JP2009241228A - 打撃工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】空打ち防止機構のメンテナンス性に優れ、さらに本体の小型化を図ることができる打撃工具の提供。
【解決手段】シリンダ31内においてピストン33、打撃子36、中間子39が配置され先端工具50を打撃する。打撃子36の中間子39側に凹部36aが形成されており、凹部36aの内周面には、環状溝36bが形成されている。環状溝36bには弾性変形部材であるOリング37が装着されている。中間子39を支持する中間子保持部材42には打撃子36側に同心円状に突出する円筒部42Aが突設され、円筒部42Aの後部にフランジ部42Bが設けられている。フランジ部42Bの外径は、Oリング37の内径よりも大きい。
【選択図】図2
【解決手段】シリンダ31内においてピストン33、打撃子36、中間子39が配置され先端工具50を打撃する。打撃子36の中間子39側に凹部36aが形成されており、凹部36aの内周面には、環状溝36bが形成されている。環状溝36bには弾性変形部材であるOリング37が装着されている。中間子39を支持する中間子保持部材42には打撃子36側に同心円状に突出する円筒部42Aが突設され、円筒部42Aの後部にフランジ部42Bが設けられている。フランジ部42Bの外径は、Oリング37の内径よりも大きい。
【選択図】図2
Description
本発明はハンマやハンマドリル等の打撃工具に関し、先端工具が装着されていない状態又は先端工具が装着されているが被削材に押付けられていない状態での打撃動作を防止するための空打ち防止機構を有する打撃工具に関する。
図6に従来の打撃工具の一例としてのハンマドリルを示す。この構造のハンマドリルは、ギヤボックス141内に、回転駆動力伝達機構によって回転し先端工具150を装着可能なシリンダ131が軸受により回転可能に支承されている。シリンダ131内には、中間子139と、中間子保持部材142と、打撃子136が設けられる。中間子139は先端工具150の後方に位置し、軸方向に移動可能に設けられる。中間子保持部材142は、中間子142を摺動可能に保持するためのものであり、ストッパリング145によりシリンダ131に固定されてその軸方向の移動が阻止されている。中間子保持部材142の内周面であって反先端工具150側には、弾性変形部材137が装着されている。打撃子136は中間子の後方に位置して軸方向に移動可能であり、先端部には打撃部136Aを備える。打撃部136Aの先端には半径方向外方に拡径し中間子139の後端面を打撃するフランジ136Bが設けられる。
打撃子136は、シリンダ131後端部側でシリンダ131に対して往復摺動する筒形ピストン133内に摺動可能に設けられている。打撃子136の後端面とピストン133の間には、空気室138が画成される。ピストン133が運動変換機構148によって往復運動すると、空気室138を介して打撃子136が往復運動し、中間子139を介して先端工具150へ打撃力を伝達する。
上述した中間子保持部材142の内周面側に装着された弾性変形部材137と、上述した打撃子136先端部のフランジ部136Bとにより、空打ち防止機構が提供される。空打ち防止機構は、先端工具150が装着されていない状態、あるいは先端工具150が装着されているが被削材に押付けられていない状態での空打ちを防止するためのものである。
先端工具が装着されており、被削材に押付けた状態の通常の打撃動作では、ピストン133が前進しても、打撃子136の打撃部136Aは弾性変形部材137を超えて前進することはない。しかし先端工具150が装着されてない状態、あるいは先端工具150に負荷がかかっていない状態でピストン133が往復運動すると、中間子139が前方へと移動可能であるために、打撃子136が通常よりも前方に前進して、フランジ部136Bや打撃部136Aが中間子保持部材142内に嵌入し、フランジ部136Bは弾性変形部材137の弾性変形を強要させつつ弾性変形部材137を超えて前進する。打撃子136の戻り行程のときには変形が回復している弾性変形部材137がフランジ部136Bを捕獲する。この弾性変形部材137による打撃部136の把持とフランジ部136Bの抜け止め作用とによって、打撃子136とピストン133との連動が遮断され、その後の空打ちが防止される。(例えば特許文献1参照)。
特開2007−326193号公報
