JP2009250452A - 冷媒流通配管用断熱具 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、真空断熱空間を備えた二重管を不要とし、現地据え付け工事における作業性を高め、かつ汎用性に優れた安価な冷媒流通配管用断熱具を得る。
【解決手段】冷媒流通配管用断熱具1は、重ね合わされた矩形の第1および第2弾性シート2,3の外周部を枠状に、かつ気密に接合して作製された袋体4と、袋体4の相対する2辺を連結/分離するレールファスナー5と、袋体4に装着されて袋体4内に空気を導入するための逆止弁付きエアバルブと、を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】冷媒流通配管用断熱具1は、重ね合わされた矩形の第1および第2弾性シート2,3の外周部を枠状に、かつ気密に接合して作製された袋体4と、袋体4の相対する2辺を連結/分離するレールファスナー5と、袋体4に装着されて袋体4内に空気を導入するための逆止弁付きエアバルブと、を備えている。
【選択図】図1
Description
この発明は、例えば空気調和機の室内機と室外機とを接続する連絡配管などの冷媒が流通する配管の断熱構造に用いられる冷媒流通配管用断熱具に関するものである。
空気調和機の現地据え付け工事では、建屋の壁面に孔をあけ、この孔を貫通させたガス側連絡配管、液側連絡配管、および連絡配線によって室内機と室外機とが相互に接続される。この時、大きな孔をあけることは住宅の景観を損ねることから、連絡配管の口径の縮小化が望まれる。
このような観点から、従来の空気調和機では、冷媒が内部を流れる内管と内管の外周を覆う外管とが設けられ、内管と外管との間に減圧した真空断熱空間を有する二重管が、室内機と室外機とを接続する連絡配管の一部に用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
従来の二重管は、例えばステンレス鋼管からなる内管と外管とを同心状に配置し、内管と外管との間に密閉空間を形成するように一体化して作製されているので、制作費が高くなるという課題があった。また、従来の二重管は、予め現地の配管経路に合わせた形状に作製されるものであり、汎用性がなく、一層コスト増をもたらしていた。さらに、現場にて配管経路に合うように従来の二重管の形状を変形させることは困難であり、現地据え付け工事における作業性が低下してしまう。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、真空断熱空間を備えた二重管の使用を不要とし、現地据え付け工事における作業性を高め、かつ汎用性に優れた安価な冷媒流通配管用断熱具を得ることを目的とする。
この発明による冷媒流通配管用断熱具は、重ね合わされた矩形の第1および第2弾性シートの外周部を枠状に、かつ気密に接合して作製された袋体と、上記袋体の相対する2辺を連結/分離するファスナー部材と、上記袋体に装着されて該袋体内に空気を導入するための逆止弁付きエアバルブと、を備えている。
この発明では、袋体を冷媒流通配管に巻き付け、ファスナー部材により袋体の相対する2辺を連結して断熱具を冷媒流通配管に装着し、逆止弁付きエアバルブを介して袋体に空気を導入して冷媒流通配管の周りに空気層からなる断熱空間を形成できるので、真空断熱空間を有するステンレス鋼管からなる二重管と同等の断熱性能を確保することができる。そこで、そのような高価な二重管が不要となり、低コスト化が図られる。さらに、冷媒流通配管用断熱具は冷媒流通配管の形状に適合するように変形するので、優れた汎用性が得られる。
また、冷媒流通配管に単管を用いることができるので、現場での配管経路に合わせるための冷媒流通配管の曲げ加工が簡易となり、現地据え付け工事における作業性を向上させることができる。
また、冷媒流通配管に単管を用いることができるので、現場での配管経路に合わせるための冷媒流通配管の曲げ加工が簡易となり、現地据え付け工事における作業性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る冷媒流通配管用断熱具を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る冷媒流通配管用断熱具の要部を示す破断斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る冷媒流通配管用断熱具の要部を示す破断斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る冷媒流通配管用断熱具の要部を示す破断斜視図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る冷媒流通配管用断熱具を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る冷媒流通配管用断熱具の要部を示す破断斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る冷媒流通配管用断熱具の要部を示す破断斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る冷媒流通配管用断熱具の要部を示す破断斜視図である。
