JP2009242373A - フッ素置換による有機化合物の合成 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物に、(I)アルミニウム化合物、及び有機基を含む有機金属化合物を反応させて、或いは(II)有機アルミニウム化合物を反応させて、フッ素原子を該有機基で置換して、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に該有機基を有する化合物を製造する方法。
【選択図】なし
Description
芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物に、アルミニウム化合物、及び有機基を含む有機金属化合物を反応させてフッ素原子を該有機基で置換して、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に該有機基を有する化合物を製造する方法。
前記アルミニウム化合物が、一般式(1):
R1 3Al (1)
(式中、R1は同一又は異なって、アルキル基又はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物である項1に記載の製造方法。
前記有機金属化合物が、一般式(2):
R2−M (2)
(式中、R2は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアルキニル基を示し、Mはリチウム、ホウ素、マグネシウム、亜鉛及び銅からなる群より選ばれる金属を示す。)
で表される結合を有する化合物である項1又は2に記載の製造方法。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3):
Ar−[CFn(R3)3−n]m (3)
(式中、Arは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、R3は、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−(CF2)p−Ar’(pは0以上の整数、Ar’は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。)で示される基を示す。nが1の場合R3は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CFn(R3)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物である項3に記載の製造方法。
得られる芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に有機基を有する化合物が、一般式(4):
Ar−[CR2 n(R3’)3−n]m (4)
(式中、R3’は同一又は異なって、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−Ar’で示される基、又は式:−(CF2)q−1−CR2 2−Ar’で示される基(qは1以上の整数)を示し、Ar、R2、m、n及びAr’は前記に同じ。nが1の場合R3’は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CR2 n(R3’)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物である項4に記載の製造方法。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3a):
Ar−CFn(R3)3−n (3a)
(式中、Ar、R3及びnは前記に同じ。)
で表される化合物である項4に記載の製造方法。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3e):
Ar−CF2−(CF2)p−Ar’ (3e)
(式中、Ar、Ar’及びpは前記に同じ。)
で表される化合物である項6に記載の製造方法。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3f):
Ar−CF2−Ar’ (3f)
又は
Ar−CF2−CF2−Ar’ (3g)
(式中、Ar及びAr’は前記に同じ。)
で表される化合物である項7に記載の製造方法。
前記Ar及びAr’が同一又は異なって、下記式:
で表される基である項4〜8のいずれかに記載の製造方法。
前記アルミニウム化合物が、一般式(1a):
AlX3、AlR10X2、Al(R10)2X、又はAl(R10)3 (1a)
(式中、R10は同一又は異なってC1〜5アルキル基、Xは同一又は異なってF、Cl又はBrを示す。)
で表される化合物である項1又は2に記載の製造方法。
前記有機金属化合物が、一般式(2a)〜(2d):
R20−Li (2a)
(R20)3B (2b)
R20−MgY1 (2c)
又は
(R20)2Zn (2d)
(式中、R20はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を示し、Y1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物である項3に記載の製造方法。
芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に結合したフッ素原子を、アルミニウム化合物、及び有機基を含む有機金属化合物を用いて該有機基で置換する方法。
芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に結合したフッ素原子を有する化合物に、一般式(5):
R3Al (5)
(式中、Rは同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアルキニル基を示す。)
で表される有機アルミニウム化合物を反応させて、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にR基を有する化合物を製造する方法。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3):
Ar−[CFn(R3)3−n]m (3)
(式中、Arは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、R3は、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−(CF2)p−Ar’(pは0以上の整数、Ar’は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。)で示される基を示す。nが1の場合R3は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CFn(R3)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物である項13に記載の製造方法。
得られる芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に有機基を有する化合物が、一般式(6):
Ar−[CRn(R3’’)3−n]m (6)
(式中、R3’’は同一又は異なって、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−Ar’で示される基、又は式:−(CF2)q−1−CR2−Ar’で示される基(qは1以上の整数)を示し、Ar、R、m、n及びAr’は前記に同じ。nが1の場合R3’’は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CRn(R3’’)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物である項14に記載の製造方法。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3a):
Ar−CFn(R3)3−n (3a)
(式中、Ar、R3及びnは前記に同じ。)
で表される化合物である項14に記載の製造方法。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3e):
Ar−CF2−(CF2)p−Ar’ (3e)
(式中、Ar、Ar’及びpは前記に同じ。)
で表される化合物である項16に記載の製造方法。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3f):
Ar−CF2−Ar’ (3f)
又は
Ar−CF2−CF2−Ar’ (3g)
(式中、Ar及びAr’は前記に同じ。)
で表される化合物である項17に記載の製造方法。
前記Ar及びAr’が同一又は異なって、下記式:
で表される基である項14〜18のいずれかに記載の製造方法。
芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に結合したフッ素原子を、一般式(5):
R3Al (5)
(式中、Rは同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアルキニル基を示す。)
で表される有機アルミニウム化合物を用いて、R基で置換する方法。
一般式(5a):
R4 3Al (5a)
