JP2013175525A - セラミックス回路基板の製造方法およびその回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】
耐熱サイクル特性を一段と向上させた半導体搭載用セラミックス回路基板の製造方法およびその回路基板に関する。
【解決手段】
金属回路面、放熱面の少なくとも1面、若しくはその両面にセラミックス基板に達する独立した貫通孔を2つ以上配置している応力緩和部を設けたセラミックス回路基板において、回路形状の直線部分に施した貫通孔が、回路端部から貫通孔端部までの距離(h1)と貫通孔の径(D)との関係において、(0<)h1≦2Dであり、隣接する貫通孔の間隔(h2)が金属厚み<h2<2Dであり、しかも金属回路面の端部形状において、回路端部の接線角度(θ1)、貫通孔内部の接線角度(θ2)がθ2<θ1<90°であるセラミックス回路基板の製造方法及びセラミックス回路基板に関する。
【選択図】 図2

Description

本発明は半導体素子を搭載するセラミックス回路基板およびその製造法に関する。
近年、ロボットやモーター等の産業機器の高性能化に伴い、大電力・高能率インバータ等パワーモジュールの変遷が進んでおり、半導体素子から発生する熱も増加の一途をたどっている。この熱を効率よく放散させるため、パワーモジュールに用いる回路基板は、従来より様々な方法が取られてきた。特に最近、良好な熱伝導を有するセラミックス基板が利用できるようになったため、その基板上に銅板等の金属板を接合し、回路を形成後、Niメッキ、若しくは無めっき状態で防錆剤等の処理を施してから半導体素子を実装する構造も採用されつつある。
このようなモジュールは、当初、簡単な工作機械に使用されてきたが、ここ数年、電車の駆動部、電気自動車に使用されるようになった。そのため、より厳しい環境下における耐久性と更なる小型化が要求されるようになり、同時に複数の半導体素子を搭載することで熱衝撃等に対する耐久性の向上が要求されており、それをセラミックス焼結体の新たな製造研究により対応している。
従来、汎用されている回路基板は、アルミナ基板又は窒化アルミニウム基板や窒化ケイ素基板に銅回路を形成させてなるものであるが、更なる熱衝撃性に対する信頼性を向上させるため、最近では窒化アルミニウム基板にアルミニウム回路を形成させたものも開発されている。
このような回路基板の問題点は、セラミックス基板と金属板の接合時における加熱・冷却ないしは使用時のヒ−トサイクルによって熱応力が発生し、セラミックス基板にクラックが発生したり、金属板が剥離したりして、熱衝撃に対する信頼性が十分でないということであった。これを解消するため、多くの提案がなされている。例えば、表面の金属板の厚みを裏面のそれよりも厚くする(特許文献1)、金属板端部を薄肉形状とする(特許文献2)、金属板外周縁部に溝又は孔を形成する(特許文献3〜6)などである。
特開平4−198070号公報 特公平5−025397号公報 特開平8−250823号公報 特開平8−274423号公報 特開平11−233677号公報 特開平10−084059号公報
このような提案によって、回路基板の信頼性はかなり高められたが、電車の駆動部や電気自動車等のインテリジェントパワーモジュールのように、更なる高信頼性の要求される分野においては、未だ不十分であり、さらに従来のシリコン半導体より、より高温での作動を可能とした炭化ケイ素半導体等の開発により、従来のセラミックス回路基板では回路部分のパターンが剥離したり、場合によってはセラミックス基板にクラックが発生し、絶縁性が確保できない等の問題があった。本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、耐熱サイクル性に優れた高信頼性の回路基板の製造方法およびその回路基板を提供することを目的とするものである。
本発明の製造方法にあっては、セラミックス基板の一方の面に金属回路、他方の面に金属放熱板が設けられてなるものであって、金属回路面、放熱面の少なくとも1面、若しくはその両面にセラミックス基板に達する独立した貫通孔を少なくとも2つ以上配置している応力緩和部を設けたセラミックス回路基板を製造する方法において、不要な部分をエッチング除去するためのマスキングを施す際、回路面及び放熱面と同時に貫通孔該当部の径を金属厚の1.1倍以上から2.1倍以下で製作し、エッチングにより回路面、放熱面の形成と同時に貫通孔の形成をおこなうことを特徴とするものである。