先端工具が装着されており、被削材に押付けた状態の通常の打撃動作では、ピストン133が前進しても、打撃子136の打撃部136Aは弾性変形部材137を超えて前進することはない。しかし先端工具150が装着されてない状態、あるいは先端工具150に負荷がかかっていない状態でピストン133が往復運動すると、中間子139が前方へと移動可能であるために、打撃子136が通常よりも前方に前進して、フランジ部136Bや打撃部136Aが中間子保持部材142内に嵌入し、フランジ部136Bは弾性変形部材137の弾性変形を強要させつつ弾性変形部材137を超えて前進する。打撃子136の戻り行程のときには変形が回復している弾性変形部材137がフランジ部136Bを捕獲する。この弾性変形部材137による打撃部136の把持とフランジ部136Bの抜け止め作用とによって、打撃子136とピストン133との連動が遮断され、その後の空打ちが防止される。(例えば特許文献1参照)。
弾性変形部材137は空打ち状態での打撃子136の運動エネルギーを最初に受けることとなるため、繰り返された弾性変形による疲労破壊が生じやすい。これにより弾性変形部材137の磨耗や破断が発生し、継続的な使用により交換する必要性が生じる。弾性変形部材137を交換する際は打撃工具を分解する必要がある。シリンダ131は構造上、先端に向かう程径が小さくなっており、先端工具側である前方部側が軸受で支持されているので、先端部から各部材を取外すことは困難である等の理由から、打撃工具の後部側においてシリンダ131が外部に曝されるように分解される。
図6に示す打撃工具では弾性変形部材137を交換する際には、シリンダ131からピストン133及び打撃子136を取外し、中間保持部材142を取外さなければ、弾性変形部材137の交換ができない。具体的には、ピストン133をモータ側に残したまま及び打撃子136、中間子保持部材142、中間子139、先端工具150などを保持しているシリンダ131をギヤボックス141に対して前方に引抜く。これによりシリンダ131とピストン133が脱離し、シリンダ131の後方から打撃子136に到達することが可能となる。次に、打撃子136をシリンダ131内部から取り外し、ストッパリング145をシリンダ131から取外した後に中間子保持部材142を取出し、弾性変形部材137を交換する。このようにシリンダ131内部に位置するストッパリング145及び中間子保持部材142を取り外さなければならず、円筒状のシリンダ131内部に設置された弾性変形部材137を取り外すことは、困難な作業になる。
図6に示す打撃工具では弾性変形部材137を交換する際には、シリンダ131からピストン133及び打撃子136を取外し、中間保持部材142を取外さなければ、弾性変形部材137の交換ができない。具体的には、ピストン133をモータ側に残したまま及び打撃子136、中間子保持部材142、中間子139、先端工具150などを保持しているシリンダ131をギヤボックス141に対して前方に引抜く。これによりシリンダ131とピストン133が脱離し、シリンダ131の後方から打撃子136に到達することが可能となる。次に、打撃子136をシリンダ131内部から取り外し、ストッパリング145をシリンダ131から取外した後に中間子保持部材142を取出し、弾性変形部材137を交換する。このようにシリンダ131内部に位置するストッパリング145及び中間子保持部材142を取り外さなければならず、円筒状のシリンダ131内部に設置された弾性変形部材137を取り外すことは、困難な作業になる。
また打撃部136は、中間子139に打撃力を伝達するために打撃部136Aを有しているが、打撃子136とシリンダ131との適正な摺動長を確保するために打撃部136Aの形状が凸形状となり、その分シリンダ131の全長が長くなる。これにより打撃工具全体のサイズが大きくなってしまいコンパクト化が困難であった。
そこで本発明は、簡単な構造にて容易に弾性変形部材の着脱が可能となり、工具全体の形状をコンパクト化した打撃工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、ハウジングと、該ハウジング内に収容された電動モータと、先端工具を保持するため該ハウジング内に収容され、該前方側ハウジングに保持され回転可能に支承されたシリンダと、該シリンダ内周に摺動可能に設けられたピストンと、該電動モータの回転を該ピストンの往復運動に変換する変換機構と、該シリンダ内において軸方向に往復動摺動可能に設けられ、該ピストンとの間で空気室を画成する打撃子と、該シリンダ内に配置され、後端が該打撃子により打撃され、先端が先端工具を打撃する中間子と、該シリンダ内に配置され、該中間子を摺動可能に支持する中間子保持部材を有し、該中間子保持部材には係合部が設けられ、該打撃子の往復運動を阻止するために、該打撃子が該先端工具側に所定量移動した時弾性変形により該係合部に係合する弾性変形部材が該打撃子に設けられていることを特徴とする打撃工具を提供している。
