JP2009243328A - 排気ガス再循環装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガスが流通する流路の切り換えと流量制御とを行うことができ、且つ、小型軽量化を図る。
【解決手段】弁機構14は、第1及び第2弁体52、54を有する弁体ユニット34と、前記弁体ユニット34が保持され、駆動部16の駆動作用下に変位するシャフト36とを備え、前記第1弁体52がボディ12に設けられ、第1導出ポート28に臨む第1バルブシート38に着座自在に設けられ、前記第2弁体54が前記ボディ12に設けられ、第2導出ポート30に臨む第2バルブシート40に着座自在に設けられる。また、第1弁体52と第2弁体54との間には、互いに離間させる方向に押圧する弁スプリング56が介装されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、排気ガス再循環装置に関し、一層詳細には、内燃機関の排気系から吸気系へと排気ガスを再循環させる流路を切換可能な排気ガス再循環装置に関する。
従来から、例えば、内燃機関から排出される有害成分を除去するために、内燃機関から排出される排気ガスを吸気系へと再循環させることにより、前記排気ガス中に含まれるNOx等の有害成分を減少させることが可能な排気ガス再循環システムが採用されている。
このような排気ガス再循環システムでは、内燃機関の排気系とがEGR通路で接続され、前記EGR通路は、内燃機関が低・中負荷運転時に排気ガスが流通される第1通路と、前記内燃機関が高負荷運転時に前記排気ガスが流通される第2通路とから構成される。第2通路の途中には、排気ガスを冷却するための熱交換器が設けられると共に、前記第1及び第2通路が下流側で合流し、排気系までの間には、通路切換バルブ及び流量制御バルブが設けられる。
そして、内燃機関の低・中負荷運転時には、通路切換バルブの切換作用下に第1通路へと排気ガスを流通させて流量制御バルブによって流量調整がなされた後に、排気ガスが吸気系へと供給される。一方、内燃機関の高負荷運転時には、通路切換バルブの切換作用下に第2通路へと排気ガスを流通させ、熱交換器で冷却された後に流量制御バルブで流量調整がなされ、前記吸気系へと供給される(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−166973号公報
しかしながら、特許文献1に係る従来技術においては、排気ガスの流量制御を行うための流量制御バルブと、内燃機関の運転状態に応じて前記排気ガスが流通する通路を切り換えるための通路切換バルブとをそれぞれ別個に設けているため、例えば、排気ガス再循環装置を車両に搭載する際、大きなスペースを必要とするという問題がある。また、排気ガス再循環装置を構成する部品点数が増大し、コストの増大を招くと共に重量が増大してしまうという問題がある。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、排気ガスが流通する流路の切り換えと流量制御とを行うことができ、且つ、小型軽量化を図ることが可能な排気ガス再循環装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、駆動部と、
排気ガスが導入・導出される第1〜第3ポートを有するボディと、
前記ボディの内部に設けられ、前記駆動部に接続されて軸線方向に沿って変位するシャフトと、前記シャフトに保持され前記第1ポートと前記第2ポートとの間の連通状態を切換自在な第1弁体と、前記第2ポートと第3ポートとの間の連通状態を切換自在な第2弁体と、前記第1弁体と第2弁体との間に介装され互いに離間する方向に付勢するスプリングとを有する弁機構と、
前記第1ポートと第2ポートとの間に設けられ、前記第1弁体が着座する第1弁座部と、
前記第1ポートと第3ポートとの間に設けられ、前記第2弁体が着座する第2弁座部と、
を備え、
前記第1弁体と第2弁体とが、前記スプリングの弾発力に抗して相対変位自在に設けられると共に、前記シャフトの変位作用下に前記第1弁体及び第2弁体のいずれか一方のみが前記第1弁座部又は第2弁座部から離間することを特徴とする。