(式中、R4は同一又は異なって、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいアルキニル基を示す。)
で表されるアルミニウム化合物の製造方法であって、一般式(7):
R4−Y3 (7)
(式中、Y3はハロゲン原子を示し、R4は前記に同じ。)
で表される化合物にアルキルリチウム試薬を反応させて、該ハロゲン原子(Y3)をリチオ化し、これに一般式(8):
Y4 3Al (8)
(式中、Y4はハロゲン原子を示す。)
で表されるハロゲン化アルミニウムを反応させることを特徴とする製造方法。
I.第1の実施態様
本発明は、芳香環又はヘテロ芳香環に直結するsp3混成炭素原子上に1〜3個のフッ素原子を有する化合物に、アルミニウム化合物、及び有機基を含む有機金属化合物を反応させて、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に1〜3個の該有機基を有する化合物を製造する方法である。換言すれば、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に結合した1〜3個のフッ素原子を、アルミニウム化合物、及び有機基を含む有機金属化合物を用いて、1〜3個の有機基に置換する方法である。
前記アルミニウム化合物としては、例えば、一般式(1):
R1 3Al (1)
(式中、R1は同一又は異なって、アルキル基又はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物が挙げられる。
AlX3、AlR10X2、Al(R10)2X、又はAl(R10)3 (1a)
(式中、R10は同一又は異なってC1〜8アルキル基、Xは同一又は異なってF、Cl又はBrを示す。)
で表される化合物が挙げられる。
前記有機基を含む有機金属化合物としては、種々の金属−炭素結合を有する化合物が挙げられるが、例えば、一般式(2):
R2−M (2)
(式中、R2は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアルキニル基を示し、Mはリチウム、ホウ素、マグネシウム、亜鉛、及び銅からなる群より選ばれる金属を示す。)
で表される結合を有する化合物が挙げられる。
R20−Li (2a)
(式中、R20はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を示す。)
で表される化合物が挙げられる。R20で示されるアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、又はアルキニル基は、上記R2に記載されたものが挙げられる。特に、R20がC1〜C12アルキル基、フェニル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基が好ましい。
(R20)3B (2b)
(式中、R20は同一又は異なって前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。
R20−MgY1 (2c)
(式中、Y1はハロゲン原子を示し、R20は前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。Y1で示されるハロゲン原子としては、Cl、Br又はIが挙げられ、好ましくはCl又はBrである。
(R20)2Zn (2d)
(式中、R20は同一又は異なって前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。
(R20)2CuLi、(R20)2CuMgY2、(R20)2CuMgLiY2、又はR20Cu・BF3 (2e)
(式中、Y2はハロゲン原子を示し、R20は同一又は異なって前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結するsp3混成炭素原子上にフッ素原子(1〜3個のフッ素原子)を有する化合物としては、分子内に該フッ素化されたsp3混成炭素原子を部分構造に有するものであれば特に限定はなく、該部分構造を分子内に1又は2以上有する化合物も包含する。
Ar−[CFn(R3)3−n]m (3)
(式中、Arは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、R3は、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−(CF2)p−Ar’(pは0以上の整数、Ar’は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。)で示される基を示す。nが1の場合R3は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CFn(R3)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物が挙げられる。
Ar−CFn(R3)3−n (3a)
(式中、Ar、R3及びnは前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。具体的には、一般式(3b)〜(3d):
Ar−CF3 (3b)
Ar−CF2−R3 (3c)
Ar−CF(R3)2 (3d)
(式中、Ar及びR3は前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。
Ar−CF2−(CF2)p−Ar’ (3e)
(式中、Ar、Ar’及びpは前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。具体的には、一般式(3f)及び(3g):
Ar−CF2−Ar’ (3f)
Ar−CF2−CF2−Ar’ (3g)
(式中、Ar及びAr’は前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。
Zで示される上記置換基は、上記したArで示される「置換されていてもよい芳香環」の該芳香環上の置換基、又はAr’で示される「置換されていてもよいアリール基」の該アリール基上の置換基が挙げられる。aは0〜3の整数であり、好ましくは0、1又は2である。
前記一般式(3)で表される化合物のうち、他の好ましいものとしてm=2である、一般式(3h):
(R3)3−nCFn−Ar−CFn(R3)3−n (3h)
(式中、Ar、R3及びnは前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。具体的には、一般式(3i)〜(3k):
CF3−Ar−CF3 (3i)
R3−CF2−Ar−CF2−R3 (3j)
(R3)2CF−Ar−CF(R3)2 (3k)
(式中、Ar、Ar’及びR3は前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。
なお、上記一般式(3)で表される化合物は、市販されているか或いは公知の方法に準じて当業者が容易に製造することができる。例えば、一般式(3e)で表される化合物は、J.Am.Chem.Soc.,(1960), 82, 543、J.Am.Chem.Soc.,(1960), 82, 543、J.Org.Chem., (2000),65,4830、J.Org.Chem., (1991),56,4695、Synlett, (1991), 909等に準じて製造することができる。また、一般式(3a)で表される化合物は、J.Fluorine Chem., (1994),69,225、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.,(1998),921、Bull.Chem.Soc.Jpn.,(1992),65,2141、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.,(1994),1339、J.Org.Chem., (1999),64,7048、Synlett, (1991), 909、J.Am.Chem.Soc.,(1960), 82, 543等に準じて製造することができる。
本発明の製造方法では、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上のフッ素原子を有する化合物(以下、原料フッ素化合物とも言う。例えば、一般式(3)で表される化合物)に、アルミニウム化合物(例えば、一般式(1)で表される化合物)、及び有機基を含む有機金属化合物(例えば、一般式(2)で表される結合を有する化合物)を、適切な溶媒中で反応させて行う。
Ar−[CR2 n(R3’)3−n]m (4)
(式中、R3’は同一又は異なって、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−Ar’で示される基、又は式:−(CF2)q−1−CR2 2−Ar’(qは1以上の整数)で示される基を示し、Ar、R2、m、n及びAr’は前記に同じ。nが1の場合R3’は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CR2 n(R3’)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物が製造される。
Ar−[CR2 n―1(R1又はH)(R3’)3−n]m (4a)
