JP2009243626A - 自動変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラネタリギヤのリングギヤの外周面に2つのクラッチの摩擦材をスプライン係合させた場合においても、2つのクラッチの摩擦材に均等に十分な潤滑油を供給することができる自動変速機を提供する。
【解決手段】自動変速機1には、プラネタリギヤのリングギヤR1の外周に多板クラッチC−1,C−3が並設され、該並設間の前記クラッチハブに潤滑油穴51fが形成されている。これにより、多板クラッチの全クラッチプレート21a,31a及び全クラッチディスク21b,31bに均等に潤滑油を供給することができ、かかるプレート及びディスクの焼けや磨耗の発生を効果的に防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両等に用いられる自動変速機に関し、特に、2個のクラッチの複数のクラッチディスクが夫々係合する共通クラッチハブの内周に、減速プラネタリギヤのリングギヤが設けられた自動変速機に関する。
特許文献1に記載された自動変速機の多板クラッチにおいては、プラネタリギヤのリングギヤの外周面にクラッチの摩擦材がスプライン係合している。この場合、摩擦材に、プラネタリギヤの両側から油を供給できるため、摩擦材を十分に潤滑させることができる。
特開2005−155865号公報(段落〔0020〕〜〔0028〕、図4)
特許文献1に記載の自動変速機では、リングギヤの外周面に2つのクラッチの摩擦材をスプライン係合させた場合、プラネタリアギヤの両側から摩擦材を潤滑するのでは、2つのクラッチの摩擦材に均等に潤滑油が供給されないおそれがある。
本発明は、リングギヤの外周面に2つのクラッチの摩擦材をスプライン係合させた場合においても、2つのクラッチの摩擦材に均等に十分な潤滑油を供給することができる自動変速機を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、ピニオンと噛合するリングギヤを有するプラネタリアギヤと、クラッチドラムと、前記クラッチドラムの一部をシリンダとして油圧サーボの作動油室を構成するピストンと、前記クラッチドラムに夫々係合する複数のクラッチプレートと、前記複数のクラッチプレートと交互に配置された複数のクラッチディスクを有する一方クラッチ及び他方クラッチを有し、前記一方クラッチのクラッチディスクと前記他方クラッチのクラッチディスクを前記リングギヤの外周部に軸方向に並設し、前記リングギヤに、前記一方クラッチ側端部の内周面から、前記一方クラッチの複数のクラッチディスクと前記他方クラッチの複数のクラッチディスクの間隙に貫通する複数の潤滑油穴を形成したことである。
請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記リングギヤが、歯部と歯部の外周側に一体的に形成された共通クラッチハブを有し、該共通クラッチハブは前記リングギヤの外周部分となる基端部と、前記基端部の一方クラッチ側端面外周側から軸方向に突出する一方突出部と、前記基端部の他方クラッチ側端面外周側から軸方向に突出する他方突出部から構成され、前記一方クラッチ側端部の内周面が、歯部の軸方向一方クラッチ側端面又は一方突出部の内周面であることである。
請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記潤滑油穴は、前記共通クラッチハブの外周への開口位置が内周への開口位置より前記他方クラッチ側に位置するように配置し、潤滑油の排出路を他方クラッチの外周側に形成したことである。
請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、ケースに対して回転が固定されたサンギヤと、入力軸の回転を入力するキャリヤと、前記サンギヤ及び前記キャリヤによって、前記入力軸の回転より減速された減速回転となるリングギヤと、を有する前記プラネタリギヤである減速プラネタリギヤと、前記リングギヤの減速回転を前記他方クラッチである第1クラッチを介して入力する第1回転要素と、前記リングギヤの減速回転を前記一方クラッチである第3クラッチを介して入力し、かつ前記入力軸の回転を第4クラッチを介して入力すると共に、第1ブレーキにより回転規制可能である第2回転要素と、前記入力軸の回転を第2クラッチを介して入力すると共に、第2ブレーキにより回転規制可能である第3回転要素と、出力部材に連結された第4回転要素と、を有するプラネタリギヤユニットと、を備え、前記減速プラネタリギヤと前記プラネタリギヤユニットと前記第1乃至第4クラッチと前記第1及び第2ブレーキとによって少なくとも8速段が達成される自動変速機において、前記第3クラッチの複数のクラッチプレートの中の前記第1クラッチ側のクラッチプレート近傍の外周に貫通する複数の潤滑油穴を形成したことである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、プラネタリギヤのリングギヤは、外周面で一方クラッチ及び他方クラッチの複数のクラッチディスクと係合し、内周面にピニオンと噛合する歯を有している。そして、前記リングギヤに、前記一方クラッチ側端部の内周面から、前記一方クラッチの複数のクラッチディスクと前記他方クラッチの複数のクラッチディスクの間隙に貫通する複数の潤滑油穴を形成した。