本発明によれば、駆動部の駆動作用下に弁機構を構成するシャフト、第1及び第2弁体をボディの内部に沿って変位させ、前記第2弁体を第2弁座部に着座させることにより、第2ポートと第1ポートとを連通させて排気ガスを流通させると共に、前記シャフトを前記とは反対方向に変位させ、前記第1弁体を第1弁座部に着座させることにより、前記第2ポートと第3ポートとを連通させて排気ガスを流通させている。この際、第1弁体と第2弁体とがスプリングの弾発力によって互いに離間する方向に付勢されているため、前記第1弁体が第1弁座部から離間した場合には第2弁体を着座させ、前記第2弁体が第2弁座部から離間した場合には第1弁体を着座させることができる。
従って、スプリング、第1及び第2弁体からなる弁機構によって第1ポートと第2ポート、又は、第2ポートと第3ポートのいずれか一方を連通させることにより、内燃機関の運転状態に応じて排気ガスの流通経路を切り換えることができると共に、前記弁体の変位量を調整することによって前記排気ガスの流量も同時に制御することができる。その結果、排気ガス再循環装置によって排気ガスを流通させる流路の切り換えと、前記排気ガスの流量調整を行うことが可能となり、排気ガスの流量を調整可能な流量調整バルブと、前記排気ガスが流通する通路を切り換えるための切換バルブとを別個に設けていた従来の排気ガス再循環装置と比較し、その部品点数及びコストの削減を図ることができると共に小型軽量化を図ることができる。
また、第1及び第2弁体は、本体部と、
前記本体部の端部に設けられ、前記第1及び第2弁座部に着座すると共に前記スプリングが介装される着座部と、
を備え、
前記一方の本体部と他方の本体部との間に、前記本体部内への排気ガスの流入を防止するシール部材を設けるとよい。これにより、第1及び第2弁体を構成する本体部内への排気ガスの進入することが防止され、前記本体部内に介装されたスプリングを前記排気ガスから保護することができる。
さらに、シャフトを、ボディ内に設けられる第1の軸受と、弁機構を構成する第1及び第2弁体に設けられる第2の軸受とによって軸線方向に沿って変位自在に支持することにより、前記シャフトが、第1及び第2の軸受の2箇所で軸線方向に沿って支持されるため、前記シャフトをボディの軸線に対して偏心させることなく高精度に変位させることが可能となる。その結果、シャフトの片当たりによる横荷重を低減することができ、ヒステリシスの低減を図ることができる。
さらにまた、例えば、駆動部は、通電作用下に回転駆動する回転駆動源と、
外周に歯部を有し、前記回転駆動源に接続されるピニオンギアと、
前記シャフトに設けられ、前記ピニオンギアに噛合されるラックと、
を備えるとよい。これにより、回転駆動源の回転駆動力をピニオンギアを介してラックへと伝達し、前記ラックの直線動作へと変換させることができるため、前記ラックが設けられたシャフトを軸線方向に沿って変位させることが可能となる。
またさらに、第2ポートを、内燃機関の排気系に接続し、前記排気系から排気ガスを供給し、第1ポートを、前記内燃機関の吸気系に接続する共に、第3ポートを、前記排気系と吸気系との間に設け前記排気ガスを冷却するための冷却手段に接続するとよい。これにより、弁体の切換作用下に第2ポートに供給された排気ガスを、例えば、内燃機関の運転状態に応じて第1ポート又は第3ポートのいずれか一方へと切り換えて流通させることが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、シャフト、第1及び第2弁体を有する弁機構をボディに沿って変位させ、第1ポートと第2ポート、又は、第2ポートと第3ポートのいずれか一方を連通させることにより、排気ガスの流通経路を切り換えることができると共に、前記弁体の変位量を調整することによって前記排気ガスの流量を制御することができる。その結果、排気ガス再循環装置によって排気ガスを流通させる流路の切り換えと、前記排気ガスの流量調整を行うことが可能となり、排気ガスの流量を調整可能な流量調整バルブと、前記排気ガスが流通する通路を切り換えるための切換バルブとを別個に設けていた従来の排気ガス再循環装置と比較し、その部品点数の削減及び小型軽量化を図ることができる。
本発明に係る排気ガス再循環装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環装置を示す。
