JP2019113265A - 空調ダクト装置 - Google Patents

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孝友 村田
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貴史 京井
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真幸 尾形
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Abstract

【課題】空調ダクト装置の第1ダクトと第2ダクトとが交差する部分の強度を高める。【解決手段】空調ダクト装置1のダクト10,20どうしが交差する部分1aにおける第1ダクト部材11Aの外周に環状帯部材70を巻き付ける。環状帯部材70を第2ダクト部材21Aに係着する。【選択図】図2

Description

本発明は、建物等における空調ダクト装置に関し、特に幹ダクトなどの第1ダクトの側部に枝ダクトなどの第2ダクトが交差するように接続された空調ダクト装置に関する。
オフィスビルなどの建物には、通常、空調ダクトが配管されている。例えば特許文献1に開示されているように、この種の空調ダクトは、上流側の幹ダクトと、該幹ダクトの側部から分岐する下流側の枝ダクトを有している。分岐部において幹ダクトと枝ダクトとがT字状又はL字状に交差している。
特許文献2の空調ダクトにおいては、四角形断面の幹ダクトの一側部に分岐孔が形成され、該分岐孔にニップルが装着されている。ニップルは、分岐孔と実質同径の短筒形状に形成され、幹ダクトの内部から分岐孔を貫通して幹ダクトの外方に突出されている。ニップルにおける幹ダクトの内部側の端部にはフランジが設けられており、該フランジが幹ダクトの内面に突き当てられている。ニップルの外方への突出部分にはリングが嵌められ、該リングとフランジとによって幹ダクトの壁部を挟みつけている。更に、ニップルの前記突出部分に分岐ダクトが接続される。
特開2006−057967号公報(図4) 特許第4601346号公報
この種の空調ダクトにおいて、例えば枝ダクトが支え無しで長く延びていたり、枝ダクトにアネモ等の吹出部材が吊られていたりすると、枝ダクトが自重や吹出部材の重みによって曲がろうとするために、幹ダクトと枝ダクトの交差部分に負荷がかかる。また、地震その他の外部からの衝撃荷重が加わったときも、交差部分に負荷が集中しやすい。
本発明は、このような負荷に対して交差部分の強度を確保できる空調ダクト装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、第1ダクトの側部に第2ダクトが交差するように接続された空調ダクト装置であって、
前記交差する部分又はその周辺における前記第1ダクトの外周に巻き付けられるとともに前記第2ダクトに係着された環状帯部材を備えたことを特徴とする。
当該空調ダクト装置によれば、第2ダクトにかかる負荷を環状帯部材の張力によって受けることができ、交差部分の強度を高めることができる。更には、環状帯部材によって第1ダクト自体を補強できる。
前記係着の態様としては、引っ掛け、係止、ビス止め、縛り付け、溶接その他の固定を含む。係着手段としては、例えばフック、ビス、バックルなどが挙げられる。環状帯部材が直接的に第2ダクトと係着されているのに限られず、後記外周ニップルや連結部材を介して間接的に第2ダクトと係着されていてもよい。
前記第2ダクトにおける前記交差する側の端部の外周に環状の外周ニップルが嵌められており、前記環状帯部材が前記外周ニップルと係着されていることが好ましい。
これによって、第2ダクトの交差側端部を補強できる。環状帯部材は、外周ニップルを介して第2ダクトと係着される。
さらに、前記第2ダクトにおける前記交差側端部の内周には環状の内周ニップルが嵌められていることが好ましい。
前記外周ニップルが、前記第1ダクトの外面に当接されるフランジ状ないしは延出板状の外側当接部を有し、前記内周ニップルが、前記第1ダクトの内面に当接されるフランジ状ないしは延出板状の内側当接部を有していることが好ましい。
