JP2009242859A - 部分めっき方法及び部分めっき装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属条の条ホールを円筒状ドラムのピンに確実に係合させることで円筒状ドラムからの金属条の外れを防止すると共に、金属条に設けられている条ホールにかじり(変形)を生じさせることなく、金属条の所望の領域に部分めっきを施すことのできる部分めっき方法及び部分めっき装置を提供する。
【解決手段】一定のピッチでホールが形成された長尺金属条を、一定のピッチで外周部に突起部を有する円筒状ドラム10に巻回させ、長尺金属条のホールを円筒状ドラムの突起部に係合し、円筒状ドラムに設けられた開口部を介して長尺金属条にめっき液を供給し通電して、長尺金属条の一部をめっきする部分めっき方法であって、円筒状ドラムの外周部上の定点の移動速度である周速度を増減させて、円筒状ドラムの回転速度を長尺金属条の移動速度と独立して制御する。
【選択図】図1
【解決手段】一定のピッチでホールが形成された長尺金属条を、一定のピッチで外周部に突起部を有する円筒状ドラム10に巻回させ、長尺金属条のホールを円筒状ドラムの突起部に係合し、円筒状ドラムに設けられた開口部を介して長尺金属条にめっき液を供給し通電して、長尺金属条の一部をめっきする部分めっき方法であって、円筒状ドラムの外周部上の定点の移動速度である周速度を増減させて、円筒状ドラムの回転速度を長尺金属条の移動速度と独立して制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば端子に加工される長尺金属条の所定領域に部分めっきを施す部分めっき方法及び部分めっき装置に関する。
従来から長尺金属条(以下、単に「金属条」とする)の所定領域に部分めっきを施す部分めっき装置が知られている(例えば特許文献1参照)。ここで、特許文献1に記載の部分めっき装置では、支持体ドラムは、金属又はセラミックでできておりかつ複数の突起部と複数のめっき孔とを外周部に有した円筒状のドラム本体と、ドラム本体を装置本体に設けた回転支持軸に回転自在に装着するための軸受け部を有している。また、支持体ドラムを駆動ロールにて当接駆動するようになっている。
これによって、めっき位置精度を向上させ、かつ、キャリア穴が支持体ドラムの突起部から外れるといったトラブルの発生を防止するようになっている。
特開2006−283127号公報
このように、特許文献1に記載のスポットめっき装置は、ドラムと金属条に熱膨張差がある場合、熱膨張の大きい方に伝達される駆動力を、他方に伝達される駆動力より大きくすることで、キャリア穴を突起部に係合し易くしている。即ち、ドラムと金属条の駆動力の相対関係を制御することにより、キャリア穴を突起部に係合し易くしている。
しかしながら、この従来のスポットめっき装置は、ドラムの周速と金属条の条速とが同一となっているため、条ホールにかじりが発生するという問題がある。
また、ドラムに巻回された金属条がめっきされる領域において、突起部と条ホールとの相対位置関係がずれるため、金属条の所望の領域にめっきがなされない場合が生じる。
また、金属条がドラムに巻回される際にドラムの突起部が金属条の条ホールに上手く係合せず、金属条がドラムの突起部から外れる場合も生じる。
本発明の目的は、金属条の条ホールを円筒状ドラムのピンに確実に係合させることで円筒状ドラムからの金属条の外れを防止すると共に、金属条に形成された条ホールにかじり(変形)を生じさせることなく、金属条の所望の領域に部分めっきを施すことのできる部分めっき方法及び部分めっき装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る部分めっき方法は、
一定のピッチでホールが形成された長尺金属条を、外周部に突起部を有する円筒状ドラムに巻回させ、前記長尺金属条のホールを前記円筒状ドラムの突起部に係合し、前記円筒状ドラムに設けられた開口部を介して前記長尺金属条にめっき液を供給し通電して、前記長尺金属条の一部をめっきする部分めっき方法であって、
前記円筒状ドラムの外周部上の定点の移動速度である周速度を増減させて、前記円筒状ドラムの回転速度を前記長尺金属条の移動速度と独立して制御することを特徴としている。
