JP2009242510A - エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】多量の充填材を配合することによってチクソ性が著しく高くなり、塗布が困難となったエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物のチクソ性を低下させ、取扱い性を向上させたエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物を提供する。
【解決手段】充填材を20〜50重量%含有するエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物であって、0.1〜2.5重量%のウレタン会合系化合物を含有することを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物。
【選択図】なし
【解決手段】充填材を20〜50重量%含有するエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物であって、0.1〜2.5重量%のウレタン会合系化合物を含有することを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、多量の充填材を配合することによってチクソ性が著しく高くなり、塗布が困難となったエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物のチクソ性を低下させ、取扱い性を向上させる技術に関する。
エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョンは、酢酸ビニル、エチレン及び必要に応じて他の不飽和単量体を乳化重合することにより得られるものであり、接着剤、セメント添加剤、紙・繊維のバインダー等として用いられている。接着剤としては、撥水紙、樹脂含浸紙、樹脂コート紙、プラスチックフィルム、クッションフロアの裏打ち材等のように酢酸ビニル系樹脂エマルジョンでは接着が困難な難接着性基材に対して、盛んに利用されている。
ところで、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョンを使用する際に充填材が配合されることがあり、例えば合板等の木質基材に化粧紙を接着する際、下地の木目を隠蔽するために多量の酸化チタンが配合される。ところが、多量の充填材を配合するとエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョンのチクソ性が著しく高くなり、塗布時に糊飛びが発生したり塗布量の調整が困難となってしまうため、チクソ性の低減が必要であった。
特許文献1〜3には、無機および/または有機電解質を添加することにより、樹脂エマルジョンにダイラタンシー性を付与する(チクソ性を低減する)方法が開示されている。しかしながら、多量の充填材の存在下ではこれらの方法では効果が乏しく、チクソ性を低減する別の方法が必要であった。
特公平7−30294号公報
特許第3568660号公報
特開2005−162989号公報
本発明は、多量の充填材を配合することによってチクソ性が著しく高くなり、塗布が困難となったエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物のチクソ性を低下させ、取扱い性を向上させたエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物を提供するものである。
本発明者は、多量の充填材の配合によりチクソ性が著しく高くなったエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物に対して、通常は増粘剤として使用されるウレタン会合系化合物を添加することにより、チクソ性を低減できることを見出した。そこで、他の増粘剤についても検討を行ったが、チクソ性低減効果が得られたのはウレタン会合系化合物のみであった。また、他の樹脂組成物にウレタン会合系化合物を添加してもチクソ性低減効果は得られなかった。さらに、充填材を含有しないエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物にウレタン会合系化合物を添加しても、チクソ性低減効果は得られなかった。したがって、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン、多量の充填材、ウレタン会合系化合物の三成分がそろった場合のみ、特異的に前記チクソ性低減効果が発現するものと考えられる。
即ち、本発明は充填材を20〜50重量%含有するエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物であって、ウレタン会合系化合物を0.1〜2.5重量%含有することを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物。
本発明からなるエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物は、多量の充填材を含有していながらもチクソ性が低いため、塗布時に糊飛びが発生せず、塗布量の調整も容易である。したがって、多量の充填材の配合が必要とされる用途、例えば隠蔽性確保のために多量の酸化チタンの配合が必要な化粧紙ラミネート用接着剤として有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は、充填材を多量に含有するためチクソ性が高くなったエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂(以下、EVAとする)エマルジョン組成物に対して、ウレタン会合系化合物を配合することによりチクソ性を低減したものであって、前記各成分が必須成分となる。
EVAエマルジョンは、ポリビニルアルコール(以下、PVAとする)などの乳化剤の存在下で少なくともエチレンと酢酸ビニルを含有するモノマーを共重合することにより得られる。乳化剤として、PVA、界面活性剤、糖類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体を用いることができる。PVAは重合度300〜4000程度、けん化度75〜99.5%程度のものが使用され、2−メチル−2−プロペン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の単量体に由来する構造単位を含有するPVA、1,2−グリコール結合を有するPVA、エチレン単位を有するPVA、アセトアセチル基含有PVAなどの変性PVAを用いても良い。エチレンと酢酸ビニル以外のモノマーとして、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、ジエン系モノマーなどを用いることができる。重合の際に、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールなどのグリコールエーテル化合物を添加しても良い。