歯を貫通する潤滑油穴を設けると歯面の強度が落ちてしまうため、両クラッチ間の間隙に開口する潤滑油穴をリングギヤの歯を貫通してクラッチハブに穿設することができず、上記間隙内で共通クラッチハブの外周に潤滑油の供給が不足し、上記間隙側に配置された両クラッチのクラッチプレート及びクラッチディスクの一部に潤滑油の不足が生じ、摩耗が生じ易くなるおそれがある。
しかしながら、本発明では、リングギヤに、一方クラッチ側端部の内周から、前記間隙に貫通する複数の潤滑油穴を形成したので、リングギヤの外周側でかつ両クラッチ間の間隙空間に潤滑油を供給することができ、両クラッチのクラッチプレート及びクラッチディスクに均等に潤滑油を供給することができ、かかるプレート及びディスクの焼けや摩耗の発生を効果的に防止することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、前記リングギヤが、歯部と歯部の外周側に一体的に形成された共通クラッチハブを有し、該共通クラッチハブは前記リングギヤの外周部分となる基端部と、前記基端部の一方クラッチ側端面外周側から軸方向に突出する一方突出部と、前記基端部の他方クラッチ側端面外周側から軸方向に突出する他方突出部から構成され、前記一方クラッチ側端部の内周面が、歯部の軸方向一方クラッチ側端面又は共通クラッチハブの内周面詳しくは一方突出部の内周面であるため、共通クラッチハブ内周と歯部によって形成される段部によって潤滑油が滞留し、該段部に潤滑油穴を形成することで、滞留した潤滑油を潤滑油穴を介して共通クラッチハブの外周に効果的に流すことができ、潤滑油のフリクションが低減され効率が改善される。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、前記潤滑油穴は、前記共通クラッチハブの外周への開口位置が内周への開口位置より前記他方クラッチ側に位置するように配置し、潤滑油の排出路を他方クラッチの外周側に形成したので、潤滑油を軸方向一方クラッチ側から他方クラッチ側に向かって流出させることができる。潤滑油の排出路を他方クラッチの外周側に形成したので、潤滑油が両クラッチの複数のクラッチディスク間の間隙に滞留することなく、他方クラッチの外周側から円滑に排出されるため、潤滑油のフリクションが低減され効率が改善される。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、減速プラネタリギヤのリングギヤの外周部に第3クラッチのクラッチディスクと第1クラッチのクラッチディスクを軸方向に並設し、前記第3クラッチの複数のクラッチプレートの中の前記第1クラッチ側のクラッチプレート近傍の外周に貫通する複数の潤滑油穴を前記リングギヤに形成した。クラッチプレートとクラッチディスクは、係脱時に発熱するため十分に潤滑する必要がある。第3クラッチは第1クラッチに比べて高速回転時に係脱を行う使われ方をするため、第3クラッチは第1クラッチよりも潤滑油が多く必要である。よって、本発明によれば、潤滑油のいきわたり難い第3クラッチのクラッチプレートとクラッチディスクの第1クラッチ側にも必要な潤滑油を効率良く潤滑できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。図1において、1は自動変速機で、ハウジングケースとミッションケースからなるケース6を備えており、ケース6の前方側には図略のエンジンに接続される入力部材(フロントカバー及びセンターピース)10及びトルクコンバータ2が配置されており、ケース6内には変速機構3、カウンタギヤ部4、及びディファレンシャル部5が配置されている。なお、前方側とは、エンジンが配置された側をいう。
トルクコンバータ2には、ロックアップクラッチ2aが備えられており、該ロックアップクラッチ2aが図略の油圧制御装置の油圧制御によって係合されると、入力部材10の回転が変速機構3の入力軸7に直接伝達される。トルクコンバータ2は、入力部材10に接続されたポンプインペラ2bと、作動流体を介して該ポンプインペラ2bの回転が伝達されるタービンランナ2cとを有しており、該タービンランナ2cは、入力部材10と同軸上に配設された変速機構3の入力軸7に接続されている。
変速機構3には、入力軸7上において、プラネタリギヤ(減速プラネタリギヤ)DPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。プラネタリギヤDPは、サンギヤSl、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、いわゆるダブルピニオンプラネタリギヤである。すなわち、キャリヤCR1には、サンギヤS1に噛合するピニオンP2及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1が互いに噛合して支承されている。
プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤ(第1回転要素)S2、サンギヤ(第2回転要素)S3、キャリヤ(第3回転要素)CR2、及びリングギヤ(第4回転要素)R2を有し、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。すなわち、キャリヤCR2には、サンギヤS3及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンP3と、サンギヤS2に噛合するショートピニオンP4とが互いに噛合して支承されている。