また、該電動モータの回転を該シリンダに伝達させて該シリンダをその軸心を中心に回転させる回転伝達機構を有する構成であることが望ましい。
また、該打撃子の先端側には該中間子の該後端が侵入する凹部が形成され、該凹部の底面にて該中間子の該後端を打撃し、該弾性変形部材は該凹部の内周面に装着され、該打撃子が該先端工具側に所定量移動したとき該中間子保持部材が該凹部に所定量侵入して該弾性変形部材と該係合部が係合する構成であることが望ましい。
また、該係合部はその外周面から半径方向外方に突出するフランジ部によって構成され、該弾性変形部材はリング状弾性部材によって構成され、該フランジ部の外径は該リング状弾性部材の内径よりも大きいことが望ましい。
請求項1または2に記載の打撃工具によれば、弾性変形部材が磨耗して交換する必要性から打撃工具を分解する際に、前方ハウジングを後方ハウジングから取り外すと、ピストン及び打撃子を内部に配置しているシリンダを、打撃子の後方に存在し打撃子との間で空気室を画成するピストンと別離させることができる。そのことにより、シリンダ後方から打撃子を取り出すことが可能となる。よって打撃子にある弾性変形部材の交換を容易になし得ることができ、作業工程の工数を削減すると同時に作業者の負担を軽減することができる。換言すれば、ストッパリングや中間子保持部材まで取り外す手間がなくなる。
請求項3に記載の打撃工具によれば、打撃子には中間子を侵入させる凹部が形成され凹部の底面で中間子を打撃していることから、中間子と打撃子を合わせた全長が短くなる。これによりシリンダの全長を短くすることが可能となるため打撃工具全体の大きさをコンパクトかつ軽量化することができる。
請求項4に記載の打撃工具によれば、係合部に突出するフランジ部を設け、弾性変形部材をリング状弾性部材とするという簡単な構造によって、先端工具に負荷がかからない状態(空打ち状態)で工具を起動させるとリング状弾性部材がフランジ部と接触後弾性変形してフランジ部を乗り越え、変形が復元した後はリング状弾性部材がフランジ部に捕獲されて打撃子が後方に戻ることがないといった空打ち防止が実現可能になる。さらに、フランジ部の外径をリング状弾性部材の内径より大きくすることで、空打ちによってリング状弾性部材がフランジ部を乗り越えた後にその反動で打撃子が後方に移動しフランジ部と衝突しても、フランジ部乗り越えることが一層困難となるため、中間子保持部材による打撃子の確実な捕獲が可能となり空打ち防止の信頼性の更なる向上が実現できる。
本発明の実施の形態による打撃工具について、図1乃至図5に基づき説明する。図1は代表的な打撃工具であるハンマドリル1の全体を示す斜視図であり、後方側ハウジングとなるハンドル部10とモータハウジング20とギヤハウジング41(図2)と、前方側ハウジングとなる外枠部材30とによりケーシングが構成される。外枠部材30には、先端工具50を着脱可能に保持するための工具保持部60が設けられている。また工具保持部60付近において外枠部材30からは、サイドハンドル40が着脱可能に延出している。なお、図1ではケーシングの外面が樹脂製の被覆材で覆われているが、図2〜図5は、簡略化のため被覆材を省略している。また以下の説明において先端工具50側を前方とし、ハンドル部10側を後方とする。また先端工具50が延出する方向をX方向とし、それに直交する方向(ハンドル10が延出する方向)をY方向と定義する。
ハンドル部10には電源ケーブル11が取付けられると共に、使用者により操作可能なトリガ12が取付けられている。電源ケーブル11を外部電源(図示せず)に接続し、トリガ12を操作することにより、電源供給の接続と断続とが切換えられる。
モータハウジング20は、ハンドル部10の前方に設けられる。ハンドル部10とモータハウジング20は別体構造であるが、プラスチックで一体成型として作ることも可能である。ギヤハウジング41は、モータハウジング20の上方側に固定されている。外枠部材30はギヤハウジング41の前方に位置しており、外枠部材30はギヤハウジング41に対して、係合ボルト47によって着脱可能に設けられている。
モータハウジング20内にはモータ21が収納されている。モータ21はモータピニオン軸22を備えて回転駆動力を出力する。モータピニオン軸22と平行に第一回転軸23と第二回転軸24が、その軸心を中心に軸受を介して回転可能に支承されている。第一回転軸23のY方向下部にはモータピニオン軸22と噛合する第一歯車25が同軸的に固定されている。第一回転軸23のY方向上部には第一傘歯車27が形成され、後述する第二傘歯車28と噛合している。第二回転軸24のY方向下部にはモータピニオン軸22と噛合する第二歯車26が同軸的に固定されている。第二回転軸24のY方向上部にはクランクシャフト29が第二回転軸24と回転中心を同じくして、同心円状に回転するよう形成されている。
