JP2009241033A - 反応器 - Google Patents

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Abstract


【課題】 長期に安定かつ安全に使用でき、安定して反応生成物を生成できる反応器を提供する。
【解決手段】 反応器1に接合される供給管2aから供給された物質を、他の物質に変化させ、排出管2bより排出するための装置であり、その供給された物質を他の物質に変化させるための内部空間8を内部に有しており、担持された反応触媒3を用いて供給された物質を変性、転化、分解、混合し、別の物質に変換するための化学反応部として作用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反応器に関する。
近年、精密加工技術の進歩発展によって、マイクロテクノロジーと呼ばれる新しい概念が登場してきた。すなわち、マイクロな微小空間を活用して、液体や気体を高速、高精度で制御し反応させるマイクロ化学システムは、反応・分析の効率化・高速化のための革新的な技術としてだけでなく、新反応系の場としても注目を集めている。
特に、マイクロ化学プラントは従来の工業的物質生産の方式を変革するものとして、化学産業だけでなく関連する医療、製薬、バイオ関連、食品産業などからも大きな期待が寄せられている。このマイクロ化学システム(プラント)は、マイクロ加工技術によってつくられた幅数μmから数百μmのマイクロ流路を基本に、各種のマイクロ反応器(マイクロリアクター等)の機能デバイスから構成されるシステムである。そして、このマイクロ化学システムは熱移動や物質移動速度が格段に大きく、化学反応の効率を飛躍的に増加させる可能性が指摘されている。
特開2003−2602号公報
このような反応器内での化学反応の反応速度を高めるために、反応触媒を反応器内に担持させることが行われている。
反応触媒は、反応速度を高めるために原料物質との接触を高める必要があり、そのために被表面積を高める必要がある。そこで、反応触媒の粒子径を小さくすることが行われている。
しかしながら、反応触媒の粒子径を小さくすることによって、反応器との接触面積も小さくなり、反応触媒と反応器との接合強度が低下し、触媒が担持体から剥離してしまうという問題が生じる。
その際に剥離した触媒によって、反応器の排出孔を塞いだり、または排出孔の内部を塞ぎ、反応器内での反応によって生成された反応生成物の反応器外への排出を阻害することがあった。その結果、原料物質の反応器への供給も滞り、反応生成も阻害されるという問題がある。
そこで、長期に安定して反応生成物を生成できる反応器が望まれていた。
本発明の実施形態にかかる反応器は、基体と、前記基体に設けられ、基体との間に気密に封止された内部空間を形成する蓋体と、前記内部空間内に設けられる第1担持体と、前記第1担持体の表面に設けられ、第1担持体よりも高い酸化性を有する第2担持体と、
前記第2担持体に担持される反応触媒と、を備える。
本発明に従えば、反応触媒が第1担持体よりも酸化性の高い第2担持体に担持されるので、第2担持体の表面に担持した反応触媒の接続に良好な強度を保持することができ、第2担持体から反応触媒が剥離して反応触媒が排出孔を塞ぐことを抑制できる。
本発明によれば、第1担持体の表面に、この第1担持体よりも酸化性の高い第2担持体を設け、第2担持体の表面に反応触媒が担持されるので、第2担持体の表面に担持した反応触媒の接続に良好な強度を保持することができる。それゆえ、第2担持体から反応触媒が剥離して排出孔を塞ぐことを抑制できる。その結果、長期に安定して反応生成物を生成することができる。
図1は本発明の一実施形態の反応器1を示す断面図である。
本実施形態の反応器1は、基体1a、基体1aに気密に接合され、基体1aとの間に内部空間8を形成する蓋体1b、反応器1に原料を入力するための供給管2a、反応器1から反応物を出力するための排出管2b、反応触媒3、反応触媒3が担持されている第2担持体4、第2担持体4が搭載される第1担持体5、リード端子6、および電極7を含む。
基体1aおよび蓋体1bは、反応触媒3を収納する容器としての役割を有する。反応器1は、反応器1に接合される供給管2aから供給された物質を、他の物質に変化させ、排出管2bから排出するための装置であり、その供給された物質を他の物質に変化させるための内部空間8を内部に有し、担持された反応触媒3を用いて供給された物質を変性、転化、分解、混合し、別の物質に変換するための化学反応部として機能する。