この排気ガス再循環装置10は、図1に示されるように、円筒状のボディ12と、前記ボディ12の内部に沿って変位自在に設けられる弁機構14と、前記弁機構14を軸線方向(矢印A、B方向)に変位させる駆動部16とを含む。ここでは、図2に示されるように、排気ガス再循環システム18において、排気ガス再循環装置10が、内燃機関を構成する吸気系20(例えば、吸気マニホールド)と排気系22(例えば、排気マニホールド)との間に接続され、且つ、前記吸気系20と排気系22との間に設けられ、再循環させる排気ガスを冷却するためのEGRクーラー(冷却手段)24に対して上流側に設けられる場合について説明する。
ボディ12は、図1に示されるように、軸線方向に沿って所定長さを有し、その一端部側(矢印A方向)に弁機構14が設けられると共に、他端部側(矢印B方向)に形成された収容室15に駆動部16の一部が設けられる。
ボディ12には、側方に向かって突出し、内燃機関の排気系22に接続される導入ポート(第2ポート)26が形成されると共に、前記導入ポート26に対してボディ12の他端部側に形成される第1導出ポート(第1ポート)28と、前記導入ポート26に対してボディ12の一端部側に形成される第2導出ポート(第2ポート)30とが形成される。なお、第1及び第2導出ポート28、30は、ボディ12の側方から同一方向に向かって突出すると共に、前記第1及び第2導出ポート28、30と導入ポート26とは、ボディ12の中心を挟んで反対側となるように配置される。すなわち、第1導出ポート28と第2導出ポート30とは、所定間隔離間して略平行に設けられている。
また、ボディ12の内部には、導入ポート26に臨むと共に第1導出ポート28と第2導出ポート30との間となる位置に連通室32が設けられ、前記導入ポート26、第1及び第2導出ポート28、30を互いに連通させている。この連通室32は、ボディ12の軸線上に形成され、弁機構14を構成する弁体ユニット34及びシャフト36が配設されると共に、第1導出ポート28との接合部位にリング状の第1バルブシート(第1弁座部)38が嵌合され、第2導出ポート30との接合部位には、リング状の第2バルブシート(第2弁座部)40が嵌合される。すなわち、第1及び第2バルブシート38、40は、ボディ12の軸線上に同軸に設けられ、前記第1バルブシート38がボディ12の他端部側(矢印B方向)、第2バルブシート40がボディ12の一端部側(矢印A方向)に配設される。
さらに、第1導出ポート28と収容室15との間には、弁機構14を構成するシャフト36を変位自在に支持する軸受(第1の軸受)42が設けられると共に、前記軸受42と同軸上にオイルシール44が設けられる。オイルシール44は、シャフト36の外周面に摺接している。
また、軸受42の下部には、第1導出ポート28側(矢印A方向)に膨出するように筒状のカバー部材46が設けられ、その内部にシャフト36が挿通されることにより外周面の一部が覆われる。なお、軸受42及びオイルシール44は、プレート状のスプリングホルダ48が収容室15の上方から挿入されることによって覆われて保持される。なお、ボディ12の開口した一端部は、キャップ50が嵌合されることによって閉塞されている。
弁機構14は、ボディ12の連通室32に設けられる弁体ユニット34と、前記弁体ユニット34の中心に接続されるシャフト36とを含む。
弁体ユニット34は、第1バルブシート38に着座自在な第1弁体52と、第2バルブシート40に着座自在な第2弁体54とからなり、前記第1弁体52と第2弁体54との間には互いを離間させる方向に付勢する弁スプリング(スプリング)56が介装されている。
第1弁体52は、円筒状の筒部(本体部)52aと、前記筒部52aの端部に拡径して形成され、第1バルブシート38に着座する着座部52bとを備え、前記着座部52bの中央部には、シャフト36の挿通される第1孔部52cが形成される。筒部52aの外周面には環状溝を介してシールリング58が装着され、前記筒部52aの外周側に設けられる第2弁体54の筒部(本体部)54aに摺接する。
すなわち、第1弁体52と第2弁体54との間にシールリング58が設けられているため、前記第1弁体52及び第2弁体54の内部に排気ガスが進入することが阻止され、前記排気ガスから弁スプリング56が保護される。
着座部52bは、円盤状に形成され、その外縁部が第1バルブシート38に着座することにより、導入ポート26と第1導出ポート28との間の連通が遮断される。
第1孔部52cは、第1バルブシート38に臨む端部が半径外方向に拡径し、シャフト36の第1フランジ60(後述する)が係合されると共に、前記シャフト36の外周面との間に円筒状の第1軸受(第2の軸受)62が挿通される。