一定のピッチでホールが形成された長尺金属条を、外周部に突起部を有する円筒状ドラムに巻回させ、前記長尺金属条のホールを前記円筒状ドラムの突起部に係合し、前記円筒状ドラムに設けられた開口部を介して前記長尺金属条にめっき液を供給し通電して、前記長尺金属条の一部をめっきする部分めっき方法であって、
前記円筒状ドラムの外周部上の定点の移動速度である周速度を増減させて、前記円筒状ドラムの回転速度を前記長尺金属条の移動速度と独立して制御することを特徴としている。
また、本発明の請求項4に係る部分めっき装置は、
長尺金属条を円筒状ドラムの外周部に沿って巻回し、前記円筒状ドラムに設けられためっき穴を介してめっき液を供給することにより前記長尺金属条の一部をめっきする部分めっき装置において、
前記長尺金属条には条ホールが所定のピッチで形成されるとともに、前記円筒状ドラムの外周部には外径が前記条ホールより小さく当該条ホールに係合して前記長尺金属条を前記円筒状ドラムの外周部に沿って巻回させるピンが形成され、
前記円筒状ドラムに対する押付力を変えることのできる押付け手段を備え、前記円筒状ドラムの周速を制御することで、前記長尺金属条の条速に対してドラム周速度を相対的に変化させ、これによって、前記条ホールに対する前記ピンの位置を相対的に移動させることを特徴としている。
長尺金属条を円筒状ドラムの外周部に沿って巻回し、前記円筒状ドラムに設けられためっき穴を介してめっき液を供給することにより前記長尺金属条の一部をめっきする部分めっき装置において、
前記長尺金属条には条ホールが所定のピッチで形成されるとともに、前記円筒状ドラムの外周部には外径が前記条ホールより小さく当該条ホールに係合して前記長尺金属条を前記円筒状ドラムの外周部に沿って巻回させるピンが形成され、
前記円筒状ドラムに対する押付力を変えることのできる押付け手段を備え、前記円筒状ドラムの周速を制御することで、前記長尺金属条の条速に対してドラム周速度を相対的に変化させ、これによって、前記条ホールに対する前記ピンの位置を相対的に移動させることを特徴としている。
請求項1及び請求項4に記載の発明によれば、ピンの条ホールに対する相対位置を適切に制御することができるので、金属条の条ホールを円筒状ドラムのピンに確実に係合させることで円筒状ドラムからの金属条の外れを防止すると共に、金属条に形成された条ホールにかじり(変形)を生じさせることなく、金属条の所望の領域に部分めっきを精度よく施すことができるようになる。
また、本発明の請求項2に係る部分めっき方法は、請求項1に記載の部分めっき方法において、
前記円筒状ドラムの周速度の設定値を、前記めっき液の温度の設定値からの偏差に応じて増減することを特徴としている。
前記円筒状ドラムの周速度の設定値を、前記めっき液の温度の設定値からの偏差に応じて増減することを特徴としている。
また、本発明の請求項3に係る部分めっき方法は、請求項1に記載の部分めっき方法において、
前記円筒状ドラムの周速度の設定値を、前記長尺金属条の条速の設定値からの偏差に応じて増減することを特徴としている。
前記円筒状ドラムの周速度の設定値を、前記長尺金属条の条速の設定値からの偏差に応じて増減することを特徴としている。
請求項2及び請求項3に記載の発明によれば、前記円筒状ドラムの周速度の設定値を、めっき液の温度の設定値からの偏差または長尺金属条の条速の設定値からの偏差に応じて増減するようにするため、請求項1に記載の発明と比較して、ピンの条ホールに対する相対位置をより適切に制御することができるので、金属条の条ホールを円筒状ドラムのピンに確実に係合させることで円筒状ドラムからの金属条の外れを防止すると共に、金属条に形成された条ホールにかじり(変形)を生じさせることなく、金属条の所望の領域に部分めっきをより精度よく施すことができるようになる。
また、本発明の請求項5に係る部分めっき装置は、請求項4に記載の部分めっき装置において、
前記部分めっき装置が画像測定手段を備え、当該画像測定手段により測定される前記ピンと前記条ホールの相対位置により、前記条ホールの中心に対する前記ピンの中心のずれ量がピンクリアランスの範囲内となるように前記円筒状ドラムの周速度が制御されることを特徴としている。