プラネタリギヤDPのサンギヤS1は、ケース6に一体的に固定されている。また、キャリヤCR1は、入力軸7の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっていると共に、第4クラッチC−4に接続されている。さらに、リングギヤRlは、固定されたサンギヤS1と入力回転するキャリヤCR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、第1クラッチC−1及び第3クラッチC−3に接続されている。
プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS3は、第1ブレーキB−1に接続されてケース6に対して固定自在となっていると共に、第4クラッチC−4及び第3クラッチC−3に接続されて、第4クラッチC−4を介してキャリヤCR1の入力回転が、第3クラッチC−3を介してリングギヤR1の減速回転が、夫々に入力自在となっている。また、サンギヤS2は、第1クラッチC−1に接続されており、リングギヤR1の減速回転が入力自在となっている。
さらに、キャリヤCR2は、入力軸7の回転が入力される第2クラッチC−2に接続されて、該第2クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及び第2ブレーキB−2に接続されて、ワンウェイクラッチF−1を介してケース6に対して一方向の回転が規制されると共に、第2ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、リングギヤR2は、ケース6に対して固定された図略のセンターサポート部材に回転自在に支持されたカウンタギヤ(出力部材)8に接続されている。
また、カウンタギヤ8には、カウンタギヤ部4のカウンタシャフト12上に固定されている大径ギヤ11が噛合しており、該カウンタシャフト12には、外周面上に形成されている小径ギヤ12aを介してディファレンシャル部5のギヤ14が噛合している。そして、該ギヤ14は、ディファレンシャルギヤ13のハウジングに固定されており、該ディファレンシャルギヤ13を介して左右車軸15,15に接続されている。
このような構成の自動変速機1において、図2に示すように、例えばD(ドライブ)レンジであって、前進1速段(1st)では、第1クラッチC−1及びワンウェイクラッチF1が係合される。すると、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって、減速回転するリングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介してサンギヤS2に入力される。また、キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向)に規制、つまりキャリヤCR2の逆回転が規制されて固定された状態になる。すると、サンギヤS2に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進1速段としての正回転がカウンタギヤ8から出力される。
なお、エンジンブレーキ時(コースト時)には、第2ブレーキB−2を係止してキャリヤCR2を固定し、該キャリヤCR2の正回転を規制する形で上記前進1速段の状態を維持する。また、該前進1速段では、ワンウェイクラッチF1によりキャリヤCR2の逆回転を規制し、かつ正回転を可能にするので、例えば非走行レンジから走行レンジに切換えた際の前進1速段の達成を、ワンウェイクラッチF1の自動係合により滑らかに行うことができる。
前進2速段(2nd)では、第1クラッチC−1が係合され、第1ブレーキB−1が係止される。すると、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介してサンギヤS2に入力される。また、第1ブレーキB−1の係止によりサンギヤS3の回転が固定される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS2よりも低回転の減速回転となり、該サンギヤS2に入力された減速回転がキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進2速段として正転回転がカウンタギヤ8から出力される。
前進3速段(3rd)では、第1クラッチC−1及び第3クラッチC−3が係合される。すると、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が第1クラッチC−1を介してサンギヤS2に入力される。また、第3クラッチC−3の係合によりリングギヤR1の減速回転がサンギヤS3に入力される。つまり、サンギヤS3及びサンギヤS2にリングギヤR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転がリングギヤR2に出力され、前進3速段としての正転回転がカウンタギヤ8から出力される。
前進4速段(4th)では、第1クラッチC−1及び第4クラッチC−4が係合される。すると、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介してサンギヤS2に入力される。また、第4クラッチC−4の係合によりキャリヤCR1の入力回転がサンギヤS3に入力される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS2よりも高回転の減速回転となり、該サンギヤS2に入力された減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進4速段としての正転回転がカウンタギヤ8から出力される。