第2弁体54は、第1弁体52の下部に設けられ、前記第1弁体52と同様に、円筒状の筒部54aと、前記筒部54aの端部に拡径して形成され、第2バルブシート40に着座する着座部54bとを備え、前記着座部54bの中央部には、シャフト36の挿通される第2孔部54cが形成される。なお、筒部54aの内部には、第1弁体52の筒部52aが挿通されると共に、その内周面には前記第1弁体52に設けられたシールリング58が摺接している。すなわち、第2弁体54を構成する筒部54aの直径は、第1弁体52を構成する筒部52aの直径に対して大きく設定されている。
また、第2孔部54cは、第1バルブシート38に臨む端部が半径外方向に拡径し、シャフト36の第2フランジ64(後述する)が係合されると共に、前記シャフト36の外周面との間に円筒状の第2軸受(第2の軸受)66が挿通される。
すなわち、シャフト36は、第1又は第2バルブシート38、40に着座した第1又は第2弁体52、54における第1及び第2軸受62、66と軸受42との少なくとも2箇所で軸線方向(矢印A、B方向)に沿って支持されている。
弁スプリング56は、例えば、コイルスプリングからなり、第1弁体52部の筒部52aと第2弁体54部の筒部54aの内部に収容され、前記第1弁体52の着座部52b及び第2弁体54の着座部54bとの間に介装される。
シャフト36は、軸線方向に沿って長尺に形成され、その一端部には第1及び第2フランジ60、64を介して弁体ユニット34が装着されると共に、他端部には駆動部16からの駆動力が伝達されるラック部68が設けられる。
第1及び第2フランジ60、64は、シャフト36に対して半径外方向に拡径して形成され、第2フランジ64が、前記シャフト36の一端部に設けられると共に、第1フランジ60が、前記第2フランジ64に対してシャフト36の他端部側に所定距離だけ離間した位置に設けられる。そして、弁体ユニット34を構成する第1及び第2弁体52、54には、第1及び第2孔部52c、54cを通じてシャフト36が挿通され、第1フランジ60が前記第1孔部52cの拡径部位に係合されると共に、第2フランジ64が前記第2孔部54cの拡径部位に係合される。
これにより、第1弁体52は、第1フランジ60に係合されることによりシャフト36の他端部側(矢印B方向)への変位が規制され、第2弁体54は、第2フランジ64に係合されることによりシャフト36の一端部側(矢印A方向)への変位が規制される。すなわち、第1及び第2フランジ60、64は、シャフト36に挿通された第1及び第2弁体52、54が弁スプリング56の弾発力によって互いに離間する方向へ変位する際の変位量を規制するストッパとして機能する。
換言すれば、第1及び第2弁体52、54は、シャフト36に沿ってそれぞれ別個に独立して変位可能に設けられている。
また、シャフト36における第1及び第2フランジ60、64は、第1及び第2弁体52、54が係止された際、前記第1及び第2弁体52、54が第1及び第2バルブシート38、40にそれぞれ着座する位置に設けられる(図1参照)。
一方、シャフト36の他端部側には、リターンスプリング72を保持するスプリング受け70が設けられ、前記スプリング受け70と収容室15に設けられたスプリングホルダ48との間に前記リターンスプリング72が介装される。このリターンスプリング72は、収容室15の内部に設けられ、シャフト36をボディ12の他端部側(矢印B方向)に向かって付勢する。
駆動部16は、通電作用下に回転駆動する回転駆動源74と、前記回転駆動源74の駆動軸に連結され、歯部を有するピニオンギア76と、前記ピニオンギア76に噛合される歯部を有し、弁機構14を構成するシャフト36の上部に設けられたラック部68と、前記シャフト36の軸線方向に沿った変位量を検出する検出センサ78とを有する。
回転駆動源74は、例えば、ステッピングモータからなり、図示しないコントローラから入力される制御信号に基づいて所定の回転数で回転する。そして、回転駆動源74が回転駆動することによってピニオンギア76が共に回転し、前記ピニオンギア76に噛合されたラック部68を介してシャフト36が軸線方向に沿って変位する。これにより、シャフト36に連結された弁体ユニット34がボディ12の内部を軸線方向(矢印A、B方向)に沿って変位する。
