JP2009246608A - デジタル放送記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、放送信号の受信エラー時に効率よくデータを修復することが可能なデジタル放送記録差異性装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるデジタル放送記録再生装置は、システム制御部4が復調部13にて受信エラー信号を付加されて蓄積装置32に記録できなかったトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータ内のパケットに対応するデータをコンテンツサーバからダウンロードし、ダウンロードしたデータによってトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータの修復可否を決定する機能を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明によるデジタル放送記録再生装置は、システム制御部4が復調部13にて受信エラー信号を付加されて蓄積装置32に記録できなかったトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータ内のパケットに対応するデータをコンテンツサーバからダウンロードし、ダウンロードしたデータによってトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータの修復可否を決定する機能を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、受信したデジタル放送信号を記録再生するデジタル放送記録再生装置に関する。
従来の地上波デジタル放送受信装置には、アンテナで受信したデジタル放送波をフロントエンドブロックでトランスポートストリーム(Transport Stream:TS)データに復調して復号し、フロントエンドブロックから出力されたTSデータをCA(Conditional Access)デスクランブルしてからTS−DEMUX(TSデマルチプレックス)した後、映像信号および音声信号をMPEGデコーダによって復号して出力するものがある(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、このような装置では、移動することによって送信局からの放送波が受信困難なエリアに入ると、映像や音声の品位が著しく低下したり、映像や音声が一時的に視聴できない状態に陥る場合がある。この問題の対策として、放送信号を録画再生する機能を備え、録画された放送中に録画状態が悪いと判断された箇所の再生を早めるか、または除去することができる車載用TV録画再生装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、放送波が受信できなくなったことによって欠落データが発生した場合には、サーバと通信を確立して受信できなかった欠落データを装置内蔵の蓄積部にダウンロードし、受信できなかった部分をカバーすることが可能な装置がある(例えば、特許文献2、3参照)。
従来の装置では、受信困難な状態で放送信号を受信したために、フロントエンドブロックで復調したTSデータの品質が悪くて復号が不可能な場合において、全てのデータを蓄積装置に記録し、品質が悪いデータ部分は再生時に破棄するか、あるいは通信状態が良好な別回線を利用して蓄積装置への記録を再開している。従って、復号できなかった不必要なデータを蓄積装置に記録したり、わざわざダウンロードしてまで視聴する必要がないとユーザが判断したコンテンツの受信エラーデータも通信回線を利用して取得するため、これらのデータをダウンロードして取得するための時間、費用、コンテンツを蓄積するための記録媒体の容量などが膨大となってしまう。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、放送信号の受信エラー時に効率よくデータを修復することが可能なデジタル放送記録再生装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明によるデジタル放送記録再生装置は、アンテナから受信したデジタル放送信号を復調してトランスポートストリームデータを生成した後に復号し、復号できなかったときはトランスポートストリームデータのパケット単位で受信エラー信号を付加する復調部と、トランスポートストリームデータ内の映像データと音声データとを分離したり、あるいはトランスポートストリームデータから複数のコンテンツを分離してパーシャルトランスポートストリームデータを生成し、当該パーシャルトランスポートストリームデータ内の映像データと音声データとを分離する分離部と、映像データを復号する映像復号部と、音声データを復号する音声復号部とを有