前進5速段(5th)では、第1クラッチC−1及び第2クラッチC−2が係合される。すると、固定されたサンギヤS1と入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介してサンギヤS2に入力される。また、第2クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS2に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進4速段より高い減速回転となってリングギヤR2に出力され、前進5速段としての正転回転がカウンタギヤ8から出力される。
前進6速段(6th)では、第2クラッチC−2及び第4クラッチC−4が係合される。すると、第4クラッチC−4の係合によりサンギヤS3にキャリヤCR1の入力回転が入力される。また、第2クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。つまり、サンギヤS3及びキャリヤCR2に入力回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが入力回転の直結状態となり、そのまま入力回転がリングギヤR2に出力され、前進6速段としての正転回転がカウンタギヤ8から出力される。
前進7速段(7th)では、第2クラッチC−2及び第3クラッチC−3が係合される。すると、固定されたサンギヤSlと入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第3クラッチC−3を介してサンギヤS3に入力される。また、第2クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS3に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、入力回転より僅かに高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進7速段としての正転回転がカウンタギヤ8から出力される。
前進8速段(8th)では、第2クラッチC−2が係合され、第1ブレーキB−1が係止される。すると、第2クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。また、第1ブレーキB−1の係止によりサンギヤS3の回転が固定される。すると、固定されたサンギヤS3によりキャリヤCR2の入力回転が上記前進7速段より高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進8速段としての正転回転がカウンタギヤ8から出力される。
後進1速段(Rev1)では、第3クラッチC−3が係合され、第2ブレーキB−2が係止される。すると、固定されたサンギヤSlと入力回転であるキャリヤCR1によって減速回転するリングギヤR1の回転が、第3クラッチC−3を介してサンギヤS3に入力される。また、第2ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS3に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、後進1速段としての逆転回転がカウンタギヤ8から出力される。
後進2速段(Rev2)では、第4クラッチC−4が係合され、第2ブレーキB−2が係止される。すると、第4クラッチC−4の係合によりキャリヤCRlの入力回転がサンギヤS3に入力される。また、第2ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS3に入力された入力回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、後進2速段としての逆転回転がカウンタギヤ8から出力される。
なお、例えば、P(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、第1乃至第4クラッチC−1、C−2、C−3、C−4が解放される。すると、キャリヤCR1とサンギヤS3との間、リングギヤR1とサンギヤS3との間、リングギヤR1とサンギヤS2との間、すなわちプラネタリギヤDPとプラネタリギヤユニットPUとの間が切断状態となる。また、入力軸7とキャリヤCR2との間が切断状態となる。これにより、入力軸7とプラネタリギヤユニットPUとの問の動力伝達が切断状態、つまり入力軸7とカウンタギヤ8との動力伝達が切断状態となる。
次に、第1クラッチC−1、第3クラッチC−3、及びプラネタリギヤDPについて説明する。ケース6(図1参照)の内側には、図3に示すように、入力軸7上に、ダブルピニオンプラネタリギヤからなるプラネタリギヤDPが配置されており、サンギヤS1と、キャリヤCR1と、リングギヤR1とが配置されている。このうちサンギヤS1は、入力軸7の外周面に被嵌されると共に、前方に延びるスリーブ部材71の後方側端部の外周面に形成されたスプライン71sによって、スリーブ部材71に連結されている。このスリーブ部材71は、ベアリングb1を介して入力軸7を回転自在に支持すると共に、ケース6の前方に設けられた図略のオイルポンプのポンプカバーの内径側から後方側に延設されたボス部70の内周面に一体的に固定されている。従って、サンギヤS1は、ケース6に対して回転不能に連結されている。