検出センサ78は、シャフト36の上端に設けられる検出子80と、前記シャフト36の上方に所定間隔離間して設けられ、前記検出子80を検出可能なセンサ部82とからなる。この検出センサ78は、例えば、磁界の強さを検出することにより位置検出が可能な磁気センサからなり、検出子80を磁性材料から形成することによって、前記シャフト36の上端位置を検出し、その検出結果を図示しないコントローラに出力することにより前記シャフト36に連結された弁体ユニット34の変位量を算出することが可能である。
本発明の実施の形態に係る排気ガス再循環装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、図1に示される弁体ユニット34を構成する第1弁体52が第1バルブシート38に着座し、且つ、第2弁体54が第2バルブシート40に着座し、前記導入ポート26と第1及び第2導出ポート28、30との連通がいずれも遮断された全閉状態を初期位置として説明する。
先ず、図示しない内燃機関の低速又は低負荷運転時には、コントローラ(図示せず)からの制御信号に基づいて回転駆動源74が回転駆動し、駆動軸を介してピニオンギア76が反時計回り(矢印C方向)に回転することによりラック部68がその噛合作用下に下方(矢印A方向)へと変位する。それに伴って、リターンスプリング72の弾発力に抗してシャフト36及び弁体ユニット34が軸受42の案内作用下に軸線方向に沿って下方へと変位する。これにより、図3に示されるように、弁体ユニット34を構成する第1弁体52が第1フランジ60によって押圧され、弁スプリング56を圧縮しながら第2弁体54側へと変位し、第1バルブシート38から離間する。この際、第2弁体54は、圧縮された弁スプリング56によって第2バルブシート40側(矢印A方向)へと押圧されているため、前記第2弁体54が前記第2バルブシート40に着座した弁閉状態が保持される。すなわち、導入ポート26と第2導出ポート30とが非連通状態にある。
これにより、第1バルブシート38が弁開状態となって導入ポート26と第1導出ポート28とが連通室32を通じて連通し、内燃機関の排気系22から排出された排気ガスが導入ポート26から第1バルブシート38の内部を通じて第1導出ポート28へと流通し、前記内燃機関の吸気系20へと所望流量で供給される。また、シャフト36の他端部に設けられた検出子80をセンサ部82によって検出することによって前記第1弁体52の変位量が検出され、図示しないコントローラにおいて前記変位量に基づいた前記第1弁体52の弁開度が算出される。これにより、導入ポート26から第1導出ポート28へと流通する排気ガスの流量が確認される。
さらに、コントローラで算出された弁体ユニット34の弁開度が、予め設定されている設定弁開度又は排気ガスの設定流量と比較され、前記設定弁開度、設定流量に対して偏差が生じている場合には、その偏差に応じた出力信号を回転駆動源74へと出力し、弁開度又は流量を所望の設定値とするフィードバック制御が行われる。
このように第1導出ポート28から導出される排気ガスは、内燃機関の吸気系20に直接供給される。すなわち、内燃機関の排気系22から吸気系20へと直接排気ガスを供給している。
一方、図示しない内燃機関の高速又は高負荷運転時には、図3に示されるように、上述した導入ポート26と第1導出ポート28とが連通した状態から回転駆動源74に対してコントローラ(図示せず)から制御信号が出力され、前記とは反対方向となる時計回り(矢印D方向)に前記回転駆動源74を回転駆動させる。
そして、ピニオンギア76が時計回り(矢印D方向)に回転することによりラック部68との噛合作用下にシャフト36が上方(矢印B方向)へと変位し、それに伴って、弁体ユニット34が上方へと変位する。これにより、図4に示されるように、弁体ユニット34を構成する第2弁体54が、第2フランジ64との係合作用下に弁スプリング56を圧縮しながら上方へと変位し、その着座部54bが第2バルブシート40から離間すると共に、第1弁体52は、圧縮された弁スプリング56によって第1バルブシート38側(矢印B方向)へと押圧され、前記第1バルブシート38に対して着座した弁閉状態となる。すなわち、導入ポート26と第1導出ポート28との連通状態が遮断された非連通状態となる。
その結果、図4に示されるように、内燃機関の排気系22から排出された排気ガスが導入ポート26から連通室32、第2バルブシート40の内部を通じて第2導出ポート30へと流通し、前記内燃機関の吸気系20の上流側に配置されたEGRクーラー24へと所望の流量で供給される。