するデジタル放送受信部と、分離部から出力されたトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータを蓄積し、あるいは蓄積されたトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータを分離部に送出する蓄積装置と、蓄積装置の記録フォーマットと、トランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータのデータフォーマットとの相互変換を行うデータ変換部とを有する蓄積部と、ネットワーク回線に接続するために設けられたネットワーク端子と、ネットワーク回線に接続されたコンテンツサーバとの間で送受信されたデータの変復調を行う変復調部とを有する通信部と、デジタル放送受信部、蓄積部、および通信部の制御を行うシステム制御部とを備え、システム制御部は、復調部にて受信エラー信号を付加されて蓄積装置に記録できなかったトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータ内のパケットに対応するデータをコンテンツサーバからダウンロードし、ダウンロードしたデータによってトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータの修復可否を決定する機能を有することを特徴とする。
本発明によると、システム制御部は復調部にて受信エラー信号を付加されて蓄積装置に記録できなかったトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータ内のパケットに対応するデータをコンテンツサーバからダウンロードし、ダウンロードしたデータによってトランスポートストリームデータまたはパーシャルトランスポートストリームデータの修復可否を決定するため、放送信号の受信エラー時に効率よくデータを修復することが可能となる。
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態によるデジタル放送記録再生装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、デジタル放送記録再生装置は、デジタル放送波を受信して復調・復号するデジタル放送受信部1と、コンテンツサーバとの通信を行う通信部2と、受信したデジタル放送の復号データを記録・再生する蓄積部3と、デジタル放送受信部1、通信部2、および蓄積部3の各制御を行うシステム制御部4とからなる。デジタル放送受信部1には、復号された画像信号に基づく画像を表示するディスプレイなどの表示装置5と、復号された音声信号に基づく音声を出力するスピーカ等の音声出力装置6とが接続されている。なお、本実施形態1によるデジタル放送記録再生装置が、放送の記録再生機能を有するテレビ(Television:TV)システムである場合には、表示装置5および音声出力装置6は、デジタル放送記録再生装置の一部となる。
図1は、本発明の実施形態によるデジタル放送記録再生装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、デジタル放送記録再生装置は、デジタル放送波を受信して復調・復号するデジタル放送受信部1と、コンテンツサーバとの通信を行う通信部2と、受信したデジタル放送の復号データを記録・再生する蓄積部3と、デジタル放送受信部1、通信部2、および蓄積部3の各制御を行うシステム制御部4とからなる。デジタル放送受信部1には、復号された画像信号に基づく画像を表示するディスプレイなどの表示装置5と、復号された音声信号に基づく音声を出力するスピーカ等の音声出力装置6とが接続されている。なお、本実施形態1によるデジタル放送記録再生装置が、放送の記録再生機能を有するテレビ(Television:TV)システムである場合には、表示装置5および音声出力装置6は、デジタル放送記録再生装置の一部となる。
デジタル放送受信部1は、アンテナ入力端子11から受信したデジタル放送信号を復調してトランスポートストリームデータ(以下、TSデータとする)を生成した後に復号し、復号できなかったときはTSデータのパケット単位で受信エラー信号(後述のRS復号エラー信号)を付加する復調部12と、TSデータ内の映像データと音声データとを分離したり、あるいはTSデータから複数のコンテンツを分離してパーシャルトランスポートストリームデータ(以下、パーシャルTSデータとする)を生成し、当該パーシャルTS内の映像データと音声データとを分離する分離部13と、映像データを復号する映像復号部14と、音声データを復号する音声復号部15とを有する。分離部13では、TSデータを映像復号部14および音声復号部15に出力する放送視聴機能と、TSデータを蓄積部3に出力する録画機能と、蓄積部3から送出されたデータを映像復号部14および音声復号部15に出力する再生機能とを有し、システム制御部4からの指示によってTSデータの経路をそれぞれ適応的に切り換える。