本発明のセラミックス回路基板にあっては、金属回路面、放熱面の少なくとも1面、若しくはその両面にセラミックス基板に達する独立した貫通孔を2つ以上配置している応力緩和部を設けたセラミックス回路基板において、回路形状の直線部分に施した貫通孔が、回路端部から貫通孔端部までの距離(h1)と貫通孔の径(D)との関係において、(0<)h1<2Dであり、隣接する貫通孔の間隔(h2)が金属厚<h2<2Dであり、しかも
金属回路面の端部形状において、その断面形状が、セラミックス基板と回路端部との接線角度(θ1)、また、セラミックス基板と貫通孔端部の接線角度(θ2)がθ2<θ1<90°であることを特徴とするものである。
さらに本発明のセラミックス回路基板にあっては、金属回路パターン、若しくは放熱面の曲分部に施した隣接する貫通孔の近接距離(h3)が金属厚<h3<h2である特徴とするもので、セラミックス基板の材質が窒化アルミニウム又は窒化ケイ素で、金属回路及び/又は金属放熱板の材質が銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とするものである。
本発明によれば、熱サイクルによるセラミックス基板に発生するクラックの発生を抑制できるセラミックス回路基板の製造方法を提供でき、その製造方法により得られるセラミックス回路基板が提供される。
本発明の回路基板の一例を示す回路面及び放熱面の上面図 本発明の回路基板の一例を示す回路面若しくは放熱面の拡大した上面図 本発明の回路基板の一例を示すセラミックス回路基板の断面図
以下、本発明について詳細に説明する。
回路基板の回路部分には数キロボルト、数十アンペアの高電圧、高電流が流れるため、主として銅回路が主として用いられている。しかし、使用時の環境の変化や、スイッチングによる熱等によって熱衝撃を繰り返して受けるため、銅とセラミックスの熱膨張差による熱応力により、セラミックス基板の界面より回路が剥離や場合によってはセラミックス基板にクラックを生じる等の問題が生じている。
銅回路とセラミックスの間に発生する熱応力は、銅回路と素子及びセラミックスとの接合状態とともに回路に使用する金属の物理的性状に依存しており、銅回路の物理的性状としては、回路のパターン形状、セラミックス基板に対するパターン面積、銅回路の厚み等が上げられる。しかしながら、パターン形状とその面積は、使用する半導体素子の大きさと使用目的によって自ずと決まるので、それらを変更して耐熱衝撃性を改善することはできないのが現状である。
本発明者らは、銅回路とセラミックス基板の接合界面、特に回路端部の応力集中箇所である回路コーナー部等を詳細観察し、熱応力の緩和に関し鋭意検討した結果、銅板を貫通し、セラミックス基板に達する貫通孔の形状とその径、また隣接する貫通孔との距離が熱応力の緩和に影響することを見出し、更なる検討を加えてその最適条件を見いだし本発明に至ったものである。
まず、本発明で使用されるセラミックス基板の材質としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等であるが、パワーモジュールには、放熱性に優れた窒化ケイ素や窒化アルミニウムが適している。セラミックス基板の厚みとしては、厚すぎると熱抵抗が大きくなり、薄すぎると耐久性がなくなるため、0.3〜1.0mm程度が好ましい。
セラミックス基板の表面性状は重要であり、微少な欠陥や窪み等は、金属回路、金属放熱板あるいはそれらの前駆体である金属板をセラミックス基板に接合する際に悪影響を与えるため、平滑であることが望ましい。従って、セラミックス基板は、ホーニング処理や機械加工等による研磨処理が施されていたり、さらに好ましくは上記加工によりセラミックス基板表面に生じた微少クラックを焼結助材の溶融温度まで再加熱処理をおこないなくす処理をおこなうことがより好ましい。
金属回路及び金属放熱板の材質は、銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金が一般的であり、それらの純度は99.5%以上が好ましく、また厚みは0.1〜0.5mmであることが好ましい。