前記部分めっき装置が画像測定手段を備え、当該画像測定手段により測定される前記ピンと前記条ホールの相対位置により、前記条ホールの中心に対する前記ピンの中心のずれ量がピンクリアランスの範囲内となるように前記円筒状ドラムの周速度が制御されることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、このような画像測定手段を用いることで、請求項4に記載の発明と比較して、ピンの条ホールに対する相対位置をより適切に制御することができるので、金属条の条ホールを円筒状ドラムのピンに確実に係合させることで円筒状ドラムからの金属条の外れを防止すると共に、金属条に形成された条ホールにかじり(変形)を生じさせることなく、金属条の所望の領域に部分めっきをより精度よく施すことができるようになる。
本発明によれば、金属条の条ホールを円筒状ドラムのピンに確実に係合させることで円筒状ドラムからの金属条の外れを防止すると共に、金属条に設けられている条ホールにかじり(変形)を生じさせることなく、金属条の所望の領域に部分めっきを施すことのできる部分めっき方法及び部分めっき装置を提供することができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る部分めっき装置について図面に基づいて説明する。本発明の第1の実施形態に係る部分めっき装置1は、図1乃至図3に示すように、円筒状ドラム10と円筒状ドラム10の内部に収容されためっき液噴出部15と、めっき液噴出部15に供給するめっき液を溜めると共にめっき液噴出部15から噴出されためっき液を回収するめっき槽20と、めっき槽20からめっき液噴出部15にめっき液を供給するポンプ30とを有している。
そして、部分めっき装置1は、搬送ドラム81〜84に長尺金属条90(以下、単に「金属条90」とする)の一部が巻回されて搬送されると共に、円筒状ドラム10の外周部に沿って巻回し、円筒状ドラム10に設けられためっき穴12(図4参照)を介してめっき液を供給することにより金属条90の一部をめっきするようになっている。
めっき穴12には、ゴム部材12a(図5参照)が取り付けられていることが好ましい。この場合、ゴム部材12aの表面12bは、円筒状ドラム10の金属条90との接触面10aより突出させるようにする。具体的には、0.1mm程度突出させるようにすれば十分である。このように、金属条90が円筒状ドラム10の接触面10aと接する前にゴム部材12aの表面12bと接するようにすると、めっき穴12におけるめっき液漏れを起こしにくく、めっき領域の外縁部が明瞭となるため、金属条90の所望の領域に部分めっきを精度よく施すことができるようになる。
なお、ゴム部材12aの表面12bは、その全体を円筒状ドラム10の金属条90との接触面10aより突出させる必要はなく、ゴム部材12aの内周に沿って突出部12c(図6参照)を設け、その幅を表面12bの一部のみとしてもよい。
円筒状ドラム10は、モータ40(図4参照)によって所定の回転数で回転するようになっている。また、部分めっき装置1の円筒状ドラム10に巻回される金属条90には条ホール91(図3参照)が所定のピッチで形成されるとともに、円筒状ドラム10の外周部には外径が条ホール91より小さく条ホール91に係合して金属条90を円筒状ドラム10の外周部に沿って巻回させる突起部としてピン11(図2参照)が所定のピッチで形成されている。なお、ピン11の配置間隔については、所定のピッチである必要はなく、例えば条ホール91のピッチの整数倍に対応する間隔となる箇所が存在していても差し支えない。
このピン11は、ジルコニア等のセラミックスにより紡錘状に形成されることが好ましい。ピン11をこのように形成することで、金属条90との接触による磨耗が生じにくくなるため、ピン11と条ホール91とのクリアランスが大きくなりにくくなり、スポット位置ずれがより生じにくくなる。
また、部分めっき装置1は、円筒状ドラム10に対し押付力を変化させることのできるゴムローラ50(図4参照)を備え、このゴムローラ50を介して円筒状ドラム10の周速を制御することで、金属条90の条速に対してドラム周速度を相対的に変化させ、これによって条ホール91に対するピン11の位置を相対的に移動させるようになっている。
なお、本実施形態に係る部分めっき装置1は、ピン11が条ホール91内に残り、かじりが生じないようになっている。この寸法関係は以下のようになっている。
ここで、図2に示す寸法関係において、円筒状ドラム10の外径変化量(D1−D0)によるドラムピッチ変化量ΔA(=a−b)は、ΔA=π(D1−D0)/全周ピッチ数となる。そして、ドラム半周分のΔAの累積値ΔBは、ΔB=ΔA・(半周ピッチ数)となる。また、図3に示すピン11と条ホール91のクリアランスΔCは、ΔC=(条ホール径−ピン外径)/2となる。