通信部2は、ネットワーク回線に接続するために設けられたネットワーク端子21と、ネットワーク回線に接続されたコンテンツサーバとの間で送受信されたデータの変復調を行う変復調部22とを有する。
蓄積部3は、分離部13から出力されたTSデータまたはパーシャルTSデータを蓄積し、あるいは蓄積されたTSデータまたはパーシャルTSデータを分離部13に送出する蓄積装置32と、蓄積装置32の記録フォーマットと、TSデータまたはパーシャルTSデータのデータフォーマットとの相互変換を行うデータ変換部31とを有する。なお、蓄積装置32としては、例えば半導体記憶装置、ハードディスク装置、光ディスク装置などがある。データ変換部31は、デジタル放送受信部1から出力されたTSデータを記録するときには、TSデータをTSパケット単位で加工し、加工したTSデータを蓄積装置32に出力するときにTSパケットの時間情報もともに出力する機能を持ち、再生するときには蓄積装置32から読み出されたTSデータと時間情報とからTSデータ記録時のTSレートを再現しながらデータを再生する機能を持つ。
なお、本実施形態1ではアンテナ入力端子11を用いたが、アンテナそのものを用いてもよい。また、本実施形態1ではネットワーク端子21を用いたが、データ送受信用のアンテナや送受光部などを用いてもよい。さらに、本実施形態1では蓄積装置32をデジタル放送記録再生装置の一部としたが、デジタル放送記録再生装置に接続された外部機器であってもよい。
次に、本実施形態1によるデジタル放送記録再生装置の動作について説明する。
本実施形態1のデジタル放送記録再生装置の動作は、システム制御部4によって制御されている。デジタル放送受信部1のアンテナ入力端子11では、デジタル放送やデジタル音声放送の放送波を受信して復調部12に出力している。アンテナ入力端子11から入力される復調部12では、受信信号を放送規格によって定められた方法で復調し、復調処理の最後にリードソロモン(Reed−Solomon:RS)復号を行い、誤り訂正が全て行われた188バイト単位のTSパケット、すなわち、TSデータを構成する固定長パケットを分離部13に出力する。分離部13は、復調部12から出力されたTSデータのうちの任意の番組だけを選択、すなわち、TSデータ中の一部のTSパケットだけを選択してパーシャルTSデータとし、映像信号と音声信号とに分離してから映像復号部14および音声復号部15に出力する。このとき、TSデータに含まれる番組が1つである場合には、当該TSデータを映像信号と音声信号とに分離してから映像復号部14および音声復号部15に出力する。分離部13から出力されたTSデータまたはパーシャルTSデータの映像信号は映像復号部14にて復号された後に表示装置5に出力され、音声信号は音声復号部15にて復号された後に音声出力装置6に出力される。
復調部12で行われるRS復号は、188バイトのTSパケットに対して16バイトのパリティデータを付加した204バイトのパケットデータ単位で行う誤り訂正処理である。RS復号では、パケットデータ単位の204バイトの内の8バイトまでを完全に誤り訂正することができる。誤り訂正後、204バイトのデータ中の188バイトのTSパケットを出力する。RS復号によって1つのTSパケット中に8バイト以上の誤りが生じて誤り訂正ができなかった場合は、TSパケット単位でRS復号エラー信号Seを出力する。
現行のデジタル放送では、1つのチャンネルに複数の番組が多重されている場合がある。従って、蓄積部3の蓄積装置32に記録されるデータには、分離部13にてデスクランブルされたTSデータそのものである場合と、デスクランブル後にユーザによって任意の数だけ選択された番組のデータであるパーシャルTSデータの場合とがある。復調部12から出力されるTSデータのデータレートは、例えば現在の地上波デジタル放送の場合では最大約24Mbpsである。地上波デジタル放送がTSデータ中に3つの番組を重畳している場合には、その内の1つの番組を分離部13にて取り出してパーシャルTSデータとし、そのパーシャルTSデータのデータレートは約8Mbps(=24Mbps/3番組)となる。このように、蓄積装置32に記録するデータによって記録容量の消費量が異なるため、システム制御部4はTSデータとパーシャルTSデータとのどちらを蓄積装置32に記録するかの切り換えを行う。