キャリヤCRlは、後方側の後キャリヤプレートCR1aと前方側の前キャリヤプレートCR1bとを有しており、この両キャリヤプレートCR1a,CR1bによってピニオンシャフトPS1,PS2を支持している。また、ピニオンシャフトPS1がピニオンP1を回転自在に支持し、ピニオンシャフトPS2がピニオンP2を回転自在に支持している。そして、ピニオンP1は、外周側においてリングギヤR1と噛合しており、ピニオンP2は、内周側においてサンギヤS1と噛合している。さらに、後キャリヤプレートCR1aは、内周端部において入力軸7に一体的に固定されている。これにより、キャリヤCR1は、入力軸7に対して支持されていると共に、入力軸7と同回転するように構成されている。
リングギヤR1は、外周側にクラッチハブ51が一体的に形成されており、後方側部分において、略中空円板状に形成された支持部材53の外径端部に固着されている。該支持部材53は、内周側において、後方側がベアリング66を介して第1クラッチC−1のクラッチドラム22の中空軸部22cに回転自在に支持されており、前方側がベアリング67を介してキャリヤCRlの後キャリヤプレートCR1aに回転自在に支持されている。これにより、リングギヤR1は、第1クラッチC−1のクラッチドラム22、キャリヤCR1の後キャリヤプレートCR1a、及び支持部材53を介して入力軸7に対して回転自在に支持されている。
次に、第1クラッチC−1及び第3クラッチC−3について詳述する。第1ブレーキB−1の内周側にあって、プラネタリギヤDPの外周側から後方側には、第1クラッチC−1が配置されている。該第1クラッチC−1は、複数のクラッチプレート21a及び各プレート21a間に交互に配置された複数のクラッチディスク21bと、これらのクラッチプレート21aとクラッチディスク21bを接断させる油圧サーボ20とを備えている。クラッチディスク21bは、クラッチハブ51にスプライン係合されている。
油圧サーボ20は、クラッチドラム22、ピストン部材24、キャンセルプレート25、リターンスプリング26を有しており、これらにより、作動油室27、キャンセル油室28を構成している。クラッチドラム22は、外周側部材22Aと内周側部材22Bとが固着されて一体に構成されており、プラネタリギヤDP側(前方側)に向けて開口していると共に、内周側から外周側に延びるフランジ部22bと、該フランジ部22bの外周側から前方側にプラネタリギヤDPの外周側まで延びるドラム部22aと、該フランジ部22bの内周側において、前方側に延びると共に中空軸状に形成された中空軸部22cとを有している。
フランジ部22bの前方側には、ピストン部材24と対向する部分に、作動油室27を構成するためのシリンダ部22dが形成されている。クラッチドラム22のドラム部22aは、プラネタリギヤDPの外周側において、内周面にクラッチプレート21aがスプライン係合されている。中空軸部22cは、スリーブ部材72に被嵌される形で配置されており、該スリーブ部材72は、ベアリングb2によって入力軸7に対して回転自在となるように配置されている。つまり、中空軸部22cは、スリーブ部材72を介して入力軸7に対して回転自在に配置されている。
ピストン部材24は、クラッチドラム22のフランジ部22bの前方側にあって、中空軸部22cの前方側外周面に嵌合する形でシリンダ部22dに対向して軸方向移動自在に配置されている。ピストン部材24は、シールリング61及びシール部材62によってシールされることにより、クラッチドラム22との間に油密状の作動油室27を構成している。さらに、ピストン部材24の外周側には、押圧部24aが延設されており、該押圧部24aは、その前端が図示左端のクラッチプレート21aに対向配置されている。また、該押圧部24aの外周端部には、スプラインが形成されており、クラッチドラム22のドラム部22aの内周側に形成されたスプラインにスプライン係合している。
キャンセルプレート25は、中空軸部22cの前方側外周面において嵌合されたスナップリング73によって前方側への移動が規制されている。キャンセルプレート25は、その後方側に配置されたピストン部材24との間に、リターンスプリング26が縮設される。キャンセルプレート25とピストン部材24とピストン部材24の外周部に配置されたシール部材74とにより油密状のキャンセル油室28を構成している。
第1ブレーキB−1の内周側にあって、プラネタリギヤDPの外周側から前方側には、第3クラッチC−3が配置されている。該第3クラッチC−3は、複数のクラッチプレート31a及び各プレート31a間に交互に配置された複数のクラッチディスク31bと、これらのクラッチプレート31aとクラッチディスク31bを接断させる油圧サーボ30とを備えている。クラッチディスク31bは、クラッチハブ51にスプライン係合されている。
油圧サーボ30は、シリンダ部32eが形成されたクラッチドラム32、ピストン部材34、キャンセルプレート35、リターンスプリング36を有しており、これらにより、作動油室37、キャンセル油室38を構成している。クラッチドラム32は、内周側から外周側に延びるフランジ部32b及び該フランジ部32bの外周側からクラッチプレート31a及びクラッチディスク31bの外周側まで延びるドラム部32aを有する外周側部材32Aと、図略のポンプカバーのボス部70に被嵌している中空軸部32cを有する内周側部材32Bとが固着されて一体に構成されており、第1クラッチC−1のクラッチドラム22と対向する方向(後方側)に向けて開口する形で配置されている。また、該内周側部材32Bは、中空軸部32cの前方側部分から外周側に向かって延び、フランジ状に形成されたピストン支持部32fを有している。
