JP2009249160A - エレベータ用ロープブレーキユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動機の駆動シーブとソラセ車との間に配設され、前記駆動シーブと前記ソラセ車とに巻き掛けられたロープを把持することにより制動力を得るエレベータ用ロープブレーキユニットであって、ロープブレーキ本体を有する複数のブレーキブロックを備え、前記ブレーキブロックの前記ロープブレーキ本体は、他の前記ブレーキブロックの前記ロープブレーキ本体の作動状態とは無関係に別個独立して作動可能である構成とする。
【選択図】図2
Description
従来におけるエレベータ用ロープブレーキユニットにおいては、駆動シーブと前記駆動シーブを回転させる駆動装置本体とを有する駆動装置と、前記駆動シーブに巻き掛けられている主索と、前記駆動シーブに対して一側で前記主索により昇降路内に吊り下げられ、前記駆動装置の駆動力により前記昇降路内を昇降される乗りかごと、前記駆動シーブに対して他側で前記主索により前記昇降路内に吊り下げられ、前記駆動装置の駆動力により前記昇降路内を昇降される釣合い重りと、を備え、前記駆動シーブの前記釣合い重り側の、前記駆動シーブとソラセ車との間の位置には、前記釣合い重りが通常の昇降行程よりも下方へ移動したときに前記主索を把持することにより、前記駆動装置による前記乗りかごの上昇を阻止するロープブレーキ装置が設けられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、駆動シーブとソラセ車の間にロープブレーキを備えるエレベータであって、前記駆動シーブを回転駆動する、マシンベッド上に固定された巻上機と、前記巻上機及び前記ソラセ車を機械室の床面に対して支持するための架台と、を備え、前記架台は、前記マシンベッドが前記ソラセ車から離間するように前記巻上機を支持するための支持部を有しているものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
すなわち、制動装置の制動力が一定の条件の下では、乗りかごと釣合い重りとの負荷バランスの偏りが大きい場合には、制動力が足らずに制動距離が長くなってしまうおそれがあり、また、乗りかごと釣合い重りとの負荷バランスの偏りが小さい場合には、今度は制動力が大き過ぎるがために、制動時に乗りかご内に大きな慣性力が働いてしまうおそれがある。
また、第2の目的は、保守作業時において主索の巻き掛けを外すことが必要な作業を行う際に、この作業の効率を向上させることができる治具としても利用可能であるエレベータ用ロープブレーキユニットを得るものである。
図1から図9は、この発明の実施の形態1に関するもので、図1は昇降路と機械室の全体を示す模式図、図2はロープブレーキユニット、駆動機及びソラセ車の正面図、図3はロープブレーキユニット、駆動機及びソラセ車の側面図、図4はロープブレーキユニットを構成するブレーキブロックの平面図、図5は図4中の断面A−Aで切断した断面図、図6はロープブレーキユニットを構成するブレーキブロックの側面図、図7はロープブレーキユニットの平面図、図8は図7中の断面B−Bで切断した断面図、図9はロープブレーキユニットの側面図である。
図において、エレベータの昇降路1の上部には機械室2が設けられており、前記機械室2に設けられた一対の駆動機ベース3上には駆動機4が載置されている。
前記駆動機4の前記駆動シーブ5は一対の前記駆動機ベース3の上方において、前記駆動機4の回転駆動を前記駆動シーブ5へと伝達するギヤケース6と前記駆動シーブ5の回転軸の一端を回動自在に支持する軸受台7との間に位置するように配置されている。
前記駆動機4の駆動シーブ5にはロープ8が巻き掛けられており、このロープ8の一端は、一対の前記駆動機ベース3の間を通された上で、前記昇降路1内に昇降自在に配置された乗りかご9が接続されている。そして、前記ロープ8の他端は、一対の前記駆動機ベース3の間を通されて、一対の前記駆動機ベース3の間に回動自在に配設されたソラセ車10に巻き掛けられた上で、前記昇降路1内に昇降自在に配置された釣合い重り11が接続されている。また、前記乗りかご9内の床下には、前記乗りかご9内の負荷を検知する秤装置9aが取付されている。