図1乃至図4において、冷媒流通配管用断熱具1は、重ね合わされた矩形状の第1および第2弾性シート2,3の外周部を枠状に熱融着などにより気密に接合して密閉状態に作製された矩形状の袋体4と、袋体4の相対する2辺同士を連結/分離するファスナー部材としてのレールファスナー5と、枠状の接合部8を貫通して配設され、袋体4に空気を導入する逆止弁付きエアバルブ9と、を備えている。
第1および第2弾性シート2,3は、天然ゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエン・ゴムなどのゴム材料、ポリウレタン樹脂などの合成樹脂材料などをシート状に成形して作製されている。
レールファスナー5は、雌片の凹溝条6と、凹溝条6に嵌着される雄片の凸条7と、から構成される。凹溝条6は、袋体4の相対する2辺の一方の辺の縁部から距離dだけ離間して、かつ一方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第1弾性シート2の外表面に接合されている。凸条7は、袋体4の相対する2辺の他方の縁部に近接して、かつ他方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第2弾性シート3の外表面に接合されている。
逆止弁付きエアバルブ9は、バルブ本体10と、バルブ本体10の袋体4内への挿入端に装着された逆止弁としてのムシ11と、から構成されている。
レールファスナー5は、雌片の凹溝条6と、凹溝条6に嵌着される雄片の凸条7と、から構成される。凹溝条6は、袋体4の相対する2辺の一方の辺の縁部から距離dだけ離間して、かつ一方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第1弾性シート2の外表面に接合されている。凸条7は、袋体4の相対する2辺の他方の縁部に近接して、かつ他方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第2弾性シート3の外表面に接合されている。
逆止弁付きエアバルブ9は、バルブ本体10と、バルブ本体10の袋体4内への挿入端に装着された逆止弁としてのムシ11と、から構成されている。
つぎに、このように構成された冷媒流通配管用断熱具1を空気調和機の冷媒流通配管の断熱具として用いる場合について説明する。ここでは、図5乃至図7を参照しつつ、空気調和機の据え付け方法について説明する。なお、空気調和機のガス側連絡配管および液側連絡配管が冷媒流通配管に相当する。
まず、建屋の壁面20には、円形の貫通孔21が形成される。そして、袋体4が空気を抜かれ、第2弾性シート3の外表面をガス側連絡配管22の外周面に沿わせてガス側連絡配管22に巻き付けられる。そして、凸条7を凹溝条6に嵌着して、環状に連結された袋体4がガス側連絡配管22に装着される。同様に、環状に連結された袋体4が液側連絡配管23に装着される。なお、ガス側および液側連絡配管22,23の両端には、継ぎ手24,25が溶接などにより同軸に固着されている。
ついで、袋体4が装着されたガス側および液側連絡配管22,23を、室外側から貫通孔21に挿入する。そして、図示されていないが、室内機から延びる室内機ガス側連絡配管および室内機液側連絡配管の先端を、室内側の継ぎ手24に接続し、室内機を壁面20に固定する。
また、図示されていないが、室外機から延びる室外機ガス側連絡配管および室外機液側連絡配管の先端を、室外側の継ぎ手25に接続する。ついで、室内機から延びる調湿ホース26や室内外連絡配線27を、貫通孔21を通して室外に引き出し、室外機に接続する。さらに、室内機から延びるドレンホース28を、貫通孔21を通して室外に引き出す。
なお、室内機ガス側連絡配管および室内機液側連絡配管、および室外機ガス側連絡配管および室外機液側連絡配管には、断熱材が巻装されている。