クラッチドラム32のドラム部32aは、プラネタリギヤDPの外周側において、内周側にクラッチプレート31aがスプライン係合されており、前方端部において、内周側に向かってフランジ部32bが形成されている。なお、ドラム部32aは、クラッチドラム22の外周側を通り、該クラッチドラム22の略々後方側まで延設され、接続部材76に接続されている。そして、該接続部材76は、プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS3に対して接続されている。すなわち、第3クラッチC−3が係合すると、クラッチドラム32と接続部材76とが同回転となり、つまりプラネタリギヤDPのリングギヤR1の回転(減速回転)がプラネタリギヤユニットPUのサンギヤS3に伝達されることになる。
なお、ドラム部32aの前端部、つまりフランジ部32bの外周端部には、肉厚に形成された肉厚部32dが備えられている。該肉厚部32dは、周方向の任意の部分において前方側から軸方向にドリルなどにより穴を穿設することができ、これにより、クラッチドラム32のバランス取りをすることができる。
中空軸部32cは、後方側部分の内周面において、前述のようにポンプカバーのボス部70の先端部分にベアリングb3を介して回転自在に支持されている。また、中空軸部22dの前方側部分、つまり内周側部材32Bのピストン支持部32fには、外周側において軸方向後方側に短く延びるように形成された鍔部32gが備えられており、該鍔部32gは、内周側において、第4クラッチC−4のクラッチドラム42とスプライン係合している。
ピストン部材34は、クラッチドラム32のフランジ部32bの後方側にあって、ピストン支持部32fに嵌合する形でシリンダ部32eに対向して軸方向移動自在に配置されている。ピストン部材34は、シール部材63及びシールリング64によってシールされることにより、クラッチドラム32との間に油密状の作動油室37を構成している。さらに、ピストン部材34の後方外周側には、押圧部34aが形成されており、該押圧部34aは、その後端が図示右端のクラッチプレート31aに対向配置されている。また、該押圧部34aの外周面には、スプラインが形成されており、クラッチドラム32のドラム部32aの内周側に形成されたスプラインにスプライン係合している。
キャンセルプレート35は、ピストン部材34の後方側に配置され、該ピストン部材34との間に、リターンスプリング36が縮設されており、該キャンセルプレート35の外周部及び内周部に配置されたシール部材により油密状のキャンセル油室38を構成している。
一方、プラネタリギヤDPと第3クラッチC−3との間、すなわちクラッチドラム32に内包された部分には、第4クラッチC−4が配置されている。該第4クラッチC−4には、複数のクラッチプレート41a及び該プレート41a間に交互に配置された複数のクラッチディスク41bを備えており、該プレート41a及びディスク41bは、第3クラッチC−3のクラッチプレート31a及びクラッチディスク31bの内周側において、軸方向にオーバラップする形で配置されている。
リングギヤR1は、内周側に歯部が形成され、外周側にクラッチハブ(共通クラッチハブ)51が形成されている。クラッチハブ51は、基端部51c、軸方向前方側に突出する形に配置された前突出部(一方突出部)51a、及び軸方向後方側に突出する形に配置された後突出部(他方突出部)51bを備えている。また、クラッチハブ51の外周面には、該基端部51c、前突出部51a、及び後突出部51b部分に亘ってスプライン51sが形成されている。そして、これらスプライン51sの前突出部51a部分には、上記第3クラッチC−3のクラッチディスク31bがスプライン係合しており、また基端部51c及び後突出部51b部分には、該クラッチディスク31bに隣接する形で上記第1クラッチC−1のクラッチディスク21bがスプライン係合している。基端部51cにスプライン係合している第1クラッチC−1のクラッチディスク21bは、リングギヤR1と軸方向にオーバラップしている。
また、クラッチハブ51の前突出部51aには、スプライン51sの谷部と内周側とを連通する潤滑油穴51dが周方向に複数形成されている。そして、クラッチハブ51の後突出部51bには、スプライン51sの谷部と内周側とを連通する潤滑油穴51eが周方向に複数形成されている。さらに、クラッチハブ51の前突出部51aと基端部51cの境の内周面と外周面とを連通する傾斜した潤滑油穴51fが周方向に複数形成されている。このように、クラッチハブ51には、第3クラッチC−3側端部の内周面から、第3クラッチC−3の複数のクラッチディスク31bと第1クラッチC−1の複数のクラッチディスク21bの間隙に貫通する複数の潤滑油穴51fが形成されている。該潤滑油穴51fは、クラッチハブ51の外周への開口位置の方が内周への開口位置より第1クラッチC−1側に位置するように傾斜している。
