイト粉の発塵はみられず、それに伴う回路の短絡も生ずることはなかった。また、熱伝導部材として良好な機能を発揮することも確認された。
本発明の熱伝導部材の第1の実施形態を概略的に示す図で、(a)はその外観を示す斜視図であり、(b)はその断面構造を示す断面図である。 第1の実施形態の熱伝導部材の製造工程を説明するフローチャートである。 第1の実施形態の熱伝導部材を用いた放熱構造の一例を示す側面図である。 第1の実施形態の熱伝導部材を用いた放熱構造の他の例を示す側面図である。 第1の実施形態の熱伝導部材を用いた放熱構造の他の例を示す側面図である。 第1の実施形態の熱伝導部材を用いた放熱構造の他の例を示す側面図である。 第1の実施形態の熱伝導部材を用いた放熱構造の他の例を示す側面図である。 本発明の熱伝導部材の第2の実施形態の断面構造を概略的に示す断面図である。 第2の実施形態の熱伝導部材の変形例の断面構造を概略的に示す断面図である。
符号の説明
10,20,30…熱伝導部材、11…熱伝導体部、12…金属めっき被膜、13…絶縁シート、31…発熱体、32…放熱フィン、33…放熱装置、34…筐体、35…放熱板。

Claims (8)

  1. 面方向に高い熱伝導性を有するグラファイトシートからなる熱伝導体部を備えた熱伝導部材であって、
    前記熱伝導体部の少なくとも周縁部を覆うように金属めっき被膜が形成されていることを特徴とする熱伝導部材。
  2. 前記熱伝導体部の一方の主面が樹脂層またはゴム層により被覆されていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導部材。
  3. 前記熱伝導体部の一方の主面が絶縁層で覆われ、他方の主面が前記金属めっき被膜によって覆われていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導部材。
  4. 前記熱伝導体部の表面全体が前記金属めっき被膜によって覆われていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導部材。
  5. 前記金属めっき被膜が、銅、ニッケル、金、銀、スズ、クロム、亜鉛およびパラジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属、または前記金属を1種以上含む合金からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の熱伝導部材。
  6. 前記金属めっき被膜の膜厚が、0.00001〜1mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の熱伝導部材。
  7. 前記グラファイトシートは、面方向の熱伝導率が100W/m・K以上の天然グラファイトシートであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の熱伝導部材。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項記載の熱伝導部材を具備することを特徴とする電子機器。
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