反応器1は、特に限定されるものではなく、たとえば、シリコン等の半導体、石英、ガラス、金属、またはセラミックス等の無機材料から成る基体1aに、切削法、エッチング法、またはブラスト法等によって内部空間8を形成して液体を導く流路を作製するとともに、操作中の液体の蒸発防止等を目的として、ガラス板または金属等から成る蓋体1bを陽極接合、ロウ付け、または溶接等によって表面に密着させることによって形成される。またその形状も特に限定されるものではなく、たとえば中空でかつ直方体状等が挙げられる。それらは、たとえば、SUS、Fe−Ni−Co合金、Fe−Ni合金等のFe系合金、または無酸素銅等の金属材料、酸化アルミニウム(Al)質焼結体、ムライト(3Al・2SiO)質焼結体、炭化珪素(SiC)質焼結体、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体、窒化珪素(Si)質焼結体、ガラスセラミックス等のセラミック材料、またはポリイミド等の高耐熱の樹脂材料等によって形成され、断熱性の観点から、特にはセラミック材料から成るのが好ましい。
基体1aおよび蓋体1bに適用可能なガラスセラミックスとしては、ガラス成分とフィラー成分とが挙げられる。ガラス成分としては、たとえばSiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同一または異なってCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは前記と同じである)、SiO−B−M O系(但し、MはLi、NaまたはKを示す)、SiO−B−Al−M O系(但し、Mは前記と同じである)、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。
また、フィラー成分としては、たとえばAl、SiO、ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(たとえばスピネル、ムライト、コージェライト)等が挙げられる。
基体1aおよび蓋体1bは、基体1aおよび蓋体1bによって形成される内部空間8に反応触媒3を収納できればよく、たとえば図1に示すように、板状の基体1aと断面凹状の蓋体1bと接合した構成であってもよく、あるいは凹部を有する枠状の基体1aと板状の蓋体1bとを接合して構成されてもよい。
この場合、基体1aと蓋体1bは、内部を外部とを遮断するため、半田や金属ロウ材等で接合する方法や、基体3aが凹部を有する場合には、凹部の上面に鉄合金等で作製されたシールリング等を接合して、シーム溶接、電子ビーム溶接やレーザビーム溶接等の方法によって接合してもよい。
たとえば、Au−Snロウ材によって接合する場合は、蓋体1bに予めAu−Snロウ材を溶着させておくか、あるいは金型等を用いて打ち抜き加工等で枠状に形成したAu−Snロウ材を基体1aと蓋体1bとの間に載置した後、封止炉あるいはシーム溶接によって蓋体1bを基体1aに接合する。
また、基体1aおよび蓋体1bは、反応器1の小型化、低背化を可能とするために、厚さを薄くするのが好ましいが、基体1aおよび蓋体1bの強度を維持すべく、械的強度である曲げ強度は200MPa以上とするのが好ましい。たとえば、曲げ強度が200MPa以下の場合には、基体1aおよび蓋体1bの機械的強度が不足し、荷重が加わった際に変形または破壊してしまう可能性がある。
また、基体1aおよび蓋体1bが、相対密度が95%以上の緻密質の酸化アルミニウム質焼結体で形成される場合、以下のようにして作製される。
まず、酸化アルミニウム粉末に、希土類酸化物粉末や酸化アルミニウム粉末等の焼結助剤を添加、混合して、酸化アルミニウム質焼結体の原料粉末を調製する。次いで、この原料粉末に有機バインダおよび分散媒を添加、混合してペースト化し、このペーストをドクターブレード法によって、あるいは原料粉末に有機バインダを加え、プレス成形、圧延成形等によって、所定の厚みのグリーンシートを作製する。その後、所定枚数のシート状成形体を位置合わせして積層圧着した後、この積層体を、たとえば非酸化性雰囲気中、焼成最高温度が1200℃〜1500℃の温度で焼成して、目的とするセラミック製の基体1aおよび蓋体1bを得ることができる。なお、基体1aおよび蓋体1bの成形は、粉末成形プレス法であってもよい。
一方、基体1aおよび蓋体1bが金属材料から成る場合は、切削法、プレス法、MIM(Metal Injection Mold)法等によって所定の形状に形成される。
さらに、基体1aおよび蓋体1bが金属材料から成る場合には、腐食を防止するためにその表面は、たとえばAu、Niのめっき処理や、ポリイミド等の樹脂コーティング等の被覆コーティング処理が行なわれることが望ましい。たとえばAuめっき処理の場合であれば、その厚さは0.1μm〜5μmであることが望ましい。