シリンダ31がX方向に延び、外枠部材30に固定される軸受によって回転可能に支承されている。シリンダ31の後部には、ギヤハウジング41に固定されている保持部材32によって回転可能に支承される第二傘歯車28がシリンダ31に対して回転可能に取付けられている。シリンダ31は先端に向かうほど径が小さくなっており、一部にテーパ部31Aを有する。シリンダ31の先端側には先端工具50を着脱可能に取付ける上述した工具保持部60が設けられている。第二傘歯車28の軸方向先端側にシリンダ31に対して回転不能であり軸方向に摺動可能な連接部材34が設けられている。連接部材34はその後部で第二傘歯車28と係合可能に設けられている。第一回転軸23、第一歯車25、第一傘歯車27、第二傘歯車28、連接部材34は、電動モータ21の回転をシリンダ31に伝達させてシリンダ31をその軸心を中心に回転させる回転伝達機構を構成する。
ピストン33がシリンダ31の内部に軸方向摺動可能に配置されている。ピストン33には、Y方向を軸心として回動可能なコンロッド35の先端部が接続されている。コンロッド35の後端はY方向を軸心として回動可能にクランクシャフト29に接続されている。第二回転軸24、第二歯車26、クランクシャフト29、コンロッド35は、電動モータ21の回転をピストン33の往復運動に変換する変換機構を構成する。
打撃子36がシリンダ31内のピストン33からX方向先端側に一定の距離をおいて軸方向に移動可能に設けられている。打撃子36とピストン33とシリンダ31によって囲まれた空間が空気室38となる。打撃子36の先端側には凹部36aが形成されている。凹部36aの内周面には環状溝36bが形成され、環状溝36bには弾性変形部材であるOリング37が装着されている。打撃子36は、従来の打撃部136Aの代わりに凹部36aを有することによって打撃子36の全長を短くすることができる。
中間子39がシリンダ31の内部に軸方向摺動可能に配置されている。中間子39の後部は打撃子36の凹部36aの底面と当接可能であり、凹部36aの底面から中間子39に打撃力が伝えられる。中間子39の先端部は先端工具50の後部と当接しており、中間子39の先端部から先端工具50に打撃力が伝達される。中間子39はシリンダ31内部に設けられたテーパ部31Aによって先端側への移動が制限されている。
中間子39を摺動可能に保持するための中間子保持部材42が、シリンダ31の内部に配置されている。中間子保持部材42は、軸方向後方に向って同心円状に突出する円筒部42Aが突設され、円筒部42Aの後部にその外周面から半径方向外方に突出するフランジ部42Bが設けられている。打撃子36の底面とフランジ部42Bの後端とを当接させるために、円筒部42Aの軸方向の長さは凹部36aの軸方向深さよりも短く設定されている。また、フランジ部42Bの外径はOリング37の内径よりも大きく打撃子36に形成された凹部36aの径よりも小さく設定されている。
中間子保持部材42の軸方向の移動を制限するために、シリンダ31内にストッパリング45が装着されている。また、シリンダ31内であって中間子保持部材42の先端側には、中間子保持部材42と当接するように緩衝部材43が配置されている。さらに緩衝部材43の先端側に緩衝部材43と当接するようにダンパワッシャ44が配置されている。中間子39が貫入しているダンパワッシャ44の貫通穴はテーパ状になっており、テーパ面にて中間子39が後退したときの衝撃を受け止め、図2に図示された位置以上に中間子39が後退することを防止している。緩衝部材43は中間子39の軸方向後方側への衝撃を緩和するために設けられている。
先端工具50は後部が中間子39と当接可能である。さらに、先端工具50は工具保持部材60及びシリンダ31によって保持されており、工具係止部材46によって半径方向の動きが規制され、軸方向の移動距離を一定量に制限される。
次にハンマドリル1の動作について説明する。モータ21の回転出力はモータピニオン軸22によって第一歯車25に伝わる。第一歯車25が回転することにより同軸上に位置する第一傘歯車27も回転し、それと噛合している第二傘歯車28が回転する。この回転力が第二傘歯車28と係合している連接部材34によってシリンダ31に伝わる。よってシリンダ31の先端部の先端工具50がシリンダ31と一体に回転する。このようにして回転駆動力は先端工具60に伝えられる。