また、図示されていないが、室外機から延びる室外機ガス側連絡配管および室外機液側連絡配管の先端を、室外側の継ぎ手25に接続する。ついで、室内機から延びる調湿ホース26や室内外連絡配線27を、貫通孔21を通して室外に引き出し、室外機に接続する。さらに、室内機から延びるドレンホース28を、貫通孔21を通して室外に引き出す。
なお、室内機ガス側連絡配管および室内機液側連絡配管、および室外機ガス側連絡配管および室外機液側連絡配管には、断熱材が巻装されている。
ついで、空気をエアバルブ9のバルブ本体10を介して袋体4に圧送し、袋体4を膨張させる。空気の圧送を止めると、ムシ11がつぶれ、空気の漏れが防止される。これにより、第2弾性シート3の外表面がガス側および液側連絡配管22,23の外周面に密接し、空気層12がガス側および液側連絡配管22,23を取り囲むリング状に形成される。そして、必要に応じ、ガス側および液側連絡配管22,23、調湿ホース26、室内外連絡配線27、ドレンホース28などをまとめてテープで巻回し、貫通孔21内にパテを充填する仕上げ作業が行われ、空気調和機の据え付けが完了する
このように、本冷媒流通配管用断熱具1を用いた断熱構造では、空気層12がガス側および液側連絡配管22,23を取り囲むリング状に形成され、断熱空間として機能するので、従来と同様の断熱性能を実現できる。
この実施の形態1では、冷媒流通配管用断熱具1が、重ね合わされた矩形の第1および第2弾性シート2,3の外周部を枠状に、かつ気密に接合して作製された袋体4と、袋体4の相対する2辺を連結/分離するレールファスナー5と、逆止弁付きエアバルブ9と、を備えているので、ステンレス鋼管の二重管構造の従来例に比べて、著しく廉価に作製できる。
また、空気を抜いた袋体4をガス側および液側連絡配管22,23に巻き付け、レールファスナー5で袋体4の相対する2辺を連結することで装着でき、レールファスナー5の凹溝条6と凸条7との嵌着を解除することで外すことができるので、冷媒流通配管用断熱具1の装着作業性が向上される。また、環状に連結された袋体4に空気を圧入して膨張させた場合、袋体4は、ガス側および液側連絡配管22,23の形状に適合するように膨張し、ガス側および液側連絡配管22,23の外周面に密接するので、優れた汎用性が得られる。また、ガス側および液側連絡配管22,23を単管で作製でき、現場で配管経路に合わせるためのガス側および液側連絡配管22,23の曲げ加工が容易となり、現地据え付け工事における作業性が高められる。
また、貫通孔21に通されたガス側および液側連絡配管22,23には、空気を抜いた袋体4が装着されているので、貫通孔21内の空きスペースが大きくなり、調湿ホース26、室内外連絡配線27、ドレンホース28などの挿入が容易となる。また、調湿ホース26、室内外連絡配線27、ドレンホース28などの挿入後、袋体4に空気を圧入することにより、貫通孔21内の空きスペースが縮小され、貫通孔21を塞口する仕上げ作業が簡易となる。さらに、大きな貫通孔21をあける必要がなく、住宅の景観を損ねることもない。
また、ファスナー部材が、第1弾性シート2の外表面に固着された凹溝条6と、第2弾性シート3の外表面に固着された凸条7と、からなるレールファスナー5で構成されているので、袋体4の連結・分離を簡易に行える。
また、凹溝条6が袋体4の相対する2辺の一方の辺の縁部から所定距離dだけ離反して、かつその一方の辺に沿って一方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第1弾性シート2の外表面に固定されている。一方、凸条7が袋体4の相対する2辺の他方の辺の縁部に近接して、かつその他方の辺に沿って他方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第2弾性シート3の外表面に固定されている。そこで、ガス側および液側連絡配管22,23に装着された環状に連結された袋体4に空気を圧送すると、レールファスナー5の連結部では、図7に示されるように、第1弾性シート2の外表面と第2弾性シート3の外表面とが密接し、袋体4の相対する2辺の端部側の空気層12が径方向に重なり合う。これにより、空気層12がガス側および液側連絡配管22,23の全周にわたって形成されるので、断熱性能が高められる。
ここで、冷媒流通配管用断熱具1が空気調和機のガス側および液側連絡配管22,23の断熱具として適用される場合、空気調和機の運転時の冷媒の温度を考慮し、第1および第2弾性シート2,3には、150℃以上の耐熱性、−15℃以下の耐寒性を満足する材料を選定することが望ましい。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、ファスナー部材として、凹溝条6と凸条7とからなるレールファスナー5を用いるものとしているが、この実施の形態2では、ファスナー部材として、面ファスナーを用いている。