前記環状帯部材が有端環状であり、前記環状帯部材の両端部がそれぞれ前記外周ニップルと係着されていることが好ましい。これによって、第2ダクトに掛かる荷重を環状帯部材に確実に伝達させることができる。また、環状帯部材の両端部が、外周ニップルを介して第2ダクトと係着される。
前記環状帯部材の一端部には前記外周ニップルと係着されるフックが設けられていることが好ましい。
これによって、環状帯部材を外周ニップルに簡単に係着できる。
前記環状帯部材が閉環状であってもよい。この場合、環状帯部材を第1ダクトの全周に巻き付けることで、第1ダクトを補強できる。環状帯部材を外周ニップルの外側当接部上に巻くことで、外周ニップルを介して環状帯部材を第2ダクトに係着するとともに、外周ニップルを第1ダクトに縛り付けてもよい。
前記第1ダクトが、一列に連なる第1ダクト部材を有し、
前記第2ダクトが、一列に連なる第2ダクト部材を有し、
前記第1ダクトの1の第1ダクト部材の側部に前記第2ダクトの端部の第2ダクト部材が接続されており、前記環状帯部材が、前記1の第1ダクト部材の外周に巻き付けられるとともに前記端部の第2ダクト部材に係着されていることが好ましい。
前記1の第1ダクト部材と前記端部の第2ダクト部材とによって、第1、第2ダクトどうしの交差部分が構成される。かつ環状帯部材によって交差部分の強度を高めるとともに前記1の第1ダクト部材を補強することができる。
前記環状帯部材が、前記1の第1ダクト部材とその隣の第1ダクト部材とに跨るようにして巻き付けられ、前記端部の第2ダクト部材が、連結部材を介して前記環状帯部材に係着されていてもよい。
この場合、前記1の第1ダクト部材とその両隣の第1ダクト部材との間にそれぞれ前記環状帯部材が設けられ、これら環状帯部材どうし間に前記連結部材が架け渡されていることが好ましい。
本発明によれば、第1ダクトと第2ダクトの交差部分の強度を高めることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調ダクト装置の平面図である。 図2(a)は、前記空調ダクト装置の交差部分及びその近傍部分の斜視図である。図2(b)は、前記空調ダクト装置をダクト部材ごとに分解して示す分解斜視図である。 図3は、前記交差部分を構成するT字ダクト部材の分解斜視図である。 図4は、図5のIV−IV線に沿う、前記T字ダクト部材及びその近傍部分の断面図である。 図5は、図1のV−V線に沿う、前記T字ダクト部材及びその近傍部分の断面図である。 図6は、前記T字ダクト部材における第1、第2ダクト部材どうしの交差部の拡大断面図である。 図7(a)は、図4の円部VIIaを拡大して示す、第1ダクト部材の壁部の断面図である。図7(b)は、図5の円部VIIbを拡大して示す、第2ダクト部材の壁部の断面図である。 図8(a)は、前記T字ダクト部材の内周ニップルの斜視図である。図8(b)は、前記T字ダクト部材の外周ニップルの斜視図である。 図9(a)は、図4の円部IXaにおける第1連接ニップルの端部を拡大して示す断面図である。図9(b)は、図5の円部IXbにおける第2連接ニップルの端部を拡大して示す断面図である。 図10は、前記T字ダクト部材の環状帯部材の分解斜視図である。 図11(a)は、前記T字ダクト部材の上側及び両側の連結爪部材の斜視図である。 図11(b)は、前記T字ダクト部材の下側の連結爪部材の斜視図である。 図12(a)〜図12(c)は、前記T字ダクト部材の組立工程を順次示す斜視図である。 図13(a)〜図13(c)は、前記T字ダクト部材の組立工程を順次示す斜視図である。 図14は、本発明の第2実施形態に係るT字ダクト部材の斜視図である。 図15は、本発明の第3実施形態に係る空調ダクト装置の交差部分及びその近傍部分の斜視図である。 図16は、前記第3実施形態に係る空調ダクト装置の交差部分及びその近傍部分の分解斜視図である。 図17は、本発明の第4実施形態に係るT字ダクト部材の斜視図である。 図18は、前記第4実施形態に係るT字ダクト部材を吊り支持した状態で示す斜視図である。 図19(a)は、内周ニップルの変形態様を示す分解斜視図である。図19(b)は、外周ニップルの変形態様を示す分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、例えばオフィスビルなどの建物の空調設備における空調ダクト装置1を示したものである。空調ダクト装置1は、第1ダクト10と、第2ダクト20を備えている。第1ダクト10は、空調機(図示せず)からの空調エアの流れ方向に沿って第2ダクト20よりも上流側に配置され、幹ダクトを構成している。図2(a)に示すように、第1ダクト10の側部に第2ダクト20がT字状に交差するように接続されている。第2ダクト20は、第1ダクト10から分岐された枝ダクトを構成している。