(式中、nは2又は3の整数を示し、Ar、R1、R2、R3’及mは前記に同じ。)
で表される化合物が製造される。
Ar−[CR2 3]m (4b)
(式中、Ar、R2及びmは前記に同じ。)
で表される化合物が得られる場合もある。
II.第2の実施態様
本発明は、芳香環又はヘテロ芳香環に直結するsp3混成炭素原子上に1〜3個のフッ素原子を有する化合物に、有機アルミニウム化合物を反応させて、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に1〜3個の該有機基を有する化合物を製造する方法である。換言すれば、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に結合した1〜3個のフッ素原子を、有機アルミニウム化合物を用いて、1〜3個の有機基に置換する方法である。
前記有機アルミニウム化合物としては、一般式(5):
R3Al (5)
(式中、Rは同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアルキニル基を示す。)
で表される化合物が挙げられる。
R4 3Al (5a)
(式中、R4は同一又は異なって、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいアルキニル基を示す。)
で表されるアルミニウム化合物は、炭化水素系溶媒(例えばヘキサン等)あるいは芳香族系溶媒(例えばベンゼン、トルエン等)などの非極性溶媒中、低温下(-100℃〜室温程度、特に-100℃〜0℃)、一般式(7):
R4−Y3 (7)
(式中、Y3はハロゲン原子を示し、R4は前記に同じ。)
で表される化合物にアルキルリチウム試薬:R’Li(例えば、nBuLi、t−BuLi等)を反応させて、該ハロゲン原子(Y3)をリチオ化(R4−Li)し、これに一般式(8):
Y4 3Al (8)
(式中、Y4はハロゲン原子を示す。)
で表されるハロゲン化アルミニウムを反応させて製造することができる。
前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結するsp3混成炭素原子上に1〜3個のフッ素原子を有する化合物としては、上記「I.第1の実施態様」で示した化合物が挙げられる。つまり、一般式(3):
Ar−[CFn(R3)3−n]m (3)
(式中、Arは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、R3は、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−(CF2)p−Ar’(pは0以上の整数、Ar’は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。)で示される基を示す。nが1の場合R3は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CFn(R3)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物が挙げられる。
本発明の製造方法では、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上のフッ素原子を有する化合物(以下、原料フッ素化合物とも言う。例えば、一般式(3)で表される化合物)に、有機アルミニウム化合物(例えば、一般式(5)で表される化合物)を、適切な溶媒中で反応させて行う。
Ar−[CRn(R3’’)3−n]m (6)
(式中、R3’’は同一又は異なって、H、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−Ar’で示される基、又は式:−(CF2)q−1−CR2−Ar’(qは1以上の整数)で示される基を示し、Ar、m、n及びAr’は前記に同じ。nが1の場合R3’’は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CRn(R3’’)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物が製造される。
Ar−[CRn―1(R’又はH)(R3’’)3−n]m (6a)
(式中、nは2又は3を示し、Ar、R、R’、R3’’及びmは前記に同じ。)
で表される化合物が製造される。
Ar−[CR3]m (6b)
(式中、Ar、R及びmは前記に同じ。)
で表される化合物が得られる場合もある。
I.第1の実施態様
実施例I−1
不活性ガス(窒素)雰囲気下に、1,2-ジクロロエタン(1mL)中にフェニルリチウム1mmolを加え、さらにトリメチルアルミニウム1mmolを加えた。この溶液に、室温で4−イソブチル−ジフルオロメチルベンゼン0.2mmolを加えた。この反応溶液を室温で1時間撹拌した後、希塩酸でクエンチし、GLC(デカンを内部標準として使用、以下同じ)とGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てフェニル基で置換された生成物(4−ジフェニルメチルイソブチルベンゼン、6%収率)とメチル基1つとフェニル基1つで置換された生成物(4−フェニルメチルイソブチルベンゼン、45%収率)が得られた。
4−フェニルメチルイソブチルベンゼン:
MS m/z 248(M+), 233 (M-CH3), 205 (M-C3H7), 191 (M-C4H9), 171 (M-C6H5).
4−ジフェニルメチルイソブチルベンゼン:
1H-NMR(CDCl3):δ0.89 (d, J=6.9Hz, 6H), 1.84 (q-t, J=6.9, 7.2Hz, 1H), 2.43 (d, J=7.2Hz, 2H), 5.52 (s, 1H), 6.98 - 7.10 (m, 4H), 7.10 - 7.15 (m, 4H), 7.15 - 7.30 (m, 6H).
13C-NMR(CDCl3):δ 22.41, 30.19, 45.01, 56.47, 126.19, 128.24, 129.01, 129.09, 129.43, 139.63, 141.04, 144.16.
MS m/z 300(M+), 257 (M-C3H7), 243 (M-C4H9), 223 (M-C6H5).
実施例I−2
4−イソブチル−ジフルオロメチルベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中に、トリメチルアルミニウム1mmolとブチルリチウム1mmolから調整した試薬を加えたしたこと以外は、実施例I−1と同様にして実施した。原料のC-F結合が全てブチル基で置換された生成物(5-(4-イソブチルフェニル)-ノナン、9%収率)とメチル基1つとブチル基1つで置換された生成物(2-(4-イソブチルフェニル)-ヘキサン、36%収率)が得られた。
5-(4-イソブチルフェニル)-ノナン:
MS m/z 260 (M+), 245 (M- CH3), 217 (M-C3H7), 203 (M-C4H9).
2-(4-イソブチルフェニル)-ヘキサン:
MS m/z 300(M+), 257 (M-CH3), 243 (M-C3H7), 223 (M-C4H9).
実施例I−3
4−イソブチル−ジフルオロメチルベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中に、トリメチルアルミニウム0.4mmolとフェニルリチウム1mmolから調整した試薬を加えたこと以外は、実施例I−1と同様にして実施した。4−ジフェニルメチルイソブチルベンゼン(15%収率)と4−フェニルメチルイソブチルベンゼン(25%収率)が得られた。
ジフルオロジフェニルメタン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中に、トリメチルアルミニウム0.4mmolとフェニルリチウム1mmolから調整した試薬を加えたこと以外は、実施例I−1と同様にして実施した。原料のC-F結合が全てフェニル基で置換された生成物(テトラフェニルメタン、25%収率)とメチル基1つとフェニル基1つで置換された生成物(2,2,2-トリフェニルエタン、20%収率)が得られた。
テトラフェニルメタン:
MS m/z 320 (M+), 243 (M-C6H5), 165 (M-H-C6H5-C6H5).
2,2,2-トリフェニルエタン:
MS m/z 258 (M+), 243 (M-CH3), 181 (M-C6H5).
実施例I−5
4−イソブチル−ジフルオロメチルベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にジエチル亜鉛1mmolを加え、さらにこれにトリメチルアルミニウム1mmolを加えた。反応液を室温で1時間撹拌した後、希塩酸でクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てエチル基で置換された生成物((4-イソブチルフェニル)-3-ペンタン、44%収率)、メチル基1つとエチル基1つで置換された生成物((4-イソブチルフェニル)-2-ブタン、36%収率)、およびエチル基が1つと水素1つで置換された生成物((4-イソブチルフェニル)プロパン、6%収率)得られた。
(4-イソブチルフェニル)-3-ペンタン:
MS m/z 204 (M+), 175 (M-C2H5), 161 (M-C3H7), 147 (M-C2H5-C2H5).