そして、同期条件、即ち図3に示す進入点Xでピン11が条ホール内に残るためには、ΔB<ΔC であることが必要となり、本実施形態に係る部分めっき装置1は、これを満たす寸法関係となっている。これによって、部分めっき装置1は、円筒状ドラム10のピン11が条ホール内に残るようになり、金属条90の条ホール91のかじりを防止している。
ここで、金属条90が円筒状ドラム10に巻回されている角度θ(単位:ラジアン)に対して、めっき液温度では条ホール内径d1、円筒状ドラム突起部外径d2、円筒状ドラム外径D0、円筒状ドラム全周のピッチ数n0、条ホールのピッチPが、
(d1−d2)>θ/(2π)・|π・D0−n0・P|
の関係にあることが好ましい。
(d1−d2)>θ/(2π)・|π・D0−n0・P|
の関係にあることが好ましい。
ここで、d1とd2の差を大きく取れば、巻回角度θを大きくとることができる。θが大きい方がめっき液の滞在時間を稼ぎやすいのでめっき効率の点で有利である。一方、d1とd2の差を大きくためにθを大きくとると、スポット位置がずれることになるので、このズレ量を考慮してめっき領域マージンを大きく取る必要がある。この場合めっき貴金属の使用量が増加し、製造コストが上がってしまうので問題である。そこで、スポット位置ずれとして許容される量からd1、d2を決定し、θの上限を算出することにより、製造コストとめっき効率を著しく向上させることができる。
例えば、d1=3mm、d2=2.97mm、D0=229.2mm、n0=24、P=30mm、の場合、θ<3.55(≒204度)であり、180度で巻回しても継続的に条のかじりが増大したり、条がピンから外れたりすることがない。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る部分めっき装置1を、ピン11とめっき穴12と条ホール91との関係とともに示す平面図である。ゴムローラ50は、円筒状ドラム10のスポットめっき部からドラム幅方向に延在した部分(図4では断面で図示)のドラム内周面17に当接され、ここでは詳細には図示しない移動手段によってドラム内周面17への押付け力を強めてドラム周速を下げたり、押付け力を弱めてドラム周速を上げたりしている。
めっき穴12には、例えばゴム製のシール部材12a(図5参照)が取り付けられていることが好ましい。この場合、シール部材12aの表面12bは、円筒状ドラム10の金属条90との接触面10aより突出させるようにする。具体的には、0.1mm程度突出させるようにすれば十分である。0.1mm程度の突出であれば、シール部材12aの表面12bが円筒状ドラム10の接触面と同じ高さまで変形されるので、ドラム側のピンピッチが増えることはない。このように、金属条90が円筒状ドラム10の接触面10aと接する前にシール部材12aの表面12bと接するようにすると、めっき穴12におけるめっき液漏れを起こしにくく、めっき領域の外縁部が明瞭となるため、金属条90の所望の領域に部分めっきを精度よく施すことができるようになる。
なお、シール部材12aの表面12bは、その全体を円筒状ドラム10の金属条90との接触面10aより突出させる必要はなく、シール部材12aの内周に沿って突出部12cを設け、その幅を表面12bの一部のみとしてもよい。また、この場合、シール部材12aの表面12bのうち突出部12c以外の部分は、円筒状ドラム10の金属条90との接触面10aより低くなっていてもよい。
このように、部分めっき装置1は、円筒状ドラム10に対し押付力を変化させることのできるゴムローラ50を介して円筒状ドラム10の周速を制御することで、金属条90の条速に対してドラム周速度を相対的に変化させ、これによって、条ホール91に対するピン11の位置を相対的に移動させることができる。よって、かじりを著しく低減することができる。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る部分めっき装置1をピン11と条ホール91との関係とともに示す側面図である。図7では、ピン11が条ホール91に入り込む位置A(条ホール91へのピン11の進入点)においてピン11の中心と条ホール91の中心が一致している状態を示している。また、ピン11が条ホール91から抜ける位置B(条ホール91からのピン11の排出点)においてもピン11の中心と条ホール91の中心が一致している状態を示している。即ち、図7は、条ホール91のピッチがピン11のピッチと等しい場合を示している。