図2(b)に示すように、第1ダクト10は、複数の第1ダクト部材11と、複数の第1連接ニップル12を含む。複数の第1ダクト部材11が、第1ダクト10の管軸に沿って一列に配置されている。各第1ダクト部材11は、長方形断面の角筒状になっている。第1ダクト部材11の4つの壁部の互いに隣接する縁部が斜め45°にカットされることで、隣接する壁部どうしが直角に接合されている。
図7(a)に示すように、第1ダクト部材11は、ダクト本体層13と、内面層14と、外面層15を含む。ダクト本体層13は、断熱性の硬質発泡樹脂によって構成され、好ましくはポリイソシアヌレートフォームなどの自己消火性を有する硬質発泡樹脂によって構成されている。ダクト本体層13の内面に内面層14が被膜されている。ダクト本体層13の外面に外面層15が被膜されている。内面層14及び外面層15は、アルミニウムなどの金属シートによって構成されている。
なお、ダクト本体層13の材質は、ポリイソシアヌレートに限定されるものではなく、他の発泡樹脂であってもよい。内面層14及び外面層15は、図7を除く図面では図示を省略する、
図2(b)に示すように、第1連接ニップル12は、第1ダクト部材11の内周面の形状に合わせた長方形の短筒形状になっている。図9(a)に拡大して示すように、第1連接ニップル12の先端部12eは、少し先窄まり状になっている。図2(b)に示すように、各第1ダクト部材11の一端部の内周に第1連接ニップル12が設けられている。第1連接ニップル12の先窄まり状の先端部12eが、第1ダクト部材11から突出されている。
図4に示すように、第1連接ニップル12の突出部分に、隣の第1ダクト部材11が嵌め込まれている。これによって、第1連接ニップル12が、隣接する2つの第1ダクト部材11の内面どうし間に跨っている。更に、第1連接ニップル12が、各第1ダクト部材11と接着によって接合されるとともに、隣接する第1ダクト部材11の対向端面どうしが接着によって接合されている。これによって、隣接する第1ダクト部材11どうしが連結されている。
なお、接着剤(図示省略)としては例えばシリコーンシーラントが用いられているが、必ずしもこれに限定されるものではない(他の部分の接着剤についても同様)。
図2(b)に示すように、第2ダクト20は、第1ダクト10より高さ寸法が小さい点を除き、第1ダクト10と同様の形状及び構造になっている。
すなわち、第2ダクト20は、四角形断面の複数の第2ダクト部材21と、四角形の第2連接ニップル22を含む。図7(b)に示すように、第2ダクト部材21は、硬質発泡樹脂からなるダクト本体層23と、アルミ等の金属シートからなる内面層24及び外面層25との積層構造になっている。図5に示すように、隣接する第2ダクト部材21どうしが、第2連接ニップル22によって連接されるとともに接着によって接合されている。図9(b)に示すように、第2連接ニップル22の先端部22eは、少し先窄まり状になっている。
図示は省略するが、第2ダクト20にはアネモ等の吹出部材が接続されている。
図1及び図2(a)に示すように、第1ダクト10の中間の1の第1ダクト部材11Aと、第2ダクト10の交差側の端部(図1において左端部)の第2ダクト部材21AとがT字に交差されることによって、T字ダクト部材1aが構成されている。T字ダクト部材1aは、空調ダクト装置1において第1ダクト10と第2ダクト20が交差する部分及びその周辺を構成している。
図3及び図4に示すように、第1ダクト部材11Aの側壁部16(側部)には、連通孔16cが形成されている。連通孔16cの形状は、第2ダクト20の内部空間の断面と同じ大きさの長方形になっている。連通孔16cの下縁は、第1ダクト部材11Aの底壁部17の内面と面一になっている。