移動しながらデジタル放送を受信していると、受信したり復調が困難なエリアでは多くのRS復号エラーが連続的または不連続に発生する。このような場合にRS復号エラーが含まれるTSデータを映像復号部14および音声復号部15にて映像データおよび音声データに復号すると通常は正常に復号されず、正常な映像データおよび音声データを表示装置5および音声出力装置6に出力することができない。従って、移動しながら受信すると受信状態が変化するため、RS復号したTSデータを全て記録したとしても、RS復号エラー信号Seを含むTSパケットは正常な映像・音声データではないので不必要なデータとなってしまう。このように、RS復号エラーを含むTSパケットを蓄積装置32に記録する動作は必要性が低いため、本実施形態ではRS復号エラーを含むTSパケットを蓄積装置32には記録しないようにしている。蓄積装置32へのTSパケットの記録の選別は、データ変換部31にて行われる。
蓄積装置32に記録されているTSデータまたはパーシャルTSデータを再生する場合は、再生するTSデータまたはパーシャルTSデータをデータ変換部31に入力する。データ変換部31では、データとともに記録された時間情報に基づいて、再生するTSデータまたはパーシャルTSデータを送出するタイミングを制御して分離部13に出力する。分離部13に入力されたTSデータまたはパーシャルTSデータは、映像復号部14および音声復号部15にて映像データおよび音声データに復号された後に、表示装置5および音声出力装置6に出力される。すなわち、データ変換部31は、TSデータまたはパーシャルTSデータを蓄積装置32に記録する際には、記録の可否を受信エラー信号に基づいてTSデータまたはパーシャルTSデータのパケット単位で判断してパケットの時間情報を併せて記録し、蓄積装置32に記録したTSデータまたはパーシャルTSデータを再生する際には、パケットの時間情報に従って再生する。
RS復号エラーによって一部のTSデータまたはパーシャルTSデータが記録されなかったコンテンツを再生する場合において、記録されなかった部分に対応する映像や音声にはコンシール処理を行ない、RS復号エラーに起因する映像や音声のひずみをユーザに認識させないようにする。例えば、映像であれば、正常に復号できた映像の最新画像の全部または一部をエラーが発生した領域に挿入する。音声であれば、エラーが発生している間はミュートをかけるなどする。
図2は、本発明の実施形態1による蓄積部3における記録再生時のタイミングチャートである。図2に示すように、本実施形態1によるデジタル放送記録再生装置では、TSデータをTSパケット単位でデータ加工して蓄積部3に記録している。
図2(a)は、受信したTSデータがTSパケットTS1〜TS10を含み、各TSパケットの先頭の入力時間をT1〜T10としている。RS復号エラー信号のハイレベルの期間は復号エラー信号Seが生成されたことを示し、図2(a)ではTS3、TS4、TS7に対応している。
図2(b)は、データ変換部31がTSデータを蓄積装置32に記録する時に、各TSパケットの先頭の入力時間T1〜T10をカウントし、復号エラー信号Seを含まないTSパケットを記録している。図2(b)では、TSパケットであるTS1、TS2、TS5、TS6、TS8〜TS10と、TSパケットの先頭の入力時間であるT1、T2、T5、T6、T8〜T10を蓄積装置32に記録している。このように、データ変換部31が復号エラー信号Seを含むTSパケットを蓄積装置32に記録させないように制御することによって、蓄積装置32への記録容量を少なくすることができる。なお、本実施形態1では、TSパケットであるTS3、TS4、TS7と時間情報であるT3、T4、T7を記録しない例について説明したが、このような例に限らず、復号エラー信号Seが含まれるTSパケットを蓄積装置32に記録しないようにすることはいうまでもない。
図2(c)において、再生時には、データ変換部31が蓄積装置32に記録したTSパケットの時間情報に基づいてTSパケットを出力するように、蓄積装置32の出力タイミングを制御する。例えば、図3(c)において、データ変換部31は時間情報T1を最初に読み込んだ後に時刻T1にてTS1を出力させ、時間情報T2を読み込んだ後に時刻T2にてTS2を出力させる。データ変換部31が次に読み込んだ時間情報がT5である場合は、TS2からTSパケットが2つ分出力された時間の経過後、すなわち時刻T5にてTS5を出力させる。このように、蓄積装置32にはTS3およびTS4が記録されていないが、再生時においてTS5は時間軸上の記録時と同一の位置(TS3およびTS4の削除前と同一の位置)に存在することになり、データレートと再生レートとを同じにすることが可能となる。
再生するTSデータ間の表示されないTSパケット部分(TS3、TS4、TS7)は、表示装置5および音声出力装置6にて何も出力されないため、これらのTSパケットの前後のTSパケットであるTS2とTS5、あるいはTS6とTS8との間の期間では、TSデータの連続性が失われることになる。映像復号部14では、TSデータの連続性が失われると、連続性が失われた部分の直後のTSデータから再デコード処理を行なうが、再デコード処理によって映像を出力可能な状態になるまでの間、正常であった最後の映像画面、すなわち、TS2かそれ以前の画面を静止画として表示装置5に表示する。なお、図2では、TSパケットについて説明したが、パーシャルTSパケットについても同様の動作を行う。