なお、図7中、金属条90に沿った水平方向の矢印は、金属条90の送り方向を示している。また、位置Aに示す上向きの矢印は、位置Aにおける条ホール91及びピン11が上側に移動していることを示している。また、位置Bに示す下向きの矢印は、位置Bにおける条ホール91及びピン11が下側に移動していることを示している。また、ドラム内の3つの矢印は、めっき液の噴出場所及び噴出方向を示している。
図7のような条ホール91とピン11との位置関係によると、条ホール91のピン11からの外れや条ホール91のかじりが生じることなく、かつめっきが金属条90の所望の位置に施されるようになるので、ドラム周速度をゴムローラ50で変える必要はないと言える。
また、図8は、本発明の第1の実施形態に係る部分めっき装置1のドラム周速度を変化させた時のピン11と条ホール91との関係を示す図である。
図8の上側は、条ホール91のピッチよりピン11のピッチが大きい場合、即ち円筒状ドラム10が大きい場合を示しており、条ホール91へのピン11の進入点である位置Aにおいてピン11が条ホール91の下側に接し、条ホール91からのピン11の排出点である位置Bにおいては、ピン11の中心と条ホール91の中心が一致していることを示している。
この場合、円筒状ドラム10へのゴムローラ50の押付け力を弱めて円筒状ドラム10の周速度を上げ、図8の右側に示すように位置Aにおいて条ホール91の中心とピン11の中心が一致し、位置Bにおいて条ホール91の下側にピン11が接するように互いの相対位置関係を変える。
図8の下側は、条ホール91のピッチよりピン11のピッチが小さい場合、即ち円筒状ドラム10が小さい場合を示しており、条ホール91へのピン11の進入点である位置Aにおいてピン11が条ホール91の上側に接し、条ホールから91のピン11の排出点である位置Bにおいては、ピン11の中心と条ホール91の中心が一致していることを示している。
この場合、円筒状ドラム10へのゴムローラ50の押付け力を強めて円筒状ドラム10の周速度を下げ、図8の右側に示すように位置Aにおいて条ホール91の中心とピン11の中心が一致し、位置Bにおいて条ホール91の上側にピン11が接するように互いの相対関係を変える。
このように、円筒状ドラム10へのゴムローラ50の押付け力を調整して位置Aにおけるピン11と条ホール91との相対位置関係を変えることで、ピン11による条ホール91のかじりや条ホール91のピン11からの外れを防止すると共に、金属条90の所望の位置にめっきを施すことができるようになる。
このように、第1の実施形態に係る部分めっき装置1及びこれを用いた部分めっき方法によれば、ピン11の条ホール91に対する相対位置を適切に制御することができるので、金属条90の条ホール91を円筒状ドラム10のピン11に確実に係合させることで円筒状ドラム10からの金属条90の外れを防止すると共に、金属条90に形成された条ホール91にかじり(変形)を生じさせることなく、金属条90の所望の領域に精度よく部分めっきを施すことができるようになる。
続いて、本発明の第2の実施形態に係る部分めっき装置2について説明する。なお、上述の第1の実施形態に係る部分めっき装置1と同等の構成については、図面に対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
本発明の第2の実施形態に係る部分めっき装置2は、図9に示すように第1の実施形態に係る部分めっき装置1に加えて画像測定手段としてのカメラ60(61,62)を条ホール91のピン11への進入点(位置A)と条ホール91からのピン11の排出点(位置B)のそれぞれに備えている。そして、カメラ60により位置Aと位置Bのピン11と条ホール91の相対位置をそれぞれ測定し、条ホール91の中心に対するピン11の中心のずれ量がピンクリアランス(図3におけるΔC)の範囲内となるように円筒状ドラム10の周速度を制御するようになっている。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る部分めっき装置2をピン11と条ホール91との位置関係をカメラ60で撮像して示す側面図である。