図6に示すように、第2ダクト部材21Aの交差側端面(図6において左端面)が、側壁部16における連通孔16cの周縁部の外面に突き当てられるとともに接着によって接合されている。連通孔16cを介して、第1ダクト10の内部と第2ダクト20の内部が連なっている。ダクト部材11A,21Aの上壁部どうし間には段差が形成されている。ダクト部材11A,21Aの底壁部どうしは互いに面一になっている。
なお、ダクト部材11A,21Aの底壁部どうしは必ずしも面一である必要はなく、上壁部と同様に段差になっていてもよい。第2ダクト部材21Aの交差側端部が連通孔16c内に挿し入れられ、第2ダクト部材21Aの交差側端面と側壁部16の内面が面一になっていてもよい。
図3に示すように、T字ダクト部材1aには内周ニップル30と外周ニップル40が設けられている。
図8(a)に示すように、内周ニップル30は、内周ニップル本体部31と、内側当接部32,33,34を含む。内周ニップル本体部31は、短い角筒形状(四角形の枠形状)になっている。内周ニップル本体部31の第1ダクト10側(図8(a)において左上)の端部における上縁及び幅方向の両側縁にはそれぞれフランジ32,33(内側当接部)が設けられている。フランジ32,33は、内周ニップル30の軸線L30と直交(交差)するように外方へ突出されている。内周ニップル本体部31の底板は、フランジ32,33よりも第1ダクト10側(図8(a)において左上)へ軸線L30に沿って真っ直ぐに延び出ることで延出板部34(内側当接部)を構成している。
なお、ダクト部材11A,21Aの底壁部どうし間に段差が形成されている場合は、内周ニップル30の底部には、延出板部34に代えてフランジを設けることが好ましい。
図6に示すように、内周ニップル本体部31は、第2ダクト20の内周及び側壁部16の連通孔16cの内周に嵌められるとともに、第2ダクト20及び側壁部16と接着によって接合されている。内側フランジ32,33は、側壁部16における連通孔16cの周縁部の内面に当接されて接着(接合)されている。内側延出板部34は、第1ダクト部材11Aの底壁部17の内面に当接されて接着(接合)されている。
図8(b)に示すように、外周ニップル40は、外周ニップル本体部41と、外側当接部42,43,44を含む。外周ニップル本体部41は、短い角筒形状(四角形の枠形状)になっている。外周ニップル本体部41の第1ダクト10側(図8(b)において左上)の端部における上縁及び幅方向の両側縁にはそれぞれフランジ42,43(外側当接部)が設けられている。フランジ42,43は、外周ニップル40の軸線L40と直交(交差)するように外方へ突出されている。外周ニップル本体部41の底板は、フランジ42,43よりも第1ダクト10側(図8(b)において左上)へ軸線L40に沿って真っ直ぐに延び出ることで延出板部44(外側当接部)を構成している。
なお、ダクト部材11A,21Aの底壁部どうし間に段差が形成されている場合は、外周ニップル40の底部には、延出板部44に代えてフランジを設けることが好ましい。
図6に示すように、外周ニップル本体部41は、第2ダクト20の外周に嵌められるとともに第2ダクト20と接着によって接合されている。外側フランジ42,43は、側壁部16における連通孔16cの周縁部の外面に当接されて接着(接合)されている。外側延出板部44は、第1ダクト部材11Aの底壁部17の外面に当接されて接着(接合)されている。
内外のニップル30,40のフランジ32,33,42,43で第1ダクト10の側壁部16を挟み付け、かつ延出板部34,44で第1ダクト10の底壁部17を挟み付けている。更に、ニップル本体部31,41で第2ダクト20の4つの壁部を挟み付けている。
図6及び図12(b)に示すように、第2ダクト部材21Aの上側及び幅方向の両側の3つの外面と、第1ダクト部材11Aの側壁部16の外面とで作る隅角部には、それぞれ連結爪部材50が設けられている。図11(a)に示すように、連結爪部材50は、連結板部51と、複数の三角形状の係止爪53を有している。連結板部51は、幅方向の中央部において直角に折り曲げられている。図6に示すように、該連結板部51が、ダクト部材11A,21Aの互いに直角をなす外面どうし間に跨るとともに、これら外面と接着によって接合されている。連結板部51の前記跨る方向の両縁部には係止爪53が設けられている。これら係止爪53がダクト部材11A,21Aにそれぞれ差し込まれて係止されている。