(4-イソブチルフェニル)-2-ブタン:
MS m/z 190 (M+), 161 (M-C2H5), 147 (M-C3H7).
(4-イソブチルフェニル)プロパン:
MS m/z 176 (M+), 147 (M-C2H5), 133 (M-C3H7).
実施例I−6
4−メチルベンゾトリフルオリド0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリエチルホウ素1mmolを加え、さらにこれにトリメチルアルミニウム1mmolを加えた。反応液を室温で1時間撹拌した後、希塩酸でクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てエチル基で置換された生成物(3-トリル-3-エチル-3-ペンタン、14%収率)とメチル基1つとエチル基1つで置換された生成物(3-トリル-3-メチル-3-ペンタン、49%収率)が得られた。
3-トリル-3-エチル-3-ペンタン:
MS m/z 190 (M+), 175 (M-CH3), 161 (M-C2H5).
3-トリル-3-メチル-3-ペンタン:
MS m/z 176 (M+), 151 (M- CH3), 137 (M-C2H5).
II.第2の実施態様
実施例II−1
不活性ガス(窒素)雰囲気下に、ベンゾトリフルオリド0.2mmolの1,1,2,2-テトラクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム1mmolを加え、室温で150時間撹拌した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換されたt−ブチルベンゼンが得られた(転化率93%、収率67%)。
1H-NMR(CDCl3):δ1.33 (s, 9H), 7.10 - 7.25 (m, 1H), 7.25 - 7.35 (m, 2H), 7.36 - 7.45 (m, 2H).
13C-NMR(CDCl3):δ 31.34, 34.57, 125.24, 125.40, 128.04.
実施例II−2
ベンゾトリフルオリド0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム1mmolを加え、室温で150時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。目的物のt−ブチルベンゼンが転化率100%、収率87%で得られた。
ベンゾトリフルオリド0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム1mmolを加え、50℃で19時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。目的物のt−ブチルベンゼンが転化率100%、収率87%で得られた。
ベンゾトリフルオリド0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリエチルアルミニウム1mmolを加え、50℃で24時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てエチル基で置換されたα,α-ジエチルプロピルベンゼン(収率33%)と、エチル基が2つ導入された生成物((1-エチルプロピル)ベンゼン、22%収率)が得られた。
α,α-ジエチルプロピルベンゼン:
MS m/z 176(M+), 161(M-CH3), 147(M-C2H5), 77 (-C6H5).
(1-エチルプロピル)ベンゼン:
1H-NMR(CDCl3):δ0.77 (t, J=7.5Hz, 6H), 1.61 (t-d, J=7.5, 5.6Hz, 4H), 2.29 (q, J=5.6Hz, 1H), 6.98 - 7.42 (m, 5H).
MS m/z 148(M+), 133 (M-CH3), 119 (M-C2H5), 91 (C6H5-CH2-), 77 (-C6H5).
実施例II−5
3−トリフルオロメチルフェノール0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメルアルミニウム2mmolを加え、50℃で50時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された生成物(3-(t-ブチル)フェノール、44%収率)が得られた。
3-(t-ブチル)フェノール:
1H-NMR(CDCl3):δ1.28(s, 9H), 5.23 (s, 1H), 6.60 - 7.14 (m, 4H).
MS m/z 150(M+), 135 (M-CH3).
実施例II−6
3−トリフルオロメチルフェニルアセテート0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム2mmolを加え、50℃で50時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された生成物(3-(t-ブチル)フェニルアセテート、49%収率)が得られた。
3-(t-ブチル)フェニルアセテート:
1H-NMR(CDCl3):δ1.30(s, 9H), 2.27 (s, 3H), 5.23 (s, 1H), 6.80 - 7.50 (m, 4H).
MS m/z 192(M+), 150 (M-COCH3), 135 (M-COCH3-CH3).
実施例II−7
3−ビニルトリフルオロメチルベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム1mmolを加え、50℃で24時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された生成物(3-(t-ブチル)スチレン、16%収率)が得られた。
3-(t-ブチル)スチレン:
IR neat 2964, 1630 cm-1.
MS m/z 160 (M+), 145 (M-CH3), 117 (M-CH3-C2H3-H).
実施例II−8
2−フルオロトリフルオロメチルベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム0.8 mmolを加え、50℃で48時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のトリフルオロメチル基のC-F結合が全てメチル基で置換された生成物(2-フルオロ-t-ブチルベンゼン、66%収率)が得られた。
2-フルオロ-t-ブチルベンゼン:
MS m/z 152 (M+), 137 (M-CH3), 133 (M-F).
実施例II−9
4−クロロトリフルオロメチルベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム0.8 mmolを加え、50℃で48時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された生成物(4-クロロ-t-ブチルベンゼン、53%収率)が得られた。
4-クロロ-t-ブチルベンゼン:
1H-NMR(CDCl3):δ1.30 (s, 9H), 7.25 (d, J=8.6Hz, 2H), 7.31 (d, J=8.6Hz, 2H).
13C-NMR(CDCl3):δ 31.27, 34.45, 126.75, 128.05, 131.10, 149.58.
実施例II−10
4−ブロモトリフルオロメチルベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム0.8 mmolを加え、50℃で48時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された生成物(4-ブロモ-t-ブチルベンゼン、88%収率)が得られた。
4-ブロモ-t-ブチルベンゼン:
1H-NMR(CDCl3):δ1.28 (s, 9H), 7.25 (d, J=8.6Hz, 2H), 7.40 (d, J=8.6Hz, 2H).
13C-NMR(CDCl3):δ 31.20, 34.51, 119.19, 127.19, 131.02, 150.11.
実施例II−11
4−ヨードトリフルオロメチルベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム0.8 mmolを加え、50℃で48時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された生成物(4-ヨード-t-ブチルベンゼン、83%収率)が得られた。
4-ヨード-t-ブチルベンゼン:
1H-NMR(CDCl3):δ1.30 (s, 9H), 7.14 (d, J=8.6Hz, 2H), 7.61 (d, J=8.6Hz, 2H).
13C-NMR(CDCl3):δ 31.13, 34.56, 90.61, 127.56, 137.03, 150.82.