リングギヤR1を貫通する潤滑油穴を設けることはギヤの機能上不可能である。従って、第1及び第3クラッチC−1,C−3の間の間隙に開口する潤滑穴をリングギヤR−1を貫通して穿設することができず、前記間隙内でクラッチハブ51の外周に潤滑油の供給が不足し、第1及び第3クラッチC−1,C−3の前記間隙側のクラッチプレート21a,31a及びクラッチディスク21b,31bに潤滑油の不足が生じ磨耗しやすくなる。しかしながら、クラッチハブ51に、第3クラッチC−3側端部の内周面から、第3クラッチC−3の複数のクラッチディスク31bと第1クラッチC−1の複数のクラッチディスク21bの間隙に貫通する複数の潤滑油穴51fを形成したので、クラッチハブ51の外周に潤滑油を潤滑穴51fを通して供給することができる。
これにより、第1及び第3クラッチC−1,C−3の前記間隙側のクラッチプレート21a,31a及びクラッチディスク21b,31b、特に、高速回転時に係脱される第3クラッチC−3の第1クラッチC−1側のクラッチプレート31a及びクラッチディスク31bにも均等に潤滑油を供給することができる。また、リングギヤR1の歯部と前突出部51aによって形成される段部には潤滑油が滞留し易いが、該段部近傍、好ましくはリングギヤR1の歯部と前突出部51aの境界角部に潤滑油穴51fを開口させているので、潤滑油を滞留させずに潤滑油穴51f内に効果的に流入させることができる。
次に、第1クラッチC−1及び第3クラッチC−3の作用について説明する。第1クラッチC−1は、作動油室27に生じる油圧によってピストン部材24を軸方向に移動させ、クラッチプレート21aとクラッチディスク21bを圧接させることにより第1クラッチC−1の係合・解放を行う。該作動油室27には、油圧制御装置から第1クラッチC−1用の作動油圧がクラッチドラム22に形成された油路c21を通って供給される。また、作動油室27には遠心油圧が働くため、ピストン部材24を挟んで対向するキャンセル油室28にクラッチドラム22に形成された油路c23を介して潤滑油が供給され、作動油室27に発生した遠心油圧と平衡させている。
第3クラッチC−3は、作動油室37に生じる油圧によってピストン部材34を軸方向に移動させ、クラッチプレート31aとクラッチディスク31bを圧接させることにより第3クラッチC−3の係合・解放を行う。該作動油室37には、油圧制御装置から第3クラッチC−3用の作動油圧が、クラッチドラム32に形成された油路c24から全周に亘り面状に設けられた隙間Aを通って供給される、また、該作動油室37には遠心油圧が働くため、ピストン部材34を挟んで対向するキャンセル油室38に、クラッチドラム32に形成された油路c25から全周に亘り面状に設けられた隙間Bを介して潤滑油が供給され、該キャンセル油室38に遠心油圧を発生させ、作動油室37に発生した遠心油圧と平衡させている。
次いで、潤滑油の供給について説明する。例えばオイルポンプにより発生した油圧に基づく潤滑油が、クラッチドラム22に形成された油路c23に供給されると、キャンセル油室28にキャンセル油として供給されると共に、キャンセルプレート25に設けられた切欠き部25aを介して、該キャンセルプレート25と支持部材53との間を通って外周側に供給される。キャンセルプレート25と支持部材53との間に供給された潤滑油は、クラッチハブ51の後突出部51bの内周側に供給され、該クラッチハブ51の潤滑油穴51eを介してクラッチディスク21bを潤滑する。クラッチディスク21bを潤滑した潤滑油は、クラッチドラム22のドラム部22aに穿設された潤滑油穴22eを通って第1クラッチC−1の外周側に流出し、ドラム部32aの後端部から排出される。
一方、例えばオイルポンプにより発生した油圧に基づく潤滑油が、ボス部70に形成された油路c26に供給されると、油路c27を介してボス部70とクラッチドラム32の中空軸部32cとの間に供給される。ボス部70と中空軸部32cとの間に供給された潤滑油は、ベアリングb3を潤滑すると共に、該中空軸部32cとサンギヤS1との間を通り、プラネタリギヤDPの前方側に供給される。プラネタリギヤDPの前方側に供給された潤滑油は、前キャリヤプレートCR1bに形成された油路を介してピニオンPl及びピニオンP2を潤滑すると共に、前キャリヤプレートCR1bとピストン部材44の隙間を通り、クラッチハブ51の前突出部51aの内周側に供給され、該クラッチハブ51の潤滑油穴51dを介してクラッチディスク21b,31bを潤滑する。また、ボス部70と中空軸部32cとの間に供給された潤滑油は、油路(A)を介してキャンセルプレート45とピストン部材44とキャンセルプレート45の外周部に配置されたシール部材84とにより構成される油密状のキャンセル油室48に入り、そのキャンセル油室48から溢れた潤滑油は、油路(B)を通りプラネタリギヤDPの前方側に流出し、ベアリングb3を潤滑した潤滑油と合流する。合流した後は、前キャリヤプレートCR1bに形成された油路を介してピニオンPl及びピニオンP2を潤滑すると共に、前キャリヤプレートCR1bとピストン部材44の隙間を通り、クラッチハブ51の前突出部51aの内周側に供給され、該クラッチハブ51の潤滑油穴51dを介してクラッチディスク21b,31bを潤滑する。