セラミックス基板に金属回路及び金属放熱板を形成する方法としては、セラミックス基板と金属板との接合体をエッチングする方法、金属板から打ち抜かれた金属回路及び金属放熱板のパターンをセラミックス基板に接合する方法等によって行うことができるが、これらの接合方法としては、活性金属ろう付け法が用いられる。
活性金属ろう付け法におけるろう材の金属成分としては、銅又銅合金を接合する場合、銀を主成分とし、溶融時のセラミックス基板との濡れ性を確保するために活性金属を副成分とした銀ろうが使用される。活性金属の具体例をあげれば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、バナジウムやこれらの化合物である。また、アルミニウム又はアルミニウム合金を接合する場合、例えば特開昭60−177634号公報に記載されているように、アルミニウムを主成分とし、これに活性金属、例えばマグネシウムやストロンチウム、ケイ素等を副成分としたアルミニウム系ろう材が使用される。
本発明におけるこれらの比率の一例を示せば、銀ろうの場合、銀60〜100質量部、銅40〜0質量部の合計量100質量部あたり、活性金属1〜15質量部である。また、アルミニウム系ろう材の場合、アルミニウム70〜95質量部、シリコン30〜5質量部及び銅0〜5質量部の合計量100質量部あたり、活性金属1〜30質量部である。
さらにこれらのろう材は、上記組成となるように各組成の粉末、若しくは一部合金化された粉末に残りの粉末を添加し用いたり、すべてを合金化した粉体を用いたりするペースト法を用いることができるが、用いる材料法粉末は、均一なろう材層を形成することができるよう粗粉を含まない分級された材料を用いることが好ましい。
接合温度は、銀ろうを用いる場合は780〜830℃が好ましく、アルミニウム系ろう材を用いる場合は600〜640℃が好ましい。また、保持時間は、いずれも3〜30分が望ましい。温度が低く、保持時間が短すぎる場合には、接合が不十分となり、逆に高温で保持時間が長すぎる場合には、金属板へのろう材成分の拡散するためにろう材層が金属層に拡散され、セラミックス基板と金属層との間に密着性が低下し、空隙を生じる場合があるため、好ましくない。
本発明の回路基板は、金属回路面、放熱面の少なくとも1面、若しくはその両面にセラミックス基板に達する独立した貫通孔を少なくとも2つ以上配置している応力緩和部を設けたセラミックス回路基板を製造する方法において、不要な部分をエッチング除去するためのマスキングを回路及び放熱面に施すのと同時に、貫通孔該当部の径を金属厚の1.1倍以上から2.1倍以下とし、エッチングにより回路面、放熱面の形成と同時に貫通孔の形成をおこなうことを特徴とする製造方法であり、該製造方法にて製造されるセラミックス基板において、回路形状の直線部分に施した貫通孔が、回路端部から貫通孔端部までの距離(h1)と貫通孔の径(D)との関係が(0<)h1<2Dであり、隣接する貫通孔の間隔(h2)が金属厚<h2<2Dであり、隣接する貫通孔の間隔(h3)が金属厚<h3<h2であり、しかも金属回路面の端部形状において、回路端部の接線角度(θ1)、貫通孔内部の接線角度(θ2)がθ2<θ1<90°であることを特徴とするセラミックス基板である。
更に詳細に説明すると、従来提案されている金属回路の端部に薄肉部分を設けたり、回路パターン周辺に貫通孔を設ける手法は、金属回路とセラミックス基板との応力緩和に注目し、セラミックス基板のクラック防止を目的とするものであり、その効果も認められるところである。しかしながら、製造方法として、従来の製造方法では、例えば回路を形成した後に、マスキングを除去し、所望のパターンをさらにマスキングし、エッチングをおこなったり、或いは工作機械などを用いて金属回路面や金属放熱面の加工をおこなうなどの提案がなされているが、量産性や製造コストを十分配慮されていなかった。さらに、金属回路、金属放熱面に用いる金属厚み、及び複数の貫通孔の径とその間隔に関する詳細な検討がなされていないために、製造方法や応力緩和に対し十分な対応がなされているものはなかった。
本発明に関わるセラミックス回路基板の製造方法は、不要な部分をエッチング除去するためのマスキングを回路及び放熱面に施すのと同時に、貫通孔該当部分の径を金属厚の1.1倍以上から2.1倍以下とし、エッチングにより回路面、放熱面の形成と同時に貫通孔の形成をおこなうことに特徴がある。貫通孔該当部分の径は、金属厚みの1.1倍以上とすることにより貫通孔を形成する目的を達成することができるが、金属厚みの1.1倍未満であると貫通孔を形成することは困難となる。また金属厚みの2.1倍を超えると貫通孔の応力緩和の効果が小さくなるため、熱サイクルによるセラミックス基板にクラック発生を抑制できない場合がある。