実施例II−12
1,4−ビス(クロロジフルオロメチル)ベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム1.6 mmolを加え、80℃で15分間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合およびC-Cl結合が全てメチル基で置換された生成物(1,4−ビス(t-ブチル)ベンゼン、33%収率)が得られた。
1,4−ビス(t-ブチル)ベンゼン:
1H-NMR(CDCl3):δ1.31 (s, 18H), 7.32 (s, 4H).
MS m/z 190 (M+), 175(M-CH3), 160(M-CH3-CH3), 145(M-CH3-CH3-CH3), 57 (C4H9).
実施例II−13
1,4−ビス(ジフルオロメチル)ベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム1.6 mmolを加え、室温で24時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された生成物(1,4−ビス(i-プロピル)ベンゼン、転化率76%、収率52%)が得られた。
1,4−ビス(i-プロピル)ベンゼン:
1H-NMR(CDCl3):δ1.31 (s, 18H), 7.32 (s, 4H).
MS m/z 162(M+), 147(M-CH3), 132(M-CH3-CH3), 119(M-C3H7).
実施例II−14
1,4−ビス(ジフルオロメチル)ベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム2.4 mmolを加え、室温で30分間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された生成物(転化率100%、収率93%)が得られた。
1,4−ビス(ジフルオロメチル)ベンゼン0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリエチルアルミニウム1 mmolを加え、室温で30分間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCとGC-MSで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てエチル基で置換された生成物(転化率100%、収率61%)が得られた。
4−ノナフルオロブチルアニソール0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリメチルアルミニウム0.8 mmolを加え、室温で24時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。原料のノナフルオロブチル基のベンジル位のC-F結合だけがメチル基で置換された生成物(2-(4-メトキシフェニル)-2-ヘプタフルオロプロピルプロパン、93%収率)が得られた。
2-(4-メトキシフェニル)-2-ヘプタフルオロプロピルプロパン:
1H-NMR(CDCl3):δ1.61 (t, J=1.2Hz, 6H), 3.81 (s, 3H), 6.88 (d, J=8.0Hz, 2H), 7.40 (d, J=8.0Hz, 2H).
MS m/z 318(M+), 303(M-CH3), 299(M-F), 169(C3F7), 149(M-C3F7).
実施例II−17
4−メチルベンゾトリフルオリド0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にトリオクチルアルミニウム0.8 mmolを加え、50℃で48時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。原料のC-F結合が全てオクチル基で置換された生成物(9-トリル-9-オクチル-9-ヘプタデカン、35%収率)とオクチル基が2つと水素1つで置換された生成物(9-トリル-9-ヘプタデカン、36%収率)が得られた。
9-トリル-9-オクチル-9-ヘプタデカン:
MS m/z 442 (M+), 427 (M-CH3), 413 (M-C2H5), 91 (C7H7).
9-トリル-9-ヘプタデカン:
MS m/z 330 (M+), 315 (M-CH3), 301 (M-C2H5), 91 (C7H7).
実施例II−18
4−メチルベンゾトリフルオリド0.2mmolの1,2-ジクロロエタン1mL中にジエチル−1−オクチニルアルミニウム0.8 mmolを加え、50℃で48時間撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。原料のC-F結合が全てエチル基で置換された生成物(29%収率)と1−オクチニル基1つ、エチル基1つ、水素1つで置換された生成物(5%収率)が得られた。
トリフェニルアルミニウムヘキサン溶液の調整と4-イソブチルジフルオロメチルベンゼンの脱フッ素フェニル化反応
窒素雰囲気下で二径フラスコ中に入れたn-BuLi(1Mヘキサン溶液)3mL(3mmol)中に、−78℃でヨードベンゼン(612mg, 3mmol)を滴下した。この溶液を、室温で1時間攪拌した。ここで得られたフェニルリチウム溶液を−78℃に冷却し、窒素気流下で臭化アルミニウム267mg(1mmol)を加えて攪拌した。さらにこの溶液に塩化メチレン3mLを加え−78℃で24時間攪拌した。
トリフェニルアルミニウムヘキサン溶液の調整と4-イソブチルジフルオロメチルベンゼンの脱フッ素フェニル化反応
実施例II−19と同様にして、n-BuLi(1Mヘキサン溶液)3mL(3mmol)とヨードベンゼン(612mg, 3mmol)から得られたフェニルリチウム溶液を−78℃に冷却し、窒素気流下で塩化アルミニウム133mg(1mmol)を加えて攪拌した。さらにこの溶液に塩化メチレン3mLを加え−78℃で24時間攪拌した。
4-メトキシベンゾトリフロリドの脱フッ素フェニル化反応
実施例II−19と同様にして、調整したトリフェニルアルミニウムのヘキサン溶液(2mmol)に、攪拌下に室温で、4-メトキシベンゾトリフロリド(35mg、0.2mmol)を加えた。この反応液を50℃で1時間攪拌後に同様にクエンチした。反応液のGLC分析から、4−メトキシフェニルジフェニルメタンが23%収率、4−メトキシフェニルトリフェニルメタンが1%収率で得られたことが判った。なお、ここで得られた生成物の構造は、GC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。
4−メトキシフェニルジフェニルメタン:
MS m/z 274 (M+), 273 (M-H), 197 (M-C6H5).
4−メトキシフェニルトリフェニルメタン:
MS m/z 350 (M+), 273 (M-C6H5).
実施例II−22
4-メチルベンゾトリフロリドの脱フッ素フェニル化反応
実施例II−19と同様にして、調整したトリフェニルアルミニウムのヘキサン溶液(1mmol)に、攪拌下に室温で、4-メチルベンゾトリフロリド(32mg、0.2mmol)を加えた。この反応液を室温下で1時間攪拌後に同様にクエンチした。反応液のGLC分析から、4−メチルフェニルジフェニルメタンが18%収率、4−メチルフェニルトリフェニルメタンが2%収率で得られたことが判った。なお、ここで得られた生成物の構造は、GC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。
4−メチルフェニルジフェニルメタン:
MS m/z 258 (M+), 257 (M-H), 181 (M-C6H5).
4−メチルフェニルトリフェニルメタン:
MS m/z 334 (M+), 257 (M-C6H5).
