JP2009241736A - 後輪独立操舵装置 - Google Patents
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【解決手段】後輪独立操舵装置10は、アクチュエータ15のハウジング30内に備えたモータ38を回転させ、モータ38の回転を送りねじ機構43に伝え、送りねじ機構43の雄ねじ部材107の回転で雌ねじ部材108を軸方向に送り出してアクチュエータ15を伸縮させることで、後輪18の舵角を制御するものである。この後輪独立操舵装置10は、雌ねじ部材108の一端部108aに、雄ねじ部材107に荷重を作用させる樹脂部材131が設けられている。
【選択図】図5
Description
モータの駆動で送りねじ機構の雌ねじ部材を送り出すことでアクチュエータが伸縮し、後輪のトー角を制御することができる。
後輪のトー角を制御することで、サスペンションのバンプ、リバウンドに伴うキャンバ角やトレッドの変化を抑えて操縦安定性能を高めることが可能であるとされている。
雄ねじ部材を雌ねじ部材に対して円滑に移動可能とするために、雄ねじ部材と雌ねじ部材との噛合部にバックラッシュ(雄ねじ部材および雌ねじ部材の各歯面間の遊び(隙間))が形成されている。
すなわち、送りねじ機構がバックラッシュによりずれる虞がある。
送りねじ機構がバックラッシュによりずれた場合、雌ねじ部材の移動に連動して後輪がずれることが考えられる。
よって、雌ねじ部材および雄ねじ部材間の移動を樹脂部材で防ぐことができる。
これにより、例えば、後輪に外力などが作用した場合に、作用した外力で送りねじ機構がずれることを防ぐことができるという利点がある。
これにより、雄ねじ部材を雌ねじ部材に対して円滑に移動することができるという利点がある。
よって、バックラッシュに潤滑油が供給され、樹脂部材を設けていない雄ねじ部材および雌ねじ部材間を良好に潤滑することができる。
よって、樹脂材で形成した樹脂部材は、無潤滑状態でも雄ねじ部材に対して良好な滑りを得ることができる。
後輪独立操舵装置10は、車体11に上下動可能に連結されたアッパアーム12およびロアアーム13と、アッパアーム12およびロアアーム13に操舵自在に連結されたナックル14と、ナックル14を操舵するアクチュエータ15と、ナックル14の上下動を緩衝する懸架ばね付きダンパー16とを備えた四輪操舵車両用のダブルウイッシュボーン式のリヤサスペンションである。
ナックル14に後輪18が回転自在に支持されている。
ロアアーム13は、基端部がゴムブッシュジョイント22…で車体11に上下動可能に連結されている。
アッパアーム12の先端部およびロアアーム13の先端部にボールジョイント23,24を介してナックル14の上部および下部が連結されている。
懸架ばね付きダンパー16は、上端部16aが車体11(具体的には、サスペンションタワーの上壁19)に設けられ、下端部16bがゴムブッシュジョイント28を介してナックル14の上部に連結されている。
一方、アクチュエータ15を収縮することで、ナックル14の後部が車幅方向内側に引っ張られて後輪18のトー角をトーアウト方向に制御させることができる。
すなわち、アクチュエータ15は、トー角をコントロールするトーコントロールアクチュエータである。
後輪18のトー角は、例えば、車速やステアリングホイールの操舵角に応じて制御される。
以下、図3〜図5に基づいてアクチュエータ15を詳しく説明する。
アクチュエータ15は、車体11(図2参照)側に連結されるゴムブッシュジョイント26が設けられた第1ハウジング31と、第1ハウジング31にボルト32…で一体に設けられた第2ハウジング33と、第2ハウジング33にスライド自在に支持された出力ロッド34とを備えている。
出力ロッド34は、ナックル14側に連結されるゴムブッシュジョイント27が設けられている。
第1ハウジング31は、内部にモータ38が収納されている。
第2ハウジング33は、内部に、モータ38に連結された減速機41と、減速機41に連結されたカップリング42と、カップリング42に連結された送りねじ機構43とが収納されている。
ヨーク45およびベアリングホルダ47を締結するボルト46…を、第1ハウジング31にねじ結合することでモータ38は第1ハウジング31に取り付けられている。
ロータ49の回転軸51は、一端部がヨーク45の底部にボールベアリング52を介して回転自在に支持され、他端部がベアリングホルダ47にボールベアリング53を介して回転自在に支持されている。
ベアリングホルダ47は、内面に、回転軸51のコミュテータ54に摺接するブラシ55が支持されている。