図10のような条ホール91とピン11との位置関係によると、図7の場合と同様に条ホール91のピン11からの外れや条ホールのかじりは生じることなく、かつ金属条90の所望の位置に施されるようになるので、円筒状ドラムの周速度をゴムローラ50で変える必要はないと言える。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る部分めっき装置のドラム周速度を変化させた時のピン11と条ホール91との関係をカメラ60で撮像した図である。図11の上側は、条ホール91のピッチよりピン11のピッチが大きい場合、即ち円筒状ドラム10が大きい場合を示しており、条ホール91へのピン11の進入点である位置Aにおいてピン11が条ホール91の下側に接し、条ホール91からのピン11の排出点である位置Bにおいては、ピン11の中心と条ホール91の中心が一致していることを示している。
この場合、円筒状ドラム10へのゴムローラ50の押付け力を弱めて円筒状ドラム10の周速度を上げ、図11の右側に示すように位置Aにおいて条ホール91の中心とピンの中心が一致し、位置Bにおいて条ホール91の下側にピン11が接するように互いの相対位置関係を変える。
図11の下側は、条ホール91のピッチよりピン11のピッチが小さい場合、即ちドラムが小さい場合を示しており、条ホール91へのピン11の進入点である位置Aにおいてピン11が条ホール91の上側に接し、条ホール91からのピン11の排出点である位置Bにおいては、ピン11の中心と条ホール91の中心が一致していることを示している。
この場合、円筒状ドラム10へのゴムローラ50の押付け力を強めて円筒状ドラム10の周速度を下げ、図11の右側に示すように位置Aにおいて条ホール91の中心とピン11の中心が一致し、位置Bにおいて条ホール91の上側にピン11が接するように互いの相対関係を変える。
このように、円筒状ドラム10へのゴムローラ50の押付け力を調整して位置Aにおけるピン11と条ホール91との相対位置関係を変えることで、ピン11による条ホール91のかじりや条ホール91のピン11からの外れを防止すると共に、金属条90の所望の位置にめっきを施すことができるようになる。
この第2の実施形態に係る部分めっき装置及びこれを用いた部分めっき方法によれば、画像測定手段としてのカメラ60(61,62)を備え、このカメラ60によってピン11と条ホール91の相対位置を測定し、条ホール91の中心に対するピン11の中心のずれ量がピンクリアランス(図3におけるΔC)の範囲内になるように円筒状ドラム10の周速度を制御するので、金属条90の条ホール91を円筒状ドラム10のピン11により確実に係合させることで円筒状ドラム10からの金属条90の外れを防止すると共に、金属条90に形成された条ホール91にかじり(変形)をより生じさせることなく、金属条90の所望の領域に精度よく部分めっきを施すことができるようになる。
ここで、本発明の第2の実施形態の変形例について説明する。例えば、図9〜図11に示されるカメラ60を、円筒状ドラム10の外周部の周速度の測定手段として利用することにより、円筒状ドラム10の外周部定点の移動速度を測定することができる。このことにより、ドラム外周部の周速度を実測でき、回転速度を微調整することにより、周速度の設定値を調整することができる。これにより、かじりを著しく低減することができる。
また、この変形例において、円筒状ドラム10の外周部定点を突起部であるピン11の中心軸と外周面の交点とすることで、この定点はドラム外周面上に等ピッチで設置されていることから、特定の定点と隣接する定点の通過時刻の差と、ピン11間の円弧距離から円筒状ドラム10の周速度を算出できる。この周速度が設定値となるように、例えばゴムローラ50等でドラム回転速度を微調整することで、かじりを著しく低減することができる。
また、本発明の各実施形態において、移動中の金属条90の条ホール91に対して、片面側からレーザ光を入射させ、通過光を検出器で検知する構成とし、レーザ光の検出時間、未検出時間を測定して金属条90の速度を算出するようにしてもよい。このように、金属条90の速度を測定することにより、周速度との比較を行うことができ、かじりを著しく低減することができる。