実施例II−23
トリブチルアルミニウムの調整と4-メトキシベンゾトリフロリドの脱フッ素ブチル化反応
実施例II−19と同様の方法で、臭化アルミニウムとn-ブチルリチウムからトリブチルアルミニウムのヘキサン溶液(1mmol)を調整した。この溶液に、攪拌下に室温で、4-メトキシベンゾトリフロリド(35mg、0.2mmol)を加えた。この反応液を室温下で1時間攪拌後に同様にクエンチした。反応液のGLC分析から、4−メトキシフェニルペンタンが8%収率、5-(4−メトキシフェニル)ノナンが55%収率、5-ブチル-5-(4−メトキシフェニル)ノナンが10%収率で得られたことが判った。なおここで得られた生成物の構造は、GC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。
4−メトキシフェニルペンタン:
MS m/z 178 (M+), 163 (M-CH3), 107 (C7H7O).
5-(4−メトキシフェニル)ノナン:
MS m/z 248 (M+), 233 (M-CH3), 107 (C7H7O).
5-ブチル-5-(4−メトキシフェニル)ノナン:
MS m/z 318 (M+), 303 (M-CH3), 107 (C7H7O).
実施例II−24
トリス(フェニルエチニル)アルミニウムの調整と4-イソブチルジフルオロメチルベンゼンの脱フッ素フェニルエチニル化反応
実施例II−19と同様にして、エチニルベンゼン(3mmol)とn-ブチルリチウム(3mmol)から調整したフェニルエチニルリチウム溶液に、臭化アルミニウムを加えて室温で30分間攪拌して、トリス(フェニルエチニル)アルミニウム(1mmol)のヘキサン溶液を調整した。
MS m/z 248 (M+), 247 (M-H), 233 (M-CH3), 250 (M-C3H7), 191 (M-C4H9).
実施例II−25
2,2−ビフェニルアルミニウムの調整と9,9−ジフルオロフルオレンの脱フッ素ビフェニル化反応によるスピロビフルオレンの合成
2,2−ジヨードビフェニル(2mmol)とn-ブリルリチウム(6mmol)をヘキサン中で室温下に1時間攪拌して、2,2−ジリチオビフェニルを調整した。これに臭化アルミニウム(1.8mmol)を加えて、室温で30分間攪拌することで、2,2−ビフェニルアルミニウムのヘキサン溶液を調整した。
MS m/z 316 (M+).
1H-NMR(CDCl3):δ 6.72 (d, J=7.6Hz, 4H), 7.06-7.11 (m, 4H), 7.30 - 7.37 (m, 4H), 7.83 (d, J=7.6Hz, 4H).
13C-NMR(CDCl3):δ 65.92, 119.95, 124,01, 127.67, 127.78, 141.73, 148.74.
実施例II−26
2,2−ビフェニルアルミニウムとジフェニルジフルオロメタンの脱フッ素ビフェニル化反応
実施例II−25と同様にして調整した2,2−ビフェニルアルミニウム(0.4mmol)のヘキサン溶液に、ジフェニルジフルオロメタン(0.2mmol)を滴下して、室温で30分間攪拌した。後処理後、生成物のGLC分析から9,9-ジフェニルフルオレンが38%収率で得られていることが判った。なお、ここで得られた生成物の構造は、GC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。
1H-NMR(CDCl3):δ 7.10-7.60 (m, 16H), 7.76 (d, J=7.6Hz, 2H).
13C-NMR(CDCl3):δ 65.48, 120.13, 126.20, 126.60, 127.44, 127.69, 128.13, 128.18, 140.14, 145.93, 151.14.
実施例II−27
2,2−ビフェニルアルミニウムと4−メトキシベンゾトリフロリドの脱フッ素ビフェニル化反応
実施例II−25と同様にして調整した2,2−ビフェニルアルミニウム(2mmol)のヘキサン溶液に、4−メトキシベンゾトリフロリド(0.5mmol)を滴下して、室温で30分間攪拌した。後処理後、生成物のGLC分析から9−(4−メトキシフェニル)フルオレンが6%収率、9−(4−メトキシフェニル)−9−ブチルフルオレンが2%収率、9−(4−メトキシフェニル)−9−ビフェニルフルオレンが11%収率で得られていることが判った。なお、ここで得られた生成物の構造は、GC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。
MS m/z 272 (M+), 241 (M-OCH3), 165 (M-CH3OPh).
9−(4−メトキシフェニル)−9−ブチルフルオレン:
MS m/z 328 (M+), 271 (M-C4H9).
9−(4−メトキシフェニル)−9−(2−ビフェニル)フルオレン:
MS m/z 422 (M+), 271 (M-C8H9).
実施例II−28
ジフェニルジフルオロメタンの脱フッ素フェニル化反応
実施例II−19と同様にして調整したトリフェニルアルミニウム(0.8mmol)のヘキサン溶液に、ジフェニルジフルオロメタン(0.2mmol)のベンゼン溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。後処理後、生成物のGLC分析により、トリフェニルメタンが35%収率で、テトラフェニルメタンが12%収率で得られていることが判った。なお、ここで得られた生成物の構造は、標品とGLCにおける保持時間による比較、さらにはGC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。
MS m/z 244 (M+), 165 (M-2H-C6H5).
テトラフェニルメタン:
MS m/z 320 (M+), 243 (M-C6H5), 165 (M-H-C6H5-C6H5).
実施例II−29
4−ノナフルオロブチルアニソールの脱フッ素フェニル化反応
実施例II−19と同様にして調整したトリフェニルアルミニウム(0.8mmol)のヘキサン溶液に、4−ノナフルオロブチルアニソール(0.2mmol)を滴下し、室温で30分間攪拌した。後処理後、生成物のGLC分析により、(4−メトキシフェニル)ヘプタフルオロプロピルフェニルメタンが7%収率で、(4−メトキシフェニル)ヘプタフルオロプロピルブチルフェニルメタンが8%収率で得られていることが判った。なお、ここで得られた生成物の構造は、標品とGLCにおける保持時間による比較、さらにはGC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。ここで得られたブチル置換体は、トリフェニルアルミニウム調整時にブチルアルミニウムが副生したために生じたものと考えられる。
MS m/z 366 (M+), 351 (M-CH3), 347 (M-F), 289 (M-C6H5), 197 (M-C3F7), 169 (C3F7).