このブレーキブロック16は、要時に前記ロープ8を把持する一対のブレーキシュー17aを有するロープブレーキ本体17を備えており、据付時において前記ロープ8は一対の前記ブレーキシュー17aの間を通される。このブレーキシュー17aの前記ロープ8を把持する力は一定である。
前記ロープブレーキ本体17の両側には、一対の前記ブレーキシュー17aに通される前記ロープ8の長手方向と平行に配置された第1の連結板18aがそれぞれ取付されている。ここで、これら第1の連結板18aは、一対の前記ブレーキシュー17aに通される前記ロープ8の長手方向の一方側にそれぞれが突出した状態で取付されており、この突出部が第1の突起部19aを形成している。そして、この第1の突起部19aには、第1の連結孔20aが穿設されている。
また、これら第1の連結板18aの反ロープブレーキ本体側には、一対の前記ブレーキシュー17aに通された前記ロープ8の長手方向と平行に配置された第2の連結板18bがそれぞれ取付されている。そして、これら第2の連結板18bは、一対の前記ブレーキシュー17aに通される前記ロープ8の長手方向の他方側にそれぞれが突出した状態で取付されており、この突出部が第2の突起部19bとなる。この第2の突起部19bには、第2の連結孔20bが穿設されている。
ここで、前記第1の突起部19a及び前記第2の突起部19bはその上底が先端側に、その下底が前記ロープブレーキ本体17側に配置された略台形状に形成されるとともに、前記第1の連結孔20a及び前記第2の連結孔20bの中心位置は、それぞれ前記第1の突起部19a及び前記第2の突起部19b先端(すなわち略台形の上底側)の一方の端部を形成する頂点位置と同一の高さ位置に配置されている。
そして、互いに連結された前記ブレーキブロック16同士が略直線状に配置されている際に、前記第1の突起部19aの先端が前記第1の連結板18aの反第1の突起部側に、前記第2の突起部19bの先端が前記第2の連結板18bの反第2の突起部側に、それぞれ当接することにより、前記ブレーキブロック16同士が略直線状から一方の方向へとのみ回動することができ、前記ブレーキブロック16同士が略直線状から他方の方向へと回動することを規制している。
なお、これらの前記ブレーキブロック16に設けられた前記ロープブレーキ本体17は、他の前記ブレーキブロック16に設けられた前記ロープブレーキ本体17の作動状況とは無関係に独立して作動するよう制御することができる。
すなわち、前記ギヤケース6の前記駆動シーブ5側には取付梁支持部6aが設けられており、この前記取付梁支持部6aの上部には、前記ソラセ車10側に向かって上部取付梁12が延設されている。また、前記軸受台7の上部にも、前記ソラセ車10側に向かって上部取付梁12が延設されている。そして、これら上部取付梁12の前記ソラセ車10の端部に、前記ロープブレーキユニット15の一端を形成する前記ブレーキブロック16の前記第1の突起部19aが重ね合わされた上で、連結ピン21により回動自在に連結される。
また、一対の前記駆動機ベース3上面の前記ソラセ車10側寄りには下部取付梁13が渡設されており、前記ロープブレーキユニット15の他端を形成する前記ブレーキブロック16の前記第2の突起部19bが取付部14を介してこの下部取付梁13に回動自在に連結される。
前記ロープ8は、前記ロープブレーキユニット15を構成する全ての前記ブレーキブロック16の前記ブレーキシュー17a間を通された上で前記駆動シーブ5及び前記ソラセ車10に巻き掛けられている。
なお、前記ロープブレーキユニット15は、前記ブレーキブロック16同士が略直線状から回動可能な側が下方側に、前記ブレーキブロック16同士が略直線状から回動することができないように規制されている側が上方側に位置するようにして配設される。
すなわち、隣接する前記ブレーキブロック16の一方から見て、他方の前記ブレーキブロック16は前記ロープ8に沿った位置からから下方側へとのみ回動することができ、隣接する前記ブレーキブロック16の一方から見て、他方の前記ブレーキブロック16が前記ロープ8に沿った位置からから上方側へと回動することはできない。