モータピニオン軸22は第二歯車26とも噛合しており、モータ21からの回転力は、第二歯車26と同軸上に位置するクランクシャフト29に伝わる。クランクシャフト29及びクランクシャフト29に接続されたコンロッド35によって回転運動が往復運動に変換されピストン33に伝えられる。ピストン33の往復運動により、ピストン33及び打撃子36によって画成された空気室38内の空気が圧縮と膨張を繰り返し、空気室38を介して打撃子36に往復運動エネルギーを付与する。打撃子36は凹部36aの底面で中間子39の後端部と当接し、中間子39は先端部で先端工具50と当接していることから、中間子39を介して先端工具50に打撃力が与えられる。
先端工具50が工具保持部60に保持されており、被削材に押付けられている状態では打撃子36が前進すると凹部36aの底面が中間子39の後端面に衝突し、打撃力が先端工具50に直接伝達される。同時に先端工具50には、第2傘歯車28、シリンダ31を介して回転駆動力も伝達される。このようにして先端工具50には回転力と打撃力が同時に付与される。先端工具50へ加わった打撃力は被工作面から反作用として中間子39に衝撃力として戻る。このとき、緩衝部材43がストッパリング45への衝撃を緩和させている。そして、ダンパワッシャ44が中間子39を連続した打撃動作に適した位置に保持する。なお、打撃子36の往復動作中においては、後方に移動した際の中間子39の後端部が中間子保持部材42と打撃子36の長さより長いために、打撃子36のOリング37は、中間子保持部材42に嵌入することはない。
次に空打ち防止機構の動作について説明する。空打ちとは、先端工具50を取り付けない状態又は、先端工具50を取り付けてあるが先端工具50に負荷がかからない状態でハンマドリル1を運転することを言う。空打ち状態でハンマドリル1を運転すると、図3及び図4に示す状態となる。
空打ち状態でハンマドリル1を運転すると、中間子39は前方に移動してテーパ部31Aと衝突し、打撃子36は通常の運転位置よりも先端側に移動可能となる。すると、図3に示すように打撃子36に装着されたOリング37が、フランジ部42Bと接触する。フランジ部42Bの外径はOリング37の内径よりも大きいため、Oリング37は半径方向外方に弾性変形しながらフランジ部42Bを通過する。
この変形によって打撃子36の運動エネルギーは吸収され、図4に示すようにフランジ部42BがOリング37を通過した後にOリング37が元の形に復元して、フランジ部42Bによって打撃子36が捕獲される。打撃子36が前方に移動して中間子39に接したとしても、Oリング37の変形で運動エネルギーが軽減されているので衝突は軽微なものになり、衝突による反発も小さくなる。打撃子36が中間子保持部材42に嵌入した後、後方へ戻ってもフランジ部42BとOリング37とが係合しているので、打撃子36は中間子保持部材42に捕獲される。この状態ではピストン33が往復運動しても打撃子36は連動しなくなり、空打ちが防止される。
次に、先端工具50を工具保持部60に装着して先端工具50を後方へ押し込むと、中間子39が後方へ移動して打撃子36に当接する。打撃子36が後方に押されるとOリング37が強制的に弾性変形してフランジ部42Bとの係合が解除され、打撃子36を空打ち防止位置から通常の打撃作動位置に戻すことができる。
次にOリング37の交換方法について説明する。Oリング37は、打撃子36の有する運動エネルギーをフランジ部42Bと接触する部分で受止めることとなるため、継続的な使用によりOリング37の磨耗、破断などが発生する。このときは以下の手順に従ってハンマドリル1を分解し、Oリング37の交換を行う。
外枠部材30とギヤハウジング41は係合ボルト47によって螺合されているため、係合ボルト47を取り外す。そうするとギヤハウジング41側にピストン33を残してシリンダ31とピストン33が別離し、図5の太線Aに示される部分を境界として、外枠部材30及び工具保持部60をギヤハウジング41から切離すことができる。これによってシリンダ31が剥出しの状態となりシリンダ31を手で叩くことにより打撃子36をシリンダ31から取外すことができる。その後、打撃子36の環状溝36b内に装着されたOリング37を交換し、打撃子36をシリンダ31内に挿入した後に、外枠部材30とギヤハウジング41を係合ボルト47で螺合する。
このように、打撃子36に弾性変形部材たるOリング37を設けることにより、ストッパリング45や中間子保持部材42を外すことなく打撃子36の取外しのみでOリング37の交換が可能になり、Oリング37の交換作業工程数の削減及び作業者の負担軽減となる。