充填材は公知のものを用いることができ、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、珪砂、クレー、タルク、マイカ、カオリン、シラスバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。これらの充填材がEVAエマルジョンに多量に配合されると、チクソ性が著しく高くなり、塗布時に糊飛びが発生したり塗布量の調整が困難となる。後述するウレタン会合系化合物をEVAエマルジョン組成物に添加した際に顕著にチクソ性が低下するのは、EVAエマルジョン組成物が充填材を20〜50重量%含有する場合である。
ウレタン会合系化合物は、例えば1種または2種以上のモノまたはポリイソシアネートと、1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得られる化合物であり、詳しくは特開2003−251275号公報等に記載されている。ウレタン会合系化合物は、ポリアクリル酸系化合物、セルロース系化合物等とともに増粘剤として知られているが、本発明においてはチクソ性低減効果を生じる。なお、ポリアクリル酸系化合物、セルロース系化合物等ではチクソ性低減効果は生じず、ウレタン会合系化合物に特有の効果であると考えられる。ウレタン会合系化合物の添加量は、EVAエマルジョン組成物全体に対して0.1〜2.5重量%とすることが好ましい。0.1重量%未満ではチクソ性が顕著に低減せず、2.5重量%を超えてもチクソ性低減効果はそれ以上発現せず、耐水性低下等の負の作用が現れる場合がある。
EVAエマルジョン組成物はその他に各種添加剤を配合することができる。具体的には可塑剤、硬化剤、pH調整剤、レベリング剤、消泡剤、界面活性剤、顔料、染料、保存剤等が挙げられる。
本発明のEVAエマルジョン組成物は、多量の充填材を含有していながらもチクソ性が低いため、塗布時に糊飛びが発生せず、塗布量の調整も容易である。このような特性から、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター等を用いて塗布することができる。
以下、実施例において本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
EVAエマルジョンである450HQ(スミカケムテックス株式会社製、商品名)400重量部、充填材として二酸化チタン120重量部、水80重量部、ウレタン会合系化合物であるプライマルRM825(ロームアンドハース社製、商品名)0.6重量部を混合し、実施例1のEVAエマルジョン組成物を得た。
EVAエマルジョンである450HQ(スミカケムテックス株式会社製、商品名)400重量部、充填材として二酸化チタン120重量部、水80重量部、ウレタン会合系化合物であるプライマルRM825(ロームアンドハース社製、商品名)0.6重量部を混合し、実施例1のEVAエマルジョン組成物を得た。
実施例2〜4、比較例1〜4
実施例1で用いた配合材料の他、EVAエマルジョンである201HQ(スミカケムテックス株式会社製、商品名)、305HQ(スミカケムテックス株式会社製、商品名)、ウレタン会合系化合物であるアキュゾール880(ロームアンドハース社製、商品名)、セルロース系増粘剤であるメトローズ65SH−15000(信越化学工業株式会社製、商品名)を用い、表1記載の配合にて混合することによって、各EVAエマルジョン組成物を得た。
実施例1で用いた配合材料の他、EVAエマルジョンである201HQ(スミカケムテックス株式会社製、商品名)、305HQ(スミカケムテックス株式会社製、商品名)、ウレタン会合系化合物であるアキュゾール880(ロームアンドハース社製、商品名)、セルロース系増粘剤であるメトローズ65SH−15000(信越化学工業株式会社製、商品名)を用い、表1記載の配合にて混合することによって、各EVAエマルジョン組成物を得た。
各エマルジョン組成物について、粘度とSVI(構造粘性指数)を測定した。粘度はBM型粘度計を用い、No.3ローターの30rpm値を測定した。SVIについてはBM型粘度計を用い、No.3ローターの6rpm値と60rpm値を測定し、以下の式により算出した。なお、SVIが大きいほどチクソ性が高いことを意味する。
実施例1は比較例1のEVAエマルジョン組成物にウレタン会合系化合物を添加したものであり、同様に実施例2と3は比較例2、実施例4と5は比較例3、実施例6は比較例4に対応するものであるが、いずれの場合にもウレタン会合系化合物の添加によってSVIが低下しており、顕著な増粘はみられなかった。一方、比較例5は比較例3にセルロース系増粘剤を添加したものであるが、SVIはさらに高くなってしまい、ロールコーターなどでの塗布は困難であった。
Claims (2)
- 充填材を20〜50重量%含有するエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物であって、ウレタン会合系化合物を含有することを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物。
- 前記ウレタン会合系化合物の含有量が、前記エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物の0.1〜2.5重量%であることを特徴とする請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物。
Priority Applications (1)
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JP2008089254A JP2009242510A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂エマルジョン組成物 |
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2008
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