そして、基体1aおよび蓋体1bによって形成される反応器1の内部空間8に、反応触媒3を担持した第2担持体4が搭載された第1担持体5が収納される。
さらには、反応触媒3を収容する反応器1は、上記に述べた異種の材料の組合せでもよく、部分的に異なる材料を組合せて用いてもよい。
反応器1内には、温度調節機構、たとえば、抵抗層等から成る薄膜ヒータ(図示せず)や厚膜ヒータ(図示せず)を形成し、表面にはこのヒータへ電力を供給する端子として電極7が形成される。この温度調節機構によって、反応器1を、触媒反応条件に相当する200〜800℃程度の温度条件に調整することで、供給管2aが接続された原料供給口から供給される原料を反応させて、原料排出孔に接続された排出管2bから反応生成物を発生させる原料反応を良好に促進することができる。
なお、反応器1において、ヒータは、反応触媒3が担持され原料反応をおこなう空隙内、あるいはその近傍に配置されることによって、ヒータから発生する熱を効率的に原料反応に用いることができる。たとえば、ヒータは、後述する第1担持体5に設けられていてもよい。
また、反応器1は、リード端子6を有する場合には、反応器1上の電極7とリード端子6をロウ付けやボンディングワイヤ等(図示せず)によって電気的に接続することによって、反応器1の表面や内部に形成されたヒータを加熱することができる。その結果、反応器1において反応温度の維持が可能となり、原料を安定に反応させることができる。
また、反応器1内の内部空間8には、第1担持体5、第2担持体4、反応触媒3を有する。たとえば、予め第2担持体4に反応媒体3を担持させる。しかる後、第2担持体4を第1担持体に接合する。
反応触媒3の材料としては、たとえば、Ni、Cu、Cu−Cr、Cu−Zn、Pt、Pd、Ru等を主成分とするものを用いることができる。
反応触媒3は、反応器1の基体1aから供給される熱を利用し、所定の温度で製造プロセスにおいて、反応触媒3と接触した原料を生成物に変換する役割を有する。なお、原料と反応触媒3との反応に要する温度や時間は、使用する反応触媒3の種類によって異なる。
第1担持体5は、たとえば、SUS、Fe−Ni−Co合金、Fe−Ni合金等のFe系合金、または無酸素銅等の金属材料、酸化アルミニウム(Al)質焼結体、ムライト(3Al・2SiO)質焼結体、炭化珪素(SiC)質焼結体、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体、窒化珪素(Si)質焼結体、ガラスセラミックス等のセラミック材料、またはポリイミド等の高耐熱の樹脂材料等によって形成することができる。
また、第1担持体5は、反応器1の基体1aからの熱を好適に反応触媒3に伝える点に鑑み、特に薄板の金属材料が好ましい。
第1担持体5が金属材料から成る場合は、切削法、プレス法、またはMIM(Metal
Injection Mold)法等によって、所定の形状に形成される。
第2担持体4は、たとえば、反応触媒3の接合強度を向上させるために、金属材料、セラミック材料、等の反応触媒3との反応性が高いものとの組み合わせて選択することによって、第2担持体4と反応触媒3との高い接合強度を確保することができる。
第2担持体4が金属から成る場合には、第2担持体4は、均等に熱され易く、反応触媒3の反応生成物の発生のバラツキが低減される。また、第1担持体5から第2担持体4へ効率良く熱伝導する事が可能となり、反応触媒3の反応が促進される。
特に、第2担持体4の金属が銅である場合には、酸化性が高く、反応触媒3との酸化接合強度を保持し、かつ熱伝導率が高く、反応触媒3への熱伝達が効率よく行われることによって、反応触媒3による生成物の生成を、さらに促進することができる。
第2担持体4を、第1担持体5に接合する方法は、たとえば、第1担持体5の表面に第2担持体4を散布後、酸化反応が発現するのに必要な温度で焼き付ける方法や、第1担持体5の表面に第2担持体4をブラストにより打ち込み機械的強度を確保する方法がある。
供給管2aおよび排出管2bは、たとえば、Fe−Ni系、Fe−Ni−Co系、SUS等の金属材料、またはAl質焼結体、3Al・2SiO質焼結体、SiC質焼結体、AlN質焼結体、Si質焼結体、ガラスセラミック焼結体等のセラミック材料、またはポリイミド等の高耐熱の樹脂材料によって形成されている。
反応器1の物質供給口および物質排出孔に対する供給管2aおよび排出管2bの接続には、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラスや各種セラミックス、無機ポリマーを含む無機接着剤、ポリイミドアミド等の高耐熱性有機材料を含む接着剤、シリコーンゴムや珪素樹脂等の有機珪素化合物、Au−Sn、Au−Si、Au−Ge、Ag−Cu合金等の各種ロウ材から成るものを用いる接続方法が適用でき、これによって気密封止される。