各連結爪部材50上に外周ニップル40が被っている。これら外周ニップル40と連結爪部材50とがビス82,83(図3)によって固定されている。
図6及び図12(b)に示すように、ダクト部材11A,21Aの互いに面一をなす底面(下側の外面)どうし間には連結爪部材50Bが設けられている。図11(b)に示すように、連結爪部材50Bは、平板状の連結板部51Bと、複数の三角形状の係止爪53Bを有している。図6に示すように、連結板部51Bが、ダクト部材11A,21Aの底面どうし間に跨るとともに、これら底面と接着によって接合されている。連結板部51Bの両縁部の係止爪53Bが、ダクト部材11A,21Aにそれぞれ差し込まれて係止されている。
連結爪部材50B上に外周ニップル40が被っている。これら外周ニップル40と連結爪部材50Bとがビス84によって連ねられている。
図2(b)に示すように、第1ダクト部材11Aの外周には、環状帯部材70が設けられている。環状帯部材70は、鋼板によって構成され、第1ダクト部材11Aの周方向に沿う四角形の有端環状になっている。該環状帯部材70が、第1ダクト部材11Aの周方向に巻かれている。
図10に示すように、環状帯部材70は、巻き付けの容易性のために、L字状の下側帯部分71と、逆さL字状の上側帯部分72とに分かれている。これら帯部分71,72がそれぞれ第1ダクト部材11Aの外面に設置された後、ビス87等の連結手段によって連結されている。
なお、環状帯部材70が、帯部分71,72に分かれておらず、一体物であってもよい。
図6に示すように、環状帯部材70の両端部は、第2ダクト部材21Aの上側部と下側部に配置されている。環状帯部材70の下側の端部(一端部)は、内側へ折り曲げられることで、フック71f(係着部)を構成している。フック71fは、外周ニップル40の底板部における第1ダクト部材11A側とは反対側(図6において右側)の縁部に係着されている。
環状帯部材70におけるフック71fの近傍部分は、外周ニップル40及び連結爪部材50Bと重なっている。これら環状帯部材70と外周ニップル40と連結爪部材50Bが、ビス84によって固定されている。
図6に示すように、環状帯部材70の上側の端部72eは、外周ニップル40の上側のフランジ42に被さっている。該端部72eは、上側の連結爪部材50とちょうど重なる位置に配置されている。ビス82によって、環状帯部材70の上側の端部と、上側のフランジ42と、上側の連結爪部材50とが連結されている。
更に、図13及び図6の二点鎖線に示すように、アルミテープ1dが、外周ニップル40の縁とダクト部材11A,21Aの露出面との境1e、及び環状帯部材70に被さるように貼られている。これによって、気密性が確保されている。
なお、図6及び図13を除く図面ではアルミテープ1dの図示を省略する。
空調ダクト装置1は、次のようにして作製される。
ダクト部材11,21の作製は、工場で行なう。T字ダクト部材1aの第1、第2ダクト部材11A,21Aについても同様である。
第1ダクト部材11Aには、連通孔16cを形成しておく。
更に、T字ダクト部材1aを工場で組み立てる。
詳しくは、図12(a)に示すように、第1ダクト部材11Aの連通孔16cに、内周ニップル30を嵌めて接着剤で接着する。
第2ダクト部材21Aの外周には、外周ニップル40を嵌めるとともに、該外周ニップル40を第2ダクト部材21Aの中間部までずらしておく。
第2ダクト部材21Aの上側及び幅方向の両側の3つの外面には、連結爪部材50を取り付ける。
次に、図12(b)に示すように、第1ダクト部材11Aの内周ニップル30の突出部分に第2ダクト部材21Aを嵌めて接着剤で接着する。同時に連結爪部材50の片側の係止爪53を第1ダクト部材11Aに差し込む。
次に、連結爪部材50Bをダクト部材11A,21Aの底面どうし間に取付ける。
次に、図12(c)に示すように、外周ニップル40をスライドさせて、外側フランジ42,43及び延出板部44を第1ダクト部材11Aに当接させる。これによって、連結爪部材50,50Bが隠れる。
続いて、幅方向の両側の連結爪部材50とフランジ43をビス83で止める。
次に、図13(a)に示すように、環状帯部材70を第1ダクト部材11Aの外周に巻き付け、下側帯部分71のフック71fを外周ニップル40に係着する。