ブラシ55から延びた導線56が、グロメット57を介して外部に引き出されている。
第1、第2の遊星歯車減速機構61,62を直列に連結することで、モータ38の回転を減速機41で大きく減速させてカップリング42に伝えることができる。
カップリング42に伝えられた回転は、送りねじ機構43の入力フランジ81に伝えられる。
第2ハウジング33の軸方向中間部の内周面に第1スライドベアリング104が設けられ、第2ハウジング33の軸方向端部にエンド部材105がねじ結合されている。
エンド部材105の内周面に第2スライドベアリング106が設けられている。
第1、第2のスライドベアリング104,106に出力ロッド34が摺動自在に支持されている。
送りねじ機構43は、入力フランジ81(図3参照)に同軸上に設けられた雄ねじ部材107と、雄ねじ部材107の外周にねじ結合された雌ねじ部材108とを備えている。
雄ねじ部材107は、一端側(右側)が入力フランジ81の中心を貫通してナット112(図3参照)で締結されている。
雌ねじ部材108は、中空の出力ロッド34の内周面に嵌合され、他端側(左側)の外周が出力ロッド34の内周にねじ結合部114でねじ結合されている。
よって、雌ねじ部材108と一体に出力ロッド34を軸線111方向に移動させることができる。
位置検出手段120は、出力ロッド34の外周にボルト121で固定された被検出部122と、被検出部122の位置を磁気的に検出する検出部123とを備えている。
被検出部122は、一例として、永久磁石が用いられている。
検出部123は、一例として、コイル等が用いられている。
第2ハウジング33には開口部33bが形成されている。開口部33bを形成することで、出力ロッド34の移動に伴って被検出部122が移動した際に、被検出部122が第2ハウジング33に干渉することを防止できる。
雄ねじ部材107が回転することで、雌ねじ部材108を軸線111方向(軸方向)に送り出すことができる。
雌ねじ部材108を送り出してアクチュエータ15を伸縮させることで、後輪18(図2参照)の舵角を制御することができる。
送りねじ機構43の雄ねじ部材107は、全体が金属で形成されたねじ部材である。
雌ねじ部材108は、樹脂材で形成された環状の樹脂部材131が一端部(一方のねじ部材の一部)108aに設けられ、その他の金属雌ねじ部132が金属で形成されたねじ部材である。
すなわち、雌ねじ部材108の一端部(右端部)108a側に環状の収納凹部134が形成され、環状の収納凹部134に環状の樹脂部材131が一体に設けられている。
よって、バックラッシュ135に潤滑油が供給され、歯面107aおよび歯面132a間を潤滑油で良好に潤滑することができる。
樹脂雌ねじ137は、雄ねじ部材107の歯面107aに対してバックラッシュ135が形成されていない状態で螺合されている。
よって、樹脂雌ねじ137の歯部が雄ねじ部材107の歯面107a間に圧縮された状態で螺合されている。
そして、樹脂雌ねじ137の歯面137aは、雄ねじ部材107の歯面107a(他方のねじ部材)に荷重を作用させた状態で当接されている。
これにより、樹脂雌ねじ137の歯面137aおよび雄ねじ部材107の歯面107a間にバックラッシュ135のない状態でも、雄ねじ部材107を雌ねじ部材108に対して円滑に移動することができる。
よって、雌ねじ部材108および雄ねじ部材107間の移動(ずれ)を樹脂部材131で防ぐことができる。
これにより、例えば、後輪18(図2参照)に外力などが作用した場合に、作用した外力で送りねじ機構43がずれることを防ぐことができる。
図7は第1実施の形態に係る雄ねじ部材の軸荷重を雌ねじ部材で支える例を説明するグラフである。
縦軸は雄ねじ部材107の軸荷重Fを示し、横軸は樹脂部材131のたわみ量δを示す。
ここで、軸荷重とは、雄ねじ部材107の軸方向に作用する荷重をいう。
この軸荷重は、例えば、後輪に外力などが作用した場合に、後輪に作用した外力が雌ねじ部材に伝わることにより生じる。
グラフG1は雄ねじ部材107の軸荷重(すなわち、雌ねじ部材108全体に作用する軸荷重)Fを示す。
グラフG2は樹脂雌ねじ137に作用する軸荷重Fを示す。
ここで、たわみ量δ1はバックラッシュの大きさと同等である。
よって、樹脂部材131のたわみ量δが0〜δ1間において、雄ねじ部材107の軸荷重Fを、雌ねじ部材108のうち、樹脂部材131で受けることができる。
これにより、雄ねじ部材107に軸荷重Fとして0〜F1が作用した場合に、雄ねじ部材107を樹脂部材131で支えて、雄ねじ部材107が軸方向に移動することを防ぐことができる。