(4−メトキシフェニル)ヘプタフルオロプロピルブチルフェニルメタン:
MS m/z 422 (M+), 407 (M-CH3), 403 (M-F), 345 (M-C6H5), 253 (M-C3F7), 169 (C3F7).
実施例II−30
2−ノナフルオロブチルアニソールの脱フッ素フェニル化反応
実施例II−19と同様にして調整したトリフェニルアルミニウム(0.8mmol)のヘキサン溶液に、2−ノナフルオロブチルアニソール(0.2mmol)を滴下し、室温で3時間攪拌した。後処理後、生成物のGLC分析により、(2−メトキシフェニル)ヘプタフルオロプロピルブチルフェニルメタンが12%収率で得られていることが判った。なお、ここで得られた生成物の構造は、標品とGLCにおける保持時間による比較、さらにはGC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。ここで得られた生成物は、トリフェニルアルミニウム調整時にブチルアルミニウムが副生したためにフェニル基とブチル基両方が導入されて生じたものと考えられる。
MS m/z 422 (M+), 407 (M-CH3), 403 (M-F), 345 (M-C6H5), 253 (M-C3F7), 169 (C3F7).
実施例II−31
4−ノナフルオロブチルアニソールの脱フッ素フェニル化反応
実施例II−25と同様にして調整した2,2−ビフェニルアルミニウム(2mmol)のヘキサン溶液に、4−ノナフルオロブチルアニソール(0.2mmol)を滴下し、室温で30分間攪拌した。後処理後、生成物のGLC分析により、(4−メトキシフェニル)ヘプタフルオロプロピルブチル(2−ビフェニル)メタンが14%収率で得られていることが判った。なお、ここで得られた生成物の構造は、標品とGLCにおける保持時間による比較、さらにはGC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。
MS m/z 443 (M+), 428 (M-CH3), 424 (M-F), 274 (M-C3F7), 169 (C3F7).
実施例II−32
4-イソブチルジフルオロメチルベンゼンの脱フッ素フリル化反応
フラン(2.4mmol)とn-ブチルリチウム(2.4mmol)から調整したフリルリチウムのヘキサン溶液に、臭化アルミニウム(0.8mmol)を加えてトリフリルアルミニウムを調整した。
(4-イソブチルフェニル)ビス(2―フリル)メタン:
MS m/z 280 (M+), 265 (M-CH3), 237 (M-C3H7), 223 (M-C4H9), 213 (M-C4H3S).
実施例II−33
4-イソブチルジフルオロメチルベンゼンの脱フッ素チオフェン化反応
チオフェン(2.4mmol)とn-ブチルリチウム(2.4mmol)から調整したリチオチオフェンのヘキサン溶液に、臭化アルミニウム(0.8mmol)を加えてトリス(2−チオフェン)アルミニウムを調整した。これに4-イソブチルジフルオロメチルベンゼン(0.2mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。後処理後の生成物をGLCで分析したところ、(4-イソブチルフェニル)ビス(2―チオフェン)メタンが32%収率で得られていることが判った。なお、ここで得られた生成物の構造は、標品とGLCにおける保持時間による比較、さらにはGC-MSによる分析において分子イオンピークおよびフラグメントピークから決定した。
(4-イソブチルフェニル)ビス(2―チオフェン)メタン:
MS m/z 312 (M+), 297 (M-CH3), 269 (M-C3H7), 255 (M-C4H9), 229 (M-C4H3S).
実施例II−34
4−フルオロベンゾトリフルオリド0.2mmolのn-ヘキサン:1,1,2,2-テトラクロロエタン(1:1)混合溶液1mL中にトリメチルアルミニウム1mmolを加え、50℃で48時間撹拌した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された4−フルオロ−t−ブチルベンゼンが得られた(収率98%)。生成物の構造は、GC-MSにおける分子イオンピークおよびフラグメントピークにより決定した。
4−フルオロ−t−ブチルベンゼン:
MS m/z 152 (M+), 137 (M-CH3), 133 (M-F).
実施例II−35
2,4,6-トリメチルベンゾトリフルオリド0.2mmolのn-ヘキサン:1,1,2,2-テトラクロロエタン(1:1)混合溶液1mL中にトリメチルアルミニウム1mmolを加え、室温で30分間撹拌した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCで生成物を分析した。原料のC-F結合が全てメチル基で置換された2,4,6-トリメチル−t−ブチルベンゼン(収率3%)と2,4,6-トリメチル−2−プロペニルベンゼンが得られた(収率97%)。
生成物の構造は、GC-MSにおける分子イオンピークおよびフラグメントピークにより決定した。
2,4,6-トリメチル−t−ブチルベンゼン:
MS m/z 176 (M+), 161 (M-CH3), 119 (M-C4H9).
2,4,6-トリメチル−2−プロペニルベンゼン:
MS m/z 160 (M+), 145 (M-CH3).