また、ロープブレーキユニットは同一の形状及び構成を有するブレーキブロックを複数連結して構成されたているため、連結するブレーキブロックの個数を増減させることにより、様々な駆動シーブとソラセ車との間の距離寸法に対応することが可能である。
さらに、ロープブレーキユニットを、ブレーキブロック同士が略直線状から一方の方向へとのみ回動することができ、他方の方向へと回動することができないように連結板に突起部を設け、ブレーキブロック同士が略直線状から回動することができないように規制されている側が上方側に位置するようにして配設することにより、ロープブレーキユニットの特に中央部に配置されたブレーキブロックが自重により下方に下がり、ロープブレーキユニット全体として弓形に反った配置となってしまうことを未然に防止することができる。
また、ブレーキブロックが同一形状及び同一構成を有することから、ロープブレーキユニットの生産過程においても、効率化等を図ることが可能である点で有利である。
図10から図12は、この発明の実施の形態2に関するもので、図10はロープブレーキユニットを使用したロープの吊上げ前の状態を示す正面図、図11はロープブレーキユニットを使用したロープの吊上げ中の状態を示す正面図、図12はロープブレーキユニットを使用したロープの複数吊りの状態を示す要部拡大図である。
ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成に加えて、ブレーキブロックに着脱自在な吊ボルトを設けるようにしたものである。
すなわち、前記ロープブレーキユニット15を構成するそれぞれの前記ブレーキブロック16には、一端に環状部を有する吊ボルト22の他端に螺刻されたネジ部と螺合する吊ボルト用ネジ孔23が設けられている。ここで、この吊ボルト用ネジ孔23は、前記ブレーキブロック16同士が略直線状から回動することができないように規制されている側に設けられる。
なお、他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、前記ロープブレーキ本体17を作動させて前記ブレーキシュー17aにより前記ロープ8を把持することにより前記ロープブレーキユニット15と前記ロープ8とを固定する。
そして、前記ロープブレーキユニット15と前記上部取付梁12及び前記下部取付梁13との連結を解除した上で、例えばチェンブロック等の吊具24により、前記吊ボルト22の前記環状部を用いて、前記ロープ8を前記ロープブレーキユニット15とともに吊上げて、前記駆動シーブ5から前記ロープ8の巻き掛けを外す。
また、前記吊ボルト22は、前記ブレーキブロック16同士が略直線状から回動することができないように規制されている側に設けられ、前記ブレーキブロック16同士は略直線状から反吊ボルト側へと回動可能であるので、前記ロープ8吊上げ時においては図11及び図12に示すように、前記ロープブレーキユニット15全体として緩やかに屈曲した状態で、前記ロープ8が吊上げられる。
また、ブレーキブロック同士は略直線状から反吊ボルト側へと回動可能であり、ロープ吊上げ時においてはロープブレーキユニット全体として緩やかに屈曲した状態でロープが吊上げられるため、吊上げられたロープがロープブレーキユニット端部で折れてしまうことを防止することができる。
なお、ロープの吊上げ作業で用いる吊具は一つに限られず、図12に示すように複数のチェンブロック等の吊具を用いることも可能である。
図13は、この発明の実施の形態3に関するもので、ロープブレーキユニット、駆動機及びソラセ車の正面図である。
ここで説明する実施の形態3は、前述した実施の形態1又は実施の形態2の構成に加えて、ロープブレーキユニットを構成する各ブレーキブロック間の連結部にカバーを設けるようにしたものである。
すなわち、前記ロープブレーキユニット15を構成するそれぞれの前記ブレーキブロック16同士の連結部には、前記第1の連結板18aの前記第1の突起部19a及び前記第2の連結板18bの前記第2の突起部19bを覆うようにして、異物の噛込を防止するためのカバー25が取付されており、他の構成は実施の形態1又は実施の形態2と同様である。
2 機械室
3 駆動機ベース
4 駆動機
5 駆動シーブ
6 ギヤケース
6a 取付梁支持部