本発明にあっては、独立した貫通孔を2つ以上配置している応力緩和部を設けたセラミックス回路基板であり、回路形状の直線部分は、具体的には回路パターン上の5mm以上である直線上の部分であり、その部分に施された貫通孔は、回路端部から貫通孔端部までの距離(h1)と貫通孔の径(D)には、(0<)h1≦2Dの関係にあり、隣接する貫通孔の間隔(h2)が金属厚<h2<2Dであり、しかも金属回路面の端部形状において、セラミックス基板と回路端部の接線角度(θ1)、貫通孔内部の接線角度(θ2)がθ2<θ1<90°であることに特徴がある。すなわち、回路端部から貫通孔端部が0である場合、独立した貫通孔を形成できないためであり、h1が貫通孔の径(D)の2倍を越える場合、応力緩和の効果が小さくなるため、熱サイクルによるセラミックス基板にクラック発生を抑制できない場合があるためである。また、隣接する貫通孔の間隔(h2)が金属厚以下であると、独立した貫通孔が安定して得られない場合があるためであり、2D以上であると隣接する貫通孔の応力緩和の効果が低減してしまうため、クラックの発生を抑制できない場合がある。
さらに2つ以上の貫通孔で形成された応力緩和部の端部は、セラミックス基板と接する部分に最も応力が集中し易いため、貫通孔の端部形状は回路の端部形状に比べ緩やかな角度を有することが好ましく、θ2<θ1であることが好ましく、さらにθ1は90°未満であることが好ましい。θ1が90°以上である場合やθ2がθ1以上である場合、応力緩和部の効果が小さくなるために熱サイクルによって、セラミックス基板のクラック発生を抑制できない場合がある。
さらに本発明にあっては、金属回路パターン、若しくは放熱面の曲部分に施した隣接する貫通孔の近接距離(h3)が金属厚<h3<h2であることが好ましい。特に金属回路のパターンや放熱面のコーナー部分の端部は熱サイクルで生じる応力が集中し易い箇所であるため、コーナー部分、具体的にはコーナーを形成する2方向の辺の交点から、各辺の5mm内に独立した貫通孔を2つ以上配置することにより、より応力緩和の効果を得ることができる。配置した貫通孔は、h3が金属厚以下の場合、独立した貫通孔が安定して得られない場合があるためであり、h3<h2であることが好ましく、h3がh2以上である場合、応力緩和の効果が十分に得られず、回路パターンや放熱面の曲部分にクラックを生じる場合がある。
さらに本発明に関するセラミックス回路基板は、必要に応じ、膜厚が2〜8μm程度の無電解Niめっきが施される。Niめっきを施さないときは、研削、物理研磨、化学研磨等によって金属表面の傷をRa≦0.5μmに平滑化した後、防錆剤が塗布される。
実施例1〜15 比較例1〜21
化学還元銀粉末(球塊形状、比表面積0.5m/g、タップ密度3.7g/cm)、Cu粉末(酸素量0.13質量%、比表面積2.0m/g)、Zr粉末(特級試薬)、TiH粉末(特級試薬)を、Ag/Cu/Zr/TiH=89.7/4.7/2.8/2.8(質量比)にして混合した。この粉末100質量部に、テレピネオール15質量部、ポリイソブチルメタクリレートのトルエン溶液を固形分として1.3質量部を三本ロールを用いて混合し、目開き40μmのナイロンメッシュを通過させ、ろう材ペーストを調整した。これを、厚み0.635mm×52mm×45mmの窒化アルミニウム基板(熱伝導率180W/mK、3点曲げ強度500MPa)の表面及び裏面に、ろう材層の厚み(乾燥後の厚み)8μmとなるようロールコーターを用いて塗布した。その後、表面に回路形成用銅板を、裏面に放熱板形成用銅板(いずれも無酸素銅板)を重ね、6.5×10−4Paの真空炉中、830℃×30分保持した後、冷却速度5℃/minにて600℃まで冷却し、その後600℃×30分保持した後、1℃/minにて冷却し、銅板と窒化アルミニウム基板の接合体を製造した。