実施例II−36
不活性ガス(窒素)雰囲気下に、2−トリデカフルオロヘキシルベンゾフラン0.2mmolのn-ヘキサン(3mL)溶液中にトリメチルアルミニウム1mmolを加え、室温で24時間撹拌した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCで生成物を分析した。フラン環のα位のC-F結合2つが全てメチル基で置換された2−(2−ウンデカフルオロペンチル−2−プロピル)ベンゾフランが得られた(収率65%)。生成物の構造はGC-MSの分析により決定した。
実施例II−37
不活性ガス(窒素)雰囲気下に、2−トリデカフルオロヘキシル−3−メチルチオフェン0.2mmolのn-ヘキサン(3mL)溶液中にトリメチルアルミニウム1mmolを加え、室温で24時間撹拌した。反応後、希塩酸で反応物をクエンチし、GLCで生成物を分析した。チオフェン環のα位のC-F結合2つが全てメチル基で置換された2−(2−ウンデカフルオロペンチル−2−プロピル)−3−メチルチオフェンンが得られた(収率58%)。生成物の構造はGC-MSの分析により決定した。
比較例1
1,4−ビス(ジフルオロメチル)ベンゼン0.2mmolのジクロロエタン1mL中にメチルマグネシウムブロミド1 mmolを加え、室温で撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。GLCで反応の進行を追跡したが、メチル化反応は進行せず、原料回収であった。
1,4−ビス(ジフルオロメチル)ベンゼン0.2mmolのジクロロエタン1mL中にジメチル亜鉛0.8mmolを加え、室温で撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。GLCで反応の進行を追跡したが、メチル化反応は進行せず、原料回収であった。
1,4−ビス(ジフルオロメチル)ベンゼン0.2mmolのジクロロエタン1mL中にジクロロマグネシウム1 mmolを加え、室温で撹拌したこと以外は、実施例II−1と同様にして実施した。GLCで反応の進行を追跡したが、塩素化反応は進行せず、原料回収であった。
Claims (21)
- 芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物に、アルミニウム化合物、及び有機基を含む有機金属化合物を反応させてフッ素原子を該有機基で置換して、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に該有機基を有する化合物を製造する方法。
- 前記アルミニウム化合物が、一般式(1):
R1 3Al (1)
(式中、R1は同一又は異なって、アルキル基又はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物である請求項1に記載の製造方法。 - 前記有機金属化合物が、一般式(2):
R2−M (2)
(式中、R2は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアルキニル基を示し、Mはリチウム、ホウ素、マグネシウム、亜鉛及び銅からなる群より選ばれる金属を示す。)
で表される結合を有する化合物である請求項1又は2に記載の製造方法。 - 前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3):
Ar−[CFn(R3)3−n]m (3)
(式中、Arは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、R3は、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−(CF2)p−Ar’(pは0以上の整数、Ar’は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。)で示される基を示す。nが1の場合R3は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CFn(R3)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物である請求項3に記載の製造方法。 - 得られる芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に有機基を有する化合物が、一般式(4):
Ar−[CR2 n(R3’)3−n]m (4)
(式中、R3’は同一又は異なって、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−Ar’で示される基、又は式:−(CF2)q−1−CR2 2−Ar’で示される基(qは1以上の整数)を示し、Ar、R2、m、n及びAr’は前記に同じ。nが1の場合R3’は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CR2 n(R3’)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物である請求項4に記載の製造方法。 - 前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3a):
Ar−CFn(R3)3−n (3a)
(式中、Ar、R3及びnは前記に同じ。)
で表される化合物である請求項4に記載の製造方法。 - 前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3e):
Ar−CF2−(CF2)p−Ar’ (3e)
(式中、Ar、Ar’及びpは前記に同じ。)
で表される化合物である請求項6に記載の製造方法。 - 前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3f):
Ar−CF2−Ar’ (3f)
又は
Ar−CF2−CF2−Ar’ (3g)
(式中、Ar及びAr’は前記に同じ。)
で表される化合物である請求項7に記載の製造方法。 - 前記アルミニウム化合物が、一般式(1a):
AlX3、AlR10X2、Al(R10)2X、又はAl(R10)3 (1a)
(式中、R10は同一又は異なってC1〜5アルキル基、Xは同一又は異なってF、Cl又はBrを示す。)
で表される化合物である請求項1又は2に記載の製造方法。 - 前記有機金属化合物が、一般式(2a)〜(2d):
R20−Li (2a)
(R20)3B (2b)
R20−MgY1 (2c)
又は
(R20)2Zn (2d)
(式中、R20はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を示し、Y1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物である請求項3に記載の製造方法。 - 芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に結合したフッ素原子を、アルミニウム化合物、及び有機基を含む有機金属化合物を用いて該有機基で置換する方法。
- 芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に結合したフッ素原子を有する化合物に、一般式(5):
R3Al (5)
(式中、Rは同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアルキニル基を示す。)
で表される有機アルミニウム化合物を反応させて、芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にR基を有する化合物を製造する方法。 - 前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3):
Ar−[CFn(R3)3−n]m (3)
(式中、Arは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、R3は、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−(CF2)p−Ar’(pは0以上の整数、Ar’は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。)で示される基を示す。nが1の場合R3は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CFn(R3)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物である請求項13に記載の製造方法。 - 得られる芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に有機基を有する化合物が、一般式(6):
Ar−[CRn(R3’’)3−n]m (6)
(式中、R3’’は同一又は異なって、H、F以外のハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、式:−Ar’で示される基、又は式:−(CF2)q−1−CR2−Ar’で示される基(qは1以上の整数)を示し、Ar、R、m、n及びAr’は前記に同じ。nが1の場合R3’’は同一又は異なっていてもよい。mが2〜4の整数の場合は、基:−CRn(R3’’)3−nはそれぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物である請求項14に記載の製造方法。 - 前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3a):
Ar−CFn(R3)3−n (3a)
(式中、Ar、R3及びnは前記に同じ。)
で表される化合物である請求項14に記載の製造方法。 - 前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3e):
Ar−CF2−(CF2)p−Ar’ (3e)
(式中、Ar、Ar’及びpは前記に同じ。)
で表される化合物である請求項16に記載の製造方法。 - 前記芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上にフッ素原子を有する化合物が、一般式(3f):
Ar−CF2−Ar’ (3f)
又は
Ar−CF2−CF2−Ar’ (3g)
(式中、Ar及びAr’は前記に同じ。)
で表される化合物である請求項17に記載の製造方法。 - 芳香環又はヘテロ芳香環に直結したsp3混成炭素原子上に結合したフッ素原子を、一般式(5):
R3Al (5)
(式中、Rは同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアルキニル基を示す。)
で表される有機アルミニウム化合物を用いて、R基で置換する方法。 - 一般式(5a):
R4 3Al (5a)
(式中、R4は同一又は異なって、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいアルキニル基を示す。)
で表されるアルミニウム化合物の製造方法であって、一般式(7):
R4−Y3 (7)
(式中、Y3はハロゲン原子を示し、R4は前記に同じ。)
で表される化合物にアルキルリチウム試薬を反応させて、該ハロゲン原子(Y3)をリチオ化し、これに一般式(8):
Y4 3Al (8)
(式中、Y4はハロゲン原子を示す。)
で表されるハロゲン化アルミニウムを反応させることを特徴とする製造方法。
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