本実施形態によるデジタル放送記録再生装置では、蓄積装置32に記録する時に復調部12にて復号エラーを検出した場合にユーザに記録エラーを通知し、ユーザからの指示に基づいて蓄積装置32に記録されなかったTSパケットまたはパーシャルTSパケットをコンテンツサーバからダウンロードして蓄積装置32に記録されたデータの修復を行うことを特徴としている。
図3は、本発明の実施形態1によるデジタル放送記録再生装置の動作を示す図である。図3(a)では、ユーザがデジタル放送記録再生装置、または付属のリモコンの録画ボタンを押下すると、システム制御部4はデジタル放送の記録を開始するようにデジタル放送受信部1および蓄積部3に対して指示をする。
図3(b)において、記録の開始後にデジタル放送受信部1の復調部12がRS復号エラーを検出すると、蓄積部3に対してRS復号エラー信号Seを送信し、システム制御部4にエラー通知を行う。このときシステム制御部4は、例えば表示部5に文字を表示させたり、または音声出力装置6に警告音を発生させるなどして、ユーザに記録エラーが生じたことを通知する。つまり、システム制御部4は、受信エラー発生時において、受信エラーの旨を警告表示または警告音によってユーザに通知し、ユーザからの修復可否の判断結果に従って受信エラーしたデータの修復可否を決定する。
図3(c)において、記録エラー通知を受けたユーザは、記録されている番組の内容を勘案して当該コンテンツの修復を行う必要があるのか否かを判断し、デジタル放送記録再生装置、または付属のリモコンのボタンなどによってシステム制御部4に指示する。例えば、ドラマや映画などのジャンルでは、RS復号エラーによって蓄積装置32に記録できないことによるストーリーの一部の抜けは、一般的にユーザに不快感を与えるため、ユーザから修復の指示が出されることが期待される。一方、ニュース番組のように時間とともに陳腐化する番組や、ユーザ自身があまり興味を示さなかった番組については、ユーザが修復しなくてもよいという判断をする可能性が高くなる。
図3(d)において、ユーザからの修復指示を受けたシステム制御部4は、予め設定されたコンテンツサーバを特定するアドレス情報とデータ要求コマンドを通信部2に送信する。なお、本実施形態におけるコンテンツサーバは、例えば放送局が運営する有料コンテンツサイトのこととし、ユーザは予め当該コンテンツサイトに利用登録済みであって所定の認証情報を有することとする。また、一定期間ごとにコンテンツデータのダウンロード量に応じてユーザに課金されることとする。
通信部2からコンテンツサーバに送信されるデータは、デジタル放送記録再生装置とコンテンツサーバとを結ぶ回線ネットワークの形態、仕様に適合した変調方式を有する変復調部22と、回線ネットワークの物理的形状に適合したネットワーク端子21とを介して送信される。そして、コンテンツサーバとシステム制御部4との間で認証、コンテンツIDの確認、修復するためにダウンロードするパケットIDの確認、課金情報などの確認が行われた後に、データのダウンロードを開始する。
図3(e)に示すように、コンテンツサーバからダウンロードしたデータは、通信部2に入力され、システム制御部4を経由して蓄積部3に記録される。このとき、ダウンロードされたデータは、修復中の放送データとは異なる蓄積装置32のクラスタに記録される。すなわち、システム制御部4はTSデータまたはパーシャルTSデータが蓄積装置32に連続的に記録されなかった場合において、記録を再開した時点のデータを、記録を中止した時点のデータとは蓄積装置32内の異なるクラスタに記録させる。
図3(f)では、コンテンツサーバからの所定のデータ量のダウンロードが完了すると、システム制御部4は通信部2に対してサーバ通信完了を通知してコネクションを閉じる。
図3(g)において、システム制御部4は、蓄積部3のTSデータが記録できなかった区間に対して、ダウンロードしたパケットデータの内の記録されなかった区間と同じパケットIDを持つTSパケットを挿入する。パケットIDは、例えばパケットごとに1つづつインクリメントされるパケット番号(continuity_counter)などを利用して、前後に存在するパケットIDから推定される。すなわち、システム制御部4は、蓄積装置32に記録できなかったTSデータまたはパーシャルTSデータ内のパケットに対応するデータをコンテンツサーバからダウンロードする際に、蓄積装置32に記録したパケットの前後の連続性情報からダウンロードするデータを特定する。