また、供給管2aおよび排出管2bの内径φは、0.1mm以上として流体の圧力損失を抑えるとともに、小型化、低背化のためには、供給管2aおよび排出管2bの内径φを5mm以下とすることが好ましい。
供給管2aおよび排出管2bの接合部分の断面形状としては、通常は断面が円形とすればよいが、これに限定されない。すなわち、円形の他には、楕円形や、管内の流体の流れが阻害されないように、管の内径部分を面取りした形状のものが挙げられる。
また、肉厚は物質供給や反応物質排出の圧力で変形しない厚みが必要であり、上記の材料から成る場合には、携帯機器等に使用するものでは、通常は0.1mm以上であればよい。また、流れ方向の長さは、反応器1で発生する熱を発電セルに伝えにくくするためには長い程よいが、反応装置システム全体の大きさを考慮した長さにすべきである。
本実施の形態によれば、次の効果を奏することができる。
第1担持体5の表面に、この第1担持体5よりも酸化性の高い第2担持体4を設け、第2担持体4の表面に反応触媒3が担持されるので、第2担持4体の表面に担持した反応触媒3の接続に良好な強度を保持することができ、第2担持体4から反応触媒3が剥離して反応触媒3が排出孔を塞ぎ、反応器1内での反応で生成された反応生成物が反応器1外への排出することを阻害されることを防止することができ、長期に安定かつ安全に使用安定して反応生成物を生成することができる。
また、第2担持体4の形状は、球状であることから、反応触媒3の担持する面積が広く成ることから、反応触媒3の担持量を増やすことができる。
また、第2担持体4の表面は、金属で覆われていることから、反応触媒3の接続方法として、金属表面の酸化反応で接合する反応触媒3の担持に良好な接続強度を発現させることができる。
また、第2担持体4は、金属から成ることから、第2担持体4の熱容量が小さく、第2担持体4が均熱され、反応触媒3の反応生成物の発生バラツキが低減される。また、第1担持体5の熱を効率よく第2担持体4が伝導する事が可能となり、反応触媒3の反応が促進される。
また、第2担持体4の金属が、銅であることから、酸化性が高く、反応触媒3との接合強度を保持し、かつ熱伝導率が高く、反応触媒3への熱伝達が効率良く行われることで、反応触媒による生成物の生成を促進することができる。
本発明は、以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。たとえば、図1に示した例においては、供給管2aおよび排出管2bは反応器1の下面に接合されているが、これらは反応器1の仕様に応じて上面に接合してもよい。
本発明の実施の一形態の反応器1を示す断面図である。
符号の説明
1 反応器
1a 基体
1b 蓋体
2a 供給管
2b 排出管
3 反応触媒
4 第2担持体
5 第1担持体
6 リード端子
7 電極
8 内部空間

Claims (6)

  1. 基体と、
    前記基体に設けられ、基体との間に気密に封止された内部空間を形成する蓋体と、
    前記内部空間内に設けられる第1担持体と、
    前記第1担持体の表面に設けられ、第1担持体よりも高い酸化性を有する第2担持体と、
    前記第2担持体に担持される反応触媒と、を含むことを特徴とする反応器。
  2. 前記第2担持体は、球状粒子から成ることを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  3. 前記第2担持体は、その表面が金属であることを特徴とする請求項1または2に記載の反応器。
  4. 前記第2担持体は、金属から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の反応器。
  5. 前記第2担持体は、銅から成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の反応器。
  6. 前記反応触媒は、Ni、Cu、Cu−Cr、Cu−Zn、Pt、PdおよびRuのうちから選ばれた1種から成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の反応器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107335393A (zh) * 2017-08-31 2017-11-10 江苏维尔炉业有限公司 一种分体式反应釜加热炉

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