以上説明したように、本発明に係る部分めっき方法及び部分めっき装置によれば、ピンの条ホールに対する相対位置を適切に制御することができるので、金属条の条ホールを円筒状ドラムのピンに確実に係合させることで円筒状ドラムからの金属条の外れを防止すると共に、金属条に形成された条ホールにかじり(変形)を生じさせることなく、金属条の所望の領域に精度よく部分めっきを施すことができるようになる。
好ましくは、部分めっき装置が画像測定手段を備え、当該画像測定手段によりピンと条ホールの相対位置を測定し、条ホールの中心に対するピンの中心のずれ量がピンクリアランスの範囲内となるように円筒状ドラムの周速度を制御するのが良い。
このような画像測定手段を用いることで、ピンの条ホールに対する相対位置をより適切に制御することができるので、金属条の条ホールを円筒状ドラムのピンにより確実に係合させることで円筒状ドラムからの金属条の外れを防止すると共に、金属条に形成された条ホールにかじり(変形)をより生じさせることなく、金属条の所望の領域に部分めっきを施すことができるようになる。
1 部分めっき装置
2 部分めっき装置
10 円筒状ドラム
11 ピン
12 めっき穴
12a シール部材
12b シール部材表面
( 12c 突出部)
15 めっき液噴出部
17 ドラム内周面
20 めっき槽
30 ポンプ
40 モータ
50 ゴムローラ
60(61,62) カメラ
81〜84 搬送ドラム
90 (長尺)金属条
91 条ホール
2 部分めっき装置
10 円筒状ドラム
11 ピン
12 めっき穴
12a シール部材
12b シール部材表面
( 12c 突出部)
15 めっき液噴出部
17 ドラム内周面
20 めっき槽
30 ポンプ
40 モータ
50 ゴムローラ
60(61,62) カメラ
81〜84 搬送ドラム
90 (長尺)金属条
91 条ホール
Claims (5)
- 一定のピッチでホールが形成された長尺金属条を、外周部に突起部を有する円筒状ドラムに巻回させ、前記長尺金属条のホールを前記円筒状ドラムの突起部に係合し、前記円筒状ドラムに設けられた開口部を介して前記長尺金属条にめっき液を供給し通電して、前記長尺金属条の一部をめっきする部分めっき方法であって、
前記円筒状ドラムの外周部上の定点の移動速度である周速度を増減させて、前記円筒状ドラムの回転速度を前記長尺金属条の移動速度と独立して制御することを特徴とする部分めっき方法。 - 前記円筒状ドラムの周速度の設定値を、前記めっき液の温度の設定値からの偏差に応じて増減することを特徴とする、請求項1記載の部分めっき方法。
- 前記円筒状ドラムの周速度の設定値を、前記長尺金属条の条速の設定値からの偏差に応じて増減することを特徴とする、請求項1記載の部分めっき方法。
- 長尺金属条を円筒状ドラムの外周部に沿って巻回し、前記円筒状ドラムに設けられためっき穴を介してめっき液を供給することにより前記長尺金属条の一部をめっきする部分めっき装置において、
前記長尺金属条には条ホールが所定のピッチで形成されるとともに、前記円筒状ドラムの外周部には外径が前記条ホールより小さく当該条ホールに係合して前記長尺金属条を前記円筒状ドラムの外周部に沿って巻回させるピンが形成され、
前記円筒状ドラムに対する押付力を変えることのできる押付け手段を備え、前記円筒状ドラムの周速を制御することで、前記長尺金属条の条速に対してドラム周速度を相対的に変化させ、これによって、前記条ホールに対する前記ピンの位置を相対的に移動させることを特徴とする部分めっき装置。 - 前記部分めっき装置が画像測定手段を備え、当該画像測定手段により測定される前記ピンと前記条ホールの相対位置により、前記条ホールの中心に対する前記ピンの中心のずれ量がピンクリアランスの範囲内となるように前記円筒状ドラムの周速度が制御されることを特徴とする、請求項4に記載の部分めっき装置。
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JP2008089986A JP2009242859A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 部分めっき方法及び部分めっき装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2008
- 2008-03-31 JP JP2008089986A patent/JP2009242859A/ja active Pending
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