RS復号エラーによって生じた、蓄積装置32に記録したTSデータの不連続期間の前後のデータ(図2のTS2の最後のデータとTS5の最初のデータ)を異なるクラスタに記録しておくことによって、TS2の最後を示すクラスタの次のジャンプ先をダウンロードしたデータの先頭に、ダウンロードしたデータの最後から次のジャンプ先をTS5の先頭にするように、蓄積装置32に記録したデータおよび管理情報を書き換える。すなわち、コンテンツサーバからダウンロードした一連のデータを蓄積装置32に記録する際に、一連のデータを正常に記録したTSデータまたはパーシャルTSデータとは蓄積装置32の異なるクラスタに記録し、一連のデータがTSデータまたはパーシャルTSデータの所定の位置に配列されるようにクラスタ管理情報を修正する。このようにすることによって、ダウンロードしたデータを蓄積装置32で記録しているTSデータに挿入するときに、データを書き換える量を最小限にすることができる。
なお、図3(d)〜(g)に示す一連の修復動作は、システムの演算装置のリソースの空き時間を用いて、通常の記録動作とは非同期に行われる。また、図3(c)において、ユーザがデータの修復を希望しない場合は、修復拒否の指示をシステム制御部4に送信して終了する。
以上のことから、復調部12にてRS復号エラー信号を付加されTSデータまたはパーシャルTSデータのTSパケットは再生が不可能であるため蓄積装置32に蓄積せず、RS復号エラーではない正常なTSパケットは時間情報を付加して蓄積装置32に記録される。また、再生時には蓄積装置32に記録された時間情報に従って記録時のデータレートを再現し、正常な信号に復帰するまでは受信エラーした部分に静止画を表示するようにしている。
また、復調部12でRS復号エラーとなったときは、RS復号エラーとなったTSパケットに対応する正常なTSパケットを、ユーザの指示によってコンテンツサーバからダウンロードすることが可能である。このとき、コンテンツサーバからダウンロードするTSパケットはデータの修復に必要最小限のデータであり、RS復号エラーとなる前後のTSデータを蓄積装置32の異なるクラスタに記録するため、ダウンロードしたTSパケットを蓄積装置32で記録しているTSデータに挿入するときに、記録媒体でのデータの書き換え量を最小限にしている。
このように、本実施形態1によるデジタル放送記録再生装置は、蓄積装置32での無駄な記憶容量の使用を低減して有効に記憶容量を利用することができる。また、コンテンツサーバからのTSパケットのダウンロード時に蓄積装置32でのデータの書き換え量を最小限に抑えることによって、蓄積装置32の平均寿命を延ばすことが可能となる。さらに、デジタル放送記録再生装置の消費電力の低減と故障発生率の低減の効果も期待できる。
加えて、ユーザが番組の内容によって受信した番組データの修復可否を判断してからデータを蓄積装置32に確実に記録するため、受信エラーによって番組の視聴ができないのではないかというユーザの不安や不満を解消することができる。また、修復可否の選択が可能であるため、ニュースやスポーツなど陳腐化が早い情報やユーザの興味が薄い情報などのコンテンツは蓄積装置32に記録しないようにすることができ、コンテンツサーバからのダウンロードにかかる課金量を抑制することが可能である。さらに、ネットワーク回線のトラフィックを低減し、ネットワーク回線上の各サーバ、中継装置、端末などにおける負荷および消費電力を低減させることが可能である。
〈実施形態2〉
本発明の実施形態2では、ユーザが予めどの番組コンテンツについて修復するかを設定し、設定内容に従って番組コンテンツのデータを修復することを特徴としている。構成については実施形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本発明の実施形態2では、ユーザが予めどの番組コンテンツについて修復するかを設定し、設定内容に従って番組コンテンツのデータを修復することを特徴としている。構成については実施形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図4は、本発明の実施形態2によるデジタル放送記録再生装置の動作を示す図である。図4(h)において、ユーザは予めどの番組コンテンツについて修復するかを設定しておき、設定内容をシステム制御部4に通知する。このことは、例えば電子番組ガイド(Electronic Program Guide:EPG)内の番組ジャンルによって自動的に判断される。すなわち、映画やドラマなどといったストーリーを楽しむ番組や、ユーザが比較的長期間保存するような番組については修復機能をオンに設定し、ニュースやスポーツ番組などのリアルタイム性が高くて短期間で更新されやすい番組については修復期間をオフに設定する。なお、蓄積装置32に記録する番組コンテンツを予約するときに、番組コンテンツごとに修復するか否かを設定するようにしてもよい。
図4(i)では、ユーザによる修復可否の設定を、システム制御部4がデジタル放送受信部1および蓄積部3に指示することによって、実施形態1と同様の記録動作を行う。