この場合も、シャフト36の他端部に設けられた検出子80がセンサ部82によって検出されることによって前記第2弁体54の変位量が検出され、図示しないコントローラにおいて前記変位量に基づいた前記第2弁体54の弁開度が算出される。これにより、導入ポート26から第2導出ポート30へと流通する排気ガスの流量が確認される。
このように第2導出ポート30から導出される排気ガスは、EGRクーラー24へと供給されて所定温度に冷却された後、前記EGRクーラー24の下流側に接続された内燃機関の吸気系20へと供給される。
以上のように、本実施の形態では、内燃機関の運転状態(負荷状態)に応じて駆動部16を所定方向に回転駆動させ、ピニオンギア76及びラック部68を有するシャフト36を介して弁体ユニット34をボディ12の内部に沿って変位させ、導入ポート26に対する第1導出ポート28及び第2導出ポート30の連通状態を切り換えることができると共に、前記弁体ユニット34を構成する第1弁体52及び第2弁体54の変位量を制御することによって排気ガスの流量を自在に制御することができる。
すなわち、単一の排気ガス再循環装置10によって排気ガスを流通させる流路の切り換えと、前記排気ガスの流量調整を行うことが可能となる。
その結果、排気ガスの流量を調整可能な流量調整バルブと、前記排気ガスが流通する通路を切り換えるための切換バルブとを別個に設けていた従来の排気ガス再循環装置と比較し、その部品点数及びコストの削減を図ることができ、同時に、小型軽量化を図ることもできる。
また、排気ガス再循環装置10の設置スペースを省スペース化することができることから、車両に搭載される際のレイアウトの自由度を増大させることができる。
さらに、単一の回転駆動源74によって排気ガスを流通させる流路の切り換えと、前記排気ガスの流量調整とを行うことができるため非常に効率的である。
さらにまた、弁体ユニット34を構成する第1弁体52と第2弁体54との間に弁スプリング56を設けることにより、前記第1弁体52及び第2弁体54のいずれか一方を開弁させる際、他方の弁を前記弁スプリング56の弾発力によって閉弁方向に押圧することができるため、導入ポート26から導入される排気ガスを、第1導出ポート28及び第2導出ポート30のいずれか一方のみに流通させ、且つ、その流量を制御することができる。
またさらに、弁体ユニット34を構成する第1弁体52又は第2弁体54の少なくともいずれか一方が常に第1又は第2バルブシート38、40に着座し、連通室32を通じて第1導出ポート28又は第2導出ポート30のいずれか一方のみしか連通することがないため、前記第1導出ポート28側への排気ガスの流入が抑制され、それに伴って、該第1導出ポート28近傍に設けられた軸受42に対する排気ガスの影響を少なくすることができる。その結果、排気ガス中に含有される粘着成分等の軸受42に対する付着が抑制され、前記軸受42によってシャフト36を円滑に変位させるよう支持することができる。
また、シャフト36は、第1又は第2弁体52、54が第1又は第2バルブシート38、40に着座した際、前記第1又は第2弁体52、54における第1及び第2軸受62、66と軸受42との少なくとも2箇所で軸線方向(矢印A、B方向)に沿って支持される。これにより、シャフト36をボディ12の軸線に対して偏心させることなく高精度に変位させることが可能となり、前記シャフト36の片当たりによる横荷重を低減することができる。これにより、ヒステリシスの低減を図ることが可能となる。
また、上述した本実施の形態では、排気ガス再循環装置10が、排気ガス再循環システム18においてEGRクーラー24の上流側に設けられ、その第1導出ポート28が内燃機関の吸気系20に直接接続され、第2導出ポート30が前記EGRクーラー24に接続される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図5に示される排気ガス再循環システム100のように、前記排気ガス再循環装置10を、前記EGRクーラー24の下流側に設けるようにしてもよい。