下側帯部分71と連結爪部材50Bとが重なる位置にはビス84を打つことで、下側帯部分71と連結爪部材50Bと外周ニップル40を固定する。
図13(b)に示すように、下側帯部分71と上側帯部分72との重なり部にはビス87を打つことで、これら帯部分71,72を連結する。
更に環状帯部材70の上側の端部72eを外周ニップル40の上側のフランジ42に宛がうとともに、ビス82によって、該環状帯部材70の端部72eとフランジ42と上側の連結爪部材50を固定(係着)する。
次に、図13(c)に示すように、アルミテープ1dを外周ニップル40の縁とダクト部材11A,21Aの露出面との境1e、及び環状帯部材70上に貼り付ける。
これによって、T字ダクト部材1aが完成する。
図2(b)に示すように、オフィスビルなどの施工現場においては、必要数のダクト部材11,21,1aを搬入し、1のダクト部材の連接ニップル12,22に隣のダクト部材を挿し込むことで、ダクト部材を順次継ぎ足す。連接ニップル12,22の突出端部12e,22eを先窄まり状にしておくことで、隣のダクト部材の挿し込み操作を容易化できる。T字ダクト部材1aをユニット化しておくことで、第1ダクト10から第2ダクト20への分岐も容易に施工できる。
これによって、空調ダクト装置1を容易に配管施工できる。
空調ダクト装置1によれば、第2ダクト20の自重やアネモの吊り荷重や地震などによる衝撃荷重が第2ダクト20にかかったときは、その荷重が環状帯部材70に伝わり、環状帯部材70に張力が働く。したがって、第2ダクト20にかかる負荷を環状帯部材70によって受けることができる。これによって、第2ダクト20における特に第1ダクト10との接続部に応力が集中するのを緩和又は防止できる。
更には、第1ダクト部材11Aに環状帯部材70が巻き付けられることによって第1ダクト部材11Aを補強できる。
また、第2ダクト部材21Aの交差側端部を内外のニップル本体部31,41により内面側及び外面側から挟み付けることによって、該交差側端部を補強できる。かつ、第1ダクト部材11Aの壁部16,17における連通孔16cの周縁部を内側当接部32,33,34及び外側当接部42,43,44により内面側及び外面側から挟み付けることによって、該連通孔周縁部を補強できる。ひいては、これら交差側端部及び連通孔周縁部を含むダクト部材11A,21Aどうしの接続部を、内外のニップル30,40により内面側及び外面側から挟み付けることによって、接続強度を高めることができる。
更には、連結爪部材50,50Bによって前記接続強度を一層高めることができる。
この結果、T字ダクト部材1aの強度を十分に高め、変形や破損を防止することができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態>
図14は、本発明の第2実施形態を示したものである。
第2実施形態においては、T字ダクト部材1aの第1ダクト部材11Aにおける第2ダクト部材21Aとの接続部を挟んで両側部に一対の環状帯部材70Bが巻き付けられている。各環状帯部材70Bは閉環状になっている。環状帯部材70Bは、無端帯状であってもよく、有端の帯部材の両端部がビス止めやバックル等で連結されることによって閉環状になっていてもよい。環状帯部材70Bを締付けることによって張力を発現させてもよい。
環状帯部材70Bが、外周ニップル40の側方のフランジ43上に被さることで、外周ニップル40を第1ダクト部材11Aに縛り付け、ひいては第2ダクト部材21Aを第1ダクト部材11Aに縛り付けている。
さらに、ビス(図示省略)によって環状帯部材70Bと外周ニップル40と第1ダクト部材11Aが固定されていてもよい。
<第3実施形態>
図15及び図16は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態においては、T字ダクト1aの両端(交差する部分の周辺)に2つの環状帯部材70Cが設けられている。これら環状帯部材70Cが、第1ダクト部材11Aとその両隣の第1ダクト部材11B,11Bとに跨るようにして、これらダクト部材11A,11Bの外周面に巻き付けられている。これによって、ダクト部材11A,11Bどうしの連結強度が高められている。