図4(j)において、記録開始後にデジタル放送受信部1の復調部12でRS復号エラーを検出した場合には、蓄積部3にRSエラー信号Seを送信し、制御部4に対してエラー通知を行う。
システム制御部4は、デジタル放送受信部1からエラー通知を受信すると、予めユーザによって設定された修復可否に基づいて各部に指示をする。ユーザが修復をすると設定している場合は、図4(k)〜(n)に示すような動作処理を行う。この動作処理は、実施形態1と同様である。一方、ユーザが修復をしないと設定している場合は、システム制御部4は各部に指示せず、RS復号エラー信号を有するTSパケット以外のTSパケットを蓄積装置32に記録する。すなわち、システム制御部4は、ユーザから予め入力された記録予約リストに付随されている修復可否設定に従って、受信エラーしたデータの修正可否を決定する。また、システム制御部4は、ユーザから予め設定された大まかな番組のジャンルに対する修復可否の設定に従って、受信エラーしたデータの修復可否を決定する。
以上のことから、ユーザが予め修復可否の指示をしておくことによって、番組の受信エラーによるRS復号エラーが生じたときに、自動的に復号することができなかったTSパケットに対応するTSパケットを通信部2を介してコンテンツサーバからダウンロードすることによって、番組コンテンツの修復が可能となり、ユーザが常時受信機の前で待機する必要はない。また、RS復号エラーが高頻度で生じる場合において、ユーザはRS復号エラーが生じるたびにデジタル放送記録再生装置から番組コンテンツの修復可否を問われることがないため、煩わしさも解消することができる。さらに、システム制御部4は、ユーザからの指示待ちをする必要がないため、例えば番組コンテンツの記録が完了したときに自動的にデジタル放送記録再生装置の電源をオフにすることが可能となり、デジタル放送記録再生装置の消費電力を低減することができる。
なお、本発明の実施形態で説明したデジタル放送記録再生装置は、特に移動体で放送波を受信する場合において好適であるが、例えば放送波を安定して受信することが困難なエリアにおいて放送波を受信する場合でも好適である。
1 デジタル放送受信部、2 通信部、3 蓄積部、4 システム制御部、5 表示装置、6 音声出力装置、11 アンテナ入力端子、12 復調部、13 分離部、14 映像復号部、15 音声復号部、21 ネットワーク端子、22 変復調部、31 データ変換部、32 蓄積装置。
Claims (8)
- アンテナから受信したデジタル放送信号を復調してトランスポートストリームデータを生成した後に復号し、復号できなかったときは前記トランスポートストリームデータのパケット単位で受信エラー信号を付加する復調部と、
前記トランスポートストリームデータ内の映像データと音声データとを分離したり、あるいは前記トランスポートストリームデータから複数のコンテンツを分離してパーシャルトランスポートストリームデータを生成し、当該パーシャルトランスポートストリームデータ内の映像データと音声データとを分離する分離部と、
前記映像データを復号する映像復号部と、
前記音声データを復号する音声復号部と、
を有するデジタル放送受信部と、
前記分離部から出力された前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータを蓄積し、あるいは蓄積された前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータを前記分離部に送出する蓄積装置と、
前記蓄積装置の記録フォーマットと、前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータのデータフォーマットとの相互変換を行うデータ変換部と、
を有する蓄積部と、
ネットワーク回線に接続するために設けられたネットワーク端子と、
前記ネットワーク回線に接続されたコンテンツサーバとの間で送受信されたデータの変復調を行う変復調部と、
を有する通信部と、
前記デジタル放送受信部、前記蓄積部、および前記通信部の制御を行うシステム制御部と、
を備え、
前記システム制御部は、前記復調部にて受信エラー信号を付加されて前記蓄積装置に記録できなかった前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータ内のパケットに対応するデータを前記コンテンツサーバからダウンロードし、前記ダウンロードしたデータによって前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータの修復可否を決定する機能を有することを特徴とする、デジタル放送記録再生装置。 - 前記データ変換部は、前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータを前記蓄積装置に記録する際には、記録の可否を前記受信エラー信号に基づいて前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータのパケット単位で判断してパケットの時間情報を併せて記録し、前記蓄積装置に記録した前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータを再生する際には、前記パケットの時間情報に従って再生することを特徴とする、請求項1に記載のデジタル放送記録再生装置。