したがって、例えば、後輪18に外力などが作用した場合に、後輪18に作用した外力が雌ねじ部材108に伝わり、雌ねじ部材108が不用意に移動(ずれて)してしまうことを防止できる。
ここで、たわみ量δ1〜δ2はバックラッシュの大きさを超えている。
よって、樹脂部材131のたわみ量δがδ1〜δ2間において、雄ねじ部材107の軸荷重Fを、樹脂部材131および金属雌ねじ部132で受けることができる。
したがって、例えば、後輪18に外力などが作用した場合に、後輪18に作用した外力が雌ねじ部材108に伝わり、雌ねじ部材108が不用意に移動(ずれ)してしまうことを防止できる。
よって、樹脂部材131に作用する軸荷重をF4と小さく抑えることができる。
これにより、樹脂部材131の耐久性を良好に確保することができる。
第2実施の形態の送りねじ機構140は、雄ねじ部材107のうち、樹脂材で形成された樹脂部材141が一部(一方のねじ部材の一部)107bに設けられ、その他の金属雄ねじ部142が金属で形成されている。
すなわち、雄ねじ部材107の溝部144に収納凹部145が形成され、収納凹部145に樹脂部材141が収納されている。
これにより、樹脂部材141および雌ねじ部材108間にバックラッシュ135のない状態でも、雄ねじ部材107(樹脂部材141)を雌ねじ部材108に対して円滑に移動することができる。
これにより、雄ねじ部材107を雌ねじ部材108に対して円滑に移動することができる。
これにより、例えば、後輪18(図2参照)に外力などが作用した場合に、作用した外力で送りねじ機構140がずれることを防ぐことができる。
すなわち、第2実施の形態の送りねじ機構140によれば、第1実施の形態の送りねじ機構43と同様の効果を得ることができる。
第3実施の形態の送りねじ機構150は、雄ねじ部材107のうち、樹脂材で形成された樹脂部材151が一部(一方のねじ部材の一部)107cに設けられ、その他の金属雄ねじ部152が金属で形成されている。
第3実施の形態の送りねじ機構150によれば、第2実施の形態の送りねじ機構140と同様の効果を得ることができる。
第4実施の形態の送りねじ機構160は、収納凹部145内に圧縮ばね161が収納されたもので、その他の構成は第2実施の形態の送りねじ機構140と同じである。
収納凹部145内に圧縮ばね161を収納することで、樹脂部材141を圧縮ばね161で収納凹部145から押し出す方向に押圧することができる。
さらに、第4実施の形態の送りねじ機構160によれば、第2実施の形態の送りねじ機構140と同様の効果を得ることができる。
第5実施の形態の送りねじ機構170は、雄ねじ部材107に軸線方向に対して直交する方向に収納部171が貫通され、収納部171の開口171a,171aに臨ませて一対の樹脂部材141が収納され、一対の樹脂部材141間に圧縮ばね172が収納されたもので、その他の構成は第4実施の形態の送りねじ機構160と同じである。
さらに、第5実施の形態の送りねじ機構170によれば、第4実施の形態の送りねじ機構160と同様の効果を得ることができる。
第6実施の形態の送りねじ機構180は、雌ねじ部材108のうち、樹脂材で形成された樹脂部材181が一部(一方のねじ部材の一部)108bに設けられ、その他の金属雌ねじ部182が金属で形成されている。
収納部183はボルト184をねじ結合する雌ねじ34aと同軸上に形成されている。ボルト184は、ブロック186を出力ロッド34に取り付けた状態で、先端部184aが収納部183のうち外部側に突出している。
ボルト184の先端部184aが樹脂部材181の外側端に当接することで、樹脂部材181の内側端を雄ねじ部材107の刃先107dに押圧することができる。
樹脂部材181の内側端を雄ねじ部材107の刃先107dに押圧することで、雄ねじ部材107の刃先107dに荷重を作用させることができる。
さらに、ブロック186を取り付けるボルト184を利用して樹脂部材181を雄ねじ部材107の刃先107dに押し付けることができるので、部品点数を減らすことができる。
Claims (1)
- アクチュエータのハウジング内に備えたモータを回転させ、前記モータの回転を送りねじ機構に伝え、前記送りねじ機構の雄ねじ部材の回転で雌ねじ部材を軸方向に送り出してアクチュエータを伸縮させることで、後輪の舵角を制御する後輪独立操舵装置において、
前記雌ねじ部材および前記雄ねじ部材のうち、一方のねじ部材の一部に、他方のねじ部材に荷重を作用させる樹脂部材が設けられたことを特徴とする後輪独立操舵装置。
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