各環状帯部材70Cは、2つの帯部分73,74を含む。帯部分73,74は、鋼板をL字状ないしはコ字状に折り曲げたものである。上側の帯部分73と下側の帯部分74とが環状に接続されることによって、閉環状をなす環状帯部材70Cが形成されている。
2つの環状帯部材70C,70Cどうし間に連結部材75が架け渡されている。連結部材75は、長板状の平らな鋼板によって構成されている。連結部材75は、第1ダクト部材11Aの側壁部16の長手方向に沿って延びるとともに、外周ニップル40の上側フランジ42の外面に被さっている。連結部材75と側壁部16との間にフランジ42が挟み付けられている。連結部材75の両端部が、環状帯部材70Cと重ねられて接合されている。接合手段としては例えばビス85が用いられている。これによって、端部第2ダクト部材21Aが、外周ニップル40及び連結部材75を介して環状帯部材70Cに係着されている。
例えば端部第2ダクト部材21Aの先端部が下向きになるようなモーメントが端部第2ダクト部材21Aに加えられたときは、フランジ42を介して連結部材75に張力が働き、更に連結部材75を介して環状帯部材70Cに張力が働く。これによって、端部第2ダクト部材21AひいてはT字ダクト部材1aの耐荷重を高めることができる。
<第4実施形態>
図17及び図18は、本発明の第4実施形態を示したものである。図17に示すように、第4実施形態においては、例えば第2実施形態のT字ダクト1aに吊治具60が設けられている。吊治具60は、2つ(複数)の第1吊治具部材61と、2つ(複数)の第2吊治具部材62を含む。
図17に示すように、第1吊治具部材61は、アングル鋼材によって構成されている。第1吊治具部材61は、第1ダクト部材11Aにおける第2ダクト部材21Aとの接合部を挟んで両側にそれぞれ配置され、側壁部16の外面と底壁部17の外面との角部に宛がわれている。さらに第1吊治具部材61は、第1ダクト部材11Aの長手方向の外側へ突出されている。第1吊治具部材61の先端部には、小片板状の係止部63が水平に突出するように設けられている。係止部63にはネジ孔63bが形成されている。
第2吊治具部材62は、アングル鋼材によって構成されている。第2吊治具部材62は、端部第2ダクト部材21Aにおける一対の側壁部26の外面と底壁部27の外面との角部にそれぞれ宛がわれている。さらに第2吊治具部材62は、第2ダクト部材21Aの長手方向における第1ダクト部材11A側とは反対側へ突出されている。第2吊治具部材62の先端部には、小片板状の係止部64が水平に突出するように設けられている。係止部64にはネジ孔64bが形成されている。
図18に示すように、T字ダクト1aは、4つ(複数)の吊り具6によって吊り支持されている。吊り具6は、例えば全ねじによって構成されている。吊り具6の下端部が、係止部63,64のネジ孔63b,64bにねじ込まれている。
第4実施形態によれば、T字ダクト1aの耐荷重を一層高めることができる。
<変形態様>
図19(a)に示すように、内周ニップル30は、周方向に2つ(複数)のニップル部材35,36に分割されていてもよい。これら内周ニップル部材35,36は、ビス等の接合手段(図示省略)によって環状に接合される。当該変形態様によれば、内周ニップル部材35,36どうしの接合部の重なり度合を調節することによって、内周ニップル30の大きさを第2ダクト部材21Aの内周に応じて調節できる。
図19(b)に示すように、外周ニップル40は、周方向に2つ(複数)のニップル部材45,46に分割されていてもよい。これら外周ニップル部材45,46は、ビス等の接合手段(図示省略)によって環状に接合される。当該変形態様によれば、外周ニップル部材45,46どうしの接合部の重なり度合を調節することによって、外周ニップル40の大きさを第2ダクト部材21Aの外周に応じて調節できる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、第2ダクト20が幹ダクトであり、第1ダクト10が枝ダクトであってもよい。すなわち、第2ダクト20が空調エアの流れ方向に沿って第1ダクト10よりも上流側に配置されていてもよい。第2ダクト20からの空調エアが第1ダクト10の両側へ分流されるようになっていてもよい。
環状帯部材70,70Bが、外周ニップル本体部41に係着されていてもよく、外周ニップル40を介さずに第2ダクト20に直接係着されていてもよい。