- 前記システム制御部は、前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータが前記蓄積装置に連続的に記録されなかった場合において、記録を再開した時点のデータを、記録を中止した時点のデータとは前記蓄積装置内の異なるクラスタに記録させることを特徴とする、請求項1に記載のデジタル放送記録再生装置。
- 前記システム制御部は、前記蓄積装置に記録できなかった前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータ内のパケットに対応するデータを前記コンテンツサーバからダウンロードする際に、前記蓄積装置に記録した前記パケットの前後の連続性情報から前記ダウンロードするデータを特定することを特徴とする、請求項1に記載のデジタル放送記録再生装置。
- 前記コンテンツサーバからダウンロードした一連のデータを前記蓄積装置に記録する際に、前記一連のデータを正常に記録した前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータとは前記蓄積装置の異なるクラスタに記録し、前記一連のデータが前記トランスポートストリームデータまたは前記パーシャルトランスポートストリームデータの所定の位置に配列されるようにクラスタ管理情報を修正することを特徴とする、請求項1または請求項3に記載のデジタル放送記録再生装置。
- 前記システム制御部は、受信エラー発生時において、受信エラーの旨を警告表示または警告音によってユーザに通知し、前記ユーザからの修復可否の判断結果に従って受信エラーしたデータの修復可否を決定することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のデジタル放送記録再生装置。
- 前記システム制御部は、ユーザから予め入力された記録予約リストに付随されている修復可否設定に従って、受信エラーしたデータの修復可否を決定することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のデジタル放送記録再生装置。
- 前記システム制御部は、ユーザから予め設定された大まかな番組のジャンルに対する修復可否の設定に従って、受信エラーしたデータの修復可否を決定することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のデジタル放送記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008089422A JP2009246608A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | デジタル放送記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008089422A JP2009246608A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | デジタル放送記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009246608A true JP2009246608A (ja) | 2009-10-22 |
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JP2008089422A Pending JP2009246608A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | デジタル放送記録再生装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011109456A (ja) * | 2009-11-18 | 2011-06-02 | Ntt Docomo Inc | 通信放送連携システム |
JP2014060587A (ja) * | 2012-09-18 | 2014-04-03 | Sharp Corp | 端末装置 |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008089422A patent/JP2009246608A/ja active Pending
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