この場合、排気ガス再循環装置10は、例えば、導入ポート26が内燃機関の吸気系20に接続されると共に、第1導出ポート28が前記内燃機関の排気系22に対して直接接続され、第2導出ポート30がEGRクーラー24に接続される。すなわち、第1導出ポート28と第2導出ポート30との切換作用下に内燃機関の排気系22から供給された排気ガスが、前記第1導出ポート28又は第2導出ポート30を通じて導入ポート26へと流通し、前記内燃機関の吸気系20へと供給される。
なお、本発明に係る排気ガス再循環装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る排気ガス再循環装置を示す全体断面図である。 図1の排気ガス再循環装置を含む排気ガス再循環システムの概略説明図である。 図1の排気ガス再循環装置における弁体が下方へと変位し、導入ポートと第1導出ポートが連通した状態を示す全体縦断面図である。 図1の排気ガス再循環装置における弁体が上方へと変位し、導入ポートと第2導出ポートとが連通した状態を示す全体縦断面図である。 図1の排気ガス再循環装置がEGRクーラーの下流側に設けられた場合を示す排気ガス再循環システムの概略説明図である。
符号の説明
10…排気ガス再循環装置 12…ボディ
14…弁機構 16…駆動部
18、100…排気ガス再循環システム
20…吸気系 22…排気系
24…EGRクーラー 26…導入ポート
28…第1導出ポート 30…第2導出ポート
32…連通室 34…弁体ユニット
36…シャフト 38…第1バルブシート
40…第2バルブシート 52…第1弁体
52a、54a…筒部 52b、54b…着座部
54…第2弁体 56…弁スプリング
60…第1フランジ 64…第2フランジ
72…リターンスプリング 78…検出センサ

Claims (5)

  1. 駆動部と、
    排気ガスが導入・導出される第1〜第3ポートを有するボディと、
    前記ボディの内部に設けられ、前記駆動部に接続されて軸線方向に沿って変位するシャフトと、前記シャフトに保持され前記第1ポートと前記第2ポートとの間の連通状態を切換自在な第1弁体と、前記第2ポートと第3ポートとの間の連通状態を切換自在な第2弁体と、前記第1弁体と第2弁体との間に介装され互いに離間する方向に付勢するスプリングとを有する弁機構と、
    前記第1ポートと第2ポートとの間に設けられ、前記第1弁体が着座する第1弁座部と、
    前記第1ポートと第3ポートとの間に設けられ、前記第2弁体が着座する第2弁座部と、
    を備え、
    前記第1弁体と第2弁体とが、前記スプリングの弾発力に抗して相対変位自在に設けられると共に、前記シャフトの変位作用下に前記第1弁体及び第2弁体のいずれか一方のみが前記第1弁座部又は第2弁座部から離間することを特徴とする排気ガス再循環装置。
  2. 請求項1記載の排気ガス再循環装置において、
    前記第1及び第2弁体は、本体部と、
    前記本体部の端部に設けられ、前記第1及び第2弁座部に着座すると共に前記スプリングが介装される着座部と、
    を備え、
    前記一方の本体部と他方の本体部との間には、前記本体部内への排気ガスの流入を防止するシール部材が設けられることを特徴とする排気ガス再循環装置。
  3. 請求項1又は2記載の排気ガス再循環装置において、
    前記シャフトは、前記ボディ内に設けられる第1の軸受と、前記弁機構を構成する第1及び第2弁体に設けられる第2の軸受とによって軸線方向に沿って変位自在に支持されることを特徴とする排気ガス再循環装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気ガス再循環装置において、
    前記駆動部は、通電作用下に回転駆動する回転駆動源と、
    外周に歯部を有し、前記回転駆動源に接続されるピニオンギアと、
    前記シャフトに設けられ、前記ピニオンギアに噛合されるラックと、
    を備えることを特徴とする排気ガス再循環装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気ガス再循環装置において、
    前記第2ポートは、内燃機関の排気系に接続され、前記排気系から前記排気ガスが供給され、前記第1ポートは、前記内燃機関の吸気系に接続されると共に、前記第3ポートが、前記排気系と吸気系との間に設けられ前記排気ガスを冷却するための冷却手段に接続されることを特徴とする排気ガス再循環装置。
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