接合体の金属板に、スクリーン印刷によりUV硬化型エッチングレジストを回路パターンと同時に表1に示す貫通孔部分のマスキング開孔径及び隣接する貫通孔や、回路端部からの距離等を変更した形状を各種印刷し、UV硬化させた後、さらに金属放熱面にベタパターン内に貫通孔の形状を同時に印刷しUV硬化させた。これをエッチャントとして塩化第2銅水溶液を使用し、銅厚によって、滞留時間を変え、エッチングをおこない、続いて60℃のフッ化アンモニウム水溶液で処理し、回路パターン及びパターン内の貫通孔と放熱板パターン及びパターン内の貫通孔を同時に形成し、銅厚及び形状の異なった回路基板の中間体を種々製造した。
ついで、無電解Ni−Pめっきを施した回路基板を製造し、以下の評価を行った。それらの結果を表1に併せて示す。
寸法評価:各銅厚における回路パターン及び貫通孔の径、回路端部からの貫通孔の距離等の平面寸法を、工具顕微鏡(ミツトヨ社製商品名「MF−1010」)を用いて、測定をおこなった。
回路端部及び貫通孔とセラミックス基板の角度(θ1及びθ2)の測定は、回路基板の測定該当部分をおおまかに切り出し、エポキシ樹脂に包埋、樹脂硬化後にさらに切り出し、該当測定箇所まで研磨をおこなった。その後、光学実体顕微鏡(倍率100倍)にて観察し、角度の測定をおこなった。
熱サイクル試験評価:作製したセラミックス回路基板を熱衝撃試験に投入し、−40℃×30分、125℃×30分を1サイクルとする熱衝撃試験を500サイクルおこなった。
所定のサイクル試験実施後、銅板をエッチングにて除去し、セラミックス基板の表面に発生するクラックの発生状態を光学実体顕微鏡(倍率60倍)にて観察した。
各試験条件及び評価結果を表1に示す。

本発明の回路基板は、半導体を搭載するセラミックス回路基板として使用され、具体的には、例えば電鉄、電気自動車、一般産業用のインバータ用モジュール等に用いられる。
1 セラミックス基板
2 金属回路
3 金属放熱板
D 貫通孔の直径
h1 直線部分に於ける金属パターン端部から貫通孔までの距離
h2 直線部分に於ける隣接する貫通孔までの距離
h3 回路若しくは放熱面の金属パターン曲部分における隣接する貫通孔までの距離
a1−a2 回路若しくは放熱面の貫通孔を含む金属パターン端部の断面観察部位
θ1 回路若しくは放熱面の金属パターン端部とセラミックス基板の角度
θ2 回路若しくは放熱面に施された貫通孔端部とセラミックス基板の角度

Claims (4)

  1. セラミックス基板の一方の面に金属回路、他方の面に金属放熱板が設けられてなるものであって、金属回路面、放熱面の少なくとも1面、若しくはその両面にセラミックス基板に達する独立した貫通孔を少なくとも2つ以上配置している応力緩和部を設けたセラミックス回路基板を製造する方法において、不要な部分をエッチング除去するためのマスキングを回路及び放熱面に施すのと同時に、貫通孔該当部の径を金属厚の1.1倍以上から2.1倍以下で製作し、エッチングにより回路面、放熱面の形成と同時に貫通孔の形成をおこなうことを特徴とするセラミックス回路基板の製造方法。
  2. セラミックス基板の一方の面に金属回路、他方の面に金属放熱板が設けられてなるものであって、金属回路面、放熱面の少なくとも1面、若しくはその両面にセラミックス基板に達する独立した貫通孔を少なくとも2つ以上配置している応力緩和部を設けたセラミックス回路基板において、回路形状の直線部分に施した貫通孔が、回路端部から貫通孔端部までの距離(h1)と貫通孔の径(D)との関係において、(0<)h1<2Dであり、隣接する貫通孔の間隔(h2)が金属厚<h2<2Dで、しかも金属回路面の端部形状において、セラミックス基板と回路端部の角度(θ1)、セラミックス基板と貫通孔端部の角度(θ2)がθ2<θ1<90°であることを特徴とする請求項1記載の製造方法にて得られるセラミックス回路基板。
  3. 金属回路パターン、若しくは放熱面の曲部分に施した隣接する貫通孔の近接距離(h3)が金属厚<h3<h2であることを特徴とする請求項2に記載のセラミックス回路基板。
  4. セラミックス基板の材質が窒化アルミニウム又は窒化ケイ素で、金属回路及び/又は金属放熱板の材質が銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、それらは活性金属を含むろう材により接合されてなるものであることを特徴とする請求項2乃至3に記載されたセラミックス回路基板。
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