各ダクト部材11,21の製造方法、T字ダクト部材1aの組立方法、及び空調ダクト装置1の現場施工方法は適宜改変できる。
第4実施形態(図17〜図18)の吊り構造を第1、第3実施形態のT字ダクト部材1aに適用してもよい。
図19(a)の変形態様において、内周ニップル30が周方向に3以上のニップル部材に分割されていてもよい。図19(b)の変形態様において、外周ニップル40が周方向に3以上のニップル部材に分割されていてもよい。
本発明は、例えば建物の空調ダクトに適用できる。
1a T字ダクト1a
1 空調ダクト装置
1a T字ダクト部材(交差する部分)
1d アルミテープ
1e 外周ニップルの縁とダクト部材の露出面との境
6 吊り具
10 第1ダクト
11 第1ダクト部材
11A 1の第1ダクト部材
11B 隣の第1ダクト部材
12 第1連接ニップル
12e 先端部
13 ダクト本体層
14 内面層
15 外面層
16 側壁部
16c 連通孔
17 底壁部
20 第2ダクト
21 第2ダクト部材
21A 端部の第2ダクト部材
22 第2連接ニップル
22e 先端部
23 ダクト本体層
24 内面層
25 外面層
26 側壁部
27 底壁部
30 内周ニップル
31 内周ニップル本体部
32,33 フランジ(内側当接部)
34 延出板部(内側当接部)
35,36 ニップル部材
40 外周ニップル
41 外周ニップル本体部
42,43 フランジ(外側当接部)
44 延出板部(外側当接部)
45,46 ニップル部材
50,50B 連結爪部材
51,51B 連結板部
53,53B 係止爪
60 吊治具
61 第1吊治具部材
62 第2吊治具部材
63,64 係止部
63b,64b ネジ孔
70 有端の環状帯部材
70B 閉環状の環状帯部材
70C 環状帯部材
71 下側帯部分
71f フック
72 上側帯部分
72e 上側端部
73,74 帯部分
75 連結部材
82,83,84,85,87 ビス(接合手段)

Claims (8)

  1. 第1ダクトの側部に第2ダクトが交差するように接続された空調ダクト装置であって、
    前記交差する部分又はその周辺における前記第1ダクトの外周に巻き付けられるとともに前記第2ダクトに係着された環状帯部材を備えたことを特徴とする空調ダクト装置。
  2. 前記第2ダクトにおける前記交差する側の端部の外周に環状の外周ニップルが嵌められており、前記環状帯部材が前記外周ニップルと係着されていることを特徴とする請求項1に記載の空調ダクト装置。
  3. 前記環状帯部材が有端環状であり、前記環状帯部材の両端部がそれぞれ前記外周ニップルと係着されていることを特徴とする請求項2に記載の空調ダクト装置。
  4. 前記環状帯部材の一端部には前記外周ニップルと係着されるフックが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の空調ダクト装置。
  5. 前記環状帯部材が閉環状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調ダクト装置。
  6. 前記第1ダクトが、一列に連なる第1ダクト部材を有し、
    前記第2ダクトが、一列に連なる第2ダクト部材を有し、
    前記第1ダクトの1の第1ダクト部材の側部に前記第2ダクトの端部の第2ダクト部材が接続されており、前記環状帯部材が、前記1の第1ダクト部材の外周に巻き付けられるとともに前記端部の第2ダクト部材に係着されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の空調ダクト装置。
  7. 前記環状帯部材が、前記1の第1ダクト部材とその隣の第1ダクト部材とに跨るようにして巻き付けられ、前記端部の第2ダクト部材が、連結部材を介して前記環状帯部材に係着されていることを特徴とする請求項6に記載の空調ダクト装置。
  8. 前記1の第1ダクト部材とその両隣の第1ダクト部材との間にそれぞれ前記環状帯部材が設けられ、これら環状帯部材どうし間に前記連結部材が架け渡されていることを特徴とする請求項7に記載の空調ダクト装置。
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