7 軸受台
8 ロープ
9 乗りかご
9a 秤装置
10 ソラセ車
11 釣合い重り
12 上部取付梁
13 下部取付梁
14 取付部
15 ロープブレーキユニット
16 ブレーキブロック
17 ロープブレーキ本体
17a ブレーキシュー
18a 第1の連結板
18b 第2の連結板
19a 第1の突起部
19b 第2の突起部
20a 第1の連結孔
20b 第2の連結孔
21 連結ピン
22 吊ボルト
23 吊ボルト用ネジ孔
24 吊具
25 カバー
Claims (9)
- 駆動機の駆動シーブとソラセ車との間に配設され、前記駆動シーブと前記ソラセ車とに巻き掛けられたロープを把持することにより制動力を得るロープブレーキユニットであって、
ロープブレーキ本体を有する複数のブレーキブロックを備え、
前記ブレーキブロックの前記ロープブレーキ本体は、他の前記ブレーキブロックの前記ロープブレーキ本体の作動状態とは無関係に別個独立して作動可能であることを特徴とするエレベータ用ロープブレーキユニット。 - 複数の前記ブレーキブロックの前記ロープブレーキ本体のうち、作動する前記ロープブレーキ本体の個数は、前記ロープの一端に接続され、エレベータの昇降路内に昇降自在に配置された乗りかご内の負荷状況により変化することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用ロープブレーキユニット。
- 複数の前記ブレーキブロックは、互いに連結され、前記駆動シーブと前記ソラセ車との間の前記ロープに沿って配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のエレベータ用ロープブレーキユニット。
- 複数の前記ブレーキブロックは、同一の形状及び同一の構成を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のエレベータ用ロープブレーキユニット。
- 前記ブレーキブロックは、
前記ロープブレーキ本体の両側にそれぞれ取付された第1の連結板と、
前記第1の連結板の一端に形成された第1の突起部と、
前記第1の突起部に穿設された第1の連結孔と、
それぞれの前記第1の連結板の反前記ロープブレーキ本体側にそれぞれ取付された第2の連結板と、
前記第2の連結板の、前記第1の連結板に前記第1の突起部が形成された側とは反対側の端部に形成された第2の突起部と、
前記第2の突起部に穿設された第2の連結孔と、を有し、
複数の前記ブレーキブロック同士は、一方の前記ブレーキブロックの前記第1の突起部と他方の前記ブレーキブロックの前記第2の突起部とを重ね合わせた上で、前記第1の連結孔と前記第2の連結孔とに連結ピンを通すことによって互いに連結されることを特徴とする請求項4に記載のエレベータ用ロープブレーキユニット。 - 前記ブレーキユニットの両端部を構成する前記ブレーキブロックは、前記昇降路内の固定体に連結され、
複数の前記ブレーキブロックは、前記駆動シーブと前記ソラセ車との間に配設された状態において、前記ブレーキブロック同士が互いに上方側に回動不能に連結されたことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載のエレベータ用ロープブレーキユニット。 - 前記ブレーキブロックは、前記駆動シーブと前記ソラセ車との間に配設された状態における上方側に、一端に環状部を有する吊ボルトを備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のエレベータ用ロープブレーキユニット。
- 複数の前記ブレーキブロックは、前記駆動シーブと前記ソラセ車との間に配設された状態において、前記ブレーキブロック同士が前記ロープに沿った位置から互いに下方側に回動可能に連結されたことを特徴とする請求項7に記載のエレベータ用ロープブレーキユニット。
- それぞれの前記ブレーキブロック間にカバーを備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のエレベータ用ロープブレーキユニット。
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