クラッチハブ51のリングギヤR1の外周面部分となる基端部51cにスプライン係合している第1クラッチC−1のクラッチディスク21b及びクラッチプレート21aは、リングギヤR1と軸方向にオーバラップしているため潤滑油が供給され難く、また、第3クラッチC−3の図示左端のクラッチプレート31a及びクラッチディスク31bは、第1クラッチC−1の図示右端のクラッチプレート21a及びクラッチディスク21bと対向しているため、第1及び第3クラッチC−1,C−3の間の間隙内では、クラッチハブ51の外周に潤滑油の供給が不十分となる。しかしながら、クラッチハブ51の前突出部51aの内周側に供給された潤滑油が、潤滑油穴51fを通ってクラッチハブ51の外周に第1及び第3クラッチC−1,C−3間の間隙内で供給され、第1及び第3クラッチC−1,C−3の前記間隙側のクラッチプレート21a,31a及びクラッチディスク21b,31b、特に、高速回転時に係脱される第3クラッチC−3の第1クラッチC−1側のクラッチプレート31a及びクラッチディスク31bにも均等に供給される。これにより、かかるプレート及びディスクの焼けや磨耗の発生を効果的に防止することができる。クラッチハブ51内周のリングギヤR1の端部によって形成される段部には潤滑油が滞留し易いが、該段部近傍に潤滑油穴51fが開口しているので、潤滑油が潤滑油穴51f内に円滑に流入し、クラッチハブ51の内周に滞留しないので、潤滑油のフリクションが低減され効率が改善される。
さらに、潤滑油穴51fは、クラッチハブ51の外周への開口位置の方が内周への開口位置より第1クラッチC−1側に位置するように傾斜しているので、潤滑油穴51fからクラッチハブ51の外周に供給された潤滑油は、ドラム部32aの後端部から排出される。これにより、潤滑油がクラッチ内に滞留することなく、潤滑油の全体の流れに沿って第1クラッチC−1から後方に円滑に排出されて回収されるので、潤滑油のフリクションが低減され効率が改善される。
本実施の形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 自動変速機の係合表。 自動変速機の一部を示す側面断面図。
符号の説明
1…自動変速機、3…変速機構、21a,31a…クラッチプレート、21b,31b…クラッチディスク、22,32…クラッチドラム、51…クラッチハブ、51a…前突出部、51b…後突出部、51c…基端部、51d,51e,51f…潤滑油穴、51g…角部、DP…プラネタリギヤ、C−1〜C−4…第1乃至第4クラッチ、B−1,B−2…第1、第2ブレーキ、R1…リングギヤ。

Claims (4)

  1. ピニオンと噛合するリングギヤを有するプラネタリアギヤと、
    クラッチドラムと、
    前記クラッチドラムの一部をシリンダとして油圧サーボの作動油室を構成するピストンと、
    前記クラッチドラムに夫々係合する複数のクラッチプレートと、
    前記複数のクラッチプレートと交互に配置された複数のクラッチディスクを有する一方クラッチ及び他方クラッチを有し、
    前記一方クラッチのクラッチディスクと前記他方クラッチのクラッチディスクを前記リングギヤの外周部に軸方向に並設し、
    前記リングギヤに、前記一方クラッチ側端部の内周面から、前記一方クラッチの複数のクラッチディスクと前記他方クラッチの複数のクラッチディスクの間隙に貫通する複数の潤滑油穴を形成したことを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1において、前記リングギヤが、歯部と歯部の外周側に一体的に形成された共通クラッチハブを有し、
    該共通クラッチハブは前記リングギヤの外周部分となる基端部と、
    前記基端部の一方クラッチ側端面外周側から軸方向に突出する一方突出部と、
    前記基端部の他方クラッチ側端面外周側から軸方向に突出する他方突出部から構成され、
    前記一方クラッチ側端部の内周面が、歯部の軸方向一方クラッチ側端面又は一方突出部の内周面であることを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項1又は2において、前記潤滑油穴は、前記共通クラッチハブの外周への開口位置が内周への開口位置より前記他方クラッチ側に位置するように配置し、
    潤滑油の排出路を他方クラッチの外周側に形成したことを特徴とする自動変速機。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、ケースに対して回転が固定されたサンギヤと、入力軸の回転を入力するキャリヤと、前記サンギヤ及び前記キャリヤによって、前記入力軸の回転より減速された減速回転となるリングギヤと、を有する前記プラネタリギヤである減速プラネタリギヤと、
    前記リングギヤの減速回転を前記他方クラッチである第1クラッチを介して入力する第1回転要素と、前記リングギヤの減速回転を前記一方クラッチである第3クラッチを介して入力し、かつ前記入力軸の回転を第4クラッチを介して入力すると共に、第1ブレーキにより回転規制可能である第2回転要素と、前記入力軸の回転を第2クラッチを介して入力すると共に、第2ブレーキにより回転規制可能である第3回転要素と、出力部材に連結された第4回転要素と、を有するプラネタリギヤユニットと、を備え、
    前記減速プラネタリギヤと前記プラネタリギヤユニットと前記第1乃至第4クラッチと前記第1及び第2ブレーキとによって少なくとも8速段が達成される自動変速機において、
    前記第3クラッチの複数のクラッチプレートの中の前記第1クラッチ側のクラッチプレート近傍の外周に貫通する複数の潤滑油穴を前記リングギヤに形成したことを特徴とする自動変速機。
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