つまり、微小なカギ状のフックタイプの面ファスナーを、袋体4の相対する2辺の一方の辺に沿って一方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第1弾性シート2の外表面に固定する。また、ループタイプの面ファスナーを、袋体4の相対する2辺の他方の辺に沿って他方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第2弾性シート3の外表面に固定する。
上記実施の形態1では、ファスナー部材として、凹溝条6と凸条7とからなるレールファスナー5を用いるものとしているが、この実施の形態2では、ファスナー部材として、面ファスナーを用いている。
つまり、微小なカギ状のフックタイプの面ファスナーを、袋体4の相対する2辺の一方の辺に沿って一方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第1弾性シート2の外表面に固定する。また、ループタイプの面ファスナーを、袋体4の相対する2辺の他方の辺に沿って他方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように第2弾性シート3の外表面に固定する。
そこで、この実施の形態2では、袋体4が空気を抜かれ、第2弾性シート3の外表面をガス側連絡配管22の外周面に沿わせてガス側連絡配管22に巻き付け、面ファスナー同士を押し当てることで、環状に連結された袋体4をガス側連絡配管22に装着できる。そして、袋体4に空気を圧送して膨張させると、面ファスナー同士の連結部では、第1弾性シート2の外表面と第2弾性シート3の外表面とが密接し、袋体4の相対する2辺の端部側の空気層12が径方向に重なり合う。
従って、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
従って、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
1 冷媒流通配管用断熱具、2 第1弾性シート、3 第2弾性シート、4 袋体、5 レールファスナー(ファスナー部材)、6 凹溝条、7 凸条、8 接合部、9 逆止弁付きエアバルブ、10 バルブ本体、11 ムシ(逆止弁)。
Claims (4)
- 重ね合わされた矩形の第1および第2弾性シートの外周部を枠状に、かつ気密に接合して作製された袋体と、
上記袋体の相対する2辺を連結/分離するファスナー部材と、
上記袋体に装着されて該袋体内に空気を導入するための逆止弁付きエアバルブと、
を備えたことを特徴とする冷媒流通配管用断熱具。 - 上記ファスナー部材は、上記袋体の相対する2辺の一方の辺に沿って、該一方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように上記第1弾性シートの外表面に固着された凸条と、上記袋体の相対する2辺の他方の辺に沿って、該他方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように上記第2弾性シートの外表面に固着された凹溝条と、を備えたレールファスナーであることを特徴とする請求項1記載の冷媒流通配管用断熱具。
- 上記凸条および上記凹溝条の一方が、上記一方の辺又は上記他方の辺の縁部に近接して当該辺の長さ方向の全長にわたって延在し、上記凸条および上記凹溝条の他方が、上記他方の辺又は上記一方の辺の縁部から所定距離離れて当該辺の長さ方向の全長にわたって延在していることを特徴とする請求項2記載の冷媒流通配管用断熱具。
- 上記ファスナー部材は、上記袋体の相対する2辺の一方の辺に沿って、該一方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように上記第1弾性シートの外表面に固着されたフックタイプの面ファスナーと、上記袋体の相対する2辺の他方の辺に沿って、該他方の辺の長さ方向の全長にわたって延在するように上記第2弾性シートの外表面に固着されたループタイプの面ファスナーと、から構成されていることを特徴とする請求項1記載の冷媒流通配管用断熱具。
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2008
- 2008-04-01 JP JP2008095175A patent/JP2009250452A/ja active Pending
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