本発明による打撃工具は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、弾性変形部材はリング形状に限られず凹部36aの内周面の円周方向において所定間隔に半径方向内方に突出する複数の弾性部材であってもよい。さらに、中間子保持部材42の円筒部の外径をOリングの内径よるも僅かに大きくし、円筒部の外周面にOリングと係合可能な凹部を形成して、Oリングが凹部まで移動したとき、Oリングが半径方向内方に突出することで凹部と係合して空打ち防止を実現する機構であっても良い。また、中間子保持部材42による打撃子の捕獲を確実にするために複数の弾性変形部材を打撃子に装着してもよく、中間子保持部材に複数の半径方向外方に向かう突出部を設けてもよい。また、打撃工具は、実施の形態において示したハンマドリルに限られず、ハンマであってもよい。
また、例えば、上述した実施の形態において示した外枠部材とギヤハウジングを係合ボルトで螺合しないような打撃工具の構成であっても良いものである。例えば、シリンダを前方より着脱可能なハウジングが設けられており、シリンダが取付けられた状態でシリンダがハウジングに対して抜け止めさせる止め輪を有するハンマ・ハンマドリルなどの打撃工具であってもよい。
1:ハンマドリル、 20:モータハウジング、 21:モータ、 22:モータピニオン軸、 23:第一回転軸、 24:第二回転軸、 25:第一歯車、 26:第二歯車、 27:第一傘歯車、 28:第二傘歯車、 29:クランクシャフト、30:外枠部材、 31:シリンダ、 33:ピストン、 34:連接部材、 35:コンロッド、 36:打撃子、 36a:凹部、 37:Oリング、 36b:環状溝、 38:空気室、 39:中間子、 41:ギヤハウジング、 42:中間子保持部材、 42A:突出部、 42B:フランジ部、 45:ストッパリング、 47:係合ボルト、 50:先端工具
Claims (4)
- ハウジングと、
該ハウジング内に収容された電動モータと、
先端工具を保持するため該ハウジング内に収容され、該前方側ハウジングに保持され回転可能に支承されたシリンダと、
該シリンダ内周に摺動可能に設けられたピストンと、
該電動モータの回転を該ピストンの往復運動に変換する変換機構と、
該シリンダ内において軸方向に往復動摺動可能に設けられ、該ピストンとの間で空気室を画成する打撃子と、
該シリンダ内に配置され、後端が該打撃子により打撃され、先端が先端工具を打撃する中間子と、
該シリンダ内に配置され、該中間子を摺動可能に支持する中間子保持部材を有し、
該中間子保持部材には係合部が設けられ、
該打撃子の往復運動を阻止するために、該打撃子が該先端工具側に所定量移動した時弾性変形により該係合部に係合する弾性変形部材が該打撃子に設けられていることを特徴とする打撃工具。 - 該電動モータの回転を該シリンダに伝達させて該シリンダをその軸心を中心に回転させる回転伝達機構を有する請求項1に記載の打撃工具。
- 該打撃子の先端側には該中間子の該後端が侵入する凹部が形成され、該凹部の底面にて該中間子の該後端を打撃し、
該弾性変形部材は該凹部の内周面に装着され、
該打撃子が該先端工具側に所定量移動したとき該中間子保持部材が該凹部に所定量侵入して該弾性変形部材と該係合部が係合することを特徴とする請求項1または2に記載の打撃工具。 - 該係合部はその外周面から半径方向外方に突出するフランジ部によって構成され、該弾性変形部材はリング状弾性部材によって構成され、該フランジ部の外径は該リング状弾性部材の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の打撃工具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008092257A JP2009241228A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 打撃工具 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102039584A (zh) * | 2009-10-14 | 2011-05-04 | 罗伯特.博世有限公司 | 工具装置 |
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-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008092257A patent/JP2009241228A/ja active Pending
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